JP2019083790A - 畜肉加熱食品用油脂組成物、及びそれを含有する畜肉加熱食品 - Google Patents

畜肉加熱食品用油脂組成物、及びそれを含有する畜肉加熱食品 Download PDF

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諒子 近藤
太一 松田
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太一 松田
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Abstract

【課題】畜肉加熱食品の歩留まりとジューシー感を向上させる畜肉加熱食品用油脂組成物と、それを含有する畜肉加熱食品を提供する。【解決手段】油脂と、有機酸モノグリセリドと、もち米澱粉及び/又はリン酸架橋澱粉とを含有し、前記澱粉が糊化していることを特徴とする、畜肉加熱食品用油脂組成物を提供する。前記有機酸モノグリセリドがコハク酸モノグリセリドであることが好ましく、畜肉加熱食品用油脂組成物における前記コハク酸モノグリセリドの含有量が0.3〜30質量%であることが好ましく、畜肉加熱食品用油脂組成物における前記澱粉の含有量が0.3〜15質量%であることが好ましく、油中水型乳化物であることが好ましく、原料に挽肉を含む畜肉加熱食品用であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ハンバーグ、ミートボール、メンチカツ、肉まん、肉焼売等の畜肉加熱食品に用いる畜肉加熱食品用油脂組成物に関し、更に詳細には、畜肉加熱食品の歩留まりとジューシー感を向上させる畜肉加熱食品用油脂組成物と、それを含有する畜肉加熱食品に関する。
一般に畜肉に焼く、炒める、揚げる等の加熱処理を施すと、蛋白質が加熱変性を受け、肉汁の流出、歩留まりの低下、さらにパサパサとした食感や硬さを感じる等の問題が生じる。ハンバーグ、ミートボール、メンチカツ、肉まん、肉焼売等の畜肉加熱食品では、肉汁が多くジューシー感があるものが好まれる傾向にあり、その品質向上のために様々な方法が用いられている。
例えば、引用文献1には、炭素数8〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグリセリドとコハク酸とのエステルを、改質対象の挽き肉に対して0.3〜5重量%に相当する量で含有する挽き肉を主成分とする食品成型物の改質剤が記載されて、この改質剤を用いて、焼く、揚げる等の加熱調理によっても肉質が柔らかく、肉汁に富み、良好な風味の挽き肉を主成分とする成型物を提供できることが記載されている。
また、引用文献2には、モノグリセリドあるいはジグリセリドとポリカルボン酸とのエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、及びレシチンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物とプロテアーゼとを含有することを特徴とする、肉に直接接触させて用いる肉の軟化改質剤が記載されて、この軟化改質剤を用いて、焼く、揚げる等の加熱調理を行なっても、柔らかい肉質で、肉汁に富みかつ良好な風味と食感とを与える食肉もしくは肉製品とすることができることが記載されている。
特許第3286453号 特許第2980517号
しかしながら、上記特許文献1,2の技術では、畜肉加熱食品の歩留まりとジューシー感を向上させる効果が十分とはいえなかった。
そこで、本発明の目的は、畜肉加熱食品の歩留まりとジューシー感を向上させる畜肉加熱食品用油脂組成物と、それを含有する畜肉加熱食品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため、油脂と、有機酸モノグリセリドと、糊化している特定の澱粉とを含有する畜肉加熱食品用油脂組成物を、ハンバーグ、ミートボール、メンチカツ、肉まん、肉焼売等の畜肉加熱食品に用いることで、その食品の歩留まりとジューシー感を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の1つは、油脂と、有機酸モノグリセリドと、もち米澱粉及びリン酸架橋澱粉から選ばれた少なくとも1種の澱粉とを含有し、前記澱粉が糊化していることを特徴とする畜肉加熱食品用油脂組成物を提供するものである。
