JP4318432B2 - 加糖ロールイン油脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浮き及び甘味発現が良好なベーカリー製品を提供することができる加糖ロールイン油脂組成物、該加糖ロールイン油脂組成物を使用したベーカリー生地、及び該ベーカリー生地を焼成したベーカリー製品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、デニッシュ等の甘いベーカリー製品を得る際には、糖を含むロールイン油脂組成物、即ち加糖ロールイン油脂組成物が用いられている。
【0003】
例えば、特公昭61−35805号公報には、糖類を含有する可塑性油脂組成物を用いた層状パンの製造方法が記載されている。また、特開平4−248948号公報には、液糖を含有するロールイン油脂組成物が記載されている。
【0004】
上記のような糖を含むロールイン用油脂のみを用いたベーカリー製品は、糖を含まないロールイン油脂組成物のみを用いたベーカリー製品に比べ、浮きが悪いという欠点を有していた。また、ロールイン油脂中に糖を配合するため、生地への糖の配合量に限界があり、そのため、もったりとしたキレの悪い甘味のベーカリー製品になるという問題もあった。
【0005】
従って、本発明の目的は、糖を含むロールイン油脂組成物を用いたにもかかわらず、浮き及び甘味発現が良好であるベーカリー製品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エリスリトール、及び、脂肪酸基がオレイン酸基で、グリセリンの重合度が6〜10、1分子中のエステル結合の数が1であり且つHLBが11以上のグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする加糖ロールイン油脂組成物、該加糖ロールイン油脂組成物を使用したベーカリー生地、並びに該ベーカリー生地を焼成したベーカリー製品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、その好ましい実施形態を詳述する。
本発明の加糖ロールイン油脂組成物は、糖アルコールを含有することが必須である。糖アルコールとは、単糖、単糖が2〜10分子結合したオリゴ糖、あるいは、デキストリン、水飴、デンプン等を、発酵や水素添加により還元して得られるものであり、具体的には、エリスリトールを使用することにより、特に好ましい効果が得られる。本発明においては、これらの糖アルコールを単独で用いることができ、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0008】
本発明の加糖ロールイン油脂組成物に使用される上記糖アルコールの形態は、粉末状でもよく、糖アルコールを水に溶解させてシロップ状とした糖アルコール組成物でもよい。粉末状糖アルコールやシロップ状糖アルコール組成物は、単独で用いることができ、又は組み合わせて用いることもできる。
【0009】
本発明の加糖ロールイン油脂組成物中における上記糖アルコールの含有量は、特に限定されるものではないが、糖アルコールの固形分として、好ましくは3〜50重量%、さらに好ましくは3〜30重量%、最も好ましくは5〜20重量%である。3重量%未満であると、ベーカリー製品の甘味にキレがなく、求められる効果が得られ難い。また、50重量%を超えると、加糖ロールイン油脂組成物製造時の乳化の際に問題が生じたり、あるいは、ロールイン作業中に、加糖ロールイン油脂組成物にコシがなく、生地に練りこまれてしまい、ベーカリー製品の浮きが悪くなる等の問題が生じやすいので好ましくない。
【0010】
また、本発明の加糖ロールイン油脂組成物を製造する際の上記糖アルコールの配合方法としては、糖アルコールの形態が粉末の場合、油相中に分散させる方法、水相中に溶解させた後、油相中に乳化させる方法等が挙げられる。糖アルコールの形態がシロップ状の糖アルコール組成物の場合は、必要に応じて他の水溶性成分とともに、油相中に乳化させる方法等が挙げられる。
【0011】
