JP2009232805A - 焼菓子生地 - Google Patents
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Abstract
【課題】濃厚なチョコレートの風味を有し、しっとりとした食感、良好な口どけを有する焼菓子を提供することを課題とし、さらに時間が経過しても、濃厚なチョコレート風味、しっとりとした食感、良好な口どけを維持することができる焼菓子を提供することを課題とする。
【解決手段】チョコレート生地と、少なくともゲル化剤と水で構成される複合体を含有し、穀粉類を含有しないことを特徴とする焼菓子生地。
【選択図】なし
【解決手段】チョコレート生地と、少なくともゲル化剤と水で構成される複合体を含有し、穀粉類を含有しないことを特徴とする焼菓子生地。
【選択図】なし
Description
本発明は、チョコレート生地を含有する焼菓子生地に関する。
従来からチョコレートを用いた焼菓子において、チョコレートの風味は重要視されてきた。
チョコレートの風味を付与させるためには、通常、焼菓子をチョコレートでコーティングしたり、焼菓子生地にカカオマスやココアパウダーを練り込む製法が用いられている。
よりチョコレートの風味を付与するための手段として、チョコレート生地に糖類・蛋白質・デキストリン及び食物繊維の中から1種又は2種以上の成分、水、及びチョコレート生地を含有し、澱粉性原料を含有しない焼菓子について特許文献1に開示されている。
しかし、特許文献1は水を必須成分としており、水を使用した焼菓子は、経日的に焼菓子のしっとりとした食感が低下し、口どけが悪くなり、ぼそつきが生じやすい。
また、ゲル化剤と乳蛋白質と水とで構成される複合体を用いた焼菓子類が特許文献2に開示されている。
しかし、穀粉類を使用する焼菓子類において、上記の複合体を用いることによりソフトでしっとりとした焼菓子類を製造することは可能であるが、チョコレート生地を多く含む焼菓子において、穀粉類を使用するとしっとりとした食感が得られにくく、口どけも悪くなりやすいという欠点があった。
したがって、本発明の目的は、チョコレート生地に水ではなく、少なくともゲル化剤と水で構成される複合体を加えることにより、濃厚なチョコレートの風味を有し、しっとりとした食感、良好な口どけを維持することができる焼菓子を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく種々検討した結果、チョコレート生地と、少なくともゲル化剤と水で構成される複合体を含有することを特徴とする焼菓子生地により、上記問題の解決が可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、チョコレート生地と、少なくともゲル化剤と水で構成される複合体を含有することを特徴とする焼菓子生地を提供するものである。
本発明の焼菓子生地を焼成することにより、濃厚なチョコレート風味を有し、しっとりとした食感、良好な口どけを有する焼菓子を製造することができる。さらに本発明で得られた焼菓子は時間が経過しても、濃厚なチョコレート風味、しっとりとした食感、良好な口どけを維持することが可能である。
まず、本発明の焼菓子生地で使用するチョコレート生地について述べる。
本発明の焼菓子生地で使用するチョコレート生地とは、カカオマスや各種粉末食品、油脂類、糖類・糖アルコール・甘味料、乳化剤、香料、色素等の中から選択した原料を任意の割合で混合し、常法によりロール掛け、コンチング処理して得たものを意味する。またチョコレート生地としては、わが国において全国チョコレート業公正取引協議会が定めた規約である「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」でいう純チョコレート、チョコレート、準チョコレートの各種チョコレート、ミルクチョコレート等や「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」に入らないチョコクリームやカラークリームのいずれでもよい。
上記のチョコレート生地で使用する油脂類としては、ココアバターやパーム油、サル脂、シア脂、イリッペ脂、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ひまわり油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油等の各種動物・植物油脂並びにこれらの水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。
また本発明では上記のチョコレート生地で使用する油脂類としてテンパー型油脂のみを用いる場合、ノーテンパー型油脂のみを用いる場合、ノーテンパー型油脂とテンパー型油脂を併用する場合の3通りをあげることができる。ノーテンパー型油脂とテンパー型油脂を併用する場合は、ノーテンパー型油脂とテンパー型油脂の質量比率が好ましくはノーテンパー型油脂60〜99質量%、テンパー型油脂1〜40質量%、さらに好ましくはノーテンパー型油脂70〜99質量%、テンパー型油脂1〜30質量%、最も好ましくはノーテンパー型油脂80〜99質量%、テンパー型油脂1〜20質量%とする。
上記のチョコレート生地中で使用する油脂類の含有量は、好ましくは20〜50質量%以下、さらに好ましくは25〜48質量%、最も好ましくは30〜45質量%である。
上記のチョコレート生地で使用する糖類・糖アルコール・甘味料としては、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、転化糖、液糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつ等があげられ、本発明ではこれらの中から選ばれた1種または2種以上を使用することができる。また本発明では好ましくは上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖を用いるのがよい。
上記のチョコレート生地中の糖類・糖アルコール・甘味料の総含有量は好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは25〜45質量%、最も好ましくは30〜40質量%である。
上記のチョコレート生地中の糖類・糖アルコール・甘味料の総含有量は好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは25〜45質量%、最も好ましくは30〜40質量%である。
