JP2013172668A - ケーキ生地の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】起泡した卵類含有生地に液状の水性成分を添加、混合して製造するケーキ生地の製造方法であって、液状の水性成分を添加する際に、起泡した卵類含有生地の消泡が起こりにくい、ケーキ生地の簡単な製造方法を提供すること。
【解決手段】起泡した卵類含有生地に液状の水性成分を添加、混合して製造するケーキ生地の製造方法であって、液状の水性成分を、少なくとも乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される複合体と混合した後、これを起泡した卵類含有生地に添加することを特徴とするケーキ生地の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、起泡した卵類含有生地に液状の水性成分を添加、混合して製造するケーキ生地の製造方法であって、液状の水性成分を添加する際に、起泡した卵類含有生地の消泡が起こりにくい、ケーキ生地の製造方法に関する。
スポンジケーキや蒸しケーキは古来愛されてきた食品であり、水分が多く、ソフトでしっとりした食感が特徴である。その基本的な生地配合は、卵類、穀粉類、糖類を等量混合するものであり(三同割り)、その基本的な製造方法は、卵類と糖類を混合し、この混合物を、卵類の起泡力によりホイップして得られた起泡物に、小麦粉等の穀粉類を、その泡を潰さないように添加しさっくりと混合することによって得られる。
ここで、近年はさらにソフト感やしとり感を向上させるために、水分含量のより高いケーキ生地を使用することが多くなってきている。
しかし、ケーキ生地の水分含量を高めるということは、気泡安定性を不安定化させることであるため、単純に卵類の配合量を増やしたり、水や牛乳などの液状の水性成分を添加するなどの方法で、上記起泡物の水分含量を高めると、小麦粉等の穀粉類を添加する際に泡構造が破壊され、内相が荒れたケーキや比重の重いケーキになってしまい、はなはだしい場合はシンを生じる結果となってしまう。
一方、ケーキ生地の製造時に、主にねちゃつきのない歯切れのよいケーキを得る目的で、小麦粉等の穀粉類を含む状態の起泡物に対し、液状の水性成分、たとえば、水、牛乳、濃縮乳、ホイップクリーム、生クリーム等を後添加する場合がある。
しかし、この場合は、生地粘度に比べ、添加する液状の水性成分の粘度が低すぎるため、均質な生地になりにくく、そのため焼成時や蒸成時に流動してしまい、得られるケーキも内相が不均質でシンのあるものになりやすいという欠点があった。
そのため、液状の水性成分を別途添加する方法であっても良好な内相のケーキを得る方法として、起泡したクリームを添加する方法(例えば特許文献1参照)や、特定のデンプン粒を含有する水中油型乳化物として添加する方法(例えば特許文献2参照)などの方法が提案されている。
しかし、特許文献1の方法では、生地状態は良好であるが、焼成又は蒸成時には流動性が増してしまい、得られるケーキも内相が不均質でシンのあるものになりやすいという欠点があり、特定のデンプン粒を含有する水中油型乳化物として添加する方法では、後添加の場合、粒径の大きなデンプン粒による気泡破壊がおこりやすく、また食感の変化が大きいという問題があった。
特開2001−286256号公報 特開2003−000137号公報
したがって、本発明の目的は、起泡した卵類含有生地に液状の水性成分を添加、混合して製造するケーキ生地の製造方法であって、液状の水性成分を添加する際に、起泡した卵類含有生地の消泡が起こりにくい、ケーキ生地の簡単な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく種々検討した結果、少なくとも乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される複合体を使用することで、上記問題を解決可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、起泡した卵類含有生地に液状の水性成分を添加、混合して製造するケーキ生地の製造方法であって、液状の水性成分を、少なくとも乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される複合体と混合した後、これを起泡した卵類含有生地に添加することを特徴とするケーキ生地の製造方法を提供するものである。
本発明のケーキ生地の製造方法によれば、ソフトでしとりがあり、体積が大きく内相が均質であるケーキを安定して得ることができる。
それでは、本発明のケーキ生地の製造方法で使用する、少なくとも乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される複合体(以下、複合体という)の構成成分について述べる。
上記複合体を構成する乳蛋白質としては、特に制限されるものではないが、例えば、ホエイ蛋白質、カゼイン蛋白質の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では乳蛋白質として、ホエイ蛋白質のみ、カゼイン蛋白質のみ、カゼイン蛋白質とホエイ蛋白質との併用のいずれでもよいが、ホエイ蛋白質とカゼイン蛋白質を併用するのが好ましい。
上記乳蛋白質の含有量は、上記複合体中、好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜4質量%、最も好ましくは0.5〜3質量%である。複合体中の乳蛋白質の含有量が0.5質量%より少なかったり、5質量%より多いと本発明の効果が得られにくいことに加え、得られるケーキの食感がソフトなものにならないおそれがある。
