JPH1084874A - フラワーペーストの製造法 - Google Patents
フラワーペーストの製造法Info
- Publication number
- JPH1084874A JPH1084874A JP26135996A JP26135996A JPH1084874A JP H1084874 A JPH1084874 A JP H1084874A JP 26135996 A JP26135996 A JP 26135996A JP 26135996 A JP26135996 A JP 26135996A JP H1084874 A JPH1084874 A JP H1084874A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- starch
- viscosity
- swelling
- parts
- degree
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
耐熱性を有すると共に、特に食感的に優れたフラワーペ
ーストを提供すること。 【解決手段】フラワーペーストの製造に際し、膨潤度が
5〜25で、且つ、アセチル基及び/又はヒドロキシプ
ロピル基の平均置換度が0.02〜0.2である膨潤調
節澱粉と、高温域では低粘性で冷却すると急激に増粘す
る特性を有する低温易増粘性澱粉とを50:50〜9
0:10の割合(重量)で澱粉質原料として使用するこ
と。
Description
製造法に関し、更に詳しくは食感の良好なフラワーペー
ストの製造法に関する。
脂などと共に加熱してペースト状にしたもので、パンや
菓子類のフィリングやトッピングの材料として広く用い
られている。しかし、フラワーペーストは澱粉質を糊化
することによりその状態を形成しているので、食感的に
澱粉糊様感を有することは避けられないところであっ
た。特に、フィリングの材料として用いる場合、生地に
包み込んで焼成するので、焼成中の熱によりフラワーペ
ーストが形崩れしないように、高粘性のペーストに調製
されているので、一般的に重くて口溶けが悪く、舌にま
とわりつくような澱粉糊特有の食感を残したものになっ
ている。
する一般的な傾向として、ソフトで口溶けの良いものが
好まれ、特にフラワーペーストの場合はその製法上、極
端な表現をすれば澱粉糊の食感となって最近の嗜好に合
わない欠点を有していた。この点を含めた食感の改善に
多くの方法が提案されている。
−40975号)、蛋白部分加水分解物を用いてホイッ
プドフラワーペーストにしてソフトな食感にする(特開
昭60−256330号)、アミロペクチンを主体とす
る澱粉、油脂、糖類などの特定量を用いてUHT処理す
る(特開昭63−22148号)、澱粉、小麦粉を全卵
と混合した後、その他の原材料と混合して加熱する(特
開平2−31647号)、カラギーナンとタマリンドガ
ムを配合する(特開平4−36150号)などが提案さ
れているが、十分に満足し得る状況に至っていない。
は、基本的に小麦粉とコーンスターチが用いられてい
た。近年、生産性、衛生的観点から連続的に95℃以上
で加熱処理されるようになり、その際の高温下での機械
的剪断力により、未加工の澱粉質では保形性がなくなる
ので、この機械的剪断力に耐えられるように加工した澱
粉、例えば架橋澱粉、架橋エーテル化澱粉、湿熱処理澱
粉などの加工澱粉が用いられている。このような加工澱
粉のペーストは粘着性が少なく、ショートなテクスチャ
ーとなるが、それでも澱粉糊様感はさして改善されず、
なるべく高粘性の加工澱粉で添加量を少なくして、澱粉
糊様感を軽減する方向にある。
とする課題はフラワーペーストとして一般に求められる
特性、即ち、連続製造が可能で充填適正、保形性、保存
性、耐熱性を有すると共に、特に食感的に優れたフラワ
ーペースト、即ち、澱粉質でボデーを形成していながら
澱粉糊様感がなく、口溶けの良いフラワーペーストの提
供にある。
課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、フラワーペー
ストの製造に際し、特定の膨潤調節澱粉と低温易増粘性
澱粉を特定比率で使用することにより、本発明の課題が
解決されることを見いだして本発明を完成した。
際し、膨潤度が5〜25で、且つ、アセチル基及び/又
はヒドロキシプロピル基の平均置換度が0.02〜0.
