JP2017216968A - ショコラサブレ - Google Patents

ショコラサブレ Download PDF

Info

Publication number
JP2017216968A
JP2017216968A JP2016115739A JP2016115739A JP2017216968A JP 2017216968 A JP2017216968 A JP 2017216968A JP 2016115739 A JP2016115739 A JP 2016115739A JP 2016115739 A JP2016115739 A JP 2016115739A JP 2017216968 A JP2017216968 A JP 2017216968A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
baked confectionery
chocolate
baked
dough
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016115739A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6727037B2 (ja
Inventor
真子 長谷川
Masako Hasegawa
真子 長谷川
まどか 長野
Madoka Nagano
まどか 長野
長谷川 勉
Tsutomu Hasegawa
勉 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Oillio Group Ltd
Daito Cacao Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Oillio Group Ltd
Daito Cacao Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Oillio Group Ltd, Daito Cacao Co Ltd filed Critical Nisshin Oillio Group Ltd
Priority to JP2016115739A priority Critical patent/JP6727037B2/ja
Publication of JP2017216968A publication Critical patent/JP2017216968A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6727037B2 publication Critical patent/JP6727037B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

【課題】本発明における課題は、チョコレートを豊富に含みながら、クッキーやサブレのような軽い食感を有する、焼き菓子を提供することである。特に、経時的なブルーミングの発生が抑制された焼き菓子を提供することである。【解決手段】25〜55質量%のカカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、10〜30質量%の油脂、および、25〜55質量%の糖類を含有する、比重が0.8〜1.1である焼き菓子生地が、焼成された状態にある焼き菓子。【選択図】なし

