JP5215280B2 - ノンフライ用衣材 - Google Patents

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Description

本発明は、ノンフライ用衣材に関する。
近年の健康志向やダイエット志向の高まりから、油脂摂取を抑えるため、フライ調理品よりも、ノンフライ調理品が、消費者に好まれる傾向にあるので、ノンフライ調理品に使用するためのノンフライ用衣材の開発が進められている。
例えば、イースト発酵したパン粉を微粉にし、この微粉パン粉と糖類をそれぞれ特定量で含むように配合されたノンフライ用ブレッダーミックスが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、イースト発酵した微粉パン粉及び糖類を含む衣材を用いて得られたノンフライ調理品は、フライ調理品のような、消費者に好まれるサクサクした食感を有するものが得られないと云う問題があった。
特開2009−106206号公報
本発明は、上記の如き従来の問題に鑑みてなされたものであり、喫食の際、フライをしなくとも、焼成のみでフライ調理品と同様な食感、すなわち良好なサクサクした食感を有するノンフライ調理品を得ることができるノンフライ用衣材を提供することを課題とする。
本発明者は、当該課題を解決すべく、種々研究を重ねた結果、パン粉ではなく、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を衣材に用いれば、焼成のみで、フライ調理品と同様、良好なサクサクした食感を有するノンフライ調理品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、比容積0.8〜2.0ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を含有することを特徴とするノンフライ用衣材により、上記課題を解決したものである。
本発明によれば、フライをしなくとも、焼成のみで、フライ調理品と同様、良好なサクサクした食感を有するノンフライ調理品を得ることができる。
本発明に用いる非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物は、パン粉とは異なり、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物で0.8〜2.0ml/1gの比容積を有するものである。斯かる特定の比容積を有する非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物は、例えば、主原料の小麦粉及び0〜0.5質量%の膨張剤を含む生地原料100質量部に対し、水を20〜100質量部添加し、均一に混合して得られた小麦粉生地を、温度120〜250℃で、1分間〜1時間焼成後、得られた小麦粉焼成物を最大長径0.1〜3mm程度に粉砕して得ることができる。
当該小麦粉生地は、特に生地原料100質量部に対し、20〜70質量部添加して得られる低加水生地とするのが、良好なサクサクした食感を有するノンフライ調理品を得る上で、好ましい。小麦粉生地は、必要に応じて焼成前にねかしを行ってもよい。また、小麦粉生地は、適宜小麦粉生地を所定の厚みや形状になるように、圧延、押圧、打ち抜き等を施してもよい。
因みに、比容積が2.0ml/1g超の場合や比容積が0.8ml/1g未満の場合には、サクサクとした食感を有さないノンフライ調理品となるので、本願発明の課題を解決し得ない。
尚、生地原料にイーストを配合して得られた小麦粉焼成粉砕物、すなわちパン粉は、良好なサクサクとした食感を有するノンフライ調理品を得ることができないので、本発明においては生地原料中にイーストを配合しない。
主原料の小麦粉としては、特に限定されないが、薄力小麦粉、中力小麦粉、準強力小麦粉、強力小麦粉、デュラム小麦粉等から少なくとも1種又は2種以上を選択して使用すればよいが、この小麦粉の種類のうち、強力小麦粉、準強力小麦粉、デュラム小麦粉が、良好なサクサクした食感を有するノンフライ調理品を得る上で、好ましい。
小麦粉以外の穀粉を主原料として用いた場合には、良好なサクサクとした食感を有するノンフライ調理品を得ることができないので、生地の主原料は小麦粉であることが必要である。ただし、本発明で得られる効果を阻害しない範囲内であれば、小麦粉以外の穀粉、例えば米粉、トウモロコシ粉、ソルガム粉等を使用してもよい。
生地原料中の小麦粉の含有量は、特に限定されないが、乾燥物換算で、70〜100質量%、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%とするのが、良好なサクサクした食感及び適度な焦げ目を有するノンフライ調理品を得る上で有利である。
膨張剤としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を混合して用いることができる。更に、これらに酸性剤、例えば焼ミョウバン、酒石酸及びその塩、リン酸及びその塩、グルコノデルタラクトン等の1種又は2種以上を添加して用いることもできる。
