JPWO2015025688A1 - 新規なフラワーペースト - Google Patents

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Abstract

原料混合物全体中、リン酸架橋澱粉を1.0〜5.0重量%、重量比が20/80〜80/20のグルコマンナン/キサンタンガム混合物0.01〜0.15重量%、卵黄1.5〜3.0重量%(乾燥重量)、卵白0.1〜0.4重量%(乾燥重量)を水に溶解して加熱して調製した水相に、油脂5〜20重量%を混合して得られた原料混合物を予備乳化した後、均質化処理及び殺菌、冷却処理して、20℃においてレオメーターで測定した最大応力であるR値(硬さ)が28〜60g重で、且つ25℃におけるズリ速度40/秒の一定条件における測定開始1分後のズリ応力が70〜300Paである、カスタード風味を有する焼き込み用フラワーペーストを得る。該フラワーペーストは、卵黄を多く含んでも、卵黄中のレシチンの解乳化作用による焼成前の保型性の低下がおこらず、耐熱保型性があり、口溶けが良好で、クリーミーで滑らかな物性を有する。

Description

本発明は、製菓・製パン分野で用いられる焼き込み用フラワーペーストおよびその製造方法に関する。
主に製菓、製パン分野において使用されるフラワーペーストは、最近の顧客志向として、口溶けが良好でクリーミーで滑らかな物性と、濃厚なカスタード風味が求められるようになっている。
口溶けが良好でクリーミーで滑らかな物性を満足するために、増粘剤、澱粉やタンパク質の調整が行われており、例えば精製されたグルコマンナン0.3〜50w%と、一種又は二種以上の増粘多糖類とを含むゲル化剤を焼成加工される澱粉質の食材に添加する方法(特許文献1)や、原料組成中に耐熱保形材としての卵白を0.5〜5%含有する耐熱性フラワーペースト(特許文献2)が開示されている。しかし、何れの方法においても口当たりが悪く、モッタリとした食感になる。
また、アミロース含量が20〜35質量%の加工穀類澱粉を1〜10質量%含有してなる、糊状感がなくて滑らかな食感を有し、口溶けに優れたペースト状食品(特許文献3)や、油脂を2〜25重量%、エーテル化澱粉及び/又はエステル化澱粉を2〜12.5重量%及び水を含むビンガム流動組成物(特許文献4)が開示されている。しかし、何れの方法においても、耐熱保型性が弱く、パンにフィリングして焼成すると、パンからはみ出したり、生地への浸み込みが生じるといった問題がある。
一方、フラワーペーストにカスタード風味を付与するために、従来から卵黄を加えることが行われている。しかし、フラワーペーストに卵黄を配合すると、卵黄に含まれるレシチンの解乳化作用により、焼成前にパンや菓子にフィリングする際のフラワーペーストの保型性が低下したり、更にはその風味や食感が変化する。そのため、卵黄を配合してカスタード風味を付与し、且つ、焼成前の保型性を低下させることなく、耐熱保型性があり、口溶けが良好でクリーミーで滑らかな物性を満足する焼き込み用途のフラワーペーストは得られていない。
特開2010−259356号公報 特開平10−191891号公報 特開2004−173541号公報 特開2009−22253号公報
本発明の目的は、卵黄を多く含んでも、焼成前の保型性の低下がおこらず、また耐熱保型性があり、且つ口溶けが良好で、さらにはクリーミーで滑らかな物性を有する焼き込み用フラワーペースト及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、卵黄を多く含むフラワーペーストであっても、特定のR値(硬さ)と、特定のズリ応力を有する場合には、卵黄中のレシチンの解乳化作用による焼成前の保型性の低下がおこらず、耐熱保型性があり、口溶けが良好で、さらにはクリーミーで滑らかな物性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、20℃においてレオメーターで測定した最大応力であるR値(硬さ)が28〜60g重で、且つ25℃におけるズリ速度40/秒の一定条件における測定開始1分後のズリ応力が70〜300Paである、卵黄を含有しカスタード風味を有する焼き込み用フラワーペーストに関する。また本発明は、フラワーペースト全体中、油脂5〜20重量%、リン酸架橋澱粉1.0〜5.0重量%、重量比が20/80〜80/20のグルコマンナン/キサンタンガム混合物0.01〜0.15重量%、卵黄1.5〜3.0重量%(乾燥重量)及び卵白0.1〜0.4重量%(乾燥重量)を含有する上記記載の焼き込み用フラワーペーストに関する。好ましい実施態様は、リン酸架橋澱粉が、米、コーンスターチ及びタピオカからなる群から選ばれる少なくとも1種を原料とする澱粉に由来するヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である上記記載の焼き込み用フラワーペーストに関する。より好ましくは、フラワーペースト全体中、ローカストビンガムを0.01〜0.10重量%含有する上記記載の焼き込み用フラワーペーストに関する。本発明の第二は、原料混合物全体中、リン酸架橋澱粉を1.0〜5.0重量%、重量比が20/80〜80/20のグルコマンナン/キサンタンガム混合物0.01〜0.15重量%、卵黄1.5〜3.0重量%(乾燥重量)、卵白0.1〜0.4重量%(乾燥重量)を水に溶解して加熱して調製した水相に、油脂5〜20重量%を混合して得られた原料混合物を予備乳化した後、均質化処理及び殺菌、冷却処理して得られる、カスタード風味を有する焼き込み用フラワーペーストの製造方法に関する。
本発明に従えば、卵黄を多く含んでも、卵黄中のレシチンの解乳化作用による焼成前の保型性の低下がおこらず、また耐熱保型性があり、且つ口溶けが良好で、さらにはクリーミーで滑らかな物性を有する焼き込み用フラワーペーストを提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明のフラワーペーストとは、パン又は菓子にフィリング又はトッピングして、焼成してから食用に供されるものであり、卵黄を含有し且つカスタード風味を有し、特定のR値(硬さ)と特定のズリ応力を有することを特徴とする。なお、前記フラワーペーストとは、小麦粉及び/又はでん粉、油脂、糖類及び/又は糖アルコール、乳主原及び/又は乳風味の香料、卵及び/又はこれらの加工品、水を主要原料とし、これに増粘剤等を加え、加熱して得られるパン又は菓子にフィリング又はトッピングして食用に供するカスタード風味のペースト状組成物をいう。
