JP3137268B2 - 高コレステロ−ル含有乳製品 - Google Patents
高コレステロ−ル含有乳製品Info
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Description
度に含有する乳製品に関するものであって、特に牛乳の
母乳化に有用である。
栄養源であるが、乳児にとっても重要であって、例えば
乳児の発育過程においてコレステロールは、細胞膜構成
成分として必要不可欠な栄養素である。
を多量に含み、乳児が栄養失調になるのを防止してい
る。そして、これらの母乳中の含有量は、通常の場合、
コレステロールが11.7±1.95mg/100m
l、リン脂質が21.0±3.13mg/100mlで
ある(米久保他:小児保健研究、46,349ー352
(1987))。
調製乳においては、コレステロール含量は母乳の約半分
にしかすぎず(具体的には、育児用調製粉乳中には5〜
8mg/100ml程度のごく少量のコレステロールが
含まれているにすぎない。)、、風味、外観、物性等を
そこなうことなく乳製品中のコレステロール含有量を高
めること、特にそのレべルを母乳レベルにまで高めるこ
とに工業的に成功した例は知られていないのが現状であ
る。
技術の現状に鑑みてなされたものであって、病弱者はも
とより健常者にも重要であり、特に発育期にある乳児に
おいては細胞膜の構成成分の一つとして重要であるコレ
ステロールやリン脂質を経口的に必要量摂取せしめる目
的でなされたものである。
成するためになされたものであって、乳幼児でも摂取し
やすい食餌のタイプとして乳製品に着目し、乳製品をコ
レステロールで強化するのが最適であるとの着想を得
た。そして各方面から検討した結果、バターもしくはク
リームからバターオイルを製造する際に生じるバターセ
ーラムにはコレステロールが豊富に含まれる点を利用し
て、バターセーラムを添加した乳製品を調製したとこ
ろ、コレステロールを変性せしめることなく母乳レベル
にまで高めることがてきるのみでなくそれと同時にリン
脂質も強化され、しかも乳製品の風味、食感、外観、物
性等はいささかもそこなわれず、且つ乳製品を希望する
形態に自由に製造できるという有用な新知見を得た。
尚、本発明で云うバターセーラムとは、バターもしくは
クリームを原料としてバターオイル(国際酪農連盟の標
準ではバター脂肪含量99.3%以上、水分含量0.5
%以下)を製造した残部からなるものであり、バターも
しくはクリームの非油溶性成分をほぼ100%含有し、
油溶性成分はほとんど含有していない。本発明におい
て、バターセーラムは、遠心分離法、静置法その他の常
法により製造したものを使用することができる。
ものであって、その基本的技術思想は、高コレステロー
ル含有乳製品を製造するに当り、バターセーラムを利用
する点である。以下、本発明を具体的に説明する。
ムからバターオイルを製造する際に副生するものであっ
て、脂肪球皮膜物質を含みコレステロールを豊富に含む
ものであり、コレステロール含量が0.5〜10g/脂
肪100gのバターセーラムが得られる。これに対し
て、牛乳においては、コレステロール含量は0.06g
/脂肪100g程度であるから、バターセーラム中のコ
レステロール含量は牛乳の10倍以上も高いこととな
り、したがって、バターセーラムを利用すれば、育児用
粉乳や育児用調製乳中のコレステロールレベルを母乳と
同等又はそれ以上とすることができるし、同時にリン脂
質も強化される。
示される。
ースト、乾燥物、粉末、顆粒その他各種の形態で、ある
いは他の成分を用いて製剤化して使用することができ、
これ(ら)を乳製品中に添加、混合、均質化したり、乳
製品の製造工程中に添加して、目的とする高コレステロ
ール含有乳製品を製造する。
ば、バターオイル製造時に副生する脂肪球皮膜物質を含
んだバターセーラムを回収し、これを濃縮、噴霧乾燥し
て粉末状のものを得る。もしくは、その回収したバター
セーラムを全乳、脱脂乳、脱塩ホエイ、乳糖その他常用
される製剤化素材と混合し、濃縮、噴霧乾燥してコレス
テロール、リン脂質に富んだ粉末を得たり、あるいは錠
剤や顆粒等各種の形態に更に製剤化してもよい。本発明
においてはこれ(ら)を、乳製品の製造工程中及び/又
は最終製品に添加してコレステロールを強化するのであ
るが、その添加量は、特に限定はないけれども、最終製
品にバターセーラム画分として0.5〜80%、好まし
くは1〜60%の範囲になるよう調製、混合すればよ
く、このようにして母乳と同じコレステロールレベルを
有しリン脂質も併せ強化された製品を得ることができ
る。
乳、脱脂乳、ホエイ、粉乳、育児用調製乳、育児用粉
乳、練乳、バター、チーズ、ヨーグルト等、牛乳及び乳
製品をすべて指すものである。本発明によって製造され
た乳製品は、コレステロール含量が高いだけでなくリン
脂質も強化されており、しかも風味、食感、外観はいさ
さかもそこなわれることがなく摂取し易くなっているの
で、健常者、成人はもとより、病弱者、乳幼児も自由に
摂取することができる。
表1のバターセーラム粉末(B)を用いて下記のように
常法により育児用調製乳を製造した。所定量のバターセ
ーラム粉末、脱脂粉乳、脱塩ホエイ粉末を溶解し、必要
量のミネラル類、ビタミン類を添加した。この溶解液を
清浄化後、殺菌、濃縮した。ついで、この濃縮液に対し
て乳脂肪源として全粉、無塩バターあるいはバターオイ
ルの所定量及び置換脂肪の所定量を殺菌して加えた。た
だし、全粉使用の場合は最初の溶解液に全粉を溶解して
加えた。こうして調製した液を均質化後、噴霧乾燥して
の粉末状のものを得た。または、液状の状態で製品化し
た。
ール含有量は、79〜119mg%に達した。これを用
いて調製した14%調乳液中では、コレステロール含有
量は11〜17mg/100mlとなり、母乳での含有
量11.7±1.95mg/100mlを充分にクリア