Description

本発明は、クッキーやサブレ様の食感を有する、チョコレートを豊富に含む焼き菓子に関する。
チョコレートを原材料として含む焼き菓子は人気がある。焼き菓子に含まれるチョコレートの量が多いと、焼き菓子は、豊なチョコレートの風味と良好な口どけを有する。チョコレートを豊富に含む焼き菓子の1つは、チョコレート生地そのものが焼成された、焼成チョコレートである(例えば、特開昭52−148662号公報)。焼成チョコレートの表面は、焼成によりガラス化した糖類で覆われる。そのため、手で持ってもチョコレートは溶けない。しかし、その食感は硬くなる。
焼成チョコレートの食感改良に関して、例えば、特開2008−206458号公報は、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを含み、チョコレートの内部が軟らかく滑らかな食感を有する焼成チョコレートを開示する。しかし、この焼成チョコレートの食感は、クッキーやサブレのような軽い食感ではない。
チョコレート生地に、その他の原材料を加えた、チョコレートを豊富に含む焼き菓子も開発されている。例えば、特開2014−36631号公報は、所定量の、穀粉類、チョコレートおよび油脂を混合し、焼成して得られるチョコレート菓子を開示する。しかし、このチョコレート菓子は、穀粉を多く含むので、チョコレートの風味が希釈される。
そして、チョコレートを豊富に含む焼き菓子は、経時的に油脂の結晶が粗大化する、いわゆる、ブルーミングやグレイニングを生じ易い。特開2013−201907号公報は、焼成チョコレートのブルーミング防止のため、BOBおよびアセチル化蔗糖脂肪酸エステルの添加を開示する。しかし、この素材が添加された焼成チョコレートの風味はあまり良くない。
特開昭52−148662号公報 特開2008−206458号公報 特開2014−36631号公報 特開2013−201907号公報
したがって、チョコレートを豊富に含みながら、クッキーやサブレのような軽い食感を有する、焼き菓子の開発が求められていた。特に、経時的なブルーミングの発生が抑制された焼き菓子の開発が求められていた。
本発明における課題は、チョコレートを豊富に含みながら、クッキーやサブレのような軽い食感を有する、焼き菓子を提供することである。特に、経時的なブルーミングの発生が抑制された焼き菓子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、特定の、固形分、油脂および糖類を、特定量含有する、特定比重の焼き菓子生地を焼成することにより、本課題が解決できることが見いだされた。これにより、本発明が完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)25〜55質量%のカカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、10〜30質量%の油脂、および、25〜55質量%の糖類を含有する、比重が0.8〜1.1である、焼き菓子生地。
(2)ココアバターの含有量が3〜30質量%である、(1)の焼き菓子生地。
(3)L2MおよびLM2の合計含有量が0.01〜5質量%である、(1)または(2)の焼き菓子生地。
(4)穀物粉の含有量が15質量%以下である、(1)〜(3)の何れか1つの焼き菓子生地。
(5)澱粉の含有量が15質量%以下である、(1)〜(4)の何れか1つの焼き菓子生地。
(6)たんぱく質原料の含有量が5質量%以下である、(1)〜(5)の何れか1つの焼き菓子生地。
(7)食物繊維の含有量が5質量%以下である、(1)〜(6)の何れか1つの焼き菓子生地。
(8)(1)〜(7)の何れか1つの焼き菓子生地が焼成された状態にある、焼き菓子。
(9)100質量部の融解したチョコレートに、15〜35質量部のカカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、20〜40質量部の油脂、および、35〜55質量部の糖類、を混合する、(1)〜(7)の何れか1つの焼き菓子生地の製造方法。
(10)(1)〜(7)の何れか1つの焼き菓子生地を成形する工程、および、成形された生地を焼成する工程、を有する、焼き菓子の製造方法。
本発明によれば、チョコレートを豊富に含みながら、クッキーやサブレのような軽い食感を有する、焼き菓子が提供できる。特に、穀物粉を多く含む焼き菓子より、ソフトでしっとりとした食感を有する、焼き菓子が提供できる。また、本発明によれば、チョコレートを豊富に含みながら、経時的なブルーミングの発生が抑制された焼き菓子が提供できる。また、本発明によれば、上記焼き菓子の焼成前の生地が提供できる。
以下、本発明の焼き菓子生地および焼き菓子について順を追って記述する。
本発明の焼き菓子生地は、カカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分を含有する。カカオ豆由来固形分は、カカオ豆を原料として得られる固形分であり、具体的には、カカオマス、ココアパウダーなどが挙げられる。乳由来固形分は、乳を原料として得られる固形分であり、具体的には、全脂粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、調製粉乳などが挙げられる。なお、ココアバターや乳脂肪などの、カカオ豆や乳から分離した油脂は、油脂として扱い、カカオ豆由来固形分および乳由来固形分からは除かれる。カカオ豆由来固形分および乳由来固形分の水分(水含有量)は、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは4質量%以下である。
本発明の焼き菓子生地に含まれる、カカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分は、25〜55質量%である。本発明の焼き菓子生地は、カカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分を、好ましくは30〜50質量%含有し、より好ましくは30〜45質量%含有する。本発明の焼き菓子生地に含まれるカカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分の含有量が上記範囲内にあると、風味豊かな焼き菓子ができる。
本発明の焼き菓子生地は、油脂を10〜30質量%含有する。ここで油脂は、ココアバターや乳脂肪などの油脂そのものであり、カカオマスや全脂粉乳などの原材料に含まれる油脂は除かれる。本発明の焼き菓子生地に含まれる油脂としては、通常の食用油脂が使用できる。使用可能な油脂の例として、ココアバター、パーム油、パーム分別油、シア脂、シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、コクム脂、マンゴー脂、マンゴー分別油、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、ヤシ油、パーム核油、牛脂、豚脂、および乳脂などの動植物油脂、および、これらに混合、分別、エステル交換、および水素添加等のうちの1種以上の処理が適用されることにより得られる加工油脂、の中から選択される1種以上の油脂が挙げられる。本発明の焼き菓子生地は、上記油脂を、好ましくは13〜27質量%含有し、より好ましくは15〜25質量%含有する。本発明の焼き菓子生地の油脂含有量が上記範囲内にあると、風味豊かな焼き菓子ができる。
本発明の焼き菓子生地は、ココアバターを、好ましくは3〜33質量%、より好ましくは12〜28質量%、さらに好ましくは18〜25質量%含有する。ここで、ココアバターの含有量には、ココアバターそのものだけではなく、カカオマスやココアパウダーなどの原材料に含まれるココアバターも含まれる。本発明の焼き菓子生地に含まれるココアバターの含有量が上記範囲内にあると、チョコレート風味豊かな焼き菓子ができる。
