JP2017051156A - 畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】畜肉加工生地の作業性低下を伴うことなく、ジューシー感やコク味を向上させ、また加熱調理時の肉汁流出や冷凍・解凍時のドリップを抑制し、歩留まりを向上することができる畜肉加工品用水中油型乳化脂の提供。【解決手段】エステル交換油脂を含む食用油脂5〜80質量%、水15〜70質量%、及び、増粘安定剤0.2〜10質量%を含有する畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂。増粘安定剤を含有する水相中に、加熱溶解した油脂を油脂として加え、水中油型乳化物としたのち、冷却固化させたものである畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂。【選択図】なし

Description

本発明は、畜肉加工品用水中油型乳化脂に関するものであり、畜肉加工品に配合することで、畜肉加工生地の作業性の低下を伴うことなくジューシー感やコク味、生地成形性を向上させ、また加熱調理時の肉汁の流出や冷凍・解凍時のドリップを抑制し、歩留まりを向上することができる畜肉加工品用水中油型乳化脂に関する。
ミンチ状の牛肉や豚肉、魚肉等の畜肉類に、必要に応じ野菜や豆類、その他食品素材を混合して畜肉加工生地を調製した後で成形を行い、焼成したり、場合によっては小麦粉等でつくられた可食性の外皮に包まれた状態で加熱調理して喫食する畜肉加工品がある。具体的にはハンバーグやフランクフルトソーセージ、小龍包、メンチカツ、蒲鉾等が挙げられる。
これらの畜肉加工品は畜肉加工生地に加熱処理を施して喫食するため、加熱工程の過程で畜肉加工品の旨味成分が溶解した肉汁が流出或いは蒸発して失われてしまい、伴って肉の収縮が起こる為、ジューシー感やコク味感が欠けバサバサとした食感になってしまうことがある。加えて、これらの畜肉加工食品、或いは畜肉加工生地を冷凍食品とするために冷凍した場合には、冷凍・解凍時にドリップが発生し、さらに歩留まりが悪化し、旨味の劣化や食感の硬化が更に進むという問題があった。
このため加熱工程及び冷解凍工程で失われる風味や食感を補う為に、出汁やスープ等を含む調味材や油脂組成物を上記畜肉加工生地に対して混合し、ジューシー感を補強した食品を生み出す検討がこれまで為されてきた。
一方、調味材の添加量を増やすことで畜肉加工品のジューシー感を更に強めることが可能であると考えられるが、風味・食感改善の為に大量の調味材を畜肉加工生地に混合しようとした際に、調味材が混合された生地はべたつき、生地成形時の作業性が低下する上、成形後の保型性も低下するという欠点もある。この点を克服する検討もまた行われてきた。
特許文献1では、レシチンとカゼインナトリウムを用いて食用油脂及び水を乳化し調製された水中油型乳化物を畜肉加工生地に練り込むことで、ジューシー感と共にソフト感を付与することを提案している。
特許文献2では、数mm角程度に細切りにし油脂を含浸させた茄子を畜肉加工生地に混合することでジューシー感を付与することを提案している。
特許文献3では、液状の調味材を吸収させ膨潤させたゼラチンを畜肉加工生地に混合することで、ジューシー感を付与することを提案している。
特許文献4では調味材として油中水型乳化油脂組成物を畜肉加工生地に混合することでジューシー感と良好な風味を付与することを提案している。
特許文献5では調味材として固形ソースを畜肉加工生地と組み合わせることでインパクトのある食味と食感を有する畜肉加工食品とすることを提案している。
しかし、特許文献1の手法では生地調製時のハンドリング性維持の観点から添加量に上限がある上、畜肉加工生地のべたつきが強くなるため歩留まりが低下する上、ジューシー感・コク味感の補強を十分に行うことが出来ない。
また特許文献2の手法では混合された細切りの茄子の食感が畜肉の食感・風味と異なり、好ましくない。
また特許文献3の手法では液状の調味材として油脂を殆ど含まないため、喫食時にジューシー感は感じるが畜肉加工品に求められるコク味が不足してしまう。
さらに特許文献4の手法ではコク味を増強することは出来るが、加熱工程の過程で失われやすい肉汁とは油脂を含む旨味成分の溶解した畜肉加工生地中の水分であるため、油中水型乳化油脂組成物を添加した場合、添加量によっては油性感が強くなりすぎ、求める風味・食感とは異なってしまう。
特許文献5の手法は、シート状の畜肉加工生地とシート状の固形ソースの積層の実施例しかないことからもわかるように固形ソースの風味と食感を味わうことが目的であるため、畜肉加工食品の食感を改良するものではなかった。
特開平05−103632号公報 特開平06−303948号公報 特開平08−168349号公報 特開2005−087070号公報 特開平11−69958号公報
