JP5329210B2 - フィリング材 - Google Patents

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本発明は、製菓や製パン分野等において使用されるフラワーペースト等をはじめとしたフィリング材であり、滑らかな食感及び良好な口溶けを有するフィリング材に関する。特には、澱粉含量を3質量%未満に低減させた場合であっても、十分な保型性及びボディ感を有し、更には滑らかな食感及び良好な口溶けを有するフィリング材に関する。
主に製菓、製パン分野において使用されるフラワーペーストは、小麦粉や澱粉を主原料とし、これに糖質、油脂、乳製品、卵類などを加え、加熱によって小麦粉や澱粉を糊化、膨潤することにより調製される。そして糊化、膨潤された小麦粉や澱粉は独特のボディを形成し、かかる主原料がフラワーペーストの保型性やフラワーペースト特有のボディ感(濃厚感)のある食感の土台となっている。しかし、フラワーペーストは小麦粉や澱粉を主原料(通常、澱粉を3質量%以上で使用されることが多い)としているため、澱粉特有の糊っぽい食感となることは否めず、保型性やボディ感のある食感を有しつつも、カスタードクリーム様の滑らかで、良好な口溶けを有するフラワーペーストが求められてきた。
かかる食感改良の一手段として澱粉の含量を低減させる試みがなされている。しかし、澱粉はフラワーペーストの保型性の土台となっていることから、食感改良を目的として澱粉含量を低減させると、一方でフラワーペーストの保型性が低下し、該フラワーペーストを充填したパンや菓子から流通中の圧力などで漏れ出す、流れ出す、水分や油分の分離を発生する等の問題があった。更には耐熱性も低下し、製菓や製パンの焼成時にフラワーペーストが液状となってしまう、染み出した油脂が菓子やパンの食感を低下させるといった問題を抱えていた。
澱粉含量の低下に伴う保型性、耐熱性付与の方法としては、各種ゲル化剤を添加する方法が挙げられる。例えば特許文献1にはジェランガム及び乳由来の蛋白質を含有する製菓・製パン用フィリング材が、特許文献2には、ジェランガム、LMペクチン、卵白及びセルロースを含有した製菓・製パン用フィリング材が開示されている。更に、特許文献3には、カラギーナン及びタマリンドガムを含有したフラワーペーストが開示されている。
しかしこれらゲル化剤を用いた場合であっても、その食感は滑らかさが低下し、ゼリーやプリンに近いゲル状の物性となり、特にカスタードクリーム様の滑らかで良好な口溶けを有するフィリング材を調製することはできなかった。また、フィリング材の中でも特に、クリームパンなどのフィリング材として利用されるフラワーペーストは、パン生地中に充填されて焼成されるため、200度以上のオーブンによる加熱によっても保型性を保持することが求められる。そのため、耐熱性付与を目的として、ゲル化剤の中でも脱アシル型ジェランガムが好適に使用されてきたが、脱アシル型ジェランガムは脆い食感を有するゲルを形成するため、フィリング材中に使用するゲル化剤の中でも特に硬く口どけの悪い食感になるといった問題を抱えていた。更に、調製されたフィリング材は、絞り出しによって菓子やパン生地に充填される。この際かかるシェアによってゲル化剤を用いて調製されたフィリング材は保型性が低下しやすく、これに伴い菓子やパン生地へフィリング材中の油脂が移行する、パンの焼成時に流れ出す、また充填装置に付着して作業性が悪化するなどの問題を抱えていた。同様にして耐熱性付与を目的として寒天を使用した場合も、硬く口溶けの悪い食感となり、保型性の面でも菓子やパン生地に該フィリング材を注入するために絞り出した際に保型性が低下して、菓子やパン生地へフィリング材中の油脂が移行する、パンの焼成時に流れ出す、また充填装置に付着して作業性が悪化するなどの問題を抱えていた。更に、寒天を使用して調製されたフィリング材は離水が発生しやすく、菓子やパン生地に水分が移行して商品価値が低下することが問題となっていた。
