JP3975737B2 - 起泡性水中油型乳化組成物並びに含気状水中油型乳化組成物 - Google Patents

起泡性水中油型乳化組成物並びに含気状水中油型乳化組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、製菓製パン用の起泡性水中油型乳化組成物、並びに、当該起泡性水中油型乳化組成物を用いてなる含気状水中油型乳化組成物に関し、詳しくはフィリング材、トッピング材としてホイップ直後、及び、ホイップ状態で冷凍、冷蔵保存状態で長期に保存を行った後でも、食感が良好であり、且つ、物性・状態が良好である起泡性水中油型乳化組成物及びこの起泡性水中油型乳化組成物を含気させた含気状水中油型乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
常温流通シュー、ブッセ等の和洋菓子類又はコルネパン又は背割れパンなどのパン類へのナッペ用、サンド用或いは充填用として使用されている含気状水中油型乳化組成物は、その用途から製品にフィリングされてから常温で3〜4日間腐敗することなく、また保型性の良いことが要求される。
【0003】
その為、従来より専ら澱粉を主要成分とするフラワーペースト、或いは、油脂を主成分とするショートニング又は油中水型であるマーガリンをホイップして得られるバタークリームが多く用いられてきた。しかしながら、フラワーペーストは食感が糊的であり、またバタークリームは口溶けが悪く油っぽい食感を呈する等の欠点を有しており、より一層の改善が望まれている。
【0004】
以上のような点から、近年、常温流通に耐えるべく改善された起泡性水中油型乳化組成物が開発されてきた。上述のような腐敗の問題を回避するために、糖類を多量に用いて水分活性を下げるとともに、常温での保型性を維持するために融点の高い油脂を用いて耐熱性の向上を指向したものがある。しかしながら、極端に融点の高い油脂を使用する必要があり、口溶けが極めて不良であった。また、特開昭61−31057号では微生物的抵抗性を発現するために糖アルコールを使用し、また、クリームからの離水目的でキサンタンガムを使用することが提案されているが、糖アルコールには緩下作用があるため、その使用量が限定され、水分活性を充分に低下させることが出来ず、また保型性は得られるもののクリーム内部の組織が経日的に荒れてしまい、またキサンタンガム由来の食感のネチャツキにより良好な口溶け感を維持できないという欠点を有している。
【0005】
また、ゲル化剤を使用してその保存性或いは物性を改善した含気状水中油型乳化組成物類の製造も提案されてきた。例えば、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、植物性蛋白加水分解物の1種又は2種以上の組成とカラギーナンとからなる組成物に甘味料、乳製品とを加え、これを均一溶解した後発泡させることにより含気状水中油型乳化組成物状食品を製造する方法が提案された(特開平2−128651号)。しかしながら、このような方法は油脂成分を全く含まないかまたは少量しか含まない起泡食品であって、クリーム状とはいっても、水中油型エマルジョンを起泡して得られるいわゆる起泡性水中油型乳化組成物ではない。
【0006】
また、ジェランガム、ローカストビーンガム、カラギーナンの必須の3種と、キサンタンガム、ペクチンのうち1種または2種とを組み合わせた増粘安定剤0.2〜2重量%を含有してなる水中油滴型乳化組成物に関するもの(特開平5−199837号)、多くの増粘多糖類を配合することにより、乳化組成物をゲル化させることを特徴としており、本願の起泡性水中油型乳化組成物ではなく、水中油型エマルジョンゲルである。
【0007】
また、特開2001−245620号においては水中油型乳化物において、多量のジェランガムと解乳化剤と安定化乳化剤を添加することでホイップクリームの保存安定性について開示がなされているが、多量のジェランガムを添加するため、口溶けについては改善がなされていない。
【0008】
そのほか、乳化剤により耐熱性を付与する方法(特開平9−275923号)があるが、乳化剤の添加量が多く、その結果乳化剤由来の異味臭、口溶けの悪さが付与されるという欠点がある。
【0009】