従って本発明の目的は、畜肉加工品に配合することで、畜肉加工生地の作業性の低下を伴うことなく、ジューシー感やコク味を向上させ、また加熱調理時の肉汁の流出や冷凍・解凍時のドリップを抑制し、歩留まりを向上することができる畜肉加工品用水中油型乳化脂を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、エステル交換油脂を含む食用油脂、水、及び、増粘安定剤を含有する固形状水中油型乳化脂を使用することにより、上述の課題を解決できることを知見した。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、エステル交換油脂を含む食用油脂5〜80質量%、水15〜70質量%、増粘安定剤0.2〜10質量%を含有することを特徴とする畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂を提供するものである。
さらに本発明は上記畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂を用いた畜肉加工品を提供するものである。
本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂は、畜肉加工品に配合することで、畜肉加工生地の作業性の低下を伴うことなく、優れた食感を付与し、加熱調理時の肉汁の流出や冷凍・解凍時のドリップを抑制し、歩留まりを向上することができる。
以下、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂について、好ましい実施形態に基づき詳述する。
先ず本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂で使用されるエステル交換油脂について述べる。
上記エステル交換油脂は、油脂配合物をランダムエステル交換(非選択的エステル交換)して得られる油脂である。該油脂配合物に使用することのできる油脂としては、食用に使用可能な油脂であれば特に制限なく使用することができ、その代表例としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を挙げることができる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、濃厚な風味の畜肉加工品を求める場合は、上記油脂の中でも乳脂、牛脂、豚脂等の動物油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を油脂配合物中の好ましくは40質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%使用することが好ましい。
また、本発明では、加熱調理時の肉汁の流出防止や冷凍・解凍時のドリップの抑制の高い効果を求める場合は、上記油脂の中でもパーム油、パームオレイン油に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を油脂配合物中の好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%、最も好ましくは100質量%使用することが好ましい。
またさらに、本発明では、加熱調理時の肉汁の流出防止や冷凍・解凍時のドリップの抑制の高い効果に加え、優れた食感や良好な物性、とくに畜肉加工食品への配合時に短時間で練りこまれてしまわないような物性を求める場合は、ヨウ素価を5以下、好ましくは3以下となるまで水素添加した水素添加油脂、すなわち極度硬化油を、油脂配合物中の20質量%以上、好ましくは30質量%以上使用することが好ましい。尚、上限については好ましくは70質量%、より好ましくは60質量%である。
上記エステル交換の反応は、化学的触媒による方法でも位置選択性のない酵素による方法でもよい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記酵素としては、位置選択性のない酵素、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂或いはケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
本発明ではエステル交換処理の後、さらに水素添加や分別を行っていてもよく、本発明ではこの場合もエステル交換油脂として以後扱う。
また上記エステル交換油脂の好ましい融点は30℃〜60℃であり、より好ましくは33℃〜55℃である。
融点が30℃未満、又は融点が60℃超のエステル交換油脂を用いた場合は本発明の効果、とくに加熱調理時の肉汁の流出や冷凍・解凍時のドリップを抑制し、歩留まりを向上する効果が得られない。また、融点が30℃未満のエステル交換油脂の配合量が多いと畜肉加工品の成形の際のべたつきが大きくなり歩留まりやハンドリング性が低下してしまう問題、また60℃超のエステル交換油脂の配合量が多いと焼成後の畜肉加工品の喫食時に口腔内にザラツキを感じやすくなり風味・食感を損ねてしまうという問題もある。
