JP2002058437A - フライ食品用具材及びそれを用いたフライ食品 - Google Patents

フライ食品用具材及びそれを用いたフライ食品

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JP2002058437A
JP2002058437A JP2000250068A JP2000250068A JP2002058437A JP 2002058437 A JP2002058437 A JP 2002058437A JP 2000250068 A JP2000250068 A JP 2000250068A JP 2000250068 A JP2000250068 A JP 2000250068A JP 2002058437 A JP2002058437 A JP 2002058437A
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fried
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microwave oven
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Nana Taguchi
奈々 田口
Hiromasa Suzuki
宏昌 鈴木
Atsushi Sato
篤志 佐藤
Eiji Atsuta
英治 熱田
Ryuichi Yoshikawa
隆一 吉川
Kenji Kadota
憲二 門田
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Snow Brand Food Co Ltd
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Snow Brand Food Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子レンジで調理した場合でも、冷蔵又は冷凍
状態で保存した後でも、冷蔵又は冷凍状態で保存した後
電子レンジで調理した場合でも、製造直後のものと同様
に、コロモのクリスピー感を味わうことができるフライ
食品を製するための具材と、それを用いて、電子レンジ
で調理した場合でも、冷蔵又は冷凍状態で保存した後で
も、冷蔵又は冷凍状態で保存した後電子レンジで調理し
た場合でも、コロモにクリスピー感を有するフライ食品
を提供することを課題とする。 【解決手段】フライ食品用のベース具材原料に、粉末澱
粉、大豆タンパク粉、食物繊維材、食用油脂、乳化剤の
うちの1種以上のものを配合してなるフライ食品用具
材。この具材の表面をバッターで覆い、その上面にパン
粉をまぶしてフライした後冷蔵又は冷凍状態で保存して
なる電子レンジ調理用のフライ食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフライ食品
用の具材及びその具材を用いたフライ食品に関する。さ
らに詳しくは、製造後、時間が経過しても、製造直後と
同様に、コロモのクリスピー感を味わうことができるフ
ライ食品を製するための具材と、その具材を用いて製し
た、時間が経過してもコロモのクリスピー感を味わうこ
とができるフライ食品に関する。本発明のフライ食品用
具材は、電子レンジで調理するフライ食品や冷蔵又は冷
凍状態で保存又は流通させるフライ食品用として用いる
のに適しており、特に、冷蔵又は冷凍状態で保存又は流
通させた後電子レンジで調理するフライ食品に用いるの
に適している。すなわち、本発明のフライ食品用具材を
用いたフライ食品は、冷蔵又は冷凍状態で保存又は流通
した後、これを電子レンジで加熱又は解凍しても、コロ
モにべたつき感が生じなく、作りたてのものと同じよう
なクリスピー感を味わうことができるので、従来品に比
べて、きわめておいしく食することができる。
【0002】ポテトコロッケ、クリームコロッケ、メン
チカツなどのフライ食品は、天ぷらと同様に、製造直後
のもの、すなわち作りたてのものが最もおいしいとされ
ている。その理由は、製造直後のフライ食品は、コロモ
がパリッとしていて、口に入れたときにコロモのクリス
ピー感(Crispy:サクサクとした感じ)と具材の
有するジューシー感とがほどよくマッチして、特有の食
感を形成するからである。現在、フライ食品は、冷蔵又
は冷凍状態のものであっても、電子レンジで手軽に加熱
又は解凍して賞味できるために人気があり、冷蔵又は冷
凍状態の製品が多種類にわたって市販されている。
【0003】
【従来の技術】しかしながら、既販のフライ食品は、電
子レンジ対応を謳っているものの、製造後時間が経過し