2である膨潤調節澱粉と、高温時は低粘性で冷却すると
急激に増粘する特性を有する低温易増粘性澱粉を50:
50〜90:10の割合(重量)で澱粉質原料として使
用することにより達せられる。
5の膨潤度と0.02〜0.2の置換度を有するリン酸
架橋ヒドロキシプロピル澱粉、リン酸架橋アセチル澱
粉、アジピン酸架橋アセチル澱粉から選ばれる一種又は
二種以上を50重量%以上含有することが好ましい。ま
た、低温易増粘性澱粉は、糊化して10重量%の濃度で
粘度を測定するとき、60℃で50〜500cps、3
0℃での粘度が60℃に於ける粘度の5倍以上である特
性を有することが好ましく、更に小麦澱粉及び/又はサ
ゴ澱粉を原料とし、次亜塩素酸ソーダで処理した澱粉で
あることが好ましい。
コーンスターチ、加工澱粉などの澱粉質、砂糖や水あめ
などの糖類、マーガリンやショートニングなどの油脂類
の他、必要に応じて乳製品、卵、チョコレートやココア
などの呈味成分、香料、着色料、天然ガムなどを水に加
えて混合し、乳化、加熱して澱粉質を糊化してペースト
状、或はシート状にしてパン類或は菓子類に充填(フィ
リング)或は塗布(トッピングなど)して食されるもの
を総称する。
域では低粘性を示し、冷却して低温にすると急激に増粘
する特性を有する澱粉を指称し、具体的には10重量%
濃度で糊化して60℃で測定した粘度が20〜1000
cps、好ましくは50〜500cpsで、且つ、30
℃で測定した粘度が60℃に於ける粘度の3.5倍以
上、好ましくは5倍以上となる粘度特性を有する澱粉を
指称する。
ている澱粉の場合、60℃の粘度は数千cps以上で、
且つ30℃での粘度も60℃の1.5〜2倍程度であ
る。例えば、コーンスターチの粘度は60℃で約160
00cps、30℃で約29000cps(60℃の約
1.8倍)であり、該澱粉はフラワーペーストに用いる
澱粉としては特異的な粘度特性を有する。
える澱粉、或は20cpsに満たない澱粉、又は30℃
に於ける粘度が60℃の粘度の3.5倍に満たない澱粉
では、澱粉糊様感をなくして口溶けを改善する効果に劣
る。 尚、本発明で述べる粘度は、試料20gを200
mlのガラスビーカーに採り、脱イオン水180gを加
え、沸騰浴中で撹拌しながら90℃まで加熱して糊化
後、流水にて冷却し、加熱中に生じた蒸発水分を補充し
て60℃及び30℃にてB型粘度計を用いて測定する。
澱粉に酸又は酸化剤を作用させて、澱粉粒の状態で澱粉
分子を切断して低分子化して、上述の粘度になるように
する。その際、60℃の粘度は澱粉の低分子化の程度を
調節することにより容易に所定の範囲にし得るが、更に
30℃の粘度が所定範囲になる特性を得るには、澱粉を
低分子化する条件を選ぶことで得られ易くなる。即ち、
酸を用いる場合は澱粉が糊化しない範囲のなるべく高
温、例えば40〜55℃で、酸化剤を用いる場合は高p
H域(例えばpH10以上)で比較的低温、例えば20
〜35℃で、60℃の粘度が所定範囲になるまで作用さ
せるのが好ましい。作用させる酸又は酸化剤の量は、用
いる原料澱粉の種類及び作用させる時間によって異なる
ので、これらを加味して所定粘度の該澱粉が得られる条
件を選択する。
は、塩酸、硫酸、蓚酸などが例示されるし、酸化剤とし
ては次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素、過硫酸アンモンな
どが例示される。また、用いられる原料澱粉は市販の澱
粉、例えば馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、タ
ピオカ澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、緑豆澱粉、ハイアミロ
ースコーンスターチなどいずれも使用できる。これらの
中で、小麦澱粉及び/又はサゴ澱粉を原料とし、次亜塩
素酸ソーダを用いて製造された低温易増粘性澱粉が最も
効果的で好ましい。
が5〜25で、且つ、アセチル基及び/又はヒドロキシ
プロピル基の平均置換度が0.02〜0.2である澱粉
を指称し、この要件を満たさない澱粉では本発明の効果
が得られなくなる。但し、平均置換度に関しては、0.