生地原料中の膨張剤の含有量は、0.5質量%を超えると良好なサクサクした食感を有するノンフライ調理品が得られにくくなるので、乾燥物換算で、0〜0.5質量%、好ましくは0〜0.4質量%、より好ましくは0〜0.3質量%とするのが、良好なサクサクした食感を有するノンフライ調理品を得る上で、有利である。
生地原料には、上記成分以外に、後述の衣材に用いられるような澱粉、糖類、増粘剤、乳化剤、油脂、食塩、調味料、卵白粉及びグルテン等の各種蛋白質、セルロース等の食物繊維等の任意成分を適宜添加配合してもよい。
小麦粉生地の焼成は、例えばオーブンを用い、前記小麦粉生地を、温度160〜220℃で、5〜30分間焼成するのが、良好なサクサクした食感を有するノンフライ調理品を得る上で、好ましい。
焼成後の粉砕は、例えば、コーヒーミル等のミルを用い、前記非イースト発酵小麦粉焼成物を最大長径0.1〜3mm程度に粉砕して比容積0.8〜2.0ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を得る。
この比容積0.8〜2.0ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を得るに当たっては、粉砕後、必要に応じて粉砕物を篩別して比容積を調整してもよい。
例えば、比容積1ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を得るには、最大長径1mm程度に小麦粉焼成物を粉砕するのが好ましく、また比容積2ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を得るには、最大長径3mm程度に小麦粉焼成粉砕物を粉砕するのが好ましい。
尚、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物の比容積(ml/1g)は、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物(25g)を、プラスチック製計量カップ(100ml容:内径5.3mm、高さ4.4mm)に入れ、高さ1cmの位置から机の上に1回落下させたのち、当該カップの目盛からその容積(ml)読み取り、比容積(ml/1g)=容量/質量(25g)により算出する。
本発明のノンフライ用衣材は、上述の如き非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を、例えば糖類、穀粉、澱粉、油脂、調味料、香料、卵、増粘剤、乳化剤、食塩等の1種又は2種以上から成る衣材に適宜添加配合して調製される。
ここに、糖類としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、単糖類、少糖類、多糖類、糖アルコール類、少多糖類の加水分解物(例えば、水あめ)、これらの異性化糖等を挙げることができる。
当該単糖類としては、例えばリボース、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フラクトース等が挙げられる。また、少糖類としては、例えばショ糖、麦芽糖、乳糖、トレハロース、ラフノース等が挙げられる。また、多糖類としては、例えばグリコーゲン、セルロース、イヌリン等が挙げられる。また、糖アルコール類としては、例えばマルチトール、キシリトール等が挙げられる。これらの糖類のうち、少糖類や水あめが好適に使用され、特に、トレハロースを使用するのが、良好なサクサクとした食感や適度な焦げ目の外観を有するノンフライ調理品を得る上から、有利である。
尚、これらの糖類は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
衣材中の糖類の含有量は、乾燥物換算で、0.2〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは4〜10質量%とするのが、適度な甘味を有するノンフライ食品を得る上で、有利である。
また、穀粉としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、小麦粉、そば粉、ライ麦粉、米粉、トウモロコシ粉、オーツ粉末、ソルガム粉、緑豆粉等から選ばれる1種以上のものが好ましく、このうち、小麦粉特有の風味をノンフライ調理品に付与する上で、小麦粉が好ましく、また油がべたつかず、良好なサクサクした食感を有するノンフライ調理品を得る上で、ソルガム粉が好ましい。
尚、穀粉は、熱処理されたもの、例えば湿熱処理小麦粉や乾熱処理小麦粉等でもよい。
衣材中の穀粉の含有量は、乾燥物換算で、1〜89質量%、好ましくは30〜85質量%、より好ましくは30〜79質量%とするのが有利であり、特にブレダーミックスとして使用する場合には、乾燥物換算で、25〜89質量%、好ましくは30〜85質量%、より好ましくは30〜65質量%とするのが有利であり、またバッターミックスとして使用する場合には、乾燥物換算で、25〜79質量%、好ましくは30〜79質量%、より好ましくは30〜60質量%とするのが有利である。