本発明の畜肉加熱食品用油脂組成物は、油脂、有機酸モノグリセリド、及び糊化した、もち米澱粉及び/又はリン酸架橋澱粉を含有するもので、これを畜肉加熱食品に添加することで、加熱処理したときの歩留まりとジューシー感を向上させることができる。
上記発明においては、前記有機酸モノグリセリドがコハク酸モノグリセリドであることが好ましい。
上記発明においては、畜肉加熱食品用油脂組成物における前記有機酸モノグリセリドの含有量が0.3〜30質量%であることが好ましい。
上記発明においては、畜肉加熱食品用油脂組成物における前記澱粉の含有量が0.3〜15質量%であるであることが好ましい。
上記発明の畜肉加熱食品用油脂組成物は、油中水型乳化物であることが好ましい。
上記発明の畜肉加熱食品用油脂組成物は、原料に挽肉を含む畜肉加熱食品用であることが好ましい。
また、本発明の他の1つは、上記に記載の畜肉加熱食品用油脂組成物を含有することを特徴とする畜肉加熱食品を提供するものである。
本発明の畜肉加熱食品は、油脂、有機酸モノグリセリド、及び糊化した、もち米澱粉及び/又はリン酸架橋澱粉を含有する畜肉加熱食品用油脂組成物が添加されているので、加熱処理されたときの歩留まりとジューシー感が向上する。
上記発明においては、畜肉加熱食品における前記畜肉加熱食品用油脂組成物の含有量が2〜18質量%であることが好ましい。
上記発明においては、原料に挽肉を含むことが好ましい。
上記発明においては、畜肉加熱食品における前記有機酸モノグリセリドの含有量が0.05〜0.8質量%であることが好ましい。
上記発明においては、畜肉加熱食品における前記澱粉の含有量が0.05〜0.5質量%であることが好ましい。
本発明の畜肉加熱食品用油脂組成物は、油脂、有機酸モノグリセリド、及び糊化した、もち米澱粉及び/又はリン酸架橋澱粉を含有するもので、これを畜肉加熱食品に添加することで、加熱処理したときの歩留まりとジューシー感を向上させることができる。
また、本発明の畜肉加熱食品は、油脂、有機酸モノグリセリド、及び糊化した、もち米澱粉及び/又はリン酸架橋澱粉を含有する畜肉加熱食品用油脂組成物が添加されているので、加熱処理したときの歩留まりとジューシー感が向上されたものとなる。
本発明の畜肉加熱食品用油脂組成物は、油脂と、有機酸モノグリセリドと、もち米澱粉及び/又はリン酸架橋澱粉とを含有する。
本発明の畜肉加熱食品用油脂組成物に用いる油脂は、食用として認められている油脂であれば特に限定されず、例えば、アマニ油、エゴマ油、くるみ油、サフラワー油、ぶどう油、大豆油、ひまわり油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、なたね油、落花生油、オリーブ油、パーム油、やし油、牛脂、豚脂、鶏脂、羊脂、鯨油、魚油、またこれらの脱臭油、分別油、水素添加油、エステル交換油等の加工油脂等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の油脂を用いることができる。
油脂の含有量は、40質量%〜98質量%であることが好ましく、55〜97質量%であることがより好ましく、60質量%〜80質量%が最も好ましい。油脂が、40質量%未満では、油脂組成物の状態が不安定となり、98質量%を超えると、有機酸モノグリセリドと澱粉の含有量が低くなるため、畜肉加熱食品の歩留まりとジューシー感が向上されるという本発明の効果が不十分なものとなる。
本発明の畜肉加熱食品用油脂組成物に用いる有機酸モノグリセリドは、例えば、クエン酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、酢酸モノグリセリド等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の有機酸モノグリセリドを用いることができる。特に、コハク酸モノグリセリドがより好ましく用いられる。
有機酸モノグリセリドの含有量は、0.3質量%〜30質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。有機酸モノグリセリドが、0.3質量%未満では、畜肉加熱食品の歩留まりとジューシー感が向上されるという本発明の効果が不十分なものとなり、30質量%を超えると、油脂組成物を安定して製造できない傾向にある。