2を越えて高くなっても有効であるが、効果が変わら
ず、経済的でない。これらの要件は一種の澱粉だけで満
たす必要はなく、二種以上の澱粉を組み合わせて満たさ
れてもよく、要は膨潤調節澱粉として用いるものが全体
としてこの要件を満たしていればよい。従って、アセチ
ル基及び/又はヒドロキシプロピル基を有する澱粉と組
み合わせてこの要件を満たす範囲内で、未処理澱粉及び
澱粉が主成分の穀粉、或はこれらの官能基を含まない加
工澱粉を用いることもできる。
粒の膨潤程度を表す指標で、下記の方法によって測定さ
れる。この膨潤度も一種又は二種以上を混合して満たさ
れればよいが、二種以上用いる場合でもそれぞれがこの
範囲の膨潤度を有する澱粉であると、混用比率がこの要
件で制約されなくて好ましい。この範囲の膨潤度を有す
る澱粉としては、未処理澱粉ではコーンスターチ、小麦
澱粉、米澱粉など、及びこれらが主成分であるコーンフ
ラワー、小麦粉、米粉などが例示される。加工澱粉とし
ては膨潤度がこの範囲内に加工した漂白澱粉、湿熱処理
澱粉、架橋澱粉、架橋エーテル化澱粉、架橋エステル化
澱粉が挙げられる。
水100mlに分散し、90℃で30分間加熱後30℃
に冷却する。次いで、この糊化液を遠心分離(3000
rpm、10分間)してゲル層と上澄液に分け、ゲル層
の重量を測定してこれをAとする。次に、重量測定した
ゲル層を乾固(105℃、恒量)して重量を測定してこ
れをBとし、A/Bで膨潤度を表す。
う一つの要因であるアセチル基及び/又はヒドロキシプ
ロピル基の平均置換度は、該澱粉中のこれら官能基の置
換度の平均値を表す。該澱粉としては、アセチル基及び
/又はヒドロキシプロピル基を持つ澱粉を含むことが必
須であるが、これらの置換基を含まない澱粉を併用する
こともでき、その場合でも平均置換度が上述の範囲にな
けねばならないし、逆に、この範囲になるように用いる
澱粉の比率を選択することができる。
基を含む澱粉としては、アセチル澱粉やヒドロキシプロ
ピル澱粉も用い得るが、これらは基本的に膨潤度が大き
くて膨潤調節澱粉の一部にしか使用できず、膨潤度を調
節できるリン酸架橋ヒドロキシプロピル澱粉、リン酸架
橋アセチル澱粉、アジピン酸架橋アセチル澱粉から選ば
れる一種又は二種以上が好ましい。他の官能基を持つ澱
粉、例えばリン酸架橋コハク酸澱粉、リン酸架橋リン酸
澱粉などでは本発明の効果が得られ難い。尚、置換度は
澱粉のグルコース残基当たりのヒドロキシプロピル基又
はアセチル基のモル数で表す。
5〜25の膨潤度と0.02〜0.2の置換度を有する
リン酸架橋ヒドロキシプロピル澱粉、リン酸架橋アセチ
ル澱粉及びアジピン酸架橋アセチル澱粉から選ばれる一
種又は二種以上を50重量%以上含有し、且つ、膨潤調
節澱粉が全体として5〜25の膨潤度と0.02〜0.
