JP4493471B2 - フラワーペースト又はカスタード - Google Patents
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Description
さらに、これらのフラワーペースト類をパン生地やクッキー生地等のベーカリー生地に包餡、サンド、トッピング、積層等の方法により複合して複合生地とした後、焼成及び/又はフライした場合、風味素材の艶が一層なくなり、経日的に色がくすんでいくという問題もあった。
このように、フラワーペースト類には、普遍的に艶や発色を向上させることができないという問題があった。
また、本発明は、澱粉類2〜10質量%、極度硬化油脂0.01〜1質量%を含む油脂3〜40質量%、及び糖類8〜30質量%を含有するフラワーペースト原料又はカスタード原料を、均質化処理した後、加熱することを特徴とするフラワーペースト又はカスタードの製造法を提供するものである。
また、本発明は、上記フラワーペースト又はカスタード及びベーカリー生地を複合させた複合生地を、焼成及び/又はフライしてなることを特徴とするベーカリー食品を提供するものである。
ここで、本発明でいうフラワーペースト又はカスタードとは、澱粉類の糊化によるボディーを有するものである。
なお、本発明のフラワーペースト又はカスタードに、油脂を含有する副原料を使用した場合は、上記油脂の含有量には、それらの副原料に含まれる油脂分も含めるものとする。
上記の合成乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。
本発明のフラワーペースト又はカスタードは、澱粉類2〜10質量%、極度硬化油脂0.01〜1質量%を含む油脂3〜40質量%、及び糖類8〜30質量%を含有するフラワーペースト原料を、均質化処理した後、加熱することによって得ることができる。
本発明のベーカリー食品は、本発明のフラワーペースト又はカスタードをベーカリー生地にフィリング、トッピング、練り込み、折り込み等の方法で複合させた複合生地を、必要に応じ圧延、成形、ホイロ、ラックタイムをとった後、焼成及び/又はフライして得られたものである。
フライ操作は、通常のドーナツ等と同様、160〜250℃、特に170〜220℃で行なうのが好ましい。160℃未満であると吸油が多く、良好な食感が得られにくい。250℃を超えると、焦げを生じて食味が悪くなりやすい。
なお、上記焼成とフライとを併用する場合は、フライした後に焼成しても、焼成した後にフライしてもよい。
〔実施例1〕
パーム軟部油の硬化油(融点28℃)8質量%及びパーム極度硬化油(ヨウ素価1未満)0.02質量%に、ソルビタン脂肪酸エステル0.5質量%及びキサンタンガム0.2質量%を添加し、油相とした。水47.98質量%、デンプン5質量%、ソルビン酸カリウム0.1質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分75質量%)35質量%、脱脂粉乳1.1質量%、乾燥全卵2質量%及び香料0.1質量%を混合し、水相とした。この油相と水相とを加熱溶解、混合、乳化、均質化後、加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は5質量%、極度硬化油脂含量は0.02質量%、油脂含量は8.02質量%、糖類含量は26.2質量%、油相中の極度硬化油脂含量は0.25質量%、トランス酸含量は4.9質量%であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験1(実施例10)に供した。
パーム軟部油の硬化油(融点28℃)8質量%及び大豆極度硬化油(ヨウ素価1未満)0.02質量%に、レシチン0.5質量%及びキサンタンガム0.2質量%を添加し、油相とした。水47.98質量%、デンプン4質量%、ソルビン酸カリウム0.1質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分75質量%)35質量%、小麦粉1質量%、脱脂粉乳1.1質量%、乾燥全卵2質量%及び香料0.1質量%を混合し、水相とした。この油相と水相とを加熱溶解、混合、乳化、均質化後、加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、合成乳化剤無添加で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は5質量%、極度硬化油脂含量は0.02質量%、油脂含量は8.02質量%、糖類含量は26.2質量%、油相中の極度硬化油脂含量は0.25質量%、トランス酸含量は4.9質量%であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験1(実施例11)に供した。