一方、デキストリンを含有したフィリング材として、デキストリンを用いたフィリング材(特許文献4)、LMペクチン、糖およびジェランガム・澱粉・デキストリン・食物繊維の一種以上からなる耐熱性フィリング材(特許文献5)、DEが7〜30の範囲にあるデキストリンを使用してなるデキストリン含有乳化油脂組成物(特許文献6)が開示されている。しかし、これら特許文献4〜6には特定の由来及びDEを有するデキストリンを用いることについて何ら教えるところはない。そして、特許文献4に開示されているデキストリン「SPD(昭和産業(株)製)、DE=29」、「パインファイバー(松谷化学(株)製)」も、澱粉含量が多いフィリング材中で固形分調整のために使用されているに過ぎず、澱粉含量が3質量%未満と低減させた場合はこれらデキストリンを用いても保型性を有意に高めたフィリング材を調製することはできない。同様にして、特許文献5においても特定の由来及びDEを有するデキストリンを用いることについて何ら教えるところはなく、LMペクチン等のゲル化剤を用いてフィリング材を調製することが開示されているに過ぎない。更に、特許文献5に開示されているフィリング材はジャム様のゲルに近い食感を有するものであり、カスタードクリームの様な滑らかな食感やフラワーペースト特有のボディ感(濃厚感)とはほど遠い食感であった。更に、特許文献6に開示されているようなDEが7以上のデキストリンを用いた場合も、澱粉含量が3質量%未満と低いフィリング中では十分に保型性を付与できず、菓子やパン生地へフィリング材中の油脂が移行する、パンの焼成時に流れ出す等の不具合があった。
特開2005−261327号公報 特開2006−254833号公報 特開平04−36150号公報 特開2002−330702号公報 特開2001−231468号公報 特開平9−87657号公報
本発明は上記問題点に鑑み、十分な保型性、充填適性及びボディ感を有しつつも滑らかで良好な口溶けを有するフィリング材を提供することを目的とする。特には、澱粉含量を低減させた場合であっても、澱粉含量を低減させる前と遜色ない保型性や充填適性、ボディ感を有するフィリング材であり、口溶けも滑らかで良好であるフィリング材を提供することを目的とする。詳細には、フィリング材中にゲル化剤を用いた場合であっても、ゼリーやプリンに近いゲル状の食感となることなく、フラワーペースト特有のボディ感のある食感及び保型性を付与することを目的とする。更には、十分な保型性やボディ感を有しつつも、カスタードクリームのような滑らかな食感と良好な口溶けを有するフィリング材を提供することを目的とし、特には、製菓・製パン用として使用されるフラワーペーストに代替可能な耐熱性を有するフィリング材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、フィリング材中にゲル化剤を含有した場合であっても、馬鈴薯由来でありDE2〜5のデキストリンを含有することにより、カスタードクリームのような滑らかな食感で良好な口溶けを有するフィリング材となることを見出した。更には、フィリング材中の澱粉含量を3質量%未満に低減させた場合であっても、フラワーペースト特有の良好な保型性及び充填適性を満たすフィリング材を調製でき、その食感もフラワーペースト特有のボディ感(濃厚感)並びにカスタードクリームのような滑らかで良好な口溶けを兼ね備えたフィリング材となることを見出して本発明を完成した。
本発明は、以下の態様を有するフィリング材に関する;
項1.馬鈴薯由来でありDE2〜5のデキストリン及びゲル化剤を含有することを特徴とするフィリング材。
項2.澱粉含量が3質量%未満である、項1に記載のフィリング材。
項3.ゲル化剤が脱アシル型ジェランガム及び/又は寒天である、項1又は2に記載のフィリング材。
本発明により、フィリング材中にゲル化剤を含有した場合であっても、ゼリーやプリンに近いゲル状の食感となることなく、カスタードクリームのような滑らかな食感及び良好な口溶けを有するフィリング材を提供することができる。特には、ゲル化剤の中で、耐熱性付与を目的として脱アシル型ジェランガムや寒天を用いた場合であっても、良好な充填適性及びカスタードクリームのような滑らかな食感と良好な口溶けを有する耐熱性フィリング材を提供することが可能である。更には、フィリング材中の澱粉含量を低減させた場合であっても、十分な保型性や充填適性、ボディ感を有し、更には滑らかで良好な口溶けをも兼ね備えたフィリング材を提供することができる。
