JP4754013B2 - 醗酵乳製品及びその製造方法 - Google Patents

醗酵乳製品及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4754013B2
JP4754013B2 JP2009202307A JP2009202307A JP4754013B2 JP 4754013 B2 JP4754013 B2 JP 4754013B2 JP 2009202307 A JP2009202307 A JP 2009202307A JP 2009202307 A JP2009202307 A JP 2009202307A JP 4754013 B2 JP4754013 B2 JP 4754013B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
milk
oil
fermented
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009202307A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009279012A (ja
Inventor
保雄 奥冨
智 川出
光治 田中
耕平 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2009202307A priority Critical patent/JP4754013B2/ja
Publication of JP2009279012A publication Critical patent/JP2009279012A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4754013B2 publication Critical patent/JP4754013B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、醗酵乳製品及びその製造方法に関する。更に詳しくは、良好な風味及び滑らかな食感を有する醗酵乳、チーズ、クリームチーズ様食品等の醗酵乳製品、及びその製造方法に関する。また、本発明は、該醗酵乳製品を水相に使用した油中水型乳化油脂組成物及び水中油型乳化油脂組成物に関する。
醗酵乳、チーズ、クリームチーズ様食品等の醗酵乳製品は、乳酸菌の乳酸醗酵により、香気成分、乳酸等の有機酸、ペプチド等の呈味成分による風味改良効果を利用して製造されており、そのまろやかな風味及び保存性の良さから、近年消費者の嗜好が高まってきている。
これらの醗酵乳製品のうち、醗酵乳は、牛乳、加工乳等の乳、クリーム、脱脂粉乳等の乳製品、その他乳蛋白質等の乳起源の原料等を含んだ乳原料ミックス液に、必要に応じて、均質化、殺菌、冷却等の処理を施した後、乳酸菌を添加し、乳酸醗酵を行なって製造される。
また、チーズは、醗酵乳から必要に応じて凝乳を分離し、これに加塩後、熟成して製造される。
また、クリームチーズ様食品は、醗酵乳に対し、更に安定剤、香料等を添加して、加熱、殺菌、均質化、冷却等の処理を行なって製造される。
醗酵乳は、乳酸醗酵が終了した時点では乳化物の乳化が安定でないため、多量の離漿(ホエイ分離)が起こったり、エマルジョンサイズが大きいため食感がざらついたりする問題があった。もちろん、このような醗酵乳を用いてチーズやクリームチーズ様食品を製造した場合もまた、滑らかな食感を得ることは困難であった。
そのため、澱粉や増粘多糖類等の安定剤を多く配合したり、また、高圧での均質化操作を行なう等の方法により、滑らかな物性を得るような検討が各種行なわれてきた。
例えば、レシチンを溶解した油相と蛋白質を溶解した水相とを水中油型に乳化した後に、別途醗酵乳を添加混合する方法(例えば特許文献1参照)、蛋白質、糖類、油脂、水分及び乳化剤を含むクリ−ムミックスを乳酸醗酵する際に、澱粉を代表とする添加剤を0.2〜5重量%添加する方法(例えば特許文献2〜4参照)、部分加熱変性ホエイタンパク質を添加し、乳酸醗酵させてホエイオフの少ない醗酵乳を製造する方法(例えば特許文献5参照)、高純度ホエイタンパク質によりホエイオフを防止したヨーグルトの製造方法(例えば特許文献6参照)、特定の限外濾過膜を通して得た熱凝固性のないホエイタンパク質濃縮物を、ヨーグルト原料に添加する方法(例えば特許文献7参照)、油脂の含量及びSFCを規定した醗酵乳製品の製造方法(例えば特許文献8参照)、アルギン酸及び/又はアルギン酸ナトリウムを使用し、水中油型エマルジョンを特定粒径とする方法(例えば特許文献9参照)等が挙げられる。
しかし、特許文献1記載の方法は、醗酵乳自体の物性が改良されていないため、滑らかな食感が得がたいという問題があり、特許文献2〜4の方法では、乳化剤の併用を必要としたり、澱粉により水分を保持させるだけなので、離漿(ホエイ分離)抑止効果が劣る問題や、乳化剤や澱粉を多く配合せねばならないという問題があり、特許文献5〜7記載の方法は、このようなホエイ蛋白類では食感及び口溶けの滑らかさが十分ではないという問題があった。また、特許文献8記載の方法は、油脂を限定するだけでは乳固形分に由来するざらつきや口溶け等の食感は改善できないという問題があった。さらに、特許文献9の方法では、食感の滑らかさが十分ではないという問題があった。
また、さらに最近では天然物志向が高まり、乳成分以外の成分、特に乳化剤の添加を嫌う風潮がある。このため、近年は乳化剤を使用せずに食感や物性、特に滑らかな食感や物性、さらに喉越し、コク等、醗酵乳製品の品質を向上させる方法が求められている。
特開昭63−24846号公報 特開平9−313101号公報 特開平9−9863号公報 特開平8−9882号公報 特開平9−94059号公報 特開平3−198738号公報 特開平1−196254号公報 特開昭58−16636号公報 特開2002−125590号公報
従って、本発明の目的は、乳化剤等の使用量を減じても、又は乳化剤等を使用しなくても、良好な乳風味及び滑らかな食感を有し、口融けが良い醗酵乳製品を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、特定の乳製品を含有する醗酵乳製品が上記目的を達成しうることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が該固形分を基準として2重量%以上である乳原料を含む乳原料ミックス液に対して乳酸菌を添加し、乳酸醗酵を行なった乳酸醗酵物、並びにアルギン酸、アルギン酸塩、ローカストビーンガム及びLMペクチンの中から選ばれた安定剤の1種又は2種以上を含み、リン脂質と蛋白質との配合重量比が、リン脂質:蛋白質=1:99〜20:80であることを特徴とする醗酵乳製品を提供するものである。
また、本発明は、上記醗酵乳製品を、水相の一部又は全部に使用したことを特徴とする油中水型乳化油脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記醗酵乳製品を、水相の一部又は全部に使用したことを特徴とする水中油型乳化油脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記醗酵乳製品を製造する方法であって、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料を含む乳原料ミックス液に対し乳酸菌を添加し、乳酸醗酵を行なうことを特徴とする醗酵乳製品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、乳化剤等の使用量を減じても、又は乳化剤等を使用しなくても、良好な乳風味及び滑らかな食感を有し、口融けが良い醗酵乳製品を提供することができる。また、本発明の醗酵乳製品を使用した各種食品は風味や食感が良好である。
図1は、乳原料中のリン脂質の定量において乳原料から脂質を抽出するためのFolch法のフローである。
以下、本発明の醗酵乳製品について詳述する。