たものは、電子レンジで調理したときに、コロモがべた
ついていて、クリスピー感がなくなっているものが多
い。特に、冷蔵又は冷凍状態で保存又は流通させたフラ
イ食品については、その傾向が顕著にみられる。
【0004】通常、フライ食品は、各種の具材原料を混
練して成形した具材を、その表面に小麦粉や米粉からな
る打粉をまぶし、さらに、小麦粉(主として薄力粉)、
全卵又は卵黄、化工澱粉などを冷水に溶いたバッターに
浸漬してその表面をバッターで覆い、さらに、その上面
にパン粉をまぶし、加熱した油中でフライして製してい
る。(尚、打粉の使用は省略する場合もある。)しか
し、このようにして製したフライ食品は、保存中に、具
材に含まれている水分が毛管現象によりコロモに移行す
るので、経時的にコロモにべたつき感が生じて、そのク
リスピー感が失われやすい。冷蔵又は冷凍状態で保存又
は流通させたフライ食品については、食感の劣化傾向が
特に著しい。また、これらのフライ食品を電子レンジで
調理すると、具材の内部から加熱され、具材の水分が内
部から外方へ移行しやすくなるために、具材中の水分の
コロモへの移行度が高くなって、一段とコロモがべたつ
き状態になりやすい。
【0005】具材の水分保持力を改善するために、特開
平11−289998号公報には、食用油脂、澱粉、糖
質を含有する水中油滴型乳化物からなるフライ食品の具
材用改質材が開示されている。しかし、この開示された
方法で具材用改質材を製しても、冷蔵又は冷凍状態で保
存又は流通させたフライ食品について、特にこれを電子
レンジで加温・調理する場合には、ほとんど効果が認め
られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、フライ
食品における上記の問題点を解決することを志向して鋭
意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、電子レンジを用いて加熱・調理・解凍
した場合でも、また、冷蔵又は冷凍状態で保存又は流通
させた後でも、さらに、冷蔵又は冷凍状態で保存又は流
通させた後電子レンジを用いて加温・調理・解凍した場
合でも、製造直後のものと同じように、コロモのクリス
ピー感を味わうことができるフライ食品を製するための
具材と、それを用いて、電子レンジを用いて加熱・調理
・解凍した場合でも、また冷蔵又は冷凍状態で保存又は
流通させた後でも、さらに、冷蔵又は冷凍状態で保存又
は流通させた後電子レンジを用いて加温・調理・解凍し
た場合でも、コロモにクリスピー感を有するフライ食品
を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、本発明のうち請求項1に記載する発明は、フライ
食品用のベース具材原料に、粉末澱粉、大豆タンパク
粉、食物繊維材、食用油脂、乳化剤のうちの1種以上の
ものを配合してなるフライ食品用具材である。
【0008】また、本発明のうち請求項2に記載する発
明は、フライ食品用のベース具材原料100部に対し
て、粉末澱粉1〜5部、大豆タンパク粉1〜5部、食物
繊維材1〜3部、食用油脂1〜15部、乳化剤1〜5部
を配合してなるフライ食品用具材である。
【0009】本発明のうち請求項3に記載する発明は、
請求項1又は2に記載のフライ食品用具材であって、冷
蔵又は冷凍状態で保存又は流通するフライ食品の素材と
して使用するフライ食品用具材である。
【0010】本発明のうち請求項4に記載する発明は、
請求項1又は2に記載のフライ食品用具材であって、冷
蔵又は冷凍状態で保存又は流通した後電子レンジで調理
するフライ食品の素材として使用するフライ食品用具材
である。
【0011】本発明のうち請求項5に記載する発明は、
請求項1又は2に記載のフライ食品用具材の表面をバッ
ターで覆いさらにその上面にパン粉をまぶしてフライし
てなるフライ食品である。
【0012】本発明のうち請求項6に記載する発明は、
請求項3に記載のフライ食品用具材の表面をバッターで
覆いさらにその上面にパン粉をまぶしてフライした後冷
蔵又は冷凍状態で保存又は流通してなるフライ食品であ
る。
【0013】本発明のうち請求項7に記載する発明は、
請求項4に記載のフライ食品用具材の表面をバッターで
覆いさらにその上面にパン粉をまぶしてフライした後冷
蔵又は冷凍状態で保存又は流通してなる電子レンジ調理
用のフライ食品である。
【0014】以下、本発明のフライ食品用具材及びそれ
を用いたフライ食品について、さらに詳細に説明する。
尚、本発明の全説明において、「部」及び「%」の表示
は、特に断らないかぎり、重量割合(重量部、重量%)
を表す。
【0015】本発明において「フライ食品」とは、ポテ
トコロッケ、クリームコロッケ、メンチカツなどを代表