上記カゼイン蛋白質としては、αs1−カゼイン、αs2−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼインの各単体や、これらの混合物、若しくはこれらを含有する食品素材であるアルカリカゼイン(カゼイネート)、酸カゼイン等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記ホエイ蛋白質としては、ラクトアルブミン、βラクトグロブリン、血清アルブミン、免疫グロブリン、プロテオースペプトンの各単体や、これらの混合物、若しくはこれらを含有する食品素材として、乳清蛋白質、ホエイ、ホエイパウダー、脱乳糖ホエイ、脱乳糖ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物(WPC及び/又はWPI)等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記カゼイン蛋白質及び上記ホエイ蛋白質の両方を含有する食品素材として、例えば、生乳、牛乳、加糖練乳、加糖脱脂れん乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、脱脂乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、バターミルク、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン(TMP)、脱脂粉乳、全粉乳、ミルクプロテインコンセントレート(MPC)、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト、乳酸菌飲料、サワークリ―ム、醗酵乳等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
特に、本発明では、上記乳蛋白質として、上記カゼイン蛋白質および上記ホエイ蛋白質の両方を含有する食品素材であって、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、一層好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である食品素材(以下食品素材Aという)を用いるのが好ましい。
また、上記食品素材Aは、乳由来のリン脂質を含有する乳原料である牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、人乳等の乳から製造されたものであるのが好ましく、特に牛乳から製造されたものであるのが好ましい。
上記の食品素材Aとしては、クリームからバターを製造する際に生じる水相成分(バターミルク)や、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分があげられる。
上記のクリームからバターを製造する際に生じる水相成分は、その製法の違いにより組成が大きく異なるが、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、通常0.5〜1.5質量%程度である。一方、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、大凡2〜15質量%であり、多量のリン脂質を含有している。
すなわち本発明では、上記食品素材Aとして、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分を使用することが好ましい。
上記のクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95質量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離機での処理工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
上記のバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、バターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離機での分離工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
本発明では、上記乳蛋白質として、上記のクリームからバターを製造する際に生じる水相成分(バターミルク)や、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分を、さらに濃縮したもの、乾燥したもの、冷凍処理をしたもの等を用いることも可能である。但し、乳由来のリン脂質は、高温加熱するとその機能が低下するため、加熱する際の温度は、100℃未満であることが好ましい。さらに、溶剤を用いて濃縮したものは風味上の問題から用いないことが好ましい。
また、本発明では、上記食品素材A中のリン脂質の一部または全部がリゾ化されたリゾ化物を使用することもできる。該リゾ化物は、食品素材Aをそのままリゾ化したものであってもよく、また食品素材Aを濃縮した後にリゾ化したものであってもよい。また、得られたリゾ化物に、さらに濃縮あるいは噴霧乾燥処理等を施してもよい。