本発明の畜肉加熱食品用油脂組成物には、糊化している、もち米澱粉及び/又はリン酸架橋澱粉を用いる。
上記リン酸架橋澱粉の原料澱粉としては、食品用に利用可能な澱粉であれば特に制限はないが、例えばコーンスターチ、タピオカ澱粉、米澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、片栗澱粉、葛澱粉、蕨澱粉、サゴ澱粉、緑豆澱粉、オオウバユリ澱粉等が挙げられる。また、いずれの澱粉においても通常の澱粉に加え、ウルチ種、ワキシー種、ハイアミロース種のように、育種学的手法もしくは遺伝子工学的手法において改良されたものを用いてもよい。これらの中から選ばれた1種又は2種以上の澱粉を用いることができる。
これら原料澱粉に、トリメタリン酸塩、オキシ塩化リン等の架橋剤を用いて、当業者に周知の方法により架橋処理を施すことで、リン酸架橋澱粉を得ることができる。
さらに、原料澱粉に、架橋処理以外の化学的処理や物理的処理等を施してもよく、このような化学的処理としては、例えば、酸処理、アルカリ処理、酸化処理;アセチル化、リン酸化等のエステル化処理;ヒドロキシプロピル化等のエーテル化処理等、物理的処理としては、例えば、加熱処理、α化処理、湿熱処理、ボールミル処理、微粉砕処理等が挙げられる。このような処理は、1種の処理が単独で施されていてもよく、また2種以上の処理が組み合わされて施されていてもよい。
化学処理が施されているリン酸架橋澱粉としては、例えば、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等が挙げられる。この中で、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉は、原料澱粉に、アルカリ条件下でトリメタリン酸ナトリウム又はオキシ塩化リンを加えて反応させた後、酸化プロピレンを反応させることにより得ることができる。
本発明に用いる澱粉は、油脂組成物が畜肉加熱食品の原料の一部として添加されるよりも前に予め糊化されていることが好ましい。糊化は、水の存在下で澱粉を加熱してデンプン粒を崩壊させ、ペースト状とすることにより行う。糊化が不十分であると、ジューシー感が得られなくなる傾向がある。
本発明の畜肉加熱食品用油脂組成物中の澱粉の含有量は、もち米澱粉とリン酸架橋澱粉の合計量で0.3質量%〜15質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。上記澱粉が、0.3質量%未満では、畜肉加熱食品の歩留まりとジューシー感が向上されるという本発明の効果が不十分なものとなり、15質量%を超えると、油脂組成物を安定して製造できない傾向にある。また、上記澱粉は油脂組成物中の水3質量部に対して1質量部以下であることが好ましい。1質量部を超えると加熱時に増粘して焦げ付き等の原因となるか、もしくは、さらに前記澱粉が多くなると糊化が十分ではなく目的の効果が得られなくなる。
本発明の畜肉加熱食品用油脂組成物は、油中水型乳化物であることが好ましい。この場合、畜肉加熱食品用油脂組成物の油相(油脂)と水相の割合は、油相40〜98質量%、水相2〜60質量%であることが好ましく、油相55〜97質量%、水相3〜45質量%であることがさらに好ましい。油相の割合が40質量%未満であったり、水相が60質量%を超えると畜肉加熱食品用油脂組成物の乳化が不安定なものとなりやすく、油相の割合が98質量%を超えたり、水相が2質量%未満では、澱粉の含有量が低くなるため、畜肉加熱食品の歩留まりとジューシー感が向上されるという本発明の効果が不十分なものとなる。
このような油中水型乳化物である畜肉加熱食品用油脂組成物は、例えば、次の手順で製造することができる。油脂中に有機酸モノグリセリドを含む乳化剤を溶解させた油相を準備する。また、水を含む水相を用意する。これらの水相と油相は、50〜90℃、好ましくは55℃〜85℃に加温し、添加した成分を完全に溶解しておく。この際、澱粉は水に含まれていてもよく、澱粉が水に含まれている場合には、この時点で糊化されることが好ましい。または澱粉が油相に分散されていてもよい。油相と水相を混合し、乳化する。例えば、加熱された油相に加熱された水相をゆっくりと添加しながら乳化する。その後、必要に応じて、香料等の添加成分を加えることもできる。その後、必要に応じて、定法により殺菌、急速冷却、捏和し、可塑化して本発明の油中水型油脂組成物として得ることができる。ここで、殺菌工程は澱粉を糊化させる目的もあり、70℃〜95℃で行われることが好ましい。