本発明のフィリング材は、馬鈴薯由来であり、DEが2〜5の範囲であるデキストリンを含有することを特徴とする。かかるデキストリンは、馬鈴薯を由来原料とし、これら原料中に含有される澱粉を加水分解して得ることができる。DEとは、一般に澱粉の分解程度を示す指標であり、澱粉を加水分解したときに生成するデキストリン及びぶどう糖や麦芽糖等の還元糖の割合を示すものである。全ての還元糖をぶどう糖(dextrose)の量に換算し、その割合を全体の乾燥固形分に対する重量%で表わしたものである。このDEが大きい程、還元糖の含有量が多くデキストリンが少なく、逆にDEが小さい程、還元糖の含有量が少なくデキストリンが多いことを意味する。本発明では、DEが2〜5、好ましくは3〜5、より好ましくは3.5〜4.5の範囲であるデキストリンを用いることを特徴とする。
このような性質を備えるデキストリンは、原料となる馬鈴薯澱粉を上記DEの範囲となるように加水分解することによって調製することができる。澱粉の分解方法は、特に制限なく、例えば酵素処理による分解、および酸処理による分解などを挙げることができるが、好ましくは酵素処理による分解(酵素分解)である。
そして、ゲル化剤を含有するフィリング材中に、馬鈴薯由来でありDE2〜5のデキストリンを含有することにより、ゲル化剤を含有しているにも関わらず、ゲル化剤特有のゼリーやプリンに近いゲル状の食感となることなく、カスタードクリーム様の滑らかな食感と良好な口溶けを有するフィリング材となる。
また、製菓・製パンに使用されるフラワーペーストと称されるフィリング材は、通常3質量%以上の澱粉を含有することにより、フラワーペースト特有の保型性、生地への充填適性並びに耐熱性が保持される。そのため、澱粉含量が低減されたフィリング材は、保型性を保持し難く、パン生地に絞り出した際に保型性が著しく低下し、菓子やパン生地へフィリング材中の油脂が移行したり、パンの焼成時にフィリング材が流れ出してしまう等の問題を抱えていた。しかし、本発明では馬鈴薯由来でありDE2〜5のデキストリンを含有することにより、かかる澱粉含量を3質量%未満、更には1質量%以下もしくは0質量%まで低減させた場合であっても、十分な保型性、生地への良好な充填適性を有するフィリング材を提供できることを特徴とする。なお、本発明における澱粉含量は、小麦粉等の他の原料中に含まれる澱粉含量を含むものであり、澱粉を分解したデキストリンは澱粉に含まれない、なお、一般的な小麦粉(薄力粉)中の澱粉含量は70質量%である。
一方、馬鈴薯由来であってもDEが5より大きいデキストリンを用いた場合はフィリング材に十分な保形性を付与できない、離水を十分に抑制できないなどの問題がある。同様にして、DEが2〜5であっても馬鈴薯以外の由来原料から得られるデキストリンを用いた場合もフィリングに十分な保形性を付与できず、菓子やパン生地へフィリング材中の油脂が移行したり、パンの焼成時にフィリング材が流れ出す、更には離水を十分に抑制することができない。
本発明では馬鈴薯由来でありDEが2〜5のデキストリンの中でも、更に以下の性質(a)を有するデキストリンを用いることが好ましい;
(a)25℃の蒸留水で調製したデキストリン30質量%水溶液を、25℃で5分間静置
した時の粘度が100mPa・s以下である。
DEが2〜5のデキストリンの中でも上記性質(a)を有するデキストリンを用いることにより、より滑らかで口溶けが良く濃厚でカスタードクリームの食感に類似したフィリング材となる。(a)の粘度は、25℃の蒸留水で調製したデキストリンの30質量%水溶液を25℃で5分間静置した後、25℃条件下で、BL型回転粘度計(ローターNo.2)を用いて回転数12rpmで1分間測定することによって求めることができる。当該粘度の下限は、制限されないが、通常20mPa・sを挙げることができる。(a)の粘度として、好ましくは20〜70mPa・s、より好ましくは30〜65mPa・sである。
本発明のフィリング材中の上記デキストリンの添加量は、フィリング材中1〜30質量%、好ましくは3〜20質量%、更に好ましくは5〜10質量%である。上記デキストリンの添加量が1質量%より少ないとその添加効果を発現することが出来ず、一方で30質量%より多くなると調製時に高粘度となり作業性が低下、またざらつきの発生がある場合がある。