上記食品素材A中のリン脂質をリゾ化するには、上記食品素材AをホスホリパーゼAで処理すればよい。ホスホリパーゼAは、リン脂質分子のグリセロール部分と脂肪酸残基とを結びつけている結合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基で置換する作用を有する酵素である。ホスホリパーゼAは、作用する部位の違いによってホスホリパーゼA1とホスホリパーゼA2とに分かれるが、ホスホリパーゼA2が好ましい。ホスホリパーゼA2の場合、リン脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択的に切り離される。
上記食品素材Aにおける乳由来の固形分中のリン脂質の定量方法は、例えば以下のような方法にて測定することができる。但し、抽出方法等については食品素材Aの形態等によって適正な方法が異なるためこの定量方法に限定されるものではない。
まず、食品素材の脂質を、Folch法を用いて抽出する。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から以下の計算式を用いて食品素材の乳固形分100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(食品素材−食品素材の水分(g))〕×25.4×(0.1/1000)
また、上記食品素材Aは、乳酸菌を接種して乳酸発酵物としてもよく、必要により水や乳糖等の資化性糖を添加してから乳酸菌を接種して乳酸発酵物としてもよい。この場合、乳酸菌を接種して乳酸発酵物とした食品素材Aを、殺菌して複合体に配合してもよいし、殺菌せずに複合体に配合してもよい。
次に、上記複合体の構成成分であるゲル化剤について述べる。
上記ゲル化剤としては、アルギン酸、アルギン酸塩(アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム)、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、ゼラチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天の中から選ばれた1種又は2種以上を用いるのが好ましいが、中でも、複合体の形成能が高いことやケーキの食感が良好となる点で、アルギン酸および/又はアルギン酸塩を使用することが好ましい。
なお、本発明においては、アルギン酸および/又はアルギン酸塩を使用する場合、低粘性のアルギン酸および/又はアルギン酸塩をその一部に使用すると、均質化せずとも、生成するゲルのほぐれ性が向上するため、液状の水性成分との混合性(短時間で均質に分散すること)が向上した複合体を得ることができる点で好ましい。なお、アルギン酸および/又はアルギン酸塩に占める低粘性のアルギン酸および/又はアルギン酸塩の割合は、好ましくは20〜80質量%である。
ここで、低粘性のアルギン酸および/又はアルギン酸塩とは、B型粘度計で、pH7、25℃及び30rpmの条件下で測定したとき、10質量%水溶液の粘度が、好ましくは1〜700mPa・s、さらに好ましくは1〜100mPa・s、最も好ましくは1〜60mPa・sのものである。
また上記と同じ条件下で粘度を測定したとき、1質量%水溶液の粘度が、好ましくは1mPa・s以上10mPa・s未満、さらに好ましくは1mPa・s以上8mPa・s以下、最も好ましくは1mPa・s以上7mPa・s以下のものである。
上記低粘性アルギン酸としては、高粘性アルギン酸より分子量の少ないアルギン酸や、構成糖類においてグルロン酸よりマンニュロン酸の比率が高いアルギン酸があげられ、上記低粘性アルギン酸塩としては、低粘性アルギン酸の塩であって、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、さらには鉄、スズ等の金属塩などが可能であるが、食品に用いることから食品添加物である塩を選んで使用し、好ましくは、水への溶解度が高いこと、下に記すナトリウムの給源としても使用可能な点から、ナトリウム塩が好ましい。
なお、一般的なアルギン酸および/又はアルギン酸塩は、1質量%水溶液の粘度が、10mPa・sを超えるものである。
上記の複合体中の上記ゲル化剤の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.02〜5質量%、最も好ましくは0.05〜3質量%である。複合体中のゲル化剤の含有量が0.01質量%より少なかったり、5質量%よりも多いと、本発明の効果が得られにくい。
なお、上記複合体中の水の含有量は、好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは35〜85質量%、最も好ましくは35〜80質量%である。複合体中の水の含有量が30質量%より少ないと、複合体中の水相中のゲル化剤濃度が高くなり、複合体が起泡した卵類含有生地へ均一に分散しにくい。また90質量%よりも多いと、ケーキの内相が悪くなりやすい。なお、ここでいう水とは、水道水や天然水等の水の他、牛乳、液糖等の水分も含めたものである。