また、衣材中の小麦粉の含有量は、乾燥物換算で、1〜69質量%、好ましくは5〜69質量%、より好ましくは10〜50質量%とするのが有利であり、特にブレダーミックスとして使用する場合には、乾燥物換算で、5〜65質量%、好ましくは10〜65質量%、より好ましくは10〜45質量%とするのが有利であり、またバッターミックスとして使用する場合には、乾燥物換算で、15〜69質量%、好ましくは20〜69質量%、より好ましくは20〜50質量%とするのが有利である。
衣材中のソルガム粉の含有量は、乾燥物換算で、1〜60質量%、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは1〜45質量%とするのが有利であり、特にブレダーミックスとして使用する場合には、乾燥物換算で、5〜50質量%、好ましくは10〜45質量%、より好ましくは10〜20質量%とするのが有利であり、またバッターミックスとして使用する場合には、乾燥物換算で、1〜40質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%とするのが有利である。
また、澱粉としては、通常食品に使用されるものであればよく、小麦粉澱粉、トウモロコシ澱粉、ハイアミロースコーン澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉等の生澱粉や、該生澱粉に、リン酸架橋、アセチル化、エーテル化、α化、酸化等の加工処理を施した加工澱粉が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、油脂としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、菜種油、大豆油、ひまわり油、サフラワー油、綿実油、オリーブ油、カカオ脂、パーム油、コーン油及び小麦胚芽油等の植物性油脂や、魚油、牛脂、豚脂、バター、ショートニング、マーガリン等の動物性油脂及びこれらの硬化性油脂が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
衣材中の油脂の含有量は、乾燥物換算で、1〜10質量%、好ましくは5〜10質量%とするのが、サクサクとした食感のノンフライ食品を得る上で有利である。
また、卵としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、全卵、卵黄、卵白又はこれらの粉等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
増粘剤としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、キサンタンガム、グアガム、ローカストビーンガム等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
乳化剤としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、調味料としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、食塩、香辛料、粉末醤油、粉末ソース、グルタミン酸、イノシン酸等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、このうち、適度な焦げ目を有するノンフライ調理品を得る上で、粉末醤油が好ましい。
衣材中の調味料の含有量は、乾燥物換算で、1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%、更に好ましくは4〜8質量%とするのが有利である。
本発明のノンフライ用衣材は、例えば、ブレダーミックス、バッターミックス、フリッターミックス、天ぷらミックス等として使用されるが、特にブレダーミックス、バッターミックスとして使用するのが、フライをしなくとも焼成のみで良好なサクサクとした食感及び適度な焦げ目の外観を有するノンフライ調理品を得ることができるので有利である。
斯かる衣材中の非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物の含有量は、特に制限はないが、1〜80質量%、好ましくは1〜65質量%、より好ましくは15〜60質量%とするのが、良好なサクサクとした食感及び適度な焦げ目の外観を有するノンフライ調理品を得ることができるので有利である。特に、当該非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物の含有量は、本発明のノンフライ用衣材をブレダーミックスとして使用する場合、乾燥物換算で、1〜65質量%、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは25〜60質量%、更に好ましくは25〜50質量%とするのが有利であり、またバッターミックスとして使用する場合、乾燥物換算で、1〜55質量%、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは20〜50質量%、更に好ましくは20〜40質量%とするのが有利である。