本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂は上記エステル交換油脂を油相中に、油相基準で5質量%以上、好ましくは10質量%以上含有する。上記エステル交換油脂の含有量が5質量%未満であると、本発明品の畜肉加工品用水中油型乳化脂の冷解凍耐性が乏しくなる上に、加熱調理中の畜肉加工品からのドリップが避けられない。なお、上記エステル交換油脂の含有量の上限は100質量%であるが、好ましくは70質量%、より好ましくは50質量%である。
本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂は、上記エステル交換油脂に加え、その他の油脂を含有することができる。上記その他の油脂としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を挙げることができる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂における食用油脂の含量は5〜80質量%、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20%〜55質量%である。食用油脂の含量が5%未満であると、本発明品を添加した畜肉加工品の喫食時に感じるジューシー感やコク味が不足する恐れがある。また70質量%超であると畜肉加工品からの油分の分離が生じやすくなる上に、呈味成分の味が薄くなり油性感を感じやすくなる。なお、この油脂分含量は直接配合する油脂以外に油脂分を含有する食品素材や食品添加物を使用した場合には、それらに含まれる油脂分を合わせて算出するものとする。
本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂の油相のSFC(固体脂含量)は、好ましくは10℃で5〜80%、20℃で5〜60%、30℃で0〜30%、40℃で0〜20%、60℃で0〜10%であり、より好ましくは10℃で5〜50%、20℃で5〜40%、30℃で0〜30%、40℃で0〜20%、60℃で0〜3%であり、さらに好ましくは、10℃で20〜40%、20℃で10〜30%、30℃で0〜20%、40℃で0〜15%、60℃で0〜1%である。SFCが60℃で10%以上であると、加熱調理後の畜肉加工品の風味・食感を損ねてしまうおそれがある。またSFCが10℃又は20℃で5%未満であると、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂を畜肉加工生地に練り込んだ際に、生地のべたつきが大きくなり、歩留まり・ハンドリング性が低下してしまうおそれがあることに加え、加熱調理中に油脂の流出が発生し、畜肉加工品の風味・食感が低下してしまうおそれもある。
次に本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂で使用される水について述べる。
上記水としては特に限定されず、通常の水道水、ミネラルウォーター、イオン交換処理水、蒸留水等の何れであってもよい。これらの水は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂における水の含量は下記のその他の成分に含まれる水分をあわせた合計量として、15〜70質量%、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは20〜55質量%である。
水の含量が15質量%未満であると油分の分離が生じやすくなる上に油性感を感じやすくなり、また80質量%超であると喫食時に感じるジューシー感やコク味が不足する恐れがある。
次に本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂で使用される増粘安定剤について述べる。
本発明で使用する増粘安定剤としては特に制限されないが、例えばグアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、CMC、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、加工澱粉等が挙げられ、これらのうちから1種又は2種以上を組合せて使用することが可能である。
本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂における増粘安定剤の含有量は、0.2〜10質量%、好ましくは2〜8質量%である。0.2質量%未満であると、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂の乳化安定性が低下し、加熱調理中の油脂の流出が多くなる。また10質量%超であると、畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂の固化強度が上昇してしまい、求めるジューシー感やコク味感を畜肉加工品に付与することが出来なくなる可能性がある。
本発明の畜肉加工用固形状水中油型乳化脂には、所望により以下のその他の成分を適宜量配合できる。
酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、燐酸、フィチン酸等の有機酸及び無機酸、砂糖、ぶどう糖、液糖、還元糖、水飴、還元水飴、アステルパーム等の甘味料、食塩や塩化カリウム等の塩味材、醗酵乳等の酸味料、β-カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料、トコフェロール・茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白・大豆蛋白等の植物蛋白、乳蛋白・畜肉蛋白等の動物蛋白、卵、卵黄、卵白、及び卵加工品、ソース、ケチャップ、果汁、果肉、香辛料、着香料、調味料、pH調整剤、食品保存料。
また、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂には様々な具材を適宜添加・分散することができる。具材を入れると風味のバラエティも増して更に好ましい。該具材としては、野菜、加工野菜、魚肉、魚卵、畜肉、チーズ等の乳製品、ゆで卵等の卵製品、ハム、ソーセージ等の調理食品、生鮮食品を適当な大きさに切って塩漬けにしたもの、又は加熱調理したもの等を用いることが出来る。なお、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂が具材を含む場合、その配合量は10〜50質量%であるのが好ましく、より好ましくは10〜33質量%である。
上記成分を含んで成る本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂において、固形状とは、常温即ち約30℃以下の状態で固体を呈することを指し、本発明品は加熱によりペースト状或いは液状へと変化する。
次に本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂の製造方法について述べる。
本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂は、増粘安定剤を溶解させた水相中に、加温した油脂を油相として添加して、水中油型乳化物としたのち、冷却固化することによって製造することができる。
詳しくは増粘安定剤1種又は2種以上並びに水溶性成分を水に分散し、加熱溶解して水相を調製する。この水相に、加温した油脂を油相として加え、水中油型乳化物とする。この時油相には油溶性成分を分散・溶解させてもよい。尚、増粘安定剤として澱粉を用いる場合は、油相に分散させるのが好ましい。
水中油型乳化物とするための乳化操作は、水相及び油相とも好ましくは30〜50℃、より好ましくは35〜45℃に調温して行うことが好ましい。
水中油型乳化物の調製にはホモジナイザー又はコロイドミルを用い、均質化するのが好ましい。続いて該水中油型乳化物を冷却し、好ましくは常温(25℃)以下、さらに好ましくは10℃以下、最も好ましくは−18℃以下まで冷却し、固化させることにより、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂を得る。
冷却固化時には必要に応じて成形してもよく、該成形には成形型に上記水中油型乳化物を入れることによって行う。該成形型は使用用途に応じてどのような形態・大きさであってもよい。また、冷却固化後に適当な大きさにスライス、カットしたり、押出し加工やすりおろし等によりミンチ状や粒状、小片状、或いは粉末状に加工してもよい。
スライスする場合の厚みは好ましくは2〜30mm、より好ましくは4〜16mmである。
また、カットする場合のサイズは直方体や立方体の場合は一辺の長さが好ましくは2〜30mm、より好ましくは4〜16mmである。
本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂が具材を含む場合には、水中油型乳化物の製造時に具材を配合する方法でもよく、また、冷却固化時に水中油型乳化物と具材を混合して冷却固化する方法、或いは畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂と具材を練り合わせる方法でもよい。
続いて本発明の畜肉加工品について述べる。
先ず本発明において畜肉加工生地とは、ミンチ状の牛肉や豚肉、魚肉等の畜肉類に、必要に応じて蛋白質や澱粉、調味料、野菜類を細かく刻んだものを配合し、適宜混練した物を示す。
上記蛋白質としては、特に限定されないが、例えばα−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、血清アルブミン等のホエイ蛋白質、カゼイン、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン、プロラミン、グルテリン等の小麦蛋白質、その他動物性及び植物性蛋白質等の蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて一種ないし二種以上の蛋白質として、或いは一種ないし二種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよい。
