JP3205415B2 - 起泡性水中油滴型乳化組成物 - Google Patents
起泡性水中油滴型乳化組成物Info
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Description
期間冷蔵保存が可能な起泡性水中油滴型乳化組成物に関
する。
プドクリームは液状状態で流通され、使用に際してその
都度クリームをホイップさせたものが用いられてきた。
しかし、クリームを最適状態にホイップさせるにはかな
りの熟練を要し、かつホイップ作業自体にかなりの時間
と労力を必要とするため、取扱が簡便なホイップ済クリ
ームの供給が望まれていた。
ンタイプのホイップ済クリームが開発され、市販される
ようになった。しかし、このタイプのホイップドクリー
ムは、使用時には解凍状態であることが必要であるが、
解凍状態とするまでに時間を要し、また解凍条件によっ
て解凍後の物性が異なることから一定品質のものを得る
ことが難しいなど、その取扱いが煩雑であることが最大
の問題点であった。
簡便化するために冷蔵状態で長期保存可能で、使用の際
にはそのまま使用に供することが出来るホイップ済クリ
ームの開発が進められてきた。このような長期冷蔵保存
可能なホイップ済クリームの製造法としては、例えば、
1)油脂のSFC特性と乳化組成物中の総Ca含量を調
整する方法(特開昭61−170338)、2)乳化組
成物中のホイップ後の比重を0.5〜0.8に調整する
方法(特開平2−27956)、3)添加する糖類の主
成分の種類を限定し、かつ糖含量と無脂乳固形分含量を
調整する方法(特開平3−83539)、4)油相にプ
ロピレングリコール脂肪酸エステルを添加する方法(特
開平3−19664)、5)安定剤として酵素処理によ
って低分子化した水溶性食物繊維を添加する方法(特開
平3−130040)などである。
原料の総Ca含量が季節変動などで変化することによっ
て乳化組成物中の総Ca含量が上限をこえる場合がある
ことから、使用できる乳原料が制限される、常に乳原料
を管理する必要がある、などの問題がある。2)の方法
は、ホイップ済クリームの比重範囲が限定されている
が、この範囲は通常のホイップクリームと比べると値が
大きいことから、その食感が本来のホイップクリームの
ものとは異なるといった問題がある。3)の方法は、糖
類の種類を限定していることから、食味、甘味の自由度
が限定されることなどの問題点が残っている。5)の方
法では、グアーガム酵素分解物を使用しているが、酵素
処理がされているため他のガム質より高価であり、製造
コストが高くなるという問題を含んでいる。更に、
3)、4)及び5)の方法では、30日間冷蔵状態で保
存可能と記載されているが、現在の流通機構も併せて考
えると、更に長い保存期間に耐えるものが望ましい。
み、本発明の目的は、食味、食感に悪影響や制限がな
く、冷蔵状態でより長期の保存に耐え、しかも使用した
ときに良好な造花性を有するホイップ済クリームを提供
することにある。
を構成脂肪酸とするポリグリセリン脂肪酸エステルを
0.05〜0.4重量%、キサンタンガム、グアーガ
ム、カルボキシメチルセルロースよりなる群から選択さ
れる少なくとも1種を0.01〜0.2重量%、及びメ
チルセルロース、アラビアガム、λ−カラギーナン、親
油性化工澱粉よりなる群から選択される少なくとも1種
を0.01〜0.2重量%含有してなる起泡性水中油滴
型乳化組成物を内容とする。
テルとしては、グリセリンの重合度が10以下のものが
好ましく、ポリエステル、ジ・トリエステル及びモノエ
ステルの順に効果が大きい。具体的には、ヘキサグリセ
リンモノオレエート、ヘキサグリセリンモノラウレート
が顕著な効果を示す。これらは単独又は2種以上組み合
わせて用いられ、乳化組成物に対し0.05〜0.4重