本発明で用いる複合体には、糖類・甘味料、金属イオン封鎖剤、セルロースやセルロース誘導体、澱粉類、穀類、油脂、乳化剤、無機塩、有機酸塩、キモシン等の蛋白質分解酵素、トランスグルタミナーゼ、ラクターゼ(βガラクトシダーゼ)、αアミラーゼ、βアミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ等の澱粉分解酵素、プルラナーゼ、ペントサナーゼ、ペクチナーゼ、インベルターゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、カタラーゼ、リポキシゲナーゼ、リポキシナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、スルフィドリルオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、パーオキシダーゼ、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、食塩、岩塩、海塩、果汁、濃縮果汁、果汁パウダー、乾燥果実、果肉、野菜、野菜汁、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、直鎖デキストリン・分枝デキストン・環状デキストン等のデキストリン類、乳製品、卵製品、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材全般、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、臭素酸カリウム、過硫酸アンモニウム、ヨウ素酸カリウム等の酸化剤、システイン、グルタチオン等の還元剤、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、グリシン、しらこ蛋白抽出物、ポリリジン、エタノール等の保存料、着香料、苦味料、調味料等の呈味成分、着色料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤等を配合してもよい。
上記糖類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、デキストリン等があげられる。また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等があげられる。本発明で用いる複合体ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記糖類や上記甘味料の含有量は、上記複合体中、糖類や甘味料の総量で好ましくは30質量%以下とする。
上記金属イオン封鎖剤は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等を封鎖するものであり、その具体例としては、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ウルトラポリリン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム等の各種リン酸塩、並びにクエン酸、酒石酸等の有機酸塩類、及び炭酸塩等の無機塩類があげられる。本発明で用いる複合体ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記金属イオン封鎖剤の含有量は、上記複合体中、好ましくは1質量%以下とする。
上記セルロースやセルロース誘導体としては、微小繊維状セルロース、結晶セルロース、粉末セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースがあげられ、上記澱粉類としては、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、モチ米澱粉等の澱粉や、澱粉をアミラーゼ等の酵素で処理したもの、アセチル化アジピン酸架橋澱粉・アセチル化リン酸架橋澱粉・アセチル化酸化澱粉・オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム・ヒドロキシプロピル澱粉・ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉・リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉・リン酸化澱粉・酸化澱粉・酢酸澱粉等、澱粉に対し酸処理やアルカリ処理・エステル化・アセチル化・リン酸架橋化・加熱・湿熱等の化学的・物理的処理を行った化工澱粉、更にこれら化工澱粉を水に溶け易い様にあらかじめ加熱処理により糊化させた澱粉があげられる。本発明で用いる複合体ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記のセルロースやセルロース誘導体及び澱粉類の含有量は、上記複合体中、セルロースやセルロース誘導体及び澱粉類の総量で好ましくは5質量%以下とする。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオ脂、サル脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油等の各種の植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択された一又は二以上の処理を施した加工油脂や、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等があげられる。本発明では、これらの油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記油脂の含有量は、上記複合体中、好ましくは0〜70質量%、さらに好ましくは0〜65質量%、最も好ましくは0〜60質量%である。
また、油脂を含む場合、その乳化形態は、水中油型乳化物、油中水型乳化物、二重乳化物として用いることもできるが、本発明では、水相が外相となる乳化状態である、水中油型乳化物や二重乳化物とするのが好ましい。
上記乳化剤としては、レシチン、酵素処理レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