2の置換度を有する澱粉である。このような膨潤調節澱
粉を用いることにより、本発明の効果がより顕著に発現
する。
シプロピル澱粉は、澱粉にプロピレンオキサイドでヒド
ロキシプロピル化すると共に、メタリン酸塩又はオキシ
塩化リンで架橋した澱粉であり、リン酸架橋アセチル澱
粉は無水酢酸又は酢酸ビニールでアセチル化すると共に
上記リン酸架橋を、アジピン酸架橋アセチル澱粉は無水
酢酸とアジピン酸でアセチル化とアジピン酸架橋した澱
粉である。これらを本発明の架橋加工澱粉と称する。
することができ、その膨潤度は架橋を強くすると小さく
なり、ヒドロキシプロピル化又はアセチル化の程度が大
になると大きくなるので、両者を適度に組み合わせて調
節する。ヒドロキシプロピル化又はアセチル化の程度は
置換度で表される。
られる原料澱粉は、市販の澱粉、例えば馬鈴薯澱粉、ワ
キシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、小麦
澱粉、粳米澱粉、糯米澱粉、コーンスターチなどいずれ
も用いることができる。
上述の膨潤調節澱粉と低温易増粘性澱粉を50:50〜
90:10の割合(重量)で両者を併用する。両者の割
合がこの範囲を逸脱すると、本発明の効果が得られなく
なる。
て澱粉質原料として使用する。目的物フラワーペースト
に於ける割合としては通常4〜15重量%程度となる。
本発明に於いては、このように特定の上記澱粉を併用す
ることにより、澱粉を用いてボデーを形成しながら澱粉
糊状感がなくて口溶けがよく、顕著に改善された食感を
有するフラワーペーストが得られる。この添加量はフラ
ワーペーストの種類、使用目的などにより選択され、例
えばクリームパンのように充填して焼成する場合には添
加量を多くし、シュークリームのように焼成後に充填、
或は塗布して食する場合には少ない添加量でも有効であ
る。添加量が4重量%未満ではボデー形成が劣り、15
重量%を越えて多くすると食感、口溶けが悪くなってく
る。 本発明に於けるフラワーペーストの製造は、澱粉
質として膨潤調節澱粉と低温易増粘性澱粉を使用する以
外は特に制限はなく、従来の製造法を踏襲することがで
きる。例えば、この澱粉質、糖質、蛋白性原料他を清水
中に加えて撹拌、混合し、これに油脂類を加えて乳化さ
せ、バッチ釜又はオンレーターなどの連続式加熱装置を
用いて95〜110℃に加熱して澱粉質を糊化した後、
冷却すれば目的のフラワーペーストが得られる。その
際、膨潤調節澱粉と低温易増粘性澱粉は両者を予め混合
して添加することもできるし、別々に添加してもよい。
質以外の原材料として、マーガリン、バター、ショート
ニング、サラダ油などの油脂類、砂糖、グルコース、マ
ルトース、水あめ、異性化糖、トレハロース、各種オリ
ゴ糖などの糖類、ソルビット、マルビットなどの糖アル
コール、澱粉分解物、還元澱粉分解物などのデキストリ
ン、全脂粉乳、脱脂粉乳、脱脂練乳、牛乳、濃縮乳など
の乳製品、クエン酸、リンゴ酸、乳酸などの酸味量、全
卵、卵黄、卵白、カゼイン、ゼラチンなどの蛋白質類、
ココア、チョコレート、ピーナツペースト、フルーツ果
肉、果汁などの呈味成分、蔗糖脂肪酸エステル、脂肪酸
モノグリセライド、オクテニルコハク酸エステル澱粉な
どの乳化剤、カラギーナン、寒天、タマリンド種子ガ
ム、ジュランガムなどの天然ガム類、バニラなどの各種
フレバー、食塩、リン酸塩などの塩類などが用いられて
いて、本発明に於ても所望に応じて適宜これらを使用す
ることができる。
は、一般にフラワーペーストに求められる基本的特性、
即ち連続製造が可能で充填適正、保形性、保存性、耐熱
性を有するなどの他に、特に食感的に優れたフラワーペ
ースト、即ち、澱粉糊状感がなくて口溶けがよく、パン
類、菓子類に充填、或は塗布して用いて近年の嗜好にマ
ッチした好ましい食感が得られる。
発明を説明する。尚、参考例、実施例で部及び%とある
は、重量部及び重量%を示す。
液に、コーンスターチ100部を加えたスラリーを5点
調製し、撹拌下に3%苛性ソーダ水溶液を加えて約pH
11.3に維持しながら、トリメタリン酸ソーダを0.