このような状況下において、常温流通販売に耐えうる口溶けの良い美味な含気状水中油型乳化組成物を使用したパン、菓子の要求は年々強くなる一方であり、このような観点から従来にない、良好な口溶けを有し、なおかつ、保型性・離水抑制・衛生性といった耐熱性に優れた水中油型乳化組成物の起泡物からなるフィリング材の開発が市場において強く要望されているのが実状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況に鑑み、本発明は、製菓製パン用フィリング材、トッピング材としてホイップ直後、及び、ホイップ状態で冷凍、冷蔵保存状態で長期に保存を行った後でも、食感が良好であり、且つ、物性・状態が良好な含気状水中油型乳化組成物を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる実情に鑑み上記課題を解消するため鋭意研究の結果、油脂15〜60重量%、特定量のジェランガム、特定量の澱粉、及び特定量のキサンタンガムを含有してなる起泡性水中油型乳化組成物を、均質化工程を経ることにより得られる製菓製パン用起泡性水中油型乳化組成物は、ホイップ直後、及び、ホイップ状態で長時間冷凍・冷蔵保存した状態でも、使用時および製菓製パンにフィリング後も、従来のものと飛躍的にその食感、状態が良好である事を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明の第1は、油脂15〜60重量%、ジェランガム0.005〜0.05重量%、澱粉0.01〜2.0重量%を含有してなる起泡性水中油型乳化組成物に関する。好ましい実施態様としては、
(1)キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、酵素処理グアーガム、λ−カラギーナン、ローカストビーンガム、カラヤガムよりなる群から選択される少なくとも1種を0.01〜0.5重量%を含有してなる、
(2)油脂成分として、ラウリン系油脂を60〜100重量%含んでなる、
(3)ジェランガムが、脱アシル型ジェランガムである、
(4)澱粉が、架橋エステル化澱粉、架橋エーテル化澱粉からなる群から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする、
上記記載の起泡性水中油型乳化組成物に関する。
【0013】
本発明の第2は、上記記載の起泡性水中油型乳化組成物を用いてなる含気状水中油型乳化組成物に関する。本発明の第3は、澱粉をペースト状組成物に加工して添加することを特徴とする上記記載の起泡性水中油型乳化物の製造方法に関し、本発明の第4は、澱粉をペースト状組成物に加工して添加することを特徴とする上記記載の含気状水中油型乳化物の製造方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、油脂15〜60重量%、ジェランガム0.005〜0.05重量%、澱粉0.01〜2.0重量%を含有することが必要である。最大の特徴は、上記の範囲内で乳化組成物を構成することにより、起泡性水中油型乳化組成物がゲル化することなく、流動性を維持した状態であり、極めて微量の添加物で、該起泡性水中油型乳化組成物を用いてなる含気状水中油型乳化組成物の食感が良好であり、且つ、保型性・離水抑制等の耐熱性を付与できる点にある。
【0015】
本発明において、使用することが出来る油脂としては、通常、起泡性水中油型乳化組成物に用いられる油脂であれば特に限定はなく、乳脂肪、植物性脂肪、あるいはこれらを硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂等いずれでもよい。中でも、油脂中、ラウリン系油脂を油脂中60〜100重量%含むことが好ましく、更に好ましくは、65〜90重量%含有する事が、保型性、特に口溶けの面で好ましい。ラウリン系油脂として、具体的には、パーム核油、ヤシ油、ババス核油、これらの硬化油、分別油、エステル交換油等が挙げられ、一種または2種以上を用いることが出来る。
【0016】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物中に、使用する油脂の量としては、起泡性水中油型乳化組成物中、15〜60重量%が必要であり、好ましくは18〜50重量%、更に好ましくは20〜30重量%の範囲である。油脂が15重量%より少ないとホイップした際の含気状水中油型乳化組成物の保型性が不足し、60重量%より多いとホイップ前の起泡性水中油型乳化組成物の安定性が低下する。
【0017】
また、本発明で用いるジェランガムとは、微生物Pseudomonas elodeaを炭素源、窒素源等を含む培地で培養したときに、培地中に産生、蓄積される多糖類であり、そのまま、或いは精製したものを用いることが出来るが、好ましくは精製したもの或いは化学的処理を行ったものを用いる方が、ゲル形成がおこりにくい為好ましい。中でも脱アシル型ジェランガムが、微量で組織維持に効果がある為好ましい。具体的な商品としては、ケルコゲル(三栄源F.F.I(株)社製)等が挙げられる。
