JP6154691B2 - スポンジケーキ用懸濁液 - Google Patents
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また、ソフト感やしとり感を向上させたことで、スポンジケーキの歯切れが悪く、ややねちゃついた食感となってしまう場合があった。
すなわち、本発明は、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有することを特徴とするスポンジケーキ用懸濁液を提供するものである。
本発明のスポンジケーキ用懸濁液(以下、単に懸濁液ということもある)は、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料(以下単に乳原料という)を含有する。乳原料の乳固形分中のリン脂質の含有量は、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である。スポンジケーキ用懸濁液において上記の乳原料を用いないと、本発明の効果が得られない。
上記の乳原料としては、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料であればどのようなものでも構わないが、具体的な例としてクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分があげられる。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(乳原料−乳原料の水分(g))×25.4×(0.1/1000)
上記の乳清ミネラルとは、ホエイから乳糖とホエイ蛋白質を除去したもので、乳固形分中の灰分の含有量が大凡10〜90質量%であり、多量の灰分を含有するものである。本発明のスポンジケーキ用懸濁液には、この乳清ミネラルを固形分として好ましくは0.05〜5質量%、さらに好ましくは0.1〜4質量%、最も好ましくは0.5〜2.5質量%含有させるのが望ましい。
糖アルコールは、アルドースやケトースの構造中に含まれるカルボニル基が還元されて生成する糖の一種であり、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、還元液糖、還元水飴、還元澱粉糖化物、還元ポリデキストロース、還元乳糖等が挙げられる。本発明において、上記範囲で糖アルコールを含有することで、上記乳原料の分散状態をより安定させ、均一に保つことができる。
上記のその他の原料としては、油脂、糖アルコール以外の糖類・甘味料、上記の乳原料以外の乳蛋白質、酵素、セルロースやセルロース誘導体、金属イオン封鎖剤、澱粉類、穀類、無機塩、有機酸塩、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、食塩、岩塩、海塩、直鎖デキストリン・分枝デキストン・環状デキストンなどのデキストリン類、乳や乳製品、卵製品、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、臭素酸カリウム、過硫酸アンモニウム、ヨウ素酸カリウムなどの酸化剤、システイン、グルタチオンなどの還元剤、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、グリシン、しらこたん白抽出物、ポリリジン、エタノールなどの保存料、着香料、苦味料、調味料などの呈味成分、着色料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤などがあげられる。
上記の添加油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオ脂、サル脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油などの各種の植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択された一または二以上の処理を施した加工油脂や、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)などがあげられ、これらの油脂の中から選ばれた1種または2種以上の油脂を用いることができる。
上記ホエイ蛋白質としては、ラクトアルブミン、βラクトグロブリン、血清アルブミン、免疫グロブリン、プロテオースペプトンの各単体や、これらの混合物、若しくはこれらを含有する食品素材として、乳清蛋白質、ホエイ、ホエイパウダー、脱乳糖ホエイ、脱乳糖ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物(WPC及び/またはWPI)などがあげられる。
上記カゼイン蛋白質及び上記ホエイ蛋白質の両方を含有する食品素材として、例えば、生乳、牛乳、加糖練乳、加糖脱脂れん乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、脱脂乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、バターミルク、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン(TMP)、脱脂粉乳、全粉乳、ミルクプロテインコンセントレート(MPC)、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト、乳酸菌飲料、サワークリ―ム、発酵乳などをあげることができる。