本発明における20℃においてレオメーターで測定した最大応力であるR値(硬さ)とは、フラワーペーストの焼成前の保型性を示す指標であり、28〜60g重が好ましく、30〜50g重がより好ましい。28g重よりも小さいとダレる場合がある。また60g重よりも大きいと硬すぎる場合がある。なお、本発明のR値(硬さ)は、次のようにして測定できる。
<R値(硬さ)の測定方法>
15℃に温調したフラワーペーストをアルミ製缶(直径5cm×高さ2cm)に充填した後に、20℃で3時間温調する。FUDOHレオメーター(株式会社レオテック製)を用いて、プランジャー:粘性用・球状径15mm、試料台速度:30cm/min、ストローク:50mmで試料台を上昇させ、プランジャーが感知する最大応力(g重)をR値とする。
本発明における25℃におけるズリ速度40/秒の一定条件における測定開始1分後のズリ応力とは、フラワーペーストの流動性を示す指標であり、70〜300Paが好ましく、100〜290Paがより好ましい。70Paよりも小さいと食感が軟らかくなり過ぎる場合がある。300Paよりも大きいと、もったりした食感になる場合がある。なお、本発明のズリ応力は、次のようにして測定できる。
<25℃におけるズリ応力の測定方法>
25℃に温調したフラワーペーストを、温度制御可能な専用サンプルカップに約0.1ml供試し、円筒型回転式粘度計(東機産業株式会社製「TV−35形粘度計」)を用いて、ローター:3°×R7.7、ズリ速度:40/秒の条件で測定し、測定開始1分後の値を25℃におけるズリ応力とする。
前記のような特定のR値(硬さ)と特定のズリ応力を有するフラワーペーストは、油脂、リン酸架橋澱粉、重量比が特定範囲のグルコマンナン/キサンタンガム混合物、卵黄及び卵白を特定量含有させると、容易に得られる。
また、前記フラワーペーストは、75℃、20/秒のズリ速度下におけるズリ応力は40〜96Paが好ましく、40〜90Paがより好ましい。40Paよりも小さいと保型性が劣る場合がある。96Paよりも大きいと加熱時の粘性が高くなりすぎ生産性が劣る場合がある。なお、75℃、20/秒のズリ速度下におけるズリ応力は、次のようにして測定できる。
<75℃におけるズリ応力の測定方法>
フラワーペーストを、温度制御可能な専用サンプルカップに約0.5ml供試し、サンプルカップが75℃に達温してから5分間サンプルを静置した後、上記円筒型回転式粘度計を用いて、ローター:3°×R14、ズリ速度:20/秒の条件で測定し、測定開始1分後の値を75℃におけるズリ応力とする。
前記油脂は、菜種油、コーン油、オリーブ油、ひまわり油、サフラワー油、大豆油、カノーラ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、綿実油、カカオ脂、シア脂等の植物油脂、牛脂、ラード、魚油、乳脂等の動物油脂、またそれらの硬化油脂、エステル交換油脂、分別油脂等の各種加工油脂、バター、クリーム、マーガリン、ショートニングなどが例示でき、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用できる。これら油脂の添加量は、フラワーペースト全体中5〜20重量%が好ましく、7〜15重量%がより好ましい。5重量%より少ないと口溶けが良好で滑らかな食感が得られない場合がある。また20重量%より多いと、油が分離したり、耐熱保型性が劣ったりする場合がある。
前記リン酸架橋澱粉とは、澱粉にトリメタリン酸塩やオキシ塩化リンなどを作用させることで、澱粉の分子内または分子間の水酸基が架橋して、澱粉粒の膨潤や糊化が抑制された澱粉をいう。上記リン酸架橋澱粉としては、アセチル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉などが挙げられるが、本発明においては、特に、酸臭等の異味が少なくフラワーペースト本来の風味を邪魔しない点と保存時の硬さ変化や離水が少ない点等の理由から、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉が好ましい。
また、前記リン酸架橋澱粉の原料澱粉としては、一般に食品に使用される澱粉、例えば馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉等を挙げることができるが、本発明では、タピオカ澱粉、コーンスターチ、米澱粉からなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。
前記リン酸架橋澱粉の添加量は、フラワーペースト全体中1.0〜5.0重量%が好ましく、2.0〜4.0重量%がより好ましい。1.0重量%より少ないと軟らか過ぎて十分な保型性が得られない場合がある。また5.0重量%より多いと硬くなり、口溶けが良好でクリーミーで滑らかな食感が損なわれる場合がある。
前記グルコマンナンは、針葉樹の細胞壁や蒟蒻芋に多く含まれる水溶性中性多糖で、六炭糖のD-グルコース/D-マンノースが約1/1.6の割合でβ−1,4−結合したものをいう。また前記キサンタンガムは、トウモロコシなどの澱粉を細菌(Xanthomonas campestris)により発酵させて作られ、β−D−グルコースがα−1,4−結合した主鎖のアンヒドログルコースに、D−アセチルマンノース,D−グルクロン酸,D−マンノース,ピルビン酸からなる側鎖が結合している増粘多糖類をいう。
