JP4390375B2 - 水中油型乳化脂 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中油型乳化脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
牛乳から遠心分離により作られる生クリームは、風味が良好なだけでなく、食感も非常にみずみずしく、既存のどのようなコンパウンドクリームとも比較にならないほど優れている。このため食感を生クリームに近づけるべく、これまでに様々な試みがなされている。
【0003】
特開平11−56283号公報では、ラウリン系油脂を70%以上含有する上昇融点が28℃以下の油脂を用い、乳脂肪皮膜タンパク質0.1重量%以上、乳清ミネラル0.1重量%以上使用する方法が提案されており、また特開平11−89531号公報では、カゼイネートと卵黄油の併用が提案されているが、いずれも十分に満足し得るとは言い難いものである。
【0004】
従って、本発明の目的は、生クリームのようなみずみずしい食感を有する水中油型乳化脂を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際の最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として生じる水相成分を含有する水性相と、油性相を乳化してなる、ホイップ用クリームである水中油型乳化脂であって、該水中油型乳化脂を構成する油脂において、SUS(S:飽和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸)で表されるトリグリセリドの含有量が20重量%以上である水中油型乳化脂を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水中油型乳化脂について詳細に説明する。
【0007】
本発明の水中油型乳化脂は、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分を含有する。このクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、通常のクリームからバターを製造する際に生じるいわゆるバターミルクとは組成が大きく異なり、乳脂肪皮膜成分を多量に含有しているという特徴がある。通常のバターミルクでは製法によって大きく異なるため特に限定されるものではないが、乳脂肪皮膜成分の含有量が1〜5重量%程度であるのに対して、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分では5〜20重量%もの多量の乳脂肪皮膜成分を含有している。
【0008】
乳脂肪皮膜成分の含有量がバターミルクよりも、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分のほうが多いのは、以下の理由である。
【0009】
バターは、乳脂肪分が80重量%程度で、残りが水相成分であり、油中水型の乳化状態である。そのためバターには、乳脂肪と水の界面に存在する乳脂肪皮膜成分が多量に残存している。従ってバターに乳脂肪皮膜成分が多く残存するため、クリームからバターを製造する際に生じるバターミルクには乳脂肪皮膜成分が少なくなる。
【0010】
これに対し、バターオイルでは乳脂肪分が99重量%以上であり、ほとんど水相成分を含有しない。そのためバターオイルには、乳脂肪と水の界面に存在する乳脂肪皮膜成分があまり残存していない。従ってバターオイルに乳脂肪皮膜成分があまり残存しないため、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分に、乳脂肪皮膜成分が多くなる。
【0011】
次にクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法について説明する。
【0012】
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪率30〜40重量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95重量%まで高める。次いで乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明に係る水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
【0013】
一方、バターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まずバターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。そして、本発明に係る水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
【0014】
上記のクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分を用いないと生クリームのようなみずみずしい食感が得られないので好ましくない。
【0015】
本発明の水中油型乳化脂において、上記のクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分を固形分として好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは2〜8重量%、最も好ましくは3〜6重量%含有するのがよい。
【0016】
また、本発明で用いるクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分としては、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分はそのものでも、噴霧乾燥、濃縮、冷凍等の処理を施したものでもよい。
【0017】
本発明の水中油型乳化脂で用いる油脂の種類としては、特に限定されないが、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。これらのうち大豆油、ナタネ油、パーム油の分別油、パーム油の硬化油を用いるのが好ましい。これらの油脂は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0018】
本発明の水中油型乳化脂において使用する油脂は、CN50、CN52の含有量が特定量である油脂を用いるのが好ましい。
【0019】
上記CN50の上記油脂中の含有量は、好ましくは15〜50重量%、さらに好ましくは20〜45重量%、最も好ましくは25〜40重量%である。
【0020】