上記のチョコレート生地で使用する乳化剤は特に限定されないが、例えばレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等があげられ、本発明ではこれらの乳化剤の中から選ばれた1種または2種以上を使用することができる。また本発明ではレシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを用いることが好ましい。
上記のチョコレート生地中の乳化剤の含有量は好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜5質量%、最も好ましくは0.1〜2質量%である。
上記のチョコレート生地中の乳化剤の含有量は好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜5質量%、最も好ましくは0.1〜2質量%である。
本発明の焼菓子生地で使用する上記チョコレート生地の含有量は、好ましくは10〜95質量%、さらに好ましくは30〜95質量%、最も好ましくは50〜95質量%である。チョコレート生地が10質量%よりも少ないと焼菓子のチョコレートの風味が乏しくなりやすい。また、チョコレート生地が95質量%よりも多いと焼菓子生地の焼成を行った際に、焼菓子生地が流れやすくなる。
次に本発明で用いる少なくともゲル化剤と水を構成される複合体について説明する。
上記の少なくともゲル化剤と水を構成される複合体の水の含有量は、好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは35〜85質量%、最も好ましくは35〜80質量%である。複合体中の水の含有量が30質量%より少ないと、複合体中の水相中のゲル化剤濃度が高くなり、複合体がチョコレート生地と均一に混合できないおそれがある。また90質量%よりも多いと、焼菓子の食感が悪くなりやすい。なお、ここでいう水とは、水道水や天然水等の水の他、牛乳、液糖等の水分も含めたものである。
上記の少なくともゲル化剤と水を構成される複合体の水の含有量は、好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは35〜85質量%、最も好ましくは35〜80質量%である。複合体中の水の含有量が30質量%より少ないと、複合体中の水相中のゲル化剤濃度が高くなり、複合体がチョコレート生地と均一に混合できないおそれがある。また90質量%よりも多いと、焼菓子の食感が悪くなりやすい。なお、ここでいう水とは、水道水や天然水等の水の他、牛乳、液糖等の水分も含めたものである。
上記ゲル化剤としては、アルギン酸、アルギン酸塩(アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム)、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、ゼラチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天等があげられる。本発明ではアルギン酸、アルギン酸塩を用いることが好ましい。本発明ではこれらのゲル化剤の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
なお、本発明においては、ゲル化剤としてアルギン酸および/又はアルギン酸塩を使用する場合、低粘性のアルギン酸および/又は低粘性アルギン酸塩をその一部又は全部に使用することが好ましい。ゲル化剤としてアルギン酸および/又はアルギン酸塩を使用する場合、低粘性のアルギン酸および/又は低粘性アルギン酸塩をその一部又は全部に使用すると、少なくともゲル化剤と水で構成される複合体が焼菓子生地中において均一に分散しやすく、より均質な内相の焼菓子が得られる点で好ましい。
なお、アルギン酸および/又はアルギン酸塩に占める低粘性のアルギン酸および/又は低粘性のアルギン酸塩の割合は、好ましくは30〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、最も好ましくは100質量%である。
ここで、低粘性のアルギン酸および/又は低粘性のアルギン酸塩とは、B型粘度計で、pH7、25℃及び30rpmの条件下で測定したとき、10質量%水溶液の粘度が、好ましくは1〜700mPa・s、さらに好ましくは1〜100mPa・s、最も好ましくは1〜60mPa・sのものである。
また上記と同じ条件下で粘度を測定したとき、1質量%水溶液の粘度が、好ましくは1mPa・s以上10mPa・s未満、さらに好ましくは1mPa・s以上8mPa・s以下、最も好ましくは1mPa・s以上7mPa・s以下のものである。
上記低粘性アルギン酸としては、構成糖類においてグルロン酸よりマンニュロン酸の比率が高いアルギン酸があげられ、上記低粘性アルギン酸塩としては、低粘性アルギン酸の塩であって、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、さらには鉄、スズ等の金属塩などが可能であるが、食品に用いることから食品添加物である塩を選んで使用し、好ましくは、水への溶解度が高いこと、下に記すナトリウムの給源としても使用可能な点から、ナトリウム塩が好ましい。
なお、一般的なアルギン酸および/又はアルギン酸塩は、1質量%水溶液の粘度が、10mPa・sを超えるものである。
上記の複合体中の上記ゲル化剤の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.02〜5質量%、最も好ましくは0.05〜3質量%である。複合体中のゲル化剤の含有量が0.01質量%より少なかったり、5質量%より多いと本発明の効果が得られないおそれがある。
本発明では上記の複合体に乳蛋白質を使用することが好ましい。
上記の乳蛋白質としては、特に制限されるものではないが、例えば、ホエイ蛋白質、カゼイン蛋白質の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では乳蛋白質として、ホエイ蛋白質のみ、カゼイン蛋白質のみ、カゼイン蛋白質とホエイ蛋白質との併用のいずれでもよいが、ホエイ蛋白質とカゼイン蛋白質を併用するのが好ましい。
上記乳蛋白質の含有量は、上記複合体中、好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜4質量%、最も好ましくは0.5〜3質量%である。複合体中の乳蛋白質の含有量が0.5質量%より少なかったり、5質量%より多いと本発明の効果が得られないおそれがある。