006部、0.02部、0.1部、0.25部、1.2
部、それぞれに加え、39℃で15時間反応した後、塩
酸でpH9.5に中和し、25℃に冷却する。次いで3
%苛性ソーダ水溶液でpH8〜9.5に維持しながら無
水酢酸8部をそれぞれに加えてアセチル化し、塩酸で中
和、水洗、脱水、乾燥して試料No.1〜5の膨潤度の
異なるリン酸架橋アセチル澱粉を得た。これらの置換度
と膨潤度を表1に示す。
液に、タピオカ澱粉100部を加えたスラリーを3点調
製し、撹拌下に3%苛性ソーダ水溶液を35部、トリメ
タリン酸ソーダ0.12部、プロピレンオキサイド0
部、1.5部、10部をそれぞれに加え、43℃で18
時間反応後、塩酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して試料
No.6〜8のリン酸架橋澱粉及びリン酸架橋ヒドロキ
シプロピル澱粉を得た。これらの置換度及び膨潤度を表
1に示す。
添加量を0.1部、無水酢酸に替えて無水コハク酸を8
部添加した他は同様に処理して、試料No.9のリン酸
架橋コハク酸澱粉を得た。これの置換度と膨潤度を表1
に示す。
スラリーを6点調製し、3%苛性ソーダ水溶液を加えて
pH10.9〜11.1に維持しながら、25〜27℃
で市販の次亜塩素酸ソーダ液を8.5部、7部、6部、
4.5部、4部、3部それぞれに加えて5時間処理した
後、塩酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して試料No.1
0〜15を得た。それぞれの粘度を表2に示す。
ーンスターチに替え、次亜塩素酸ソーダを6.5部加え
た他は同様に処理して試料No.16(小麦澱粉)と試
料No.17(コーンスターチ)を得た。これらの粘度
は表2に示す。
れ水120部に分散し、50%硫酸5部をそれぞれに加
え、45℃で6時間処理した後、苛性ソーダで中和し、
水洗、脱水、乾燥して試料No.18(小麦澱粉)と試
料No.19(馬鈴薯澱粉)を得た。これらの粘度を表
2に示す。
とワキシーコーンスターチに換え、次亜塩素酸ソーダの
添加量を5部とし、処理温度40℃、処理時間を4時間
とした他は同様に処理して試料No.20(タピオカ澱
粉)と試料No.21(ワキシーコーンスターチ)を得
た。これらの粘度を表2に示す。
記配合割合でフラワーペーストを製造した。配合割合の
内、ショートニングを除く原材料を撹拌混合しながら約
60℃に加温し、これに溶融したショートニングを加え
て均質化し、97℃で5分間加熱した後冷却した。得ら
れたフラワーペーストを次の評価基準に従って評価し、
その結果を表1に示す。尚、膨潤調節澱粉としては参考
例1〜3で得た試料No.1〜9及び試料No.A(コ
ーンスターチ45部、小麦粉20部、試料No.7を3
5部の混合物)、試料No.B(コーンスターチ40
部、小麦粉20部、試料No.8を40部の混合物)、
試料C(コーンスターチ25部、小麦粉15部、試料N
o.8を60部の混合物)、試料No.D(試料No.