量%になるように油相部又は水相部に添加され、これに
より、冷蔵保存時のホイップ済クリームの硬さを維持す
る効果がある。添加量が0.05重量%より少ない場合
は、冷蔵保存時にモドリ現象が発生し、いわゆるダレた
状態となってしまう。逆に、0.4重量%を越える量を
添加すると、冷蔵保存時にシマリ現象を生じ、絞り性が
著しく低下する。
ボキシメチルセルロースよりなる群から選択される少な
くとも1種を乳化組成物に対して0.01〜0.2重量
%になるように添加することにより、冷蔵保存時におけ
る離水現象の抑制とクリームのモドリ現象の抑制に効果
を示す。添加量が0.01重量%より少ない場合は、離
水が生じ易くなりかつ冷蔵保存中のクリームの硬さにも
モドリ現象が認められるようになる。また、0.2重量
%より多い場合は食感に糊感が付与されて好ましくな
い。
ム、親油性化工澱粉、λ−カラギーナンよりなる群から
選択される少なくとも1種を選び、乳化組成物に対して
0.01〜0.2重量%添加することにより、冷蔵保存
時のクリームの硬さの変化を抑制し、かつ絞り性を保持
する効果がある。なお、ここで言う親油性化工澱粉と
は、オクテニルコハク酸エステル化された澱粉を指し、
そのエステル化度や、エステル化される澱粉の分子量に
よってその親油性の度合が変化するが、目的とする乳化
組成物の物性に応じてその種類を任意に選択できる。
0.05〜2重量%、糖類0〜40重量%、無脂乳固形
物0.5〜5.5重量%、塩類0〜1.0重量%の範囲
内において、油脂組成、糖類、乳化剤、タンパク質及び
塩類を任意に組み合わせることによって、目的とする乳
化組成物の物性を得ることが可能である。油脂は食用油
脂であれば如何なる油脂でもよいが、例えばパーム核
油、ヤシ油、大豆油等の植物性油脂、乳脂肪、牛脂等の
動物性油脂が例示できる。また上記油脂類の単独または
混合油、あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換等
を施した加工油脂も使用できる。乳化剤は一般に起泡性
水中油滴型乳化組成物の製造に使用される乳化剤であれ
ばよいが、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチ
ン等が例示できる。糖類としては、単糖としてはグルコ
ース等、二糖としてはマルトース、シュクロース等、三
糖以上の糖としては直鎖オリゴ糖、還元澱粉糖化物、ま
た糖アルコールとしてはソルビトール、ラクチトール等
が例示できる。無脂乳固形物としては、全脂粉乳、ラク
トアルブミン、カゼイン、植物性蛋白質等が例示でき
る。塩類としては、ヘキサメタリン酸塩、重曹等が例示
できる。上記油脂、乳化剤、糖類、無脂乳固形物は、そ
れぞれ単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
造法としては、水溶性乳化剤、糖類、塩類、多糖類及び
その他の無脂乳固形物などの配合材料を温水に溶解して
水相部とし、一方で準備した油相原料と油溶性乳化剤を
含む油相部を調製し、水相部と油相部の両者を予備乳化
混合し予備乳化液を先ず調製する。この予備乳化液をバ
ルブ式ホモジナイザー等の均質化装置により0〜150
Kg/cm2 の条件下にて均質化する。次いで、超高温加熱
滅菌(UHT)処理した後、再度0〜150Kg/cm2 の
条件下にて均質化し、これを10℃以下に冷却する。し
かる後、各種ホイップ器具にて、好ましくは連続式ホイ
ップマシンにて無菌的に連続ホイップし、得られたホイ
ップ済クリーム類を好ましくは無菌容器に充填し、冷蔵
温度域において保存する。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
シ油5重量%を加温溶解し、これに大豆レシチン0.0
3重量%及びヘキサグリセリンペンタステアレート0.