本発明の加糖ロールイン油脂組成物においては、上記糖アルコール以外の糖類や甘味料も、甘味の補完あるいは調整のために、必要に応じて使用可能である。該糖類及び甘味料の種類は、特に限定されるものではなく、含蜜や分蜜、あるいは、精製や非精製にかかわらず、単糖、オリゴ糖、デキストリン、多糖類、これらの異性化、分解、転移、重合による加工品等が挙げられる。具体的には、上白糖、グラニュー糖、粉糖、液糖、はちみつ、ブドウ糖、果糖、黒糖、麦芽糖、乳糖、シクロデキストリン、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、キシロース、トレハロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、アラビノース、パラチノースオリゴ糖、アガロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ヘミセルロース、モラセス、イソマルトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、カップリングシュガー、ラフィノース、ラクチュロース、ステビア、アスパルテーム、テアンデオリゴ糖、ゲンチオリゴ糖等が挙げられる。これらの糖類及び甘味料は、単独で用いることができ、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。上記糖アルコール以外の糖類や甘味料は、本発明の加糖ロールイン油脂組成物中において、30重量%以下で用いるのが好ましい。
【0012】
次に、本発明の加糖ロールイン油脂組成物に用いられる、脂肪酸基が不飽和脂肪酸基で且つHLBが9以上であるグリセリン脂肪酸エステルについて詳述する。
本発明の加糖ロールイン油脂組成物においては、脂肪酸基が不飽和脂肪酸基で且つHLBが9以上であるグリセリン脂肪酸エステルを必須成分として用いる。上記グリセリン脂肪酸エステルの使用量は、本発明の加糖ロールイン油脂組成物中において、好ましくは0.01重量%〜20.0重量%、さら好ましくは0.05重量%〜2.0重量%である。上記グリセリン脂肪酸エステルの配合量が0.01重量%未満では、油脂の油性感や口中分散性を充分改良できない場合がある。20.0重量%を超えると、乳化剤臭が生じたり、加糖ロールイン油脂組成物製造時の乳化の点で問題が生じたり、また、ロールイン作業時に加糖ロールイン油脂組成物が均一に伸展せずに割れてしまい、不均一なベーカリー生地となってしまい、結果として該ベーカリー生地を焼成したベーカリー製品は浮きが不均一となってしまったり、製品表面があばた状になる等の弊害が生じやすいので好ましくない。
【0013】
上記グリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸基としては、不飽和脂肪酸基であるオレイン酸基を、経日安定性の上で用いる。上記グリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸基が不飽和脂肪酸基でないと優れた効果が得られない。
【0014】
上記グリセリン脂肪酸エステルのHLBは11以上であり、その上限は通常20程度であるが、特に限定されるものではなく、それ以上であってもよい。HLBが9未満では、油脂の油性感や口中分散性を充分に改良できない。また、上記グリセリン脂肪酸エステルの重合度やエステル結合の数は、グリセリンの重合度が6〜10、1分子中のエステル結合の数が1であるポリグリセリン脂肪酸エステルとする。
【0015】
本発明の加糖ロールイン油脂組成物に用いられる油脂は、特に限定されるものではないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、サル脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明の加糖ロールイン油脂組成物においては、これらの油脂を単独で用いることができ、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0016】
本発明の加糖ロールイン油脂組成物中における上記油脂の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは30〜95重量%、さらに好ましくは40〜80重量%、最も好ましくは50〜70重量%である。上記油脂の含有量が30重量%未満であると、加糖ロールイン油脂組成物製造時に乳化が困難になる可能性があり、95重量%を超えると、ベーカリー製品に甘味が発現しにくく、目的とする効果が得られにくい。
【0017】
さらに、本発明の加糖ロールイン油脂組成物には、必要により次のような副原料を添加することができる。該副原料としては、例えば、水、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、CMC、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等の増粘安定剤、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳等の乳、クリーム、チーズ、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、調製粉乳、発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料等の乳製品、