本発明の衣材を用いてノンフライ調理品を得るには、本発明の上記ノンフライ用衣材を食材に付着させた後、フライすることなく、焼成するだけで良い。
本発明のノンフライ用衣材を食材に付着させることは、通常の手法を用いればよい。例えば、食材に、必要に応じて予め下味付けや打ち粉、溶き卵、バッターミックス等を付着させた後、本発明の上記ブレダーミックスを用いる場合にはブレダーミックスをまぶすように付着させればよく、また本発明の上記バッターミックスを用いる場合には予め調製したバッター液につけたり、該バッター液を噴霧したりして該バッター液を付着させればよい。該バッター液として、バッターミックス100質量部に水50〜150質量部を加え、均一に攪拌して調製されたものを用いればよい。
ノンフライ調理品を得るための焼成は、油脂を用いずに加熱処理しても良いが、食材に応じて適宜少量の油脂を使用して加熱処理しても良い。焼成処理としては、例えば、オーブン、グリル、フライパン焼き、鉄板焼き、電子レンジ加熱(マイクロ波照射)、過熱蒸気、蒸し焼き(スチームオーブン)等が挙げられる。
食材としては、特に限定されず、例えば、牛肉、豚肉、鶏肉、ラム肉等の肉類;イカ、タコ、エビ、シャケ、サバ、カレイ等の魚介類;大豆、米、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモ等の穀類、野菜類、根菜類等又はこれらの加工品等が挙げられる。
得られたノンフライ調理品は、フライ調理品と同様、良好なサクサクした食感と適度な焦げ目の外観を有するものであり、そのまま食してもよく、冷蔵・冷凍品等の保存品にして保存し、喫食時に再加熱処理して食してもよい。
次に、本発明を更に具体的に説明するために、実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
製造例1:非イースト発酵小麦粉焼成物1〜4、パン、米粉焼成粉砕物の調製
表1に示すように、イーストを配合せず、各生地原料及び水を配合し、均一に混合して小麦粉生地を調製し、当該生地を、オーブンを用い、180℃で10分間焼成し、非イースト発酵小麦粉焼成物1〜4を得た。
また、表1に示すように、生地原料中に更にイースト4gを添加して発酵させた以外は、非イースト発酵小麦粉焼成物1の製造方法と同様にしてパンを得た。
また、表1に示すように、「強力粉」を「米粉(木徳神糧社製、商品名 米粉ファイン)」に代えた以外は、非イースト発酵小麦粉焼成物1の製造方法と同様にして米粉焼成物を得た。
Figure 0005215280
製造例2:非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物、パン粉、米粉焼成粉砕物の調製
製造例1で得られた非イースト発酵小麦粉焼成物1(生地原料中の膨張剤0質量%)をコーヒーミルにて最大長径0.4mm程度に粉砕し、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を得た。
得られた非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物の比容積を以下のようにして算出したところ、その容積は17.5mlであったので、比容積は0.7ml/1gであることが確認された。そこで、これを比容積0.7ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物1とした。
<比容積の算出方法>
非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物25gを、プラスチック製計量カップ(100ml容:内径5.3mm、高さ4.4mm)に入れ、高さ1cmの位置から机の上に1回落下させたのち、当該カップの目盛からその容積(ml)読み取り、比容積(ml/1g)=容量/質量(25g)により算出する。
また、非イースト発酵小麦粉焼成物1を、コーヒーミルにて最大長径0.7mm程度に粉砕し、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を得た。当該小麦粉焼成粉砕物の比容積を上述のようにして算出したところ、その容積は20mlであったので、比容積は0.8ml/1gであることが確認された。そこで、これを比容積0.8ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物2とした。
また、非イースト発酵小麦粉焼成物1を、コーヒーミルにて最大長径1.5mm程度に粉砕し、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を得た。当該小麦粉焼成粉砕物の比容積を上述のようにして算出したところ、その容積は30mlであったので、比容積は1.2ml/1gであることが確認された。そこで、これを比容積1.2ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物3とした。