例とする、具材とコロモとで構成されている油ちょう食
品のことであり、通常は、各種の具材原料を混練・成形
して製した具材の表面に、打粉をまぶし、小麦粉や全卵
などを水溶きしたバッターで覆い、さらに、その上面に
パン粉を付けて、加熱した油中でフライして製する。
(尚、打粉の使用は省略することもある。)
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のフライ食品用具材は、フ
ライ食品用のベース具材原料に、粉末澱粉、大豆タンパ
ク粉、食物繊維材、食用油脂、乳化剤のうちの1種以上
のものを配合して製する。本発明において、「フライ食
品用のベース具材原料」とは、フライ食品の通常の具材
原料、例えば、蒸煮したじゃがいも、挽き肉、細切した
魚肉、細切した人参・玉葱、スイートコーンや、加熱す
るとクリーム状となる原料などのことである。また、本
発明において、「フライ食品用具材」とは、これらの具
材原料を適宜混練して一食分の大きさに成形したものの
ことである。本発明のフライ食品用具材は、これらのベ
ース具材原料を成形する際に、上記の粉末澱粉、大豆タ
ンパク粉、食物繊維材、食用油脂、乳化剤などのうちの
1種以上のものを加配して一緒に混練し、任意の形状・
大きさに成形したものである。
【0017】本発明において、フライ食品用のベース具
材原料に配合する粉末澱粉は、特に種類を限定するもの
ではないが、混合したときに粘りが出にくくて、もちも
ちとした食感のないものが好ましい。具体的には、タピ
オカ澱粉、馬鈴薯澱粉、とうもろこし澱粉、小麦澱粉な
どの他、これらの化工澱粉も使用できる。
【0018】また、大豆タンパク粉についても、特に種
類を限定するものではないが、保水性が大きい分離大豆
タンパク粉末、濃縮大豆タンパク粉末などを用いること
が好ましい。
【0019】また、食物繊維材としては、セルロース、
リグニンなどの不溶性食物繊維を用いることが好まし
い。
【0020】また、食用油脂としては、バター、ショー
トニング、マーガリン、牛脂、ラードなどの、常温で固
形を呈する油脂を使用するのが好ましい。また、融点の
高い油脂の方が好ましい。
【0021】さらに、乳化剤としては、グリセリン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの界面活性剤の
他、レシチン、卵黄などを用いることができる。
【0022】本発明のフライ食品用具材は、上記各種の
粉末澱粉、大豆タンパク粉、食物繊維材、食用油脂の任
意のものを、好ましくは全種類、少なくとも任意の1種
類又は2種類以上のものを組み合わせてフライ食品用の
ベース具材に配合する。本発明のフライ食品用具材原料
の好ましい配合量は、ベース具材原料100部に対し、
粉末澱粉1〜5部、大豆タンパク粉1〜5部、食物繊維
材1〜3部、食用油脂1〜15部、乳化剤1〜5部とす
ることである。
【0023】本発明のフライ食品用具材を素材として用
いてフライ食品を製する方法は、常法のとおりに行なえ
ばよい。すなわち、本発明のフライ食品は、上記のよう
にして製したフライ食品用具材の表面に、打粉をまぶし
(尚、これを省略する場合もある。)、任意のバッター
で被覆し、さらに、その上面にパン粉をまぶして、加熱
した油中にてフライして製する。
【0024】このようにして製したフライ食品は、適宜
の包材で個別包装をするか又は個別包装をしないでまと
めて任意の容器に入れて、冷蔵状態又は冷凍状態で保存
して差し支えない。また、冷蔵状態又は冷凍状態にて市
場に流通させても差し支えない。また、本発明に係るフ
ライ食品は、冷蔵又は冷凍状態で保存又は流通させた
後、これを電子レンジにかけて加温・調理して食するの
に適している。
【0025】
【作用】本発明のフライ食品用具材は、具材中原料に、
保水性を有する粉末澱粉、大豆タンパク粉、食物繊維
材、乳化剤や具材の水分を調整する食用油脂の全種類又
はこれらの1種類以上のものを加配することによって、
具材の水分を減らし、かつ具材の保水力を向上させ、具
材からコロモへの水分の経時的な移行を抑制するように
してあるので、時間が経過しても、また冷蔵又は冷凍状
態に保存又は流通させた後でも、さらに冷蔵又は冷凍状
態で保存又は流通させた後で電子レンジで調理しても、
具材からコロモへの水分の移行が防止され、コロモのク
リスピー感を維持できる。また、本発明のフライ食品用
具材は、乳化剤を配合してあるので、いもなどの澱粉質
原料の老化を防止できる。さらに、本発明のフライ食品
用具材は、食物繊維材を配合してあるので、具材のべと
つきを防止できる。
【0026】
【実施例1】<コロッケ用具材の調製>蒸煮したじゃが
いも70%に、バター2.8%、細切したたまねぎ6.