本発明の焼き菓子生地は、好ましくは、L2MおよびLM2を含有する。以下、L、M、L2MおよびLM2は、次を意味する。Lは、炭素数16〜24の直鎖飽和脂肪酸である。Mは、炭素数6〜10の脂肪酸であり、好ましくは直鎖飽和脂肪酸である。L2Mは、グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロールである。LM2は、グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロールである。Lは、好ましくは炭素数16〜20の直鎖飽和脂肪酸であり、より好ましくは炭素数16〜18の直鎖飽和脂肪酸である。
本発明の焼き菓子生地は、上記のL2MおよびLM2を合計で、好ましくは0.01〜5質量%含有する。本発明の焼き菓子生地は、L2MおよびLM2を合計で、より好ましくは0.1〜4質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%含有する。本発明の焼き菓子生地に占める、L2MおよびLM2の合計含有量(以下、L2M+LM2とも表す)が上記範囲内にあると、焼き菓子のブルーミングが抑制される。
また、上記のL2MおよびLM2は、焼き菓子生地に占める、LM2の含有量に対するL2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、好ましくは0.05〜4.5である。L2M/LM2は、より好ましくは0.3〜3であり、さらに好ましくは0.55〜2.5である。L2M/LM2が上記範囲内にあると、焼き菓子のブルーミングが効果的に抑制される。
上記のL2MおよびLM2が有する構成脂肪酸中のMの全量のうち、炭素数6の脂肪酸の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。また、上記のL2MおよびLM2が有する構成脂肪酸中のMの全量のうち、炭素数10の脂肪酸の含有量は、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは40〜100質量%であり、さらに好ましくは60〜100質量%である。
上記のL2MおよびLM2としては、L2MおよびLM2の合計含有量が40質量%以上(好ましくは60〜100質量%)である油脂(以下、L2M+LM2油脂とも表す)を使用してもよい。L2M+LM2油脂は、従来公知の方法を用いて製造できる。例えば、L2M+LM2油脂は、10〜65質量部(より好ましくは20〜55質量部)のトリアシルグリセロールの構成脂肪酸がMのみからなる中鎖脂肪酸トリアシルグリセロール(以下、MMMとも表す)と、35〜90質量部(より好ましくは45〜80質量部)のヨウ素価が5以下であり、かつ、構成脂肪酸全量に占める炭素数16以上の飽和脂肪酸の含有量が90質量%以上である油脂(例えば、菜種油、大豆油、パーム油などを原料とする、極度硬化油)との混合油脂を、エステル交換した油脂であってもよい。このエステル交換油脂は、必要に応じて分別されてもよい。
上記L2M+LM2油脂は、また、10〜65質量部(より好ましくは20〜55質量部)のMMMと、35〜90質量部(より好ましくは45〜80質量部)の構成脂肪酸全量に占める炭素数16以上の脂肪酸の含有量が90質量%以上の油脂(例えば、菜種油、大豆油、パーム油など)との混合油脂を、エステル交換した後、極度硬化した油脂であってもよい。この油脂は、必要に応じて分別されてもよい。
本発明の焼き菓子生地は、糖類を25〜55質量%含有する。ここで糖類は、炭水化物から食物繊維を除いたものであり、例として、ショ糖(砂糖、粉糖)、乳糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、還元澱粉糖化物、液糖、酵素転化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖ポリデキストロース、オリゴ糖、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトース、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラフィノース、および、デキストリンなどが挙げられる。ここで糖類は、粉糖やデキストリンなど、糖類そのものであり、カカオマスや全脂粉乳などの原材料に含まれる糖類は除かれる。本発明の焼き菓子生地は、糖類を、好ましくは30〜50質量%含有し、より好ましくは35〜50質量%含有する。
なお、本発明において、上記の、カカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、油脂、および糖類、の各成分に一見該当しない成分であっても、もともとは前記各成分を混合したものであれば、もとの各成分に分けて取り扱う。例えば、46質量%のカカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、12質量%の油脂、および、44質量%の糖類、を混合して得られるチョコレートが、焼き菓子の生地中に50質量%含まれるとすれば、このチョコレートの部分として、焼き菓子生地には、23質量%のカカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、6質量%の油脂、および、22質量%の糖類が含まれるとする。
本発明の好ましい実施の態様によれば、本発明の焼き菓子生地は、100質量部のチョコレートに対し、15〜35質量部のカカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、20〜40質量部の油脂、および、35〜55質量部の糖類、を含む態様であってもよい。ここでチョコレートが、もともと、カカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、油脂、および糖類の混合物である場合、上記のとおり、チョコレートは、もとの各成分に分けて取り扱われる。本発明の焼き菓子生地は、100質量部のチョコレートに対し、より好ましくは、20〜30質量部のカカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、25〜35質量部の油脂、および、40〜50質量部の糖類、を含む態様であってもよい。
なお、本発明においてチョコレートとは、チョコレート類の表示に関する公正競争規約(全国チョコレート業公正取引協議会)乃至法規に規定されているチョコレートに限定されない。本発明におけるチョコレートは、食用油脂、並びに、糖類を主原料とする。主原料には、必要に応じてカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、または乳化剤等が加えられる。かかるチョコレートは、チョコレートの製造工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、成形工程、及び、冷却工程等)の全部乃至一部を経て製造される。また、本発明におけるチョコレートは、ダークチョコレート及びミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレート及びカラーチョコレートも含む。
本発明の焼き菓子生地は、上記の、カカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、油脂、および糖類、以外にも、通常焼き菓子に使用されるその他原材料を含有してもよい。その他原材料としては、例えば、膨張剤、乳化剤、増粘剤、食塩、調味料、香料、色素、保存料、酸化防止剤、抹茶、紅茶、コーヒー、乳製品、卵製品、豆腐、きな粉、豆類、野菜、果物、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、ハーブ、肉類、魚介類、イースト、イーストフード、水などの材料を適宜使用してもよい。本発明の焼き菓子生地において、その他原材料の含有量は、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは0〜10質量%であり、さらに好ましくは0〜5質量%である。