本発明の醗酵乳製品は、乳酸菌を接種して乳酸醗酵を行なう操作を経る食品全てを包含するものであり、その具体例としては、乳、又は乳製品、その他乳起源の原料等に乳酸菌を接種して乳酸醗酵を行なった、ヨーグルト、乳酸菌飲料やサワークリ―ム等の醗酵乳、また、醗酵乳に対しレンネットを添加する等して凝乳させたクリームチーズ、カッテージチーズ等のナチュラルチーズ、さらに、ナチュラルチーズを加熱溶融し、安定剤等を添加して製造するプロセスチーズやクリームチーズ様食品等の水中油型乳化食品が挙げられる。本発明は、可塑性を有する醗酵乳製品に対する改良効果が高いことから、これらの中でも、ナチュラルチーズ、クリームチーズ様食品に対し好適に適用される。
本発明の醗酵乳製品においては、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、該固形分を基準として2重量%以上、好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは4重量%以上、最も好ましくは5〜40重量%である乳原料を使用する。
上記の乳由来の固形分中のリン脂質とは、乳由来の固形分中に含まれる乳由来のリン脂質のことを指す。
また、上記乳原料は、液体状でも、粉末状でも、濃縮物でも構わない。但し、溶剤を用いて乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上となるように濃縮した乳原料は、風味上の問題から、本発明の醗酵乳製品においては、上記乳原料として用いないのが好ましい。
乳原料中のリン脂質の定量方法としては、例えば下記の定量方法が挙げられる。但し、抽出方法等については乳原料の形態等によって適正な方法が異なるため、下記の定量方法に限定されるものではない。
まず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。図1にFolch法のフローを示す。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から、以下の計算式を用いて、乳原料100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/乳原料採取量(g)〕×25.4×(0.1/1000)
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料としては、例えば、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分が挙げられる。クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、通常のクリームからバターを製造する際に生じるいわゆるバターミルクとは組成が大きく異なり、リン脂質を多量に含有しているという特徴がある。バターミルクは、その製法の違いによって大きく異なるが、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、通常0.5〜1.5重量%程度であるのに対して、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、大凡2〜15重量%であり、多量のリン脂質を含有している。
本発明の醗酵乳製品では、通常のクリームからバターを製造する際に生じるいわゆるバターミルクそのものを用いることはできないが、バターミルクを乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上となるように濃縮した濃縮物、あるいはその乾燥物を用いることは可能である。
クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる上記水相成分の製造方法の一例を以下に説明する。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。
先ず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40重量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95重量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明の醗酵乳製品で用いることができる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
一方、バターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。
先ず、バターを溶解機で溶解し、熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明の醗酵乳製品で用いることができる上記水相成分は、遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
本発明の醗酵乳製品で用いることができる上記水相成分としては、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上であれば、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分をそのまま用いてもよく、また、噴霧乾燥、濃縮、冷凍等の処理を施したものを用いてもよい。
但し、乳由来のリン脂質は、高温加熱するとその機能が低下するため、上記加温処理や上記濃縮処理中あるいは殺菌等により加熱する際の温度は、100℃未満であることが好ましい。
また、本発明の醗酵乳製品では、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料として、上記乳原料中のリン脂質の一部又は全部がリゾ化されたリゾ化物を使用することもできる。該リゾ化物は、上記乳原料をそのままリゾ化したものであってもよく、また上記乳原料を濃縮した後にリゾ化したものであってもよい。また、得られたリゾ化物に、さらに濃縮あるいは噴霧乾燥処理等を施してもよい。
上記乳原料の一部又は全部として、上記リゾ化物を使用することにより、さらに乳化安定性の高い、滑らかな食感の醗酵乳製品が得られる。
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である乳原料中のリン脂質をリゾ化するには、ホスホリパーゼAで処理すればよい。ホスホリパーゼAは、リン脂質分子のグリセロール部分と脂肪酸残基とを結びつけている結合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基で置換する作用を有する酵素である。ホスホリパーゼAは、作用する部位の違いによってホスホリパーゼA1とホスホリパーゼA2とに分かれるが、ホスホリパーゼA2が好ましい。ホスホリパーゼA2の場合、リン脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択的に切り離される。
本発明の醗酵乳製品は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が該固形分を基準として2重量%以上である上記乳原料を、固形分として、好ましくは0.1〜8重量%、さらに好ましくは0.5〜7重量%、最も好ましくは1〜4重量%含有する。
尚、上記乳原料の起源となる乳としては、牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、人乳等の乳を例示することができるが、特に牛乳が好ましい。また、後述する乳や、乳蛋白質等の上記乳原料以外の乳起源の原料の起源となる乳についても同様である。
本発明の醗酵乳製品は、牛乳、クリーム、生クリーム等の乳・乳製品や、カゼイン、ホエイ蛋白質等の乳起源の原料を溶解した水溶液等を乳原料ミックス液(原料液)とし、該乳原料ミックス液に対して乳酸菌を添加し、乳酸醗酵を行なって乳酸醗酵物を得る工程を経て製造される。乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料は、乳酸醗酵前に乳原料ミックス液に添加する。乳酸醗酵前に乳原料ミックス液に添加する方が、得られる醗酵乳製品の食感及び物性が良好である。また、上記乳原料は、乳酸醗酵後に乳酸醗酵物に添加すると、添加後の乳化操作あるいは均質化操作等が必要となり、操作が煩雑であることからも、乳酸醗酵前に乳原料ミックス液に添加するのが好ましい。また、上記乳原料がペースト状や流動状であれば、上記乳原料をそのまま乳原料ミックス液として用いることもできる。