本発明においては、増粘剤としてグルコマンナンとキサンタンガムを20/80〜80/20(重量比)で併用することが好ましく、40/60〜55/45(重量比)がより好ましい。グルコマンナン/キサンタンガム(重量比)が20/80よりも小さいと、ぬめり感を生じる場合がある。逆にグルコマンナン/キサンタンガム(重量比)が80/20よりも大きいと、焼成前の保型性が足りずダレが生じる場合がある。
グルコマンナンとキサンタンガムの合計添加量は、フラワーペースト全体中0.01〜0.15重量%が好ましく、0.015〜0.10重量%がより好ましく、0.02〜0.08重量%が更に好ましい。添加量が0.01重量%より少ないと、口溶けが良好で、クリーミーで滑らかな食感が得られなかったり、焼成前の保型性が得られず長期間冷蔵で保存すると離水が発生したりする場合がある。また0.15重量%より多いと、焼成前の保型性が高まるものの、ぬめり感が感じられ、良好な口溶けと、クリーミーで滑らかな食感が損なわれる場合がある。
本発明のフラワーペーストには、増粘剤としてローカストビンガムを含むことは必須ではないが、一定量以下であれば、ローカストビンガムを使用する方が焼成前の保型性を向上でき、好ましい。ここでローカストビンガムとは、マメ科の植物であるローカストビーンの胚乳に含まれ、ガラクトースとマンノースを主成分とする増粘多糖類をいう。その添加量は、フラワーペースト全体中0.10重量%以下が好ましく、0.01〜0.08重量%がより好ましく、0.02〜0.07重量%がさらに好ましい。添加量が0.10重量%より多いと、クリーミーで滑らかな食感が損なわれ口溶けが悪くなり、ぬめり感を生じる場合がある。
前記卵黄は、鶏卵の卵黄であり、生の全卵に含まれる卵黄の他、加塩全卵、加塩卵黄、加糖全卵、加糖卵黄、乾燥全卵、乾燥卵黄、凍結全卵、凍結卵黄、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などを用いることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用すればよい。卵黄の添加量は、乾燥重量でフラワーペースト全体中1.5〜3.0重量%が好ましく、1.8〜2.5重量%がより好ましい。1.5重量%より少ないと、十分なカスタード風味が得られない場合がある。また3.0重量%を超えると乳化安定性が低下し、焼成前の保型性が劣る場合がある。
前記卵白は、鶏卵の卵白であり、生の全卵に含まれる卵白の他、冷凍卵白、加糖冷凍卵白などの液状の卵白、卵白粉などの乾燥卵白、さらには卵白を酵素処理などの加工処理をしたものなど卵白のゲル形成能力を有する加工卵白をいい、また卵白源として、生全卵や液全卵等を使用しても良い。卵白の添加量は、乾燥重量でフラワーペースト全体中0.1〜0.4重量%が好ましく、0.2〜0.35重量%がより好ましい。0.1重量%より少ないと、軟らか過ぎて十分な保型性が得られない場合があり、0.4重量%より多いと、ぬめり感やザラつきが感じられ、良好な口溶けと、クリーミーで滑らかな食感が損なわれる場合がある。
本発明のフラワーペーストに、カスタード風味を付与するためには、糖類及び/又は糖アルコールと、乳主原及び/又は乳風味の香料を添加する。前記糖類としては、ショ糖、グルコース、マルトース、トレハロース、水飴、果糖、乳糖、異性化糖などが挙げられる。また前記糖アルコールとしては、ソルビット、マルビットなどが挙げられる。前記乳主原としては、牛乳、クリーム、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、乳タンパク質、ホエー蛋白質濃縮物(WPC)、乳清ミネラル、加糖練乳、無糖練乳、チーズなどが挙げられる。前記乳風味の香料としては市販の物を用いれば良い。
前記糖類及び/又は糖アルコールの含有量は、フラワーペースト全体中、固形分換算で20〜50重量%が好ましく、25〜35重量%がより好ましく、27〜33重量%が更に好ましい。含有量が20重量%より少ないと、カスタード風味が弱く感じられる場合がある。含有量が50重量%より多いと、甘味が強くなりすぎて風味が損なわれる場合がある。
前記乳主原の含有量は、フラワーペースト全体中、固形分換算で0.1〜10重量%が好ましく、0.3〜5重量%がより好ましく、0.5〜3重量%が更に好ましい。含有量が0.1重量%より少ないと、カスタード風味が弱く感じられる場合がある。含有量が10重量%より多いと、フラワーペースト全体中の蛋白質含量が多くなり過ぎて粘性が増加し、良好な口溶けや滑らかな食感が損なわれたり、好ましいカスタード風味が感じられにくくなる場合がある。また、前記乳風味の香料の含有量は、本発明のフラワーペーストにカスタード風味を付与できていれば特に制限はないが、フラワーペースト全体中、0.01〜1重量%が好ましく、0.03〜0.5重量%がより好ましい。なお、乳風味の香料を含まない時は、乳主原の含有量は0.5重量%以上であることが好ましい。
また本発明のフラワーペーストには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記以外の原料として以下のようなものを含んでも良い。
例えば、上記リン酸架橋澱粉以外の澱粉類、クエン酸,リンゴ酸,乳酸などの酸味料、ココアパウダー、カカオマス、チョコレート、バニラビーンズ、緑茶加工品、紅茶加工品、コーヒーエキス、栗加工品、さつま芋加工品、大豆加工品、フルーツ加工品、はちみつ、乳酸菌スターター、食塩,洋酒,苦味料などの呈味成分、バニラなど各種香料、グリセリン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,レシチンなどの乳化剤、カゼインナトリウム,リン酸ナトリウム,ポリリン酸ナトリウム,塩化カリウム,デキストリン,セルロースなどの安定剤、カロテン,カラメル,クチナシ,アナトー,リボフラビン,酸化チタンなどの各種天然或いは合成着色料である色素などが挙げられる。また日持ち向上のためにソルビン酸カリウム,ε−ポリリジンなどの保存料やクエン酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウムなどのpH調整剤やグリシン,リゾチーム,キトサンなど抗菌剤を併用しても構わない。