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、ホエープロテインコンセートレート等の乳蛋白、卵及び各種卵加工品等の蛋白質、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、アミラーゼ、プロテアーゼ、アミログルコシダーゼ、プルラナーゼ、ペントサナーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ホスフォリパーゼ、カタラーゼ、リポキシゲナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、スルフィドリルオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、β―カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料類、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材、着香料等が挙げられる。これらの副原料は、本発明の加糖ロールイン油脂組成物中において、50重量%以下で用いるのが好ましい。尚、本発明の加糖ロールイン油脂組成物における前述の配合において、その必須成分のみの総重量が100重量%に達しない場合には、水を含めた上述の副原料で調整すれば良い。
【0018】
本発明の加糖ロールイン油脂組成物には、必要により、脂肪酸基が不飽和脂肪酸基で且つHLBが9以上である上記グリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤を添加してもよい。具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、酵素処理レシチン等の乳化剤が挙げられ、これらの乳化剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。本発明の加糖ロールイン油脂組成物中における上記乳化剤の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜6重量%、さらに好ましくは0.7〜2.5重量%である。
【0019】
本発明の加糖ロールイン油脂組成物は、ショートニングタイプとしてもよく、マーガリンタイプとしてもよい。
【0020】
本発明の加糖ロールイン油脂組成物は、例えば以下のような製造方法により製造することができる。油脂、糖アルコール、脂肪酸基が不飽和脂肪酸基で且つHLBが9以上であるグリセリン脂肪酸エステル、及び必要により他の副原料を混合し、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター、オンレーター等の密閉型製造機類又はコンプレクター、エクストルーダー等の開放型製造機類を通して、可塑性油脂組成物を調製する。そして、該可塑性油脂組成物を、押出し成型用ノズルを通して押出し、次いで押出し口に設置された切断刃により所定の長さに切断する。
【0021】
このようにして得られる加糖ロールイン油脂組成物の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、ブロック状、シート状、小片状等いかなる形状でもよい。上記小片状としては、円柱状、立方体状、直方体状、短冊状、チップ状等が挙げられる。
【0022】
本発明の加糖ロールイン油脂組成物は、ベーカリー生地に好適に用いられるものであり、ベーカリー生地中における本発明の加糖ロールイン油脂組成物の使用量は、ベーカリー生地中で使用する小麦粉100重量部に対して、好ましくは5〜130重量部、さらに好ましくは10〜90重量部、最も好ましくは20〜70重量部である。
【0023】
また、上記ベーカリー生地の種類は、特に限定されるものではないが、デニッシュ生地、クロワッサン生地、ペストリー生地、パイ生地、パイ饅頭生地、デニッシュブレッド生地、デニッシュドーナツ生地等の、ロールイン油脂を使用する生地に本発明の加糖ロールイン油脂組成物を適用すると好ましい結果が得られる。
【0024】
次に、本発明のベーカリー生地の製造方法について説明する。本発明のベーカリー生地は、捏ね上げたドウに本発明の加糖ロールイン油脂組成物をロールインする、又は、ベーカリー生地製造時に本発明の加糖ロールイン油脂組成物を他の原料と併せて混合することにより得られる。
【0025】
具体的な製造方法としては、次のような方法が挙げられる。
(1)捏ね上げたドウに、シート状加糖ロールイン油脂組成物をのせ、必要に応じ層数が9〜432となるように折り畳み操作を行う。
(2)捏ね上げたドウに、小片状加糖ロールイン油脂組成物を分散後、必要に応じ層数が9〜432となるように折り畳み操作を行う。
