JP6062683B2 - プリン用水中油型乳化物 - Google Patents

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本発明は、プリン用水中油型乳化物に関し、詳しくは油性感を抑えながらも濃厚なコク味を感じられ、また食感がなめらかなプリンが得られ、且つ保存時の乳化安定性に優れるプリン用水中油型乳化物に関する。
プリンは、卵成分、乳成分、及び、糖類を基本成分として含有するミックス液をゲル化させた洋菓子であり、昔から広い年齢層の支持を受けている。よって、高級な洋菓子店から一般の流通洋菓子までさまざまな配合や製法のプリンが存在する。このようなプリンを製法面から分類すると、大きく「焼きプリン」と「ゲルプリン」に分けることができる。
「焼きプリン」とは、ゲル化させるために卵の加熱凝固性を利用したものであり、卵成分、乳成分、及び、糖類を基本成分として含有するミックス液を、耐熱性を有するプリン型にいれ、焼成、及び/又は、蒸すことによって得られる。この「焼きプリン」は、その3種成分が加熱されて生じる、濃厚で良質なカスタード風味が大変美味であり、卵ゲルの弾力のあるしっかりした食感が特徴である。
一方、「ゲルプリン」とは、ゲル化させるために、ゲル化剤のゲル化力を利用したものであり、卵成分、乳成分、糖類、及び、ゲル化剤を含有するミックス液を、必要に応じ加熱して溶解し、プリン型にいれ、冷蔵庫等で冷却することによって得られる。この「ゲルプリン」は、卵成分が少なくても凝固させることが可能で、そのゲル強度もさまざまに設定可能である等、製造が容易であることから、家庭用や量産品等に広く使用される。
ここで、最近は、「焼きプリン」や「ゲルプリン」において、油性感を抑えながらも濃厚なコク味を感じられ、食感がなめらかなプリンが求められている。
なめらかな食感のプリンを製造するためには、基本的には油脂成分を多く配合すればよく、通常は濃厚なコク味を有する乳脂肪を含有した生クリームを使用することが行なわれる。しかし、生クリームを使用すると、やや油性感が強いものとなり、更に生クリームや乳脂を多く使用した水中油型乳化物は、保存時に乳化が不安定になり増粘(ボテ)が生じやすいという問題があった。
一方、ホイップクリーム用途の水中油型乳化物等をプリン用として使用することも行われている(例えば特許文献1,2)。しかし、ホイップ時に保形性が求められるホイップクリーム用の水中油型乳化物は、固体脂含量(SFC)が高く、そのままプリン用途に使用しても、求められる風味や食感を充分に引き出すことができていなかったのが現状であった。
このような問題を解決すべく、各種検討が行われている。例えば、油脂中にSUS型トリグリセリドに富む油脂及びラウリン系油脂を含むプリン練り込み用水中油型乳化物(特許文献3)、油脂の配合とSFCに特徴を持たせたプリン練込用水中油型乳化油脂組成物(特許文献4)が提案されている。
しかし、特許文献3のプリン練り込み用水中油型乳化物は、それを用いてプリンを製造すると、口溶けの良いプリンは得られるものの、なめらかさに欠け角のある食感となるという課題があり、更に保存時の乳化安定性にも問題が残るものであった。特許文献4のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物は、乳脂を含んだ配合においては、保存時の乳化安定性に問題が残るものであった。
特開平10−304821号公報 特開2000−093108号公報 特開2003−134998号公報 特開2009−240257号公報
従って、本発明の課題は、「焼きプリン」や「ゲルプリン」において、油性感を抑えながらも濃厚なコク味を感じられ、また食感がなめらかなプリンが得られるものであり、且つ保存時の乳化安定性が優れ増粘(ボテ)しにくいプリン用水中油型乳化物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく各種検討を行なった結果、乳脂を一定量含有した場合であっても、ラウリン系油脂と特定のエステル交換油脂を含む配合とすることにより、上記課題を解決できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、以下の(a)〜(c)の条件を満たし、油相のSFC(固体脂含量)が、10℃で5〜45%であり、30℃で0〜10%である、プリン用水中油型乳化物を提供するものである。
(a)乳脂を油相基準で5〜40質量%含有する。
(b)乳脂100質量部に対し、ラウリン系油脂を50〜250質量部含有する。
(c)ヨウ素価52〜70のパーム分別軟部油を60質量%以上及びハイエルシン菜種の極度硬化油を5〜30質量%含有する配合油のランダムエステル交換油脂を、油相基準で5〜50質量%含有する。
本発明によれば、油性感を抑えながらも濃厚なコク味を感じられ、また食感がなめらかなプリンを製造することができる。
以下、本発明のプリン用水中油型乳化物について詳述する。
まず、本発明で使用する油脂について説明する。
本発明のプリン用水中油型乳化物は、乳脂を油相基準で5〜40質量%含有し、好ましくは8〜35質量%、更に好ましくは10〜30質量%含有する。乳脂が5質量%未満であると得られるプリンはコク味の乏しいものとなってしまい、40質量%を超えると水中油型乳化物の保存中における乳化安定性が悪くなり、増粘しやすいものとなるほか、得られるプリンはやや油性感の強い食感となってしまう。
上記の乳脂としては、乳脂そのもののほか、乳脂を含有する調製脂、生乳、生乳から脱脂粉乳を除いて得られるクリーム、無塩バター、加塩バター及び発酵バター等の乳脂含有油脂が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を混合して使用することができ、また一般に市販されているものを使用することができる。
本発明のプリン用水中油型乳化物は、ラウリン系油脂を乳脂100質量部に対し50〜250質量部含有し、好ましくは60〜250質量部、更に好ましくは70〜230質量部となるように含有する。乳脂とラウリン系油脂の割合を上記範囲とすることで、乳脂のコク味を引き出しながら、なめらかで油性感を抑えたプリンを得ることができる。ラウリン系油脂が乳脂100質量部に対し50質量部未満であると油性感が強くなってしまい、また250質量部を超えると、やや角のある食感となり、なめらかさの劣ったものとなってしまう。