パーム軟部油の硬化油(融点28℃)6質量%、ハイエルシンナタネ極度硬化油(ヨウ素価1未満)0.02質量%及びカカオマス(油脂含量55質量%)6質量%に、レシチン0.5質量%及びキサンタンガム0.2質量%を添加し、油相とした。水46.08質量%、デンプン4質量%、ソルビン酸カリウム0.1質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分75質量%)35質量%、小麦粉1質量%、カカオパウダー(油脂含量12質量%)1質量%及び香料0.1質量%を混合し、水相とした。この油相と水相とを加熱溶解、混合、乳化、均質化後、加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、合成乳化剤無添加で、ペースト状であるチョコレート風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は5質量%、極度硬化油脂含量は0.02質量%、油脂含量は9.44質量%、糖類含量は26.2質量%、油相中の極度硬化油脂含量は0.21質量%、トランス酸含量は3.2質量%であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験1(実施例12)に供した。
パーム油25質量%及びハイエルシンナタネ極度硬化油(ヨウ素価1未満)0.05質量%に、キサンタンガム0.01質量%及びペクチン0.3質量%を添加し、油相とした。水29.95質量%、デンプン4質量%、小麦粉3質量%、ゼラチン2質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分75質量%)27質量%、脱脂粉乳3質量%、乾燥全卵5質量%及び香料0.69質量%を混合し、水相とした。この油相と水相とを加熱溶解、混合、乳化、均質化し、加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状であり、合成乳化剤無添加であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は0.05質量%、油脂含量は25.05質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は0.2質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験2(実施例13)に供した。
実施例4におけるハイエルシンナタネ極度硬化油(ヨウ素価1未満)0.05質量%を0.1質量%とし、水29.95質量%を29.9質量%に変更した以外は、実施例4と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は0.1質量%、油脂含量は25.1質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は0.4質量%、トランス酸含量は1質量%以下であり、実質的に含有していなかった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験2(実施例14)に供した。
実施例4におけるハイエルシンナタネ極度硬化油(ヨウ素価1未満)0.05質量%を0.7質量%とし、水29.95質量%を29.3質量%に変更した以外は、実施例4と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は0.7質量%、油脂含量は25.7質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は2.7質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験2(実施例15)に供した。
実施例4におけるパーム油25質量%を15質量%とし、ハイエルシンナタネ極度硬化油(ヨウ素価1未満)0.05質量%を0.7質量%とし、水29.95質量%を39.3質量%に変更した以外は、実施例4と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は0.7質量%、油脂含量は15.7質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は4.46質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験2(実施例16)に供した。
パーム油25質量%及びハイエルシンナタネ極度硬化油(ヨウ素価1未満)0.05質量%に、カカオマス(油脂含量55質量%)1質量%、キサンタンガム0.01質量%及びペクチン0.3質量%を添加し、油相とした。水28.95質量%、デンプン4質量%、小麦粉3質量%、ゼラチン2質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分75質量%)27質量%、脱脂粉乳3質量%、カカオパウダー(油脂含量12質量%)5質量%及び香料0.69質量%を混合し、水相とした。この油相と水相とを加熱溶解、混合、乳化、均質化し、加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状であり、合成乳化剤無添加であるシート状のチョコレート風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は0.05質量%、油脂含量は26.2質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は0.19質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験2(実施例17)に供した。
