JP3072148B2 - ホイップ用クリーム - Google Patents

ホイップ用クリーム

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JP3072148B2 JP3143312A JP14331291A JP3072148B2 JP 3072148 B2 JP3072148 B2 JP 3072148B2 JP 3143312 A JP3143312 A JP 3143312A JP 14331291 A JP14331291 A JP 14331291A JP 3072148 B2 JP3072148 B2 JP 3072148B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業的に又は家庭にお
いてホイップドクリームを容易に調製することができ
る、いわゆる合成クリームに関する。
【0002】
【従来の技術】ホイップ用クリームは、一般に、油脂、
乳成分、乳化剤及び水を主原料とする合成クリームと乳
から製造される生クリームに大別されるが、合成クリー
ムは品質の安定性、製品設計の自由度等の点で優れてお
り、今日、工業的に又家庭において広汎に用いられてい
る。合成クリーム(以下、ホイップ用クリームとい
う。)は強制的に調製された乳化系から成るため、乳化
状態の適否は直ちに製品特性に反映される。即ち、ホイ
ップ用クリームがホイップされる前の液状態での安定
性、ホイップの際のホイップ時間、硬さ、オーバーラ
ン、造花性等のいわゆるホイップ性、ホイップドクリー
ムの官能上の特性、更に保型性等が、ホイップ用クリー
ムの構成により影響される。これらすべての特性を満足
させるホイップ用クリームの開発は今だ途上であるが、
研究の主な対象は乳化剤に向けられている。従来例とし
ては、乳化剤としてレシチン及び脂肪酸モノグリセリド
を用いることでクリームの輸送中の可塑化防止を図ろう
とするもの(特公昭56−32896号公報)、同様の
目的でレシチンとポリグリセリン脂肪酸エステルを用い
るもの(特公昭56−54136号公報)、ジグリセリ
ン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル及び
レシチンの組み合せを用いることで起泡時間の短縮及び
戻りの防止を図ろうとするもの(特開昭57−1465
51号公報)、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチ
ン及びジアセチル酒石酸モノグリセリドを用いること
で、耐高温滅菌、酸安定性の改良を図ろうとするもの
(特開昭61−209562号公報)等がある。
【0003】これら従来技術では、それぞれの目的とす
る効果は得られても総合的に評価した場合、かならずし
も充分なものではなかった。即ち、ホイップ用クリーム
の3つのフェイズである液状態、ホイップ過程及びホイ
ップ物のいずれにおいても優れた特性を示すホイップ用
クリームは実現されていない。上記例を含め従来技術を
総括すれば、乳化剤としてレシチンを主体とし、これに
グリセリン脂肪酸エステル、シュガーエステル等を組み
合せるというのが一般的であるが、この組み合せでは、
ある程度のホイップ性は得られるもののレシチン主体の
ものは液状での安定性に欠けるという決定的な欠陥があ
り、一方、この系でレシチンを低減すると液状での安定
性は増す反面、ホイップ性が極めて悪くなり、またホイ
ップ後は極めてダレ易い組織を呈するようになるという
傾向は避け難いものであった。
【0004】上述の他にホイップ用クリームの乳化剤と
して知られるものに乳酸モノグリセリドがある。乳酸モ
ノグリセリドは欧米ではα結晶性乳化剤で乳化力よりも
起泡力が強いとの理由からホイップ用クリームの乳化剤
として一般的に使用されているが、このものの単品ある
いはレシチン等の併用での使用は液状安定性に欠けるた
め、最近の複雑な流通機構を考慮すれば、常に一定品質
を維持するのは困難である。特に、滑らかでソフトなホ
イップを調製するためのホイップ用クリームでは液状安
定性が問題となるため、今日の嗜好性を勘案すれば、需
要を満足させるに足るものとはいえない。更に、乳酸モ
ノグリセリドで製造したホイップ用クリームは一般にい
わゆる「ヒートショック」をうけるとその後ホイップし
ても極めて口溶けが悪くなり食に適さない状態になる問
題点がある。ヒートショックとは、冷蔵保存中、輸送中
あるいは陳列時、購買後における製品温度の上昇および
/または下降により製品のホイップ性等の安定性が影響
を受けることをいう。一般にヒートショックによる温度
変化は基本的に予期しえないものであるため、最終消費
者に工場で製造したものと同品質の製品を供給すること
は困難である。
【0005】このようにホイップ用クリームのホイップ
性等の特性を改良するため各種の乳化剤が検討され、多
くの改良をみているのは事実であるが、ホイップ性等の
特性がどのようなメカニズムに規定されているのかが明
確となっておらず、又関与する要因が多く一つの手段で
すべての課題を解決することが困難であるため、総合的