7%、スイートコーン粒10%、乾燥マッシュポテト
3.4%、小麦粉2.0%、砂糖3.7%、食塩1%、
調味料0.4%を添加して手で軽く混練し、ベース具材
原料を作成した。このベース具材原料100%に対し
て、牛脂10%、タピオカ澱粉5%、分離大豆タンパク
粉末2%、乾燥卵黄粉2%、セルロース2%を添加し、
全原料をミキサーに投入して2分間混合・攪拌し、1個
100gの俵形に成形し、コロッケ用具材20個を製し
た。 <バッターの調製>薄力粉19%、全卵液10%、化工
澱粉5%、冷水66%を混合・攪拌してバッターを調製
した。 <コロッケの製造と保存>上記のコロッケ用具材に、常
法のとおり、上記のバッターとパン粉を付けて180℃
に加熱したサラダ油で3分間フライし、コロッケ20個
を製した。このコロッケを、室温下で暫時放熱した後、
品温が10℃以下になるまで冷却し、1個づつ包材に含
気包装し、10℃の冷蔵庫に入れて2週間保存した。
【0027】
【実施例2】実施例1と同じ配合で同じ方法により調製
した同じ重量・形状のコロッケ用具材に、実施例1と同
じバッターとパン粉を付けて、実施例1と同様に、18
0℃に加熱したサラダ油で3分間フライし、1個100
gの俵形のコロッケ20個を製した。このコロッケを、
室温下で暫時放熱した後、−15℃の冷凍庫に入れて冷
却し、1個づつ包材に含気包装した。これを、冷凍庫に
入れて−15℃で2週間保存した。ただし、この冷凍庫
は1日2回の霜取り工程(デフロスト)を行ない、その
とき庫内は0℃になるように設定した。
【0028】
【比較例1】<コロッケ用具材の調製>蒸煮したじゃが
いも70%に、バター2.8%、細切したたまねぎ6.
7%、スイートコーン粒10%、乾燥マッシュポテト粉
末3.4%、小麦粉2.0%、砂糖3.7%、食塩1
%、調味料0.4%を添加して手で軽く混練し、さらに
上記の全原料をミキサーに投入して2分間混合・攪拌
し、1個100gの俵形に成形し、コロッケ用具材20
個を製した。 <バッターの調製>薄力粉19%、全卵液10%、化工
澱粉5%、冷水66%を攪拌・混合してバッター液を調
製した。 <コロッケの製造と保存>上記のコロッケ用具材に、常
法のとおり、上記のバッターとパン粉を付けて180℃
に加熱したサラダ油で3分間フライし、コロッケ20個
を製した。このコロッケを、室温下で暫時放熱した後、
品温が10℃以下になるまで冷却し、1個づつ包材の含
気包装し、10℃の冷蔵庫に入れて2週間保存した。
【0029】
【試験例1】<試験方法>実施例1、実施例2、比較例
1で製した、製造直後のコロッケと製造後2週間保存し
たコロッケについて、それぞれ官能試験を行なった。そ
れぞれのコロッケ(1個100g)は、500Wの電子
レンジで1分間の加温・調理を行ない、そのクリスピー
感について、5名の熟練した専門パネラーに各1個宛試
食させ、以下の評価基準に基づいて採点させた。その結
果を表1に示す。 評価基準 2点・・・・・かなりクリスピー感がない 3点・・・・・ややクリスピー感がない 4点・・・・・わずかにクリスピー感がない 5点・・・・・どちらとも言えない 6点・・・・・わずかにクリスピー感がある 7点・・・・・ややクリスピー感がある 8点・・・・・かなりクリスピー感がある
【0030】
【表1】 <試験結果> 製造直後のもの 2週間保存したもの 実施例1のコロッケ(冷蔵保存品) 7.8 6.5 実施例2のコロッケ(冷凍保存品) 7.8 7.0 比較例1のコロッケ(冷蔵保存品) 7.0 2.5 尚、表1の数値は、5名のパネラーの採点の平均値であ
る。
【0031】<考察>表1から、実施例1のコロッケ及
び実施例2のコロッケは、電子レンジで調理した場合に
おいて、どちらも、製造直後においてかなりのクリスピ
ー感を有するとともに、そのクリスピー感は2週間冷蔵
