JP4397170B2 - 油中水型可塑性乳化油脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、極めて良好な口溶け、食感及び乳風味を有する油中水型可塑性乳化油脂組成物及びその製造方法に関し、該油中水型可塑性乳化油脂組成物は、特に製菓製パン用フィリングクリームに適したものである。
【0002】
【従来の技術】
牛乳から遠心分離により作られる生クリームは、風味が良好なだけでなく、既存のどのようなクリームよりも口溶けが優れている。このため、油中水型可塑性乳化油脂組成物、特に製菓製パン用フィリングクリームにおいては、風味及び口溶けを生クリームに近付けるべく、これまでに様々な試みがなされている。
【0003】
油中水型可塑性乳化油脂組成物の風味や口溶けを改良する方法としては、例えば、脱脂粉乳、ホエー蛋白質、カゼイン等の乳蛋白質、さらにそれらの金属塩や濃縮物を添加して、食感や風味を改良する方法が挙げられる(例えば特許文献1〜3を参照)。しかし、蛋白質は水に対する溶解性が一般的に低く、可塑性油脂組成物とした際にざらついた食感となったり、可塑性や乳化性が乏しかったり、蛋白質自体の苦味を感じたりするため、上記方法は、可塑性油脂組成物の食感や風味・口溶けの改良方法として十分であるとは言えなかった。このため、乳起源の蛋白質を改変し、乳蛋白質と有機酸モノグリセリドとの複合体を添加する方法(例えば特許文献4参照)や、脂肪酸と乳蛋白質との複合体を添加する方法(例えば特許文献5参照)が行なわれたが、これらの方法は、安定性に乏しく、さらに有機酸モノグリセリドや遊離脂肪酸の風味が残る等、風味や口溶けが悪いという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−291536号公報
【特許文献2】
特開平04−197132号公報
【特許文献3】
特開平11−243856号公報
【特許文献4】
特開平08−000170号公報
【特許文献5】
特開平09−003479号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、生クリームのような良好な風味と口溶けを有し、特に製菓製パン用フィリングクリームに適した油中水型可塑性乳化油脂組成物、及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水分含量が20〜60重量%であり、乳化剤を含有せず、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を水相に含み、該乳原料がクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分である、O/O型の乳化形態の油中水型可塑性乳化油脂組成物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記油中水型可塑性乳化油脂組成物を、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を水相に添加し、油相と該水相とから下記の(1)〜(4)のいずれかの方法で得る、油中水型可塑性乳化油脂組成物の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
(1)油相1(内油相)、水相及び油相2(外油相)を乳化し、O/W/O型乳化物を製造し、次いで、該O/W/O型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る方法。
(2)水相と油相とを乳化してO/W型乳化物を得、次いで、該O/W型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る方法。
(3)水相と油相とを乳化してW/O型乳化物を得、次いで、該W/O型乳化物を転相させてO/W型乳化物とし、次いで、該O/W型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る方法。
(4)水相と油相とを乳化してW/O型乳化物を得、次いで、該W/O型乳化物を転相させてO/W/O型乳化物とし、次いで、該O/W/O型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物について詳細に説明する。
【0008】
本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上、好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは4重量%以上、最も好ましくは5〜40重量%である乳原料を含むことを特徴とする。乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%未満である乳原料を用いると、生クリームのような良好な風味や口溶けが得られない。
上記の乳由来の固形分中のリン脂質とは、乳原料中の乳由来の固形分中に含まれる乳由来のリン脂質のことを指す。
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料は、その形態に特に制限はなく、例えば、液体状でも、粉末状でも、濃縮物でも構わない。但し、溶剤を用いて乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上となるように濃縮した乳原料は、風味上の問題から、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物においては、上記乳原料として用いないのが好ましい。
【0009】
乳原料中のリン脂質の定量方法としては、例えば下記の定量方法が挙げられる。但し、抽出方法等については、乳原料の形態等によって適正な方法が異なるため、下記の定量方法に制限されるものではない。
先ず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。図1にFolch法のフローを示す。次いで、抽出した脂質の溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1 食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から、以下の計算式を用いて、乳原料100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/乳原料採取量(g)〕×25.4×(0.1/1000)