に品質特性を向上させるには至っていないのが現状であ
る。従って、実際にホイップ用クリームの品質特性を総
合的に改良するには、構成油脂の種類、滅菌、冷却工
程、流通過程等も含めて検討していく必要がある。更
に、乳化剤の検討において問題であるのは、乳化剤の組
み合せにより初めて発揮される作用効果が無視できず、
乳化剤使用の効果を単に積算して把えることができない
点である。即ち、乳化剤を複数用いる場合は、乳化剤個
々の作用効果に加え、乳化剤の相互作用による効果を考
慮しなければならず、これは予測できないものである以
上、個々のケ−スで具体的に実証する以外に乳化剤を検
討する手だてがない。換言すれば、液状体における安定
性は、ホイップ性とは別個の特性であり、又ホイップ物
の安定性はそれらとは本質的に異なり、官能上の影響に
いたってはそれらとは次元を異にする特性であるため、
乳化剤の画一的取扱いは不可能である。この意味で、公
知乳化剤であっても予測を越えた優れた効果を奏する組
み合せがあり得るということができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述従来技
術の実情に鑑み、ホイップ用クリームの3フェイズ、液
状態、ホイップ過程、ホイップ物のいずれの段階におい
ても優れた品質特性を発揮するホイップ用クリームを提
供するものである。即ち、ヒートショックを受けても液
状安定性、ホイップ性及びホイップ物の官能適性の劣化
が生じないホイップ用クリームを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも油
脂、蛋白質、乳化剤及び水を含む混合系を滅菌、均質化
後、冷却して得られるホイップ用クリームであって、必
須乳化剤として乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリ
セリド、エステル化度2以上のポリグリセリン脂肪酸エ
ステル及びレシチンが配合されていることを特徴とする
前記ホイップ用クリームである。更に、好ましい態様に
おいては、必須乳化剤が以下に示す範囲で配合されてい
る前記ホイップ用クリームである。
【0008】 ・乳酸モノグリセリド 0.20〜1.00重量% ・クエン酸モノグリセリド 0.01〜0.20重量% ・エステル化度2以上のポリグリセリン脂肪酸エステル 0.05〜0.50重量% ・レシチン 0.03〜0.30重量% 本発明によれば、従来のホイップ用クリームでは実現で
きなかったホイッピングの短時間化、ヒートショック耐
性の向上等、前記3フェイズにおける高品質化を達成す
ることができる。
【0009】本発明者らは乳化剤を含めホイップ用クリ
ームの品質に関連する多くの要件について鋭意研究の結
果、特定乳化剤の組み合せにより、ホイップ用クリーム
の品質を総合的に向上させ得ることを見い出し本発明に
至った。即ち、従来は相反する要件と考えられていた液
状安定性、ホイップ性及びホイップ物の官能適正の3つ
を、特定の乳化剤の組み合せにより実現できたのであ
る。ホイップ用クリームの調製法等のその他の要件は公
知技術に基づいて実施することができるのである。
【0010】ホイップ用クリームに適する乳化剤の組み
合せとしては親油性と親水性の併用が良いと一般にいわ
れているが、このような一般的性質は、現実の多様で複
雑な系において優れた特性を得ようとする研究段階に至
っては画一的に適用できない。又、一般にモノグリセリ
ドといっても、エステルを形成する脂肪酸の種類が異な
るものや、これにヒドロキシ酸がエステル結合したもの
等では、性質が全く相違しており、同一視できず、一般
的分類はこの点で意味をなさない。更に、ヒドロキシ酸
といっても、酒石酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸等、そ
れぞれ異なる性質を有し、ヒドロキシ酸モノグリセリド
として画一的な一般化はできない。一方、乳化剤同士の
相互作用も認められ、乳化剤をとりまく系の複雑さは予
想し得ないのが実情である。この観点から、上記組み合
せは技術的意義を有する。
【0011】以下、発明を詳述する。ここに、「液状安
定性」とは、ホイップ用クリーム製造後、冷蔵保存中、
輸送中あるいは陳列時、購買後等を含むホイップ処理前
のすべての過程においてホイップ用クリームが流動性を
有する状態にあることをいう。これは強制的な振動試験
等により評価することができる。「ホイップ性」とは、
ホイップ時間、ホイップ終了時の見極めの良否等をい
う。これは、それぞれの測定法に従って評価することが
できる。「ホイップ物の官能適性」とは、ホイップ物の
造花性、食感(口どけ、滑らかさ)、保型性をいい、主
に官能試験により評価できる。
【0012】まず、本発明のホイップ用クリームの原料
は通常用いられるものでよく、配合上は公知技術に基づ
くものと同様でよい。即ち、主成分として油脂、蛋白
質、及び水を含む混合系が主体となっている。具体的に
は、ホイップ用クリーム重量に対する重量%で、食用油
脂25〜55重量%、蛋白質0〜10重量%、乳化剤0
に近い値から2.0重量%、安定剤0に近い値から1.