【0018】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物において、ジェランガムの添加量は、起泡性水中油型乳化組成物中、0.005〜0.05重量%の範囲であり、好ましくは0.007〜0.045重量%、更に好ましくは、0.01〜0.04重量%である。添加量が0.005重量%より少ない場合は、その効果が十分に期待できず、ホイップ後の含気状水中油型乳化組成物を常温保存した場合の離水量が多く発生し、製品性を損なうことになる。逆に、0.05重量%を越える量を添加すると、ホイップ前の起泡性水中油型乳化組成物のゲル化が顕著となり、本来の物性、食感が損なわれる。
【0019】
本発明において使用することの出来る澱粉としては、通常食用に供されるのもであれば、特に限定はなく、小麦粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、キャッサバ澱粉、甘藷澱粉等の穀物澱粉類及びそれらの加工澱粉が使用できる。これらの中でも、食感、味の点で小麦粉、コーンスターチが好ましい。更には、上記澱粉の加工澱粉を用いることが経時変化の面から望ましい。加工澱粉としては、具体的には、焙焼デキストリン、酵素変性澱粉、酸分解澱粉、酸化澱粉、α化澱粉、湿熱処理澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉、グラフト化澱粉、アミロース、アミロペクチン等が挙げられるが、中でも、架橋エステル化澱粉、架橋エーテル化澱粉が好ましい。具体的には、架橋エステル化澱粉(商品名:FARINEX VA70C、松谷化学工業(株)製、等)、架橋エーテル化澱粉(商品名:ピュリティガム2000、NATIONAL STARCH&CHEMICAL社製、商品名:エマルスター、松谷化学工業(株)製、等)等が挙げられ、中でも、リン酸架橋澱粉が、澱粉の老化が抑制されることによりエマルションの物性を変化させることがない為好ましい。澱粉は、そのまま、起泡性水中油型乳化組成物に添加しても良いが、好ましくは、フラワーペーストの様なペースト状組成物に加工して添加することが、ジェランガムのゲル化を抑制することが可能となり、溶液の粘度を上げることなしに耐熱性を向上させると共に、澱粉の膨潤が完全になされ澱粉の粉っぽさが残ることがなく、食感も良好である為好ましい。
【0020】
本発明においては、澱粉を、起泡性油脂組成物中0.01〜2.0重量%使用することが必要であり、好ましくは0.05〜1.5重量%、更に好ましくは0.1〜1.0重量%である。上記範囲内であると、本発明の起泡性水中油型乳化組成物、並びに、含気状水中油型乳化組成物の口溶け、並びに、保型性が良好になるため好ましい。
【0021】
本発明において、上記油脂、ジェランガム、澱粉のほかに、増粘多糖類、乳固形分、乳化剤、糖類、安定剤を任意に組合せることによって、目的とする乳化物の食感、物性を得ることが可能である。
【0022】
本発明において使用することが出来る増粘多糖類としては、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、酵素処理グアーガム、λ−カラギーナン、ローカストビーンガム、カラヤガムよりなる群から少なくとも1種以上用いることが好ましく、更には、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、λ−カラギーナンの1種又は2種以上が、少量の添加で口溶けが良好なまま、耐熱性を付与できる為、好ましい。添加する量としては、好ましくは0.01〜0.5重量%、更に好ましくは、0.01〜0.1重量%添加する事が良い。上記増粘多糖類は、前述のジェランガムの欠点である、添加量が多くなると水中油型乳化組成物がゲル化するという性質に対し、ジェランガムと併用して添加することで、ゲル化を抑制する効果がある。また、それぞれ単品で添加する場合と比べ、含気状水中油型乳化組成物の冷蔵保存時における離水現象の抑制と含気状水中油型乳化組成物のモドリ現象の抑制に効果を示し、常温保存下での耐熱性が向上する効果が認められる。添加量が0.01重量%より少ない場合は、添加効果が認められない場合があり、また、0.5重量%より多い場合は食感に糊感が付与される場合がある。
【0023】