又は冷凍状態で保存した後においてもほとんど変わるこ
となく持続されることが理解できる。一方、比較例1の
コロッケは、製造直後のものはややクリスピー感を有す
るが、2週間冷蔵状態で保存した後においては、クリス
ピー感が大きく減退してしまうことが判明した。
【0032】
【試験例2】<コロッケ用具材の調製>実施例1で製し
たベース具材原料100部に対して、タピオカ澱粉5
部、分離大豆タンパク粉末2部、セルロース2部、牛脂
10部、乾燥卵黄粉2部を、表2に示すように組み合わ
せて配合し、実施例1と同様の方法によって、1個10
0gの俵形のコロッケ用具材をそれぞれ20個を製し
た。 <バッターの調製>実施例1と同じ配合で同じ方法、す
なわち、薄力粉19%、全卵液10%、化工澱粉5%、
冷水66%を攪拌・混合してバッターを調製した。 <コロッケの製造と保存>上記のコロッケ用具材に、常
法のとおり、上記のバッターとパン粉を付けて180℃
に加熱したサラダ油で3分間フライし、コロッケを製し
た。このコロッケを、室温下で暫時放熱した後、品温が
10℃以下になるまで冷却し、1個づつ包材に含気包装
し、その半数は実施例1と同じ冷凍庫に入れて、10℃
で2週間保存した。また、残りの半数は実施例2と同じ
冷凍庫に入れて、−15℃で2週間保存した。 <試験方法>このようにして製した、製造直後のコロッ
ケと製造後2週間冷蔵保存したコロッケ及び製造後2週
間冷凍保存したコロッケについて、それぞれ官能試験を
行なった。すなわち、それぞれのコロッケ(1個100
g)を500Wの電子レンジで1分間の加温・調理を行
ない、そのクリスピー感について、試験例1と同様、5
名の熟練した専門パネラーに各1個宛試食させ、試験例
1と同じ評価基準に基づいて採点させた。その結果を表
3に示す。
【0033】
【表2】 <組み合わせ> (番号) a b c d e f g h i j k z タピオカ澱粉 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × × × 分離大豆タンパク粉末 ○ × × × ○ ○ ○ × ○ × × × セルロース × ○ × × ○ × × ○ × ○ × × 牛脂 × × ○ × × ○ × ○ × × × × 乾燥卵黄粉 × × × ○ × × ○ × × × ○ × 尚、表2中の○印は、組み合わせて使用した原料を示
し、×印は、使用しなかった原料を示す。また、番号z
のものは、比較例(無添加)である。
【0034】
【表3】 <試験結果> 製造直後のコロッケ a b c d e f g h i j k Z 7.3 7.3 7.2 7.3 7.4 7.3 7.4 7.3 7.2 7.2 7.2 7.0 冷蔵保存のコロッケ a b c d e f g h i j k Z 6.7 6.7 6.7 6.6 6.8 6.8 6.7 6.7 6.6 6.3 6.0 3.0 冷凍保存のコロッケ a b c d e f g h i j k Z 6.2 6.2 6.2 6.1 6.3 6.3 6.2 6.2 6.1 5.8 5.5 2.5 尚、表3の数値は、5名のパネラーの採点の平均値であ
る。
【0035】<考察>表3から、タピオカ澱粉、分離大
豆タンパク粉末、セルロース、牛脂、乾燥卵黄粉を組み
合わせたコロッケは、どの組み合わせについても、製造
直後のものがかなりのクリスピー感を有するとともに、
そのクリスピー感は冷凍又は冷蔵状態で2週間保存した
後においてもほとんど変わることなく持続されることが
理解できる。一方、番号z(無添加)のコロッケは、製
造直後のものはややクリスピー感を有するが、冷凍又は
冷蔵状態で2週間保存した後においては、クリスピー感
が大きく減退してしまうことが判明した。
【0036】
【発明の効果】以上、詳しく説明のとおり、本発明のフ