0重量%、水32〜75重量%程度であり、これに必要
に応じて香料、着色料等を適宜添加する。食用油脂とし
ては各種植物性油脂、動物性油脂を用いることができ、
融点は通常35℃程度であり、ホイップ性との関係から
5〜10℃における固体脂指数は60〜30%程度が適
当とされている。即ち、固体脂が少なすぎればホイップ
性、保型性が低下し、多すぎれば、硬く口どけの悪いも
のとなる。油脂が25重量%未満ではホイップ性が劣化
し離水し易くなる一方、55重量%以上を越えれば可塑
性が促進され易くなり、液状での安定性が損なわれるよ
うになる。蛋白質としては、それを含む原料として牛
乳、脱脂乳、脱脂粉乳、ダイズ蛋白、乳清蛋白、カゼイ
ンナトリウム等を用いることができる。安定剤として
は、ヘキサメタリン酸ナトリウム等のリン酸塩、グアガ
ム等のガム類を用い得る。
【0013】次に、乳化剤は本発明に特徴的であって、
必須乳化剤として乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグ
リセリド、エステル化度2以上のポリグリセリン脂肪酸
エステル及びレシチンを配合する。
【0014】乳酸モノグリセリドはホイップ性の改良に
寄与するが、単品で用いた場合は液状状態、ホイッピン
グ工程及びホイップ物で要求される要件のすべてを満足
させることはできない。特に、単品ではヒートショック
後のホイップ物の食感劣化を抑える効果に乏しい。好ま
しい添加量は0.20〜1.00重量%、更に0.30
〜0.66重量%がよい。添加量が少なければ効果が充
分でなく、又多くなれば液状態での安定性の劣化、風味
の劣化を招くこととなる。
【0015】クエン酸モノグリセリドは乳酸モノグリセ
リドと併用することでヒートショック後のホイップ物の
食感を改善することができる。好ましい添加量は0.0
1〜0.20重量%である。添加量が少なければ効果が
充分でなく、又多くなれば風味に酸味を感じるようにな
り、またオーバーランもで過ぎて逆にホイップ性が不良
となる。クエン酸モノグリセリドは乳酸モノグリセリド
との併用により優れた効果を奏することから、好ましく
は乳酸モノグリセリド100に対して5〜33の添加比
率がよい。上記範囲の比率より少なければ併用による効
果が充分でなく、又多くなっても改善効果に余り変化は
みられないものの上記した欠点が顕著となる。
【0016】ポリグリセリン脂肪酸エステルは、一般に
トリグリセリン以上の重合度を有するものであるが、エ
ステル化度2以上であることを要する。モノエステルで
は良好なホイップ性が得られず、又ホイップ物の組織に
硬さが出にくく保型性に難がある。エステル化度が増加
すると、ホイップ終点域での見極めが容易になり、ま
た、保型性も得易く硬さが出る傾向があり、この点から
特に、エステル化度3〜5が好ましい。ポリグリセリン
脂肪酸エステルの添加量は、好ましくは0.05〜0.
