JP2009240257A - プリン練込用水中油型乳化油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソフトで且つなめらかな食感を有し、さらに、口溶け良好であるとともに、油性感を感じないプリンを製造することが出来るプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を提供すること。
【解決手段】油相中に、パーム油及び/またはパーム分別軟部油を40〜90質量%(油相基準)、及び、液状油を10〜50質量%(油相基準)含有し、且つ、該油相のSFCが、5℃で5〜45%であり、35℃で0〜10%であって、該油相を20〜80質量%(組成物基準)含有することを特徴とするプリン練込用水中油型乳化油脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】油相中に、パーム油及び/またはパーム分別軟部油を40〜90質量%(油相基準)、及び、液状油を10〜50質量%(油相基準)含有し、且つ、該油相のSFCが、5℃で5〜45%であり、35℃で0〜10%であって、該油相を20〜80質量%(組成物基準)含有することを特徴とするプリン練込用水中油型乳化油脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、プリン練込用水中油型乳化油脂組成物に関し、ソフトで且つなめらかな食感を有し、さらに、口溶け良好であるとともに、油性感を感じないプリンを製造することが出来るプリン練込用水中油型乳化油脂組成物に関する。
プリンは、卵成分、乳成分、及び、糖類を基本成分として含有するミックス液をゲル化させた洋菓子であり、昔から広い年齢層の支持を受けている。よって、高級な洋菓子店から一般の流通洋菓子までさまざまな配合や製法のプリンが存在する。このようなプリンを製法面から分類すると、大きく「焼きプリン」と「ゲルプリン」に分けることができる。
「焼きプリン」とは、ゲル化させるために卵の加熱凝固性を利用したものであり、卵成分、乳成分、及び、糖類を基本成分として含有するミックス液を、耐熱性を有するプリン型にいれ、焼成、及び/又は、蒸すことによって得られる。この「焼きプリン」は、その3種成分が加熱されて生じる、濃厚で良質なカスタード風味が大変美味であり、卵ゲルの弾力のあるしっかりした食感が特徴であるが、焼成したり蒸したりする操作は低温度で長時間かける必要があるなど製造管理が難しく、家庭での製造や大量生産には不向きであるという問題があった。
一方、「ゲルプリン」とはゲル化させるために、ゲル化剤のゲル化力を利用したものであり、卵成分、乳成分、糖類、及び、ゲル化剤を含有するミックス液を、必要に応じ加熱して溶解し、プリン型にいれ、冷蔵庫等で冷却することによって得られる。この「ゲルプリン」は、卵成分が少なくても凝固させることが可能で、そのゲル強度もさまざまに設定可能であるなど、製造が容易であることから、家庭用や量産品などに広く使用されるが、反面、カスタード風味が希薄で、食感も、もったりした口溶けとなってしまう問題があった。
ここで、最近は、「焼きプリン」や「ゲルプリン」において、ソフトで且つなめらかな口溶けのプリンも求められている。
ソフトな食感のプリンを製造するためには、基本的には油脂成分を多く配合すればよく、通常は乳脂肪を含有する生クリームを使用することが行なわれる。
しかし、生クリームを使用すると、ソフトでなめらかな食感になるが、やや口溶けが悪いという問題があった。
そのため、SUS型グリセリドとラウリン系油脂を併用した油脂を使用することで、この問題を解決する方法が提案された。(例えば特許文献1参照)しかし、この方法によると、なめらかな食感のプリンは得られるものの、ソフト性が劣ったプリンになってしまう問題があった。
特開2003−134998号公報
従って、本発明の目的は、「焼きプリン」や「ゲルプリン」において、ソフトで且つなめらかな食感を有し、さらに、口溶け良好であるとともに、油性感を感じないプリンを製造することが出来るプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を提供することである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく、各種検討を行なった結果、特定の2種の油脂を使用し、特定のSFCとなるように配合した油相をもつ油脂組成物を使用することで解決可能であることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、油相中に、パーム油及び/またはパーム分別軟部油を40〜90質量%(油相基準)、及び、液状油を10〜50質量%(油相基準)含有し、且つ、該油相のSFCが、5℃で5〜45%であり、35℃で0〜10%であって、該油相を20〜80質量%(組成物基準)含有することを特徴とするプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を提供するものである。
本発明によれば、ソフトで且つなめらかな食感を有し、さらに、口溶け良好であるとともに、油性感を感じないプリンを製造することが出来る。
以下、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物について詳述する。
本発明では、パーム油及び/またはパーム分別軟部油を使用する。パーム油のエステル交換油脂、パーム分別中部油、パーム硬化油を用いたのでは本発明の効果は得られない。 なお、パーム分別軟部油を使用する場合、パーム油からドライ分別法によってその低融点画分を分取したものであっても、ヘキサンやアセトンなどの有機溶剤を用いた溶剤分別法や界面活性剤を用いた界面活性剤分別法により得られた低融点画分であってもよい。本発明ではこれらのパーム油及び/またはパーム分別軟部油を単独で使用してもよいし、また2種以上を混合した配合油として使用してもよい。また、このパーム油及び/またはパーム分別軟部油は、沃素価が48〜75であるものが好ましい。