パーム油25質量%及びハイエルシンナタネ極度硬化油(ヨウ素価1未満)0.05質量%に、カカオマス(油脂含量55質量%)1質量%、キサンタンガム0.01質量%及びペクチン0.3質量%を添加し、油相とした。水28.95質量%、デンプン4質量%、小麦粉3質量%、ゼラチン2質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分75質量%)27質量%、脱脂粉乳3質量%、カカオパウダー(油脂含量12質量%)5質量%及び香料0.69質量%を混合し、水相とした。この油相と水相とを加熱溶解、混合、乳化、均質化し、加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状に成形し、さらに5℃まで冷却後、8mm角にカットし、合成乳化剤無添加であるダイス状のチョコレート風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は0.05質量%、油脂含量は26.2質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は0.19質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のベーカリー試験3(実施例18)に供した。
実施例2におけるハイエルシンナタネ極度硬化油を無添加とし、水47.98質量%を48質量%に変更した以外は、実施例2と同様の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるペースト状のカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は5質量%、極度硬化油脂含量は0質量%、油脂含量は8質量%、糖類含量は26.2質量%、油相中の極度硬化油脂含量は0質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験1(比較例8)に供した。
実施例4におけるハイエルシンナタネ極度硬化油を無添加とし、水29.95質量%を30質量%に変更した以外は、実施例4と同様の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は0質量%、油脂含量は25質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は0質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験2(比較例9)に供した。
実施例4におけるパーム油25質量%を1.5質量%とし、水29.95質量%を53.45質量%に変更した以外は、実施例4と同様の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は0.05質量%、油脂含量は1.55質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は3.22質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験2(比較例10)に供した。
実施例4におけるパーム油25質量%を45質量%とし、水29.95質量%を14.95質量%に変更した以外は、実施例4と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は0.05質量%、油脂含量は45.05質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は0.11質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験2(比較例11)に供した。
実施例4におけるハイエルシンナタネ極度硬化油0.05質量%を0.005質量%に変更し、水29.95質量%を30質量%に変更した以外は、実施例4と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は0.005質量%、油脂含量は25.005質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は0.02質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験2(比較例12)に供した。
実施例4におけるハイエルシンナタネ極度硬化油0.05質量%を3質量%に変更し、水29.95質量%を27質量%に変更した以外は、実施例4と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のカスタード風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は3質量%、油脂含量は28質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は10.7質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のフラワーペースト評価及びベーカリー試験2(比較例13)に供した。