上記カゼイン蛋白質としては、αs1−カゼイン、αs2−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼインの各単体や、これらの複合体、若しくはこれらを含有する食品素材であるアルカリカゼイン(カゼイネート)、酸カゼイン等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記ホエイ蛋白質としては、ラクトアルブミン、βラクトグロブリン、血清アルブミン、免疫グロブリン、プロテオースペプトンの各単体や、これらの複合体、若しくはこれらを含有する食品素材として、乳清蛋白質、ホエイ、ホエイパウダー、脱乳糖ホエイ、脱乳糖ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物(WPC及び/又はWPI)等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記カゼイン蛋白質及び上記ホエイ蛋白質の両方を含有する食品素材として、例えば、生乳、牛乳、加糖練乳、加糖脱脂れん乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、脱脂乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、バターミルク、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン(TMP)、脱脂粉乳、全粉乳、ミルクプロテインコンセントレート(MPC)、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト、乳酸菌飲料、サワークリ―ム、醗酵乳等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
特に、本発明では、上記乳蛋白質として、上記カゼイン蛋白質および上記ホエイ蛋白質の両方を含有する食品素材であって、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、一層好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である食品素材(以下食品素材Aという)を用いるのが好ましい。
上記食品素材Aは、乳由来のリン脂質を含有する乳原料である牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、人乳等の乳から製造されたものであるのが好ましく、特に牛乳から製造されたものであるのが好ましい。
上記の食品素材Aとしては、クリームからバターを製造する際に生じる水相成分(バターミルク)や、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分があげられる。
上記のクリームからバターを製造する際に生じる水相成分は、その製法の違いにより組成が大きく異なるが、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、通常0.5〜1.5質量%程度である。一方、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、大凡2〜15質量%であり、多量のリン脂質を含有している。
上記のクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95質量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離機での処理工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
上記のバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、バターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離機での分離工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
本発明では、食品素材Aとして、上記のクリームからバターを製造する際に生じる水相成分(バターミルク)や、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分を、さらに濃縮したもの、乾燥したもの、冷凍処理をしたもの等を用いることも可能である。但し、乳由来のリン脂質は、高温加熱するとその機能が低下するため、加熱する際の温度は、100℃未満であることが好ましい。さらに、溶剤を用いて濃縮したものは風味上の問題から用いないことが好ましい。
また、本発明では、上記食品素材A中のリン脂質の一部または全部がリゾ化されたリゾ化物を使用することもできる。該リゾ化物は、食品素材Aをそのままリゾ化したものであってもよく、また食品素材Aを濃縮した後にリゾ化したものであってもよい。また、得られたリゾ化物に、さらに濃縮あるいは噴霧乾燥処理等を施してもよい。
上記食品素材A中のリン脂質をリゾ化するには、上記食品素材AをホスホリパーゼAで処理すればよい。ホスホリパーゼAは、リン脂質分子のグリセロール部分と脂肪酸残基とを結びつけている結合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基で置換する作用を有する酵素である。ホスホリパーゼAは、作用する部位の違いによってホスホリパーゼA1とホスホリパーゼA2とに分かれるが、ホスホリパーゼA2が好ましい。ホスホリパーゼA2の場合、リン脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択的に切り離される。
上記食品素材Aにおける乳由来の固形分中のリン脂質の定量方法は、例えば以下のような方法にて測定することができる。但し、抽出方法等については食品素材Aの形態等によって適正な方法が異なるためこの定量方法に限定されるものではない。
まず、食品素材の脂質を、Folch法を用いて抽出する。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から以下の計算式を用いて食品素材の乳固形分100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(食品素材−食品素材の水分(g))〕×25.4×(0.1/1000)
また、上記食品素材Aは、乳酸菌を接種して乳酸発酵物としてもよく、必要により水や乳糖等の資化性糖を添加してから乳酸菌を接種して乳酸発酵物としてもよい。この場合、乳酸菌を接種して乳酸発酵物とした食品素材Aを、殺菌して複合体に配合してもよいし、殺菌せずに複合体に配合してもよい。
また、上記食品素材Aは、乳酸菌を接種して乳酸発酵物としてもよく、必要により水や乳糖等の資化性糖を添加してから乳酸菌を接種して乳酸発酵物としてもよい。この場合、乳酸菌を接種して乳酸発酵物とした食品素材Aを、殺菌して複合体に配合してもよいし、殺菌せずに複合体に配合してもよい。