本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物においては、上記パーム油及び/またはパーム分別軟部油を40〜90質量%(油相基準)、好ましくは、50〜80質量%(油相基準)含有する。
40質量%未満では、ソフトさ、なめらかさ、口溶け、油性感のうちの一つもしくは二つ以上の点で問題が生じ、また、90質量%を超えると、少なくともソフトさとなめらかさが劣ったものとなってしまう。
本発明では、液状油を使用する。液状油とは、常温で液状を呈する油脂とするのが一般的であるが、本発明における液状油とは5℃で液状を呈する油脂とする。このような液状油としては、例えば、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油等が例示できる。
本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物においては、上記液状油を10〜50質量%(油相基準)、好ましくは、15〜35質量%(油相基準)含有する。
10質量%未満では、少なくともソフトさとなめらかさが劣ったものとなる問題があり、50質量%を超えると、油性感の強いものとなってしまう。
10質量%未満では、少なくともソフトさとなめらかさが劣ったものとなる問題があり、50質量%を超えると、油性感の強いものとなってしまう。
本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物においては、必要に応じ、上記のパーム油及び/またはパーム分別軟部油、及び上記液状油に加え、その他の油脂を使用してもよい。
上記その他の油脂としては、食用に適する油脂であればよく、その代表例としては、パーム核油・やし油等のラウリン系油脂、サル脂・マンゴ脂・カカオ脂等のSUS型トリグリセリドを多く含有する油脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油、各種分別硬部油、各種分別軟部油、各種硬化油、各種分別硬化油、各種エステル交換油などを挙げることができる。
本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物は、トランス脂肪酸を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「トランス脂肪酸を実質的に含有しない」とは、プリン練込用水中油型乳化油脂組成物の全構成脂肪酸中、トランス脂肪酸含量が好ましくは10質量%未満、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは1質量%以下であることをいう。
水素添加は、油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、部分水素添加油脂は、通常構成脂肪酸中にトランス脂肪酸が10〜50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス脂肪酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものも要求されている。
本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物に用いられるパーム油及び/またはパーム分別軟部油、液状油は、共に、トランス脂肪酸を実質的に含有しないため、上記必要に応じ油相中に使用するその他の油脂として、部分水素添加油脂を使用しないことにより、トランス脂肪酸を含まずとも適切なコンステンシーを有するプリン練込用水中油型乳化油脂組成物とすることができる。
なお、油相中には、下記その他の成分のうちの、油溶性の成分を含有することができる。
本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物は、油相のSFCが、5℃で5〜45%、好ましくは15〜45%、より好ましくは25〜45%であり、且つ、35℃で0〜10%、好ましくは0〜8%、より好ましくは0〜5%である。
油相のSFCが5℃で5%未満であると、得られるプリンに油性感が感じられるようになってしまう問題があり、45%を超えると、得られるプリンのソフト性が乏しい硬い食感になってしまう。
油相のSFCが5℃で5%未満であると、得られるプリンに油性感が感じられるようになってしまう問題があり、45%を超えると、得られるプリンのソフト性が乏しい硬い食感になってしまう。
また、油相のSFCが35℃で10%を超えると、得られるプリンの口溶けが低下してしまう。
本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物は、上記油相の含有量は、20〜80質量%、より好ましくは35〜65質量%、さらに好ましくは30〜55質量%である。
20質量%未満であったり、80質量%を超えると、得られるプリンのソフト性が低下してしまうおそれがある。
また、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物の水の含有量は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%、さらに好ましくは35〜65質量%、最も好ましくは40〜60質量%である。
なお、ここでいう水の含有量には、下記の「その他の成分」に含まれる水分も含めたものとする。
また、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物では、本発明の効果を阻害しない範囲内で所望により、乳化剤、安定剤、蛋白質、乳製品、糖類、果汁、ジャム、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品等の呈味成分、調味料、着香料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等の、その他の成分を、必要に応じ任意に配合してもよい。このその他の成分の配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、特に制限されず、通常の使用量の範囲で任意に使用することができる。