上記ラウリン系油脂とは、油脂を構成する脂肪酸のうちラウリン酸含有率が40質量%を超えるような油脂の総称である。具体的なラウリン系油脂としては、ヤシ油、パーム核油、これらの油脂に水素添加、分別、エステル交換等の1種又は2種以上の処理を施した油脂が挙げられる。
なお、上記ラウリン系油脂の油相中の含有量は、乳脂のコク味を引き出す役割である点、及び、なめらかな食感とする点で20質量%未満であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上20質量%未満である。
本発明のプリン用水中油型乳化物は、ヨウ素価52〜70のパーム分別軟部油(又はパーム分別軟部油由来の油脂)を60質量%以上含有する配合油をランダムエステル交換して得られるエステル交換油脂を、油相中に、油相基準で5〜50質量%、好ましくは6〜45質量%、更に好ましくは7〜39質量%含有する。
上記配合油をエステル交換したエステル交換油脂が油相中で5質量%よりも少ない場合、保存中の乳化安定性が悪く、経時的に増粘しやすいものとなり、50質量%よりも多いと油性感の強いものとなってしまう。
本発明でいうパーム分別軟部油由来の油脂とは、パーム分別軟部油のほか、パーム分別軟部油を更に分別、硬化して得られる油脂を含むものとし、そのヨウ素価は52〜70のものである。本発明では、上記パーム分別軟部油由来の油脂のうち1種又は2種以上を組み合わせることができる。
上記パーム分別軟部油は、アセトン分別やヘキサン分別等の溶剤分別、ドライ分別等の無溶剤分別等の方法によって、パーム油を分別した際に得られる低融点部である。上記パーム分別軟部油としては、ヨウ素価が52〜70のパームオレインであることが、上記の効果を引き出すことができる点で必要である。
また、上記配合油は、好ましくはヨウ素価52〜70のパーム分別軟部油(又はパーム分別軟部油由来の油脂)を60質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有する。上記配合油中にヨウ素価52〜70のパーム分別軟部油が60質量%よりも少ないと、乳化安定性が悪いものとなってしまう。
上記配合油に含まれる、上記パーム分別軟部油以外の油脂としては、食用に適する油脂であればよく、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油等の常温で液体の油脂の他、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の常温で固体の油脂も用いることができ、更に、これらの食用油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を使用することもできる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、上記配合油に上記パーム分別軟部油以外の油脂として、ハイエルシン菜種の極度硬化油を5〜30質量%含有することが好ましく、10〜28質量%含有することがより好ましく、13〜26質量%含有することが最も好ましい。上記配合油中にハイエルシン菜種の極度硬化油を含有することで、水中油型乳化物の乳化安定性を高め、また最終的に得られるプリンは油性感が抑えられながらも濃厚なコクを有するものなる。
上記エステル交換反応は、常法に従って行うことができ、化学的触媒による方法でも、酵素による方法でもよいが、ランダムエステル交換反応であることが好ましい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記酵素としては、位置選択性のない酵素、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes) 属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus) 属、ムコール(Mucor) 属、ペニシリウム(Penicillium) 属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂あるいはケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
本発明のプリン用水中油型乳化物において使用することのできるその他の油脂としては、大豆油、菜種油、ハイオレイック菜種油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、コーン油、紅花油、ごま油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油等の常温で液体の油脂が挙げられるが、その他に、パーム油、サル脂、牛脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の常温で固体の油脂も用いることができ、更に、これらの食用油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を使用することもできる(ただし、パーム分別軟部油を除く)。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明のプリン用水中油型乳化物では、油相中にSUS型トリグリセリド(Sは炭素数16〜18の飽和脂肪酸を示し、Uは炭素数16〜18のモノ不飽和脂肪酸を示す。以下、SUSともいう)の占める割合が、20質量%未満であることが好ましく、15質量%未満であることがより好ましく、10質量%未満であることが最も好ましい。SUSが20質量%以上になると、プリン用水中油型乳化物の保存中における乳化安定性が劣ったものとなるだけでなく、得られるプリンはなめらかさに劣ったものとなりやすいため好ましくない。
上記SUSを含有する油脂としては、例えば、パーム油、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、コクム脂、デュパー脂、モーラー脂、フルクラ脂、チャ