本発明の焼き菓子生地は、好ましくは実質的に水を含有しない。すなわち、本発明の焼き菓子生地の水含有量は、好ましくは3質量%以下である。したがって、本発明の焼き菓子の成分組成は、焼成の前後で実質的に変化しない。本発明の焼き菓子生地の水含有量は、より好ましくは0〜2質量%であり、さらに好ましくは0〜1質量%である。本発明の焼き菓子の水含有量も焼き菓子生地と同じとみてよい。
本発明の焼き菓子生地は、穀物粉を、好ましくは15質量%以下含有する。ここで穀物粉は、穀物を挽いた粉であり、例として、小麦粉(薄力粉、中力粉、強力粉)、小麦胚芽、小麦全粒粉、小麦ふすま、大麦粉、米粉、ライ麦粉、大豆粉、および、とうもろこし粉などが挙げられる。本発明の焼き菓子生地の穀物粉含有量は、より好ましくは0〜7質量%であり、さらに好ましくは0〜3質量%である。
本発明の焼き菓子生地は、澱粉を、好ましくは15質量%以下含有する。ここで澱粉は、馬鈴薯澱粉やα化澱粉など、澱粉そのものであり、カカオマスやココアパウダーなどの原材料に含まれる澱粉は除かれる。澱粉は、例として、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、コーンスターチ、およびワキシーコーンスターチなどの澱粉や、α化処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、分解処理、微細化処理、およびグラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉などが挙げられる。本発明の焼き菓子生地の澱粉含有量は、より好ましくは0〜7質量%であり、さらに好ましくは0〜0.5質量%である。
本発明の焼き菓子生地は、たんぱく質原料を、好ましくは5質量%以下含有する。ここでたんぱく質原料は、分離大豆蛋白、カゼインおよび卵白など、乾燥重量基準でたんぱく質を50質量以上(好ましくは70質量%以上)含有する食品素材である。たんぱく質原料は、例として、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、小麦グルテン、卵白(乾燥卵白など)およびカゼインなどが挙げられる。本発明の焼き菓子生地のたんぱく質原料含有量は、より好ましくは0〜1.5質量%であり、さらに好ましくは0〜0.5質量%である。なお、たんぱく質原料の含有量は、乾燥重量(水分2質量%以下)基準である。
本発明の焼き菓子生地は、食物繊維を、好ましくは5質量%以下含有する。ここで食物繊維は、パルプ、セルロース、ポリデキストロースなど、食物繊維そのものであり、カカオマスやココアパウダーなどの原材料に含まれる食物繊維は除かれる。食物繊維は、例として、ポリデキストロース、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、寒天、キサンタンガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、難消化性デキストリン、セルロース、ヘミセルロース、キチン、キトサン、およびリグニンなどが挙げられる。本発明の焼き菓子生地の食物繊維含有量は、より好ましくは0〜1.5質量%であり、さらに好ましくは0〜0.5質量%である。
本発明の焼き菓子は、上記の、穀物粉、澱粉、たんぱく質原料および食物繊維などの、副原材料を多く使用しなくとも、保形成に優れている。したがって、本発明の焼き菓子は、雑味が少なく、チョコレート風味が豊かである。また、本発明の焼き菓子は、穀物粉などの副原材料を多く含む焼き菓子より、ソフトでしっとりとした食感を有する。
本発明の焼き菓子生地は、比重が、0.8〜1.1である。焼き菓子生地の比重を0.8〜1.1に調整することにより、本発明の焼き菓子は、クッキーやサブレ様の軽い食感を有する。本発明の焼き菓子生地の比重は、好ましくは0.85〜1.04であり、より好ましくは0.90〜1.02である。本発明の焼き菓子生地の比重は、以下の製造方法により、簡単で調整できる。なお、焼き菓子生地の比重は、比重カップを使用して測定できる。
本発明の焼き菓子生地の製造に係る好ましい態様の1つによれば、本発明の焼き菓子生地は、100質量部のチョコレートに対し、15〜35質量部のカカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、20〜40質量部の油脂、および、35〜55質量部の糖類、を添加混合して製造されてもよい。混合は、適当なミキサーを使用して行えばよい。本発明の焼き菓子の製造に係る好ましい態様の1つによれば、本発明の焼き菓子の製造方法は、以下の工程1〜4を含んでもよい。
工程1:チョコレートは溶かされ、30℃程度(例えば27〜33℃)に維持される。
工程2:工程1のチョコレートに、油脂、糖類、および、必要であればその他原材料が添加混合され、生地が形成される。
工程3:工程2の生地は適当な厚さに伸展され、冷蔵庫で冷やされる。
工程4:工程3の生地は適当な大きさにカット(成形)され、焼成される。
本発明の焼き菓子は、本発明の焼き菓子生地が焼成された菓子である。本発明において焼成とは、100℃以上の温度での加熱を意味する。焼成温度は、好ましくは100〜200℃であり、より好ましくは、110〜180℃であり、さらに好ましくは120〜160℃である。焼成には、オーブン、マイクロ波、過加熱蒸気などが使用できる。焼成時間は、焼成温度、焼成装置の能力および焼成される生地の量などにより、適宜調整してもよい。例えば、オーブンでは、好ましくは3〜30分間であり、より好ましくは5〜20分間であり、さらに好ましくは、5〜15分間である。本発明の焼き菓子生地を焼成する温度および時間が上記範囲内にあると、焼き菓子は軽い食感に焼き上がる。
本発明の焼き菓子は、チョコレートを豊富に含みながら、クッキーやサブレのような軽い食感を有する。特に、穀物粉を多く含む焼き菓子より、ソフトでしっとりとした食感を有する。また、本発明の焼き菓子は、チョコレートを豊富に含みながら、経時的なブルーミングの発生が抑制される。本発明の焼き菓子は、クッキー様またはサブレ様の焼き菓子であってもよいし、この焼き菓子とチョコレートやクリームとを組合せた複合菓子であってもよい。
次に、実施例および比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。しかし、本発明はこれらに何ら制限されない。
〔チョコレートの製造〕
表1の配合に従って、チョコレートA〜Cが、常法に従って、製造された。すなわち、まず、混合、微粒化(リファイニング)、および精練(コンチング)の各工程を経ることにより、融液状のチョコレートが得られた。融液状のチョコレートは、テンパリング工程を経て、冷却固化され、チョコレートが得られた。
Figure 2017216968
〔焼き菓子の製造および評価1〕
表2の配合に従って、実施例1〜3および比較例1〜3の焼き菓子が製造された。すなわち、チョコレートは溶かされ、30℃に維持された。溶かされたチョコレートに、油脂、糖類、および、その他原材料が添加され、ホバートミキサーで混合されて、生地が形成された。生地は、厚さ0.5cmに伸展され、5〜10℃の冷蔵庫で6時間冷やされた。冷やされた生地は、縦3cm、横3cm大きさにカットされた。カットされた生地は、140℃のオーブンで10分間焼成され、実施例1〜3および比較例1〜3の焼き菓子が得られた。
上記で得られた実施例1〜3および比較例1〜3の焼き菓子の食感および風味が、以下の評点基準に従って、5名のパネラーにより、評点された。評点の平均値を基に、次の基準に従って、評価された。結果は表2に示される。