50重量%であり、0.50重量%を越えると良好なホ
イップ性、ホイップ物の保型性が得にくくなる。これは
ポリグリセリン脂肪酸モノエステルを用いた時の傾向と
類似する。
【0017】次に、ここにいうレシチンは、化学的にい
うレシチン、ケファリン、イノシトール、リン脂質等の
混合物をいう。レシチンは大豆レシチン、卵黄レシチン
等原料の由来を問わず用いることができ、形態としても
粉状、顆粒状、ペースト状等にかかわらず用い得る。ペ
ースト状レシチン(通常の市販品ではアセトン不溶分約
60%)が安価で実用的であるが、高純度粉末レシチン
を用いてもよい。添加量は好ましくはレシチンとして
0.03〜0.30重量%、更に0.05〜0.20重
量%がよい。添加量が少なければ充分なホイップ性が得
られず、ホイップ物の組織は離水し易いものとなる。
又、添加量が多すぎれば液状安定性が損なわれる。レシ
チンの使用はメリットとデメリットが極端に現れること
から、添加量の適正化には特に留意する。
【0018】以上説明した必須乳化剤の他にも、ホイッ
プ用クリームの多様性に鑑み、必要によりグリセリンモ
ノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、シュガーエ
ステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等も適宜
使用が可能である。但し、これらの乳化剤は副次的なも
のであり、使用乳化剤全重量中10%以下であることが
好ましい。
【0019】前述必須乳化剤の作用効果のメカニズムは
明らかではない。ホイップ用クリームの3フェイズであ
る液状態、ホイップ過程、ホイップ物のそれぞれにおい
て、乳化剤が関与する作用効果が異なり、画一的に考え
ることができないからである。乳化剤の親油性、親水性
等も選定の有効な指標とならない。数多く知られる乳化
剤の中から前述必須乳化剤の組み合せのみがホイップ用
クリームに極めて有効であるということは、驚くべきこ
とである。
【0020】ところで、ホイップ用クリームの特性に関
与する要素としては、粘度、pH、固形分量等も重要で
ある。本発明においては、それぞれを特に限定するを要
さないが、好ましい範囲としては、粘度20〜300c
p、pH6.2〜7.0程度である。この範囲を越えれ
ば、液状安定性、ホイップ性、ホイップ物食感等が劣化
し得るが、これらの要素は、その他の添加物、例えばガ
ム質、pH調整剤、糖類等のコントロールにより制御す
ることができ、目的のホイップ用クリームとすべく調整
が可能である点で、本質的要件ではないといえる。
【0021】以上説明したホイップ用クリームは、常法
に基づいて調製することができる。例えば、まず、食用
油脂、乳化剤等から成る油系と、乳成分、乳化剤、安定
剤等から成る水系とをそれぞれ適当に加温して混合し、
更に加温(約60〜80℃)を続ける。混合前の加温で
は、油系では構成油脂が完全に溶融状態になる程度(約
70〜80℃)、水系では混合後の温度低下を起さない
程度(約60〜70℃)に加温すればよい。油系と水系
を別々に調製せずともはじめから一つの系で混合するこ
とも可能である。本発明に係る必須乳化剤は油系に混入
する。次に、混合加温後の製品を均質(前均質)化す
る。均質化の際かける圧力は10kg/cm2〜100kg/cm2
(1〜100MPa )程度でよく、これにより油脂球が微
細化し約1μ径程度となり平均分散する。前均質前に予
備乳化を実施してもよい。前均質後、滅菌する。滅菌条
件は120〜140℃、数秒間程度であるが、通常は熱
伝達率の優れたプレート内で実施するため短時間でも滅
菌効率は非常によい。続いて、再び均質(後均質)化す
る。後均質化の条件は前均質の条件とほぼ同じか若干低
目でよい。次に、製品を冷却する。冷却は、冷却効率の
点でプレート式クーラーを用いるのが一般的である。一
般的プレート式クーラーを用いた場合では60〜80℃
の製品は約2分以下で2〜10℃まで冷却される。冷却
後は適当な容器に充填しエージング(5℃以下、1日以
上放置)される。得られたホイップ用クリームは通常の
ものと同様に取扱うことができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。以下
の実施例、比較例の配合量はすべてホイップ用クリーム
重量に対する重量%を示す。
【0023】実施例1〜3 表1に示す配合比に基づいて、ナタネ硬化油、パーム核
硬化油から成る混合油を60℃まで加温し、レシチン
(レシチンDX,日清製油製;ペースト状レシチン、ア
セトン不溶分60%)、乳酸モノグリセリド(サンソフ
ト661AS,太陽化学製;乳酸モノグリセリンステア
リン酸エステル)、クエン酸モノグリセリド(サンソフ
ト621B,太陽化学製;クエン酸モノグリセリンステ
アリン酸エステル)、ポリグリセリン脂肪酸モノ,ト
リ,ペンタエステル(SYグリスターMS−500,T
S−500,PS−500,阪本薬品工業製;重合度
5、ステアリン酸エステル)を加え、油系を調製して7
0℃まで加温した。脱脂粉乳、カゼインナトリウム、ヘ
キサメタリン酸ナトリウムを水(配合量の合計が100
%になるような量、54%前後)に添加、溶解して水系
を調整し、65℃まで加温した。水系を攪拌しながら調
整加温後の油系を水系に添加し、ホモミキサーでの高速
剪断により予備乳化を行い、予備乳化後直ちに2段均質