本発明で用いることのできる澱粉類としては、まず穀粉類、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉等の小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉等のその他の穀粉類が挙げられる。また、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ―ナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉等の堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉 小麦澱粉 、甘藷澱粉 、サゴ澱粉 、米澱粉 等の澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼ等の酵素で処理したものや、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理等の中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した加工澱粉等が挙げられる。これらの澱粉は目的に応じて一種ないし二種以上の澱粉として、或いは一種ないし二種以上の澱粉を含有する食品素材の形で添加してもよい。
上記調味料としては、特に限定されないが、例えばアサフェティダ、アジョワン、アニス、オールスパイス、オニオン、オレガノ、カホクザンショウ、カルダモン、カレーリーフ、キャラウェイ、クミン、グリーンペッパー、クローブ、胡椒、コリアンダー、サフラン、山椒、紫蘇、肉桂、生姜、八角、セージ、タイム、ターメリック、タラゴン、ディル、唐辛子、一味唐辛子、ナツメグ、大蒜、バニラ、ハラペーニョ、パプリカ、フェヌグリーク、フェンネル、ホースラディッシュ、ミント、辛子、ミョウガ、ローズマリー、ローリエ、山葵等の香辛料や、砂糖、黒砂糖、塩、酢、醤油、魚醤、味噌、豆板醤、XO醤、芝麻醤、豆栗醤、甜面醤、コチュジャン、みりん、ウスターソース、ケチャップ、オイスターソース、サルサ、サンバルソース、チリソース、チャツネ、マスタード、マヨネーズ、ラー油、ハーブ、カレー粉等が挙げられる。
上記野菜類としては、特に限定されないが、例えばケール、大麦、セロリ、パセリ、ニンジン、クワの葉、アロエ、アスパラガス、ネギ、タマネギ、ホウレン草、ニガウリ、胡瓜、シソ、シュンギク、レタス、ニワトコ、ハコベ、ヨモギ、ショウガ、トマト、ピーマン、トウガラシ、キャベツ、ブロコッリー、カブ、白菜、芽キャベツ、大根、大根の葉、カリフラワー、クレソン、センブリ、大豆、グリーンピース、そら豆等が挙げられる。
本発明の畜肉加工品は、上記の畜肉加工品用水中油型乳化脂を含んでなるものであり、加熱調理時の肉汁の流出が抑制され、歩留まりが向上しているという特徴を有する。
具体的には、例えば生ハム、ハンバーグ、ミートボール、肉団子、ミートローフ、ミートソース、ミートパテ、ミートコロッケ、メンチカツ、ロールキャベツ、シュウマイ、餃子、小龍包、肉まん、牛丼、つくね、ハム、ハムステーキ、ソーセージ、さつま揚げ、かまぼこ、つみれ、ちくわ、はんぺん、魚肉ソーセージ、スコッチエッグ等が挙げられる。
上記の畜肉加工品における、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂の含有量は限定されないが、調製された畜肉加工生地に対して、該生地の4.2〜8.3質量%添加するのが好ましく、9.2%〜14.2質量%添加するのが更に好ましく、15.0〜20.8質量%添加するのが最も好ましい。5質量%未満であると本発明品の効果により得られるジューシー感やコク味を十分に感じることができず、加えてボソボソとした食感となる恐れがある。また添加量が25質量%を超えると油性感が強くなってしまうことに加えて、畜肉加工品の肉粒感を感じづらくなるおそれがある。
上記畜肉加工品に用いられる畜肉の種類としては牛、豚、鶏、羊、馬、鹿、兎、猪、熊等の動物肉を挙げることがでるが、サケ、スケトウダラ、ホキ、タイ、マグロ、カジキ、イワシ、サバ、アジ、サンマ、ウナギ、ハモ、タチウオ、コイ、フナ、アザラシ、鯨、タコ、イカ、オキアミ、イセエビ、エビ等の魚肉や海産動物肉を挙げることが出来る。
上記畜肉加工食品に対する、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂の添加方法としては特に限定されず、畜肉を使用して畜肉加工食品を製造する際に混合する、挟む、積層する、巻き込む、等の方法により行なわれるが、混合する方法が好ましい。
混合する場合、畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂の形状が視認可能な程度に残すことが好ましい。このようにすることにより、より優れた食感とすることができる。
上記本発明の畜肉加工品は加熱調理前に冷凍することができる。その場合、冷凍のまま加熱調理しても、或いは解凍した後に加熱調理してもよい。この場合、本発明の畜肉加工品は冷凍・解凍時のドリップが抑制され、歩留まりが向上されているという特徴を有している。
以下、実施の一例を示し詳述するが、下記記述により本発明は何ら限定されるものではない。