また、非イースト発酵小麦粉焼成物1を、コーヒーミルにて最大長径2mm程度に粉砕し、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を得た。当該小麦粉焼成粉砕物の比容積を上述のようにして算出したところ、その容積は50mlであったので、比容積が2.0ml/1gであることが確認された。そこで、これを比容積2.0ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物4とした。
また、非イースト発酵小麦粉焼成物1を、コーヒーミルにて最大長径3mm程度に粉砕し、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を得た。当該小麦粉焼成粉砕物の比容積を上述のようにして算出したところ、その容積は55mlであったので、比容積が2.2ml/1gであることが確認された。そこで、これを比容積2.2ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物5とした。
また、製造例1で得られたパンを、コーヒーミルにて最大長径2mm程度に粉砕し、パン粉を得た。当該パンの比容積を上述のようにして算出したところ、その容積は30mlであったので、比容積が1.2ml/1gであることが確認された。そこで、これを比容積1.2ml/1gのパン粉とした。
また、米粉焼成粉砕物を、コーヒーミルにて最大長径2mm程度に粉砕し、米粉焼成粉砕物を得た。当該米粉焼成粉砕物の比容積を上述のようにして算出したところ、その容積は30mlであったので、比容積が1.2ml/1gであることが確認された。そこで、これを比容積1.2ml/1gの米粉焼成粉砕物とした。
また、製造例1で得られた非イースト発酵小麦粉焼成物2(生地原料中の膨張剤0.3質量%)、非イースト発酵小麦粉焼成物3(生地原料中の膨張剤0.5質量%)及び非イースト発酵小麦粉焼成物4(生地原料中の膨張剤0.6質量%)の各焼成物を、それぞれ、コーヒーミルにて最大長径2mm程度に粉砕し、各非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を得た。当該小麦粉焼成粉砕物の比容積を上述のようにして算出したところ、それぞれの容積は30mlであったので、各比容積が1.2ml/1gであることが確認された。そこで、これらを比容積1.2ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物6(生地原料中の膨張剤0.3質量%)、比容積1.2ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物7(生地原料中の膨張剤0.5質量%)、及び比容積1.2ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物8(生地原料中の膨張剤0.6質量%)とした。
試験例1:ブレダーミックスを用いたノンフライ調理品
表2に示すように、製造例2で得られた非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物1〜5のそれぞれに、小麦粉(薄力粉)、ホワイトソルガム粉(AMERICAN SUNNY FOODS社製、商品名ホワイトソルガムフラワー)、粉末醤油(日研フード社製、商品名粉末醤油A-2955)、香辛料及び油脂(ショートニング;花王社製、商品名エコナLS)とを配合し、混合して各ブレダーミックス(試料1〜5)を調製した。
また、「非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物1」を、「パン粉」、「米粉焼成粉砕物」に代えた以外は、同様にしてブレダーミックスを調製した(試料6及び7)。
各ブレダーミックス(試料1〜7)を鶏肉(25g)に付着させ、フライパン(180℃)上で10分間焼き、各ノンフライ調理品を得た。得られた各ノンフライ調理品について、10名のパネラーにより、下記に示す評価基準で、官能評価を行った。その結果は表2の官能評価欄のとおりであった。
◎サクミの評価基準
1点 サクサクした食感(サクミ)を感じない
2点 サクサクした食感(サクミ)を少し感じる
3点 サクサクした食感(サクミ)を感じる
4点 ややサクサクした食感(サクミ)を強く感じる
5点 非常にサクサクした食感(サクミ)が強い
◎衣の焦げ目の評価基準
1点 衣の焦げ目が薄すぎ、または濃すぎ
2点 衣の焦げ目が薄い、または濃い
3点 衣の焦げ目が少し薄い、または少し濃い
4点 衣の焦げ目が僅かに薄い、または僅かに濃い
5点 衣の焦げ目が適度である
試験例2:バッターミックスを用いたノンフライ調理品
表3に示すように、製造例2で得られた非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物1〜5のそれぞれに、小麦粉(薄力粉)、ホワイトソルガム粉(AMERICAN SUNNY FOODS社製、商品名ホワイトソルガムフラワー)、粉末水あめ(三和澱粉工業社製、商品名NON-GMOコーンテ゛ックスF)、トレハロース(林原商事社製、商品名トレハ)、粉末醤油(日研フード社製社製、商品名粉末醤油A-2955)、香辛料及び油脂(ショートニング;花王社製、商品名エコナLS)とを配合し、混合して各バッターミックス(試料8〜12)を調製した。