(3)小片状加糖ロールイン油脂組成物及び他の原材料を同時に添加する(オールインミックス法)ことによりドウを製造し、必要に応じ層数が9〜432となるように折り畳み操作を行う。
(4)捏ね上げたドウを連続ベーカリー成形ライン上に載置し、ファットポンプを用い、ブロック状加糖ロールイン油脂組成物をシート状に連続的に吐出してドウ上に載置し、必要に応じ層数が9〜432となるように折り畳み操作を行う。
【0026】
上記のような方法により得られたベーカリー生地を適宜な形状に成型し、必要に応じ発酵・リタード等の操作を加えた後、常法により焼成することにより、本発明のベーカリー製品を得ることができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
【0028】
〔実施例1〕シート状加糖ロールイン油脂組成物Aの製造
大豆硬化油(融点36℃)32.58重量%、大豆硬化油(融点45℃)5.43重量%及び大豆油16.29重量%を混合し、65〜70℃に加熱し、これにグリセリン脂肪酸エステル(HLB4;脂肪酸基 ステアリン酸基)0.7重量%及びHLB13のデカグリセリンモノオレエート0.5重量%を配合し油相とした。水19.5重量%にエリスリトール粉末10重量%及び上白糖15重量%を加え、65〜70℃に加熱し水相とした。得られた油相と水相とを、撹拌乳化後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物を調製した。そして、該可塑性油脂組成物を、押出し成型用ノズルを通して押出し、次いで押出し口に設置された切断刃によりシート状に切断し、シート状加糖ロールイン油脂組成物Aを得た。
【0029】
〔実施例2〕シート状加糖ロールイン油脂組成物Bの製造
大豆硬化油(融点36℃)32.58重量%、大豆硬化油(融点45℃)5.43重量%及び大豆油16.29重量%を混合し、65〜70℃に加熱し、これにグリセリン脂肪酸エステル(HLB4;脂肪酸基 ステアリン酸基)0.7重量%及びHLB13のデカグリセリンモノオレエート0.5重量%を配合し油相とした。水8重量%に、エリスリトール粉末10重量%、高糖化還元水飴(糖アルコール固形分75重量%含有)10重量%、果糖ブドウ糖液糖6.5重量%及び上白糖10重量%を加え、65〜71℃に加熱し水相とした。得られた油相と水相とを、撹拌乳化後、急冷可塑化し可塑性油脂組成物を調製した。そして、該可塑性油脂組成物を、押出し成型用ノズルを通して押出し、次いで押出し口に設置された切断刃によりシート状に切断し、シート状加糖ロールイン油脂組成物Bを得た。
【0030】
〔実施例3〕チップ状加糖ロールイン油脂組成物Cの製造
大豆硬化油(融点36℃)32.58重量%、大豆硬化油(融点45℃)5.43重量%及び大豆油16.29重量%を混合し、65〜70℃に加熱し、これにグリセリン脂肪酸エステル(HLB4;脂肪酸基 ステアリン酸基)0.7重量%及びHLB13のデカグリセリンモノオレエート0.5重量%を配合し油相とした。水8重量%に、エリスリトール粉末10重量%、高糖化還元水飴(糖アルコール固形分75重量%含有)10重量%、果糖ブドウ糖液糖6.5重量%及び上白糖10重量%を加え、65〜70℃に加熱し水相とした。得られた油相と水相とを、撹拌乳化後、急冷可塑化し可塑性油脂組成物を調製した。そして、該可塑性油脂組成物を、押出し成型用ノズルを通して押出し、次いで押出し口に設置された切断刃によりチップ状に切断し、チップ状加糖ロールイン油脂組成物Cを得た。
【0031】
〔実施例4及び5〕デニッシュの製造
実施例4においてはシート状加糖ロールイン油脂組成物Aを、実施例5においてはシート状加糖ロールイン油脂組成物Bをそれぞれを用い、下記<生地配合>及び下記<生地製法及び焼成方法>にてデニッシュ生地(層数128)を製造し、焼成してデニッシュを得た。
<生地配合>
強力粉80重量部、薄力粉20重量部、イースト4重量部、イーストフード0.1重量部、上白糖7重量部、脱脂粉乳2重量部、食塩1.5重量部、練り込み用油脂(ショートニング)7重量部、全卵10重量部、水48重量部、シート状加糖ロールイン油脂組成物40重量部
<生地製法及び焼成方法>
シート状加糖ロールイン油脂組成物及び練り込み用油脂(ショートニング) 以外の原料をミキサーボールに投入し、堅型ミキサー(関東ミキサー)を用いて、低速で3分、中速で2分ミキシング後、練り込み用油脂を投入し、さらに低速で2分、中速で3分ミキシングした。得られた生地を、フロアタイムを30分とった後、リタード庫にて2℃で16時間リタードした。この生地にシート状加糖ロールイン油脂組成物を載置し、包み込み、4つ折り1回後2℃にて1時間リタードし、さらに4つ折り2回、2つ折り1回後、生地厚20mmに最終圧延を行ない、長さ210mm、幅20mm、重さ90gにカット成型した。この成形した生地を、カット面が上下方向になるように天板に置き、35℃、相対湿度85%、60分のホイロ発酵後、200℃にて12分間、オーブンで焼成し、デニッシュを得た。得られたデニッシュについて、室温にて70分冷却後、後述の<評価方法>に従って評価した。