実施例9におけるハイエルシンナタネ極度硬化油を無添加とし、水28.95質量%を29質量%に変更した以外は、実施例9と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるダイス状のチョコレート風味フラワーペーストを得た。
このフラワーペーストの澱粉含量は7質量%、極度硬化油脂含量は0質量%、油脂含量は26.15質量%、糖類含量は20.3質量%、油脂中の極度硬化油脂含量は0質量%、トランス酸含量は1質量%以下であった。
得られたフラワーペーストは、後述のベーカリー試験3(比較例14)に供した。
上記の実施例1〜8及び比較例1〜6のフラワーペースト各50gを、製造直後に包材から取り出し、口溶け及び色艶の評価を行なった。また、実施例4〜8、比較例2〜6のシート状のフラワーペーストについては、包材からの剥れやすさについての評価もあわせて行った。尚、各評価は、それぞれ以下に示す評価基準に従って行なった。
さらに、上記の実施例1〜8及び比較例1〜6のフラワーペースト各50gを製造直後に包材から取り出し、シャーレに入れて蛍光灯照射下(2000Lx)、20℃の恒温槽にて保存し、保存開始から3日後に、製造直後と同様にして口溶け及び色艶の評価を行なった。
それらの結果を表1に記した。
◎:極めて良好である。
○:良好である。
△:包材への付着量が多く、やや不良である。
×:包材への付着量が極めて多く、不良である。
−:ペースト状のフラワーペーストであるため評価せず。
・口溶け評価基準
◎:極めて良好である。
○:良好である。
△:ワキシーである。
×:ワキシーで、さらにざらつきも感じる等、口溶けが極めて悪い。
・色艶評価基準
◎:艶があり、極めて良好である。
○:良好である。
△:艶がない発色である。
×:やや白色化し、くすんでいる。
実施例1〜3及び比較例1で得られたペースト状のフラワーペーストを使用し、下記配合・製法により、フラワーペーストを包餡した包餡生地を焼成して、実施例10〜12及び比較例8のクリームパンをそれぞれ得た。
得られたクリームパンについて、以下の評価基準に従って、製造の際の包餡時作業性、焼き残り性、並びにフラワーペースト部分の口溶け及び色艶の評価をそれぞれ行なった。それらの結果を表2に記した。
強力粉90質量部、薄力粉10質量部、砂糖18質量部、食塩1.3質量部、脱脂粉乳3質量部、卵(正味)20質量部、イースト5質量部、イーストフード0.1質量部、練込用マーガリン18質量部、水35質量部
練込用マーガリン以外の全原料をミキサーボールに入れ、縦型ミキサーを用い、低速で3分、中速で4分混捏した後、練込用マーガリンを加えて低速で3分、中速で4分、高速で3分混捏し、捏上温度を25℃とし、クリームパン用生地とした。
上記クリームパン用生地60gに対して、ペースト状のフラワーペースト30gを、めん棒を使用して包餡して、包餡生地とした複合生地を得た。この複合生地を天板に並べ、温度35℃、相対湿度80%のホイロで60分醗酵させた後、200℃に設定した固定窯で12分焼成した。
◎:べたつきも無く、適度な硬さである。
○:良好である。
△:ややべたつきがある。
×:べたつき、極めて包餡し難い。
・焼き残り性評価基準
◎:乳化破壊も無く、生地からの剥れも無く、極めて良好である。
○:良好である。
△:分離気味で、やや生地との間に空隙がある。
×:分離激しく、また、大きな空洞が生じている。
・口溶け評価基準
◎:極めて良好である。
○:良好である。
△:ワキシーである。
×:ワキシーで、さらにざらつきも感じる等、口溶けが極めて悪い。
・色艶評価基準
◎:艶があり、極めて良好である。
○:良好である。
△:艶がない発色である。
×:やや白色化し、くすんでいる。
実施例4〜8及び比較例2〜6で得られたシート状のフラワーペーストを使用し、下記配合・製法により、実施例13〜17及び比較例9〜13のフラワーペースト折り込みデニッシュをそれぞれ製造した。
得られたフラワーペースト折り込みデニッシュについて、以下の評価基準に従って、ロールイン時の作業性、内相並びにフラワーペースト部分の口溶け及び色艶の評価をそれぞれ行なった。それらの結果を表3に記した。
強力粉50質量部、薄力粉50質量部、脱脂粉乳3質量部、食塩1.5質量部、全卵(正)8質量部、イースト3質量部、イーストフード0.1質量部、練込用マーガリン10質量部、冷水48質量部、チップ状マーガリン70質量部
冷水以外の原料をミキサーボールに入れ、縦型ミキサーを用い、低速で各材料が均一になるまで3分混捏した後、撹拌しながら冷水を加え、低速で2分混合し、捏ね上げ温度を20℃とした。次いで、20分フロアタイムを取った後、−20℃の冷凍庫にて60分生地を冷却し、リバースシーターにて生地の3つ折りを3回行なった。