【0010】
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料としては、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分を用いる。クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、通常のクリームからバターを製造する際に生じるいわゆるバターミルクとは組成が大きく異なり、リン脂質を多量に含有しているという特徴がある。バターミルクは、その製法の違いによって大きく異なるが、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、通常0.5〜1.5重量%程度であるのに対して、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、大凡2〜15重量%であり、多量のリン脂質を含有している。
【0012】
クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる上記水相成分の製造方法の一例を以下に説明する。
【0013】
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。
先ず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40重量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95重量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
【0014】
一方、バターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。
バターを溶解機で溶解し、熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物で用いられる上記水相成分は、遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
【0015】
本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物においては、得られた上記水相成分中の乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上であれば、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じた水相成分をそのまま用いてもよく、また、上記水相成分に噴霧乾燥、濃縮、冷凍等の処理を施したものを用いてもよい。
【0016】
また、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物では、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料中のリン脂質の一部又は全部がリゾ化されたものであると、乳化安定性を大幅に改善することができ、本発明の油中水型乳化油脂組成物中における上記乳原料の含有量が少なくても、良好な乳化安定性及び乳風味の発現性を得ることが可能となる。
【0017】
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料中のリン脂質をリゾ化するには、ホスホリパーゼAで処理すればよい。ホスホリパーゼAは、リン脂質分子のグリセロール部分と脂肪酸残基とを結びつけている結合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基で置き換える作用を有する酵素である。ホスホリパーゼAは作用する部位の違いによってホスホリパーゼA1とホスホリパーゼA2とに分かれるが、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物においてはホスホリパーゼA2が好ましい。ホスホリパーゼA2の場合、リン脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択的に切り離される。
【0018】
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料中における総リン脂質含有量に占めるリゾリン脂質含有量の割合は、乳化安定性の点から、30重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、70重量%以上が一層好ましい。リゾ化する際には、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料をそのままリゾ化してもよく、また、上記乳原料を濃縮した後にリゾ化してもよい。さらに、得られたリゾ化物に濃縮あるいは噴霧乾燥処理等を施してもよい。
【0019】
また、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料が実質的に加熱変性していないものであると、乳風味がさらに優れた本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得ることが可能となる。「実質的に加熱変性していない」とは、濃縮や殺菌等による加熱履歴が、加熱温度にして好ましくは80℃以下、さらに好ましくは70℃以下、最も好ましくは60℃以下のみであるものを指す。濃縮や殺菌時による加熱履歴が上記範囲超であると、風味成分の蒸散あるいは焦げ臭の発生等により、乳風味が劣り、また乳化安定性が劣ったものとなってしまう。ここで、実質的に加熱変性していない、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料としては、例えば、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる上記水相成分そのもの、あるいは、該水相成分の冷凍品、該水相成分を限外濾過したもの、該水相成分に上記温度条件内で噴霧乾燥、濃縮、冷凍等の処理を施したものが挙げられる。
【0020】
本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料を、固形分として、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%、最も好ましくは0.1〜4重量%含有する。
