JP5436243B2 - 流通用揚げ物生地 - Google Patents

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Description

本発明は、流通用揚げ物生地、揚げ物生地の流通方法及び流通用揚げ物生地を用いた揚げ物の製造方法に関する。
近年、スーパーや小売店等は、店舗内の小規模な調理場で簡単に加熱調理した食品、例えば揚げ物等を消費者に提供している。スーパー等の小規模な調理場、例えば加熱調理を主とする調理場で、原材料から揚げ物を一貫的に製造した場合には、調理場の作業空間が少なく、人手がかかり、設備も不十分な場合が多いので、作業効率が非常に低下する。そこで、スーパー等では、種々の揚げ物を提供しつつ、作業効率を高め製造コストや設備コスト等を抑えるため、油ちょう手前の具材入りの加熱揚げ物生地や冷凍揚げ物生地を購入している場合が多い。
例えば、野菜等の具材に打ち粉をまぶし、スチーム処理により具材をまとめ、固化されたかき揚げ生地を冷蔵又は冷凍する。そして、必要に応じて、このかき揚げ具材の表面にバッター液をつけてこれを油ちょうし、かき揚げ天ぷらを提供する方法が知られている(特許文献1)。また、粘度を安定化させたバッター液を具材に付着させて油ちょう後、冷凍して冷凍油ちょう食品を得、冷凍油ちょう食品を必要に応じて再油ちょうして提供する方法が知られている(特許文献2)。
しかしながら、このような加熱揚げ物生地や冷凍揚げ物生地は既に固化され、大きさや形状が定まっているので、スーパー等の調理場で目的や用途に応じて、任意に揚げ物生地の大きさや形状を整えることができず、その必要がある場合にはいちいちカット等を行わざるを得ないと云う問題があり、作業効率が悪いのが実状であった。
特開平7−31384号公報 特開2002−207号公報
本発明は、上記の如き従来の問題と実状に鑑みてなされたものであり、任意に揚げ物生地の大きさや形状を整えることができる流通用揚げ物生地を提供することを課題とする。
本発明者は、当該課題を解決すべく、種々研究を重ねた結果、低含水バッターに揚げ種を混合して得られた揚げ物生地を流通せしめれば、調理場で任意に揚げ物生地の大きさや形状を整えることができる結果、作業効率が向上し、しかも従来の加熱揚げ物生地や冷凍揚げ物生地を油ちょうして得られた揚げ物の食感に勝るとも劣らない優れた食感の揚げ物を提供できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、バッターミックス100質量部に対して水70〜100質量部を添加してなるバッターに揚げ種を混合して調製したことを特徴とする流通用揚げ物生地により上記課題を解決したものである。
また、本発明は、バッターミックス100質量部に対して水70〜100質量部を添加してなるバッターに揚げ種を混合して調製した揚げ物生地を、当該生地状態のまま流通せしめることを特徴とする揚げ物生地の流通方法により、上記課題を解決したものである。
また、本発明は、バッターミックス100質量部に対して水70〜100質量部を添加してなるバッターに揚げ種を混合して調製した揚げ物生地を、当該生地状態のまま流通せしめた後、油ちょうすることを特徴とする揚げ物の製造方法により、上記課題を解決したものである。
本発明によれば、何ら加熱や冷凍処理をしていない生地状態のままで流通を行うので、調理場で揚げ物生地を任意に所望の大きさや形状に整えることができる結果、作業効率が頗る向上すると共に、当該流通後の生地を油ちょうすれば、従来の加熱揚げ物生地又は冷凍揚げ物生地を油ちょうして得られた揚げ物の食感に勝るとも劣らない優れた食感の揚げ物を得ることができる。
本発明の流通用揚げ物生地は、バッターに揚げ種を混合して調製されたものであり、当該混合は、例えば、ミキシング装置を用いて行えばよい。
特に、当該揚げ物生地は、工場等で調製された後、調理場に搬送され、調理場で油ちょう等の加熱処理にて揚げ物とされ、これを消費者に提供することを主たる目的とした流通品である。また、当該揚げ物生地は、加熱や冷凍処理等によって生地自体が固化していない生地状態のままのものであり、調理場で生地を任意に所望の大きさや形状に整えることができる。
尚、当該揚げ物生地の種類としては、特に限定されないが、かき揚げ生地、つまみ揚げ用生地が挙げられる。
本発明の流通用揚げ物生地に用いるバッターは、バッターミックス100質量部に対して水70〜100質量部、好ましくは水75〜95質量部、特に好ましくは水80〜90質量部を添加してなるものであり、バッターミックスと水とを適宜混合撹拌することにより調製することができる。