本発明のスポンジケーキ用懸濁液は、上記の乳原料と、必要により、乳清ミネラル、糖アルコール、水、等のその他の原料を混合することで得ることができる。スポンジケーキ用懸濁液に乳清ミネラルを含有させる場合、スポンジケーキ用懸濁液における乳清ミネラルの含有量が、固形分として好ましくは0.05〜5質量%、さらに好ましくは0.1〜4質量%、最も好ましくは0.5〜2.5質量%となるように含有させる。また、スポンジケーキ用懸濁液に糖アルコールを含有させる場合、スポンジケーキ用懸濁液における糖アルコールの含有量が、固形分として好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは2〜13質量%、最も好ましくは3.5〜12質量%となるように含有させる。本発明のスポンジケーキ用懸濁液の製造方法においては、上記の乳原料と、必要により上記その他の原料を混合するだけでも構わないが、以下のような工程を行うことが望ましい。
そして急速冷却、徐冷却などの冷却操作を行っても良い。
本発明のスポンジケーキ生地としては、上記本発明のスポンジケーキ用懸濁液を含有し、主要原料として穀粉類、卵成分、糖類を使用し、必要に応じ油脂類、水、乳化剤等の副原料を使用して、共立て法、卵白別立て法、後粉法、オールインミックス法などの製造で得られた各種のスポンジケーキ生地を挙げることができる。
ここで、スポンジケーキ用懸濁液の含有量が、スポンジケーキ生地で用いる穀粉類100質量部に対して60質量部よりも多いとスポンジケーキ生地としての配合のバランスが悪くなる場合があり、その結果歯切れや口どけが損なわれる場合があるため好ましくない。また、スポンジケーキ用懸濁液の含有量が、スポンジケーキ生地で用いる穀粉類100質量部に対して5質量部よりも少ないと、本発明の効果が不十分となり、特にボリュームが小さいものとなりやすいため好ましくない。
本発明のスポンジケーキ生地では、穀粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは100質量%使用する。
[炭素数10以下の脂肪酸残基]/[炭素数11以上の脂肪酸残基]の質量比が0.001〜0.1であることで、起泡した卵類含有生地の消泡がより起こりにくくなるほか、最終的に得られるスポンジケーキはボリュームが大きいものとなる。
本発明では、炭素数が11以上の中・長鎖の脂肪酸残基を中心とした油分中に、炭素数が10以下の短鎖の脂肪酸残基が一定量含まれると、最終的に得られるスポンジケーキはよりボリュームが大きいものとなる。
本発明においては、上記スポンジケーキ用懸濁液を含有させることで、乳化剤やゲル化剤を使用することなくボリュームのあるスポンジケーキが得られることから、乳化剤やゲル化剤は実質的に含有しないことが好ましい。
なお、実質的に含有しないとは、スポンジケーキ生地へ意図的に乳化剤及びゲル化剤を添加しないことをいい、不可避的にわずかに含まれてしまうものまでは問題としないこととする。具体的には、スポンジケーキ生地を基準として乳化剤、ゲル化剤がそれぞれ0.1質量%以下とする。
本発明のスポンジケーキ生地は、本発明のスポンジケーキ用懸濁液をスポンジケーキ生地の製造時に均質に練り込むことにより、製造することができる。スポンジケーキ生地に対する本発明のスポンジケーキ用懸濁液の使用量は、スポンジケーキ生地に用いる穀粉類100質量部に対して、好ましくは5〜60質量部、より好ましくは15〜50質量部、最も好ましくは20〜40質量部である。なお、本発明のスポンジケーキ用懸濁液の添加時期は起泡前であっても起泡後であってもよいが、好ましくは起泡後に添加する。
ここで、スポンジケーキ生地が油脂類を含有する場合には、油脂類とスポンジケーキ用懸濁液を混合した後、起泡した生地に添加することが好ましい。その場合、スポンジケーキ生地に用いる穀粉類100質量部に対して、油分含量が好ましくは3〜50質量部、より好ましくは5〜30質量部となるように、油脂類をスポンジケーキ生地に含有させる。
この起泡は卵成分の起泡力によるものであるが、製菓用起泡剤や起泡性乳化脂などを併用してもよいが、本発明の主旨上、使用しないことが好ましい。また、スポンジケーキ生地中に食用油脂を含有させる場合であっても、なるべくこの段階では含有させないことが好ましい。
続いて、穀粉類を添加し、気泡を損壊しないようにさっくりと均質に混合する。
続いて、本発明のスポンジケーキ用懸濁液を添加する。ここでスポンジケーキ生地中に油脂類を含有させる場合は、スポンジケーキ用懸濁液と混合した後、添加する方法が好ましい。
本発明のスポンジケーキは、上記スポンジケーキ生地を加熱処理して得られるものである。該加熱処理としては焼成、フライ、蒸すなどが挙げられ、その温度条件についてはスポンジケーキの一般的な加熱条件と同様の条件で行なうことができる。
[製造例1]