なお、上記リン酸架橋澱粉以外の澱粉類を添加する場合は、前記リン酸架橋澱粉100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、添加しないことが更に好ましい。20重量部より多いと良好な口溶けや、クリーミーで滑らかな食感が損なわれる場合がある。
前記乳化剤の含有量は、フラワーペースト全体中3重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、添加しないことが更に好ましい。3重量%より多いと、乳化剤自体の風味が付与され、苦味などの異味が感じられる場合がある。
本発明のフラワーペーストの製造方法を以下に例示する。まず、リン酸架橋澱粉、グルコマンナンとキサンタンガム、卵黄、卵白、必要に応じてローカストビンガムその他水溶性の原料を水に均一に分散、溶解し、加熱して水相部とする。一方、加熱して融解した油脂に、その他の油溶性原料を溶解し、油相部とする。該油相部を水相部に添加して十分に攪拌して原料混合物とし、これを予備乳化する。予備乳化した後、常法によりホモジナイザー等で均質化し、加熱冷却装置等を用いて一般的な条件で殺菌、冷却し、本発明のフラワーペーストを得ることができる。
本発明のフラワーペーストは、菓子・パンなどにトッピングやフィリングしてそのまま使用してもよいが、焼き込み用として、トッピングやフィリングしたパンや菓子を焼成して使用することで本発明の効果をより好適に享受することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<官能評価方法(口溶け、滑らかさ、クリーミーさ、カスタード風味)>
実施例・比較例で得られたフラワーペーストの官能評価は、熟練した10名のパネラーにより、以下の基準により実施し、それらの平均点を評価値とした。
(口溶け)
5点:口に入れた途端に崩れ、極めて口溶けが良好である。
4点:口に入れた途端に崩れ、非常に口溶けが良好である。
3点:口に入れると崩れ、口溶けが良好である。
2点:口に入れても崩れにくく、口溶けがやや悪い。
1点:口に入れても崩れにくく、口溶けが悪い。
(滑らかさ)
5点:ざらつきがなく、極めて滑らかさが良好である。
4点:ざらつきがなく、非常に滑らかさが良好である。
3点:ざらつきが殆どなく、滑らかさが良好である。
2点:若干ざらつきが感じられ、滑らかさにやや欠ける。
1点:ざらつきが感じられ、滑らかさに欠ける。
(クリーミーさ)
5点:ねちゃつきが全くなく、口の中に入れた瞬間に流動性を感じる。
4点:ねちゃつきがなく、口の中に入れた瞬間に流動性を感じる。
3点:ねちゃつきが殆どなく、口の中に入れて暫くすると流動性を感じる。
2点:ねちゃつきがあり、口の中に入れても余り流動性を感じない。
1点:ねちゃつきがあり、口の中に入れても殆んど流動性を感じない。
(カスタード風味)
5点:極めてカスタード風味が強く、良好である。
4点:非常にカスタード風味が強く、良好である。
3点:カスタード風味が感じられ、良好である。
2点:カスタード風味がやや不足している。
1点:カスタード風味を感じない。
<物性評価方法>
(R値(硬さ))
15℃に温調したフラワーペーストをアルミ製缶(直径5cm×高さ2cm)に充填した後に、20℃に3時間温調する。FUDOHレオメーター(株式会社レオテック製)を用いて、プランジャー:粘性用・球状径15mm、試料台速度:30cm/min、ストローク:50mmで試料台を上昇させ、プランジャーが感知する最大応力(g重)をR値とし、保型性の評価値とした。この値が大きいほど、保型性が良好であることを示す。
(保型性)
上記で測定したR値を基に、焼成前の保型性を以下のように評価した。
5点:極めて保型性があり、全くダレない(R値=42g重以上)。
4点:非常に保型性があり、ダレない(R値=35g重以上42g重未満)。
3点:保型性があり、殆どダレない(R値=28g重以上35g重未満)。
2点:若干保型性が劣り、ややダレが生じる(R値=21g重以上28g重未満)。
1点:保型性がなく、ダレが生じる(R値=21g重未満)。
(25℃におけるズリ応力)
25℃に温調したフラワーペーストを、温度制御可能な専用サンプルカップに約1ml供試し、円筒型回転式粘度計(東機産業株式会社製「TV−35形粘度計」)を用いて、ローター:3゜×R7.7、ズリ速度:40/秒の条件で測定し、測定開始1分後の値を25℃におけるズリ応力とし、口溶けの評価値とした。この値が小さいほど口溶けが良好な傾向にある。
(75℃におけるズリ応力)
フラワーペーストを、温度制御可能な専用サンプルカップに約0.5ml供試し、サンプルカップが75℃に達温してから5分間サンプルを静置した後、上記円筒型回転式粘度計を用いて、ローター:3°×R14、ズリ速度:20/秒の条件で測定し、測定開始1分後の値を75℃におけるズリ応力とした。
(耐熱保型性)
フラワーペースト約10gをろ紙(東洋濾紙株式会社製「定性濾紙No.2、φ90mm」)上に約7cmの棒状になるように取り出し、上方向から見た加熱処理前の面積(A)をデジタルカメラで撮影し、その画像を解析処理ソフト「ImageJ」を用いて測定した。その後、前記取り出したフラワーペーストを、ろ紙ごと、底面が10cm角で、高さが2cmの上面が解放された紙製の箱に入れ、箱の上面及び側面をアルミ箔で覆い、190℃のオーブンで10分間加熱し、前記と同様に上方向から見た加熱処理後の面積(B)を測定し、膨張率(倍)=B/Aを算出し、以下の基準で耐熱保型性を評価した。
5点:極めて高い耐熱保型性がある(膨張率=1.2未満)。
4点:耐熱保型性がある(膨張率=1.2以上1.35未満)。
3点:耐熱保型性があるが、ややダレる(膨張率=1.35以上1.5未満)。
2点:耐熱保型性がやや劣る(膨張率=1.5以上1.65未満)。
1点:耐熱保型性が劣る(膨張率=1.65以上)。
<総合評価>
各5段階評価点数(口溶け、滑らかさ、クリーミーさ、保型性、耐熱保型性及びカスタード風味の6項目)を乗じた値の累乗根(6乗根)を総合点数とし、以下の基準で各実施例・比較例の評価をした。
