JP6567251B2 - 可塑性油中水型乳化油脂組成物。 - Google Patents
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Description
そのため、可塑性油中水型乳化油脂組成物において、乳製品、特に乳たんぱく質の使用量を減じた場合であっても、バター同様のえぐ味のない優れたコクのある乳風味を付与する方法が各種研究され、提案されている。
また、発酵乳や醗酵バターを使用する方法も行われるが、この方法では、特有の発酵風味が付与されてしまう問題があった。
そのため、少量の乳製品に乳風味増強剤を併用する方法(たとえば特許文献1〜6参照)、バターに代えてアミノ酸組成物を使用する方法(例えば特許文献7参照)等が提案されている。
また、特許文献7に記載のアミノ酸組成物を使用する方法は、バター風味を強化するためにアミノ酸の添加量を増やすとえぐ味が出るおそれがあるという問題があった。
すなわち本発明は下記(A)、(B)及び(C)成分を固形分として、20〜60:30〜70:2.5〜12の質量比(但し、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の質量比の和を100とする)で含有し、カゼインたんぱく質を含有しないことを特徴とする可塑性油中水型乳化油脂組成物を提供するものである。
(A)ホエイたんぱく質
(B)乳糖
(C)乳清ミネラル
また、本発明は該可塑性油中水型乳化油脂組成物を使用したベーカリー製品を提供するものである。
また、本発明のベーカリー製品は、乳たんぱく質、バターや乳脂の含有量が少ない場合であってもえぐ味のない優れたコクのある乳風味を有する。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は(A)ホエイたんぱく質を含有する。
上記ホエイたんぱく質としては、ラクトアルブミン、βラクトグロブリンの各単体や、これらの混合物、もしくはこれらを含んだ食品素材、乳清たんぱく質、ホエイ、ホエイパウダー、脱乳糖ホエイ、脱乳糖ホエイパウダー、ホエイたんぱく質濃縮物(ホエイプロテインコンセントレート)等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
なお、本発明では脱乳糖ホエイパウダー、及び/またはホエイたんぱく質濃縮物(ホエイプロテインコンセントレート)を使用することが好ましく、特にホエイたんぱく質濃縮物(ホエイプロテインコンセントレート)を使用することが好ましい。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物における上記ホエイたんぱく質の含有量は、組成物基準で、固形分として、ホエイたんぱく質純分として0.1〜4質量%、好ましくは0.2〜4質量%、より好ましくは0.4〜2質量%である。上記ホエイたんぱく質の含有量が0.1質量%未満であると、本発明の効果が見られにくく、また、4質量%を超えると、えぐ味が顕在化するおそれがある。
上記カゼインたんぱく質としては、αs1−カゼイン、αs2−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼインの各単体や、これらの混合物、もしくはこれらを含んだ食品素材、アルカリカゼイン(カゼイネート)、酸カゼイン等が挙げられる。
上記乳糖としては、乳糖そのものを使用してもよく、また、乳糖を含有する乳製品や食品素材を使用することもできる。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物における上記乳糖の含有量は、組成物基準で、固形分として0.1〜5質量%、好ましくは0.25〜5質量%、より好ましくは0.6〜2.5質量%である。上記乳糖の含有量が0.1質量%未満であると、本発明の効果が見られにくく、また、5質量%を超えると、コクのある乳風味が感じられなくなってしまう。
乳清ミネラルとは、乳又はホエイ(乳清)から、可能な限りたんぱく質や乳糖を除去したものであり、高濃度に乳の灰分を含有するという特徴を有する。そのため、そのミネラル組成は、原料となる乳やホエイ中のミネラル組成に近い比率となる。
ここで(A)成分の含有比が20%未満であると良好な乳風味が感じられなくなり、60%超であると、えぐ味が顕在化する。
また(B)成分の含有比が30%未満であるとえぐ味が顕在となり、70%超であると、乳風味が弱い上に全体的にぼやけた風味となる。
さらに(C)成分の含有比が2.5%未満であると良好な乳風味が感じられなくなり、12%超であると、えぐ味が顕在化する。
上記安定剤の含有量は、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物中、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜5質量%である。
これらの「ホエイたんぱく質以外のたんぱく質」は、目的に応じて一種ないし二種以上のたんぱく質として、或いは一種ないし二種以上のたんぱく質を含有する食品素材の形で添加してもよい。
上記の「ホエイたんぱく質以外のたんぱく質」の含有量は、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物中、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜1質量%である。
上記糖類の含有量は、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物中、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜30質量%である。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、例えば、(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖及び(C)乳清ミネラルを(A)、(B)及び(C)成分を固形分として、20〜60:30〜70:2.5〜12の質量比(但し、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の質量比の和を100とする)となるように含有し、且つ、カゼインたんぱく質を含有しない水相と、油脂を主体とする油相を油中水型に乳化し、急冷可塑化することにより得ることができる。
なお、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、シート状、ブロック状、円柱状、直方体等の形状としてもよい。
なお、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、他にも、カレールウ用、バッター用、ソース用、フライ用等の調理・総菜用としてもまた使用することができる。
本発明のベーカリー生地は上述のように本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物を使用したものであり、好ましくはベーカリー生地製造時に練り込み及び/又はロールインしたものである。上記のベーカリー生地としては、例えば、クッキー生地、パイ生地、シュー生地、サブレ生地、スポンジケーキ生地、バターケーキ生地、ケーキドーナツ生地等の菓子生地や、食パン生地、フランスパン生地、バラエティブレッド生地、ブリオッシュ生地、デニッシュ生地、スイートロール生地、イーストドーナツ生地、マフィン生地、ピザ生地、スコーン生地、蒸しパン生地、ワッフル生地、イングリッシュマフィン生地、バンズ生地等のパン生地が挙げられるが、本発明のベーカリー生地は、良好なミルク風味が得られる点でパン生地であることが好ましい。
なお、ロールイン使用する場合、菓子生地の場合は菓子生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは30〜150質量部、より好ましくは50〜100質量部であり、パン生地の場合はパン生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは30〜70質量部である。
本発明では、澱粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは100質量%使用することが望ましい。
本発明のベーカリー製品は、上記の本発明のベーカリー生地を、適宜、分割、成形し、必要に応じホイロ、リタード、レストをとった後、加熱処理することにより得ることができる。
上記成形は、どのような形状に成形してもよく、型詰めを行っても構わない。成形は、手作業で行っても、連続ラインを用いて全自動で行っても構わない。
上記加熱処理としては、例えば、焼成、フライ、蒸し、蒸し焼きが挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上の処理を行うことができるが焼成によることが好ましい。
また、得られた本発明のベーカリー製品を、冷蔵、冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエイをナノ濾過膜分離した後、さらに逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これをさらにエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中のカルシウム含量は0.4質量%であった。
〔実施例1〕