安定剤としては、トリポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩等のリン酸塩、微結晶セルロース等が例示できる。乳固形分としては、通常、起泡性水中油型乳化組成物に用いられる乳固形分いずれでも用いることが出来るが、具体的には、牛乳、全脂粉乳、脱脂乳、脱脂粉乳、ラクトアルブミン、カゼイン等が例示できる。乳化剤としては、通常、起泡性水中油型乳化組成物に用いられる乳化剤であれば任意に用いることが出来るが、具体的には、グルセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン等が例示できる。これらの乳化剤の量は、目的等に応じて適宜選択することが出来るが、起泡性水中油型乳化組成物中、0.1〜2.0重量%が好ましく、更に好ましくは、0.3〜1.0重量%である。
【0024】
糖類は、目的とする甘味、フィリングする際の衛生的日持ち・静菌性に応じて種類、添加量を選択することが出来る。具体的には、単糖としてブドウ糖、二糖としてショ糖、麦芽糖、トレハロース、乳糖、三糖以上の糖としてオリゴ糖、還元澱粉糖化物、及びソルビトール、ラクチトール等の糖アルコールが挙げられ、これらを各糖の味、甘味度で添加量を調製することが出来るが、起泡性水中油型乳化組成物中、25〜45重量%が好ましく、更に好ましくは、30〜40重量%である。
【0025】
以上の他、付味付香の目的でとして各種香料、卵黄、チョコ、等の呈味材料を好適に用いる事ができる。
【0026】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物の製造法としては、従来の公知の方法に準じて製造可能であるが、ジェランガム、澱粉、水溶性乳化剤、乳固形分、糖類、塩類、及びその他の安定剤などの配合材料を、たとえば60℃の温水に溶解して水相部とする。一方で準備した油脂原料と油溶性乳化剤を含む油相部を調製し、水相部と油相部の両者を予備乳化混合し予備乳化液を先ず調製する。次に、高温短時間殺菌、滅菌装置を使用して製造する。たとえば、水中油型乳化脂組成物の乳化液に蒸気を直接混入させ、140〜150℃で4秒程度の滅菌を行ったのち、過剰の水分を減圧フラッシュさせた後、ホモジナイザーによる均質化、冷却して容器に充填し起泡性水中油型乳化組成物を製造する。さらに本発明の含気状水中油型乳化組成物を製造するには、前述のように製造した起泡性水中油型組成物を、各種ホイップ器具にて、好ましくは連続式ホイップマシンにて無菌的に連続ホイップし、得られた含気状水中油型乳化組成物を好ましくは無菌容器に充填し、冷蔵或いは冷凍温度域において保存することが出来る。本発明の起泡性水中油型乳化組成物、並びに、含気状水中油型乳化組成物を製造する際、澱粉の添加方法・時期については、特に限定はなく、最初に水相を調整する際に混ぜても良いが、好ましくは澱粉、更に好ましくは澱粉とジェランガムを別途ペースト状組成物に加工して添加することが、前述のジェランガムの欠点である、添加量が多くなると水中油型乳化組成物の粘度が上がりすぎるもしくは乳化物がゲル化するという性質に対し、乳化組成物の増粘・ゲル化を抑制することが可能となり、これにより水相に直接ジェランガム・澱粉を添加して溶解するより、さらにジェランガム・澱粉の添加量が増やすことができ、耐熱性を維持しながら口溶けが向上する為好ましい。又、ペースト状組成物を添加する時期としては、水相に添加してから油相を添加して起泡性水中油型乳化組成物を作製する、起泡性水中油型乳化脂組成物に含気する直前もしくは直後にペースト状組成物を添加して、含気状水中油型乳化組成物を作製してもよい。
【0027】
本発明で言うペースト状組成物の形態としては特に限定はされないが、例えばカスタードクリーム、ソース、フラワーペースト等の形態が例示できる。
【0028】
本発明において、澱粉或いはジェランガムをペースト状組成物の形態として添加する場合、ペースト状組成物は、水中に澱粉類及び/又はジェランガムを添加し、その他必要に応じ、糖類、油脂、卵白、ラクトアルブミン等や呈味物質、呈味剤、各種フレーバー、増粘剤、乳化剤、さらには着色料などの各種添加剤が添加されたものを用いる。製法は一般的に各原料を均一になるよう十分混合した後乳化する。この乳化液を加熱殺菌装置により殺菌とともに澱粉類の糊化を行い、次に冷却し充填包装し原料とする。このようにして得られた高粘度水中油型乳化物は経時変化の少ないものである。
【0029】
このようにして製造した含気状水中油型乳化組成物は冷蔵・冷凍条件下で保存後も保形性、耐熱性等の物性、離水、モドリ等の状態の変化、口溶け等の食感が良好である。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を挙げ本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、文中「%」「部」は、全て重量基準である。