本発明のフィリング材に使用可能なゲル化剤としては、脱アシル型ジェランガム、ネイティブジェランガム、寒天、ペクチン、カラギナン、キサンタンガム、ガラクトマンナン(グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等)、カシアガム、グルコマンナン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、ガティガム、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カードラン、プルラン、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のセルロース誘導体、水溶性ヘミセルロース、大豆多糖類からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。好ましくは、脱アシル型ジェランガム、カラギナン及び寒天からなる群から選ばれる1種以上であり、これらゲル化剤を用いることにより、澱粉含量を低減させた場合であってもフィリング材に耐熱性と保型性、ボディ感を付与することが可能である。しかし、澱粉含量の低減を補うために、上記ゲル化剤を使用したフィリング材は、滑らかさが低下し、また充填時のシェアで保形性が低下しやすいといった問題を抱えていた。しかし、馬鈴薯由来でありDE2〜5のデキストリンを用いることにより、澱粉含量を低減させたフィリング材中でゲル化剤を使用した場合であっても、ゲル化剤特有の弾力のあるゴムっぽい食感や、ゼリーやプリンに近いゲル状の食感となることなく、良好な保型性を有しつつもカスタードクリーム様の滑らかな食感と良好な口溶けを有するフィリングを提供することが可能となった。
本発明は中でも特に、ゲル化剤として脱アシル型ジェランガムを用いることが好ましい。脱アシル型ジェランガムを用いることにより、過酷な加熱条件下においても、油脂が分離することなく、パン生地中に充填されて200度以上のオーブンで焼成された場合であっても保型性を保持することが可能である。従来、耐熱性付与を目的として脱アシル型ジェランガムを用いた場合は、ゲル化剤の中でも特に硬く口どけの悪い食感になるといった問題を抱えていたが、本発明ではゲル化剤として脱アシル型ジェランガムを用いた場合であっても、馬鈴薯由来でありDE2〜5のデキストリンと併用することにより、菓子やパン生地に充填後も良好な保型性を有するフィリング材であり、その食感もカスタードクリーム様の滑らかな食感と良好な口溶けとなる耐熱性フィリング材を提供することが可能となった。
また、本発明では寒天として特にゲル強度が20〜250g/cmである寒天を用いることが好ましい。なお、本明細書中において、ゲル強度が20〜250g/cmである寒天とは、以下の性質(b)を有する寒天をいう;
(b)寒天を90℃の熱水で溶解後、冷却して得られた1.5%のゲルの20℃におけるゲル強度が、20〜250g/cmである。
なお、ゲル強度は「日寒水式」の測定方法に従って測定することが可能である。詳細には、寒天の1.5%溶液を調製し、20℃で15時間放置後、凝固せしめたゲルについて、その表面1cm当たり20秒間耐え得る最大重量(g数)をゲル強度とする。一方、一般的に汎用されている寒天は通常500〜1000g/cmのゲル強度を有するが、本発明ではゲル強度の低い寒天を特に好適に使用することができる。当該寒天は、寒天成分を含む原料に対して、上記ゲル強度となるまで酸による加水分解を行うことにより調製することができる。
脱アシル型ジェランガムと同様に、澱粉含量を低減させたフィリング材中に耐熱性付与を目的として寒天を使用した場合は、硬く口溶けが悪いといった食感となり、更に、寒天を使用して調製されたフィリング材は離水が発生しやすく、菓子やパン生地に水分が移行して商品価値が低下することが問題となっていた。しかし、本発明では寒天の中でも特に前記の性質を有する寒天を馬鈴薯由来でDEが2〜5であるデキストリンと併用することにより、菓子やパン生地に充填後も良好な保型性を有する上、ボディ感及び滑らかな食感と良好な口溶けを満たした耐熱性フィリング材を提供することが可能となった。
本発明の澱粉含量を低減させたフィリング材中の上記ゲル化剤の添加量としては、フィリング材中0.01〜5質量%、好ましくは0.03〜3質量%、更に好ましくは0.05〜2質量%を挙げることができる。