機を用い、2段目10kg/cm2、1段目50kg/cm2で均質
化を行った。均質化後のミックスを直接蒸気吹き込み式
の滅菌機で140℃3秒間の滅菌を行い、滅菌後、再び
2段均質機により2段目10kg/cm2、1段目30kg/cm2
で均質化を行い、さらにプレート式クーラーで5℃まで
急速冷却し、ゲーブルトップタイプの紙カートンにパッ
ク後、エージング(5℃以下、1日以上放置)した。得
られたホイップ用クリームは2グループに分け、一方を
冷蔵保存(5℃)、他方をヒートショック(25℃湯浴
中に1時間浸漬後、冷蔵保存)グループとした。
【0024】
【表1】 得られたホイップ用クリームを用いてホイップを実施し
た。ホイップの条件は以下である。GE社製のホイッパ
ーによってホイップを実施した。試料400gを回転し
ているボールの中で機械的にホイップさせ、この時得ら
れた硬さをセンサーの歪量としてとらえ、所定の歪量ま
でホイップさせ、ホイップ性の目安とした。結果を表2
に示す。
【0025】
【表2】 評価基準 ◎:非常に良好 ○:良好 △:普通 ▲:やや不良 ×:不良 表中の各項目は次の基準に基づくものである。 1)液状安定性: ヤマト製の振動器を用い100回/
37秒で水平方向に振動させ、クリームが流動性を失う
までの振動回数を液状安定性の目安とした。 20,000回以上であるものを非常に良好、5,00
0〜12,000回であるものを普通、2,000回以
下であるものを不良とし、良好、やや不良はそれぞれの
中間的評価である。 2)ホイップ性: ホイップ時間3分〜4分30秒であ
るものを非常に良好、同6分〜8分であるものを普通、
同10分以上であるものを不良とし、良好、やや不良は
それぞれの中間的評価である。 3)ホイップ後の口溶け: 食べたときの口溶けがよく
滑らかで後味の良いものを非常に良好、それぞれが劣る
ものを不良とし、その中間を良好、普通、やや不良と評
価した。
【0026】表2に示すように、実施例はいずれも液状
安定性に富み、また一方のホイップ性も良好で、ホイッ
プ後の口溶けも良好であった。比較例1は液状安定性、
ホイップ性は良好であったが、特にヒートショック処理
したもののホイップ後の口溶けには発砲飲料のような泡
状の食感がありクリームとしては極めて悪い評価であっ
た。比較例2は冷蔵保存でのホイップ性が不良でまた、
比較例3は液状安定性、比較例4はホイップ性が不良で
共にヒートショック後の物性が極めて悪く、総合評価も
劣っていた。実施例4、5 実施例1〜3と同じ要領で、必須乳化剤の配合比のみ変
えてホイップを実施した。配合比及び結果を表3に示
す。評価は実施例4を基準(±)とした相対評価であ
り、実施例4より優れているものは(+)、劣るものは
(−)、同等のものは(±)で表してある。表3より、
同じ必須乳化剤の組合せでも、配合比により液状安定性
などが影響を受け、配合比を適正化することで、より優
れたホイップ用クリームとすることができることが判
る。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、必須乳化剤として
乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、エステ
ル化度2以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチ
ンの組み合せを用いることにより、ホイップ用クリーム
の品質を総合的に向上させることが可能となる。即ち、
従来、困難と考えられていた液状安定性とホイップ性を
両立させ、かつ口溶けにも優れたホイップ用クリームを
実現できる。このものは、近年の嗜好性の多様化にも充
分こたえ得る広範囲なホイップ用クリームをバリエーシ
ョンに適用でき、品質の向上を図ることが可能であり、
ホイップ用クリーム関連産業上、極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 健二 埼玉県南埼玉郡宮代町中央2−19−8 (72)発明者 市野 文則 東京都八王子市別所2−13−5−404 (56)参考文献 特開 平2−65755(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/19 A23C 13/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも油脂、蛋白質、乳化剤及び水
    を含む混合系を滅菌、均質化後、冷却して得られるホイ
    ップ用クリームであって、必須乳化剤として乳酸モノグ
    リセリド、クエン酸モノグリセリド、エステル化度2以
    上のポリグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンが配合
    されていることを特徴とする前記ホイップ用クリーム。
  2. 【請求項2】 必須乳化剤が以下に示す範囲で配合され
    ている請求項1に記載のホイップ用クリーム。 ・乳酸モノグリセリド 0.20〜1.00重量% ・クエン酸モノグリセリド 0.01〜0.20重量% ・エステル化度2以上のポリグリセリン脂肪酸エステル 0.05〜0.50重量% ・レシチン 0.03〜0.30重量%
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