JP6666782B2 - 可塑性油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents
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Description
しかし、これらの粉末状の乳製品は、乳の中の好ましくない風味成分まで濃縮されているため、乳の甘味が感じられず、エグ味が強く感じられてしまうという問題があった。
まず、一般的には、香料や乳脂分解物等の風味成分が使用される。しかし、この方法では乳風味は増強されるが、味に厚みがなく、優れたコクのある乳風味の可塑性油中水型乳化油脂組成物が得られないという問題があった。
また、発酵乳や醗酵バターを使用する方法も行われるが、この方法では、特有の発酵風味が付与されてしまうという問題があった。
しかし、特許文献1〜6の乳風味増強剤を併用する方法は、実際には乳風味自体を付与しているのではなく、単にコク味を付与することにより乳風味を増強しようとするものである。そのため、コク味の強さの割りに乳風味、特に乳の甘い風味が感じられないという問題があった。また、乳風味以外の成分の風味をも同様に増強してしまい、乳風味が目立って増強されたように感じられない、という問題もあった。また、これらの素材はコク味を付与するために素材自体の風味が強く、添加量を増やすとそれらの風味が感じられてしまうという問題もあった。
また、特許文献7に記載のアミノ酸組成物を使用する方法は、バター風味を強化するためにアミノ酸の添加量を増やすと、エグ味が出るおそれがあるという問題があった。
また、本発明は、該可塑性油中水型乳化油脂組成物を配合したベーカリー製品を提供するものである。
また、本発明のベーカリー製品は、乳蛋白質、バターや乳脂の含量が少ない場合であっても、エグ味のない持続性のある甘くコクのある乳風味を有する。
乳清ミネラルとは、乳又はホエイ(乳清)から、可能な限り蛋白質や乳糖を除去したものであり、高濃度に乳の灰分を含有するという特徴を有する。そのため、そのミネラル組成は、原料となる乳やホエイ中のミネラル組成に近い比率となる。
乳清カルシウムとは、乳又はホエイ(乳清)から得られるカルシウムを多く含有する灰分を主体とする乳原料のことであり、好ましくは、酸ホエイから可能な限り蛋白質や乳糖を除去後、溶液をpH6.0から8.0に調整し、生成した不溶物を分離して得られるものである。本発明の乳清カルシウムとしては、このような工程により調製したものを用いることができるほか、市販されている乳清カルシウムを用いることもできる。
本発明において乳清ミネラルと乳清カルシウムを併用する場合、その好ましい合計含量は組成物基準で、固形分として好ましくは0.03〜2質量%、より好ましくは0.05〜1.5質量%、さらに好ましくは0.1〜1%であり、また、その好ましい含量比は固形分の質量比(前者:後者)で好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは10:90〜80:20、さらに好ましくは10:90〜67:34である。
苦汁とは海水から塩化ナトリウムを採取する際の副生物であり、その組成は、製塩方法、濃縮度及び濃縮温度等の条件により異なるが、主成分は塩化マグネシウムである。
尚、本発明では上記乳酸発酵風味素材として、乳酸発酵を利用した市販の飲食品や風味素材、例えばクリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト、発酵乳飲料、製パン用発酵種等を使用することもできる。
また、本発明では、上記乳酸発酵風味素材として、基質や発酵条件の異なる2種以上の乳酸発酵風味素材を用いることもできる。
具体的には、牛乳、濃縮乳、ホエイ、クリーム、バター、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の水分を多く含有する乳や乳製品、あるいは水に、脱脂粉乳、全粉乳、ホエイパウダー等の粉乳類や、乳蛋白質、乳糖、バター等の乳原料を添加し、水分含量が好ましくは20〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%となるように調整して、乳原料を含有するミックス液とする。また、該乳原料を含有するミックス液は、食用油脂を添加した水中油型乳化物とすることもできるが、良好な風味バランスの乳酸発酵風味素材を得るため、本発明では、ミックス液の油脂含量を好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とする。
ミックス液は、風味が強化された乳酸発酵風味素材を安定して製造可能な点で、上記乳原料の含量が無脂乳固形分として2〜50質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
均質化後、必要に応じて、加熱殺菌を行なう。該加熱殺菌の方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波、ジュール加熱式等の直接加熱方式、又は、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の50〜160℃、好ましくは55〜100℃の加熱処理を行なうことができる。
尚、本発明で使用する乳酸菌としては特に制限されるものではないが、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis var. diacetylactis、Lactobacillus casei subsp. casei、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis、Lactobacillus jugurti、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus kefyr、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus rhamnosus、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris 、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium breve等が挙げられ、これらを単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、これらの乳酸菌は、乳酸菌を含む発酵乳の形態で使用することも可能である。また、さらに、乳酸発酵風味素材の風味を向上させる目的で、Candida kefyr、Kluyveromyces marxianus var. marxianus、Saccharomyces unisporus、Saccharomyces florentinus等の酵母を含むスターターを使用することも可能である。
乳酸発酵時間は、基質濃度や乳酸菌の添加量等に応じ適宜選択可能であるが、好ましくは、乳酸発酵後のpHの値が4〜6、より好ましくは4.0〜5.5、さらに好ましくは4.2〜5.2、最も好ましくは4.3〜4.8となる時間とする。
上記乳酸発酵時は、静置状態とすることもできるが、好ましくは攪拌を行なう。好ましい攪拌条件は、1分間に5〜50回転、より好ましくは10〜30回転である。
このようにして得られる乳酸発酵風味素材の固形分含量は、5〜20質量%であることが好ましく、10〜15質量%であることがより好ましい。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、動物油脂を油相中に50質量%以上(油相基準)含有するものであり、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上含有する。油相中における動物油脂の含有量の上限は、特に制限されるものではないが、好ましくは100質量%以下である。
動物油脂とは、動物から得られる油脂の総称であり、動物油脂としては、魚油、肝油、鯨油等の海産動物油脂と、さなぎ油、牛脚油、骨油、牛脂、豚脂、馬脂、鶏油、卵油、骨脂、乳脂等の動物脂が挙げられる。本発明では、動物油脂として、上記各種動物油脂並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂を使用することができる。
また、下記のその他の原料に動物油脂が含まれる場合は、その動物油脂の純分について上記動物油脂の含量として算入するものとする。
上記その他の原料としては、例えば、澱粉、乳化剤、増粘安定剤、乳清ミネラル・乳清カルシウム以外の乳や乳製品、蛋白質、糖類/甘味料、卵類、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、着香料、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の各種食品素材や食品添加物が挙げられる。
本発明の可塑性油中水型乳化物は例えば、乳清ミネラル及び/又は乳清カルシウムを含有させた水相を調製し、動物油脂を50質量%以上含有する油相と該水相とを乳化、可塑化させることによって得ることができる。
次に、水に乳清ミネラル及び/又は乳清カルシウム、さらに、好ましくは苦汁及び/又は乳酸発酵風味素材、必要に応じてその他の原料を添加・混合し、水相を調製する。このときの、上記乳清ミネラル、乳清カルシウム、苦汁及び乳酸発酵風味素材等の配合量は上述のとおりである。
続いて、得られた油相へ水相を加え、混合乳化し予備乳化物を得る。油相と水相の混合比率(前者:後者)は、質量比で、50:50〜98:2が好ましく、70:30〜95:5がより好ましい。尚、混合乳化は、当該技術分野で公知の方法及び条件で行うことができる。
次に、上記予備乳化物を冷却し、可塑化する。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、さらに好ましくは−5℃/分以上とする。この際、徐冷却より、急速冷却の方が好ましい。
冷却に用いる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンピネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組み合わせも挙げられる。
また、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、シート状、ブロック状、円柱状、直方体等の形状とすることができる。
また、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、他にも、カレールウ用、バッター用、ソース用、フライ用等の調理・総菜用としても使用することができる。
本発明のベーカリー製品は、上述のように本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物を配合したものである。配合方法の例としては、ベーカリー生地製造時に練り込み用及び/又はロールイン用として配合する方法が挙げられる。
また、ロールイン使用する場合で、菓子生地の場合は菓子生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは30〜150質量部、より好ましくは50〜100質量部であり、パン生地の場合はパン生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは30〜70質量部である。
本発明では、澱粉類中、小麦粉類を好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは100質量%使用することが望ましい。
上記成形においては、任意の形状に成形することができ、型詰めを行うこともできる。成形は、手作業で行うことができ、また連続ラインを用いて全自動で行うこともできる。
上記加熱処理としては、例えば、焼成、フライ、蒸し、蒸し焼きが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を行うことができるが、焼成によることが好ましい。
また、得られた本発明のベーカリー製品を、冷蔵、冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエイをナノ濾過膜分離した後、さらに逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これをさらにエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中のカルシウム含量は0.4質量%であった。
脱脂粉乳(無脂乳固形分96質量%、蛋白質含量34質量%)4.5質量部、ホエイパウダー(無脂乳固形分98質量%、蛋白質含量11質量%)3.5質量部、トータルミルクプロテイン(無脂乳固形分95質量%、蛋白質含量91質量%)1質量部、無塩バター(無脂乳固形分1.2質量%、蛋白質含量0.5質量%、乳脂肪分83質量%)4質量部、バター分解物(デリシャンバターテイストHB−2、大洋香料株式会社製)0.2質量部、及び水86.78質量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、無脂乳固形分が9質量%、遊離脂肪酸含量が0.035質量%、乳脂含量が3.3質量%であるミックス液を調製した。この乳原料を含有するミックス液にLactobacillus helveticus及びLeuconostoc mesenteroidesの乳酸菌スターター各0.01質量部を加え、30℃で15回転/分で攪拌しながら12時間発酵し、固形分が13質量%、pHが4.54である乳酸発酵風味素材Aを得た。
〔実施例1〕
豚脂、牛脂、パームステアリン、菜種油を70:20:5:5の質量比で混合した混合油脂80.5質量部を60℃に加熱し、グリセリンモノステアリン酸エステル0.5質量部及びレシチン0.5質量部を添加・溶解した油相を用意した。一方、水18質量部を混合後60℃に加熱し、乳清ミネラルA0.5質量部を添加・溶解した水相を用意した。上記油相と水相を油中水型の乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分)にかけ、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物1を製造した。
実施例1で使用した乳清ミネラルA0.05質量部を、市販の乳清カルシウム(灰分中のカルシウム含量が35質量%)0.5質量部に置換した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物2を製造した。
実施例1で使用した乳清ミネラルA0.5質量部を、乳清ミネラルA0.2質量部及び市販の乳清カルシウム0.3質量部に置換した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物3を製造した。
実施例1で使用した乳清ミネラルA0.5質量部を、乳清ミネラルA0.2質量部及び市販の乳清カルシウム0.3質量部に置換し、市販の濃縮苦汁(固形分30質量%、灰分中のマグネシウム含量が11質量%)0.5質量部を添加し、水18質量部を17.5質量部に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物4を製造した。
実施例1で使用した乳清ミネラルA0.5質量部を、乳清ミネラルA0.2質量部及び市販の乳清カルシウム0.3質量部に置換し、実施例4で使用した濃縮苦汁0.5質量部及び脱脂粉乳0.9質量部を添加し、水18質量部を16.6質量部に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物5を製造した。
実施例1で使用した乳清ミネラルA0.5質量部を、乳清ミネラルA0.2質量部及び市販の乳清カルシウム0.3質量部に置換し、実施例4で使用した濃縮苦汁0.5質量部、ホエイプロテインコンセントレート(蛋白質含量80質量%)0.4質量部及び乳糖0.5質量部を添加し、水18質量部を16.6質量部に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物6を製造した。
実施例1で使用した乳清ミネラルA0.5質量部を、乳清ミネラルA0.2質量部及び市販の乳清カルシウム0.3質量部に置換し、実施例4で使用した濃縮苦汁0.5質量部及び乳酸発酵風味素材A4質量部を添加し、水18質量部を13.5質量部に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物7を製造した。
実施例1で使用した乳清ミネラルA0.5質量部を、乳清ミネラルA0.2質量部及び市販の乳清カルシウム0.3質量部に置換し、実施例4で使用した濃縮苦汁0.5質量部、脱脂粉乳0.9質量部及び乳酸発酵風味素材A4質量部を添加し、水18質量部を12.6質量部に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物8を製造した。
実施例1で使用した乳清ミネラルA0.5質量部を、乳清ミネラルA0.2質量部及び市販の乳清カルシウム0.3質量部に置換し、実施例4で使用した濃縮苦汁0.5質量部、ホエイプロテインコンセントレート(蛋白質含量80質量%)0.4質量部、乳糖0.5質量部及び乳酸発酵風味素材A4質量部を添加し、水18質量部を12.6質量部に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物9を製造した。
実施例8の使用混合油脂を、豚脂、牛脂、パームステアリン、菜種油を20:70:5:5の質量比で混合した混合油脂に変更した以外は実施例8と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物10を製造した。
実施例8の使用混合油脂を、 豚脂、パームステアリン、菜種油を80:15:5の質量比で混合した混合油脂に変更した以外は実施例8と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物11を製造した。
実施例8の使用混合油脂を、 豚脂、パームステアリン、菜種油を50:38:12の質量比で混合した混合油脂に変更した以外は実施例8と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物12を製造した。
実施例8の使用混合油脂を、乳脂、豚脂、パームステアリン、菜種油を5:50:35:10の質量比の質量比で混合した混合油脂に変更した以外は実施例8と同様の配合及び製法で、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物13を製造した。
実施例8で使用した乳清ミネラルA0.2質量部及び市販の乳清カルシウム0.3質量部を無添加とし、水12.6質量部を13.1質量部に変更した以外は実施例8と同様の配合及び製法で、比較例の可塑性油中水型乳化油脂組成物14を製造した。
実施例1で使用した混合油脂を、 パームスーパーオレインのランダムエステル交換油、パームステアリンを95:5の質量比で混合した混合油脂に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、比較例の可塑性油中水型乳化油脂組成物15を製造した。
12人のパネラーにより、可塑性油中水型乳化油脂組成物1〜15それぞれを直接喫食した際の香り、味、味の持続性、雑味について、それぞれ下記評価基準に従って官能評価し、12人のパネラーの合計点を評価点数として、結果を下記のようにして表1に示した。
51〜60点:◎++、41〜50点:◎+、31〜40点:◎、21〜30点:○、11〜20点:△、0〜10点:×
・香り
5点…甘い香りがはっきりと感じられる。
3点…甘い香りが感じられるがやや弱い。
1点…甘い香りがわずかに感じられる。
0点…甘い香りが感じられない。
・味
5点…良好なコクのある甘味が感じられる。
3点…コクのある甘味が感じられる。
1点…甘味は感じられるがコクがない。
0点…甘味が感じられない。
・味の持続性
5点…トップからラストまで呈味が感じられる。
3点…トップからミドルにかけて呈味を感じるがラストの呈味が弱い。
1点…トップには呈味を感じるが、ミドルからラストにかけての呈味が弱い。
0点…トップには呈味を感じるが、すぐに消えてしまう。
・雑味
5点…まったくエグ味が感じられず、極めて良好である。
3点…ほとんどエグ味が感じられず、良好である。
1点…エグ味が感じられ、やや不良である。
0点…はっきりしたエグ味が感じられ、不良である。
上記可塑性油中水型乳化油脂組成物1〜15について、下記に示す配合及び製法により菓子パンを製造し、風味の評価を行った。
強力粉70質量部、薄力粉30質量部、砂糖18質量部、食塩1.3質量部、脱脂粉乳3質量部、全卵(正味)10質量部、イースト5質量部、イーストフード0.1質量部、水50質量部をミキサーボールに入れ、たて型ミキサーを用い、低速で3分、中速で4分混捏した後、可塑性油中水型乳化油脂組成物(1〜15の中からいずれか1種)10質量部を加えてフックを使用し、低速で3分、中速で4分混捏した。得られた生地は、フロアタイムを30分とった後、60gに分割し、菓子パン生地を得た。
得られた菓子パン生地は、フロアタイムを30分とり、50gに分割した。さらに30分ベンチタイムを取った後、丸め成形をし、38℃、相対湿度85%、50分のホイロを取った後、上火200℃、下火200℃のオーブンで10分焼成した。
得られた菓子パンを室温で1時間冷却した後、ポリエチレン袋に密封し、室温(25℃)に保管し、1日後に下記の方法で風味評価を行なった。
12人のパネラーにより、得られた菓子パン1〜15それぞれを直接喫食した際の香り、味、味の持続性、雑味を、それぞれ下記評価基準に従って官能評価し、12人のパネラーの合計点を評価点数として、結果を下記のようにして表1に示した。
51〜60点:◎++、41〜50点:◎+、31〜40点:◎、21〜30点:○、11〜20点:△、0〜10点:×
・香り
5点…甘い香りがはっきりと感じられる。
3点…甘い香りが感じられるがやや弱い。
1点…甘い香りがわずかに感じられる。
0点…甘い香りが感じられない。
・味
5点…良好なコクのある甘味が感じられる。
3点…コクのある甘味が感じられる。
1点…甘味は感じられるがコクがない。
0点…甘味が感じられない。
・味の持続性
5点…トップからラストまで呈味が感じられる。
3点…トップからミドルにかけて呈味を感じるがラストの呈味が弱い。
1点…トップには呈味を感じるが、ミドルからラストにかけての呈味が弱い。
0点…トップには呈味を感じるが、すぐに消えてしまう。
・雑味
5点…まったくエグ味が感じられず、極めて良好である。
3点…ほとんどエグ味が感じられず、良好である。
1点…エグ味が感じられ、やや不良である。
0点…はっきりしたエグ味が感じられ、不良である。
Claims (6)
- 油相中に動物油脂を50質量%以上(油相基準)含有し、水相に乳清ミネラル及び/又は乳清カルシウム並びに苦汁を含有することを特徴とする可塑性油中水型乳化油脂組成物。
- 上記乳清ミネラルの固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である請求項1に記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物。
- 苦汁の主成分が塩化マグネシウムである、請求項1又は2記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物。
- さらに乳酸発酵風味素材を0.1〜20質量%(組成物基準)含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物。
- 上記動物油脂が、牛脂、豚脂、乳脂並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂のうちから選ばれた、1種又は2種以上の油脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物を配合したベーカリー製品。
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