評点の平均値 評価
3.5以上4以下 ◎:非常によい
3以上3.5未満 ○:よい
2以上3未満 △:やや悪い
1以上2未満 ×:悪い
(焼き菓子の食感の評点基準)
4点:噛み出しが軽く、ソフトでしっとりとした食感が非常に良好である
3点:噛み出しが軽く、食感が良好である
2点:噛み出しが硬く食感がよくない
1点:噛み出しが非常に硬く、食感がよくない
(焼き菓子の風味の評点基準)
4点:チョコレート感が濃厚で、非常に良好である
3点:チョコレート感があり、良好である
2点:チョコレート感が弱い
1点:チョコレート感が非常に弱い
Figure 2017216968
〔焼き菓子の製造および評価2〕
表3の配合に従って、実施例4〜9の焼き菓子が製造された。すなわち、チョコレートは溶かされ、30℃に維持された。溶かされたチョコレートに、油脂、糖類、および、その他原材料が添加され、ホバートミキサーで混合されて、生地が形成された。生地は、厚さ0.5cmに伸展され、5〜10℃の冷蔵庫で6時間冷やされた。冷やされた生地は、縦3cm、横3cm大きさにカットされた。カットされた生地は、140℃のオーブンで10分間焼成され、実施例4〜9の焼き菓子が得られた。
上記で得られた実施例4〜9の焼き菓子のブルーミング耐性が、以下の評価基準に従って、評価された。結果は表3に示される。
(焼き菓子のブルーミング耐性)
焼き菓子は20℃で保存され、1週間毎にブルーミングの状態が目視にて確認された。
◎:ブルーミングが全くなく、良好な焼き色が維持されている
○:ブルーミングがなく良好
△:焼き菓子の一部にブルーミングがある
×:焼き菓子の全体にブルーミングがある
Figure 2017216968
*;L2MおよびLM2の合計含有量が74.6質量%、および、L2M/LM2が
0.7である油脂