また、本発明の醗酵乳製品は、蛋白質を好ましくは0.3〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%含有することにより、適度のボディー感や可塑性を有することが可能となる。蛋白質が0.3重量%未満であると、ボディー感のない、可塑性を呈しない物性となるおそれがあり、蛋白質が10重量%を超えると、醗酵乳製品が硬くなりすぎたり、食感がボソついたり、可塑性を呈しないおそれがある。
上記蛋白質としては、特に制限されるものではないが、例えば、ホエイ蛋白質、カゼイン蛋白質、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン、プロラミン、グルテリン等の小麦蛋白質、その他の動物性蛋白質及び植物性蛋白質等が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて、一種又は二種以上の蛋白質の形で添加してもよく、あるいは一種又は二種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよい。
本発明の醗酵乳製品においては、上記蛋白質のうち、風味が良好である点で、乳蛋白質を使用することが好ましい。乳蛋白質の中でも、本発明の醗酵乳製品においては、カゼイン蛋白質とホエイ蛋白質とを併用することにより、より良好な可塑性を得ることができる。
上記カゼイン蛋白質としては、αs1−カゼイン、αs2−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼインの各単体や、これらの混合物、若しくはこれらを含んだ食品素材、アルカリカゼイン(カゼイネート)、酸カゼイン等が挙げられる。
上記ホエイ蛋白質としては、ラクトアルブミン、βラクトグロブリン、血清アルブミン、免疫グロブリン、プロテオースペプトンの各単体や、これらの混合物、若しくはこれらを含んだ食品素材、乳清蛋白質、ホエイ、ホエイパウダー、脱乳糖ホエイ、脱乳糖ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物(WPC及び/又はWPI)等が挙げられる。
また、上記乳蛋白質として、上記カゼイン蛋白質及び上記ホエイ蛋白質の両方を含有する乳原料、例えば、生乳、牛乳、加糖練乳、加糖脱脂れん乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、脱脂乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、バターミルク、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン(TMP)、脱脂粉乳、全粉乳、ミルクプロテインコンセントレート(MPC)、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等を使用することもできる。
また、本発明の醗酵乳製品においては、リン脂質と蛋白質との配合重量比が、リン脂質:蛋白質=1:99〜20:80である。リン脂質:蛋白質=1:99〜20:80、特に2:98〜15:85であることが、ボソつきのない滑らかな物性の醗酵乳製品が得られる点において好ましい。このリン脂質の配合比率が該範囲より小さいと、ボソつきが強くなり、滑らかな食感が得られないおそれがある。また、リン脂質の配合比率が該範囲より大きいと、ボディー感に乏しく、可塑性を呈しない物性となるおそれがある。尚、ここでいうリン脂質は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料中に含有されるリン脂質以外に、レシチンや、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%未満である乳原料に含まれるリン脂質もあわせたものとする。
本発明の醗酵乳製品では、さらに安定剤を0.001〜5重量%含有することにより、醗酵乳製品の水分分離を抑制することができる。安定剤の配合割合が0.001重量%未満では、得られる醗酵乳製品の水分分離防止効果が乏しく、また、5重量%を超えると、醗酵乳製品の物性が滑らかなものとならない可能性がある
上記安定剤の具体例としては、少ない添加量で醗酵乳製品の水分分離が防止できることから、アルギン酸、アルギン酸塩、ローカストビーンガム及びLMペクチンの中から選ばれた1種又は2種以上を使用する。アルギン酸塩としては、アルギン酸アンモニウム・アルギン酸カリウム・アルギン酸カルシウム・アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記安定剤は、乳酸醗酵前に乳原料ミックス液に対して添加しても、乳酸醗酵後に乳酸醗酵物に対して添加してもよいが、乳酸醗酵後に乳酸醗酵物に対して添加する方が、得られる醗酵乳製品の食感及び物性が良好であり、また、乳酸醗酵前に乳原料ミックス液に対して添加すると、乳酸醗酵前の乳化操作時に増粘してしまう等の操作性低下を招くおそれがあるので、乳酸醗酵後に乳酸醗酵物に対して添加するのが好ましい。
本発明の醗酵乳製品では、必要に応じ、食用油脂、水、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類・甘味料、穀類、無機塩、有機酸塩、酵素、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、食塩、岩塩、海塩、果汁、濃縮果汁、果汁パウダー、乾燥果実、果肉、野菜、野菜汁、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、直鎖デキストリン・分枝デキストン・環状デキストン等のデキストリン類、乳や乳製品、卵製品、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材全般、着香料、苦味料、調味料等の呈味成分、着色料、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、臭素酸カリウム、過硫酸アンモニウム、ヨウ素酸カリウム等の酸化剤、システイン塩酸塩、シスチン、グルタチオン等の酸化剤や還元剤、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、グリシン、しらこたん白抽出物、ペクチン分解物、ポリリジン、アルコール等の保存料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤等を配合してもよい。
上記食用油脂としては、先ず乳脂が挙げられ、乳脂を分別することにより得られた乳脂の低融点画分や乳脂の高融点画分等を使用しても良い。また、乳脂以外の食用油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオ脂、サル脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の各種の植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択された一又は二以上の処理を施した加工油脂や、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等が挙げられる。本発明の醗酵乳製品においては、これらの食用油脂を単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記食用油脂の配合割合は、乳脂を含む乳原料や食品素材に含まれる乳脂を含めて、本発明の醗酵乳製品中、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは12〜55重量%、最も好ましくは15〜45重量%となる量である。10重量%未満では、本発明の醗酵乳製品の口融け及び食感が悪くなる場合があり、また、60重量%を超えると、安定な水中油型乳化物が得られないおそれがある。
上記乳化剤としては、レシチン、酵素処理レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。本発明の醗酵乳製品では、風味や、消費者の間に広まっている天然志向に応える観点から、上記乳化剤、特に合成乳化剤を使用しないことが好ましい。