また、「非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物1」を「パン粉」、「米粉焼成粉砕物」に代えた以外は、同様にしてバッターミックスを調製した(試料13及び14)。
各バッターミックス(試料8〜14)100gに対し、水を80g添加し、混合撹拌して各バッター液を得た。
各鶏肉(25g)を各バッター液につけ、フライパン(180℃)上で12分間焼き、各ノンフライ調理品を得た。各ノンフライ調理品を得た。得られた各ノンフライ調理品について、10名のパネラーにより、上記に示す評価基準で、官能評価を行った。その結果は表3の官能評価欄のとおりであった。
表2及び3に示すように、比容積0.7ml/1g,比容積2.2ml/1gを有する非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を用いた場合には、サクサクした食感を有するノンフライ調理品が得られないのに対し、比容積0.8ml/1g,1.2ml/1g,及び2.0ml/1gを有する非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を用いた場合には、良好なサクサクした食感のノンフライ調理品が得られることが明確に裏付けられた。
表2及び3に示すように、イースト発酵後焼成したパン粉を用いた場合、サクサクとして食感を有するノンフライ調理品が得られないことが明確に裏付けられた。
表2及び3に示すように、米粉焼成粉砕物を用いた場合、サクサクとした食感を有するノンフライ調理品が得られないことが明確に裏付けられた。
Figure 0005215280
Figure 0005215280
試験例3
上記製造例1及び2で得られた、同じ比容積1.2ml/1gの、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物3(生地原料中の膨張剤0質量%)、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物6(生地原料中の膨張剤0.3質量%)、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物7(生地原料中の膨張剤0.5質量%)、及び非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物8(生地原料中の膨張剤0.6質量%)を用いた。
「非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物2(比容積1.2ml/1g;生地原料中の膨張剤0質量%)」を、上記非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物6〜8に代えた以外は、上記試験例1と同様にして、ブレダーミックス(試料15〜19)を調製し、各ノンフライ調理品を得た。得られた各ノンフライ調理品について、10名のパネラーにより、下記に示す評価基準で、官能評価を行った。その結果は表4の官能評価欄のとおりであった。
また、上記試験例2と同様にしてバッターミックス(試料20〜24)を調製し、各ノンフライ調理品を得た。得られた各ノンフライ調理品について、10名のパネラーにより、上記に示す評価基準で、官能評価を行った。その結果は表5の官能評価欄のとおりであった。
表4及び5に示すように、膨張剤0.6質量%を含む生地原料から得られた非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を用いた場合には、サクサクした食感を有するノンフライ調理品が得られないのに対し、膨張剤0質量%,0.3質量%,及び0.5質量%を含む生地原料から得られた非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を用いた場合には、良好なサクサクした食感のノンフライ調理品が得られた。
すなわち、生地原料中、膨張剤0質量%及び0超〜0.5質量%を含む生地原料から得られた非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を衣材に用いるのが望ましいと考えた。
Figure 0005215280
Figure 0005215280
試験例4
表6及び7に示すように、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物3(比容積1.2ml/1g;小麦粉原料中膨張剤0%)と小麦粉の衣中の含有量を調整したブレッダーミックス(試料25〜29)及びバッターミックス(試料30〜34)を調製した。
なお、ブレダーミックスの場合、これ以外の衣材の成分は、ホワイトソルガム粉20質量部、粉末醤油4質量部、香辛料1質量部、油脂5質量部(小計30質量部)を用いた。また、バッターミックスの場合、これ以外の衣材の成分は、ホワイトソルガム粉10質量部、粉末醤油6質量部、水あめ3質量部、トレハロース5質量部、香辛料1質量部、油脂5質量部(小計30質量部)を用いた。