パームスーパーオレインのランダムエステル交換油95質量%とパームステアリン5質量%との混合油脂80.5質量部を60℃に加熱し、グリセリンモノステアリン酸エステル0.5質量部及びレシチン0.5質量部を添加・溶解した油相を用意した。一方、水17.55質量部を混合後60℃に加熱し、ホエイプロテインコンセントレート(たんぱく質含有量80質量%、たんぱく質中のホエイたんぱく質含量=100質量%、乳糖含量5質量%)0.4質量部、乳糖0.5質量部、乳清ミネラルA0.05質量部を添加・溶解した水相を用意した。上記油相と水相を油中水型の乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度―20℃/分)にかけ、これをシート状に成型し、ロールイン用である本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物1を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物1は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、36:58.4:5.6の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して0.89質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物1は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から1質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から1質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.1質量部に、更に水17.55質量部を16.4質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物2を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物2は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、41.0:53.9:5.1の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して1.95質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物2は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から2質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から2質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.2質量部に、更に水17.55質量部を14.3質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物3を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物3は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、41.0:53.9:5.1の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して3.9質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物3は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から3質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から3質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.3質量部に、更に水17.55質量部を12.2質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物4を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物4は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、41.0:53.9:5.1の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して5.85質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物4は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から2質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から1質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.1質量部に、更に水17.55質量部を15.4質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物5を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物5は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、57.1:39.3:3.6の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して2.8質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物5は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から0.5質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から1質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.1質量部に、更に水17.55質量部を16.9質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物6を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物6は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、26.2:67.2:6.6の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して1.525質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物6は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から1質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から2質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.1質量部に、更に水17.55質量部を15.4質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物7を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物7は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、27.1:69.5:3.4の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して2.95質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物7は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から1質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.1質量部に、更に水17.55質量部を16.9質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物8を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物8は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを、固形分として、(A):(B):(C)を55.2:37.9:6.9の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して1.45質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物8は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から1質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から1質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.2質量部に、更に水17.55質量部を16.3質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物9を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物9は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを、固形分として、(A):(B):(C)を39.0:51.2:9.8の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して2.05質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物9は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から1質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から1質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.05質量部に、更に水17.55質量部を16.45質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物10を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物10は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、42.1:55.3:2.6の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して1.9質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物10は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から5質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から1質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.1質量部に、更に水17.55質量部を12.4質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である比較例の可塑性油中水型乳化油脂組成物11を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物11は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、74.7:23.4:1.9の