上記金属イオン封鎖剤は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等を封鎖するものであり、その具体例としては、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ウルトラポリリン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム等の各種リン酸塩、並びにクエン酸、酒石酸等の有機酸塩類、及び炭酸塩等の無機塩類が挙げられる。また、これらの金属イオン封鎖剤を含有する食品素材の形で本発明の醗酵乳製品に含有させてもよい。本発明の醗酵乳製品では、これらの各種金属イオン封鎖剤の中から選ばれた1種又は2種以上を、目的に応じて用いることができる。
上記金属イオン封鎖剤の含有量は、本発明の醗酵乳製品中、好ましくは0〜1.0重量%である。
上記糖類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。これらの糖類及び甘味料は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記糖類及び上記甘味料の含有量は、本発明の醗酵乳製品中、好ましくは0〜80重量%、さらに好ましくは0〜70重量%、最も好ましくは0〜60重量%である。
上記糖類は、乳酸醗酵前に乳原料ミックス液に対して添加しても、乳酸醗酵後の乳酸醗酵物に対して添加してもよいが、乳酸醗酵前に乳原料ミックス液に対して添加する場合は、多量に添加すると乳酸醗酵が阻害される恐れがあるので、乳原料ミックス液中の糖類の含有量は20重量%以下とし、残りを乳酸醗酵後に添加することが好ましい。
上記酵素としては、キモシン、トランスグルタミナーゼ、ラクターゼ(β−ガラクトシダーゼ)、αアミラーゼ、βアミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ、ペントサナーゼ、ぺクチナーゼ、インベルターゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、カタラーゼ、リポキシゲナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、スルフィドリルオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ等が挙げられる。これらの酵素は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明の醗酵乳製品中の水分は、好ましくは20〜85重量%、さらに好ましくは25〜83重量%、最も好ましくは35〜80重量%とする。
また、本発明の醗酵乳製品は、卵黄由来成分を含まない方が、より乳風味を向上させることが可能な点で好ましい。該卵黄由来成分としては、卵黄レシチン、卵黄リゾレシチン等の卵黄由来の乳化剤や、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質等の卵黄蛋白質、あるいは、加塩卵黄、加糖卵黄、加塩全卵、酵素処理卵黄、粉末卵黄、粉末全卵等の卵黄由来の食品素材等が挙げられる。
上述した本発明の醗酵乳製品の好ましい製造方法について以下に説明する。
先ず、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である上記乳原料を含有する乳原料ミックス液を調製する。上記乳原料がペースト状や流動状であれば、上記乳原料をそのまま乳原料ミックス液として用いることも可能であるが、一般的には、上記乳原料を、牛乳、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の水中油型の乳、乳製品、あるいは水に溶解又は分散させ、必要に応じて、アミノ酸、ビタミン等の乳酸醗酵促進物質、蛋白質、乳化剤等を添加し、水分含量が好ましくは20〜85重量%となるように調整して乳原料ミックス液とする。また、該乳原料ミックス液は、食用油脂を添加した水中油型乳化物としてもよい。
次に、必要に応じて、この乳原料ミックス液を加熱する。加熱する温度は、好ましくは35〜75℃である。さらに、必要に応じて均質化を行なう。均質化を行なうための均質化機としては、例えば、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等が挙げられ、好ましくは1〜200MPaの均質化圧力にて均質化を行なう。
均質化後、必要に応じて、加熱殺菌を行なう。該加熱殺菌の方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波、ジュール加熱式等の直接加熱方式、又は、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の50〜160℃、好ましくは55〜100℃の加熱処理を行なえば良い。
このようにして調製された乳原料ミックス液に乳酸菌を添加して、乳酸醗酵を行ない、本発明の醗酵乳製品(乳酸醗酵物)を得る。
上記乳酸菌としては、特に制限されるものではないが、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis var. diacetylactis、Lactobacillus casei subsp. casei、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis、Lactobacillus jugurti、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus kefyr、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus rhamnosus、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris 、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium breve等が挙げられ、これらを単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。また、これらの乳酸菌は、乳酸菌を含む醗酵乳の形態で上記乳原料ミックス液に加えることも可能である。また、更に、醗酵乳製品の風味を向上させる目的で、Candida kefyr、Kluyveromyces marxianus var. marxianus、Saccharomyces unisporus、Saccharomyces florentinus等の酵母を含むスターターを使用してもよい。
上記乳酸醗酵の条件は、使用される各乳酸菌に好適な条件を適宜選択すればよく、例えば、使用される各乳酸菌の最適醗酵温度(例えば20〜40℃)で、6〜24時間乳酸醗酵させる。
好ましい物性及び風味を付与するためには、本発明の醗酵乳製品のpHを好ましくは4〜6、より好ましくは4.0〜5.5、更に好ましくは4.3〜5.2、最も好ましくは4.5〜5.0とする。pHが4未満であると、酸味が強すぎて風味が悪くなりやすい。またpHが6を超えてしまうと、好ましい物性及び風味が得られにくい。
また、得られた本発明の醗酵乳製品(乳酸醗酵物)は、さらに、食用油脂、安定剤等の副原料を添加混合し、加熱溶融、乳化した後、加熱殺菌、均質化してもよい。これらの操作を加えることにより、より口溶けが滑らかで、乳化が安定した醗酵乳製品を得ることができる。
この場合、先ず、得られた本発明の醗酵乳製品(乳酸醗酵物)に対し、食用油脂、安定剤等の副原料を添加混合した後、加熱溶融し、乳化して水中油型乳化物とする。そして、必要に応じて加熱殺菌を行なう。該加熱殺菌の方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波、ジュール加熱式等の直接加熱方式、又は、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の60〜160℃、好ましくは75〜100℃の加熱処理を行なえば良い。
次に、上記水中油型乳化物を均質化機にて均質化する。均質化機としては、例えば、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等が挙げられ、好ましくは1〜200MPa、さらに好ましくは5〜150MPa、最も好ましくは10〜100MPaの均質化圧力にて均質化を行なう。この均質化処理は、2段式ホモゲナイザーを用いて、例えば、1段目10〜200MPa、2段目0〜50MPaの均質化圧力にて行なっても良い。