上記デニッシュ用生地100質量部に、シート状のフラワーペースト50質量部を積置後、包み込み、リバースシーターで3つ折り2回のロールイン操作を行ない、9層の積層生地である複合生地を得た。この複合生地を2℃で4時間冷却した後、厚さ10mmまで圧延し、幅30mm、長さ150mmにカットして天板に並べ、室温にて30分ラックタイムを取った後、上火200℃、下火180℃に設定した固定窯で14分焼成した。
◎:適度な硬さであり、伸展性も良好であり、切れも見られない。
○+:やや硬いが、伸展性は良好である。
○−:やや軟らかいが、伸展性は良好である。
△+:硬すぎて伸展性が悪く、やや切れが見られる。
△−:べたつきがあり、やや生地の滑りが見られる。
×+:硬すぎて伸展性が極めて悪く、切れが多い。
×−:べたつきが激しく、生地からのはみ出し、生地の滑りが見られる。
・内相評価基準
◎:生地からの剥れも無く、極めて良好である。
○+:良好であるが、やや生地からの剥れが見られる。
○−:良好であるが、やや生地に練り込まれ気味である。
△+:生地との間に空隙が見られる。
△−:フラワーペーストの層構造が薄く、視認し難い。
×+:フラワーペーストの層構造が不連続で、切れた部分が多い。
×−:フラワーペーストの層構造が極めて薄く、視認が困難である。
・口溶け評価基準
◎:極めて良好である。
○:良好である。
△:ワキシーである。
×:ワキシーで、さらにざらつきも感じる等、口溶けが極めて悪い。
・色艶評価基準
◎:艶があり、極めて良好である。
○:良好である。
△:艶がない発色である。
×:やや白色化し、くすんでいる。
実施例9及び比較例7で得られたダイス状のフラワーペーストを使用し、下記配合・製法により、実施例18及び比較例14のフラワーペースト分散食パンをそれぞれ得た。
得られたフラワーペースト分散食パンについて、以下の評価基準に従って、製造時の作業性(ダイス状フラワーペーストのパン生地への分散性)、内相並びにフラワーペースト部分の口溶け及び色艶の評価をそれぞれ行なった。それらの結果を表4に記した。
中種:強力粉70質量部、イースト2質量部、イーストフード0.1質量部、水40質量部
本捏:強力粉30質量部、砂糖5質量部、食塩1.3質量部、脱脂粉乳3質量部、卵(正味)10質量部、練込用マーガリン10質量部、水22質量部
中種配合原料をミキサーボールに入れ、縦型ミキサーを用い、低速で3分、高速で1分混捏した。捏上温度を25℃とした後、28℃の醗酵室で4時間醗酵させた。醗酵した中種生地と、練込用マーガリン以外の本捏配合原料とをボールに入れ、縦型ミキサーを用い、低速で3分、中速で2分、高速で1分混捏した後、練込用マーガリンを加えて低速で3分、中速で4分、高速で3分混捏し、捏上温度を25℃とした。次いで、この生地100質量部に、ダイス状のフラワーペーストを30質量部添加し、低速で30秒混合し、フラワーペースト混合生地である複合生地を得た。
かくして得られた複合生地を、20分のフロアータイムを取った後、250gに分割した。15分ベンチタイムをとった後、3斤型に6本生地を入れ、温度38℃、相対湿度80〜85%のホイロで70分醗酵させ、次いで210℃で30分間焼成した。
◎:極めて良好である。
○:良好である。
△:べたつき気味で、分散性が悪い。
×:べたつき、極めて分散性が悪い。
・内相評価基準
◎:乳化が安定で、生地からの剥れも無く、極めて良好である。
○:良好である。
△:フラワーペーストが分離気味で、更にやや生地との間に空隙がある。
×:フラワーペーストが分離気味で、更に周囲に空洞が生じている。
・口溶け評価基準
◎:極めて良好である。
○:良好である。
△:ワキシーである。
×:ワキシーで、さらにざらつきも感じる等、口溶けが極めて悪い。
<色艶評価基準>
◎:艶があり、極めて良好である。
○:良好である。
△:艶がない発色である。
×:やや白色化し、くすんでいる。
Claims (7)
- 澱粉類2〜10質量%、極度硬化油脂0.01〜1質量%を含む油脂3〜40質量%、及び糖類8〜30質量%を含有することを特徴とするフラワーペースト又はカスタード。
- 油脂中の極度硬化油の含有量が0.05〜5質量%であることを特徴とする請求項1記載のフラワーペースト又はカスタード。
- トランス酸を含有しないことを特徴とする請求項1又は2記載のフラワーペースト又はカスタード。
- 増粘安定剤を更に含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフラワーペースト又はカスタード。
- 合成乳化剤を含有しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフラワーペースト又はカスタード。
- 澱粉類2〜10質量%、極度硬化油脂0.01〜1質量%を含む油脂3〜40質量%、及び糖類8〜30質量%を含有するフラワーペースト原料又はカスタード原料を、均質化処理した後、加熱することを特徴とするフラワーペースト又はカスタードの製造法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のフラワーペースト又はカスタード及びベーカリー生地を複合させた複合生地を、焼成及び/又はフライしてなることを特徴とするベーカリー食品。
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