イニーズタロー等の各種植物油脂、これらの各種植物油脂を分別した加工油脂、並びに下記に記載するエステル交換油脂、該エステル交換油脂を分別した加工油脂を挙げることができる。
上記エステル交換油脂としては、例えば、パーム油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種動植物油脂、これらの各種動植物油脂を必要に応じて水素添加及び/又は分別した後に得られる加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級アルコールエステルを用いて製造したエステル交換油脂が挙げられる。
また、本発明のプリン用水中油型乳化物は、トランス脂肪酸を実質的に含有しないことが好ましい。ここでいう「トランス脂肪酸を実質的に含有しない」とは、トランス脂肪酸含量が、本発明のプリン用水中油型乳化物に含まれている油脂の全構成脂肪酸中(以下、「プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中」ともいう)、好ましくは10質量%未満、更に好ましくは5質量%未満、最も好ましくは2.5質量%未満であることを意味する。
水素添加は油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、これによって得られる水素添加油脂は、完全水素添加油脂を除いて、通常構成脂肪酸中にトランス脂肪酸が10〜50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス脂肪酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない水中油型乳化物、即ち実質的にトランス脂肪酸を含まない水中油型乳化物であって、適切なコンシステンシーを有するものが要求されている。
本発明では、プリン用水中油型乳化物に使用する油脂として、それぞれ実質的にトランス脂肪酸を含有しない油脂を使用することで、水素添加油脂を使用せずとも良好なコンシステンシーを有し、トランス脂肪酸を実質的に含有しないプリン用水中油型乳化物を簡単に得ることができる。
本発明のプリン用水中油型乳化物における上記乳脂、上記ラウリン系油脂、上記パーム分別軟部油(又はパーム分別軟部油由来の油脂)を60質量%以上含有する配合油のランダムエステル交換油脂、及び、必要により上記その他の油脂を含めた油脂の含有量は、好ましくは15〜65質量%、更に好ましくは20〜60質量%、最も好ましくは25〜50質量%である。該油脂の含有量が15質量%未満では、コク味の乏しいものとなりやすく、また、65質量%超では、水中油型乳化物を使用した加工食品の油性感が強くなる等の問題が生じる。
なお、本発明のプリン用水中油型乳化物に、油脂を含有する副原料を使用した場合は、上記油脂の含有量には、それらの副原料に含まれる油脂分も含めるものとする。
本発明のプリン用水中油型乳化物は、油相のSFC(固体脂含量)が、好ましくは10℃で5〜45%、より好ましくは7〜30%、最も好ましくは10〜20%であり、且つ、好ましくは30℃で0〜10%、より好ましくは0〜7%、最も好ましくは0〜4%である。
油相のSFCが10℃で5%未満であると、得られるプリンは油性感が強いものとなってしまい、45%を超えると、得られるプリンがなめらかさの乏しい食感となってしまう。
また、油相のSFCが30℃で10%を超えると、得られるプリンにコク味が劣ったものとなってしまう。
また、本発明のプリン用水中油型乳化物の水の含有量は、好ましくは20〜75質量%、より好ましくは30〜60質量%、最も好ましくは40〜60質量%である。
なお、ここでいう水の含有量には、下記の「その他の成分」に含まれる水分も含めたものとする。
また、本発明のプリン用水中油型乳化物では、本発明の効果を阻害しない範囲内で所望
により、乳化剤、安定剤、蛋白質、乳製品(乳脂を含有する乳製品を除く)、糖類、果汁、ジャム、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品等の呈味成分、調味料、着香料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等の、その他の成分を、必要に応じ任意に配合してもよい。該その他の成分の配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、特に制限されず、通常の使用量の範囲で任意に使用することができる。
上記乳化剤としては、特に限定されないが、例えばレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。これらの乳化剤は単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記安定剤としては、特に限定されないが、例えばリン酸塩(ヘキサメタリン酸、第2リン酸、第1リン酸)、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉、化工澱粉、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等の安定剤が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記蛋白質としては、特に限定されないが、例えばα−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、血清アルブミン等のホエイ蛋白質、カゼイン、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン等の小麦蛋白質、プロラミン、グルテリン等の米蛋白質、その他動物性及び植物性蛋白質等の蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて1種ないし2種以上の蛋白質として、あるいは1種ないし2種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよい。