上記CN52の上記油脂中の含有量は、好ましくは15〜50重量%、さらに好ましくは20〜45重量%、最も好ましくは25〜40重量%である。
【0021】
また、上記CN52の含有量がCN50の含有量よりも多くなるようにするのが好ましい。
【0022】
そして、上記油脂の30℃のSFC(固体脂含有指数)が、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下となるようにするのが良い。
【0023】
さらに、上記油脂において、トランス酸の含有量が、好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは3〜30重量%、最も好ましくは5〜20重量%となるようにするのが良い。
【0024】
また、本発明の水中油型乳化脂において、SUSで表されるトリグリセリド(S:飽和脂肪酸 U:不飽和脂肪酸)、融点30℃以下の植物硬化油が特定量である油脂を用いるのが好ましい。
【0025】
上記SUSの上記油脂中の含有量は、好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30〜80重量%、最も好ましくは40〜60重量%である。
【0026】
本発明では、SUSで表されるトリグリセリドを多く含む油脂を用いるのが好ましく、例えばカカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、パーム油及びこれらの分別油、硬化油等が挙げられ、これらの中から選ばれた一種又は二種以上を使用することができる。また、エステル交換によってSUSで表されるトリグリセリドを多く含む油脂を製造し用いることもできる。
【0027】
上記Sは飽和脂肪酸を示すものであるが、好ましくは炭素数16以上の飽和脂肪酸とするのがよい。
【0028】
上記融点30℃以下の植物硬化油の上記油脂中の含有量は、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上、最も好ましくは40重量%以上である。
【0029】
上記融点30℃以下の植物硬化油としては、オリーブ硬化油、コーン硬化油、パームオレイン硬化油、ナタネ硬化油、大豆硬化油等が挙げられ、これらのうち、パームオレイン硬化油、ナタネ硬化油、大豆硬化油を用いるのが好ましい。さらに好ましくはパームオレイン硬化油を用いるのがよい。
【0030】
本発明の水中油型乳化脂の水の含有量は、特に制限はないが、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%である。
【0031】
また、本発明の水中油型乳化脂は、必要により、油性成分及び/又は水性成分に乳化剤、安定剤、蛋白質、糖類、果汁、ジャム、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品等の呈味成分、調味料、着香料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等を配合してもよい。
【0032】
上記乳化剤としては、特に限定されないが、例えば大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。これらの乳化剤は単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできるが、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン以外の合成乳化剤は使用しないのが好ましい。
【0033】
上記乳化剤の含有量は、本発明の水中油型乳化脂中、好ましくは0〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0034】
上記安定剤としては、リン酸塩、メタリン酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、有機酸塩類(クエン酸塩、酒石酸塩等)、無機塩類(炭酸塩等)、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉、化工澱粉、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等の安定剤が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。但し、カルシウム封鎖剤は用いないほうが好ましく、ここでいうカルシウム封鎖剤として、例えばリン酸塩、メタリン酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、有機酸塩類(クエン酸塩、酒石酸塩等)、無機塩類(炭酸塩等)等が挙げられる。
【0035】
上記安定剤の含有量は、本発明の水中油型乳化脂中、好ましくは0.1重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以下である。
【0036】
上記蛋白質としては特に限定されないが、例えばα−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、血清アルブミン等のホエイ蛋白質、カゼイン、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン、プロラミン、グルテリン等の小麦蛋白質、その他動物性及び植物性蛋白質等の蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて一種ないし二種以上の蛋白質として、あるいは一種ないし二種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよい。
【0037】
上記蛋白質の含有量は、本発明の水中油型乳化脂中、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。
【0038】
上記糖類としては、特に限定されないが、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム等の糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0039】
上記糖類の配合量は、本発明の水中油型乳化脂中、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜10重量%である。
【0040】
次に、本発明の水中油型乳化脂の製造方法について説明する。
【0041】
まず、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分と必要により水及びその他の物質を含む水性相と、油脂その他の物質を含む油性相をそれぞれ個別に調製し、該水性相と該油性相とを混合乳化し、水中油型に乳化する。