15重量%を均一に溶解させて油相部を調製した。これ
とは別に、脱脂粉乳3重量%、還元澱粉糖化物22重量
%、上白糖10重量%、ヘキサメタリン酸ナトリウム
0.3重量%、重曹0.02重量%、ヘキサグリセリン
モノオレエート0.2重量%、ヘキサグリセリンモノス
テアレート0.2重量%、キサンタンガム0.08重量
%およびメチルセルロース0.04重量%を水38.9
8重量%に溶解させて水相部を調製した。上記水相部と
上記油相部を混合し、これを約60℃にて予備乳化し
た。この予備乳化液を140℃で3秒間蒸気直接滅菌
し、2段式ホモジナイザーを用いて第1段圧20Kg/
cm2、第2段圧40Kg/cm2の均質化圧にて均質
化した後、10℃に急冷し冷蔵庫内で1夜エージングし
た。得られた乳状組成物を連続式ホイッピングマシンに
よってオーバーランを140%になるようにホイップ
し、無菌袋に密閉充填し冷蔵保存した。このホイップ済
クリームは、表1に示すように、5℃の冷蔵保存で60
日間安定であり、造花性も良好であった。
レート、キサンタンガムおよびメチルセルロースの添加
量を、それぞれ表1に示すように変更した他は実施例1
と同様にしてホイップ済クリームを得た。その結果、表
1に示すように、本発明の範囲外では長期の保存性を得
ることが出来なかった。
32℃硬化ヤシ油10重量%を加温溶解し、これに大豆
レシチン0.12重量%及びヘキサグリセリンペンタス
テアレート0.18重量%を均一に溶解させて油相部を
調製した。これとは別に、脱脂粉乳3.6重量部、直鎖
オリゴ糖35重量%、ソルビトール13.6重量%、ヘ
キサメタリン酸ナトリウム0.25重量%、重曹0・0
2重量%、ヘキサグリセリンモノオレエート0.15重
量%、ヘキサグリセリンモノステアレート0.15重量
%、グアーガム0.04重量%及びアラビアガム0.0
4重量%を水16.85重量%に溶解させて水相部を調
製した。上記水相部と上記油相部を混合し、これを約6
0℃にて予備乳化した。この予備乳化液を140℃で3
秒間蒸気直接殺菌し、2段式ホモジナイザーを用いて第
1段圧20Kg/cm2、第2段圧40Kg/cm2の
均質化圧にて均質化した後、10℃に急冷し冷蔵庫内で
1夜エージングした。得られた乳状組成物を連続式ホイ
ッピングマシンによってオーバーランが140%になる
ようにホイップし、無菌袋に密閉充填し冷蔵保存した。
このホイップ済クリームは、5℃の冷蔵保存で60日間
安定であり、造花性も良好であった。
点35℃の硬化コーン油5重量%を加温溶解し、これに
大豆レシチン0.1重量%及びヘキサグリセリンペンタ
ステアレート0.15重量%を均一に溶解させて油相部
を調製した。これとは別に、脱脂粉乳5重量部、マルト
ース12.5重量%、ラクチトール12.5重量%、ヘ
キサメタリン酸ナトリウム0.3重量%、重曹0.02
重量%、ヘキサグリセリンモノオレエート0.2重量
%、ヘキサグリセリンモノステアレート0.2重量%、
カルボキシメチルセルロース0.10重量%及び親油性
化工澱粉0.05重量%を水43.88重量%に溶解さ
せて水相部を調製した。上記水相部と上記油相部を混合
し、これを約60℃にて予備乳化した。この予備乳化液
を140℃で3秒間蒸気直接殺菌し、2段式ホモジナイ
ザーを用いて第1段圧20Kg/cm2、第2段圧40
Kg/cm2の均質化圧にて均質化した後、10℃に急
冷し冷蔵庫内で1夜エージングした。得られた乳状組成
物を連続式ホイッピングマシンによってオーバーランが
140%になるようにホイップし、無菌袋に密閉充填し
冷蔵保存した。このホイップ済クリームは、5℃の冷蔵
保存で60日間安定であり、造花性も良好であった。
は、ホイップした後、長期間冷蔵保存が可能で、必要時
にはそのままでいつでも使用可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグ
リセリン脂肪酸エステルを0.05〜0.4重量%、キ
サンタンガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロー
スよりなる群から選択される少なくとも1種を0.01
〜0.2重量%、及びメチルセルロース、アラビアガ
ム、λ−カラギーナン、親油性化工澱粉よりなる群から
選択される少なくとも1種を0.01〜0.2重量%含
有してなる起泡性水中油滴型乳化組成物。 - 【請求項2】 ポリグリセリン脂肪酸エステルが、グリ
セリンの重合度が10以下のものである請求項1記載の
組成物。 - 【請求項3】 ポリグリセリン脂肪酸エステルが、モノ
オレエートまたはモノラウレートまたはそれらの混合物
である請求項2記載の組成物。 - 【請求項4】 親油性化工澱粉が、オクテニルコハク酸
エステル化された澱粉である請求項1記載の組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03751293A JP3205415B2 (ja) | 1993-02-01 | 1993-02-01 | 起泡性水中油滴型乳化組成物 |
Publications (2)
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JPH06225720A JPH06225720A (ja) | 1994-08-16 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03751293A Expired - Lifetime JP3205415B2 (ja) | 1993-02-01 | 1993-02-01 | 起泡性水中油滴型乳化組成物 |
Country Status (1)
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---|---|
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-
1993
- 1993-02-01 JP JP03751293A patent/JP3205415B2/ja not_active Expired - Lifetime
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