上記糖類としては、特に限定されないが、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム等の糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
次に、本発明のプリン用水中油型乳化物の製造方法について以下に説明する。
まず、油相中に、乳脂を油相基準で5〜40質量%含有させ、該乳脂100質量部に対し50〜250質量部となるようにラウリン系油脂を混合し、更にヨウ素価52〜70のパーム分別軟部油を60質量%以上含有する配合油のランダムエステル交換油脂を油相基準で8〜50質量%、必要によりその他の原料を含有させた油相を調製する。一方、水および必要によりその他の原料を含有させた水相を調製し、次いで、該油相20〜80質量%と該水相80〜20質量%とを混合乳化し、水中油型に乳化することにより、本発明のプリン用水中油型乳化物が得られる。
これを、必要に応じてバルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により圧力0〜100MPaの範囲で均質化し、必要によりインジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式、チューブラー式、掻き取り式
等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・低温殺菌、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌又は加熱殺菌処理、あるいは直火等の加熱調理により加熱しても良い。また、加熱後に必要に応じて再度均質化の他、急速冷却、徐冷却等の冷却操作を施しても良い。
次に、本発明のプリン用ミックス液について述べる。
本発明のプリン用ミックス液は、上記本発明のプリン用水中油型乳化物を使用したものである。
本発明のプリン用ミックス液における本発明のプリン用水中油型乳化物の使用量は、求めるプリンの食感によって異なるが、焼きプリンである場合は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜50質量%であり、ゲルプリンであれば、好ましくは10〜75質量%、より好ましくは20〜65質量%である。
プリン用ミックス液に使用するその他の原料は、一般的なプリン製造に用いられるものであれば問題なく使用することができ、卵成分、乳成分、糖類をはじめ、水、ゲル化剤、増粘安定剤、食塩、無機塩及び有機酸塩、乳化剤、植物及び動物エキス、その他各種食品素材全般、着香料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等を使用することができる。
上記卵成分としては、例えば、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄等を用いることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記の乳成分としては、例えば、牛乳、脱脂乳、濃縮ホエイ、粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、脱脂粉乳、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、ホエープロテインコンセートレート、トータルミルクプロテイン等が挙げられる。
上記糖類としては、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつ等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のプリン用ミックス液における、上記卵成分、乳成分、糖類の配合量は、求められるプリンの食感や風味によって適宜選択されるものであるが、好ましくは合計して、50〜93質量%、より好ましくは55〜90質量%である。
次に本発明のプリンについて述べる。
本発明のプリンは、上記本発明のプリン用ミックス液を使用することによって得られるものである。
焼きプリンの場合、その加熱方法としては、一般の焼きプリン同様、湯煎焼き、直焼き、蒸し焼き、蒸し等の方法を適宜選択することができる。
湯煎焼きや蒸し焼きの場合の好ましい加熱条件は、好ましくは100〜200℃で、20〜60分、より好ましくは150〜180℃で、20〜50分である。
直焼きの場合の好ましい加熱条件は、好ましくは100〜180℃で、20〜300分、より好ましくは120〜150℃で、30〜120分である。
蒸しの場合の好ましい加熱条件は、好ましくは80〜105℃で、5〜40分、より好ましくは85〜100℃で、15〜30分である。
また、ゲルプリンの場合、その冷却方法はとくに限定されず、連続式の冷却であっても、冷蔵庫での冷却であってもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例1〜11のうち、実施例1〜8は参考例である。
<エステル交換油脂(I)の製造>
ヨウ素価65のパーム分別軟部油にナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、パーム分別軟部油のランダムエステル交換油脂であるエステル交換油脂Iを得た。
<エステル交換油脂(II)の製造>
ヨウ素価55のパーム分別軟部油85質量部と、ハイエルシン菜種の極度硬化油15質量部を溶解、混合した配合油にナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂IIを得た。
(実施例1)
乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂I=12:42:16:30の比で混合した油脂混合物45質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、ショ糖脂肪酸エステル0.3質量%、グリセリン脂肪酸エステル0.2質量%、レシチン0.2質量%、ソルビタン脂肪酸エステル0.1質量%を添加、溶解した油相と、水49.1質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳5質量%、メタリン酸ナトリウム0.1質量%を添加、溶解させた水相を用意した。