本発明で用いる複合体には、糖類・糖アルコール・甘味料、金属イオン封鎖剤、油脂、乳化剤、無機塩、有機酸塩、キモシン等の蛋白質分解酵素、トランスグルタミナーゼ、ラクターゼ(β−ガラクトシダーゼ)、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ等の澱粉分解酵素、プルラナーゼ、ペントサナーゼ、ペクチナーゼ、インベルターゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、カタラーゼ、リポキシゲナーゼ、リポキシナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、スルフィドリルオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、パーオキシダーゼ、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、食塩、岩塩、海塩、果汁、濃縮果汁、果汁パウダー、乾燥果実、果肉、野菜、野菜汁、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、直鎖デキストリン・分枝デキストン・環状デキストン等のデキストリン類、乳製品、卵製品、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材全般、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、臭素酸カリウム、過硫酸アンモニウム、ヨウ素酸カリウム等の酸化剤、システイン、グルタチオン等の還元剤、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、グリシン、しらこ蛋白抽出物、ポリリジン、エタノール等の保存料、着香料、苦味料、調味料等の呈味成分、着色料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤等を配合してもよい。
上記糖類・糖アルコールとしては、特に制限されるものではないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、デキストリン等があげられる。また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等があげられる。本発明で用いる複合体ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記糖類・糖アルコール・甘味料の総含有量は、上記複合体中、好ましくは30質量%以下とする。
上記金属イオン封鎖剤は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等を封鎖するものであり、その具体例としては、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ウルトラポリリン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム等の各種リン酸塩、並びにクエン酸、酒石酸等の有機酸塩類、及び炭酸塩等の無機塩類があげられる。本発明で用いる複合体ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記金属イオン封鎖剤の含有量は、上記複合体中、好ましくは1質量%以下とする。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオ脂、サル脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油等の各種の植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択された一又は二以上の処理を施した加工油脂や、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等があげられる。本発明では、これらの油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。本発明では上記油脂としてトランス酸を含有する部分硬化油は使用しないことが好ましい。
上記油脂の含有量は、上記複合体中、好ましくは0〜70質量%、さらに好ましくは0〜65質量%、最も好ましくは0〜60質量%である。
また、油脂を含む場合、複合体の乳化形態は、水中油型乳化物、油中水型乳化物、二重乳化物として用いることもできるが、本発明では、水相が外相となる乳化状態である、水中油型乳化物や二重乳化物とするのが好ましい。
上記乳化剤としては、レシチン、酵素処理レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、本発明ではこれらの中から選ばれた1種また2種以上を用いることができる。
上記乳化剤の含有量は、上記複合体中好ましくは0〜5質量%、さらに好ましくは0〜5質量%、最も好ましくは0〜0.1質量%である。
本発明の焼菓子生地で使用する少なくともゲル化剤と水で構成される複合体の含有量は、好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは2〜15質量%、最も好ましくは5〜12質量%である。本発明の焼菓子生地において少なくともゲル化剤と水で構成される複合体の含有量が1質量%よりも少なかったり、20質量%よりも多いと、焼成中に焼菓子生地がだれてしまいやすい。
本発明の焼菓子生地で使用する少なくともゲル化剤と水で構成される複合体の含有量は、好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは2〜15質量%、最も好ましくは5〜12質量%である。本発明の焼菓子生地において少なくともゲル化剤と水で構成される複合体の含有量が1質量%よりも少なかったり、20質量%よりも多いと、焼成中に焼菓子生地がだれてしまいやすい。
次に少なくともゲル化剤と水で構成される複合体の好ましい製造方法について説明する。
(1)1つめの製造方法としては、水にゲル化剤と必要により乳蛋白質、その他の成分を添加して、水相とする。必要により油脂を含む場合は油脂とその他の成分を添加した油相を用意し、上記水相と混合し、乳化する。
(2)2つめの製造方法としては、水に必要により乳蛋白質、その他の成分を添加し、これに乳酸菌を接種して適宜調温して乳酸醗酵を行う。さらにゲル化剤と必要によりその他の成分を添加して、水相とする。必要により油脂とその他の成分を添加した油相を用意し、上記水相と混合し、乳化する。
(1)1つめの製造方法としては、水にゲル化剤と必要により乳蛋白質、その他の成分を添加して、水相とする。必要により油脂を含む場合は油脂とその他の成分を添加した油相を用意し、上記水相と混合し、乳化する。