Claims (10)

  1. 25〜55質量%のカカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、10〜30質量%の油脂、および、25〜55質量%の糖類を含有する、比重が0.8〜1.1である、焼き菓子生地。
  2. ココアバターの含有量が3〜30質量%である、請求項1に記載の焼き菓子生地。
  3. L2MおよびLM2の合計含有量が0.01〜5質量%である、請求項1または2に記載の焼き菓子生地。
  4. 穀物粉の含有量が15質量%以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の焼き菓子生地。
  5. 澱粉の含有量が15質量%以下である、請求項1〜4の何れか1項に記載の焼き菓子生地。
  6. たんぱく質原料の含有量が5質量%以下である、請求項1〜5の何れか1項に記載の焼き菓子生地。
  7. 食物繊維の含有量が5質量%以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の焼き菓子生地。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の焼き菓子生地が焼成された状態にある、焼き菓子。
  9. 100質量部の融解したチョコレートに、15〜35質量部のカカオ豆由来固形分および乳由来固形分から選ばれる1種以上の固形分、20〜40質量部の油脂、および、35〜55質量部の糖類、を混合する、請求項1〜7の何れか1項に記載の焼き菓子生地の製造方法。
  10. 請求項1〜7の何れか1項に記載の焼き菓子生地を成形する工程、および、成形された生地を焼成する工程、を有する、焼き菓子の製造方法。
JP2016115739A 2016-06-09 2016-06-09 ショコラサブレ Active JP6727037B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016115739A JP6727037B2 (ja) 2016-06-09 2016-06-09 ショコラサブレ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016115739A JP6727037B2 (ja) 2016-06-09 2016-06-09 ショコラサブレ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017216968A true JP2017216968A (ja) 2017-12-14
JP6727037B2 JP6727037B2 (ja) 2020-07-22

Family

ID=60658655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016115739A Active JP6727037B2 (ja) 2016-06-09 2016-06-09 ショコラサブレ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6727037B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6398031B1 (ja) * 2018-04-10 2018-09-26 森永製菓株式会社 粉末チョコレート