上記乳化剤の含有量は、上記複合体中好ましくは0〜5質量%、さらに好ましくは0〜2質量%、最も好ましくは0〜0.1質量%であるが、上記乳化剤は用いないことが好ましい。
次に本発明で用いる好ましい複合体の製造方法について説明する。
(1)1つめの製造方法としては、水に乳蛋白質、ゲル化剤と必要によりその他の成分を添加して、水相とする。油脂を含む場合は油脂と、必要によりその他の成分を添加した油相を用意し、上記水相と混合し、乳化する。
(2)2つめの製造方法としては、水に乳蛋白質を加え、必要によりその他の成分を添加し、これに乳酸菌を接種して適宜調温して乳酸醗酵を行う。さらにゲル化剤と必要によりその他の成分を添加して、水相とする。油脂と必要によりその他の成分を添加した油相を用意し、上記水相と混合し、乳化する。
(3)3つめの製造方法としては、水に乳蛋白質を加え、必要によりその他の成分を添加し、これに乳酸菌を接種して適宜調温して乳酸発酵を行う。さらに乳蛋白質とゲル化剤と必要によりその他の成分を添加して、水相とする。油脂と必要によりその他の成分を添加した油相を用意し、上記水相と混合し、乳化する。
そして、上記(1)〜(3)の操作後、必要に応じて加熱殺菌を行なう。該加熱殺菌の方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波等の直接加熱方式、又は、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の60〜160℃の加熱処理を行なえば良い。
次に、均質化機にて均質化する。均質化機としては、例えば、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等があげられる。この均質化処理は、2段式ホモゲナイザーを用いて、例えば、1段目3〜100MPa、2段目0〜5MPaの均質化圧力にて行なっても良い。
均質化後、必要に応じて冷却しても良い。冷却方法は、例えば、ボーテーター、コンビネーター、パーフェクター等の急冷可塑化機にて急冷可塑化処理を行う方法でも良く、チューブラー式、掻取式等の熱交換機によって冷却する方法でも良い。別の方法として、適当な容器に充填した後に、水浴、氷浴、冷蔵庫、冷凍庫等で冷却する方法も挙げられる。
また、得られた複合体は、流動性を高める目的でさらに必要に応じて再び均質化してもよい。
以下、本発明のケーキ生地の製造方法について詳述する。
本発明のケーキ生地の製造方法は、起泡した卵類含有生地に液状の水性成分を添加する際に、液状の水性成分を上記複合体と混合した後、起泡した卵類含有生地に添加するものである。
なお、本発明のケーキ生地の製造方法では、液状の水性成分を添加する際に使用する上記複合体以外は、一般のケーキ原料を使用することができ、また、液状の水性成分と上記複合体を混合して添加する以外は、一般的なケーキの製造方法と同様にして製造することができる。
すなわち、本発明のケーキ生地の製造方法で使用することのできるケーキ原料としては、穀粉類、糖類、甘味料、油脂類、卵類、牛乳、水、食塩、澱粉類、乳化剤、調味料、香辛料、着香料、着色料、ココア、チョコレート、ナッツ類、ヨーグルト、チーズ、抹茶、紅茶、コーヒー、豆腐、黄な粉、豆類、野菜類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、果物、ハーブ、肉類、魚介類、保存料、日持ち向上剤等を適宜用いることができる。
なお、上記穀粉類としては、小麦粉、薄力粉、中力粉、強力粉、小麦胚芽、全粒粉、小麦ふすま、デュラム粉、大麦粉、米粉、ライ麦粉、ライ麦全粒粉、大豆粉、ハトムギ粉等をあげることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いるのがよい。
また、上記糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、デキストリン等を用いることができる。
上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等を用いることができる。
上記油脂類としては、マーガリン、ショートニング、バター、粉末油脂、液状油等を用いることができる。
上記卵類としては、全卵、生卵黄、殺菌全卵、殺菌卵黄、加塩全卵、加塩卵黄、加糖全卵、加糖卵黄、生卵白、殺菌卵白等を用いることができる。
ここで、上記、起泡した卵類含有生地とは、少なくとも上記卵類を含むケーキ原料を起泡させたものである。
起泡した卵類含有生地を得るためには、まず卵類を含むケーキ原料を起泡させる。起泡は卵類の起泡力によるものであるが、製菓用起泡剤や起泡性乳化脂などを併用してもよい。また、油脂類をこの段階で添加することも可能ではあるが、なるべくこの段階では含有させないことが好ましい。
起泡方法としては、卵白別立て法(卵白と砂糖でメレンゲを作成し、卵黄及び/又は全卵と混合する方法)や、共立て法(卵白と卵黄を分離せずに起泡する方法)のどちらでもよい。好ましくは比重0.15〜0.80、より好ましくは0.25〜0.50となるまで起泡する。
一方、液状の水性成分、たとえば、水、果汁、濃縮果汁、天然のクリーム類及び牛乳等のほかに、動植物性油脂などを使用したクリーム類、濃縮乳、練乳、濃縮牛乳状組成物、各種液糖等のうちの1種または2種以上と、あらかじめ製造しておいた上記複合体とを混合する。
液状の水性成分と上記複合体の混合方法は特に限定されず、両者を一度に混合してもいいが、複合体に液状の水性成分を数回に分けて添加・混合する方法であることが、上記液状の水性成分と上記複合体の混合物の安定性が良好である点で好ましい。