(2)2つめの製造方法としては、水に必要により乳蛋白質、その他の成分を添加し、これに乳酸菌を接種して適宜調温して乳酸醗酵を行う。さらにゲル化剤と必要によりその他の成分を添加して、水相とする。必要により油脂とその他の成分を添加した油相を用意し、上記水相と混合し、乳化する。
そして、上記(1)または(2)の操作後、必要に応じて加熱殺菌を行なう。該加熱殺菌の方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波等の直接加熱方式、又は、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の60〜160℃の加熱処理を行なえば良い。
次に、均質化機にて均質化する。均質化機としては、例えば、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等があげられる。この均質化処理は、2段式ホモゲナイザーを用いて、例えば、1段目3〜100MPa、2段目0〜5MPaの均質化圧力にて行なっても良い。
均質化後、必要に応じて冷却しても良い。冷却方法は、例えば、ボーテーター、コンビネーター、パーフェクター等の急冷可塑化機にて急冷可塑化処理を行う方法でも良く、チューブラー式、掻取式等の熱交換機によって冷却する方法でも良い。別の方法として、適当な容器に充填した後に、水浴、氷浴、冷蔵庫、冷凍庫等で冷却する方法も挙げられる。
本発明の焼菓子生地では、必要により、糖類・糖アルコール・甘味料、蛋白質、デキストリン、食物繊維、油脂、乳化剤、呈味成分、各種素材、洋酒、膨張剤、保存料、酸味料、着色料、フレーバー、酸化防止剤等を使用することができる
本発明の焼菓子生地では、必要により、糖類・糖アルコール・甘味料、蛋白質、デキストリン、食物繊維、油脂、乳化剤、呈味成分、各種素材、洋酒、膨張剤、保存料、酸味料、着色料、フレーバー、酸化防止剤等を使用することができる
上記糖類・糖アルコールとしては、特に制限されるものではないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、デキストリン等があげられる。また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等があげられる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記糖類・糖アルコール・甘味料の総含有量は、本発明の焼菓子生地中、好ましく0.1〜55質量%、さらに好ましくは1〜50質量%、最も好ましくは3〜45質量%である。
上記糖類・糖アルコール・甘味料の総含有量は、本発明の焼菓子生地中、好ましく0.1〜55質量%、さらに好ましくは1〜50質量%、最も好ましくは3〜45質量%である。
上記の蛋白質としては、具体的には蛋白質を含有する食品が挙げられ、例えば脱脂粉乳、全脂粉乳、生クリームパウダー、調整粉乳、小麦蛋白質パウダー、大豆蛋白質パウダー、ホエーパウダー、乾燥卵白粉末、乾燥卵黄粉末、ココアパウダー、チーズパウダー、ゼラチン、牛乳、純生クリーム、濃縮乳、練乳、チーズクリーム、ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)、コーヒー用クリーム、純植ホイップクリーム、加糖ホイップクリーム、全卵、卵黄、卵白、酵素処理卵があげられ、本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。蛋白質の含有量は、焼菓子生地中、好ましくは0.1〜30質量%、さらに好ましくは0.5〜25質量%、最も好ましくは1〜20質量%である。
上記のデキストリンとしては、シクロデキストリン、分岐シクロデキストリン、直鎖デキストリンがあげられ、本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。デキストリンの含有量は、焼菓子生地中、好ましくは0.1〜30質量%、さらに好ましくは1〜25質量%、最も好ましくは3〜20質量%である。
上記の食物繊維としては、具体的には食物繊維又は食物繊維を含有する食品が挙げられ、具体的にはセルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、CMC、ペクチン、寒天、カラギーナンの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。食物繊維の含有量は、焼菓子生地中、好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%、最も好ましくは0.1〜1質量%である。
上記の油脂としては、マーガリン、ショートニング、バター等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記の乳化剤としては、レシチン、酵素処理レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、本発明ではこれらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。乳化剤を使用する場合は、焼菓子中に好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%含有させる。
上記の呈味成分としては、ジャム、果肉、果汁、果汁パウダー、コーヒーパウダー、アーモンドペースト、ピーナッツペースト等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記の各種素材としては、アーモンド、ピーナッツ、クルミ、ゴマ、パフ、チョコチップ、チョコチャンク、チョコスプレー等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
また、本発明の焼菓子生地の油分は、好ましくは30〜50質量%、さらに好ましくは30〜40質量%である。焼菓子生地の油分が30質量%よりも少ないと焼菓子生地を焼成した後に得られた焼菓子は硬くなり、食感が悪くなりやすい。焼菓子生地の油分が50質量%よりも多いと、焼成した際に、油分離が起こりやすい。
本発明の焼菓子生地の水分は、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは4〜15質量%である。焼菓子生地中の水分が2質量%よりも少なかったり、20質量%よりも多いと、焼成中に焼菓子生地が流れやすい。
本発明の焼菓子生地の構成脂肪酸組成において、トランス酸の含有量が好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下であることが好ましい。
次に、本発明の焼菓子生地の製造方法について説明する。