該油相と水相を、混合乳化して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃、4秒間殺菌し、再度10MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、本発明のプリン用水中油型乳化物Aを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Aの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は4.1質量%、油相のSFCは10℃で13.2%、30℃で0.4%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.7質量%であった。
<プリン用水中油型乳化物の評価:乳化安定性(ボテ)>
上記プリン用水中油型乳化物Aを20℃で1時間調温した後、振動器を用い100回/37秒で水平方向に振動させた。該水中油型乳化物が流動性を失うまでの振動回数が10000回以上のものを◎、5000回以上〜10000回未満のものを○、5000回未満のものを×とした。結果を表1に示す。
続いて、上記本発明のプリン用水中油型乳化物A20質量部、牛乳40質量部、砂糖10部、水30質量部、全卵15質量部を混合し、ホモジナイザーにて10MPaの圧力で均質化し、本発明のプリン用ミックス液を得た。40℃に加温後、プリンカップに60gずつ分注し、水を張ったトレイに置き、固定オーブンで130℃25分湯煎焼きし、本発明のプリンを得た。
得られたプリンについて、20名のパネラーによって、コク味・油性感・なめらかさの3項目について、それぞれ、下記の評価基準により4段階評価を行ない、その20人の評価点数の平均値が3.7点以上を◎+、3.7点未満3.2点以上を◎、3.2点未満2.5点以上を○、2.5点未満1.7点以上を△、1.7点未満を×とした。その結果を表1に示す。
<コク味の評価基準>
4:非常に濃厚なコク味が感じられる。
3:濃厚なコク味が感じられる。
2:あまりコク味が感じられない。
1:まったくコク味が感じられない。
<油性感の評価基準>
4:油性感がなく、非常に後味が良い。
3:あまり油性感がなく、後味が良い。
2:やや油性感があり、やや後味が悪い。
1:油性感があり、とても後味が悪い。
<なめらかさの評価基準>
4:非常になめらかで良好な食感である。
3:なめらかで良好な食感である。
2:なめらかさをあまり感じられない。
1:なめらかさを感じられず、ざらついた不良な食感である。
(実施例2)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂I=20:42:12:26の比で混合した油脂混合物45質量%を使用した以外は実施例1と同様にして本発明のプリン用水中油型乳化物Bを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Bの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は4.2質量%、油相のSFCは10℃で15.1%、30℃で0.3%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、2.15質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂I=6:40:14:40の比で混合した油脂混合物45質量%を使用した以外は実施例1と同様にして本発明のプリン用水中油型乳化物Cを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Cの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は4.6質量%、油相のSFCは10℃で14.6%、30℃で0.2%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.41質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂I=11:30:19:40の比で混合した油脂混合物45質量%を使用した以外は実施例1と同様にして本発明のプリン用水中油型乳化物Dを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Dの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は4.7質量%、油相のSFCは10℃で21.4%、30℃で0.3%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.50質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂I=11:58:9:22の比で混合した油脂混合物45質量%を使用した以外は実施例1と同様にして本発明のプリン用水中油型乳化物Eを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Eの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は3.5質量%、油相のSFCは10℃で9.0%、30℃で0.0%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.82質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例6)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂I=16:46:13:25の比で混合した油脂混合物40質量%を使用し、水相に使用する水を49.1質量部から54.1質量部とした以外は実施例1と同様にして本発明のプリン用水中油型乳化物Fを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Fの