そして、本発明のフィリング材は、上記構成をとることにより、澱粉含量を3質量%未満まで低減させた場合であっても、十分な保型性、良好な充填適性を有するため、特にフラワーペーストの代替フィリング材として好適に使用することができる。更に、本発明のフィリング材はフラワーペーストの代替として使用可能でありつつも、カスタードクリーム様の滑らかな食感と良好な口溶けを有するといった特徴を有する。また、本発明のフィリング材は、その他の素材を添加することにより、カスタードクリーム、惣菜フィリング、ジャム、スプレッド、ホワイトソース、チョコレートペースト、ピーナッツペースト、餡ペースト用としても使用することが可能である。
本発明のフィリング材は、ゲル化剤及び馬鈴薯由来でありDE2〜5のデキストリンを用いる以外は常法に従って調製することが可能である。例えばフィリング材がフラワーペーストの場合には、デキストリン、糖質、蛋白性原料、必要に応じて澱粉、小麦粉等を水に加えて攪拌、混合し、これに油脂類を加えて乳化させ、加熱攪拌し、必要に応じて小麦粉や澱粉を糊化、膨潤させることにより調製することができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「質量部」、「%」は「質量%」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
実験例1 フィリング材の調製1(澱粉含量0質量%)
表1に示す各種デキストリン及びゲル化剤を用いてフィリング材(澱粉不使用)を調製した。詳細には、水、水飴、卵黄、植物油脂を混合、撹拌しながら砂糖、脱脂粉乳、WPC、乾燥卵白、デキストリン、脱アシル型ジェランガム、寒天を加えて溶解した。50℃に達温させた後、ホモミキサーにて8000rpmで5分間撹拌し、均質化したのち、90℃10分間加熱撹拌し、香料を添加した。次いで水で全量が100%となるように調整し、容器に充填後、冷却することによりフィリング材を調製した。調製されたフィリング材について、調製後の保型性、充填適性(充填後の保型性)、食感並びに加熱時の状態(保型性、油脂の分離)について評価した。なお、加熱時の状態は調製後のフィリング材を200℃のオーブンで5分間加熱した際の状態について評価したものである。結果を表2に示す。
Figure 0005329210
注1)ミルプロ※WG−900*使用
注2)ゲル強度が97g/cmである寒天を使用した。
Figure 0005329210
注3)(a)25℃の蒸留水で調製したデキストリン30質量%水溶液を、25℃で5分間静置した時の粘度が55mPa・s(実施例1)、50mPa・s(実施例2)のデキストリンを使用した。
注4)(a)25℃の蒸留水で調製したデキストリン30質量%水溶液を、25℃で5分間静置した時の粘度が235mPa・sのデキストリンを使用した。
<室温時>
保型性 :(十分な保型性を有する)+++++>++++>+++>++>+>±>−(保型性なし)
充填適性:調製したフィリング材を絞り袋に入れて絞り出した後の保型性について評価した。絞り出した後も十分な保型性を有しているもの(再度保型性が復元されたもの)を+++++として、+++++>++++>+++>++>+>±>−(保型性なし)の7段階で評価した。
<加熱時>
保型性 :(十分な保型性を有する)+++++>++++>+++>++>+>±>−(保型性なし)
油分の分離:(分離なし)−>±>+>++>+++>++++>+++++(分離あり)
表2より、馬鈴薯由来でDEが2〜5の範囲のデキストリンを用いることにより、澱粉不使用にも関わらず、調製後及び充填後も良好な保型性を有するフィリング材を調製することができた(実施例1〜3)。更に、実施例1〜3のフィリング材はゲル化剤として脱アシル型ジェランガムを使用しているにも関わらず滑らかで良好な口溶けを有し、更には200℃のオーブンで加熱した際に油分が分離することなく、また加熱後も十分な保型性を有しており、特に製菓、製パン用のフィリング材として最適な性質を保持していることが確認された。また、実施例1〜3の中でも特に、(a)25℃の蒸留水で調製したデキストリン30質量%水溶液を、25℃で5分間静置した時の粘度が100mPa・s以下のデキストリンを用いることにより、フィリング材に求められる保型性及びボディ感を有しつつも、カスタードクリーム様の滑らかな食感及び良好な口溶けを有するフィリング材となった(実施例1、2)。