まず、常法にしたがってロール掛け及びコンチング処理して得たチョコレート生地を加温溶解する。これに必要により糖類・甘味料、蛋白質、デキストリン、食物繊維、油脂、乳化剤、洋酒、各種素材、呈味成分、膨張剤、保存料、酸味料、着色料、フレーバー、酸化防止剤等を加え、均一に混合する。そして少なくともゲル化剤と水で構成される複合体を加え、均一に混合する。
その後、成型する。成型は、ワイヤーカット成型、モールド成型、棒状成型、デポジット成型、シート成型等のいずれでもよく、また、機械成型、手成型の別は問わない。
まず、常法にしたがってロール掛け及びコンチング処理して得たチョコレート生地を加温溶解する。これに必要により糖類・甘味料、蛋白質、デキストリン、食物繊維、油脂、乳化剤、洋酒、各種素材、呈味成分、膨張剤、保存料、酸味料、着色料、フレーバー、酸化防止剤等を加え、均一に混合する。そして少なくともゲル化剤と水で構成される複合体を加え、均一に混合する。
その後、成型する。成型は、ワイヤーカット成型、モールド成型、棒状成型、デポジット成型、シート成型等のいずれでもよく、また、機械成型、手成型の別は問わない。
そして、焼成する。焼成時間は、焼菓子生地の水分が逸散し、軽い食感になるまで行う。焼成温度は、一般的には180〜210℃程度の焼成時間が汎用されるが、焼成中のチョコレートのコゲ、風味劣化を抑制するため、150℃付近や120℃付近での焼成、又は100℃付近で乾燥焼きしてもよい。
また、本発明の焼菓子生地は、そのまま単独で焼成しても良いが、その他焼菓子類生地やパン類生地との組み合わせ焼成しても良い。
次に、本発明について、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
<ノーテンパー型油脂Aの製造>
パーム油(ヨウ素価53)と菜種油(ヨウ素価116)とを50:50(質量比)の割合で溶解・混合した混合油300g、市販のニッケル触媒(日産ガードラー触媒製、商品名「G−95E」、ニッケル含量22質量%)1.05g及びメチオニン60mgを750mlのオートクレーブ中に投入し、温度200℃、水素圧2kg、水素流量0.51/分、攪拌速度500rpmの条件で異性化水素添加を行ない、炭素数16以上のトランス脂肪酸含有量が40質量%である異性化水添油脂を得た。
パーム核油50質量部と、上記異性化水添油脂50質量部とを溶解・混合した後、冷却可塑化して、ノーテンパー型油脂Aを得た。
パーム油(ヨウ素価53)と菜種油(ヨウ素価116)とを50:50(質量比)の割合で溶解・混合した混合油300g、市販のニッケル触媒(日産ガードラー触媒製、商品名「G−95E」、ニッケル含量22質量%)1.05g及びメチオニン60mgを750mlのオートクレーブ中に投入し、温度200℃、水素圧2kg、水素流量0.51/分、攪拌速度500rpmの条件で異性化水素添加を行ない、炭素数16以上のトランス脂肪酸含有量が40質量%である異性化水添油脂を得た。
パーム核油50質量部と、上記異性化水添油脂50質量部とを溶解・混合した後、冷却可塑化して、ノーテンパー型油脂Aを得た。
<複合体の製造>
〔製造例1〕複合体Aの製造
塩化カルシウム0.2質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量12質量%)3質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)5.5質量部、ブドウ糖12質量部を水67質量部に溶解した。さらに乳酸0.1質量部、食塩0.5質量部、乳糖10質量部、低粘性アルギン酸ナトリウム(B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が、50mPa・s、且つ、10質量%水溶液の粘度が500mPa・s、ナトリウム含量9.7質量%)1.5質量部、低粘性アルギン酸(B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が、50mPa・s、且つ、10質量%水溶液の粘度が500mPa・s)0.2質量部を添加し、十分に撹拌して混合液を得た。
〔製造例1〕複合体Aの製造
塩化カルシウム0.2質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量12質量%)3質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)5.5質量部、ブドウ糖12質量部を水67質量部に溶解した。さらに乳酸0.1質量部、食塩0.5質量部、乳糖10質量部、低粘性アルギン酸ナトリウム(B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が、50mPa・s、且つ、10質量%水溶液の粘度が500mPa・s、ナトリウム含量9.7質量%)1.5質量部、低粘性アルギン酸(B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が、50mPa・s、且つ、10質量%水溶液の粘度が500mPa・s)0.2質量部を添加し、十分に撹拌して混合液を得た。
上記混合液を掻取式熱交換器にて90℃で1分間加熱殺菌し、掻取式熱交換器にて60℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリー製2段式ホモゲナイザーにて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、20℃まで24時間かけて冷却しゲル化させ、本発明で用いる複合体Aを得た。
〔製造例2〕複合体Bの製造
塩化カルシウム0.2質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量12質量%)3質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)5.5質量部を水67質量部に溶解した。さらに乳酸0.1質量部、食塩0.5質量部、乳糖10質量部を添加し、十分に撹拌して混合液を得た。
塩化カルシウム0.2質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量12質量%)3質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)5.5質量部を水67質量部に溶解した。さらに乳酸0.1質量部、食塩0.5質量部、乳糖10質量部を添加し、十分に撹拌して混合液を得た。
一方、パーム油12質量部に、アルギン酸ナトリウム0.5質量部、アルギン酸0.3質量部、低粘性アルギン酸ナトリウム(B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が、50mPa・s、且つ、10質量%水溶液の粘度が500mPa・s、ナトリウム含量9.7質量%)0.5質量部、低粘性アルギン酸(B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が、50mPa・s、且つ、10質量%水溶液の粘度が500mPa・s)0.4質量部を添加、分散し、油相を調製した。