【0042】
これを、必要により、バルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により圧力0〜100MPaの範囲で均質化してもよい。また、必要によりインジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・低温殺菌、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌もしくは加熱殺菌処理を施してもよく、あるいは直火等の加熱調理により加熱してもよい。また、加熱後に必要に応じて再度均質化してもよい。また、必要により急速冷却、徐冷却等の冷却操作を施してもよい。
【0043】
本発明の水中油型乳化脂は、主としてホイップ用クリームとして用いられる他、洋菓子用素材、コーヒーホワイトナー、アイスクリーム、及びパン練り混み等の用途に用いられるが、本発明の水中油型乳化脂と生クリームとを混合しブレンド物としても本発明の水中油型乳化脂の特性を失うことがない。また、起泡済みクリームとして、冷蔵、冷凍、常温の保管流通条件で用いることもできる。
【0044】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0045】
〔実施例1〜4〕
表1の配合にて、水中油型乳化脂を製造した。
まず、水を60℃に昇温し、撹拌しながら、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の噴霧乾燥物又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の噴霧乾燥物、さらに必要により脱脂粉乳を溶解させた水性相を用意した。
【0046】
一方、パーム油、大豆硬化油、パームオレイン硬化油に、大豆レシチンを溶解させた油性相を用意し、上記の水性相に油性相を加え混合撹拌して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃、4秒間殺菌し、再度5MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、実施例1〜4の水中油型乳化脂を得た。
【0047】
得られた水中油型乳化脂について下記のような評価方法にて、ホイップタイム、オーバーラン、乳化安定性、耐熱保形性、口どけ、造花性の評価を行い、結果を表2に示した。なお、乳化安定性、耐熱保形性、口どけ、造花性の評価は、表2に示されるように、◎〜×の4段階評価とした。
【0048】
(評価方法)
・ホイップタイム:縦型ミキサーを使用し、毎分700回転の速度で、500mlの水中油型乳化脂を起泡させたときの最適起泡状態に達するまでの時間。
・オーバーラン:下記の式で算出させる増加体積割合。
〔(定容積の水中油型乳化脂重量−定容積の起泡後の水中油型乳化脂重量)/(定容積の起泡後の水中油型乳化脂の重量)〕×100(%)
・乳化安定性:振動器を用い100回/37秒で水平方向に振動させ、水中油型乳化脂が流動性を失うまでの振動回数が15000回以上を優、10000〜15000回のものを良、5000〜10000回のものを可、5000回以下のものを不可とした。
・耐熱保形性:起泡した水中油型乳化脂を絞り袋で造花したものを20℃の恒温槽中で20時間放置した場合の離水の程度。
・口溶け:起泡した水中油型乳化脂を口にふくんだときの溶け易さ。
・造花性:起泡した水中油型乳化脂を絞り袋で50ヶ造花した際の作業性。
【0049】
〔比較例1及び2〕
表1の配合にて水中油型乳化脂を製造した。
まず、水を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳又はバターミルクパウダーを溶解させた水性相を用意した。
【0050】
一方、パーム油、大豆硬化油、パームオレイン硬化油に、大豆レシチンを溶解させた油性相を用意し、上記の水性相に油性相を加え混合撹拌して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃、4秒間殺菌し、再度5MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、比較例1、2の水中油型乳化脂を得た。
【0051】
得られた水中油型乳化脂について、ホイップタイム、オーバーラン、乳化安定性、耐熱保形性、口どけ、造花性の評価を実施例1〜4に準じて行い、結果を表2に示した。
【0052】
【表1】
Figure 0004390375
【0053】
【表2】
Figure 0004390375
【0054】
【発明の効果】
本発明の水中油型乳化脂は、生クリームのようなみずみずしい食感を有する。

Claims (7)

  1. クリーム又はバターからバターオイルを製造する際の最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として生じる水相成分を含有する水性相と、油性相を乳化してなる、ホイップ用クリームである水中油型乳化脂であって、該水中油型乳化脂を構成する油脂において、SUS(S:飽和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸)で表されるトリグリセリドの含有量が20重量%以上である水中油型乳化脂。
  2. 上記水相成分を固形分として1〜10重量%含有する請求項1記載の水中油型乳化脂。
  3. 上記水中油型乳化脂を構成する油脂において、総炭素数50のトリグリセリド(CN50)の含有量が15〜50重量%、総炭素数52のトリグリセリド(CN52)の含有量が15〜50重量%である請求項1又は2記載の水中油型乳化脂。
  4. 上記水中油型乳化脂を構成する油脂において、融点30℃以下の植物硬化油の含有量が5重量%以上である請求項1〜3の何れかに記載の水中油型乳化脂。
  5. 合成乳化剤を含まない請求項1〜4の何れかに記載の水中油型乳化脂。
  6. カルシウム封鎖剤を含まない請求項1〜5の何れかに記載の水中油型乳化脂。
  7. 請求項1記載の水中油型乳化脂を製造する方法であって、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際の最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として生じる水相成分を含有する水性相と油性相を乳化することを特徴とする水中油型乳化脂の製造方法。
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