ここで、液状の水性成分と上記複合体の混合比は好ましくは70:30〜5:95、より好ましくは45:55〜10:90である。
次いで、上記起泡された卵類含有生地に、上記液状の水性成分と上記複合体の混合物を添加し、混合するものである。なお、この混合物の添加時期は、穀粉類を添加、混合する前であっても後であってもよいが、消泡作用の抑制効果がより高い点で、穀粉類を添加、混合後の生地に添加、混合することが好ましい。
また、上記卵類含有生地に対する、上記液状の水性成分と上記複合体の混合物の添加量は、一般的なケーキ生地における液状の水性成分の添加量であればよく、具体的には、ケーキ生地で用いる穀粉類100質量部に対して、好ましくは20〜200質量部、より好ましくは30〜120質量部、さらに好ましくは40〜100質量部となる量である。
なお、本発明のケーキ生地は、上記ケーキの製造方法によって得られたものであり、水分含量が高いケーキ生地であっても脱泡が抑制されており、安定したケーキの製造が可能であるという特徴を有するものである。
また、本発明のケーキは、上記ケーキ生地を焼成又は蒸成することにより得られたものであり、ソフトでしとりがあり、体積が大きく内相が均質であるという特徴を有するものである。
次に、本発明で用いる複合体の製造例、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
<複合体の製造>
〔製造例1〕複合体Aの製造
塩化カルシウム0.2質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量12質量%)3質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)5.5質量部、ブドウ糖12質量部を水67質量部に溶解した。さらに乳酸0.1質量部、食塩0.5質量部、乳糖10質量部、低粘性アルギン酸ナトリウム(B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が、50mPa・s、且つ、10質量%水溶液の粘度が500mPa・s、ナトリウム含量9.7質量%)1.5質量部、低粘性アルギン酸(B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が、50mPa・s、且つ、10質量%水溶液の粘度が500mPa・s)0.2質量部を添加し、十分に撹拌して混合液を得た。
上記混合液を掻取式熱交換器にて90℃で1分間加熱殺菌し、掻取式熱交換器にて60℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリー製2段式ホモゲナイザーにて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、20℃まで24時間かけて冷却しゲル化させ、本発明で用いる「乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される複合体A」を得た。
〔製造例2〕複合体Bの製造
塩化カルシウム0.2質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量12質量%)3質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)5.5質量部を水67質量部に溶解した。さらに乳酸0.1質量部、食塩0.5質量部、乳糖10質量部を添加し、十分に撹拌して混合液を得た。
一方、パーム油12質量部に、アルギン酸ナトリウム0.5質量部、アルギン酸0.3質量部、低粘性アルギン酸ナトリウム(B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が、50mPa・s、且つ、10質量%水溶液の粘度が500mPa・s、ナトリウム含量9.7質量%)0.5質量部、低粘性アルギン酸(B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が、50mPa・s、且つ、10質量%水溶液の粘度が500mPa・s)0.4質量部を添加、分散し、油相を調製した。
上記混合液に、上記油相を添加、乳化し水中油型組成物とし、これを掻取式熱交換器にて90℃で1分間加熱殺菌し、掻取式熱交換器にて60℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリー製2段式ホモゲナイザーにて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、20℃まで24時間かけて冷却しゲル化させ、本発明で用いる「乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される水中油型乳化物である複合体B」を得た。
〔製造例3〕複合体Cの製造