上記混合液に、上記油相を添加、乳化し水中油型組成物とし、これを掻取式熱交換器にて90℃で1分間加熱殺菌し、掻取式熱交換器にて60℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリー製2段式ホモゲナイザーにて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、20℃まで24時間かけて冷却しゲル化させ、本発明で用いる複合体Bを得た。
〔製造例3〕複合体Cの製造
クリームチーズ10質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量12質量%)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)3質量部、ミルクプロテインコンセントレート(蛋白質含有量80質量%)1質量部及びクエン酸ナトリウム0.8質量部を、水53.1質量部に加え、これをプレート式熱交換器にて85℃で3分間加熱殺菌したものに、乳酸菌スターターを加えて28℃にて乳酸醗酵を行った。これにLMペクチン1質量部、グアーガム0.1質量部及びゼラチン0.5質量部を加え、さらにサラダ油25質量部及びばれいしょ由来の膨潤抑制糊化澱粉1. 5質量部を加え、よく撹拌した。これをプレート式熱交換器にて85℃で3分間加熱殺菌し、掻取式熱交換器にて60℃に冷却し、イズミフードマシナリー製2段式ホモゲナイザーにて1段目20MPa、2段目2MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封して静置し、5℃に冷却して、本発明で用いる水中油型乳化の複合体Cを得た。
クリームチーズ10質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量12質量%)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)3質量部、ミルクプロテインコンセントレート(蛋白質含有量80質量%)1質量部及びクエン酸ナトリウム0.8質量部を、水53.1質量部に加え、これをプレート式熱交換器にて85℃で3分間加熱殺菌したものに、乳酸菌スターターを加えて28℃にて乳酸醗酵を行った。これにLMペクチン1質量部、グアーガム0.1質量部及びゼラチン0.5質量部を加え、さらにサラダ油25質量部及びばれいしょ由来の膨潤抑制糊化澱粉1. 5質量部を加え、よく撹拌した。これをプレート式熱交換器にて85℃で3分間加熱殺菌し、掻取式熱交換器にて60℃に冷却し、イズミフードマシナリー製2段式ホモゲナイザーにて1段目20MPa、2段目2MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封して静置し、5℃に冷却して、本発明で用いる水中油型乳化の複合体Cを得た。
(実施例1)
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳20.3質量%、ココアパウダー12.6質量%、粉糖18.3質量%、乳糖12.5質量%、ココアバター1.9質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
上記のチョコレート生地をペースト状に溶解し、これにキサンタンガム0.2質量%、上記の複合体A9.7質量%を加え、均一に混合し、焼菓子生地を得た。
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳20.3質量%、ココアパウダー12.6質量%、粉糖18.3質量%、乳糖12.5質量%、ココアバター1.9質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
上記のチョコレート生地をペースト状に溶解し、これにキサンタンガム0.2質量%、上記の複合体A9.7質量%を加え、均一に混合し、焼菓子生地を得た。
得られた焼菓子生地の油分35質量%、水分7質量%、トランス酸2.4質量%であった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
(実施例2)
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳20.3質量%、ココアパウダー12.6質量%、粉糖18.3質量%、乳糖12.5質量%、ココアバター1.9質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳20.3質量%、ココアパウダー12.6質量%、粉糖18.3質量%、乳糖12.5質量%、ココアバター1.9質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
上記のチョコレート生地をペースト状に溶解し、これにキサンタンガム0.2質量%、上記の複合体B9.7質量%を加え、均一に混合し、焼菓子生地を得た。
得られた焼菓子生地の油分35質量%、水分7質量%、トランス酸2.4質量%であった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
得られた焼菓子生地の油分35質量%、水分7質量%、トランス酸2.4質量%であった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
(実施例3)
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳20.3質量%、ココアパウダー12.6質量%、粉糖18.3質量%、乳糖12.5質量%、ココアバター1.9質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳20.3質量%、ココアパウダー12.6質量%、粉糖18.3質量%、乳糖12.5質量%、ココアバター1.9質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
上記のチョコレート生地をペースト状に溶解し、これにキサンタンガム0.2質量%、上記の複合体C9.7質量%を加え、均一に混合し、焼菓子生地を得た。
得られた焼菓子生地の油分35質量%、水分7質量%、トランス酸2.4質量%であった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
(実施例4)