5点:クリーミーで、滑らかさ、口溶けが極めて良好で、カスタード風味が強く感じられ、且つ保型性があり、耐熱保型性が高い(総合点数=4.25点以上)。
4点:クリーミーで、滑らかさ、口溶けが良好で、カスタード風味が強く感じられ、且つ保型性があり、耐熱保型性がある(総合点数=3.70点以上4.25点未満)。
3点:クリーミーさ、滑らかさ、口溶け、カスタード風味、保型性、耐熱保型性のいずれか1つ又は2つにやや劣る点があるが、それ以外は良好であり、商品性に問題はない(総合点数=3.10点以上3.70点未満)。
2点:クリーミーさ、滑らかさ、口溶け、カスタード風味、保型性、耐熱保型性の内3つ以上で劣る点があり、商品性がやや欠ける(総合点数=2.50点以上3.10点未満)。
1点:クリーミーさ、滑らかさ、口溶け、カスタード風味、保型性、耐熱保型性の少なくとも何れか1つに致命的な問題があり、商品性に欠ける(総合点数=2.50点未満)。
<フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの官能評価方法>
実施例・比較例で得られたパンを、熟練した10名のパネラーに食してもらって、以下の基準により評価してもらい、それらの平均点を評価値とした。
(フラワーペーストの口溶け)
5点:パンにマッチしており、口に入れた途端に崩れ、極めて口溶けが良好である。
4点:パンにマッチしており、口に入れた途端に崩れ、非常に口溶けが良好である。
3点:パンにマッチしており、口に入れると崩れ、口溶けが良好である。
2点:パンの食感に比べ、口に入れても崩れにくく、口溶けがやや悪い。
1点:パンの食感に比べ、口に入れても崩れにくく、口溶けが悪い。
(フラワーペーストの滑らかさ)
5点:パンにマッチしており、ざらつきがなく、極めて滑らかさが良好である。
4点:パンにマッチしており、ざらつきがなく、非常に滑らかさが良好である。
3点:パンにマッチしており、ざらつきが殆どなく、滑らかさが良好である。
2点:パンの食感に比べ、若干ざらつきが感じられ、滑らかさがやや悪い。
1点:パンの食感に比べ、ざらつきが感じられ、滑らかさに欠ける。
(フラワーペーストのクリーミーさ)
5点:パンにマッチしており、ねちゃつきが全くなく、口の中に入れた瞬間に流動性を感じる。
4点:パンにマッチしており、ねちゃつきがなく、口の中に入れた瞬間に流動性を感じる。
3点:パンにマッチしており、口の中に入れて暫くすると流動性を感じる。
2点:パンの食感に比べ、ねちゃつきがあり、口の中に入れても余り流動性を感じない。
1点:パンの食感に比べ、ねちゃつきがあり、口の中に入れても殆んど流動性を感じない。
(フラワーペーストの耐熱性)
5点:パンから流れ出ることが全くなく、極めて高い耐熱性がある。
4点:パンから流れ出ることが全くなく、耐熱性がある。
3点:パンから流れ出ることはないが、耐熱性がやや劣りダレる。
2点:パンから流れ出てしまい、耐熱性が劣る。
1点:パンから流れ出てしまい、明らかに耐熱性が劣る。
(カスタード風味)
5点:パンにマッチしており、極めてカスタード風味が強く、良好である。
4点:パンにマッチしており、非常にカスタード風味が強く、良好である。
3点:パンにマッチしており、カスタード風味が感じられ、良好である。
2点:パンの風味に比べ、カスタード風味がやや不足している。
1点:パンの風味に比べ、カスタード風味をほとんど感じない。
<総合評価>
上記の評価結果を、以下の基準で総合的に評価した。
5点:全ての評価項目で、総じて評価が良好であり、商品性が極めて高い。
4点:全ての評価項目のうち、若干劣る項目があるが、商品性は高い。
3点:全ての評価項目のうち、劣る項目があるが、商品性に問題はない。
2点:全ての評価項目のうち、劣る項目があり、商品性に問題がある。
1点:全ての評価項目のうち、明らかに劣る項目があり、商品性に欠ける。
(実施例1) フラワーペーストの作製
表1に示す配合に従い、フラワーペーストを以下の方法にて作製した。油脂以外の原料が均一になるよう攪拌・混合しながら55±1℃に昇温し、攪拌しているところに60±2℃に融解した油脂を添加した。その後、ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ製)を用い100bar(107Pa)の圧力で均質化し、得られた乳化液を卓上加熱撹拌機(株式会社カジワラ製)で達温90±1℃、加熱時間6分間の条件で加熱した後、60℃まで冷却し充填包装した。その後、5℃の冷蔵庫にて冷却しフラワーペーストを得た。
Figure 2015025688
(実施例2) フラワーペーストの作製
表1に示す配合に従い、菜種油をパーム油に変えた以外は、実施例1と同様にしてフラワーペーストを作製した。
表1から明らかなように、油脂が菜種油(実施例1)、パーム油(実施例2)のどちらも、口溶け、滑らかさ、クリーミーさ、保型性及び保型性が良好で、カスタード風味も強く感じられた。
(実施例3及び4、比較例1及び2) フラワーペーストの作製
表1に示す配合に従い、油脂の量を変え、水で全体量を調整した以外は、実施例1と同様にしてフラワーペーストを作製した。
表1から明らかなように、菜種油を5重量%に減らしたもの(実施例3)は、口溶け、滑らかさ、クリーミーさが若干低下し、また菜種油を20重量%に増やしたもの(実施例4)は、保型性と耐熱保型性が若干低下したものの、どちらもフラワーペーストとしては問題ないものであった。一方、菜種油を4重量%に減らしたもの(比較例1)は、25℃におけるズリ応力が大きく、口溶け、滑らかさ、クリーミーさが悪化し、また菜種油を22重量%に増やしたもの(比較例2)は、R値が小さく保型性が低下し、耐熱保型性の評価で油分離が見られ、どちらもフラワーペーストとしては問題があった。
(実施例5) フラワーペーストの作製
表2に示す配合に従い、タピオカ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉とコーンスターチ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の比率は同じで、その合計の添加量を変えた以外は、実施例1と同様にしてフラワーペーストを作製した。