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して5.38質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物11は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から0.2質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から1質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.1質量部に、更に水17.55質量部を17.2質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である比較例の可塑性油中水型乳化油脂組成物12を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物12は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、12.6:79.5:7.9の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して1.27質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物12は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から1質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から5質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.1質量部に、更に水17.55質量部を12.4質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である比較例の可塑性油中水型乳化油脂組成物13を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物13は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、13.4:84.9:1.7の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して5.95質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物13は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から1質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から0.2質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.1質量部に、更に水17.55質量部を17.2質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である比較例の可塑性油中水型乳化油脂組成物14を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物14は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、69.6:21.7:8.7の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して1.15質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物14は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から1質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から1質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.5質量部に、更に水17.55質量部を16質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である比較例の可塑性油中水型乳化油脂組成物15を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物15は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、34:44.7:21.3の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して2.35質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物15は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートの含有量を0.4質量部から1質量部に、乳糖の含有量を0.5質量部から1質量部に、乳清ミネラルAの含有量を0.05質量部から0.02質量部に、更に水17.55質量部を16.48質量部に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である比較例の可塑性油中水型乳化油脂組成物16を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物16は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、42.8:56.1:1.1の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して1.87質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物16は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートをホエイパウダー(たんぱく質含有量13質量%、たんぱく質中のホエイたんぱく質含量=100質量%、乳糖含量77質量%)に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である比較例の可塑性油中水型乳化油脂組成物17を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物17は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、6.5:88.5:5.0の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して2.00質量%含有するものであった。また、可塑性油中水型乳化油脂組成物17は、カゼインたんぱく質を含有しないものであった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレートを脱脂粉乳(たんぱく質含有量35質量%、たんぱく質中のホエイたんぱく質含量=20質量%、乳糖含量53質量%)に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ロールイン用である比較例の可塑性油中水型乳化油脂組成物18を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物18は(A)ホエイたんぱく質、(B)乳糖、及び(C)乳清ミネラルを(A):(B):(C)を、固形分として、4.1:90.0:5.9の質量比で含有し、(A)、(B)及び(C)を、固形分として、合計して1.70質量%含有するものであった。
またカゼインたんぱく質含量は組成物基準でカゼインたんぱく質純分として0.28質量%であった。
上記可塑性油中水型乳化油脂組成物の製造により得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物1〜18を使用し、下記配合・製法により、本発明のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(デニッシュ)を得た。
得られたデニッシュについて焼成1時間後に喫食し、下記の評価基準にしたがって評価を行い、結果を表1に示した。
<配合>
強力粉 70質量部
薄力粉 30質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 4質量部
食塩 1.6質量部
砂糖 6質量部
脱脂粉乳 3質量部
練り込み油脂(ショートニング) 5質量部
水 58質量部
可塑性油中水型乳化油脂組成物 54質量部
可塑性油中水型乳化油脂組成物以外の原料を、たて型ミキサーにて低速3分及び中速5分ミキシングした小麦粉生地(捏ね上げ温度=24℃)を2℃の冷蔵庫内で一晩リタードした。この小麦粉生地に可塑性油中水型乳化油脂組成物をのせ、常法によりロールイン(4つ折1回、3つ折2回)し、36層に折り畳み、厚さ30mmのデニッシュ生地を得た。この生地を2℃の冷蔵庫内で30分レストを取った後、厚さ3mmに圧延し、直径100mmの型で生地を打ち抜き展板に載せ、32℃、相対湿度85%、60分のホイロを取った後、210℃の固定窯で11分焼成した。
・乳風味
○○○:優れたコクのある乳風味を強く感じる。
○○ :優れたコクのある乳風味を感じる。
○ :コクのある乳風味を感じる。
△ :乳風味が弱い。
× :乳風味が感じられない。
○○○:全く感じられない。
○○ :ごくわずかに感じるものの問題ないレベルである。
○ :わずかに感じるものの問題ないレベルである。
△ :若干感じられる。
× :はっきりと感じられる。
×× :強いえぐ味を感じる。
Claims (5)
- 下記(A)、(B)及び(C)成分を固形分として、20〜60:30〜70:2.5〜12の質量比(但し、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の質量比の和を100とする)で含有し、カゼインたんぱく質を含有しないことを特徴とする可塑性油中水型乳化油脂組成物。
(A)ホエイたんぱく質
(B)乳糖
(C)乳清ミネラル - 上記(A)、(B)及び(C)成分を合計して、固形分として0.5〜7質量%含有することを特徴とする請求項1記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物。
- 上記乳清ミネラルの固形分中のカルシウム含量が2質量%未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物を使用したベーカリー生地。
- 請求項4記載のベーカリー生地を使用したベーカリー製品。
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