クリームチーズ10質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量12質量%)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)3質量部、ミルクプロテインコンセントレート(蛋白質含有量80質量%)1質量部及びクエン酸ナトリウム0.8質量部を、水53.1質量部に加え、これをプレート式熱交換器にて85℃で3分間加熱殺菌したものに、乳酸菌スターターを加えて28℃にて乳酸醗酵を行った。これにLMペクチン1質量部、グアーガム0.1質量部及びゼラチン0.5質量部を加え、さらにサラダ油25質量部及びばれいしょ由来の膨潤抑制糊化澱粉1. 5質量部を加え、よく撹拌した。これをプレート式熱交換器にて85℃で3分間加熱殺菌し、掻取式熱交換器にて60℃に冷却し、イズミフードマシナリー製2段式ホモゲナイザーにて1段目20MPa、2段目2MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封して静置し、5℃に冷却して、本発明で用いる「乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される、水中油型乳化物である複合体C」を得た。
〔製造例4〕複合体Dの製造
アルギン酸類として、高粘性アルギン酸ナトリウム(B型粘度計でpH7、25℃及び30rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が、150mPa・s)1.5質量部のみを使用し、水を69.2質量部とした以外は、製造例2と同様の配合、製法で、本発明で用いる「乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される、水中油型乳化物である複合体D」を得た。
〔製造例5〕複合体Eの製造
製造例4で得られたゲルを、ホモジナイザーを用いて、高速2分間均質化し、流動状の物性である、本発明で用いる「乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される、水中油型乳化物である複合体E」を得た。
<スポンジケーキ生地、及び、スポンジケーキの製造>
上記複合体A〜Eを用い、下に記したスポンジケーキの配合・製法により実施例1〜6、比較例1〜2のスポンジケーキ生地、及び、スポンジケーキを製造した。
〔実施例1〕
全卵(正味)130質量部、上白糖120質量部、ケーキ用起泡性水中油型乳化脂10質量部をミキサーボウルに投入し、これをたて型ミキサーにセットし、ワイヤーホイッパーを使用して、低速10秒混合後、高速3分ホイップし、比重が0.35の起泡した卵類含有生地を得た。
一方、低油分ホイップクリーム(油分含量25%)40質量部と上記複合体A60質量部をミキサーボウルに投入し、これをたて型ミキサーにセットし、ワイヤーホイッパーを使用して、低速30秒混合し、複合体と液状の水性成分との混合物を得た。
ここで、上記起泡した卵類含有生地260質量部に対し、小麦粉100質量部を添加し、低速30秒混合した後、上記混合物を65質量部添加し、さらに低速30秒混合、中速10秒混合し、スポンジケーキ生地を得た。
7号のスポンジケーキ型に底紙と側紙をあて、ここに得られたスポンジケーキ生地450gを流しいれ、固定オーブンを使用し、180℃で30分焼成し、スポンジケーキを得た。
〔実施例2〕
上記複合体Aと食用油脂の混合物の添加時期を、穀粉類の添加、混合前とした以外は実施例1と同様の配合・製法で、実施例2のスポンジケーキ生地、および、スポンジケーキを得た。
〔実施例3〕
上記複合体Aに代えて上記複合体Bを使用した以外は実施例1と同様の配合・製法で、実施例3のスポンジケーキ生地、および、スポンジケーキを得た。
〔実施例4〕
上記複合体Aに代えて上記複合体Cを使用した以外は実施例1と同様の配合・製法で、実施例4のスポンジケーキ生地、および、スポンジケーキを得た。
〔実施例5〕
上記複合体Aに代えて上記複合体Dを使用した以外は実施例1と同様の配合・製法で、実施例5のスポンジケーキ生地、および、スポンジケーキを得た。
〔実施例6〕
上記複合体Aに代えて上記複合体Eを使用した以外は実施例1と同様の配合・製法で、実施例6のスポンジケーキ生地、および、スポンジケーキを得た。
〔比較例1〕
上記複合体Aを使用しない以外は実施例1と同様の配合・製法で、比較例1のスポンジケーキ生地、および、スポンジケーキを得た。
〔比較例2〕
上記複合体Aを、液状の水性成分と混合するのではなく、起泡した卵類生地と直接混合した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、比較例2のスポンジケーキ生地、および、スポンジケーキを得た。
上記実施例1〜6及び比較例1〜2で得られたスポンジケーキは常温で1日保存した後、体積、内相及び食感について、下記の評価基準に従って評価し、結果を表1に記載した。
<体積評価基準>
○:焼き落ちがなく良好である。
△:やや焼き落ちし、不良である。
×:焼き落ちし、不良である。
<内相の評価試験>
◎:極めて良好な内相であった。
○:良好な内相であった。
△:やや目がつまり不良な内相であった。
×:目がつまり、不良な内相であった。
××:シンがあり極めて不良な内相であった。
<食感の評価試験>
◎:ソフトでしとりがあり極めて良好な食感であった。
○:ソフトであり良好な食感であった。
△:ソフトであるがややしとりが足りないように感じられた。
×:ソフト性が不足しているように感じられた。
××:ソフト性もしとりも全く感じられず不良な食感であった。
Figure 2013172668
上記評価結果からわかるとおり、本発明の製造方法で得られた、実施例1〜6のスポンジケーキは、体積が大きく、内相も食感も良好なものであった。
それに対し、少なくとも乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される複合体を使用しなかった、比較例1のスポンジケーキは、食感は不良であり、焼き落ちのため体積が小さく、また、内相も目がつまりシンの発生が見られる不良なものであった。