本発明の畜肉加熱食品用油脂組成物は、有機酸モノグリセリドの他に、乳化や油脂結晶調整等の目的のために、他の乳化剤を含有させてもよい。他の乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤や、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄等の合成乳化剤でない乳化剤を用いることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の乳化剤を用いることができる。
さらに、本発明の畜肉加熱食品用油脂組成物には、本発明の効果を抑制しない範囲で、適宜、pH調整剤(塩酸、乳酸、クエン酸、酢酸、水酸化カルシウム、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、酢酸ソーダ等)、塩類(リン酸塩、グルタミン酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、炭酸塩等)、蛋白質(乳性蛋白質、大豆蛋白質、卵白、小麦蛋白質等)、アミノ酸、酵素(トランスグルタミナーゼ、プロテアーゼ等)、糖質、食物繊維、香料、色素、酸化防止剤等の1種又は2種以上を含有させてもよい。
このような畜肉加熱食品用油脂組成物は、歩留まりとジューシー感を向上させることができるので、ハンバーグ、ミートボール、肉団子、つくね、ミートローフ、メンチカツ、肉まん、肉焼売、肉餃子、肉春巻き、肉入りオムレツ、肉みそ、ロールキャベツ、油揚げの袋煮(巾着)、麻婆豆腐、麻婆ナス、そぼろ、肉詰め、サモサ等の畜肉加熱食品に好ましく用いられる。
畜肉加熱食品の原料である畜肉としては、例えば牛肉、豚肉、羊肉、馬肉、鹿肉、山羊肉、家兎肉、鶏肉、七面鳥肉、アヒル肉、ガチョウ肉等を挙げることができる。これら畜肉の部位、グレード等に限定なく適用できる。
また、畜肉の形態としては、挽肉、細切り肉、薄切り肉、片切り肉、丁切り肉、塊肉、サイコロ肉、こま切れ肉等が挙げられ、限定されることはないが、加熱処理を施す際の表面積が大きい挽肉に好ましく用いられる。
本発明の畜肉加熱食品用油脂組成物は、例えば、上記のような畜肉加熱食品を製造する際に、挽肉、塩、調味料、野菜類、卵、パン粉等の原料と共に添加することができる。これらを撹拌機等により撹拌し、生地を調製して成形後、焼き、炒め、揚げ、煮込み等の加熱調理を経ることで畜肉加熱食品を得ることができる。
畜肉加熱食品においては、畜肉加熱食品用油脂組成物の含有量が2〜18質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。畜肉加熱食品用油脂組成物の含有量が、2質量%未満では、畜肉加熱食品の歩留まりとジューシー感が向上されるという本発明の効果が不十分なものとなり、18質量%を超えると、畜肉加熱食品用油脂組成物中に含まれる油脂や水によって、畜肉加熱食品が油っぽくなったり水っぽくなったりし、さらに畜肉加熱食品の成形に影響する傾向がある。
畜肉加熱食品においては、畜肉加熱食品用油脂組成物中のコハク酸モノグリセリドの含有量が0.05〜0.8質量%となるように添加することが好ましく、0.1〜0.7質量%となるように添加することがより好ましい。さらに、澱粉の含有量が0.05〜0.5質量%となるように添加することが好ましく、0.1〜0.5質量%となるように添加することがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。
A.ハンバーグ
<実験例1>
(1)畜肉加熱食品用油脂組成物(以下、「油脂組成物」とする。)の調製
表1の配合に従って、以下の手順で油脂組成物(実施例1〜9、比較例1〜3)を調製した。
