JP2005046090A - 畜肉加工食品用水中油型乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】畜肉加工食品にジューシー感のある優れた食感を付与することができ、加熱調理時の肉汁流出や冷凍・解凍時のドリップが抑制され、歩留まりを向上させる畜肉加工食品用水中油型乳化組成物を提供すること。
【解決手段】食用油脂5〜60重量%、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を固形分として0.1〜8重量%、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩0.1〜3重量%、及びカルシウムを含有することを特徴とする畜肉加工食品用水中油型乳化組成物。
【選択図】 図1

Description

本発明は、畜肉加工食品用水中油型乳化組成物に関するものであり、詳しくは畜肉加工食品に配合することにより、優れた食感を付与し、加熱調理時の肉汁の流出や冷凍・解凍時のドリップを抑制し、歩留まりを向上することができる畜肉加工食品用水中油型乳化組成物に関する。
畜肉加工食品をおいしいと感じるには、その食味、風味とともに、食感が重要な要素となっており、過度の粘り気や、過度のパサツキ感は、その食品の価値を損なうものである。例えば、ハンバーグ等の畜肉加工食品などでは、ジューシー感が必要とされている。しかし、これらの畜肉加工食品は加熱調理時にどうしても肉汁が流出してしまうことにより、歩留まりが悪く、また、旨味の劣化、食感が硬くなる等の問題があった。さらには、これらの畜肉加工食品を冷凍食品とした場合には、さらに、冷凍・解凍時にドリップが発生し、さらに歩留まりが悪化し、旨味の劣化や食感の硬化が更に進むという問題があった。
従来、これらの改善のために古くからさまざまな手法が提案されてきた。その手法としては大きく2つに分類することができ、一つの方法はアルギン酸や、ペクチン等のゲル化剤を添加する方法、もう一つの方法は蛋白質やチーズを添加する方法である。しかし、これらの方法は改良効果が十分でなかったため、最近はこれらのさらなる改良がおこなわれており、例えば、アルギン酸と蛋白質を含有する水中油型乳化物を使用する方法(例えば特許文献1参照)、アルギン酸エステルを使用する方法(例えば特許文献2参照)、MPC(ミルクプロテインコンセントレート)やTMP(トータルミルクプロテイン)を使用する方法(例えば特許文献3参照)、アルギン酸塩、塩類、天然多糖類をそれぞれ特定量含有する水中油型乳化物であるピックル液(例えば特許文献4参照)等が提案されている。
しかし、例えば特許文献1の方法は加熱調理時の肉汁流出の抑制効果に乏しく、また、特許文献2の方法は、ジューシー感が得られない欠点があり、特許文献3の方法は、弾力が強い畜肉加工食品となってしまう欠点があり、特許文献4の方法は、水、または畜肉風味に適した調味液で薄めないと畜肉改質材として使用することができなかった。このように、現在においても畜肉加工食品改良剤の性能は満足いくものではなかった。
また、上記畜肉加工食品が冷凍食品である場合、上記の特許文献1〜4の方法では、冷凍解凍時のドリップ発生を抑制する効果が乏しいため歩留まりが悪く、また、畜肉加工食品の食感が硬くなってしまったり、粒状感が残る問題があった。
特開2002−125590号公報 特開2002−281942号公報 特開平11−103826号公報 特開平6−62736号公報
従って、本発明の目的は、畜肉加工食品にジューシー感のある優れた食感を付与することができ、加熱調理時の肉汁流出や冷凍・解凍時のドリップが抑制され、歩留まりを向上させる畜肉加工食品用水中油型乳化組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、特定の水中油型乳化組成物を用いることにより、畜肉加工食品にジューシー感のある優れた食感を付与することができ、加熱調理時の肉汁流出や冷凍・解凍時のドリップが抑制されることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、食用油脂5〜60重量%、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を固形分として0.1〜8重量%、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩0.1〜3重量%、及びカルシウムを含有することを特徴とする畜肉加工食品用水中油型乳化組成物を提供するものである。
また本発明は、前記畜肉加工食品用水中油型乳化組成物を使用したハンバーグ等の畜肉加工食品を提供するものである。
本発明によれば、食用油脂5〜60重量%、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を固形分として0.1〜8重量%、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩0.1〜3重量%、及びカルシウムを含有することを特徴とする畜肉加工食品用水中油型乳化組成物を用いることにより、畜肉加工食品にジューシー感のある優れた食感を付与することができ、加熱調理時の肉汁流出や冷凍・解凍時のドリップが抑制され、歩留まりを向上させる。
以下、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物およびその製造方法について詳述する。
本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物は、食用油脂5〜60重量%、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を固形分として0.1〜8重量%、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩0.1〜3重量%、及びカルシウムを含有する。
上記の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物で用いる油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、サル脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂ならびにこれらを水素添加、分別およびエステル交換から選択される一または二以上の処理を施した加工油脂、油脂を含有する乳製品および/または乳製品類似食品があげられる。
上記の油脂を含有する乳製品および/または乳製品類似食品としては、生クリーム、ホイップクリーム、クリームチーズやマスカルポーネ等のナチュラルチーズ、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、加工乳、クリーム、プロセスチーズ、バター、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、無糖れん乳、加糖れん乳、全粉乳、クリームパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、豆乳もしくはその加工品等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
また、上記の油脂を含有する乳製品および/または乳製品類似食品としては、好ましくは油分が3〜85重量%、さらに好ましくは油分が3〜70重量%、最も好ましくは油分が3〜60重量%である乳製品および/または乳製品類似食品を用いるのがよい。
上記の油脂や油脂を含有する乳製品および/または乳製品類似食品は、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物中の油分が5〜60重量%、好ましくは12〜55重量%、より好ましくは15〜45重量%となるように用いる。該食用油脂の配合割合が5重量%未満では、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物を用いた畜肉加工食品の食感が悪く、また60重量%を超えると、安定な水中油型乳化が得られない。
本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上、好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは4重量%以上、最も好ましくは5〜40重量%である乳原料を含むことを特徴とする。乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%未満である乳原料を用いると、ジューシーな食感の畜肉加工食品が得られず、また、加熱調理時の肉汁の流失抑制や冷凍解凍時のドリップの抑制機能が低くなってしまう。
上記の乳由来の固形分中のリン脂質とは、乳由来の固形分中に含まれる乳由来のリン脂質のことを示す。
また、上記の乳原料は、液体状でも、粉末状でも、濃縮物でも構わない。但し、溶剤を用いて乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上となるように濃縮した乳原料は、風味上の問題から本発明における乳原料として用いないのが好ましい。
乳原料のリン脂質の定量方法は、例えば以下のような方法にて測定することができる。但し、抽出方法などについては乳原料の形態などによって適正な方法が異なるためこの定量方法に限定されるものではない。
まず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。図1にFolch法のフローを示す。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から以下の計算式を用いて乳原料100g中のリン脂質の含有量gを求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(マイクログラム)/乳原料採取量(グラム)〕×(25.4)×(0.1/1000)
上記の乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料としては、例えば、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分があげられる。このクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、通常のクリームからバターを製造する際に生じるいわゆるバターミルクとは組成が大きく異なり、リン脂質を多量に含有しているという特徴がある。バターミルクは、その製法の違いによって大きく異なるが、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、通常、0.5〜1.5重量%程度であるのに対して、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、大凡、2〜15重量%であり、多量のリン脂質を含有している。
本発明では、上記のような通常のクリームからバターを製造する際に生じるいわゆるバターミルクそのものを用いることはできないが、バターミルクを乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上となるように濃縮したものを用いることは可能である。
次に上記のクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法について説明する
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40重量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95重量%まで高める。次いで乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
一方、バターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まずバターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
また、本発明で用いられる上記水相成分としては、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上であれば、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分をそのまま用いてもよく、また噴霧乾燥、濃縮、冷凍などの処理を施したものを用いてもよい。
また、本発明では、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料として、上記乳原料中のリン脂質の一部または全部がリゾ化された、リゾ化物を使用することもできる。上記リゾ化物は、上記乳原料をそのままリゾ化したものであっても、また濃縮した後にリゾ化したものであってもよい。またさらに得られたリゾ化物をさらに濃縮、あるいは、噴霧乾燥処理等を施してもよい。
上記乳原料の一部または全部に、上記リゾ化物を使用することにより、さらに乳化安定性の高い、滑らかな食感の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物が得られる。
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料中のリン脂質をリゾ化するにはホスホリパーゼAで処理すればよい。ホスホリパーゼAは、リン脂質分子のグリセロール部分と脂肪酸残基とを結びつけている結合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基で置換する作用を有する酵素である。ホスホリパーゼA2の場合、リン脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択的に切り離される。ホスホリパーゼAは作用する部位の違いによってA1、A2に分かれるが、A2が好ましい。
本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物は、上記の乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を、固形分として、0.1〜8重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは1〜4重量%含有するのがよい。
本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物で使用するアルギン酸とは、コンブやワカメに代表される褐藻類から抽出される、D−マンヌロン酸と、L−グルロン酸から構成される直鎖状の多糖類である。また、本発明で使用するアルギン酸塩とは、褐藻類を希薄な酸性溶液で洗浄後、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の塩基性物質を加え、加熱することにより水溶性の塩として得られるものであり、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム等があげられる。
上記のアルギン酸及び/又はアルギン酸塩の配合割合は、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物中、0.1〜3重量%、好ましくは0.2〜2.5重量%、更に好ましくは0.3〜2.0重量%である。アルギン酸及び/又はアルギン酸塩の配合割合が0.1重量%未満では、得られる畜肉加工食品用水中油型乳化組成物の保水性や耐熱性が乏しい。また3重量%を超えると、畜肉加工食品用水中油型乳化組成物の食感が口融けの悪いものとなる。
本発明で使用するカルシウムとしては、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルタミン酸ンカルシウム等の各種カルシウム製剤のほか、牛乳、脱脂粉乳、全粉乳、カゼイン、ホエイ、ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物、蛋白質濃縮ホエイパウダー、ミルクカルシウム、乳清ミネラル、その他乳製品、カルシウムを含有するその他食品素材等が挙げられる。本発明では、好ましくは牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、カゼイン、ホエイ、ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物、蛋白質濃縮ホエイパウダー、その他乳製品等の、カルシウムを含有する食品素材の形で含有させることが好ましい。これらのカルシウムを含有する食品素材は、畜肉加工食品用水中油型乳化組成物を製造する際、pHを調整する前に添加することが好ましい。
上記カルシウムの含有量は、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物中、好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.02〜0.5重量%、最も好ましくは0.02〜0.3重量%である。本発明においてはカルシウムの含有量が0.01重量%未満であると可塑性のある組織を生成することができない。また、1重量%を超えると畜肉加工食品用水中油型乳化組成物が硬くなりすぎるので好ましくない。
なお、上記カルシウムの含有量は、上記乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料としてカルシウムを含有するものを用いた場合は、これらに含有されるカルシウムを含むものである。
本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物中の水道水や天然水等の水の含有量は、好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは30〜85重量%、最も好ましくは40〜80重量%である。
なお、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物は、油滴の体積基準のメディアン径が好ましくは5マイクロメートル以下、更に好ましくは3マイクロメートル以下、より好ましくは2マイクロメートル以下であることにより、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物を使用した畜肉加工食品がより良好な食感をしめす。
本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物は、好ましい物性とする目的と、良好な風味を付与するために、乳酸発酵及び/又は食品用有機酸の添加等の手段によって、pHを好ましくは4.0〜5.5、更に好ましくは4.3〜5.2、最も好ましくは4.5〜5.0とするのがよい。pHが4.0未満であると、酸味が強すぎて風味が悪くなりやすい。またpHが5.5を超えてしまうと、好ましい物性と、良好な風味が得られにくい。
pHを調整するために乳酸菌を用いて乳酸発酵を行なう場合、使用する乳酸菌としては、特に制限はなく、例えばLactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis var. diacetylactis 、Lactobacillus casei subsp. casei、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus 、Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis 、Lactobacillus jugurti 、Lactobacillus helveticus、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris 、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium bifidum 、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium breve 等が挙げられ、これらを単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、醗酵乳製品の風味を向上させる目的で、Candida kefyr、Kluyveromyces marxianus var. marxianus、Saccharomyces unisporus、Saccharomyces florentinus等の酵母を含むスターターを使用してもよい。
また、食品用有機酸の添加により畜肉加工食品用水中油型乳化組成物のpHを調整する場合、使用される有機酸としては、クエン酸、乳酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、酢酸、氷酢酸、フィチン酸、アジピン酸、コハク酸、グルコノデルタラクトン、アスコルビン酸、柑橘類の果汁等の各種果汁等が挙げられ、これらを単独で用いるか、又は二種以上を組み合わせて用いる。
本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物には、本発明の目的を損なわない限り、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類、澱粉、小麦粉、無機塩、有機酸塩、「アルギン酸及び/又はアルギン酸塩」以外のゲル化剤や増粘剤、キモシン等の蛋白質分解酵素、ラクターゼ(ベータ−ガラクトシダーゼ)・グルコアミラーゼ等の糖質分解酵素、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、食塩、岩塩、海塩、調味料、甘味料、果汁、果肉、野菜、野菜汁、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、直鎖デキストリン・分枝デキストン・環状デキストン等のデキストリン類、乳製品、卵製品、カカオおよびカカオ製品、コーヒーおよびコーヒー製品、その他の各種食品素材全般、着香料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等を配合してもよい。これらの成分の配合量は、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物中、好ましくは95重量%以下である。
上記乳化剤としては、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等があげられる。本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物では、風味や消費者の間に広まっている天然志向に応える意味で、乳化剤を使用しないことが好ましい。
上記糖類としては、特に限定されないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖、ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等があげられる。また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等があげられる。これらの糖類および甘味料は、単独で用いることもでき、または二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記糖類および甘味料の含有量は、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物中、好ましくは0〜80重量%、より好ましくは0〜70重量%、さらに好ましくは0〜60重量%である。
上記澱粉としては、生澱粉、澱粉をアミラーゼ等の酵素で処理したもの、酸やアルカリ処理・エステル化・アセチル化・リン酸架橋化・加熱・湿熱処理等の化学的・物理的処理を行った化工澱粉、さらにこれら化工澱粉を水に溶け易い様にあらかじめ加熱処理により糊化させた澱粉等があげられる。上記澱粉の含有量は、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物中、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下であるが、口溶けの良好な食感とするためには澱粉を含有しないことが最も好ましい。
上記金属イオン封鎖剤としては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等を封鎖するものであり、例えば、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、ウルトラポリリン酸塩、メタリン酸塩等のリン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩類、また、炭酸塩等の無機塩類があげられる。また、これらの金属イオン封鎖剤を含有する食品素材の形として含有させても良い。本発明ではこれらの金属イオン封鎖剤の中から選ばれた1種または2種以上を、目的に応じて用いることができるが、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物における添加量は、風味の面から0.7%未満であることが好ましい。
上記「アルギン酸及び/又はアルギン酸塩」以外のゲル化剤や増粘剤としては、LMペクチン・HMペクチン、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガントガム、微小繊維状セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、コンニャクマンナン、大豆多糖類、寒天、ゼラチン、プルラン等があげられる。上記ゲル化剤や増粘剤の含有量は、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物中、2重量%以下が好ましい。
これらの原料や副原料を配合する際には、通常、油溶性の原料や副原料を油脂に、水溶性の原料や副原料は水に溶解させてから水中油型に乳化するが、水溶性の原料や副原料を油脂に分散させてもよい。
次に、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物の製造方法について説明する。
まず、全組成に対して、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を固形分として0.1〜8重量%、及びカルシウムを含有する水相に、食用油脂5〜60重量%、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩0.1〜3重量%を混合して乳化して、水中油型乳化物とし、好ましくは加熱殺菌処理をした後、均質化処理を行ない、更に必要に応じ冷却処理をおこなうことによって得ることができる。
該加熱殺菌方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波等の直接加熱方式、又は、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の60〜160℃の加熱処理を行なえば良い。
該均質化処理としては、例えば均質化機としては、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等を使用し、好ましくは1〜200MPa、さらに好ましくは5〜150MPa、最も好ましくは10〜100MPaの均質化圧力にて均質化を行なう。この均質化処理は、特に2段式ホモゲナイザーを用いて、例えば1段目10〜200MPa、2段目0〜50MPaの均質化圧力にて均質化しても良い。
また、該冷却方法としては、ボーテーター、コンビネーター、パーフェクター等の急冷可塑化機にて急冷可塑化処理を行なうのが好ましく、チューブラー式、掻取式等の熱交換機によって冷却しても良い。別の方法として、適当な容器に充填した後に、水浴、氷浴、冷蔵庫、冷凍庫等で冷却しても良い。
なお、乳酸菌による乳酸発酵を行なう場合は上記水相を好ましくは35〜75℃に加熱し、更に必要により均質化を行ない、好ましくは加熱殺菌を行ない、これに対して乳酸菌を添加して、乳酸発酵をおこなう。この均質化を行なうための均質化機としては、例えばケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等が挙げられ、好ましくは1〜200MPaの均質化圧力にて均質化を行なう。また、この加熱殺菌方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波等の直接加熱方式、又は、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の60〜160℃の加熱処理を行なえば良い。なお、乳酸発酵の方法としては、使用される各乳酸菌に適した条件、例えば20〜40℃で、6〜24時間乳酸発酵すれば良い。そして、食用油脂5〜60重量%、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩0.1〜3重量%、添加混合して乳化し、水中油型乳化物とし、好ましくは加熱殺菌処理をした後、均質化処理、更に必要に応じ冷却処理をおこなうことによって得ることができる。
また、食品用有機酸を用いてpHを調整する場合は、上記水相に、食用油脂5〜60重量%、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩0.1〜3重量%、食品用有機酸を混合して乳化し、水中油型乳化物とし、これに上述した様な加熱殺菌処理、均質化処理、更に冷却処理を行なえば良い。
本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物は、畜肉加工食品にジューシー感を付与し、加熱調理時の肉汁流出を抑制し、歩留まりを向上させることができる。
使用できる食品としては、ハンバーグ、ミートボール、肉団子、ミートローフ、ミートパテ、チキンナゲット、ミートコロッケ、メンチカツ、シュウマイの具、ギョウザの具、肉まんの具、つくね、ハム、ソーセージ、ステーキ、焼肉等の焼成、薫蒸、フライ、電子レンジ加熱などの加熱調理する畜肉加工食品及びそれらの冷凍食品やレトルト食品、チルド食品等が挙げられる。
もちろん、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物は畜肉加工に使用される所謂「ピックル液」としても使用可能であるし、ミンチ肉と他食材を混合する際に同時に添加して練込んでもよい。
本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物の、畜肉加工食品に対する配合量は、好ましくは畜肉加工食品中の1〜40重量%であるが、より好ましくは1〜10重量%となる量である。
また、上記畜肉加工食品が、加熱調理済または加熱調理前の冷凍食品である場合、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物を使用すると、冷凍・解凍時のドリップ発生を抑制されるため歩留まりが向上し、かつ再加熱調理品は滑らかな食感となる。
また、畜肉加工食品の調理の際や、加熱調理後の畜肉加工食品、又は調理済冷凍畜肉加工食品を再加熱する場合や、冷凍状態の畜肉加工食品の解凍時に電子レンジを用いても、肉汁の流出やドリップ発生を抑制されるために歩留まりが向上する効果に加え、畜肉加工食品の食感が硬くなることを抑制する効果がある。
〔実施例1〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.7重量%)3重量部、ホエイパウダー4重量部、トータルミルクプロテイン2重量部、乳糖2重量部、水50重量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、ミックス液を調製した。このミックス液にLactococcus lactis subsp. lactisとLactococcus lactis subsp. cremorisから成る乳酸菌スターター0.005重量部を加え、30℃で14時間発酵し、pH4.6の乳酸発酵物を得た。この乳酸発酵物を50℃に加熱し、これにアルギン酸0.1重量部、アルギン酸ナトリウム0.8重量部、大豆油20重量部、50%トコフェロール0.005重量部、岩塩0.5重量部、クエン酸3ナトリウム0.5重量部、水17.08重量部及びフレーバー0.01重量部を順に加え、配合槽で混合し、これを掻取式熱交換器にて90℃で30秒間加熱殺菌し、次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて2段目3MPa、1段目20MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、食用油脂を20重量%、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を固形分として1.14重量%、アルギン酸及びアルギン酸塩を0.9重量%含有しpH4.7である、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Aを得た。
〔実施例2〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物3重量部、ホエイパウダー4重量部、トータルミルクプロテイン2重量部、乳糖2重量部、水67.08重量部、アルギン酸0.1重量部、アルギン酸ナトリウム0.8重量部、大豆油20重量部、50%トコフェロール0.005重量部、食塩0.5重量部、クエン酸3ナトリウム0.5重量部、及びフレーバー0.01重量部を順に加え、60℃に加熱し、配合槽で混合、乳化し、水中油型乳化物とした。これにクエン酸0.005重量部を加え、pH4.6に調整した。これを掻取式熱交換器にて100℃で30秒間加熱殺菌し、次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて2段目3MPa、1段目43MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、食用油脂を20重量%、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を固形分として1.14重量%、アルギン酸及びアルギン酸塩を0.9重量%含有しpH4.7である、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Bを得た。
〔実施例3〕
ホエイパウダー2.5重量部、トータルミルクプロテイン1.5重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物5重量部、大豆油10重量部、及び水39.2重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目100MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化を行ない可塑性水中油型乳化物(1)を調製した。この可塑性水中油型乳化物(1)に、アルギン酸ナトリウム0.5重量部、菜種油10重量部、乳酸0.3重量部、澱粉1.0重量部を添加し、配合槽で混合し、これを掻取式熱交換器にて85℃で3分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて2段目0MPa、1段目10MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、食用油脂を20重量%、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を固形分として1.9重量%、アルギン酸塩を0.5重量%含有しpH4.7である、本発明の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Cを得た。
〔比較例1〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物3重量部、ホエイパウダー4重量部、トータルミルクプロテイン2重量部、乳糖2重量部、水50重量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、ミックス液を調製した。このミックス液にLactococcus lactis subsp. lactisとLactococcus lactis subsp. cremorisから成る乳酸菌スターター0.005重量部を加え、30℃で14時間発酵し、pH4.6の乳酸発酵物を得た。この乳酸発酵物を50℃に加熱し、これに大豆油20重量部、50%トコフェロール0.005重量部、岩塩0.5重量部、クエン酸3ナトリウム0.5重量部、水17.98重量部及びフレーバー0.01重量部を順に加え、配合槽で混合し、これを掻取式熱交換器にて90℃で30秒間加熱殺菌し、次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて2段目3MPa、1段目20MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、食用油脂を20重量%、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を固形分として1.14重量%含有するが、アルギン酸及びアルギン酸塩を含まない、pH4.7である、比較例の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Dを得た。
〔比較例2〕
ホエイパウダー7重量部、トータルミルクプロテイン2重量部、乳糖2重量部、水50重量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、ミックス液を調製した。このミックス液にLactococcus lactis subsp. lactisとLactococcus lactis subsp. cremorisから成る乳酸菌スターター0.005重量部を加え、30℃で14時間発酵し、pH4.6の乳酸発酵物を得た。この乳酸発酵物を50℃に加熱し、これにアルギン酸0.1重量部、アルギン酸ナトリウム0.8重量部、大豆油20重量部、50%トコフェロール0.005重量部、岩塩0.5重量部、クエン酸3ナトリウム0.5重量部、水17.08重量部及びフレーバー0.01重量部を順に加え、配合槽で混合し、これを掻取式熱交換器にて90℃で30秒間加熱殺菌し、次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて2段目3MPa、1段目20MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、食用油脂を20重量%、アルギン酸及びアルギン酸塩を0.9重量%含有するが、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を含まない、比較例のpH4.7の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Eを得た。
〔実施例4〕
玉葱200gをみじん切りにし、ラード6gで炒め、冷ましておき、一方、パン粉30gを牛乳15gでしとらせておいた。合挽肉500gに塩5g、こしょう0.5gで下味をする。上記玉ねぎ、パン粉、さらに卵20g、前記実施例1で得られた畜肉加工食品用水中油型乳化組成物A30gをいれ、粘りがでるまでよくまぜたものを、180gに分割し、小判型に形を整え、190℃のオーブンで10分加熱焼成し、ハンバーグを得た。得られたハンバーグの評価を表1に示した。
〔実施例5〕
実施例4の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Aを前記実施例2で得られた畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Bに置き換えたほかは、実施例4と同様の配合と製法にて、ハンバーグを得た。得られたハンバーグの評価を表1に示した。
〔実施例6〕
実施例4の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Aを前記実施例3で得られた畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Cに置き換えたほかは、実施例4と同様の配合と製法にて、ハンバーグを得た。得られたハンバーグの評価を表1に示した。
〔比較例3〕
実施例4の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Aを前記比較例1で得られた畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Dに置き換えたほかは、実施例4と同様の配合と製法にて、ハンバーグを得た。得られたハンバーグの評価を表1に示した。
〔比較例4〕
実施例4の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Aを前記比較例2で得られた畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Eに置き換えたほかは、実施例4と同様の配合と製法にて、ハンバーグを得た。得られたハンバーグの評価を表1に示した。
〔比較例5〕
実施例4の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Aを無添加としたほかは、実施例4と同様の配合と製法にて、ハンバーグを得た。得られたハンバーグの評価を表1に示した。
Figure 2005046090
(評価基準)
焼成品の風味:焼成したハンバーグをパネラー10人にて風味の評価を行った。
◎:8割以上が良好と評価、○:5割以上8割未満が良好と評価、△:2割以上5割未満が良好と評価、×:2割未満が良好と評価
焼成品のジューシー感:焼成したハンバーグをパネラー10人にてジューシー感の評価を行った。
◎:8割以上が良好と評価、○:5割以上8割未満が良好と評価、△:2割以上5割未満が良好と評価、×:2割未満が良好と評価
焼成時の肉汁量:焼成したハンバーグの肉汁量を目視により観察した。
◎:ほとんど見られない、○:少量、△:多い、×:きわめて多い
歩留まり:焼成前のハンバーグの重量(A)と焼成後のハンバーグの重量(B)を計量し、(B/A)×100=歩留まり率(%)とし、肉汁量を目視により観察した。
◎:85%以上、○:80%以上85%未満、△:75%以上80%未満、×:75%未満
〔実施例7〕
玉葱200gをみじん切りにし、ラード6gで炒め、冷ましておき、一方、パン粉30gを牛乳15gでしとらせておいた。合挽肉500gに塩5g、こしょう0.5gで下味をする。上記玉ねぎ、パン粉、さらに卵20g、牛脂15g、前記実施例1で得られた畜肉加工食品用水中油型乳化組成物A30gをいれ、粘りがでるまでよくまぜたものを、30gに分割し、小判型に形を整え、−40℃の急速冷凍庫で120分冷凍し、冷凍ハンバーグを得た。これを−20℃で3週間冷凍保管後、2℃の解凍庫で12時間解凍したときのドリップの状態を観察した後、これを、190℃のオーブンで10分加熱焼成し、ハンバーグを得た。解凍時のドリップの状態と、得られたハンバーグの評価を表2に示した。