因みに、上記水の添加量は、バッターミックス100質量部に対して水70質量部未満の場合には、バッターの粘稠性が高くなるため、揚げ種にバッターが馴染みにくいので揚げ種とバッターを混合するのに手間がかかり、また生地を任意に所望の大きさや形状に整えにくいため作業効率が低下する一方で、水100質量部超の場合には、流動性が高くなったバッターが揚げ種を含む生地から垂れやすくなるので、これを回避しようと生地を整えるのに手間がかかるため作業効率が低下するので、本願発明の課題を解決し得ない。これに対し、バッターミックス100質量部に対して水70〜100質量部の場合には、適度な粘稠性及び流動性を有するバッターとなるので、揚げ種を含む生地を任意に所望の大きさや形状に整えることが容易で作業効率も向上し、しかも得られた揚げ物の外観、特に色合い及び形状が良好となると共に揚げ物の食感、特に衣のサクミ感や揚げ種のジューシー感も良好となる。
ここで、上記バッターに用いられるバッターミックスの組成成分は、特に限定されないが、例えば、穀粉、澱粉、増粘剤、乳化剤、卵、膨張剤、糖類、油脂、調味料、香辛料、色素、静菌剤(pH調整剤等)、香料等から適宜選択使用される。
ここに、穀粉としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、小麦粉、そば粉、ライ麦粉、米粉、トウモロコシ粉、オーツ粉末、ソルガム粉、緑豆粉等から選ばれる1種以上のものが好ましく、このうち、小麦粉含有のバッターは適度な粘稠性及び流動性を有するので、任意に所望の大きさや形状に整える揚げ物生地に調製しやすいことから作業効率が向上すると共に、得られた揚げ物に小麦粉特有の風味を付与する上で、小麦粉が好ましい。
尚、穀粉は、熱処理されたもの、例えば湿熱処理小麦粉や乾熱処理小麦粉等でもよい。
バッターミックス中の穀粉の含有量は、乾燥物換算で、50〜100質量%、好ましくは60〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%とするのが有利である。
また、揚げ物生地中の小麦粉の含有量は、10〜30質量%、好ましくは15〜25質量%、より好ましくは18〜22質量%とするのが有利である。
また、澱粉としては、通常食品に使用されるものであればよく、小麦粉澱粉、トウモロコシ澱粉、ハイアミロースコーン澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉等の生澱粉や、該生澱粉に、リン酸架橋、アセチル化、エーテル化、α化、酸化等の加工処理を施した加工澱粉が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
バッターミックス中の澱粉の含有量は、乾燥物換算で、0.5〜50質量%、好ましくは1〜15質量%とするのが、得られた揚げ物のサクミ感が良好となる上で、有利である。
膨張剤としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を混合して用いることができる。更に、これらに酸性剤、例えば焼ミョウバン、酒石酸及びその塩(酒石酸水素K等)、リン酸及びその塩、グルコノデルタラクトン等の1種又は2種以上を添加して用いることもできる。
バッターミックス中の膨張剤の含有量は、乾燥物換算で、0.1〜3質量%、好ましくは0.3〜1.5質量%とするのが、得られた揚げ物のサクミ感が良好となる上で、有利である。
また、油脂としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、菜種油、大豆油、サフラワー油、綿実油、オリーブ油、パーム油、コーン油及び小麦胚芽油等の植物性油脂や、魚油、牛脂、豚脂、バター、ショートニング、マーガリン等の動物性油脂及びこれらの硬化性油脂が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
バッターミックス中の油脂の含有量は、乾燥物換算で、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜1質量%とするのが、得られた揚げ物のサクミ感が良好となる上で有利である。
また、増粘剤としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、キサンタンガム、グアガム、ローカストビーンガム等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
バッターミックス中の増粘剤の含有量は、乾燥物換算で、0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量とするのが、生地を任意に所望の大きさや形状に整えるのが容易となることから作業効率が向上するので、有利である。