Figure 2015025688
表2から明らかなように、口溶け、滑らかさ、クリーミーさは若干低下したものの、カスタード風味は強く感じられ、フラワーペーストとしては問題ないものであった。
(実施例6) フラワーペーストの作製
表2に示す配合に従い、コーンスターチ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を使用せず、タピオカ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉のみを使用して、その配合量を減らして、水分で全体量を調整した以外は、実施例1と同様にフラワーペーストを作製して、その評価結果を表2に示した。
(実施例7、比較例3) フラワーペーストの作製
表2に示す配合に従い、タピオカ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を使用せず、コーンスターチ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉のみを使用して、その配合量を増やして、水分で全体量を調整した以外は、実施例1と同様にフラワーペーストを作製して、その評価結果を表2に示した。
(比較例4) フラワーペーストの作製
表2に示す配合に従い、タピオカ由来及びコーンスターチ由来のリン酸架橋澱粉をタピオカ由来のエーテル化澱粉に変えた以外は、実施例1と同様にしてフラワーペーストを作製した。
表2から明らかなように、タピオカ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉のみを使用して、その配合量を減らしたもの(実施例6)は、滑らかさ、保型性と耐熱保型性が若干劣ったもののフラワーペーストとしては問題ないものであった。また、澱粉としての添加量は同じで、コーンスターチ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉のみを使用したもの(実施例7)は、耐熱保型性が若干劣った程度であったが、添加量を6.0重量%と過剰に添加したもの(比較例3)は、25℃におけるズリ応力及びR値が大きく、焼成前の保型性や耐熱保型性は良いが、口溶けと滑らかさなどの官能評価が悪く、商品性がないものであった。更に、リン酸架橋澱粉の代わりにエーテル化澱粉を使用したもの(比較例4)は、25℃におけるズリ応力が大きく、口溶け、滑らかさ及びクリーミーさが悪く、耐熱保型性も極めて悪く、商品性がないものであった。
(実施例8) フラワーペーストの作製
表3に示す配合に従い、グルコマンナン/キサンタンガムの重量比(50/50)を、重量比(78/22)に変えた以外は、実施例1と同様にしてフラワーペーストを作製した。
Figure 2015025688
(実施例9) フラワーペーストの作製
表3に示す配合に従い、グルコマンナン/キサンタンガムの重量比(50/50)を、重量比(22/78)に変えた以外は、実施例1と同様にしてフラワーペーストを作製した。
(実施例10及び11、比較例5及び6) フラワーペーストの作製
表3に示す配合に従い、グルコマンナン/キサンタンガムの重量比(50/50)は同じで、その添加量を変えて、水で全体量を調整した以外は、実施例1と同様にしてフラワーペーストを作製した。
表3から明らかなように、グルコマンナン/キサンタンガム(重量比)が78/22のもの(実施例8)及び22/78のもの(実施例9)は、口溶け、滑らかさ、クリーミーさは良好で、保型性及び耐熱保型性が若干劣ったものの、フラワーペーストとしては問題ないものであった。また、グルコマンナン/キサンタンガム(重量比)が50/50で、その添加量の合計が0.01重量%のもの(実施例10)及び0.15重量%のもの(実施例11)は、全ての評価項目で若干劣ったもの、フラワーペーストとしては問題ないものであった。一方、添加量の合計が0.006重量%のもの(比較例5)は、R値が小さく、保型性と耐熱性が極めて悪く、又0.16重量%のもの(比較例6)は、20℃におけるズリ応力が大きく、口溶けとクリーミーさが特に悪く、どちらもフラワーペーストとして問題のあるものであった。
(実施例12) フラワーペーストの作製
表4に示す配合に従い、グルコマンナン/キサンタンガムの重量比(50/50)は同じで、その合計添加量を0.01重量%減少し、減少分としてローカストビンガムを添加した以外は、実施例1と同様にしてフラワーペーストを作製した。
Figure 2015025688
表4から明らかなように、実施例12のフラワーペーストは、耐熱保型性が若干低下したものの、口溶けとクリーミーさが向上し、フラワーペーストして良好なものであった。
(実施例13) フラワーペーストの作製
表4に示す配合に従い、リン酸架橋澱粉の種類をコーンスターチ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の1種類にし、増粘剤はグルコマンナン/キサンタンガムの重量比(50/50)は同じで、その合計添加量を0.05重量%に減少し、更にローカストビンガムを0.025重量%追加し、加糖卵黄を1.0重量%減少して、糖類と水の添加量で全体量を調整した以外は、実施例1と同様にしてフラワーペーストを作製した。
(比較例7) フラワーペーストの作製
表4に示す配合に従い、グルコマンナン、キサンタンガムおよびローカストビンガムを添加せず、水の添加量で全体量を調整した以外は、実施例13と同様にしてフラワーペーストを作製した。
表4から明らかなように、コーンスターチ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉と3種類の増粘剤を使用したもの(実施例13)は、耐熱保型性がやや劣ったものの、フラワーペーストとしては問題なかったが、一方で、増粘剤を添加しなかったもの(比較例7)は、R値が小さく、口溶け、滑らかさ、クリーミーさが低下すると共に、保型性と耐熱保型性が悪く、フラワーペーストとしては問題のあるものであった。