【0021】
また、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物で用いられる油脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。これらの油脂は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物では、これらの油脂の中でも、一般に広く油中水型乳化油脂組成物に使用されている油脂である、乳脂、大豆油、ナタネ油、パーム油、魚油、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂からなる群から選択される一種又は二種以上を用いるのが好ましい。
【0022】
本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物中における油脂の含有量は、特に制限されるものではないが、好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは25〜70重量%、最も好ましくは40〜80重量%である。
【0023】
また、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物の水の含有量は、20〜60重量%である。
【0024】
また、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物は、乳由来の固形分中の灰分が10重量%以上、好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上である別の乳原料をさらに含有することにより、より豊かなコクのある乳風味を有するものとなる。
上記の乳由来の固形分中の灰分とは、乳原料中の乳由来の固形分中に含まれる、乳由来の灰分のことを指す。尚、ナチュラルチーズやプロセスチーズ等、製造の過程で塩類を添加して製造されたものにあっては、添加した塩類が乳由来のものである場合には、該塩類を含めて、乳由来の灰分を10重量%以上含有するものであれば、使用することができる。
乳由来の固形分中の灰分が10重量%以上である上記乳原料は、その形態に特に制限はなく、液体状でも、粉末状でも、濃縮物でも構わない。
【0025】
乳由来の固形分中の灰分が10重量%以上である上記乳原料としては、例えば、蛋白質を含有するものとして、後述する「乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料以外の蛋白質」のうちの、蛋白質濃縮ホエイ、蛋白質濃縮ホエイパウダー等が挙げられ、また蛋白質でないものとして、乳清ミネラル等が挙げられる。蛋白質濃縮ホエイとは、ホエイから乳糖を除去したものであり、乳清ミネラルとは、ホエイから乳糖とホエイ蛋白質を除去したもので、いずれも、乳由来の固形分中の灰分の含有量が、大凡10〜90重量%であり、多量の灰分を含有している。該灰分には乳風味のコク味を呈する成分が濃縮されているため、灰分を多く含むこれらの乳原料を使用することにより、豊かなコク味のある乳風味を本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物に付与することができる。
【0026】
本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物における、乳由来の固形分中の灰分の含有量が10重量%以上である上記乳原料の含有量は、固形分として、好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.2〜5重量%、最も好ましくは0.3〜2.5重量%である。
【0027】
また、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物には、必要により、油相及び/又は水相に、澱粉類、繊維類、増粘多糖類等の安定剤、「乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料以外の蛋白質」、糖類、果実、果汁、ジャム、カカオ及びカカオ製品、ナッツペースト、香辛料、茶、酒類、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類、コーヒー及びコーヒー製品等の呈味成分、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味量、調味料、酵素、着香料、着色料、食品保存料、日持ち向上剤、酸化防止剤、pH調整剤等の食品素材や食品添加物を配合してもよい。
【0028】
また、乳化剤は使用しない。乳化剤としては、特に制限されないが、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。
【0030】
上記安定剤としては、リン酸塩、メタリン酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、有機酸塩類(クエン酸塩、酒石酸塩等)、無機塩類(炭酸塩等)、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉、化工澱粉、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0031】
上記安定剤の含有量は、本発明の水中油型乳化脂中、好ましくは0.05〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。
【0032】
上記の「乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料以外の蛋白質」としては、特に限定されないが、例えば、α−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、血清アルブミン等のホエイ蛋白質、カゼイン及びカゼインナトリウム、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン、プロラミン、グルテリン等の小麦蛋白質、その他の動物性及び植物性蛋白質等の蛋白質、並びにこれらの加水分解物が挙げられる。
【0033】
上記の「乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料以外の蛋白質」としては、該蛋白質を含有する食品素材を用いてもよい。