また、乳化剤としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
バッターミックス中の乳化剤の含有量は、乾燥物換算で、0.1〜3質量%、好ましくは0.3〜1質量%とするのが、生地を任意に所望の大きさや形状に整えるのが容易となることから作業効率が向上するので、有利である。
また、卵としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、全卵、卵黄、卵白又はこれらの粉等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
バッターミックス中の卵の含有量は、乾燥物換算で、0.1〜5質量%、好ましくは0.3〜2質量%とするのが、生地を任意に所望の大きさや形状に整えるのが容易となることから作業効率が向上するので、有利である。
また、糖類としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、単糖類、少糖類、多糖類、糖アルコール類、少多糖類の加水分解物(例えば、水あめ)、これらの異性化糖等を挙げることができる。
当該単糖類としては、例えばグルコース及びフラクトース等が挙げられる。また、少糖類としては、例えばショ糖、麦芽糖、乳糖及びトレハロース等が挙げられる。また、多糖類としては、例えばグリコーゲン及びセルロース等が挙げられる。また、糖アルコール類としては、例えばマルチトール及びキシリトール等が挙げられる。これらの糖類のうち、少糖類や水あめが好適に使用され、特に、トレハロースを使用するのが、得られた揚げ物のサクミを良好にするから、有利である。
尚、これらの糖類は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
バッターミックス中の糖類の含有量は、乾燥物換算で、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜1質量%とするのが、揚げ物生地の保存性を高めると共に得られた揚げ物に風味を付与する上で、有利である。
また、調味料としては、通常食品に使用されるものであればよく、例えば、食塩、酢酸、香辛料、粉末醤油、粉末ソース、グルタミン酸、イノシン酸等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
バッターミックス中の調味料の含有量は、乾燥物換算で、0.001〜3質量%、好ましくは0.01〜1質量%とするのが、揚げ物生地の保存性が向上すると共に得られた揚げ物の風味を良好にする上で、有利である。
本発明の揚げ物生地に用いる揚げ種は、特に限定されず、例えば、牛肉、豚肉、鶏肉、ラム肉等の肉類;イカ、タコ、エビ、シャケ、サバ、カレイ等の魚介類;大豆、米、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモ等の穀類、野菜類及び根菜類等が挙げられ、これらは適宜加工処理されているものが好ましい。このうち、穀類、野菜類又は根菜類の加工品が、上記バッターと馴染みやすいので、生地を任意に所望の大きさや形状に整えるのが容易となることから作業効率が良好となり、また非冷凍状態でも長期間の保存が可能であり、しかも得られた揚げ物の食感も良いので、好ましい。
また、加工品の形状としては、特に限定されず、例えば、ラウンド状、サイコロ状、輪切り状及びスライス状等が挙げられる。このうち、バッターと馴染みやすく作業効率が向上するので、スライス状が好ましい。
上述のようにして調製された流通用揚げ物生地は、当該生地状態のままで流通せしめた後、調理場等で、生地を任意に所望の大きさや形状に整え、次いで油ちょう等の加熱処理することによって、揚げ物を得る。
流通温度条件としては、生地が凍結されない状態、すなわち非冷凍状態であればよく、例えば、チルド(0〜6℃)、冷蔵(0〜10℃)及び常温(10〜40℃)等が挙げられるが、このうち、生地の状態をより安定的に保つため、チルドが好ましい。
また、このときの流通期間は、30分間〜3日間、好ましくは1〜48時間、特に3〜24時間とするのが、望ましい。揚げ物生地を調製した調理場、例えば工場から、スーパー等の調理場は通常離れていることから流通に30分間〜3時間或いはこれ以上必要とする場合があるので、当該流通時間は、少なくとも揚げ物生地調製後30分以上とするのが妥当であり、一方で流通時間が長くなると揚げ物生地の喫食時の食味や食感が悪くなる傾向にあるので、当該流通時間は揚げ物生地調製後3日間以内とするのが望ましい。
なお、流通期間とは、揚げ物生地を調製した後から他の調理場で油ちょう等の加熱処理を行うまでの期間である。