一方、同じ馬鈴薯由来のデキストリンを用いた場合であっても、DEが5より大きいデキストリンを用いた場合は保型性が不十分であり、フラワーペースト等のフィリング材として求められる保型性が得られず、更にはその食感もボディ感に欠けるものであった(比較例1)。加えてオーブンで加熱することにより油分が分離し、パンや菓子などに油分が移行してしまうフィリング材となってしまった。同様にして、DEが2〜5の範囲であるデキストリンであっても、小麦由来のデキストリンを用いた場合は充填後に十分な保型性が保持できない上、加熱時の油分の分離も多いものとなり(比較例2)、ワキシーコーン由来のデキストリンを用いた場合も、更に保型性が低下する上、糊っぽくべたついた食感となってしまった(比較例3)。
実験例2 フィリング材の調製2
馬鈴薯由来、DEが3.5のデキストリン(粘度(a)69mPa・s)を用いて下記処方に従ってフィリング材を調製した(澱粉含量1質量%)。詳細には水、水飴、卵黄、植物油脂を混合、撹拌しながら砂糖、脱脂粉乳、WPC、澱粉、乾燥卵白、デキストリン、脱アシル型ジェランガム、κカラギナンを加えて溶解した。50℃に達温させた後、ホモミキサーにて8000rpmで5分間撹拌し、均質化したのち、90℃10分間加熱撹拌し、香料を添加した。次いで水で全量が100%となるように補正して容器に充填後、冷却することによりフィリング材を調製した(実施例4)。
Figure 0005329210
調製されたフィリング材(実施例4)は、澱粉含量が1質量%と少ない澱粉含量にも関わらず、十分な保型性及び充填適性を有し、パン生地に絞りだした際も保型性が低下することなく、特に製菓・製パン用途に適したフィリング材であった。更にはゲル化剤として脱アシル型ジェランガムを使用しているにも関わらず、硬く口溶けの悪い食感となることなく、カスタードクリーム様の滑らかで良好な口溶けを有しているフィリング材であった。加えて、200℃のオーブンで加熱した際も油分が分離することなく、パン生地への油脂の移行も抑制されたフィリング材であった。
実験例3 フィリング材の調製3
馬鈴薯由来、DEが3.8のデキストリン(粘度(a)55mPa・s)を用いて下記処方に従ってフィリング材を調製した(澱粉含量2質量%)。詳細には水、水飴、卵黄、植物油脂を混合、撹拌しながら砂糖、脱脂粉乳、WPC、乾燥卵白、澱粉、デキストリン、寒天、カラギナン、ローカストビーンガムを加えて溶解した。50℃に達温させた後、ホモミキサーにて8000rpmで5分間撹拌し、均質化したのち、90℃10分間加熱撹拌し、香料を添加した。次いで水で全量が100%となるように調整後、容器に充填し、冷却することによりフィリング材を調製した(実施例5)。
Figure 0005329210
注5)ゲル強度が205g/cmである寒天を使用した。
調製されたフィリング材(実施例5)は、澱粉含量が2質量%と少ない澱粉含量にも関わらず、十分な保型性並びに充填適性を有し、パン生地に絞りだした際も保型性が低下することなく、特に製菓・製パン用途に適したフィリング材であった。更にはゲル化剤特有のプリンやゼリー状の食感、ゴムっぽい食感となることもなく、カスタードクリーム様の滑らかで良好な口溶けを有しているフィリング材であった。
フィリング材中にゲル化剤を含有した場合であっても、ゼリーやプリンに近いゲル状の食感となることなく、カスタードクリームのような滑らかな食感で良好な口溶けを有するフィリング材を提供することができる。特には、澱粉含量を低減させた場合であっても、十分な保型性や充填適性、ボディ感を有する上、滑らかな食感と良好な口溶けをも兼ね備えたフィリング材を提供することができる。更には、製菓・製パン用として使用されるフラワーペーストに代替可能な耐熱性を有するフィリング材を提供できる。

Claims (2)

  1. 馬鈴薯由来DE2〜5のデキストリンであり、下記性質(a)を有するデキストリンと、脱アシル型ジェランガム及び/又は寒天を含有することを特徴とするフィリング材;
    (a)25℃の蒸留水で調製したデキストリン30質量%水溶液を、25℃で5分間静置した時の粘度が100mPa・s以下。
  2. 澱粉含量が3質量%未満である、請求項1に記載のフィリング材。
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