1を40部と試料No.4を60部の混合物)及び試料
No.E(「Farinex W-50」アベベ社製のアジピン酸架
橋アセチル澱粉)を用いた。
ス板上に花模様状に置き、180℃で15分間加熱後の
形状変化を観察して評価する。 ◎:形状に変化は見られない ○:形状にほとんど変化は見られない △:幾分形状に変化が見られる ×:形状に変化が見られる 安定性;調製したフラワーペーストを6〜8℃に保存
し、食感、口溶け、形状のいずれかでも変化する日数を
見る。 ◎:調製時の食感、口溶け、形状が10日以上変化しな
い ○:調製時の食感、口溶け、形状が5〜10日は変化し
ない △:調製時の食感、口溶け、形状が3〜4日で変化する ×:調製時の食感、口溶け、形状が1〜2日以内に変化
する
易増粘性澱粉として種々の澱粉を用い、実施例1に従っ
てフラワーペーストを製造し、評価した結果を表2に示
す。尚、低温易増粘性澱粉としては参考例4−7で得た
試料No.10−21を用いた。
No.3、低温易増粘性澱粉として試料No.16を用
い、両者の比率及び両者を合わせた添加量を表3に示す
通りにした他は、実施例1と同様にしてフラワーペース
トを製造し、評価した結果を表3に示す。
合後、砂糖12.5部、マルトース(「サンマルト」林
原社製)10部、グリシン1部、膨潤調節澱粉としての
試料No.2を60部と小麦粉20部の混合物(膨潤度
19.6、平均置換度0.056)に低温易増粘性澱粉
としての試料No.12の20部を混合したものを3部
(A処方)と4.5部(B処方)及びバニラエッセンス
を適量添加して撹拌混合し、オンレーター(桜製作所社
製)にて連続的に98℃に加熱し、冷却してシュークリ
ームを製造した。B処方で得られた製品はソフトで澱粉
糊様感もなく、口溶けの良好な食感を有し、しかも保形
性に優れていたが、A処方で得られた製品はやや舌にま
とわりつくような澱粉糊様感があり、口溶け、保形性の
点でもやや劣っていた。
を水に加えて均一に混合して55℃に加温し、これに融
解したマーガリンを加えて均質化し、オンレーターにて
連続的に105℃に加熱し、冷却してフラワーペースト
を製造した。尚、ここで用いた膨潤調節澱粉の膨潤度は
16.1、平均置換度は0.124であり、膨潤調節澱
粉と低温易増粘性澱粉の割合は74.5:25.5であ
る。得られたフラワーペーストをパン生地で包んで焼成
して得たクリームパンのクリームは、焼成時に形状は変
化せず、ソフトで澱粉糊様感もない口溶けの良好な食感
を有していた。また、ここで得たフラワーペーストは冷
蔵庫に1週間保存後も形状、食感、口溶けに何ら変化は
見られなかった。
Claims (5)
- 【請求項1】フラワーペーストの製造に際し、膨潤度が
5〜25で、且つ、アセチル基及び/又はヒドロキシプ
ロピル基の平均置換度が0.02〜0.2である膨潤調
節澱粉と、高温域では低粘性で冷却すると急激に増粘す
る特性を有する低温易増粘性澱粉とを50:50〜9
0:10の割合(重量)で澱粉質原料として使用するこ
とを特徴とするフラワーペーストの製造法。 - 【請求項2】上記膨潤調節澱粉と低温易増粘性澱粉との
合計量が、フラワーペースト組成物中4〜15重量%で
ある請求項1に記載の製造法。 - 【請求項3】膨潤調節澱粉が、5〜25の膨潤度と0.