また、得られた本発明の醗酵乳製品は、必要に応じて冷却しても良い。冷却方法は、例えば、ボーテーター、コンビネーター、パーフェクター等の急冷可塑化機にて急冷可塑化処理を行う方法でも良く、チューブラー式、掻取式等の熱交換機によって冷却する方法でも良い。別の方法として、適当な容器に充填した後に、水浴、氷浴、冷蔵庫、冷凍庫等で冷却する方法も挙げられる。
本発明の醗酵乳製品は、良好な乳風味及び滑らかな食感を有し、例えば、食パン、バラエティブレッド、バターロール、ソフトロール、ハードロール、スイートロール、フランスパン、菓子パン、蒸しパン、デニッシュ・ペストリー、パイ、パンケーキ、シューパフ、ドーナツ、ケーキ、クラッカー、クッキー、タルト、ハードビスケット、ワッフル、スコーン、どら焼、タイヤキ、今川焼、お好み焼き、たこ焼き、蒸しケーキ、蒸しプディング、焼プディング等のベーカリー食品に用いることができる。
上記ベーカリー食品における本発明の醗酵乳製品の使用量は特に制限はなく、食品の見栄えや食品の種類により適宜決定される。また、本発明の醗酵乳製品と上記ベーカリー食品との組み合わせ方法は、特に制限されるものではなく、例えば、本発明の醗酵乳製品の性状に応じて、ベーカリー食品にトッピングしたり、サンドしたり、注入したり、包あんすることが可能であり、また、練込むことも勿論可能である。また、食品に本発明の醗酵乳製品をトッピング、サンド、注入、包あん、練り込んだものを焼成してもよい。
本発明の醗酵乳製品のベーカリー食品以外の用途としては、調理用のソースが挙げられる。即ち、ハンバーグ、フライ、コロッケ、サラダ、ピザ、パスタ等の料理のトッピング用、練込用等に使用することもできる。
また、本発明の醗酵乳製品は、ゼリー、プディング、ババロア等の各種和洋菓子のトッピング用、練込用等に使用することもできる。
また、さらに、本発明の醗酵乳製品は、マーガリン、ファットスプレッド、油中水型生チョコレート等の油中水型乳化油脂組成物、又はフラワーペースト、水中油型マーガリン、ホイップクリーム、製菓・製パン用濃縮乳、マヨネーズ、乳化型ドレッシング、水中油型生チョコレート等の水中油型乳化油脂組成物の、水相成分の一部(好ましくは水相中20重量%以上)又は全部として使用することが可能である。本発明の醗酵乳製品を水相成分に使用すると、油脂組成物に良好な食感と風味を付与することができる上に、乳化安定性を向上させ、離水や油脂分離を防止することも可能となる。これらの油脂組成物は、常法に準じて調製することができる。油脂組成物における水相と油相との重量比(前者:後者)は、油脂組成物の用途等により適宜選択されるが、好ましくは、油中水型乳化油脂組成物の場合は3〜60:97〜40、水中油型乳化油脂組成物の場合は30〜97:70〜3の範囲から選択する。
なお、本発明においては、上記油中水型乳化油脂組成物には油中水中油型乳化油脂組成物も勿論含まれ、上記水中油型乳化油脂組成物には水中油中水型乳化油脂組成物も勿論含まれる。なお、水中油中水型乳化油脂組成物に本発明の醗酵乳製品を使用する場合は、外水相、内水相とも使用することが可能であるが、外水相に使用することが好ましい。
次に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。尚、以下の実施例1〜12のうち、実施例2〜6及び8が本発明の実施例であり、実施例1、7及び9〜12は参考例である。
(実施例1)
ナチュラルチーズ(リン脂質含量0.06重量%、蛋白質含量7.0重量%)25重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含量3.7重量%、蛋白質含量12重量%、乳固形分38重量%、乳固形分中のリン脂質含量9.8重量%、)7重量部、乳糖5重量部、及び水62.995重量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、乳原料ミックス液を調製した。この乳原料ミックス液にLactococcus lactis subsp. lactis及びLactococcus lactis subsp. cremorisから成る乳酸菌スターターを0.005重量部加え、混合後、容器に充填し、30℃で14時間醗酵し、本発明の醗酵乳製品であるpH4.6の静置型ヨーグルトを得た。
得られた本発明の醗酵乳製品中、乳固形分中のリン脂質含量が2重量%以上である乳原料の固形分の含量は2.66重量%であり、蛋白質含量は3.1重量%であり、リン脂質:蛋白質=8.8:91.2(重量比)であった。
また、得られた本発明の醗酵乳製品は、ホエイの分離もなく、良好な風味及び口融け並びに滑らかな食感を有していた。
(実施例2)
脱脂粉乳(リン脂質含量0重量%、蛋白質含量11重量%)5重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物3重量部、ホエイパウダー(リン脂質含量0重量%、蛋白質含量34重量%)3重量部、乳糖3重量部、及び水48.19重量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、乳原料ミックス液を調製した。この乳原料ミックス液にLactococcus lactis subsp. lactis及びLactococcus lactis
subsp. cremorisから成る乳酸菌スターター0.005重量部を加え、30℃で14時間醗酵し、pH4.6の乳酸醗酵物を得た。この乳酸醗酵物を60℃に加熱し、これにアルギン酸0.1重量部、アルギン酸ナトリウム0.8重量部、大豆油33重量部、50%トコフェロール0.005重量部、岩塩0.2重量部、クエン酸3ナトリウム0.5重量部、クリームチーズフレーバー0.2重量部、及びオクテニルコハク酸澱粉ナトリウム3重量部を順に加え、配合槽で混合し、これを掻取式熱交換器にて140℃で30秒間加熱殺菌し、次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて2段目3MPa、1段目43MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の醗酵乳製品であるpH4.7のクリームチーズ様食品を得た。
得られた本発明の醗酵乳製品中、乳固形分中のリン脂質含量が2重量%以上である乳原料の固形分の含量は1.14重量%であり、蛋白質含量は1.9重量%であり、リン脂質:蛋白質=5.5:94.5(重量比)であった。
また、得られた本発明の醗酵乳製品は、良好なクリームチーズ風味及び口融け並びに滑らかな食感を有しており、食パン生地の上にトッピング又はフィリングし、焼成しても、油の分離がない良好な焼き残り性を示した。
(実施例3)
ナチュラルチーズ25重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物7重量部、乳糖5重量部、及び水39.49重量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、乳原料ミックス液を調製した。この乳原料ミックス液にLactococcus lactis subsp. lactis及びLactococcus lactis subsp. cremorisから成る乳酸菌スターターを0.005重量部加え、30℃で14時間醗酵し、pH4.6の乳酸醗酵物を得た。この乳酸醗酵物を60℃に加熱し、これにアルギン酸0.1重量部、アルギン酸ナトリウム0.8重量部、大豆油21重量部、50%トコフェロール0.005重量部、ゼラチン分解物(リン脂質含量0重量%、蛋白質含量95重量%)1重量部、岩塩0.1重量部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.3重量部、及びクリームチーズフレーバー0.2重量部を順に加え、配合槽で混合し、これを掻取式熱交換器にて140℃で30秒間加熱殺菌し、次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて2段目3MPa、1段目43MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の醗酵乳製品であるpH4.7のクリームチーズ様食品を得た。