さらに、少なくとも乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される複合体を直接、起泡した卵類生地と混合する方法によって得られた、比較例2のスポンジケーキは、食感は良好であるが、焼き落ちのため体積がやや小さく、内相もやや目がつまり不良であった。
<蒸ケーキ生地、及び、蒸ケーキの製造>
〔実施例7〕
上記複合体A〜Eを用い、下に記した蒸ケーキの配合・製法により実施例7〜12、比較例3〜4の蒸ケーキ生地、及び、蒸ケーキを製造した。
全卵(正味)150質量部、上白糖120質量部、ケーキ用起泡性水中油型乳化脂40質量部、転化糖液糖(固形分70質量%)20質量部、食塩0.5質量部、香料1質量部をミキサーボウルに投入し、これをたて型ミキサーにセットし、ワイヤーホイッパーを使用して、低速10秒混合後、高速で比重が0.55となるまでホイップした(約3分)。ここで、小麦粉(薄力粉)70質量部、化工澱粉(リン酸架橋糊化澱粉)30質量部、膨張剤2質量部、をあらかじめ混合し、ふるいをかけておいたものを添加し、低速1分混合し、卵類含有生地を得た。
一方、低油分ホイップクリーム(油分含量25%)40質量部と上記複合体A60質量部をミキサーボウルに投入し、これをたて型ミキサーにセットし、ワイヤーホイッパーを使用して、低速30秒混合し、複合体と液状の水性成分との混合物を得た。
ここで、上記起泡した卵類含有生地433.5質量部に対し、上記混合物を60質量部添加し、さらに低速30秒混合、中速10秒混合し、蒸ケーキ生地を得た。
紙ケースに上記蒸ケーキ生地125gを流しいれ、これを蒸し機(フジスチーマー)を用い、温度90℃、湿度100%にて15分蒸し、本発明の蒸ケーキを得た。
〔実施例8〕
上記複合体Aと液状の水性成分の混合物の添加時期を、穀粉類の添加、混合前とした以外は実施例7と同様の配合・製法で、実施例8の蒸ケーキ生地、および、蒸ケーキを得た。
〔実施例9〕
上記複合体Aに代えて上記複合体Bを使用した以外は実施例7と同様の配合・製法で、実施例9の蒸ケーキ生地、および、蒸ケーキを得た。
〔実施例10〕
上記複合体Aに代えて上記複合体Cを使用した以外は実施例7と同様の配合・製法で、実施例10の蒸ケーキ生地、および、蒸ケーキを得た。
〔実施例11〕
上記複合体Aに代えて上記複合体Dを使用した以外は実施例7と同様の配合・製法で、実施例11の蒸ケーキ生地、および、蒸ケーキを得た。
〔実施例12〕
上記複合体Aに代えて上記複合体Eを使用した以外は実施例7と同様の配合・製法で、実施例12の蒸ケーキ生地、および、蒸ケーキを得た。
〔比較例3〕
上記複合体Aを使用しない以外は実施例7と同様の配合・製法で、比較例3の蒸ケーキ生地、および、蒸ケーキを得た。
〔比較例4〕
上記複合体Aを、液状の水性成分と混合するのではなく、起泡した卵類生地と直接混合した以外は、実施例7と同様の配合・製法で、比較例4の蒸ケーキ生地、および、蒸ケーキを得た。
上記実施例7〜12及び比較例3〜4で得られた蒸ケーキは常温で1日保存した後、体積、内相及び食感について、下記の評価基準に従って評価し、結果を表2に記載した。
<体積評価基準>
○:良好である。
△:やや不良である。
×:不良である。
<内相の評価試験>
◎:極めて良好な内相であった。
○:良好な内相であった。
△:やや目がつまり不良な内相であった。
×:目がつまり、不良な内相であった。
××:シンがあり極めて不良な内相であった。
<食感の評価試験>
◎:ソフトでしとりがあり極めて良好な食感であった。
○:ソフトであり良好な食感であった。
△:ソフトであるがややしとりが足りないように感じられた。
×:ソフト性が不足しているように感じられた。
××:ソフト性もしとりも全く感じられず不良な食感であった。
Figure 2013172668
上記評価結果からわかるとおり、本発明の製造方法で得られた、実施例7〜12の蒸ケーキは体積が大きく、内相も食感も良好なものであった。
それに対し、少なくとも乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される複合体を使用しなかった、比較例3の蒸ケーキは、食感は不良であり、体積が小さく、また、内相も目がつまりシンの発生が見られる不良なものであった。
さらに、少なくとも乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される複合体を直接、起泡した卵類生地と混合する方法によって得られた、比較例4の蒸ケーキは、食感は良好であるが、体積がやや小さく不良であった。

Claims (4)

  1. 起泡した卵類含有生地に液状の水性成分を添加、混合して製造するケーキ生地の製造方法であって、液状の水性成分を、少なくとも乳蛋白質とゲル化剤と水とで構成される複合体と混合した後、これを起泡した卵類含有生地に添加することを特徴とするケーキ生地の製造方法。
  2. 上記複合体に使用するゲル化剤が、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩であることを特徴とする請求項1記載のケーキ生地の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のケーキ生地の製造方法により得られたケーキ生地。
  4. 請求項3記載のケーキ生地を焼成又は蒸成して得られたケーキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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