(比較例8) フラワーペーストの作製
表4に示す配合に従い、まず微結晶性セルロースを、ホモミキサー(プライミクス株式会社製「MARK II 2.5型」)を使用して、高速回転条件下、水(余分の21.2重量%を含む)に分散させた。この分散液に、グラニュー糖、無脂粉乳、乳清蛋白質、ペクチン、澱粉、液全卵、加糖卵黄を加え、ケミスターラー(東京理化器械株式会社製「B−100」)を使用して、すべての原料のダマがなくなるまで混合した。この混合液を加熱し、50℃に達したら乳化剤を添加し、更に88±2℃まで加熱し、余分に添加した21.2重量%の水が混合物から除去されるまで加熱・攪拌を続けた。ここに、60±2℃に融解した油脂を添加して混合後、75±2℃で10分間保持し、60℃まで冷却し充填包装した。その後、5℃の冷蔵庫にて冷却しフラワーペーストを得た。得られたフラワーペーストの評価結果を表4に示した。
表4から明らかなように、比較例8のフラワーペーストは、25℃におけるズリ応力とR値がいずれも大きく、保型性と耐熱性は良好であったものの、口溶け、滑らかさ、クリーミーさは何れも悪く、商品性のないものであった。また、75℃におけるズリ応力が大きく、粘性が高くて生産性も悪かった。
(実施例14〜16、比較例9〜12) フラワーペーストの作製
表5に示す配合に従い、液全卵と加糖卵黄の添加量を変え、水で全体量を調整した以外は、実施例1と同様にしてフラワーペーストを作製した。
Figure 2015025688
表5から明らかなように、卵黄が上限値近くで、卵白が下限値近くのもの(実施例14)は、保型性と耐熱性が若干劣り、また卵黄と卵白がどちらも下限値近くのもの(実施例15)は、保型性と耐熱保型性に加え、口溶けとカスタード風味が若干劣ったものの、フラワーペーストとしては問題のない品質であった。更に卵黄と卵白がどちらも上限値近くのもの(実施例16)は、全ての項目で良好であった。
一方、実施例1に比べ卵白が少ないもの(比較例9)は、R値が小さく、焼成前の保型性が極めて悪く、クリーミーさが少なく、耐熱保型性も劣っていた。また、卵白が過剰なもの(比較例10)は、25℃におけるズリ応力が大きく、口溶け、滑らかさ及びクリーミーさが悪かった。また卵黄が過剰なもの(比較例11)は、R値が小さく、官能評価は良いが、焼成前の保型性が悪く、耐熱保型性は極めて悪かった。更に、卵黄と卵白がどちらも下限値よりも少ないのもの(比較例12)は、R値が小さく、全ての項目で劣り、商品性のないものであった。
(実施例17) フラワーペーストの作製
表5に示す配合に従い、加糖卵黄の添加量を増加し、水の添加量で全体量を調整した以外は、実施例12と同様にしてフラワーペーストを作製した。
表5から明らかなように、実施例12に比べると口溶け、滑らかさ、クリーミーさが劣ったものの、カスタード風味は強く感じられ、フラワーペーストとしては良好な品質のものであった。
(実施例18) フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの作製
実施例1で得られたフラワーペーストを、表6の配合に従って、パン生地を調製後、生地にフィリングして焼成したパンを以下の方法にて作製した。即ち、強力粉、薄力粉、上白糖、食塩、イースト、イーストフード、脱脂粉乳、全卵、水をミキサーボウルに投入し、縦型ミキサー(関東混合機工業株式会社製「カントーミキサー」)にフックを取り付け、低速で3分間、高速で3分間混捏した。続いて20℃に温調されたショートニングを添加し、低速で3分間混捏後、高速で3分間混捏し、捏ね上げ温度27℃の生地を得た。得られた生地を28℃の恒温槽にて、60分間フロアータイムをとった後、60gずつの生地に分割した。分割後、28℃で20分間のベンチタイムをとり、モルダー(株式会社フジサワ製「FM−31Z」)にて生地を伸ばした後、フラワーペースト40gをフィリングして成型物を得た。この成型物を天板の上に置き、温度:38℃、湿度:75%で60分間最終発酵を行った。最終発酵後、200℃のオーブンで12分間焼成し、フラワーペーストをフィリングしたパンを得た。パンの各種評価結果を表7に示す。
Figure 2015025688
Figure 2015025688
(実施例19〜21、比較例13及び14) フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの作製
実施例18と同様の方法で作製した、フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの評価結果を表7に示す。
表7から明らかなように、実施例のフラワーペーストをフィリングしたパンは、何れもフラワーペーストは耐熱性があり、食感もパンとマッチした口溶けと滑らかさが良好で、クリーミーでカスタード風味が強く感じられ、美味しいものであった。一方、油分が少なく25℃におけるズリ応力が大きいフラワーペースト(比較例1)をフィリングしたパン(比較例13)は、フラワーペーストの口溶けと滑らかさが悪く、カスタード風味も弱く感じられた。また、油分が多くR値が小さいフラワーペースト(比較例2)をフィリングしたパン(比較例14)は、フラワーペーストが油分離し、型崩れしており、商品性がないものであった。
(実施例22〜24、比較例15及び16) フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの作製
実施例18と同様の方法で作製した、フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの評価結果を表8に示す。
Figure 2015025688