乳化剤として、コハク酸モノグリセリド(商品名「ポエムB−10」、理研ビタミン株式会社製)、クエン酸モノグリセリド(商品名「ポエムK−30」、理研ビタミン株式会社製)、及び/又はレシチンを用い、これを加熱した油脂Aに溶解し、油相とした。なお、レシチンは油相と水相の乳化を目的として添加した。60℃の油相に水、又は水ともち米澱粉を加えて、撹拌しながら乳化したものを冷却し、練りを加えたものを可塑性油脂組成物とした。なお、水ともち米澱粉を加える場合には、予め、水ともち米澱粉を撹拌しながら約90℃に加熱し、透明なペースト状にして糊化させてから、油相に加えた。
なお、油脂Aは、パーム系油脂、菜種油を主体とした配合油である。
Figure 2019083790
(2)ハンバーグの製造
表2の配合に従って、以下の手順でハンバーグを製造した。
大豆タンパクをぬるま湯で戻し、フードプロセッサーで細かくした。これに、上記で調製したそれぞれの油脂組成物を含む他の材料を加え、混ぜ合わせた。50gずつ成形し、コンベクションオーブンで210℃9分焼成した。
Figure 2019083790
(3)評価
歩留まりは下記式により計算した。
歩留まり(%)=ハンバーグの焼成後の質量/焼成前の質量×100
ジューシー感の評価は、専門パネラー10人で行い、表3の評価基準に従って、スコアを付けた。10名のスコアの平均点により、表4に従って評価とした。なお、ジューシー感とは、ハンバーグを噛んだ際に、ハンバーグから染み出てくる肉汁を多く感じることを意味する。
Figure 2019083790
Figure 2019083790
(4)結果
結果を表5に示す。
油脂Aと、コハク酸モノグリセリド又はクエン酸モノグリセリドと、もち米澱粉とを含有する油脂組成物を10質量%含むハンバーグでは、歩留まりが高いものとなり、またジューシー感でも良い評価であった(実施例1〜9)。なお、実施例4のハンバーグは、ややのりっぽい食感があった。これは、油脂組成物を調製する際の、予め水ともち米澱粉を撹拌する段階で、この水相が増粘しすぎたことによるものであり、このことは加熱時に焦げ付き等の問題が生じさせることにもなる。
一方、コハク酸モノグリセリドと、もち米澱粉を含有しない油脂組成物を含むハンバーグでは、歩留まりが悪く、かつ、ジューシー感でもあまり良い評価ではなかった(比較例1)。また、もち米澱粉を含有しない油脂組成物を含むハンバーグと(比較例2)、コハク酸モノグリセリドを含有しない油脂組成物を含むハンバーグでは(比較例3)、ジューシー感はあまり良い評価ではなかった。
Figure 2019083790
<実験例2(澱粉の検討)>
(1)油脂組成物の調製
表6の配合に従って、上記実施例1と同様に、油脂組成物(実施例10〜12、比較例4)を調製した。
Figure 2019083790
(2)ハンバーグの製造、評価
上記実施例1と同様に、ハンバーグを製造し、評価した。
(3)結果
結果を表7に示す。
澱粉として、もち米澱粉(実施例10)、リン酸架橋澱粉(実施例11,12)を用いた油脂組成物を10質量%含むハンバーグでは、歩留まりが高いものとなり、またジューシー感でも良い評価であった。なお、澱粉としてヒドロキシプロビル化リン酸架橋馬鈴薯澱粉を用いた油脂組成物を含むハンバーグでは、やや繊維質の食感であった(実施例12)。
一方、澱粉として、うるち米澱粉を用いた油脂組成物を含むハンバーグでは、ジューシー感があまり良い評価ではなかった(比較例4)。
Figure 2019083790
<実験例3(もち米澱粉糊化の検討)>
(1)油脂組成物の調製
表8の配合に従って、上記実施例1と同様に、油脂組成物(実施例13,14)を調製した。ただし、もち米澱粉として、糊化させたもち米澱粉、糊化させていないもち米澱粉を用いた。すなわち、糊化させていないもち米澱粉を用いた油脂組成物では、乳化剤を溶解した60℃の油相にもち米澱粉を分散させ、60℃の水を加えて乳化したものを冷却し、練りを加えたものを可塑性油脂組成物とした。
Figure 2019083790
(2)ハンバーグの製造、評価
上記実施例1と同様に、ハンバーグを製造し、評価した。
(3)結果
結果を表9に示す。
澱粉として、加熱したもち米澱粉(実施例13)、加熱していないもち米澱粉(実施例14)を用いた油脂組成物を10質量%含むハンバーグでは、いずれも歩留まりが高いものとなり、またジューシー感でも良い評価であったが、加熱したもち米澱粉(実施例13)を用いた油脂組成物を含むハンバーグでは、ジューシー感の評価がさらに良かった。