得られた本発明の醗酵乳製品中、乳固形分中のリン脂質含量が2重量%以上である乳原料の固形分の含量は2.66重量%であり、蛋白質含量は3.51重量%であり、リン脂質:蛋白質=7.2:92.9(重量比)であった。
また、得られた本発明の醗酵乳製品は、良好なクリームチーズ風味及び口融け並びに滑らかな食感を有しており、食パン生地の上にトッピング又はフィリングし、焼成しても、油の分離がない良好な焼き残り性を示した。
(実施例4)
ナチュラルチーズ25重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物3重量部、ホエイパウダー3重量部、乳糖3重量部、及び水40.19重量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、乳原料ミックス液を調製した。この乳原料ミックス液にLactococcus lactis subsp. lactis及びLactococcus lactis subsp. cremorisから成る乳酸菌スターター0.005重量部を加え、30℃で14時間醗酵し、pH4.6の乳酸醗酵物を得た。この乳酸醗酵物を60℃に加熱し、これにアルギン酸0.1重量部、アルギン酸ナトリウム0.8重量部、大豆油21重量部、50%トコフェロール0.005重量部、岩塩0.2重量部、クエン酸3ナトリウム0.5重量部、クリームチーズフレーバー0.2重量部、及びヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉3重量部を順に加え、配合槽で混合し、これを掻取式熱交換器にて140℃で30秒間加熱殺菌し、次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて2段目3MPa、1段目43MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の醗酵乳製品であるpH4.7のクリームチーズ様食品を得た。
得られた本発明の醗酵乳製品中、乳固形分中のリン脂質含量が2重量%以上である乳原料の固形分の含量は1.14重量%であり、蛋白質含量は3.1重量%であり、リン脂質:蛋白質=3.9:96.1(重量比)であった。
また、得られた本発明の醗酵乳製品は、良好なクリームチーズ風味及び口融け並びに滑らかな食感を有しており、食パン生地の上にトッピング又はフィリングし、焼成しても、油の分離がない良好な焼き残り性を示した。
(実施例5)
ナチュラルチーズ25重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物3重量部、ホエイパウダー3重量部、乳糖3重量部、及び水39.59重量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、乳原料ミックス液を調製した。この乳原料ミックス液にLactococcus lactis subsp. lactis及びLactococcus lactis subsp. cremorisから成る乳酸菌スターター0.005重量部を加え、30℃で14時間醗酵し、pH4.6の乳酸醗酵物を得た。この乳酸醗酵物を60℃に加熱し、LMペクチン1重量部、ローカストビーンガム0.1重量部、大豆油21重量部、50%トコフェロール0.005重量部、岩塩0.2重量部、クエン酸3ナトリウム0.5重量部、クリームチーズフレーバー0.2重量部、及びリン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉3重量部を順に加え、配合槽で混合し、これを掻取式熱交換器にて140℃で30秒間加熱殺菌し、次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて2段目3MPa、1段目43MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の醗酵乳製品である、pH4.7のクリームチーズ様食品を得た。
得られた本発明の醗酵乳製品中、乳固形分中のリン脂質含量が2重量%以上である乳原料の固形分の含量は1.14重量%であり、蛋白質含量は3.1重量%であり、リン脂質:蛋白質=3.9:96.1(重量比)であった。
また、得られた本発明の醗酵乳製品は、良好なクリームチーズ風味及び口融け並びに滑らかな食感を示した。
(実施例6)
ナチュラルチーズ25重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物3重量部、ホエイパウダー3重量部、乳糖3重量部及び水29.59重量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、乳原料ミックス液を調製した。この乳原料ミックス液にLactococcus lactis subsp. lactis及びLactococcus lactis subsp. cremorisから成る乳酸菌スターター0.005重量部を加え、30℃で14時間醗酵し、pH4.6の乳酸醗酵物を得た。この乳酸醗酵物を60℃に加熱し、LMペクチン1重量部、ローカストビーンガム0.1重量部、大豆油21重量部、50%トコフェロール0.005重量部、グラニュー糖10重量部、岩塩0.2重量部、クエン酸3ナトリウム0.5重量部、クリームチーズフレーバー0.2重量部、及びヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉3重量部を順に加え、配合槽で混合し、これを掻取式熱交換器にて140℃で30秒間加熱殺菌し、次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて2段目3MPa、1段目43MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の醗酵乳製品であるpH4.7のクリームチーズ様食品を得た。
得られた本発明の醗酵乳製品中、乳固形分中のリン脂質含量が2重量%以上である乳原料の固形分の含量は1.14重量%であり、蛋白質含量は3.1重量%であり、リン脂質:蛋白質=3.9:96.1(重量比)であった。
また、得られた本発明の醗酵乳製品は、良好なクリームチーズ風味及び口融け並びに滑らかな食感を有していた。
(実施例7)
パーム硬化油(融点40℃)50重量部、大豆油20重量部、レシチン0.1重量部、香料0.05重量部及び色素0.05重量部からなる油相と、実施例1で得られた醗酵乳製品17.84重量部、脱脂粉乳0.46重量部及び食塩0.1重量部からなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化して油中水型乳化物を得た。この油中水型乳化物をコンビネーターにて急冷可塑化して、油中水型可塑性乳化油脂組成物を製造した。
この可塑性乳化油脂組成物は、離水や油分離は全く見られず、均一な乳化状態を保ち、良好な可塑性と保型性を示した。また、口溶け、風味とも良好であった。
(実施例8)
パーム硬化油(融点40℃)50重量部、大豆油20重量部、レシチン0.1重量部、香料0.05重量部及び色素0.05重量部からなる油相と、実施例5で得られた醗酵乳製品17.84重量部、脱脂粉乳0.46重量部及び食塩0.1重量部からなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化して油中水型乳化物を得た。この油中水型乳化物をコンビネーターにて急冷可塑化して、油中水型可塑性乳化油脂組成物を製造した。
この可塑性乳化油脂組成物は、離水や油分離は全く見られず、均一な乳化状態を保ち、良好な可塑性と保型性を示した。また、口溶け、風味とも良好であった。
また、この可塑性乳化油脂組成物を30℃の恒温器に24時間保管したところ、保型性も良好で、離水や油分離は全く見られず、均一な乳化状態を保っていた。
(実施例9)
パーム硬化油(融点40℃)50重量部、大豆油20重量部、レシチン0.2重量部、香料0.05重量部及び色素0.05重量部からなる油相と、実施例1で得られた醗酵乳製品17.84重量部、脱脂粉乳0.46重量部、砂糖9.8重量部及び食塩0.1重量部からなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化して油中水型乳化物を得た。この油中水型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、油中水型可塑性乳化油脂組成物を製造した。