(実施例1〜6、比較例1〜4)
表1の配合で、油脂に乳化剤を添加して、油相部を調製した。別途水相を調整した。澱粉ペーストは、水に加工澱粉(商品名:FARINEX VA70C、松谷化学工業(株)製)を7重量%添加し、攪拌しながら、90℃まで昇温し、10分間更に攪拌することにより作製したものを用いた。
【0031】
上記水相部と上記油相部を混合し、これを約60℃にて予備乳化した。この予備乳化液を140℃で3秒間蒸気直接滅菌し、2段式ホモジナイザーを用いて第1段圧60kg/cm2、第2段圧60kg/cm2の均質化圧にて均質化した後、得られた乳状組成物を10℃に急冷し無菌袋に密閉充填、冷蔵庫内で1夜エージングし、起泡性水中油型乳化組成物を得た。
【0032】
【表1】
Figure 0003975737
(実施例7)
表1の配合において、加工澱粉をペースト状組成物にせず、直接水相に添加した以外は、実施例1〜5と同様に起泡性水中油型乳化組成物並びに、含気状水中油型乳化組成物を作製し、評価を行った。
【0033】
この起泡性水中油型乳化組成物について、粘度を測ることで原液の安定性を評価した。また、実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた起泡性水中油型乳化組成物を連続ホイッピングマシーンによって比重を0.5になるようにホイップして含気状水中油型乳化組成物とし、口溶け、離水、ダレについて評価を行った。
【0034】
口溶けについては、熟練したパネラー8名による5段階評価を行い5点を最も良い、1点を最も悪いとしてその平均点で評価を行った。離水については、含気状水中油型乳化組成物10gを25℃24時間放置し、離水量を分離した水分の重量を測定した。ダレについては、含気状水中油型乳化組成物を造花し、25℃24時間放置した後、状態を観察した。A:変化なし、EをヘタリとしてA〜Eでランク付けを行った。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
Figure 0003975737
表2に示すように、実施例1〜7の含気状水中油型乳化組成物は、5℃の冷蔵保存で60日間安定であり、保存後ダレについて評価したが、良好であった。
【0036】
また、ジェランガムの添加量が0.005重量%より少ない場合(比較例1)には、口溶けは良好であったが、耐熱性が劣った。また0.05重量%を越えて添加した場合(比較例2)には、乳化組成物の耐熱性は向上したが、粘度の上昇が認められ口溶けが低下した。加工澱粉については、2.0重量%を越えた添加(比較例4)では、乳化組成物に粘度の上昇が認められ、口溶けが低下した。
【0037】
【発明の効果】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、食感が良好であり、ホイップ直後、或いは、含気状水中油型乳化組成物を長期間冷凍・冷蔵条件下で保存した場合でも、使用時にはその物性・状態が良好である。

Claims (7)

  1. 油脂15〜60重量%、ジェランガム0.005〜0.05重量%、澱粉0.01〜2.0重量%、及びキサンタンガム0.01〜0.5重量%を含有してなる起泡性水中油型乳化組成物を、均質化工程を経ることにより得られる製菓製パン用起泡性水中油型乳化組成物。
  2. 油脂成分として、ラウリン系油脂を60〜100重量%含んでなる請求項記載の起泡性水中油型乳化組成物。
  3. ジュランガムが、脱アシル型ジェランガムである請求項1〜何れかに記載の起泡性水中油型乳化組成物。
  4. 澱粉が、架橋エステル化澱粉、架橋エーテル化澱粉からなる群から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜何れかに記載の起泡性水中油型乳化組成物。
  5. 請求項1〜何れかに記載の起泡性水中油型乳化組成物を用いてなる含気状水中油型乳化組成物。
  6. 澱粉及びジェランガムをペースト状組成物に加工して添加することを特徴とする請求項1〜何れかに記載の起泡性水中油型乳化組成物の製造方法。
  7. 澱粉及びジェランガムをペースト状組成物に加工して添加することを特徴とする請求項に記載の含起状水中油型乳化組成物の製造方法。
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