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52148662A (en) * 1976-06-03 1977-12-10 Morinaga & Co Production of and apparatus for oily confection with excellent heat stability
JPH03201946A (ja) * 1989-12-28 1991-09-03 Kao Corp 気泡入りチョコレートおよびその製法
WO2000057715A1 (en) * 1999-03-30 2000-10-05 Fuji Oil Company, Limited Foamed chocolate and process for producing the same
JP2002119215A (ja) * 2000-10-12 2002-04-23 Asahi Denka Kogyo Kk 焼き菓子生地及びその製造方法
JP2004254639A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Morinaga & Co Ltd 焼き菓子の製造方法
JP2008206458A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Morinaga & Co Ltd 焼成チョコレート菓子
JP2009232805A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Adeka Corp 焼菓子生地
JP2013201907A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Fuji Oil Co Ltd 焼成用チョコレート様食品素材およびその製造法
JP2016052339A (ja) * 2013-09-19 2016-04-14 日清オイリオグループ株式会社 エステル交換油脂および該エステル交換油脂を使用した油性食品

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52148662A (en) * 1976-06-03 1977-12-10 Morinaga & Co Production of and apparatus for oily confection with excellent heat stability
JPH03201946A (ja) * 1989-12-28 1991-09-03 Kao Corp 気泡入りチョコレートおよびその製法
WO2000057715A1 (en) * 1999-03-30 2000-10-05 Fuji Oil Company, Limited Foamed chocolate and process for producing the same
JP2002119215A (ja) * 2000-10-12 2002-04-23 Asahi Denka Kogyo Kk 焼き菓子生地及びその製造方法
JP2004254639A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Morinaga & Co Ltd 焼き菓子の製造方法
JP2008206458A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Morinaga & Co Ltd 焼成チョコレート菓子
JP2009232805A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Adeka Corp 焼菓子生地
JP2013201907A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Fuji Oil Co Ltd 焼成用チョコレート様食品素材およびその製造法
JP2016052339A (ja) * 2013-09-19 2016-04-14 日清オイリオグループ株式会社 エステル交換油脂および該エステル交換油脂を使用した油性食品

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JEAN A. BEZARD: "The Component Triglycerides of Palm-Kernel Oil", LIPIDS, vol. 6(9), JPN6019051692, 1971, pages 630 - 634, ISSN: 0004236344 *
油化学, vol. 第34巻第8号, JPN6020010810, 1985, pages 599 - 605, ISSN: 0004236343 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6398031B1 (ja) * 2018-04-10 2018-09-26 森永製菓株式会社 粉末チョコレート
JP2019180302A (ja) * 2018-04-10 2019-10-24 森永製菓株式会社 粉末チョコレート

Also Published As

Publication number Publication date
JP6727037B2 (ja) 2020-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105392371B (zh) 烘焙产品用巧克力类、烘焙产品及其制造法
JP4386318B2 (ja) 焼き菓子生地及びその製造方法
JP5792080B2 (ja) 生地練り込み用油脂組成物
JP6446767B2 (ja) ベーカリー製品内包用チョコレート類及びベーカリー製品の製造法
JP4375922B2 (ja) ロールイン用油脂組成物及びその製造方法
JP5931481B2 (ja) 食用クリーム
JP6075731B2 (ja) 焼き菓子
JP2011055786A (ja) ベーカリー用上掛け生地
JP6690954B2 (ja) 圧縮成形菓子の製造方法
JP6572531B2 (ja) ベーカリー製品用チョコレート類及びベーカリー製品の製造法
JP7061832B2 (ja) 可塑性油脂組成物及び該可塑性油脂組成物を使用してなる練りパイ生地
JP6825802B2 (ja) ベーカリー製品用チョコレート類及びベーカリー製品の製造法
JP6727037B2 (ja) ショコラサブレ
KR20180034392A (ko) 하드 비스킷 및 그 제조 방법
JP2007259802A (ja) パン、菓子用油脂組成物
JP2010075138A (ja) パン生地
JP5901388B2 (ja) フィリング
JP4318432B2 (ja) 加糖ロールイン油脂組成物
JP6727389B1 (ja) 焼き菓子用生地及び焼き菓子
KR20190053003A (ko) 소성 초콜릿 및 그 제조 방법
JP6906880B1 (ja) 焼き菓子用生地及び焼き菓子
JP2018153102A (ja) 焼成油脂性菓子及び焼成油脂性菓子の製造方法
JP2019122343A (ja) 冷やして食べる焼菓子用油脂組成物
JP4306848B2 (ja) 含水チョコレート類
JP6257739B2 (ja) 焼菓子中の油分を高油分にする方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160714

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200324

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200616

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6727037

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250