ーできることが確認された。併せてリン脂質含有量も3
8〜48mg/100mlとなり、母乳以上の値を示す
ことも確認された。
上記のようにコレステロール及びリン脂質強化の面です
ぐれているのみでなく、調乳液の調製も容易であり、風
味にもすぐれ、乳児に対する嗜好性も高く育児用調製乳
としても好適であった。
表1のバターセーラム粉末(A)を用いて実施例1の場
合と同様に常法により育児用調製乳を製造した。
ール含有量は、73〜108mg%に達した。これを用
いて調製した14%調乳液中では、コレステロール含有
量は10〜15mg/100mlとなり、母乳と同レベ
ルとなった。また、リン脂質含有量も250〜490m
g/100mlと高い値を示した。
実施例1の場合と同様に、コレステロール、リン脂質強
化の面ですぐれているのみでなく、風味、食感、嗜好性
にもすぐれており、乳幼児をはじめとして、老人、病弱
者用の調製乳としても非常に好適であることが確認され
た。
表1のバターセーラム粉末(A)を用いて下記のように
常法により育児用調製乳を製造した。所定量のバターセ
ーラム粉末、脱脂粉乳、脱塩ホエイ粉末を溶解し、必要
量のミネラル類、ビタミン類を添加した。この溶解液を
清浄化後、殺菌、濃縮した。ついで、この濃縮液に対し
て置換脂肪の所定量を殺菌して加えた。こうして調製し
た液を均質化後、噴霧乾燥して粉末状のものを得た。ま
たは、液状の状態で製品化した。
ール含量は、77〜109mg%に達した。これを用い
て調製した14%調乳液中では、コレステロール含有量
は11〜15mg/100mlとなり、母乳と同レベル
となった。また、リン脂質含有量も490〜730mg
/100mlと高い値を示した。
乳脂肪が全く配合されていなくても、上記のようにコレ
ステロール及びリン脂質強化の面ですぐれているのみで
なく、調乳液の調製も容易であり、風味にもすぐれ、乳
児に対する嗜好性も高く育児用調製乳としても好適であ
った。
表1のバターセーラム粉末(B)を用いて実施例3の場
合と同様に常法により育児用調製乳を製造した。
ール含有量は、89〜126mg%に達した。これを用
いて調製した14%調乳液中では、コレステロール含有
量は12〜18mg/100mlとなり、母乳と同レベ
ルとなった。また、リン脂質含有量も48〜57mg/
100mlと母乳以上の値を示した。
実施例3の場合と同様に、乳脂肪が全く配合されていな
くても、コレステロール、リン脂質強化の面ですぐれて
いるのみでなく、風味、食感、嗜好性にもすぐれてお
り、乳幼児をはじめとして、老人、病弱者用の調製乳と
しても非常に好適であった。
ル、高リン脂質含有乳製品を調製するのに成功したもの
である。本発明に係る乳製品は、成人や健常者に対する
栄養補給の面ですぐれているのみでなく、老人、病弱
者、乳幼児に対してもきわめて有効である。
るいは育児用調製乳の母乳化という点でも特徴的であっ
て、コレステロール及びリン脂質を母乳レベルまたはそ
れ以上に高めることができるという著効に加え、不飽和
脂肪酸を母乳レベルに合わせたとき乳児血中コレステロ
ールは低下する傾向にあるところ、本発明にしたがって
コレステロールを母乳レベルにまで強化することにより
この点を防止することができ、また、母乳栄養児と機能
的な面で同レベルの人工栄養児を育てるためのミルクと
することができるし、脂肪球皮膜物質の有効利用という
著効も併せ奏される。
Claims (3)
- 【請求項1】 コレステロール含量が9〜10g/脂肪
100gのバターセーラムを添加することを特徴とする
高コレステロール含有乳製品の製造法。 - 【請求項2】 乳製品が育児用粉乳あるいは育児用調製
乳であることを特徴とする請求項1の高コレステロール
含有乳製品の製造法。 - 【請求項3】 母乳と同レベルの含量になるようにコレ
ステロールを含有せしめてなることを特徴とする請求項
2の高コレステロール含有乳製品の製造法。
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JP3-142722 | 1991-05-20 | ||
JP03193582A JP3137268B2 (ja) | 1991-05-20 | 1991-07-09 | 高コレステロ−ル含有乳製品 |
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JPH0530903A JPH0530903A (ja) | 1993-02-09 |
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ID=26474638
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JP03193582A Expired - Lifetime JP3137268B2 (ja) | 1991-05-20 | 1991-07-09 | 高コレステロ−ル含有乳製品 |
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---|---|
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-
1991
- 1991-07-09 JP JP03193582A patent/JP3137268B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
祐川金次郎著「最新改稿 乳業技術便覧」(昭51年7月20日)酪農技術普及学会,378−379 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0530903A (ja) | 1993-02-09 |
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