(製造例1)エステル交換油脂Aの調製
パーム油70質量%と、パーム油にヨウ素価が1以下となるまで水素添加を行った極度硬化油30質量%からなる油脂配合物を、四口フラスコ内で液温110℃で真空下30分加熱した。この後、対油0.2質量%の割合でランダムエステル交換触媒のナトリウムメトキシドを加え、液温85℃に調整し更に真空下1時間加熱、ランダムエステル交換を行った。この後、クエン酸を添加しナトリウムメトキシドを中和した後、白土を加え漂白し、これを濾別することでエステル交換油脂A(融点50℃)を得た。
(製造例2及び3)エステル交換油脂B及びCの調製
ジャケット付ガラス製晶析槽に、上記エステル交換油脂A2000gを取り、60℃で完全に溶解した。この溶解させた油脂を40rpmで撹拌しながら35℃まで冷却した後、35℃で72時間結晶化することで、結晶化スラリーを得た。この結晶化スラリーをメンブレンフィルターを用いて、濾過分別し、結晶部を3MPaで圧搾し、液状部と結晶部に分離、この液状部をエステル交換油脂B(融点28℃)、結晶部をエステル交換油脂C(融点72℃)とした。
(製造例4)エステル交換油脂Dの調製
製造例1で使用した油脂配合物に代えて、牛脂60質量%と、牛脂にヨウ素価が1以下となるまで水素添加を行った極度硬化油40質量%からなる油脂配合物を使用した以外は、製造例1と同様にしてエステル交換油脂D(融点50℃)を得た。
(製造例5)エステル交換油脂Eの調製
製造例1で使用した油脂配合物に代えて、パーム分別軟部油(ヨウ素価60)100質量%からなる油脂配合物を使用した以外は、製造例1と同様にしてエステル交換油脂E(融点34℃)を得た。
<畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂の製造>
(実施例1)
大豆液状油25質量%、パーム油20質量%及びエステル交換油脂A5質量%からなる混合油脂を40℃に加温し、タピオカ由来の加工澱粉(糊化リン酸架橋デンプン)2質量%、卵白粉末1質量%を添加分散して、油相を調製した。一方、水28質量%を40℃に加温し、食塩2質量%、還元水飴5質量%、醗酵乳酸0.5質量%、ゼラチン5質量%、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形29質量%)6質量%、及びシーズニング0.5質量%を添加溶解して、水相を調製した。こうして調製した水相に、上記油相を添加攪拌し、コロイドミルにより均質化し、水中油型乳化物を得た。この水中油型乳化物を1cm角の立方体の成形型に入れ、その後10℃まで冷却して固化させ、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Aを得た(油相のSFC10℃で27.5%、20℃で14.1%、30℃で9.1%、40℃で3.8%、60℃で0.0%である)。
(実施例2)
実施例1で使用したエステル交換油脂Aを同量のエステル交換油脂Bに変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Bを得た(油相のSFC10℃で23.8%、20℃で8.6%、30℃で4.3%、40℃で1.5%、60℃で0.0%である)。
(実施例3)
実施例1で使用したエステル交換油脂Aを同量のエステル交換油脂Cに変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Cを得た(油相のSFC10℃で30.0%、20℃で17.8%、30℃で14.0%、40℃で11.2%、60℃で7.7%である)。
(実施例4)
実施例1で使用したエステル交換油脂Aを同量のエステル交換油脂Dに変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Dを得た(油相のSFC10℃で27.9%、20℃で14.9%、30℃で10.0%、40℃で4.3%、60℃で0.0%である)。
(実施例5)
実施例1で使用した大豆液状油25質量%、パーム油20質量%及びエステル交換油脂A5質量%からなる混合油脂を、大豆液状油15質量%、パーム油15質量%及びエステル交換油脂A20質量%からなる混合油脂に変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Eを得た(油相のSFC10℃で43.8%、20℃で29.9%、30℃で22.3%、40℃で10.5%、60℃で0.1%である)。
(実施例6)
実施例1で使用した大豆液状油25質量%、パーム油20質量%及びエステル交換油脂A5質量%からなる混合油脂を、大豆液状油25質量%、エステル交換油脂E20質量%及びエステル交換油脂A5質量%からなる混合油脂に変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Fを得た(油相のSFC10℃で19.5%、20℃で11.4%、30℃で7.3%、40℃で3.2%、60℃で0.1%である)。
(実施例7)