この可塑性乳化油脂組成物は、離水や油分離は全く見られず、均一な乳化状態を保っていた。また、物性も良好なクリーム状であり、口溶け、風味とも良好であった。
また、この可塑性乳化油脂組成物を10コート竪型ミキサーでビーターを使用して比重が0.80となるまで起泡し、星型口金を装着した絞り袋を用いてポリカップに15g絞りだし、これを25℃の恒温器に24時間保管したところ、保型性も良好で、離水や油分離は全く見られず、均一な乳化状態を保っていた。
(実施例10)
大豆油40重量%に、ワキシーコーンをリン酸架橋後に糊化した化工澱粉2重量%及びメチルセルロース1.5重量%を混合して油相を調製した。また、別に、実施例1で得られた醗酵乳製品39.3重量%、食酢(酢酸酸度15重量%、水分85重量%)6重量%、食塩2重量%、グルタミン酸ナトリウム0.2重量%、ラクトアルブミン3重量%、及び卵黄6重量%を混合して水相を調製した。次いで、水相を攪拌しつつ油相を加え、水中油型予備乳化物を得、これをコロイドミルにて乳化し、乳化型ドレッシングを得た。
また、得られた乳化型ドレッシングは油分離は全く見られず、均一な乳化状態を保っていた。また、物性も良好なクリーム状であり、口溶け、風味とも良好であった。
(実施例11)
パーム油5重量%にソルビタン脂肪酸エステル0.5重量%及びキサンタンガム0.2重量%を添加し、油相とした。実施例1で得られた醗酵乳製品45重量%、デンプン(水分13重量%)8重量%、ソルビン酸カリウム0.1重量%、砂糖異性化液糖(糖分75重量%、水分25重量%)35重量%、小麦粉3重量%、脱脂粉乳(糖分53重量%、水分3.8重量%)1.1重量%、乾燥全卵(糖分4.1重量%、水分3.2重量%)2重量%及び香料0.1重量%を混合し水相とした。この油相と水相とを混合、乳化、均質化し、加熱殺菌し、22℃まで冷却して、フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは、離水や油分離は全く見られず、均一な乳化状態を保っていた。また、物性も良好なクリーム状であり、口溶け、風味とも良好であった。
(実施例12)
カカオマス16重量%、砂糖44重量%、ココアバター10重量%、ハードバター10重量%及び全脂粉乳20重量%から成る配合にて、常法に従い、ミルクチョコレート生地を製造した。そして、30℃に調温した上記ミルクチョコレート生地80重量%と、実施例1で得られた醗酵乳製品を30℃に調温したもの20重量%とを合わせて乳化し、油中水型チョコレートを製造した。
この油中水型チョコレートを5℃の恒温器に24時間保存したものは、口溶けがよく、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保型性は良好であった。
(比較例1)
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物7重量部に代えて、牛乳(リン脂質含量0.03重量%、蛋白質含量2.9重量%)7重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較用の醗酵乳製品であるpH4.6の静置型ヨーグルトを得た。
得られた比較用の醗酵乳製品中、乳固形分中のリン脂質含量が2重量%以上である乳原料の固形分の含量は0重量%であり、蛋白質含量は3.1重量%であり、リン脂質:蛋白質=0.3:97.7(重量比)であった。
また、得られた比較用の醗酵乳製品は、若干のホエイの分離が見られ、また、ボソついた食感であった。
(比較例2)
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物3重量部に代えて、牛乳3重量部を用いた以外は、実施例2と同様にして、比較用の醗酵乳製品であるpH4.7のクリームチーズ様食品を得た。
得られた比較用の醗酵乳製品中、乳固形分中のリン脂質含量が2重量%以上である乳原料の固形分の含量は0重量%であり、蛋白質含量は1.65重量%であり、リン脂質:蛋白質=0.6:99.3(重量比)であった。
また、得られた比較用の醗酵乳製品は、口融けが悪く、ボソついた食感であり、食パン生地の上にトッピング又はフィリングし、焼成した際に、乳化が破壊され、油の分離が生じた。
(比較例3)
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物3重量部に代えて、牛乳3重量部を用いた以外は、実施例4と同様にして、比較用の醗酵乳製品であるpH4.7のクリームチーズ様食品を得た。
得られた比較用の醗酵乳製品中、乳固形分中のリン脂質含量が2重量%以上である乳原料の固形分の含量は0重量%であり、蛋白質含量は2.04重量%であり、リン脂質:蛋白質=0.6:99.3(重量比)であった。
また、得られた比較用の醗酵乳製品は、口融けが悪く、ボソついた食感であり、食パン生地の上にトッピング又はフィリングし、焼成した際に、乳化が破壊され、油の分離が生じた。

Claims (8)

  1. 乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が該固形分を基準として2重量%以上である乳原料を含む乳原料ミックス液に対して乳酸菌を添加し、乳酸醗酵を行なった乳酸醗酵物、並びにアルギン酸、アルギン酸塩、ローカストビーンガム及びLMペクチンの中から選ばれた安定剤の1種又は2種以上を含み、リン脂質と蛋白質との配合重量比が、リン脂質:蛋白質=1:99〜20:80であることを特徴とする醗酵乳製品。
  2. 上記乳原料を固形分として0.1〜8重量%含むことを特徴とする請求項1記載の醗酵乳製品。
  3. 可塑性を有することを特徴とする請求項1又は2記載の醗酵乳製品。
  4. 総蛋白質含量が0.3〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の醗酵乳製品。
  5. 上記安定剤を0.001〜5重量%含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の醗酵乳製品。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の醗酵乳製品を、水相の一部又は全部に使用したことを特徴とする油中水型乳化油脂組成物。
  7. 請求項1〜5の何れか一項に記載の醗酵乳製品を、水相の一部又は全部に使用したことを特徴とする水中油型乳化油脂組成物。
  8. 請求項1〜5の何れか一項に記載の醗酵乳製品を製造する方法であって、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が該固形分を基準として2重量%以上である乳原料を含む乳原料ミックス液に対し乳酸菌を添加し、乳酸醗酵を行なうことを特徴とする醗酵乳製品の製造方法。
JP2009202307A 2003-07-11 2009-09-02 醗酵乳製品及びその製造方法 Active JP4754013B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009202307A JP4754013B2 (ja) 2003-07-11 2009-09-02 醗酵乳製品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003195991 2003-07-11
JP2003195991 2003-07-11
JP2009202307A JP4754013B2 (ja) 2003-07-11 2009-09-02 醗酵乳製品及びその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004201415A Division JP4409379B2 (ja) 2003-07-11 2004-07-08 醗酵乳製品及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009279012A JP2009279012A (ja) 2009-12-03