【0032】
〔実施例6〕デニッシュの製造
チップ状加糖ロールイン油脂組成物Cを用い、下記<生地配合>及び下記<生地製法及び焼成方法>にてデニッシュ生地(層数128)を製造し、焼成してデニッシュを得た。
<生地配合>
強力粉80重量部、薄力粉20重量部、イースト4重量部、イーストフード0.1重量部、上白糖7重量部、脱脂粉乳2重量部、食塩1.5重量部、練り込み用油脂(ショートニング)7重量部、全卵10重量部、水48重量部、チップ状加糖ロールイン油脂組成物20重量部
<生地製法及び焼成方法>
チップ状加糖ロールイン油脂組成物及び練り込み用油脂(ショートニング) 以外の原料をミキサーボールに投入し、堅型ミキサー(関東ミキサー)を用いて、低速で3分、中速で2分ミキシング後、練り込み用油脂を投入し、さらに低速で2分、中速で3分ミキシングした。ここで、チップ状加糖ロールイン油脂組成物を投入し、低速で1分ミキシングし、得られた生地を、フロアタイムを30分とった後、リタード庫にて2℃で16時間リタードした。この生地を、4つ折り2回後、2℃にて1時間リタードし、さらに4つ折り1回、2つ折り1回後、生地厚20mmに最終圧延を行ない、長さ210mm、幅20mm、重さ90gにカット成型した。この成形した生地を、カット面が上下方向になるように天板に置き、35℃、相対湿度85%、60分のホイロ発酵後、200℃にて12分間、オーブンで焼成し、デニッシュを得た。得られたデニッシュについて、室温にて70分冷却後、後述の<評価方法>に従って評価した。
【0033】
〔実施例7〕デニッシュブレッドの製造
シート状加糖ロールイン油脂組成物Aを用い、下記<生地配合>及び下記<生地製法及び焼成方法>にてデニッシュブレッド生地(層数48)を製造し、焼成してデニッシュブレッドを得た。
<生地配合>
強力粉90重量部、薄力粉10重量部、イースト4重量部、イーストフード0.1重量部、上白糖12重量部、脱脂粉乳2重量部、全卵(正味)10重量部、食塩1.5重量部、練り込み用油脂(ショートニング)6重量部、水53重量部、シート状加糖ロールイン油脂組成物40重量部
<生地製法及び焼成方法>
シート状加糖ロールイン油脂組成物及び練り込み用油脂(ショートニング)以外の原料をミキサーボールに投入し、堅型ミキサー(関東ミキサー)を用いて、低速で3分、中速で2分ミキシング後、練り込み用油脂を投入し、さらに低速で3分、中速で3分ミキシングした。得られた生地を、フロアタイムを30分とった後、リタード庫にて2℃で2時間リタードした。この生地にシート状加糖ロールイン油脂組成物を載置し、包み込み、4つ折り1回、3つ折り1回後、リタード庫にて 2℃で16時間リタードした。さらに4つ折り1回後、生地厚25mmに最終圧延を行ない、長さ380mm、幅50mm、重さ500gにカット成型した。この成形した生地を三本用いて三つ編み成型し、プルマン三斤型に入れ、35℃、相対湿度75%、40分のホイロ発酵後、蓋をし、200℃にて60分間、オーブンで焼成し、デニッシュブレッドを得た。得られたデニッシュブレッドについて、室温にて150分冷却後、後述の<評価方法>に従って評価した。
【0034】
〔比較例1〕シート状加糖ロールイン油脂組成物Dの製造
HLB13のデカグリセリンモノオレエートの代わりに、HLB4のヘキサグリセリンペンタステアレートを用いた以外は、実施例1と同様にして、シート状加糖ロールイン油脂組成物Dを製造した。
【0035】
〔比較例2〕シート状加糖ロールイン油脂組成物Eの製造
エリスリトール粉末の代わりに、上白糖を用いた以外は、実施例1と同様にして、シート状加糖ロールイン油脂組成物Eを製造した。
【0036】
〔比較例3〕シート状加糖ロールイン油脂組成物Fの製造
HLB13のデカグリセリンモノオレエートの代わりに、大豆硬化油(融点36℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、シート状加糖ロールイン油脂組成物Fを製造した。
【0037】
〔比較例4〕シート状加糖ロールイン油脂組成物Gの製造
HLB13のデカグリセリンモノオレエート代わりに大豆硬化油(融点36℃)を用い、さらにエリスリトール粉末の代わりに上白糖を用いた以外は、実施例1と同様にして、シート状加糖ロールイン油脂組成物Gを製造した。
【0038】
〔比較例5〕デニッシュの製造
シート状加糖ロールイン油脂組成物Aの代わりに、シート状加糖ロールイン油脂組成物Dを用いた以外は、実施例4と同様にして、デニッシュ生地(層数128)を製造し、焼成してデニッシュを得た。