該蛋白質を含有する食品素材としては、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、バター、クリーム、チーズ、クリームチーズ、冷凍変成したクリームチーズ、濃縮ホエイ、蛋白質濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、豆乳、全卵、卵黄、卵白、加塩卵黄、加糖卵黄、各種卵加工品、酵素処理卵黄等の粉体以外の形状を持つ食品素材と、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、カゼインカルシウム、ホエープロテインコンセントレート、トータルミルクプロテイン、粉末全卵、粉末卵黄、粉末卵白、卵白分解物、小麦蛋白、大豆粉、濃縮大豆蛋白、エンドウ蛋白、トウモロコシ蛋白、血漿粉末等の粉体状の食品素材が挙げられる。
【0034】
これらの「乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料以外の蛋白質」は、目的に応じて一種ないし二種以上の蛋白質として、あるいは一種ないし二種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよい。
【0035】
上記の「乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料以外の蛋白質」の含有量は、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物中、好ましくは0〜5重量%、さらに好ましくは0〜2重量%である。
【0036】
上記糖類としては、特に限定されないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム等の糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0037】
上記糖類の含有量は、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物中、好ましくは0〜50重量%、さらに好ましくは0〜25重量%である。
【0038】
本発明の水中油型可塑性乳化油脂組成物は、卵黄由来成分を含まない方が、より乳風味を向上させることが可能な点で好ましい。
上記卵黄由来成分としては、卵黄レシチン、卵黄リゾレシチン等の卵黄由来の乳化剤、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質等の卵黄蛋白質、全卵、卵黄、加塩卵黄、加糖卵黄、酵素処理卵黄、粉末全卵、粉末卵等の卵黄由来の食品素材等が挙げられる。
【0039】
次に、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物の製造方法について以下に説明する。
【0040】
本発明における油中水型可塑性乳化油脂組成物における油中水型とは、連続した油相中に、水、あるいは水相を含有するコロイド粒子が分散している形態を指す。具体的な乳化形態としては、バター同様の乳化形態を有する点において、O/O型の乳化形態とする。
【0041】
本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物の製造方法では、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料そのものを、水相に添加してもよいし、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料に、必要により、乳脂肪、乳糖、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、バター、クリーム、チーズ、クリームチーズ、冷凍変成したクリームチーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、カゼインカルシウム、ホエープロテインコンセントレート及びトータルミルクプロテインの中から選ばれた1種又は2種以上を添加したものを、水相に添加してもよい。
【0045】
次に、O/O型の乳化形態の本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物の製造方法について説明する。
O/O型の乳化形態とは、O/W/O型の乳化形態の一種であり、外油相中に、1つの内油相をもったO/W乳化物が多数存在する状態を指す。O/O型の乳化形態の油中水型可塑性乳化油脂組成物を製造する方法としては、例えば以下の4つの方法が挙げられる。
【0046】
1つめの方法を以下に説明する。
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料とその他の成分とを混合した水相を用意する。一方、油脂にその他の成分を添加し混合した油相1(内油相)及び油脂にその他の成分を添加し混合した油相2(外油相)を用意する。
【0047】
そして、上記の油相1(内油相)、水相及び油相2(外油相)を乳化し、O/W/O型乳化物を製造する。次に、該O/W/O型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次いで、上記O/W/O型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る。冷却、可塑化、転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、1つめの方法のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
【0048】
2つめの方法を以下に説明する。
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料とその他の成分とを混合した水相を用意する。一方、油脂にその他の成分を添加し混合した油相を用意する。
【0049】
そして、上記水相と上記油相とを乳化してO/W型乳化物を得る。次に、O/W型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次いで、上記O/W型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る。冷却、可塑化、転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、2つめの方法のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