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)15質量部、乳清ミネラル(固形分37質量%)4質量部、糖アルコール(還元澱粉糖化物、固形分72質量%)5質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量13質量%)5質量部を、水71質量部に加え、混合し、55〜60℃に加温した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し、スポンジケーキ用懸濁液Aを得た。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)10質量部、乳清ミネラル(固形分37質量%)4質量部、糖アルコール(還元澱粉糖化物、固形分72質量%)10質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量13質量%)5質量部を、水71質量部に加え、混合し、55〜60℃に加温した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し、スポンジケーキ用懸濁液Bを得た。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)5質量部、乳清ミネラル(固形分37質量%)4質量部、糖アルコール(還元澱粉糖化物、固形分72質量%)10質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量13質量%)5質量部を、水71質量部に加え、混合し、55〜60℃に加温した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し、スポンジケーキ用懸濁液Cを得た。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)1質量部、乳清ミネラル(固形分37質量%)4質量部、糖アルコール(還元澱粉糖化物、固形分72質量%)10質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量13質量%)5質量部を、水80質量部に加え、混合し、55〜60℃に加温した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し、スポンジケーキ用懸濁液Dを得た。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)2質量部、乳清ミネラル(固形分37質量%)1質量部、糖アルコール(還元澱粉糖化物、固形分72質量%)10質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量13質量%)5質量部を、水82質量部に加え、混合し、55〜60℃に加温した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し、スポンジケーキ用懸濁液Eを得た。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮乾燥物(リン脂質含有量8.3質量%、蛋白質含有量33質量%、乳固形分96質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量8.6質量%)5質量部、乳清ミネラル(固形分37質量%)4質量部、糖アルコール(還元澱粉糖化物、固形分72質量%)10質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量13質量%)5質量部を、水76質量部に加え、混合し、55〜60℃に加温した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し、スポンジケーキ用懸濁液Fを得た。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)5質量部、乳清ミネラル(固形分37質量%)4質量部、水飴(固形分70質量%)10質量部、ホエイパウダー(蛋白質含有量13質量%)5質量部を、水76質量部に加え、混合し、55〜60℃に加温した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し、スポンジケーキ用懸濁液Gを得た。
アルギン酸ナトリウム1.4質量部、乳清ミネラル(固形分37質量%)4質量部、糖アルコール(還元澱粉糖化物、固形分72質量%)14.6質量部を、水80質量部に加え、混合し、55〜60℃に加温した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し、スポンジケーキ用懸濁液Hを得た。
グリセリンステアリン酸エステル15質量部、テトラグリセリンモノステアレート10質量部、蔗糖脂肪酸エステル(HLB11)4質量部、糖アルコール(ソルビトール、固形分70%)11質量部を水60質量部に加え、混合し、55〜60℃に加温した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し、スポンジケーキ用懸濁液Iを得た。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)45質量部を、水55質量部に加え、混合し、55〜60℃に加温した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し、スポンジケーキ用懸濁液Jを得た。