尚、上記揚げ物生地を流通させる場合、包装容器に入れるのが、異物や雑菌の混入を防ぎ、品質劣化を抑えることができると共に流通も容易となり、作業効率が良好となる上で、有利である。
包装容器の形状としては、袋状、カップ状、トレー状等が挙げられ、これらを適宜組み合わせて用いてもよいし、適宜押し蓋、かぶせ蓋、ピラード蓋等を用いてもよいが、長期の保存性を維持するため密閉性の高いものが好ましい。
また、包装容器の素材としては、通常食品の包装容器に用いられる素材であればよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、結晶化ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、アルミニウム等及びこれらの複合材料が挙げられる。これらの素材のうち、耐熱性や耐電子レンジ性の点から、ポリプロピレンが好ましい。
次に、本発明を更に具体的に説明するために、実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
製造例1
バッターミックス100質量部に対して水85質量部を添加、混合してバッター(185g)を調製した。
このとき、バッターミックスは、小麦粉(薄力粉、日清製粉社製 商品名フラワー)85質量部、及び油脂(なたね油、日清オイリオ社製)1質量部、コーンスターチ(三和澱粉工業社製)13質量部、膨張剤(焼ミョウバン、重曹(炭酸水素Na)、ケレモル(酒石酸水素K)等、オリエンタル酵母工業社製)1質量部を配合し、混合して調製したものを使用した。
スライスしたタマネギ150g及びニンジン48g、春菊2gの揚げ種(総計200g)と、調製されたバッター液185gとを、包装袋(縦25cm、横16cm)に入れ、振ることによってバッターと揚げ種を混合し、かき揚げ用の揚げ物生地に調製した。この揚げ物生地中の小麦粉含有量は、22質量%であった。
この包装袋入りの揚げ物生地を、下記のような冷凍処理及び蒸煮加熱処理を行わず、生地状態のまま(以下、「本発明揚げ物生地」という)1(実施品1)で、チルド(6℃)保存条件下にて、他の調理場(加熱調理場)に運び、保存した。チルド保存時間(流通期間)は、揚げ物生地調製後24時間であった。
また、上記包装袋入り揚げ物生地を冷凍処理(−18℃、1時間)で固化して、冷凍揚げ物生地2(比較品1)とし、これを冷凍(−18℃)保存条件下にて、他の調理場に運び、保存した。冷凍保存時間(流通期間)は、揚げ物生地調製後24時間冷凍(−18℃)であった。
また、上記包装袋入り揚げ物生地から、揚げ物生地を長方形のトレー上に取りだし、トレー上で直径10cmの揚げ物生地にし、蒸煮加熱処理(95℃、5分間)で固化して、蒸煮揚げ物生地3(比較品2)とし、再び包装袋に入れ、これをチルド(6℃)条件下にて、他の調理場に運び、保存した。チルド保存時間(流通期間)は、揚げ物生地調製後24時間であった。
上記各揚げ物生地1〜3(実施品1、比較品1〜2)を、油ちょう直前に略円柱状(高さ3cm、直径10cm)に整えた。このときの作業性を下記に示す評価基準で、評価を行った。
その後、各揚げ物生地を180℃で3分間油ちょうし、それぞれかき揚げ(揚げ物1〜3)を得た。
得られた各揚げ物1〜3について、10名のパネラーにより、下記に示す評価基準で、官能評価を行った。その結果は表1の官能評価欄のとおり(10名のパネラーの評価結果の平均点)であった。
◎作業性の評価基準
3点 1分間未満で1個の生地を所望の大きさや形状(略円柱状)に整えることができる。
2点 1〜2分未満で簡単に生地を所望の大きさや形状(略円柱状)に整えることができる。
1点 2分以内に生地を所望の大きさや形状(略円柱状)に整えることができない。
◎衣のサクミの評価基準
1点 サクサクした食感(サクミ)を感じない。
2点 サクサクした食感(サクミ)を少し感じる。
3点 サクサクした食感(サクミ)を感じる。
4点 ややサクサクした食感(サクミ)を強く感じる。
5点 非常にサクサクした食感(サクミ)が強い。
◎揚げ種のジューシー感の評価基準
1点 揚げ種のジューシー感がほとんどない。
2点 揚げ種のジューシー感があまりない。
3点 揚げ種のジューシー感が少しある。
4点 揚げ種のジューシー感がある。
5点 揚げ種のジューシー感が非常にある。
Figure 0005436243
本発明揚げ物生地(実施品1)は、生地が固化されていないので、当該生地を円盤状の容器(高さ3cm、直径10cm))に小分けして略円柱状に整えることは容易であり、整えた後油ちょうして略円柱状のかき揚げが簡単に得られたので、作業効率の高いものであった。また、かき揚げの衣がキツネ色で揚げ種の色も損なわれず、かき揚げ全体としても好ましい色合いであったので、揚げ物の外観も良好であった。