【0050】
3つめの方法を以下に説明する。
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料とその他の成分とを混合した水相を用意する。一方、油脂にその他の成分を添加し混合した油相を用意する。
【0051】
そして、上記水相と上記油相とを乳化してW/O型乳化物を得る。次に、該W/O型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次いで、上記W/O型乳化物を転相させてO/W型乳化物とする。転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
次いで、上記O/W型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る。冷却、可塑化、転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、3つめの方法のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
【0052】
4つめの方法を以下に説明する。
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料とその他の成分とを混合した水相を用意する。一方、油脂にその他の成分を添加し混合した油相を用意する。
【0053】
そして、上記水相と上記油相とを乳化してW/O型乳化物を得る。次に、該W/O型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次いで、上記W/O型乳化物を転相させてO/W/O型乳化物とする。転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
次いで、上記O/W/O型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る。冷却、可塑化、転相させる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、4つめの方法のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
【0054】
このようにして得られるO/O型の乳化形態の本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物において、油相1(内油相)と水相と油相2(外油相)の割合は、重量比率で、好ましくは15〜45:35〜65:5〜35、さらに好ましくは20〜40:40〜60:10〜30、最も好ましくは25〜35:45〜55:15〜25である。
【0055】
本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物の用途としては、練り込み用油脂組成物、ロールイン用油脂組成物、フィリング用油脂組成物、サンド用油脂組成物、トッピング用油脂組成物、スプレッド用油脂組成物、スプレー用油脂組成物、コーティング用油脂組成物、調理用油脂組成物、クリーム用油脂組成物等が挙げられ、食パン、菓子パン、デニッシュ、パイ、シュー、ドーナツ、ケーキ、クッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーン等のベーカリー製品等に用いることができるが、中でも製菓製パン用フィリングクリームに好適に使用できる。また、本発明の油中水型可塑性乳化油脂組成物の上記用途における使用量は、各用途により異なるものであり、特に制限されるものではない。
【0056】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例及び比較例により何等制限されるものではない。
下記実施例1〜5及び下記比較例1〜3においては、W/O型の可塑性乳化油脂組成物を作製し、下記実施例6〜12及び下記比較例4〜5においては、O/O型の可塑性乳化油脂組成物を作製し、下記実施例13〜14及び下記比較例6においては、O/W/O型の可塑性乳化油脂組成物を作製した。下記実施例1〜14のうち、実施例7〜10が本発明の実施例であり、実施例1〜6、11〜14は参考例である。
尚、下記の実施例及び比較例においては、無脂乳固形分の含有量がほぼ同一となるように、乳製品添加量を調整した。
【0057】
〔実施例1〕
パーム硬化油500kg、大豆油200kg、レシチン2kg、香料0.5kg及び色素0.5kgからなる油相と、脱脂粉乳4.6kg、砂糖98kg、食塩1kg、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の噴霧乾燥物(乳固形分96重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量6.2重量%)15kg及び水178.4kgからなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の可塑性乳化油脂組成物を製造した。
【0058】
〔実施例2〕
パーム硬化油500kg、大豆油200kg、レシチン2kg、香料0.5kg及び色素0.5kgからなる油相と、脱脂粉乳7.6kg、砂糖98kg、食塩1kg、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%)30kg及び水160.4kgからなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の可塑性乳化油脂組成物を製造した。
【0059】
〔実施例3〕
パーム硬化油500kg、大豆油200kg、レシチン2kg、香料0.5kg及び色素0.5kgからなる油相と、脱脂粉乳4.6kg、砂糖98kg、食塩1kg、バターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の噴霧乾燥物(乳固形分96重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量6.8重量%)15kg及び水178.4kgからなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の可塑性乳化油脂組成物を製造した。