また、表8及び9に示すように、「非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物3」を「非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物6(比容積1.2ml/1g;小麦粉原料中膨張剤0.3%)」に代えた以外は同様にして、ブレッダーミックス(試料35〜39)及びバッターミックス(試料40〜44)を調製した。
ブレダーミックスの場合、上記試験例1と同様にして、バッターミックスの場合、上記試験例2と同様にして、各ノンフライ調理品を得た。得られた各ノンフライ調理品について、10名のパネラーにより、上記に示す評価基準で、官能評価を行った。その結果は、表6〜9の官能評価欄のとおりであった。
Figure 0005215280
Figure 0005215280
Figure 0005215280
Figure 0005215280
試験例5
表10及び11に示すように、ホワイトソルガム粉の衣中の含有量を調整した、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物3(比容積1.2ml/1g;小麦粉原料中膨張剤0%)含有ブレッダーミックス(試料45〜48)及びバッターミックス(試料49〜52)を調製した。小麦粉とホワイトソルガム粉以外の衣材原料の含有量は、ブレダーミックスの場合は試験例1と同様にし、バッターミックスの場合は試験例2と同様にした。
表12及び13に示すように、「非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物3」を「非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物6(比容積1.2ml/1g;小麦粉原料中膨張剤0.3%)」に代えた以外は同様にして非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物6(比容積1.2ml/1g;小麦粉原料中膨張剤0.3%)含有ブレッダーミックス(試料53〜56)及びバッターミックス(試料57〜62)を調製した。
ブレダーミックスの場合、上記試験例1と同様にして、バッターミックスの場合、上記試験例2と同様にして、各ノンフライ調理品を得た。得られた各ノンフライ調理品について、10名のパネラーにより、上記に示す評価基準で、官能評価を行った。その結果は、表10〜13の官能評価欄のとおりであった。
Figure 0005215280
Figure 0005215280
Figure 0005215280
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試験例6
表14及び15に示すように、粉末醤油の衣中の含有量を調整した、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物3(比容積1.2ml/1g;小麦粉原料中膨張剤0%)含有ブレッダーミックス(試料63〜68)及びバッターミックス(試料69〜74)を調製した。小麦粉と粉末醤油以外の衣材の成分の含有量は、ブレダーミックスの場合は試験例1と同様にし、バッターミックスの場合は試験例2と同様にした。
ブレダーミックスの場合、上記試験例1と同様にして、バッターミックスの場合、上記試験例2と同様にして、各ノンフライ調理品を得た。得られた各ノンフライ調理品について、10名のパネラーにより、上記に示す評価基準で、官能評価を行った。その結果は、表14及び15の官能評価欄のとおりであった。
Figure 0005215280
Figure 0005215280
試験例7
表16に示すように、トレハロースの衣中の含有量を調整した、非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物3(比容積1.2ml/1g;小麦粉原料中膨張剤0%)含有バッターミックス(試料75〜80)を調製した。小麦粉とトレハロース以外の衣材の成分の含有量は、試験例2と同様にした。
上記試験例2と同様にして、各ノンフライ調理品を得た。得られた各ノンフライ調理品について、10名のパネラーにより、上記に示す評価基準で、官能評価を行った。その結果は、表16の官能評価欄のとおりであった。
Figure 0005215280

Claims (3)

  1. 膨張剤を含有しない生地原料を用いて得られた、比容積0.8〜2.0ml/1gの非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物を含有することを特徴とするノンフライ用衣材。
  2. 前記非イースト発酵小麦粉焼成粉砕物の含有量が、1〜65質量%である請求項記載のノンフライ用衣材。
  3. ブレダーミックス又はバッターミックスである請求項1又は2記載のノンフライ用衣材。
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