Figure 2019083790
<実験例4(ハンバーグへの添加量の検討)>
(1)油脂組成物の調製
表10の配合に従って、上記実施例1と同様に、油脂組成物(実施例15〜18)を調製した。
Figure 2019083790
(2)ハンバーグの製造、評価
上記実施例1と同様に、ハンバーグを製造し、評価した。ただし、油脂組成物は、表11の配合に従った。
Figure 2019083790
(3)結果
結果を表12に示す。
油脂組成物を3〜15質量%含むハンバーグでは(実施例15〜18)、歩留まりが高いものとなり、またジューシー感でも良い評価であった。特に、油脂組成物を5〜15質量%含むハンバーグでは(実施例16〜18)、ジューシー感の評価がさらに良かった。
Figure 2019083790
B.肉炒め
<実験例5>
(1)油脂組成物の調製
上記実験例4の実施例17と同様に、油脂組成物(実施例19)を調製した。
本実験では表13に示す油脂組成物を用いた。比較例5で用いたVMマーガリンは、澱粉、有機酸モノグリセリドを含有しない。パーム系油脂、菜種油を主体とする油相と、水相からなるマーガリンである。
Figure 2019083790
(2)肉炒めの製造
フライパンで牛豚合い挽肉100gと油脂組成物10gを中火で2分30秒炒めた。
(3)評価
加熱後のフライパン中全体の質量と、ドリップ部の質量を測定して、下記式により歩留まりを計算した。
歩留まり(%)=(加熱後質量−ドリップ部質量)/加熱後質量×100
(4)結果
結果を表14に示す。
Figure 2019083790
油脂Aと、コハク酸モノグリセリドと、もち米澱粉とを含有する油脂組成物を9質量%含む肉炒めでは、一般に用いられる油脂組成物(比較例5,6)よりも歩留まりが高いものであった(実施例19)。また、実施例19は肉のパサつきが抑制され、ジューシー感が比較例5,6と比べて大幅に改善されていた。

Claims (11)

  1. 油脂と、有機酸モノグリセリドと、もち米澱粉及びリン酸架橋澱粉から選ばれた少なくとも1種の澱粉とを含有し、前記澱粉が糊化していることを特徴とする畜肉加熱食品用油脂組成物。
  2. 前記有機酸モノグリセリドがコハク酸モノグリセリドである、請求項1に記載の畜肉加熱食品用油脂組成物。
  3. 畜肉加熱食品用油脂組成物における前記有機酸モノグリセリドの含有量が0.3〜30質量%である、請求項1又は2に記載の畜肉加熱食品用油脂組成物。
  4. 畜肉加熱食品用油脂組成物における前記澱粉の含有量が0.3〜15質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の畜肉加熱食品用油脂組成物。
  5. 油中水型乳化物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の畜肉加熱食品用油脂組成物。
  6. 原料に挽肉を含む畜肉加熱食品用である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の畜肉加熱食品用油脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の畜肉加熱食品用油脂組成物を含有することを特徴とする畜肉加熱食品。
  8. 畜肉加熱食品における前記畜肉加熱食品用油脂組成物の含有量が2〜18質量%である、請求項7に記載の畜肉加熱食品。
  9. 原料に挽肉を含む、請求項7又は8に記載の畜肉加熱食品。
  10. 畜肉加熱食品における前記有機酸モノグリセリドの含有量が0.05〜0.8質量%である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の畜肉加熱食品。
  11. 畜肉加熱食品における前記澱粉の含有量が0.05〜0.5質量%である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の畜肉加熱食品。
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