【0060】
〔実施例4〕
パーム硬化油500kg、大豆油202kg、香料0.5kg及び色素0.5kgからなる油相と、脱脂粉乳7.6kg、砂糖98kg、食塩1kg、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%)30kg及び水160.4kgからなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の可塑性乳化油脂組成物を製造した。
【0061】
〔実施例5〕
パーム硬化油500kg、大豆油202kg、香料0.5kg及び色素0.5kgからなる油相と、砂糖98kg、食塩1.52kg、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%)50kg及び水148.0kgからなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の可塑性乳化油脂組成物を製造した。
【0062】
〔比較例1〕
パーム硬化油500kg、大豆油200kg、レシチン2kg、香料0.5kg及び色素0.5kgからなる油相と、脱脂粉乳19kg、砂糖98kg、食塩1kg及び水179kgからなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の可塑性乳化油脂組成物を製造した。
【0063】
〔比較例2〕
パーム硬化油500kg、大豆油200kg、グリセリン脂肪酸エステル2kg、香料0.5kg及び色素0.5kgからなる油相と、脱脂粉乳19kg、砂糖98kg、卵黄100kg、食塩1kg及び水79kgからなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の可塑性乳化油脂組成物を製造した。
【0064】
〔比較例3〕
パーム硬化油500kg、大豆油202kg、香料0.5kg及び色素0.5kgからなる油相と、脱脂粉乳19kg、砂糖98kg、食塩1kg、バターミルクパウダー20kg及び水159kgからなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の可塑性乳化油脂組成物を製造した。
【0065】
上記実施例1〜5及び上記比較例1〜3でそれぞれ得られたW/O型の可塑性乳化油脂組成物を試食し、風味評価を行って比較した。実施例1〜5でそれぞれ得られたW/O型の可塑性乳化油脂組成物は、良好な口溶け及び食感を示し、乳の風味、呈味、コク味及び後味も、比較例1〜3でそれぞれ得られたW/O型の可塑性乳化油脂組成物よりも強く且つはっきりと出た。尚、比較例2で得られたW/O型の可塑性乳化油脂組成物については、卵黄による、乳風味と明らかに異なる後味が残った。
【0066】
〔実施例6〕
パーム硬化油270kg、大豆油180kg、レシチン2.4kg、グリセリン脂肪酸エステル4kg及び色素0.2kgからなる油相と、水155kg、液糖(水分25重量%含有)354.9kg、香料3.5kg及びクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%)30kgからなる水相とを、45〜55℃で乳化し、O/W型乳化物を得た。このO/W型乳化物をパーフェクターで急冷可塑化し、転相させることにより、内油相:水相:外油相の重量比率が15:55:30のO/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0067】
〔比較例4〕
パーム硬化油270kg、大豆油180kg、レシチン2.4kg、グリセリン脂肪酸エステル4kg及び色素0.2kgからなる油相と、脱脂粉乳11.4kg、水173.6kg、液糖(水分25重量%含有)354.9kg及び香料3.5kgからなる水相とを、45〜55℃で乳化し、O/W型乳化物を得た。このO/W型乳化物をパーフェクターで急冷可塑化し、転相させることにより、内油相:水相:外油相の重量比率が15:55:30のO/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0068】
実施例6及び比較例4でそれぞれ得られたO/O型の可塑性乳化油脂組成物試食し、風味評価を行って比較した。実施例6で得られたO/O型の可塑性乳化油脂組成物は、良好な口溶け及び食感を示し、乳の風味、呈味、コク味及び後味が強く且つはっきりと出た。これに対し、比較例4で得られたO/O型の可塑性乳化油脂組成物は、口溶けが若干悪く、乳風味も殆ど感じられず、コク味もなく、後味に若干のエグ味が残った。
【0069】
〔実施例7〕
パーム硬化油180kg及び大豆白絞油126.4kgからなる油相1と、水168.03kg、液糖(水分25重量%含有)341.57kg、香料3.5kg及びクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%)30kgからなる水相とを、45〜55℃で乳化し、O/W型乳化物を得た。さらに、パーム硬化油90kg、大豆白絞油60.3kg及び色素0.2kgからなる油相2を上記O/W型乳化物に加え、O/W/O型乳化物を得た。このO/W/O型乳化物をコンビネーターで急冷可塑化し、転相させることにより、内油相:水相:外油相の重量比率が25:55:20のO/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0070】
〔実施例8〕
パーム硬化油180kg及び大豆白絞油126.4kgからなる油相1と、水177.33kg、脱脂粉乳5.7kg、液糖(水分25重量%含有)341.57kg、香料3.5kg及びクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物のリゾ化物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%、リン脂質のリゾ化率69%)15kgからなる水相とを、45〜55℃で乳化し、O/W型乳化物を得た。さらに、パーム硬化油90kg、大豆白絞油60.3kg及び色素0.2kgからなる油相2を上記O/W型乳化物に加え、O/W/O型乳化物を得た。このO/W/O型乳化物をコンビネーターで急冷可塑化し、転相させることにより、内油相:水相:外油相の重量比率が25:55:20のO/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0071】