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は3.5質量%、油相のSFCは10℃で13.9%、30℃で2.3%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.96質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例7)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂I:パーム油=12:50:16:11:11の比で混合した油脂混合物45質量%を使用した以外は実施例1と同様にして本発明のプリン用水中油型乳化物Gを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Gの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は6.9質量%、油相のSFCは10℃で13.7%、30℃で2.4%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.76質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例8)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂I:パーム油=12:47:16:16:9の比で混合した油脂混合物45質量%を使用した以外は実施例1と同様にして本発明のプリン用水中油型乳化物Hを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Hの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は6.5質量%、油相のSFCは10℃で14.2%、30℃で2.5%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.74質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:エステル交換油脂I=11:53:36の比で混合した油脂混合物45質量%を使用した以外は実施例1と同様にしてプリン用水中油型乳化物Iを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Iの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は4.7質量%、油相のSFCは10℃で15.4%、30℃で2.9%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.88質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例2)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂I=11:23:44:22の比で混合した油脂混合物45質量%を使用した以外は実施例1と同様にしてプリン用水中油型乳化物Jを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Jの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は2.9質量%、油相のSFCは10℃で11.1%、30℃で2.0%であり、トランス脂肪酸
含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.26質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例3)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:パーム核油:パーム油=11:44:14:31の比で混合した油脂混合物45質量%を使用した以外は実施例1と同様にしてプリン用水中油型乳化物Kを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Kの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は14質量%、油相のSFCは10℃で20.0%、30℃で3.8%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.72質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例4)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂I=11:13:13:63の比で混合した油脂混合物45質量%を使用した以外は実施例1と同様にしてプリン用水中油型乳化物Lを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Lの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は6.5質量%、油相のSFCは10℃で23.4%、30℃で4.3%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.51質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例5)
油相に使用する油脂混合物として、乳脂:コーン液状油:パーム核油:パーム油=11:23:6:60の比で混合した油脂混合物45質量%を使用した以外は実施例1と同様にしてプリン用水中油型乳化物Mを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Mの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は26質量%、油相のSFCは10℃で34.5%、30℃で5.9%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.70質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(実施例9)
乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂II=12:64:14:10の比で混合した油脂混合物45質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、ショ糖脂肪酸エステル0.3質量%、グリセリン脂肪酸エステル0.2質量%、レシチン0.2質量%、ソルビタン脂肪酸エステル0.1質量%を添加、溶解した油相と、水49.1質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳5質量%、メタリン酸ナトリウム0.1質量%を添加、溶解させた水相を用意した。
該油相と水相を、混合乳化して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃、4秒間殺菌し、再度10MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、本発明のプリン用水中油型乳化物Nを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Nの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は2.2質量%、油相のSFCは10℃で10.4%、30℃で0.1%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.85質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例10)
乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂II=16:60:14:10の比で混合した油脂混合物45質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、ショ糖脂肪酸エステル0.3質量%、グリセリン脂肪酸エステル0.2質量%、レシチン0.2質量%、ソルビタン脂肪酸エステル0.1質量%を添加、溶解した油相と、水49.1質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳5質量%、メタリン酸ナトリウム0.1質量%を添加、溶解させた水相を用意した。
該油相と水相を、混合乳化して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃、4秒間殺菌し、再度10MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、本発明のプリン用水中油型乳化物Oを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Oの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は2.4質量%、油相のSFCは10℃で11.2%、30℃で0.4%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、2.03質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例11)
乳脂:コーン液状油:パーム核油:エステル交換油脂II=14:62:10:14の比で混合した油脂混合物45質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、ショ糖脂肪酸エステル0.3質量%、グリセリン脂肪酸エステル0.2質量%、レシチン0.2質量%、ソルビタン脂肪酸エステル0.1質量%を添加、溶解した油相と、水49.1質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳5質量%、メタリン酸ナトリウム0.1質量%を添加、溶解させた水相を用意した。
該油相と水相を、混合乳化して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃、4秒間殺菌し、再度10MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、本発明のプリン用水中油型乳化物Pを得た。
得られたプリン用水中油型乳化物Pの油相中の、SUS型トリグリセリド含量は2.6質量%、油相のSFCは10℃で11.7%、30℃で0.6%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン用水中油型乳化物の全構成脂肪酸中、1.97質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006062683
Figure 0006062683

Claims (5)

  1. 以下の(a)〜(c)の条件を満たし、油相のSFC(固体脂含量)が、10℃で5〜45%であり、30℃で0〜10%である、プリン用水中油型乳化物。
    (a)乳脂を油相基準で5〜40質量%含有する。
    (b)乳脂100質量部に対し、ラウリン系油脂を50〜250質量部含有する。
    (c)ヨウ素価52〜70のパーム分別軟部油を60質量%以上及びハイエルシン菜種の極度硬化油を5〜30質量%含有する配合油のランダムエステル交換油脂を、油相基準で5〜50質量%含有する。
  2. SUS型トリグリセリドが油相基準で20質量%未満である請求項1記載のプリン用水中油型乳化物(ただし、S:炭素数16〜18の飽和脂肪酸、U:炭素数16〜18のモノ不飽和脂肪酸を示す)。
  3. トランス脂肪酸を実質的に含有しない請求項1又は2記載のプリン用水中油型乳化物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載のプリン用水中油型乳化物を含有するプリン用ミックス液。
  5. 請求項4記載のプリン用ミックス液の凝固物であるプリン。
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