上記乳化剤としては、特に限定されないが、例えばレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。これらの乳化剤は単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記安定剤としては、リン酸塩(ヘキサメタリン酸、第2リン酸、第1リン酸)、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉、化工澱粉、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等の安定剤が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記蛋白質としては、特に限定されないが、例えばα−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、血清アルブミン等のホエイ蛋白質、カゼイン、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン等の小麦蛋白質、プロラミン、グルテリン等の米蛋白質、その他動物性及び植物性蛋白質等の蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて1種ないし2種以上の蛋白質として、あるいは1種ないし2種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよい。
上記糖類としては、特に限定されないが、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム等の糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
次に、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物の製造方法について以下に説明する。
まず、油相中に、パーム油及び/またはパーム分別軟部油を40〜90質量%(油相基準)、及び、液状油を10〜50質量%(油相基準)、さらに、必要によりその他の原料を含有させ、該油相のSFCを、5℃で5〜45%であり、35℃で0〜10%とした油相と、水および必要によりその他の原料を含有させた水相とをそれぞれ個別に調製し、次いで、該油相20〜80質量%と該水相80〜20質量%とを混合乳化し、水中油型に乳化することにより、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物が得られる。
これを、必要により、バルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミルなどの均質化装置により圧力0〜100MPaの範囲で均質化しても良い。また、必要によりインジェクション式、インフージョン式などの直接加熱方式、あるいはプレート式、チューブラー式、掻き取り式などの間接加熱方式を用いたUHT・HTST・低温殺菌、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱などの加熱滅菌もしくは加熱殺菌処理を施しても良く、あるいは直火などの加熱調理により加熱しても良い。また、加熱後に必要に応じて再度均質化しても良い。また、必要により急速冷却、徐冷却などの冷却操作を施しても良い。
次に本発明のプリン用ミックス液について述べる。
本発明のプリン用ミックス液は上記本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を使用したものである。
本発明のプリン用ミックス液における本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物の使用量は、求めるプリンの食感によって異なるが焼きプリンである場合は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜50質量%であり、ゲルプリンであれば、好ましくは10〜75質量%、より好ましくは20〜65質量%である。
プリン用ミックス液に使用するその他の原料は、一般的なプリン製造に用いられるものであれば問題なく使用することができ、卵成分、乳成分、糖類をはじめ、水、ゲル化剤、増粘安定剤、食塩、無機塩および有機酸塩、乳化剤、植物及び動物エキス、その他各種食品素材全般、着香料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等を使用することができる。
上記卵成分としては、例えば、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白 加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などを用いることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記の乳成分としては、例えば、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、クリームチーズ、バター、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、ホイップクリーム、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料等、脱脂粉乳、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウム、ホエープロテインコンセートレート、トータルミルクプロテイン等が挙げられる。
上記糖類としては、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつ等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
本発明のプリン用ミックス液における、上記卵成分、乳成分、糖類の配合量は、求められるプリンの食感や風味によって適宜選択されるものであるが、好ましくは合計して、50〜93質量%、より好ましくは70〜90質量%である。