尚、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物のリゾ化物は、次の製法によって得た。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分40重量%)に、0.03重量%のレシターゼ10L(登録商標、ホスホリパーゼA2を10000IU/ml含む)を攪拌しながら加えて混合物とした。得られた混合物を50℃で4時間インキュベートした後、5℃に保管し、総リン脂質含有量が3.10重量%、リゾリン脂質含有量が2.20重量%、リゾ化率が69%であるリゾ化物を得た。
【0072】
また、上記リゾ化物中のリン脂質のリゾ化率は、以下の方法により測定した。
先ず、上記リゾ化物から水分を除去し、クロロホルム:メタノール=2:1の溶媒に溶解した。これをろ過後、溶媒を飛ばし乳脂肪成分を得た。この乳脂肪成分を3回アセトン洗浄することにより中性脂質を除去し、残査のリン脂質を得た。
次に、イアトロスキャン((株)ヤトロン製)を用いTLC/FID法にてリン脂質の定量を行った。TLC/FID法によるリン脂質の定量においては、先ず、ベンゼン:クロロホルム:酢酸=50:20:0.7の溶媒で一次展開し、不純物の除去とリン脂質の濃縮を行った。次に、クロロホルム:メタノール:29%アンモニア水=65:35:5で二次展開し、これをFID法により検出し、予め作製した検量線をもとに定量した。
リゾ化率は{(リゾリン脂質含有量)/(総リン脂質含有量)}×100の計算式により求めた。
【0073】
〔実施例9〕
パーム硬化油180kg及び大豆白絞油126.4kgからなる油相1と、水157.33kg、脱脂粉乳5.7kg、液糖(水分25重量%含有)341.57kg、香料3.5kg、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物のリゾ化物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%、リン脂質のリゾ化率69%)15kg及び乳清ミネラル(乳固形分97重量%、乳固形分中の灰分23.7重量%)20kgからなる水相とを、45〜55℃で乳化し、O/W型乳化物を得た。さらに、パーム硬化油90kg、大豆白絞油60.3kg及び色素0.2kgからなる油相2を上記O/W型乳化物に加え、O/W/O型乳化物を得た。このO/W/O型乳化物をコンビネーターで急冷可塑化し、転相させることにより、内油相:水相:外油相の重量比率が25:55:20のO/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0074】
〔実施例10〕
パーム硬化油180kg及び大豆白絞油126.4kgからなる油相1と、水167.33kg、脱脂粉乳5.7kg、液糖(水分25重量%含有)341.57kg、香料3.5kg、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物のリゾ化物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%、リン脂質のリゾ化率69%)15kg、蛋白質濃縮ホエイパウダー(乳固形分95重量%、乳固形分中の灰分21.9重量%)10kgからなる水相とを、45〜55℃で乳化し、O/W型乳化物を得た。さらに、パーム硬化油90kg、大豆白絞油60.3kg及び色素0.2kgからなる油相2を上記O/W型乳化物に加え、O/W/O型乳化物を得た。このO/W/O型乳化物をコンビネーターで急冷可塑化し、転相させることにより、内油相:水相:外油相の重量比率が25:55:20のO/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0075】
〔実施例11〕
パーム硬化油180kg、大豆白絞油126.4kg及びクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物のリゾ化物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%、リン脂質のリゾ化率69%)15kgからなる油相1と、水177.33kg、脱脂粉乳5.7kg、液糖(水分25重量%含有)341.57kg及び香料3.5kgからなる水相とを、45〜55℃で乳化し、O/W型乳化物を得た。さらに、パーム硬化油90kg、大豆白絞油60.3kg及び色素0.2kgからなる油相2を上記O/W型乳化物に加え、O/W/O型乳化物を得た。このO/W/O型乳化物をコンビネーターで急冷可塑化し、転相させることにより、内油相:水相:外油相の重量比率が25:55:20のO/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0076】
〔実施例12〕
パーム硬化油180kg及び大豆白絞油126.4kgからなる油相1と、水177.33kg、脱脂粉乳5.7kg、液糖(水分25重量%含有)341.57kg及び香料3.5kgからなる水相とを、45〜55℃で乳化し、O/W型乳化物を得た。さらに、パーム硬化油90kg、大豆白絞油60.3kg、色素0.2kg及びクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物のリゾ化物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%、リン脂質のリゾ化率69%)15kgからなる油相2を、上記O/W型乳化物に加え、O/W/O型乳化物を得た。このO/W/O型乳化物をコンビネーターで急冷可塑化し、転相させることにより、内油相:水相:外油相の重量比率が25:55:20のO/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0077】
〔比較例5〕
パーム硬化油180kg、大豆白絞油120kg、レシチン2.4kg及びグリセリン脂肪酸エステル4kgからなる油相1と、水186.63kg、脱脂粉乳11.4kg、液糖(水分25重量%含有)341.57kg及び香料3.5kgからなる水相とを45〜55℃で乳化し、O/W型乳化物を得た。さらに、パーム硬化油90kg、大豆白絞油60.3kg及び色素0.2kgからなる油相2を上記O/W型乳化物に加え、O/W/O型乳化物を得た。このO/W/O型乳化物をコンビネーターで急冷可塑化し、転相させることにより、内油相:水相:外油相の重量比率が25:55:20のO/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0078】