上記スポンジケーキ用懸濁液A〜Jを用い、下に記したスポンジケーキの配合・製法により実施例1〜10、比較例1〜3のスポンジケーキ生地、及び、スポンジケーキを製造した。
全卵(正味)130質量部、上白糖120質量部をミキサーボウルに投入し、これをたて型ミキサーにセットし、ワイヤーホイッパーを使用して、低速10秒混合後、高速3分ホイップし、比重が0.50の起泡した卵類含有生地を得た。
一方、40℃に加温して混合したバターオイル4質量部と菜種油12質量部、さらに上記スポンジケーキ用懸濁液(A〜Iのいずれか)30質量部をミキサーボウルに投入し、
これをたて型ミキサーにセットし、ワイヤーホイッパーを使用して、低速30秒混合し、スポンジケーキ用懸濁液と食用油脂の混合物を得た。
ここで、上記起泡した卵類含有生地250質量部に対し、小麦粉100質量部を添加し、低速30秒混合した後、上記混合物を30質量部添加し、さらに低速30秒混合、中速10秒混合し、スポンジケーキ生地を得た。
7号のスポンジケーキ型に底紙と側紙をあて、ここに得られたスポンジケーキ生地450gを流しいれ、固定オーブンを使用し、180℃で30分焼成し、スポンジケーキを得た。
得られたスポンジケーキ生地に含まれる油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、[炭素数10以下の脂肪酸残基]/[炭素数11以上の脂肪酸残基]の質量比は0.015であった。
「バターオイル4質量部と菜種油12質量部」にかえて菜種油16質量部、スポンジケーキ用懸濁液としてスポンジケーキ用懸濁液Bを使用した以外は[実施例1〜8、比較例1〜2]と同様にしてスポンジケーキ生地及びスポンジケーキを得た。
得られたスポンジケーキ生地に含まれる油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、[炭素数10以下の脂肪酸残基]/[炭素数11以上の脂肪酸残基]の質量比は0であった。
「バターオイル4質量部と菜種油12質量部」にかえてバターオイル12質量部と菜種油4質量部、スポンジケーキ用懸濁液としてスポンジケーキ用懸濁液Bを使用した以外は[実施例1〜8、比較例1〜2]と同様にしてスポンジケーキ生地及びスポンジケーキを得た。
得られたスポンジケーキ生地に含まれる油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、[炭素数10以下の脂肪酸残基]/[炭素数11以上の脂肪酸残基]の質量比は0.045であった。
スポンジケーキ用懸濁液30質量部に代えて水30質量部を使用した以外は[実施例1〜8、比較例1〜2]と同様にしてスポンジケーキ生地及びスポンジケーキを得た。
得られたスポンジケーキ生地に含まれる油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、[炭素数10以下の脂肪酸残基]/[炭素数11以上の脂肪酸残基]の質量比は0.015であった。
得られたスポンジケーキを常温で1日保存した後、ボリュームについて評価し、結果を表1に記載した。
<ボリューム評価基準> 単位=ml
◎:1800ml以上
○:1600ml以上1800ml未満
△:1400ml以上1600ml未満
×:1200ml以上1400ml未満
××:1200ml未満
32〜40点:◎、、23〜31点:○、14〜22点:△、13点以下:×
・歯切れ
4点…非常に歯切れがよい。
3点…歯切れがよい。
2点…ややねちゃつきがあり、あまり歯切れがよくない。
1点…ねちゃつきがあり、歯切れが悪い。
・口どけ
4点…非常に口どけがよい。
3点…口どけがよい。
2点…口どけがやや悪い。
1点…口どけが悪い。
・風味
4点…非常に風味がよい。
3点…風味がよい。
2点…風味がやや悪い。
1点…風味が悪い。
Claims (8)
- 乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を2〜30質量%及び水を30〜97質量%含有し、
上記乳原料由来のリン脂質含量が懸濁液基準で0.03〜0.9質量%であり、
糖アルコールを0.5〜15質量%含有することを特徴とするスポンジケーキ用懸濁液。 - さらに乳清ミネラルを含有する請求項1記載のスポンジケーキ用懸濁液。
- 請求項1又は2記載のスポンジケーキ用懸濁液を含有するスポンジケーキ生地。
- 油分含量が、スポンジケーキ生地に含まれる穀粉類100質量部に対し3〜50質量部である請求項3記載のスポンジケーキ生地。
- 油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、[炭素数10以下の脂肪酸残基]/[炭素数11以上の脂肪酸残基]の質量比が0.01〜0.1である、請求項4記載のスポンジケーキ生地。
- スポンジケーキ生地における乳化剤の含有量が0.1質量%以下である、請求項3〜5のいずれか一項に記載のスポンジケーキ生地。
- スポンジケーキ生地におけるゲル化剤の含有量が0.1質量%以下である、請求項3〜6のいずれか一項に記載のスポンジケーキ生地。
- 請求項3〜7のいずれか一項に記載のスポンジケーキ生地を加熱処理したスポンジケーキ。
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