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳21.1質量%、ココアパウダー13.1質量%、粉糖19.1質量%、乳糖13.1質量%、ココアバター2質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳21.1質量%、ココアパウダー13.1質量%、粉糖19.1質量%、乳糖13.1質量%、ココアバター2質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
上記のチョコレート生地をペースト状に溶解し、これにキサンタンガム0.2質量%、上記の複合体A6質量%を加え、均一に混合し、焼菓子生地を得た。
得られた焼菓子生地の油分35質量%、水分4質量%、トランス酸2.5質量%であった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
(実施例5)
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳21.1質量%、ココアパウダー13.1質量%、粉糖19.1質量%、乳糖13.1質量%、ココアバター2質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳21.1質量%、ココアパウダー13.1質量%、粉糖19.1質量%、乳糖13.1質量%、ココアバター2質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
上記のチョコレート生地をペースト状に溶解し、これにキサンタンガム0.2質量%、上記の複合体B6質量%を加え、均一に混合し、焼菓子生地を得た。
得られた焼菓子生地の油分35質量%、水分4質量%、トランス酸2.5質量%であった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
(実施例6)
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳21.1質量%、ココアパウダー13.1質量%、粉糖19.1質量%、乳糖13.1質量%、ココアバター2質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
ノーテンパー型油脂A24.2質量%、全脂粉乳21.1質量%、ココアパウダー13.1質量%、粉糖19.1質量%、乳糖13.1質量%、ココアバター2質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
上記のチョコレート生地をペースト状に溶解し、これにキサンタンガム0.2質量%、上記の複合体C6質量%を加え、均一に混合し、焼菓子生地を得た。
得られた焼菓子生地の油分35質量%、水分4質量%、トランス酸2.5質量%であった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味濃厚であり、口どけがよい焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子の食感、風味、口どけは、製造直後と同様のものであった。
(比較例1)
ノーテンパー型油脂A25.4質量%、全脂粉乳21.3質量%、ココアパウダー13.2質量%、粉糖19.3質量%、乳糖13.2質量%、ココアバター2質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
ノーテンパー型油脂A25.4質量%、全脂粉乳21.3質量%、ココアパウダー13.2質量%、粉糖19.3質量%、乳糖13.2質量%、ココアバター2質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
上記のチョコレート生地をペースト状に溶解し、これにキサンタンガム0.2質量%、水5.1質量%を加え、均一に混合し、焼菓子生地を得た。
得られた焼菓子生地の油分34質量%、水分5質量%、トランス酸2.5質量%であった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味は濃厚であり、口どけ良好な焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子は製造直後よりもしっとり感がなく、口どけも悪く、ややぼそつく食感であった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで5分焼成した。製造直後の焼菓子はしっとりとした食感で、チョコレート風味は濃厚であり、口どけ良好な焼菓子であった。焼成60日後の焼菓子は製造直後よりもしっとり感がなく、口どけも悪く、ややぼそつく食感であった。
(比較例2)
ノーテンパー型油脂A26.8質量%、全脂粉乳22.5質量%、ココアパウダー13.9質量%、粉糖20.4質量%、乳糖13.9質量%、ココアバター2.2質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
ノーテンパー型油脂A26.8質量%、全脂粉乳22.5質量%、ココアパウダー13.9質量%、粉糖20.4質量%、乳糖13.9質量%、ココアバター2.2質量%、レシチン0.3質量%を用い、常法によりロール掛け、コンチング処理をしてチョコレート生地を得た。
上記のチョコレート生地84質量%をペースト状に溶解し、これに薄力粉8質量%、上記の複合体A8質量%を加え、均一に混合し、焼菓子生地を得た。
得られた焼菓子生地の油分32質量%、水分6質量%、トランス酸2.3質量%であった。
これをワイヤーカットにて成型後、成型物を天板に載せ、上火150℃、下火150℃のオーブンで6分焼成した。製造直後の焼菓子は実施例1と比較すると硬い食感で、チョコレート風味が劣り、口どけが悪く、粉っぽさが残る焼菓子であった。
Claims (4)
- チョコレート生地と、少なくともゲル化剤と水で構成される複合体を含有し、穀粉類を含有しないことを特徴とする焼菓子生地。
- 上記の複合体が、少なくともゲル化剤と水と乳蛋白質で構成される複合体である請求項1記載の焼菓子生地。
- チョコレート生地を溶解し、これに少なくともゲル化剤と水で構成される複合体を添加混合し、穀粉類を添加しないことを特徴とする焼菓子生地の製造方法。
- 請求項1または2に記載の焼菓子生地を焼成して得られる焼菓子。
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- 2008-03-28 JP JP2008085587A patent/JP2009232805A/ja active Pending
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