上記実施例7〜12及び上記比較例5でそれぞれ得られたO/O型の可塑性乳化油脂組成物を試食し、風味評価を行って比較した。実施例7〜12でそれぞれ得られたO/O型の可塑性乳化油脂組成物は、極めて良好な口溶け及び食感を示し、乳の風味、呈味、コク味及び後味が強く且つはっきりと出た。中でも、実施例9及び実施例10でそれぞれ得られたO/O型の可塑性乳化油脂組成物は、特に、乳風味が強く感じられた。これに対して、比較例5で得られたO/O型の可塑性乳化油脂組成物は、乳風味も殆ど感じられず、コク味もなく、後味に若干のエグ味が残った。
【0079】
〔実施例13〕
大豆油400kgからなる最内相と、水379kg、食塩1kg及びクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物のリゾ化物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%、リン脂質のリゾ化率69%)20kgからなる中間相とを混合し、50〜60℃でゆるやかに(分離しない程度に)攪拌し、次いで、この混合物をホモジナイザーに通しO/W型乳化物を得た。次に、このO/W型乳化物を、別途調製した大豆硬化油195kg及び蔗糖脂肪酸エステル5kgからなる最外相に50〜60℃で混合し、ボテーターにて急冷可塑化して、O/W/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0080】
〔実施例14〕
大豆油400kgからなる最内相と、水364kg、食塩1kg及び蔗糖脂肪酸エステル20kgからなる中間相とを混合し、50〜60℃でゆるやかに(分離しない程度に)攪拌し、次いで、この混合物をホモジナイザーに通しO/W型乳化物を得た。次に、このO/W型乳化物を、別途調製した大豆硬化油195kg及びクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物のリゾ化物(乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8重量%、リン脂質のリゾ化率69%)20kgからなる最外相に50〜60℃で混合し、ボテーターにて急冷可塑化して、O/W/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0081】
〔比較例6〕
大豆油400kgからなる最内相と、水371.4kg、脱脂粉乳7.6kg、食塩1kg及び蔗糖脂肪酸エステル20kgからなる中間相とを混合し、50〜60℃でゆるやかに(分離しない程度に)攪拌し、次いで、この混合物をホモジナイザーに通しO/W型乳化物を得た。次に、このO/W型乳化物を、別途調製した大豆硬化油195kg及び蔗糖脂肪酸エステル5kgからなる最外相に50〜60℃で混合し、ボテーターにて急冷可塑化して、O/W/O型の可塑性乳化油脂組成物を得た。
【0082】
上記実施例13〜14及び上記比較例6でそれぞれ得られたO/W/O型の可塑性乳化油脂組成物を試食し、風味評価を行って比較した。実施例13〜14でそれぞれ得られたO/W/O型の可塑性乳化油脂組成物は、極めて良好な口溶け及び食感を示し、乳の風味、呈味、コク味及び後味が強く且つはっきりと出た。これに対して、比較例6で得られたO/W/O型の可塑性乳化油脂組成物は、乳風味も殆ど感じられず、コク味もなく、後味に若干のエグ味が残った。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を含有させることにより、極めて良好な口溶け、食感及び乳風味を有し、特に製菓製パン用フィリングクリームに適した油中水型可塑性乳化油脂組成物を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、乳原料中のリン脂質の定量において、乳原料から脂質を抽出するためのFolch法のフローである。
Claims (7)
- 水分含量が20〜60重量%であり、乳化剤を含有せず、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を水相に含み、該乳原料がクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分である、O/O型の乳化形態の油中水型可塑性乳化油脂組成物。
- 上記乳原料中のリン脂質の一部又は全部がリゾ化されたものである請求項1記載の油中水型可塑性乳化油脂組成物。
- 上記乳原料が実質的に加熱変性していない請求項1又は2記載の油中水型可塑性乳化油脂組成物。
- 上記乳原料を固形分として0.01〜10重量%含む請求項1〜3の何れかに記載の油中水型可塑性乳化油脂組成物。
- 乳由来の固形分中の灰分が10重量%以上である別の乳原料を含む請求項1〜4の何れかに記載の油中水型可塑性乳化油脂組成物。
- 卵黄由来成分を含まない請求項1〜5の何れかに記載の油中水型可塑性乳化油脂組成物。
- 請求項1記載の油中水型可塑性乳化油脂組成物を、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を水相に添加し、油相と該水相とから下記の(1)〜(4)のいずれかの方法で得る、油中水型可塑性乳化油脂組成物の製造方法。
(1)油相1(内油相)、水相及び油相2(外油相)を乳化し、O/W/O型乳化物を製造し、次いで、該O/W/O型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る方法。
(2)水相と油相とを乳化してO/W型乳化物を得、次いで、該O/W型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る方法。
(3)水相と油相とを乳化してW/O型乳化物を得、次いで、該W/O型乳化物を転相させてO/W型乳化物とし、次いで、該O/W型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る方法。
(4)水相と油相とを乳化してW/O型乳化物を得、次いで、該W/O型乳化物を転相させてO/W/O型乳化物とし、次いで、該O/W/O型乳化物を冷却、可塑化、転相させて、O/O型の油中水型可塑性乳化油脂組成物を得る方法。
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