次に本発明のプリンについて述べる。
本発明のプリンは上記本発明のプリン用ミックス液を使用することによって得られるものである。
焼きプリンの場合、その加熱方法としては、一般の焼きプリン同様、湯煎焼き、直焼き、蒸し焼き、蒸しなどの方法を適宜選択することができる。
湯煎焼きや蒸し焼きの場合の好ましい加熱条件は、好ましくは100〜200℃で、20〜60分、より好ましくは150〜180℃で、20〜50分である。
直焼きの場合の好ましい加熱条件は、好ましくは100〜180℃で、20〜300分、より好ましくは120〜150℃で、30〜120分である。
蒸しの場合の好ましい加熱条件は、好ましくは80〜105℃で、5〜40分、より好ましくは85〜100℃で、15〜30分である。
また、ゲルプリンの場合、その冷却方法はとくに限定されず、連続式の冷却であっても、冷蔵庫での冷却であってもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
パーム油(ヨウ素価51):コーン液状油:パーム核油=73:20:7の比で混合した油脂混合物45質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、ショ糖脂肪酸エステル0.3質量%、グリセリン脂肪酸エステル0.2質量%、レシチン0.2質量%、ソルビタン脂肪酸エステル0.1質量%を添加、溶解した油相と、水49.1質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳5質量%、メタリン酸ナトリウム0.1質量%を添加、溶解させた水相を用意した。
パーム油(ヨウ素価51):コーン液状油:パーム核油=73:20:7の比で混合した油脂混合物45質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、ショ糖脂肪酸エステル0.3質量%、グリセリン脂肪酸エステル0.2質量%、レシチン0.2質量%、ソルビタン脂肪酸エステル0.1質量%を添加、溶解した油相と、水49.1質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳5質量%、メタリン酸ナトリウム0.1質量%を添加、溶解させた水相を用意した。
該油相と水相を、混合乳化して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃、4秒間殺菌し、再度30MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を得た。
得られたプリン練込用水中油型乳化油脂組成物の油相中の、パーム油及び/またはパーム分別軟部油の含有量は、73質量%、液状油の含有量は20質量%、油相のSFCは5℃で41%であり、35℃で4%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン練込用水中油型乳化油脂組成物の全構成脂肪酸中、1.1質量%であった。
上記本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物20質量部、牛乳40質量部、砂糖10部、水30質量部を55℃に加温しながら混合し、ホモジナイザーにて20MPaの圧力で均質化した。さらに沸騰するまで加熱した後、55℃まで冷却し、ホモジナイザーにて更に20MPaの圧力で均質化した。これを5℃に冷却し、12時間保管したのち、この均質化液85部に卵黄3部、全卵12部を均質に混合して本発明のプリン用ミックス液を得た。40℃に加温後、プリンカップに60gずつ分注し、水を張ったトレイに置き、固定オーブンで130℃25分湯煎焼きし、本発明のプリンを得た。
得られたプリンについて、20名のパネラーによって、ソフト性、食感・口溶け、油性感、の3項目について、それぞれ、下記の評価基準により5段階評価を行ない、その20人の評価点数の平均値を表1に記載した。
<ソフト性評価基準>
5点:極めてソフトである。
4点:ソフトである。
3点:やや硬い物性である。
2点:やや弾力のある硬い物性である。
1点:弾力のある硬い物性である。
5点:極めてソフトである。
4点:ソフトである。
3点:やや硬い物性である。
2点:やや弾力のある硬い物性である。
1点:弾力のある硬い物性である。
<食感・口溶けの評価基準>
5点:極めてなめらかであり良好な口溶けである。
4点:なめらかであり良好な口溶けである。
3点:ややもったりした口溶けである。
2点:もったりした不良な口溶けである。
1点:もったり感が強く極めて不良な口溶けである。
5点:極めてなめらかであり良好な口溶けである。
4点:なめらかであり良好な口溶けである。
3点:ややもったりした口溶けである。
2点:もったりした不良な口溶けである。
1点:もったり感が強く極めて不良な口溶けである。
<油性感の評価基準>
5点:油性感が全く感じられない。
4点:油性感がほとんど感じられない。
3点:やや油性感を感じる。
2点:油性感を感じる。
1点:油性感を強く感じる。
5点:油性感が全く感じられない。
4点:油性感がほとんど感じられない。
3点:やや油性感を感じる。
2点:油性感を感じる。
1点:油性感を強く感じる。
(実施例2)
実施例1の油脂混合物を、パームオレイン(ヨウ素価56):コーン液状油:パーム核油=73:20:7の比で混合した油脂混合物に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を製造した。
実施例1の油脂混合物を、パームオレイン(ヨウ素価56):コーン液状油:パーム核油=73:20:7の比で混合した油脂混合物に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を製造した。