〔実施例8〕
実施例7の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Aを前記実施例2で得られた畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Bに置き換えたほかは、実施例7と同様の配合と製法にて、ハンバーグを得た。解凍時のドリップの状態と、得られたハンバーグの評価を表2に示した。
〔実施例9〕
実施例7の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Aを前記実施例3で得られた畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Cに置き換えたほかは、実施例7と同様の配合と製法にて、ハンバーグを得た。解凍時のドリップの状態と、得られたハンバーグの評価を表2に示した。
〔比較例6〕
実施例7の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Aを前記比較例1で得られた畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Dに置き換えたほかは、実施例7と同様の配合と製法にて、ハンバーグを得た。解凍時のドリップの状態と、得られたハンバーグの評価を表2に示した。
〔比較例7〕
実施例7の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Aを前記比較例2で得られた畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Eに置き換えたほかは、実施例7と同様の配合と製法にて、ハンバーグを得た。解凍時のドリップの状態と、得られたハンバーグの評価を表2に示した。
〔比較例8〕
実施例7の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Aを無添加としたほかは、実施例7と同様の配合と製法にて、ハンバーグを得た。解凍時のドリップの状態と、得られたハンバーグの評価を表2に示した。
Figure 2005046090
(評価基準)
解凍時のドリップ量:解凍時のハンバーグの肉汁量を目視により観察した。
◎:ほとんど見られない、○:少量、△:多い、×:きわめて多い
焼成品の風味:焼成したハンバーグをパネラー10人にて風味の評価を行った。
◎:8割以上が良好と評価、○:5割以上8割未満が良好と評価、△:2割以上5割未満が良好と評価、×:2割未満が良好と評価
焼成品のジューシー感:焼成したハンバーグをパネラー10人にてジューシー感の評価を行った。
◎:8割以上が良好と評価、○:5割以上8割未満が良好と評価、△:2割以上5割未満が良好と評価、×:2割未満が良好と評価
焼成品のソフト感:焼成したハンバーグをパネラー10人にてソフト感の評価を行った。
◎:8割以上が良好と評価、○:5割以上8割未満が良好と評価、△:2割以上5割未満が良好と評価、×:2割未満が良好と評価
歩留まり:焼成前のハンバーグの重量(A)と焼成後のハンバーグの重量(B)を計量し、(B/A)×100=歩留まり率(%)とし、肉汁量を目視により観察した。
◎:85%以上、○:80%以上85%未満、△:75%以上80%未満、×:75%未満
これらの結果から明らかな様に、本発明の、食用油脂5〜60重量%、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を固形分として0.1〜8重量%、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩0.1〜3重量%、及びカルシウムを含有する実施例1〜3の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物A〜Cを用いることにより、畜肉加工食品にジューシー感のある優れた食感を付与することができ、加熱調理時の肉汁流出や冷凍・解凍時のドリップが抑制され、歩留まりを向上させることができた。
しかし、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩を含有しない比較例1の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Dや、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を含まない比較例2の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物Eを使用した場合、あるいは畜肉加工食品用水中油型乳化組成物を使用しない場合は、畜肉加工食品のジューシー感、加熱調理時の肉汁流出抑制効果、冷凍・解凍時のドリップ抑制効果の全ての点で実施例の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物A〜Cを使用した場合よりも劣っていた。
乳原料の脂質を抽出するためのFolch法のフローチャートである。

Claims (4)

  1. 食用油脂5〜60重量%、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を固形分として0.1〜8重量%、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩0.1〜3重量%、及びカルシウムを含有することを特徴とする畜肉加工食品用水中油型乳化組成物。
  2. pHが4.0〜5.5であることを特徴とする請求項1記載の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物。
  3. 請求項1または2記載の畜肉加工食品用水中油型乳化組成物を使用した畜肉加工食品。
  4. 請求項3記載の畜肉加工食品を冷凍したことを特徴とする冷凍食品。
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