実施例1で使用した大豆液状油25質量%、パーム油20質量%及びエステル交換油脂A5質量%からなる混合油脂を、大豆液状油25質量%、エステル交換油脂E20質量%及びエステル交換油脂D5質量%からなる混合油脂に変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って、本発明の畜肉加工品改良用固形状水中油型乳化脂Gを得た(油相のSFC10℃で20.0%、20℃で12.3%、30℃で8.2%、40℃で3.7%、60℃で0.1%である)。
(実施例8)
大豆液状油25質量%、パーム油20質量%及びエステル交換油脂A5質量%からなる混合油脂を40℃に加温し、タピオカ由来の加工デンプン2質量%、卵白粉末1質量%を添加分散して、油相を調製した。一方、水33質量%を40℃に加温し、食塩2質量%、還元水飴5質量%、醗酵乳酸0.5質量%、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形29質量%)6質量%、及びシーズニング0.5質量%を添加溶解して、水相を調製した。こうして調製した水相に、上記油相を添加攪拌し、コロイドミルにより均質化し、水中油型乳化物を得た。この水中油型乳化物に、ゼラチン10質量%水溶液10質量部を添加し十分に混合後、1cm角の立方体の成形型に入れ、その後10℃まで冷却して固化させ、本発明の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Hを得た(油相のSFC10℃で27.5%、20℃で14.1%、30℃で9.1%、40℃で3.8%、60℃で0.0%である)。
(比較例1)
実施例1で使用した大豆液状油25質量%、パーム油20質量%及びエステル交換油脂A5質量%からなる混合油脂を、大豆液状油25質量%及びパーム油25質量%からなる混合油脂に変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って、比較例の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Iを得た(油相のSFC10℃で25.4%、20℃で10.1%、30℃で5.4%、40℃で1.8%、60℃で0.0%である)。
(比較例2)
実施例1で使用した大豆液状油25質量%、パーム油20質量%及びエステル交換油脂A5質量%からなる混合油脂を、大豆液状油1質量%及びエステル交換油脂A1質量%からなる混合油脂に変更し、水の配合量を28質量%から76質量%に変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って、比較例の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Jを得た(油相のSFC10℃で36.0%、20℃で29.8%、30℃で24%、40℃で12%、60℃で0.1%である)。
(比較例3)
実施例1で使用した大豆液状油25質量%、パーム油20質量%及びエステル交換油脂A5質量%からなる混合油脂を、大豆液状油32.5質量%、パーム油26質量%及びエステル交換油脂A6.5質量%からなる混合油脂に変更し、水の配合量を28質量%から13質量%に変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って、比較例の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Kを得た(油相のSFC10℃で27.5%、20℃で14.1%、30℃で9.1%、40℃で3.8%、60℃で0.0%である)。
(比較例4)
実施例1で使用したタピオカ由来の加工澱粉(糊化リン酸架橋デンプン)2質量%を無添加とし、さらにゼラチン5質量%を無添加とし、水の配合量を28質量%から35質量%に変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って、比較例の畜肉加工品用水中油型乳化脂Lを得た(油相のSFC10℃で27.5%、20℃で14.1%、30℃で9.1%、40℃で3.8%、60℃で0.0%である)。
(比較例5)
実施例1で使用したタピオカ由来の加工澱粉(糊化リン酸架橋デンプン)2質量%を4質量%に変更し、さらにゼラチン5質量%を10質量%に変更し、水の配合量を28質量%から21質量%に変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って、比較例の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Mを得た(油相のSFC10℃で27.5%、20℃で14.1%、30℃で9.1%、40℃で3.8%、60℃で0.0%である)。
(実施例9〜19及び比較例1〜11)
<畜肉加工品(ハンバーグ)の製造>