得られたプリン練込用水中油型乳化油脂組成物の油相中の、パーム油及び/またはパーム分別軟部油の含有量は、73質量%、液状油の含有量は20質量%、油相のSFCは5℃で32%であり、35℃で0.1%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン練込用水中油型乳化油脂組成物の全構成脂肪酸中、0.9質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載した。
(比較例1)
実施例1の油脂混合物を、パームオレイン(ヨウ素価56):パーム核油=73:27の比で混合した油脂混合物に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を製造した。
実施例1の油脂混合物を、パームオレイン(ヨウ素価56):パーム核油=73:27の比で混合した油脂混合物に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を製造した。
得られたプリン練込用水中油型乳化油脂組成物の油相中の、パーム油及び/またはパーム分別軟部油の含有量は、73質量%、液状油の含有量は0質量%、油相のSFCは5℃で43%であり、35℃で0.1%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン練込用水中油型乳化油脂組成物の全構成脂肪酸中、0.6質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載した。
(比較例2)
実施例1の油脂混合物を、パーム分別中部油(ヨウ素価45):コーン液状油:パーム核油=53:40:7の比で混合した油脂混合物に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を製造した。
実施例1の油脂混合物を、パーム分別中部油(ヨウ素価45):コーン液状油:パーム核油=53:40:7の比で混合した油脂混合物に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を製造した。
得られたプリン練込用水中油型乳化油脂組成物の油相中の、パーム油及び/またはパーム分別軟部油の含有量は、53質量%、液状油の含有量は40質量%、油相のSFCは5℃で41%であり、35℃で0.2%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン練込用水中油型乳化油脂組成物の全構成脂肪酸中、0.8質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載した。
(比較例3)
実施例1の油脂混合物を、パーム分別軟部油の硬化油(ヨウ素価48):コーン液状油:パーム核油=73:20:7の比で混合した油脂混合物に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を製造した。
実施例1の油脂混合物を、パーム分別軟部油の硬化油(ヨウ素価48):コーン液状油:パーム核油=73:20:7の比で混合した油脂混合物に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を製造した。
得られたプリン練込用水中油型乳化油脂組成物の油相中の、パーム油及び/またはパーム分別軟部油の含有量は、0質量%、液状油の含有量は20質量%、油相のSFCは5℃で50%であり、35℃で3%であり、トランス脂肪酸含量は、プリン練込用水中油型乳化油脂組成物の全構成脂肪酸中、9.3質量%であった。
次いで、実施例1と同様の配合・製法で、プリン用ミックス液、プリンを製造し、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載した。
上記の結果からわかるとおり、油相中に、パーム油及び/またはパーム分別軟部油を40〜90質量%(油相基準)、及び、液状油を10〜50質量%(油相基準)含有し、且つ、該油相のSFCが5℃で5〜45%であり、35℃で0〜10%であって、該油相を20〜80質量%(組成物基準)含有することを特徴とするプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を使用した実施例1、2のプリンは、ソフト性、食感・口溶け、油性感が全て良好であることがわかる。
それに対して、パーム油及び/またはパーム分別軟部油を含有するが、液状油を含有しないプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を使用した比較例1のプリンは、油性感は良好であるが、硬い物性であり、食感・口溶けもやや劣るものとなってしまうことがわかる。
また、パーム油及び/またはパーム分別軟部油に代えてパーム分別中部油を使用したプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を使用した比較例2のプリンは、ソフト性や食感・口溶けは良好であるが、強い油性感を感じることがわかる。
さらに、パーム油及び/またはパーム分別軟部油に代えてパーム分別軟部油の硬化油を使用したプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を使用した比較例3のプリンは、食感・口溶けや油性感は良好であるが、硬い物性になってしまうことがわかる。
Claims (4)
- 油相中に、パーム油及び/またはパーム分別軟部油を40〜90質量%(油相基準)、及び、液状油を10〜50質量%(油相基準)含有し、且つ、該油相のSFCが、5℃で5〜45%であり、35℃で0〜10%であって、該油相を20〜80質量%(組成物基準)含有することを特徴とするプリン練込用水中油型乳化油脂組成物。
- トランス脂肪酸を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1記載のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物。
- 請求項1又は2記載のプリン練込用水中油型乳化油脂組成物を使用して得られたプリン用ミックス液。
- 請求項3記載のプリン用ミックス液を使用したプリン。
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