これに対し、冷凍揚げ物生地(比較品1)及び加熱揚げ物生地(比較品2)の何れも、長方形の生地から略円柱状に整えるのにカットを要したため、作業時間がかかると共に不要な部分を廃棄するため、作業効率が悪いものであった。特に、加熱揚げ物生地(比較品2)は、かき揚げの体をなしていないため、カットしづらく、作業効率が非常に悪いものであった。また、比較品1及び2の何れも、カット面付近の揚げ種が焦げ過ぎたため、かき揚げ全体としての色合いが好ましくなく、かき揚げの外観として不適格なものであった。
また、本発明揚げ物生地を油ちょうした揚げ物1は、衣に良好なサクミ感があり、かつ揚げ種の組織がしっかりしていて良好なジューシー感があった。これに対し、冷凍揚げ物生地を油ちょうした揚げ物2及び加熱揚げ物生地を油ちょうした揚げ物3の何れも、衣にサクミ食感がなく、かつ揚げ種にジューシー感がなかった。
製造例2
バッターミックス100質量部に対して添加する水の量を、65、70、80、90、100及び105質量部とした以外は、実施品1と同様にして各バッター(185g)を調製し、これらを用いて各揚げ物生地(試験品1〜6)を調製した。上記に示す作業性評価基準で、作業性評価を行った。その結果は表2の評価欄のとおりである。
製造例1と同様にして、各揚げ物生地を油ちょうし、得られた各揚げ物について、10名のパネラーにより、上記に示す評価基準で、官能評価を行った。その結果は表2の官能評価欄のとおりであった。
水分添加量70〜100質量部で調製された揚げ物生地の場合、作業効率、揚げ物の外観及び食感の何れも良好であった。
これに対し、水分添加量105質量部で調製された揚げ物生地の場合、バッターが垂れやすくなり揚げ物生地を略円柱状に整えるのに手間がかかった。しかも、得られた揚げ物は、かき揚げ上面部分の衣が剥げて揚げ種部分が焦げ、またかき揚げ底面部分の衣が厚く、全体として略ハット状であったため、かき揚げの外観として不適格なものであった。
また、水分添加量65質量部で調製された揚げ物生地の場合、生地調製時に、揚げ種にバッターが馴染みにくく混合するのに手間がかかると共に、バッターがベタつき揚げ物生地を略円柱状に整えるのに手間がかかった。しかも、得られた揚げ物は、全体として略半球状であったため、かき揚げの外観として不適格なものであった。
Figure 0005436243
製造例3
流通用揚げ物生地を実施品1の製造方法と同様にして調製した。この流通用揚げ物生地を、調製後、0.5時間(30分)、3時間、6時間、12時間、48時間、50時間チルド(6℃)保存した後、製造例1と同様にして各揚げ物生地を油ちょうした。
また、製造例1と同様の原料を使用して、他の調理場に運ぶことなく同じ調理場で、原材料から揚げ物生地を調製し、揚げ物生地を成形後、これを直ちに油ちょう(180℃、3分間)し、揚げ物(比較品3)を得た。
得られた各揚げ物は、上記官能評価基準で、官能評価を行った。その結果は表3の官能評価欄のとおりであった。また、揚げ物の食味について下記評価基準で、官能評価を行い、その結果は表3の官能評価欄のとおりであった。
揚げ物用生地を他の調理場に運ぶことなく同じ調理場で一貫的に揚げ物(比較品3)を得た場合では、比較品7〜12及び実施品1を得た場合に比べて、加熱処理工程以外に生地調製工程を余分に行ったため、調理場での作業効率が低下した。
また、生地調整後0.5〜24時間保存した揚げ物生地を油ちょうした揚げ物は、比較品3とほぼ同等の良好な食感、食味及び外観を有していた。生地調製後50時間保存したものは食味が少し悪くなっていたが、生地調製後48時間以内の保存であれば特に食味に変化はなかった。
Figure 0005436243

Claims (3)

  1. バッターミックス100質量部に対して水70〜100質量部を添加してなるバッターに、揚げ種を混合して調製したかき揚げ生地を、当該生地状態のまま0.5〜48時間チルド又は冷蔵したものであるチルド又は冷蔵生地
  2. バッターミックス100質量部に対して水70〜100質量部を添加してなるバッターに、揚げ種を混合して調製したかき揚げ生地を、当該生地状態のまま、0.5〜48時間チルド流通又は冷蔵流通せしめることを特徴とするかき揚げ生地の流通方法。
  3. バッターミックス100質量部に対して水70〜100質量部を添加してなるバッターに、揚げ種を混合して調製したかき揚げ生地を、当該生地状態のまま、0.5〜48時間チルド流通又は冷蔵流通せしめた後、油ちょうすることを特徴とするかき揚げの製造方法。
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