牛挽肉39.68質量部、みじん切りローストオニオン22.68質量部、全卵(正味)3.40質量部、牛乳3.40質量部、パン粉6.80質量部、食塩0.57質量部、水6.80質量部、及び畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂A〜Jそれぞれ16.67質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーを使用して低速1分混合し、畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂が視認できる状態で残存する畜肉加工品生地を得た。この畜肉加工品生地を160gに分割して楕円形にまるめ、これを−20℃まで急速冷凍し、−20℃で7日間冷凍した。これを解凍することなく固定オーブン(設定温度:190℃)で10分間焼成し、本発明の畜肉加工品であるハンバーグA〜H(実施例9〜16)、及び、比較例の畜肉加工品であるハンバーグI〜M(比較例6〜10)を得た。
一方、畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂を無添加とした以外は同様の配合・製法で比較例のハンバーグN(比較例11)を得た。
ハンバーグA〜Nの配合を表1Aに示した。
得られたハンバーグA〜Nについて、風味(コク味及びジューシー感)、焼成時の肉汁の流出量、解凍時のドリップ量、焼成時の歩留まりについて下記の評価基準にしたがって評価を行い、結果を表1に記載した。
また、製造途中の畜肉加工品生地の段階での生地成形時の作業性についても下記の評価基準にしたがって評価を行い、結果を表1に記載した。
尚、畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂Aについては、混合時間を1分から2分に変更して畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂が視認できない状態となるまで練りこんだ以外は実施例9と同様の配合・製法で得られたハンバーグA2(実施例17)、畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂の添加量を16.67質量部から12.25質量部に変更した以外は実施例9と同様の配合・製法で得られたハンバーグA3(実施例18)、同じく添加量を6.25質量部に変更した以外は実施例9と同様の配合・製法で得られたハンバーグA4(実施例19)についても同様の評価を行ない、結果を表2に記載した。
評価方法
<生地成形時の作業性の評価基準>
○:生地がべたつかず、適度な柔らかさを保ったまま十分な保型性を有している
△:生地がややべたつくが、十分な保型性を有している
×:生地がべたつき、保型性が低い
<風味(コク味及びジューシー感)の評価基準>
喫食時の風味を、10人のパネラーにて官能試験した。「コク味、ジューシー感が十分に感じられ、とてもおいしい」、「コク味、ジューシー感が感じられ、おいしい」、「あっさりとしており、物足りなさを感じる」、及び「コク味、ジューシー感ではない油っぽさが感じられる」の4 段階で評価し、「コク味、ジューシー感が十分に感じられ、とてもおいしい」に4点、「コク味、ジューシー感が感じられ、おいしい」に3点、「あっさりとしており、物足りなさを感じる」に2点、「コク味、ジューシー感ではない油っぽさが感じられる」を1点とし、合計点が26点以上のものを◎ 、23〜25点のものを○ 、20〜22点のものを△ 、15〜19点のものを×、14点以下のものを××とした。
<焼成時の肉汁の流出量の評価基準>
焼成したハンバーグの肉汁量を目視により観察した。
◎:流出が殆ど見られない
○:流出が少量見受けられる
△:流出が多く見受けられる
×:流出が極めて多く見受けられる
<解凍時のドリップ量の評価基準>
解凍時のハンバーグの肉汁量を目視により観察した。
◎:ドリップが殆ど見られない
○:ドリップが受けられる
△:ドリップが多く見受けられる
×:ドリップが極めて多く見受けられる
<歩留まりの評価基準>
焼成前の重量(A)と焼成後の重量(B)を計量し、
(B/A)×100=歩留まり率(%)とした。
◎:85%以上
○:80%以上85%未満
△:75%以上80%未満
×:75%未満
Figure 2017051156
Figure 2017051156
Figure 2017051156

Claims (4)

  1. エステル交換油脂を含む食用油脂5〜80質量%、水15〜70質量%、及び、増粘安定剤0.2〜10質量%を含有することを特徴とする畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂。
  2. 上記エステル交換油脂の融点が30℃以上である請求項1記載の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂。
  3. 上記固形状水中油型乳化脂が、増粘安定剤を含有する水相中に、加熱溶解した油脂を油相として加え、水中油型乳化物としたのち、冷却固化させたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の畜肉加工品用水中油型乳化脂を含んでなる、畜肉加工品。
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