JP4754013B2 true JP4754013B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=41450139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009202307A Active JP4754013B2 (ja) 2003-07-11 2009-09-02 醗酵乳製品及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4754013B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108124415A (zh) * 2017-12-11 2018-06-05 新希望双喜乳业(苏州)有限公司 一种袋装风味发酵乳

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5672737B2 (ja) * 2010-03-26 2015-02-18 不二製油株式会社 クリームチーズ様食品
JP6042824B2 (ja) * 2011-02-08 2016-12-14 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 動物タンパク質とカルボキシ−c1〜c3−アルキルセルロースとを含む液体
JP6203050B2 (ja) * 2011-03-30 2017-09-27 株式会社明治 液状発酵乳及びその製造方法
JP6182743B2 (ja) * 2013-03-29 2017-08-23 雪印メグミルク株式会社 油中水型乳化組成物
JP6509508B2 (ja) * 2013-09-13 2019-05-08 株式会社Adeka 水中油型乳化脂用乳化材
JP6228789B2 (ja) * 2013-09-13 2017-11-08 株式会社Adeka 水中油型乳化脂用乳化材の製造方法
JP6717577B2 (ja) * 2015-07-30 2020-07-01 株式会社Adeka 水中油型乳化脂用乳化材
JP7162410B2 (ja) * 2016-05-30 2022-10-28 株式会社Adeka シュー用改良材、及び、シュー用油脂組成物
JP2018143162A (ja) * 2017-03-03 2018-09-20 株式会社明治 撹拌型発酵乳の製造方法
JP7455062B2 (ja) * 2018-01-15 2024-03-25 セーホーエル.ハンセン アクティーゼルスカブ ホスホリパーゼを用いた発酵乳製品及びその調製物

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000236809A (ja) * 1999-02-24 2000-09-05 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 乳脂肪組成物
JP2000270766A (ja) * 1999-03-29 2000-10-03 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 餅様食感を有する発酵乳及びその製造方法
JP2001128642A (ja) * 1999-11-02 2001-05-15 Meiji Milk Prod Co Ltd 乳由来のリン脂質を配合した食品組成物。
JP2002125590A (ja) * 2000-10-30 2002-05-08 Asahi Denka Kogyo Kk 可塑性水中油型乳化油脂組成物
JP2003047400A (ja) * 2001-08-01 2003-02-18 Sanei Gen Ffi Inc 発酵乳食品及びその製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3137268B2 (ja) * 1991-05-20 2001-02-19 明治乳業株式会社 高コレステロ−ル含有乳製品

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000236809A (ja) * 1999-02-24 2000-09-05 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 乳脂肪組成物
JP2000270766A (ja) * 1999-03-29 2000-10-03 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 餅様食感を有する発酵乳及びその製造方法
JP2001128642A (ja) * 1999-11-02 2001-05-15 Meiji Milk Prod Co Ltd 乳由来のリン脂質を配合した食品組成物。
JP2002125590A (ja) * 2000-10-30 2002-05-08 Asahi Denka Kogyo Kk 可塑性水中油型乳化油脂組成物
JP2003047400A (ja) * 2001-08-01 2003-02-18 Sanei Gen Ffi Inc 発酵乳食品及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108124415A (zh) * 2017-12-11 2018-06-05 新希望双喜乳业(苏州)有限公司 一种袋装风味发酵乳

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009279012A (ja) 2009-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4409379B2 (ja) 醗酵乳製品及びその製造方法
JP4754013B2 (ja) 醗酵乳製品及びその製造方法
JP4390598B2 (ja) 可塑性水中油型乳化組成物およびその製造方法
JP4397170B2 (ja) 油中水型可塑性乳化油脂組成物
JP2014068583A (ja) 可塑性油中水型乳化物、それを用いたベーカリー生地及びベーカリー製品
JP4578055B2 (ja) 水中油型乳化脂
JP5851153B2 (ja) 起泡性水中油型乳化物
JP4368052B2 (ja) 可塑性水中油型乳化油脂組成物
JP5510959B2 (ja) 蒸ケーキ生地及び蒸ケーキ類
JP5714288B2 (ja) ベーカリー練り込み用可塑性油中水型乳化油脂組成物
JP2006081515A (ja) パン類生地及びその製造方法
JP2009232805A (ja) 焼菓子生地
JP6666782B2 (ja) 可塑性油中水型乳化油脂組成物
JP2008253147A (ja) 蒸ケーキ生地及びその製造方法
JP2018164444A (ja) 可塑性油中水型乳化油脂組成物
JP2010075083A (ja) 殺菌済濃縮牛乳状組成物
JP2012231756A (ja) 水中油型乳化物
JP4357126B2 (ja) 水中油型乳化脂
JP6154691B2 (ja) スポンジケーキ用懸濁液
JP2015213474A (ja) 可塑性油中水型乳化物
JP7438682B2 (ja) フラワーペースト
JP2005304373A (ja) ホットケーキ類生地
JP2005046090A (ja) 畜肉加工食品用水中油型乳化組成物
JP2009082097A (ja) スフレケーキ生地の製造方法
JP2012075430A (ja) カスタード風味を呈する起泡性水中油型乳化油脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091002

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091002

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110524

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110524

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4754013

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3