【0039】
〔比較例6〕デニッシュの製造
シート状加糖ロールイン油脂組成物Aの代わりに、シート状加糖ロールイン油脂組成物Eを用いた以外は、実施例4と同様にして、デニッシュ生地(層数128)を製造し、焼成してデニッシュを得た。
【0040】
〔比較例7〕デニッシュの製造
シート状加糖ロールイン油脂組成物Aの代わりに、シート状加糖ロールイン油脂組成物Fを用いた以外は、実施例4と同様にして、デニッシュ生地(層数128)を製造し、焼成してデニッシュを得た。
【0041】
〔比較例8〕デニッシュの製造
シート状加糖ロールイン油脂組成物Aの代わりに、シート状加糖ロールイン油脂組成物Gを用いた以外は、実施例4と同様にして、デニッシュ生地(層数128)を製造し、焼成してデニッシュを得た。
【0042】
〔比較例9〕デニッシュブレッドの製造
シート状加糖ロールイン油脂組成物Aの代わりに、シート状加糖ロールイン油脂組成物Dを用いた以外は、実施例7と同様にして、デニッシュブレッド生地(層数48)を製造し、焼成してデニッシュブレッドを得た。
【0043】
〔比較例10〕デニッシュブレッドの製造
シート状加糖ロールイン油脂組成物Aの代わりに、シート状加糖ロールイン油脂組成物Eを用いた以外は、実施例7と同様にして、デニッシュブレッド生地(層数48)を製造し、焼成してデニッシュブレッドを得た。
【0044】
〔比較例11〕デニッシュブレッドの製造
シート状加糖ロールイン油脂組成物Aの代わりに、シート状加糖ロールイン油脂組成物Fを用いた以外は、実施例7と同様にして、デニッシュブレッド生地(層数48)を製造し、焼成してデニッシュブレッドを得た。
【0045】
〔比較例12〕デニッシュブレッドの製造
シート状加糖ロールイン油脂組成物Aの代わりに、シート状加糖ロールイン油脂組成物Gを用いた以外は、実施例7と同様にして、デニッシュブレッド生地(層数48)を製造し、焼成してデニッシュブレッドを得た。
【0046】
<評価方法>
実施例4〜6及び比較例5〜8で得られたデニッシュそれぞれについて、浮き(拡がり)を測定し、食感、風味及び甘さのキレを、下記(食感の評価基準)、(風味の評価基準)及び(甘さのキレの評価基準)に従ってそれぞれ評価した。また、実施例7及び比較例9〜12で得られたデニッシュブレッドそれぞれについて、食感、風味、甘さのキレ及び腰折れを、下記(食感の評価基準)、(風味の評価基準)、(甘さのキレの評価基準)及び(腰折れの評価基準)に従ってそれぞれ評価した。食感、風味及び甘さのキレについては、パネラー5名にて評価した。浮き(拡がり)の測定はデニッシュについてのみ行い、5個のデニッシュの浮き(拡がり)を実測し、平均値を求めた。腰折れの評価はデニッシュブレッドについてのみ行い、3個のデニッシュブレッドの腰折れ(ケービング)の状況を目視により観察し、下記(腰折れの評価基準)に従って評価した。デニッシュについての結果を表1に、デニッシュブレッドについての結果を表2に、それぞれ示す。
【0047】
(食感の評価基準)
◎:きわめてソフトでしっとりした食感
○:ソフトでしっとりとした食感
△:ややヒキがある食感
×:ヒキがあり、口溶けが悪い
【0048】
(風味の評価基準)
◎:明瞭で良好な甘味を感じる。
○:良好な甘味を感じる
△:甘味がややボケている
×:不充分な甘味である
【0049】
(甘さのキレの評価基準)
◎:きわめて良好な甘味のキレがある。
○:良好な甘味のキレがある。
△:ややキレが悪く、もったりとした甘味である。
×:キレが悪く、もったりとした甘味である。
【0050】
(腰折れの評価基準)
◎:腰折れがまったく見られない。
○:3個中、1個に若干の腰折れが見られる。
△:3個中、2個に若干の腰折れが見られる。
×:3個とも腰折れが見られる。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】
本発明の加糖ロールイン用油脂組成物を用いたベーカリー生地によれば、糖を含むロールイン油脂組成物を用いたにもかかわらず、浮きが良好であり、また甘味も良好でキレがよく、ソフトでしっとりとしたベーカリー製品を製造することができる。
Claims (3)
- エリスリトール、及び、脂肪酸基がオレイン酸基で、グリセリンの重合度が6〜10、1分子中のエステル結合の数が1であり且つHLBが11以上のグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする加糖ロールイン油脂組成物。
- 請求項1記載の加糖ロールイン油脂組成物を使用したベーカリー生地。
- 請求項2記載のベーカリー生地を焼成したベーカリー製品。
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