ライ食品用具材は、フライ食品用のベース具材原料に、
保水性を有する粉末澱粉、大豆タンパク粉、食物繊維
材、乳化剤、及び具材の水分を減少させる働きをする食
物油脂うちの1種以上のものを配合したので、従来のフ
ライ食品用具材に比べて、その保水性が大きく向上し、
具材からコロモへの水分の経時的な移行を抑制できる。
したがって、本発明に係るフライ食品用具材は、これを
素材として用いて、ポテトコロッケ、クリームコロッ
ケ、メンチカツなどを代表例とするフライ食品を製し、
さらにそのフライ食品を冷蔵又は冷凍状態において保存
又は流通させた後でも、また、これを電子レンジを用い
て加温・調理した場合でも、製造直後と同様のクリスピ
ー感を味わうことができる。したがって、本発明に係る
フライ食品は、冷蔵又は冷凍状態のままで流通に供する
ことができ、しかも、電子レンジで調理しても、おいし
さを損なうことがない。したがって、本発明によって、
既販のフライ食品、なかんずく既販の冷蔵又は冷凍フラ
イ食品に比べ、冷蔵又は冷凍状態で流通させるのに適し
たフライ食品であり、電子レンジで手軽に加温・調理・
解凍できる、おいしいフライ食品を消費者に提供でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 篤志 埼玉県春日部市小渕1263 雪印食品株式会 社食品技術研究所内 (72)発明者 熱田 英治 埼玉県春日部市小渕1263 雪印食品株式会 社食品技術研究所内 (72)発明者 吉川 隆一 埼玉県春日部市小渕1263 雪印食品株式会 社食品技術研究所内 (72)発明者 門田 憲二 埼玉県春日部市小渕1263 雪印食品株式会 社食品技術研究所内 Fターム(参考) 4B035 LC03 LE17 LG12 LG15 LG21 LG26 LG35 LK13 LP07 LP16 LP43 4B036 LF13 LH11 LH12 LH13 LH15 LK03 LP01 LP03 LP17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フライ食品用のベース具材原料に、粉末澱
    粉、大豆タンパク粉、食物繊維材、食用油脂、乳化剤の
    うちの1種以上のものを配合してなるフライ食品用具
    材。
  2. 【請求項2】フライ食品用のベース具材原料100部に
    対して、粉末澱粉1〜5部、大豆タンパク粉1〜5部、
    食物繊維材1〜3部、食用油脂1〜15部、乳化剤1〜
    5部を配合してなるフライ食品用具材。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のフライ食品用具材
    であって、冷蔵又は冷凍状態で保存又は流通するフライ
    食品の素材として使用するフライ食品用具材。
  4. 【請求項4】請求項1又は2に記載のフライ食品用具材
    であって、冷蔵又は冷凍状態で保存又は流通した後電子
    レンジで調理するフライ食品の素材として使用するフラ
    イ食品用具材。
  5. 【請求項5】請求項1又は2に記載のフライ食品用具材
    の表面をバッターで覆いさらにその上面にパン粉をまぶ
    してフライしてなるフライ食品。
  6. 【請求項6】請求項3に記載のフライ食品用具材の表面
    をバッターで覆いさらにその上面にパン粉をまぶしてフ
    ライした後冷蔵又は冷凍状態で保存又は流通してなるフ
    ライ食品。
  7. 【請求項7】請求項4に記載のフライ食品用具材の表面
    をバッターで覆いさらにその上面にパン粉をまぶしてフ
    ライした後冷蔵又は冷凍状態で保存又は流通してなる電
    子レンジ調理用のフライ食品。
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