表8から明らかなように、実施例のフラワーペーストをフィリングしたパンは、何れもフラワーペーストの耐熱性が優れ型崩れせず、フラワーペーストの食感もパンとマッチした口溶けと滑らかさが良好で、クリーミーでカスタード風味が強く感じられ、美味しいものであった。一方、リン酸架橋澱粉が多く25℃におけるズリ応力及びR値が大きいフラワーペースト(比較例3)をフィリングしたパン(比較例15)は、フラワーペーストの口溶けと滑らかさが劣り、クリーミーさがないものであった。また、エーテル化澱粉を使用した25℃におけるズリ応力が大きいフラワーペースト(比較例4)をフィリングしたパン(比較例16)は、フラワーペーストの耐熱性が弱くて型崩れがひどく、その他の全ての項目で評価が悪く、商品性のないものであった。
(実施例25〜28、比較例17及び18) フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの作製
実施例18と同様の方法で作製した、フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの評価結果を表9に示す。
Figure 2015025688
表9から明らかなように、実施例のフラワーペーストをフィリングしたパンは、何れもフラワーペーストが型崩れすることのない良好な耐熱性を有し、フラワーペーストの食感もパンとマッチした口溶けと滑らかで、且つクリーミーでカスタード風味が強く感じられる美味しいものであった。一方、増粘剤が少なくR値が小さいフラワーペースト(比較例5)をフィリングしたパン(比較例17)は、フラワーペーストの耐熱性が劣り、また増粘剤が多く25℃におけるズリ応力が大きいフラワーペースト(比較例6)をフィリングしたパン(比較例18)は、フラワーペーストの口溶けとクリーミーさが劣り、どちらも商品性のないものであった。
(実施例29及び30、比較例19及び20) フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの作製
実施例18と同様の方法で作製した、フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの評価結果を表10に示す。
Figure 2015025688
表10から明らかなように、実施例のフラワーペーストをフィリングしたパンは、何れもフラワーペーストが型崩れすることのない良好な耐熱性を有し、フラワーペーストの食感もパンとマッチした口溶けと滑らかさ良好で、クリーミーでカスタード風味が強く感じられる美味しいものであった。一方、増粘剤を添加せず、R値が小さいフラワーペースト(比較例7)をフィリングしたパン(比較例19)は、フラワーペーストの耐熱性が劣り、また増粘剤の種類が異なりその添加量が極端に多く、25℃におけるズリ応力及びR値が大きいフラワーペースト(比較例8)をフィリングしたパン(比較例20)は、フラワーペーストの口溶け、滑らかさとクリーミーさが極端に悪く、どちらも商品性のないものであった。
(実施例31〜34、比較例21〜24) フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの作製
実施例18と同様の方法で作製した、フラワーペーストをフィリングして焼成したパンの評価結果を表11に示す。
Figure 2015025688
表11から明らかなように、実施例のフラワーペーストをフィリングしたパンのうち、卵黄と卵白が共に下限値に近いフラワーペースト(実施例15)をフィリングしたパン(実施例32)はフラワーペーストの耐熱性が若干劣ったものの、それ以外は何れのフラワーペーストも型崩れすることはなく、フラワーペーストの食感もパンとマッチした口溶けと滑らかさ良好で、クリーミーでカスタード風味の美味しいものであった。一方、卵白が少なく、R値が小さいフラワーペースト(比較例9)をフィリングしたパン(比較例21)は、フラワーペーストの耐熱性が劣り、また卵白が多く、25℃におけるズリ応力が大きいフラワーペースト(比較例10)をフィリングしたパン(比較例22)は、フラワーペーストの口溶け、滑らかさとクリーミーさが悪く、どちらも商品性のないものであった。更に、卵黄が多く、R値が小さいフラワーペースト(比較例11)をフィリングしたパン(比較例23)は、フラワーペーストの乳化性が悪く、耐熱性が極端に劣り、また卵黄が少なく、R値が小さいフラワーペースト(比較例12)をフィリングしたパン(比較例24)は、フラワーペーストの耐熱性が悪いことに加え、フラワーペーストの口溶け、滑らかさとカスタード風味が劣り、どちらも商品性のないものであった。

Claims (5)

  1. 20℃においてレオメーターで測定した最大応力であるR値(硬さ)が28〜60g重で、且つ25℃におけるズリ速度40/秒の一定条件における測定開始1分後のズリ応力が70〜300Paである、卵黄を含有しカスタード風味を有する焼き込み用フラワーペースト。
  2. フラワーペースト全体中、油脂5〜20重量%、リン酸架橋澱粉1.0〜5.0重量%、重量比が20/80〜80/20のグルコマンナン/キサンタンガム混合物0.01〜0.15重量%、卵黄1.5〜3.0重量%(乾燥重量)及び卵白0.1〜0.4重量%(乾燥重量)を含有する請求項1に記載の焼き込み用フラワーペースト。
  3. リン酸架橋澱粉が、米、コーンスターチ及びタピオカからなる群から選ばれる少なくとも1種を原料とする澱粉に由来するヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である請求項2に記載の焼き込み用フラワーペースト。
  4. フラワーペースト全体中、ローカストビンガムを0.01〜0.10重量%含有する請求項2又は3に記載の焼き込み用フラワーペースト。
  5. 原料混合物全体中、リン酸架橋澱粉を1.0〜5.0重量%、重量比が20/80〜80/20のグルコマンナン/キサンタンガム混合物0.01〜0.15重量%、卵黄1.5〜3.0重量%(乾燥重量)、卵白0.1〜0.4重量%(乾燥重量)を水に溶解して加熱して調製した水相に、油脂5〜20重量%を混合して得られた原料混合物を予備乳化した後、均質化処理及び殺菌、冷却処理して得られる、カスタード風味を有する焼き込み用フラワーペーストの製造方法。
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