02〜0.2の置換度を有するリン酸架橋ヒドロキシプ
ロピル澱粉、リン酸架橋アセチル澱粉及びアジピン酸架
橋アセチル澱粉から選ばれる一種又は二種以上を50重
量%以上含有するものである請求項1に記載のフラワー
ペーストの製造法。 - 【請求項4】低温易増粘性澱粉が、糊化して10重量%
濃度の粘度を測定するとき、60℃で50〜500cp
s、30℃での粘度が60℃に於ける粘度の5倍以上で
ある特性を有するものである請求項1に記載のフラワー
ペーストの製造法。 - 【請求項5】低温易増粘性澱粉が、小麦澱粉及び/又は
サゴ澱粉を原料とし、次亜塩素酸ソーダで処理した澱粉
である請求項1又は4に記載のフラワーペーストの製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26135996A JP3742897B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | フラワーペーストの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26135996A JP3742897B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | フラワーペーストの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1084874A true JPH1084874A (ja) | 1998-04-07 |
JP3742897B2 JP3742897B2 (ja) | 2006-02-08 |
Family
ID=17360754
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26135996A Expired - Lifetime JP3742897B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | フラワーペーストの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3742897B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004173541A (ja) * | 2002-11-26 | 2004-06-24 | Matsutani Chem Ind Ltd | ペースト状食品 |
JP2008228661A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Matsutani Chem Ind Ltd | 口どけに優れたペースト状食品 |
JP2009089669A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Nippon Shokuhin Kako Co Ltd | 均質化工程を有する食品の製造方法 |
JP2009179800A (ja) * | 1999-08-10 | 2009-08-13 | Brunob Ii Bv | 流動性サゴ澱粉及びその使用 |
WO2015025688A1 (ja) * | 2013-08-19 | 2015-02-26 | 株式会社カネカ | 新規なフラワーペースト |
JP2020089360A (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-11 | ロッテ コンフェクショナリー カンパニー リミテッド | 焼成が可能なフィリング用クリーム組成物及びケーキ製造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106998709B (zh) * | 2014-09-26 | 2018-06-08 | 松谷化学工业株式会社 | 切片适应性优异的烘焙制品及其制作方法 |
-
1996
- 1996-09-10 JP JP26135996A patent/JP3742897B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009179800A (ja) * | 1999-08-10 | 2009-08-13 | Brunob Ii Bv | 流動性サゴ澱粉及びその使用 |
JP2004173541A (ja) * | 2002-11-26 | 2004-06-24 | Matsutani Chem Ind Ltd | ペースト状食品 |
JP2008228661A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Matsutani Chem Ind Ltd | 口どけに優れたペースト状食品 |
JP2009089669A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Nippon Shokuhin Kako Co Ltd | 均質化工程を有する食品の製造方法 |
WO2015025688A1 (ja) * | 2013-08-19 | 2015-02-26 | 株式会社カネカ | 新規なフラワーペースト |
JPWO2015025688A1 (ja) * | 2013-08-19 | 2017-03-02 | 株式会社カネカ | 新規なフラワーペースト |
JP2020089360A (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-11 | ロッテ コンフェクショナリー カンパニー リミテッド | 焼成が可能なフィリング用クリーム組成物及びケーキ製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3742897B2 (ja) | 2006-02-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3663454B2 (ja) | パン | |
JPS5988051A (ja) | 食品ゲル系におけるs−60 | |
US4623549A (en) | Dry instant food composition | |
JP3700015B2 (ja) | パン類及びその製造法 | |
JP5981677B1 (ja) | シューパフ及びその製造方法 | |
WO1993003629A1 (en) | Debranched amylopectin starch as a fat replacer | |
JP3488935B2 (ja) | 菓子類の製造法 | |
JPS6251097B2 (ja) | ||
JP3723860B2 (ja) | 食パン類 | |
US5455059A (en) | Fat-free toppings and fillings for bakery products | |
JPH0775479A (ja) | 菓子類の製造法 | |
JP3742897B2 (ja) | フラワーペーストの製造法 | |
JP2006042739A (ja) | ペースト状食品 | |
DE69920719T2 (de) | Temperaturstabile stärke mit hohem amylopektingehalt | |
JP4119338B2 (ja) | 耐熱性フィリング材 | |
JPS6322148A (ja) | 高粘性フイリングの製造方法 | |
JP3663453B2 (ja) | フラワーペースト | |
JP6428602B2 (ja) | フラワーペースト及びその製造方法 | |
JP2013198479A (ja) | 膨潤抑制酵素処理タピオカ澱粉含有食品 | |
JPH11332468A (ja) | フローズンデザート | |
JP3658653B2 (ja) | 餅菓子類 | |
JP4873252B2 (ja) | チョコレート組成物 | |
JP3921555B2 (ja) | 容器に充填された餅様菓子およびその製造方法 | |
JP4035390B2 (ja) | 液状食品素材及びその製造方法 | |
JP3702358B2 (ja) | 焼き菓子の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20031119 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040219 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041130 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050405 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050603 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050726 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050811 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051025 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111125 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111125 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111125 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111125 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121125 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121125 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121125 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121125 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |