JP6487182B2 - 乳化組成物 - Google Patents
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Description
例えば、和生菓子生地主材にジェランガムを添加してなることを特徴とする食品和生菓子類生地素材(特許文献1)、部分加熱変性ホエー蛋白質を1重量%以上と、1価又は2価の塩類をホエー蛋白質に対して0.05重量%以上とを含有させ、また部分加熱ホエー蛋白質がゲル化され、保水性と安定性を改良したことを特徴とする餡を主成分とする和菓子(特許文献2)、蒸煮後のういろう生地内に、コンニャク粉の粒子形が残存していることを特徴とするういろう(特許文献3)が挙げられる。
即ち、本発明は、澱粉類、糖類及び/又は甘味料、並びに水分を含有する和菓子生地用であって、下記(A)〜(C)を満たすことを特徴とする乳化組成物を提供するものである。
(A)リン脂質を0.03〜3質量%含有する
(B)油分を5〜50質量%含有する
(C)水相を連続相とする
先ず、本発明の乳化組成物について説明する。
本発明の乳化組成物は、下記(A)、(B)及び(C)を満たす。
(A)リン脂質を0.03〜3質量%含有する
(B)油分を5〜50質量%含有する
(C)水相を連続相とする
上記乳化組成物は、乳化組成物基準でリン脂質を0.03〜3質量%、好ましくは0.05〜2質量%、より好ましくは0.1〜1質量%含有する。リン脂質の含有量が0.03質量%未満であると、本発明の効果が得られず、3質量%超であると、風味の劣ったものとなる。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(乳由来のリン脂質を含有する食品素材−乳由来のリン脂質を含有する食品素材の水分(g))〕×25.4×(0.1/1000)
本発明の乳化組成物が含有する油分含量は5〜50質量%、好ましくは10〜45質量%、最も好ましくは15〜40質量%である。該油分含量が5質量%未満であると、本発明の効果が得られない。これは、乳化組成物の油分含量が低すぎると、和菓子生地中の澱粉類に十分に吸着できないからと思われる。また、50質量%を超えると、乳化安定性が悪化するほか、最終的に得られる和菓子の保存時に油分の分離が生じやすくなってしまう。
尚、上記乳化組成物に、後述するその他成分として油脂を含有する副原料を使用した場合は、上記油分含量には、それらの副原料に含まれる油脂分も含めるものとする。
本発明の乳化組成物は、水相を連続相とするものである。
即ち、水相中に油相を含んだ状態にあり、水中油型乳化、或いは水中油中水型乳化の何れかの形態をとる。水中油型乳化の場合、水相と油相の割合は、質量比率で好ましくは40〜95:5〜60、より好ましくは55〜90:10〜45である。連続相が水相でない場合、和菓子生地への分散が悪く本発明の効果を発揮できない他、最終的に得られる和菓子は油性感の強いものとなってしまう。
上記リン脂質以外の乳化剤の含有量は、乳化組成物基準で好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.05〜3質量%である。
上記リン脂質以外の乳化剤の中でも、発明の効果を高めることができる点で、ショ糖脂肪酸エステルを使用することが好ましい。
上記ショ糖脂肪酸エステルの含有量は、乳化組成物基準で好ましくは0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%である。
また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。本発明では、これらの糖類・甘味料の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の乳化組成物は、油脂及び油性成分を混合した油性相と、水及び水性成分を混合した水性相を乳化することにより得ることができる。
具体的には、先ず水性相及び油性相を用意する。次に上記の水性相及び/又は油性相にリン脂質及び/又はリン脂質を含有する成分を添加、混合する。
次いで、上記水性相と上記油性相とを水中油型に乳化する。
更にこれを、好ましくはバルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により圧力0〜100MPaの範囲で均質化してもよい。
そして、必要によりインジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、或いはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・低温殺菌、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌もしくは加熱殺菌処理を施してもよく、或いは直火等の加熱調理により加熱してもよい。
更にこれを、好ましくはバルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により圧力0〜100MPaの範囲で更に均質化してもよい。そして、必要により急速冷却、徐冷却等の冷却操作を施してもよい。
また、本発明の乳化組成物は、必要により、冷蔵若しくは冷凍状態で保存してもよい。
このようにして得られた本発明の乳化組成物は、後述する、澱粉類、糖類・甘味料、水分を含有する和菓子生地用として好適に用いることができる。
本発明の和菓子生地は、本発明の乳化組成物を含有するものであり、好ましくは和菓子生地中に本発明の乳化組成物を1〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%、最も好ましくは10〜35質量%含有するものである。
乳化組成物の含有量が1質量%よりも少ないと本発明の効果が得られず、50質量%よりも多いと最終的に得られる和菓子が油性感の強いものとなってしまう。
尚、本発明で和菓子生地とは、成形する前の流動性を有する状態のものを指し、通常、加熱工程や冷却工程の直前を指すものとする。
上記の澱粉類の含有量は和菓子生地中、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜60質量%、最も好ましくは15〜50質量%である。
また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。本発明では、これらの糖類・甘味料の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記の糖類・甘味料の含有量は和菓子生地中、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜55質量%、最も好ましくは15〜50質量%である。
上記その他の原料は、本発明の効果を損なわない限り、任意に使用することができる。
上記の膨張剤としては、ベーキングパウダー、イーストパウダー(イスパタ)、炭酸水素ナトリウム(重曹)、等が挙げられ、加熱によってガスを発生し生地を膨張させるものを指す。
本発明の和菓子生地は、上記乳化組成物を、和菓子生地に含まれる澱粉類と糖類・甘味料を合計した100質量部に対し、好ましくは10〜200質量部、より好ましくは30〜150質量部、最も好ましくは50〜120質量部含有させる。通常、和菓子生地に使用される水をそのまま置き換えて使用する方法が簡便かつ効率的であり、最も好ましい。
本発明の和菓子は、上記の本発明の和菓子生地を加工することで得られるものである。具体的には、上記和菓子生地を、適宜、分割、成形し、必要に応じて加熱・冷却することにより固化させて得ることができる。
上記成形は、どのような形状に成形してもよく、型詰めを行っても構わない。成形は、手作業で行っても、連続ラインを用いて全自動で行っても構わない。
加熱方法としては蒸成、焼成、フライ等が挙げられ、複数の方法を組み合わせてもよい。
また、得られた本発明の和菓子を、冷蔵、冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
[エステル交換油脂I]
ヨウ素価55のパーム分別軟部油を、ナトリウムメチラートを触媒として、非選択的エステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂Iを得た。
上記エステル交換油脂Iを60質量部とパーム核油40質量部を混合し、配合油Aを得
た。続いて、配合油A35質量部、レシチン0.2質量部、モノグリセリン脂肪酸エステル0.1質量部を混合した油相と、水59質量部、脱脂粉乳4質量部、乳清ミネラル1.2質量部、HLB16のショ糖脂肪酸エステル0.2質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)0.3質量部を混合し水相を調製した。
上記水相に上記油相を加え、混合撹拌して予備乳化物を調製した。
予備乳化後30MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度30MPaの圧力で均質化後、15℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で12時間エージングを行い、水中油型の本発明の乳化組成物Aを得た。
(リン脂質の含有量:0.23質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:11.9質量%、油分の含有量35質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:1.7質量%)
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物を0.7質量部へ、また水を58.6質量部へ変更した以外は実施例1と同様にして、水中油型の本発明の乳化組成物Bを得た。
(リン脂質の含有量:0.24質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:17.3質量%、油分の含有量35質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:1.7質量%)
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物を1.4質量部へ、また水を57.9質量部へ変更した以外は実施例1と同様にして、水中油型の本発明の乳化組成物Cを得た。
(リン脂質の含有量:0.27質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:25.3質量%、油分の含有量35質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:1.7質量%)
レシチンを無添加に、またクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物を3.0質量部へ、また水を56.5質量部へ変更した以外は実施例1と同様にして、水中油型の本発明の乳化組成物Dを得た。
(リン脂質の含有量:0.13質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:100質量%、油分の含有量35質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:1.7質量%)
配合油A35質量部、レシチン0.2質量部、モノグリセリン脂肪酸エステル0.1質量部を混合した油相と、水58.8質量部、脱脂粉乳4質量部、乳清ミネラル1.2質量部、HLB16のショ糖脂肪酸エステル0.2質量部、酵素処理卵黄(リン脂質含量4.5質量%)0.5質量部を混合し水相を調製した。
上記水相に上記油相を加え、混合撹拌して予備乳化物を調製した。
予備乳化後30MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度30MPaの圧力で均質化後、15℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で12時間エージングを行い、水中油型の本発明の乳化組成物Eを得た。
(リン脂質の含有量:0.24質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:6.7質量%、油分の含有量35質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:1.7質量%)
配合油A35質量部、レシチン0.2質量部、モノグリセリン脂肪酸エステル0.1質量部を混合した油相と、水58.1質量部、脱脂粉乳4質量部、乳清ミネラル1.2質量部、HLB16のショ糖脂肪酸エステル0.2質量部、酵素処理卵黄(リン脂質含量4.5質量%)0.5質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含有量3.7質量%、蛋白質含有量12質量%、乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)0.7質量部を混合し水相を調製した。
上記水相に上記油相を加え、混合撹拌して予備乳化物を調製した。
予備乳化後30MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度30MPaの圧力で均質化後、15℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で12時間エージングを行い、水中油型の本発明の乳化組成物Fを得た。
(リン脂質の含有量:0.26質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:15.9質量%、油分の含有量35質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:1.7質量%)
配合油A35質量部に代えてバターオイル35質量部とした以外は[実施例2]と同様にして、水中油型の本発明の乳化組成物Gを得た。
(リン脂質の含有量:0.24質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:17.3質量%、油分の含有量35質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:9.2質量%)
上記エステル交換油脂Iを30質量部とパーム核油20質量部、バターオイル50質量
部を混合し、配合油Bを得た。
続いて、配合油A35質量部に代えて配合油B35質量部とした以外は[実施例2]と同様にして、水中油型の本発明の乳化組成物Hを得た。
(リン脂質の含有量:0.24質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:17.3質量%、油分の含有量35質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:5.5質量%)
ショ糖脂肪酸エステル0.2質量部に代えてポリグリセリン脂肪酸エステル0.2質量部とした以外は[実施例3]と同様にして、水中油型の本発明の乳化組成物Iを得た。
(リン脂質の含有量:0.27質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:25.3質量%、油分の含有量35質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:1.7質量%)
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物を5.0質量部へ、また水を54.3質量部へ変更した以外は実施例1と同様にして、水中油型の本発明の乳化組成物Jを得た。
(リン脂質の含有量:0.40質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:50.1質量%、油分の含有量35質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:1.7質量%)
配合油A35質量部から20質量部へ、水57.9質量部から72.9質量部へ変更した以外は[実施例3]と同様にして、本発明の乳化組成物Kを得た。
(リン脂質の含有量:0.27質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:25.3質量%、油分の含有量20質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:1.7質量%)
配合油A35質量部、レシチン1.2質量部、モノグリセリン脂肪酸エステル0.1質量部を混合した油相と、水58.3質量部、脱脂粉乳4質量部、乳清ミネラル1.2質量部、HLB16のショ糖脂肪酸エステル0.2質量部を混合し水相を調製した。
上記水相に上記油相を加え、混合撹拌して予備乳化物を調製した。
予備乳化後30MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度30MPaの圧力で均質化後、15℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で12時間エージングを行い、水中油型の本発明の乳化組成物Lを得た。
(リン脂質の含有量:1.2質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:1質量%、油分の含有量36質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:1.7質量%)
配合油A35質量部、モノグリセリン脂肪酸エステル0.1質量部を混合した油相と、水59.5質量部、脱脂粉乳4質量部、乳清ミネラル1.2質量部、ショ糖脂肪酸エステル0.2質量部を混合し水相を調製した。
上記水相に上記油相を加え、混合撹拌して予備乳化物を調製した。
予備乳化後30MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度30MPaの圧力で均質化後、15℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で12時間エージングを行い、水中油型の比較例の乳化組成物Mを得た。
(リン脂質の含有量:0.016質量%、リン脂質に占める「乳由来のリン脂質」の割合:100質量%、油分の含有量35質量%、油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合:1.7質量%)
市販の牛乳(リン脂質の含有量0.038質量%、油分の含有量3.8質量%、)を比較例の乳化組成物Nとした。
配合油Aを比較例の組成物Oとした。
<ういろう生地及びういろうの製造例1〜12及び比較製造例1〜4>
先ず、水150質量部へ上白糖100質量部を加え、加熱しながら溶解させ上白糖水溶液を用意した。一方、上記乳化組成物A〜Nの何れか150質量部に葛粉25質量部を混合させた後、更に上新粉100質量部を混合した。この中へ、上記上白糖水溶液を添加・混合し、60℃に加熱しながら粘度が上昇するまで撹拌し、和菓子生地であるういろう生地A〜Nを得た。(A〜Nは使用した乳化組成物に対応する。)
一方、乳化組成物の代わりに比較例3で得られた組成物Oを使用した以外は上記製造例と同様にしてういろう生地Oを得た。また、乳化組成物150質量部に代えて水150質量部を使用した以外は上記製造例と同様にしてういろう生地Pを得た。
途中、乳化組成物の分離の有無を目視で確認し、「まったく分離が見られないもの」を「−」、「一部で分離が見られるもの」を「±」、「激しく分離しているもの」を「+」として、評価結果を〔表1〕に記載した。
得られたういろう生地A〜Pを型に流し、100℃で15分間蒸成し、和菓子であるういろうA〜Pを得た。比重は何れも大凡1.2であった。
先ず、水150質量部へ上白糖100質量部を加え、加熱しながら溶解させ上白糖水溶液を用意した。一方、上記乳化組成物C100質量部と水50質量部に葛粉25質量部を混合させた後、更に上新粉100質量部を混合した。この中へ、上記上白糖水溶液を添加・混合し、60℃に加熱しながら粘度が上昇するまで撹拌し、和菓子生地であるういろう生地C2を得た。
途中、乳化組成物の分離の有無を目視で確認し、「まったく分離が見られないもの」を「○」、「一部で分離が見られるもの」を△、「激しく分離しているもの」を×として、評価結果を〔表1〕に記載した。
得られたういろう生地C2を型に流し、100℃で15分間蒸成し、和菓子であるういろうC2を得た。比重は1.2であった。
乳化組成物A〜Nの何れか132質量部と粉寒天2質量部を混合し沸騰させ、寒天を完全に煮溶かした。続いて、グラニュー糖75質量部を加え、更に加熱して完全に溶解させた。ここへ小豆こしあん165質量部を加え、餡を溶解させ、更に煮詰めた。この状態を練り羊羹生地とし、煉り羊羹生地A〜Nを得た。(但しA〜Nは使用した乳化組成物に対応する。)
一方、乳化組成物の代わりに比較例3で得られた組成物Oを使用した以外は上記製造例と同様にして煉り羊羹生地Oを得た。また、乳化組成物132質量部に代えて水132質量部を使用した以外は上記製造例と同様にして煉り羊羹生地Pを得た。
途中、乳化組成物の分離の有無を目視で確認し、「まったく分離が見られないもの」を「○」、「一部で分離が見られるもの」を△、「激しく分離しているもの」を×として、評価結果を〔表1〕に記載した。
得られた練り羊羹生地を型に流しいれ、室温に5時間水平に置き固めて練り羊羹A〜Oを得た。比重は何れも大凡1.3であった。
得られたういろうA〜P及び煉り羊羹A〜Pの製造後1時間経過したもの及び4℃保存7日後における表面の状態について目視で確認し、「まったく分離が見られないもの」を「○」、「一部で分離の見られるもの」を△、「激しく分離しているもの」を×として、評価結果を〔表1〕に記載した。
また、得られたういろうA〜P及び煉り羊羹A〜Pの製造後1時間経過したもの及び4℃保存7日後における「口溶け」「しっとり感」「風味」については、10人のパネラーにより下記評価基準に従って官能評価をさせ、10人のパネラーの合計点を評価点数とし、結果を下記のようにして[表2]に示した。
38〜50点:◎、25〜37点:○、12〜24点:△、0〜11点:×
・歯切れ
5点 きわめて良好な歯切れである
3点 良好である
1点 やや不良である
0点 不良である
・しっとり感
5点 きわめてしっとりとしており瑞々しい
3点 しっとりとしていて良好である
1点 ややぱさつきが感じられる
0点 非常にぱさついている
・風味
5点 きわめて良好
3点 良好
1点 あまり風味が感じられない、又はあまり風味がよくない
0点 風味が感じられない、又は風味が悪い。
Claims (7)
- 澱粉類、糖類及び/又は甘味料、並びに水分を含有する和菓子生地用乳化組成物であって、
前記組成物は、比重が0.9〜1.5である和菓子の製造に用いられるものであり、
下記(A)〜(C)を満たす和菓子生地用乳化組成物。
(A)リン脂質を0.03〜3質量%含有し、該リン脂質のうち、10質量%以上が乳由来である
(B)油分を5〜50質量%含有する
(C)水相を連続相とする - ショ糖脂肪酸エステルを0.01〜1質量%含有する請求項1記載の乳化組成物。
- 上記油分中のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、炭素数10以下の脂肪酸残基の割合が10質量%未満である、請求項1又は2記載の乳化組成物。
- 請求項1〜3何れか一項記載の乳化組成物を含有する和菓子生地。
- 膨張剤を含有しない、請求項4記載の和菓子生地。
- 請求項4又は5記載の和菓子生地を加工してなる和菓子。
- 比重が0.9〜1.5である、請求項6記載の和菓子。
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