JP2008228661A - 口どけに優れたペースト状食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ペースト状食品中に、(A)コーン、ワキシーコーン、馬鈴薯、タピオカ及び小麦由来の澱粉、若しくは、それらの加工澱粉と、(B)小麦小粒子澱粉に代表されるような小粒子澱粉とを、(A):(B)=70:30〜30:70の重量割合で混合した膨潤度5.5〜10.0の混合物又はその加工処理物を、2〜10重量%含有させることにより、「経時安定性又は貯蔵安定性に優れ、しかも、ざらつきや糊状感のない口溶けに優れたペースト状食品」を得る。
【選択図】なし
Description
本発明においてペースト状食品とは、カスタードクリーム、フラワーペースト、フィリング、ホワイトソース、半固体状ドレッシングやデザート用ソースなどの外観がペースト状である食品を意味する。
ペースト状食品の原料としては、小麦粉、澱粉などの澱粉質、ココア、チョコレート、コーヒーなどの嗜好品、柑橘類、リンゴ、あんず、バナナ、メロンなどの果汁、ピューレ及び破砕物などの果実原料、発酵乳、牛乳、クリーム、脱脂乳、濃縮乳などの乳製品、動植物油脂類、蔗糖、水飴、ブドウ糖、マルトース、乳糖、異性化糖などの糖類、全卵、卵黄、液卵、粉末などの卵類、寒天、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガムなどの増粘多糖類、保存料、着色料、難消化性デキストリン、ビタミン等の機能性成分などが挙げられ、これらの中からペースト状食品の種類に応じて適宜選択される。
本発明に使用する澱粉としては、コーン、ワキシーコーン、馬鈴薯、タピオカ、小麦由来の澱粉が挙げられる。本発明に使用する加工澱粉としては、前記の澱粉を加工処理した澱粉が挙げられ、それらの加工澱粉の加工処理法については、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシプロピル化処理と架橋処理の併用を挙げることができる。澱粉としては、原料澱粉を漂白したもののほか、湿熱処理したものなどの、物理処理を施した澱粉が含まれる。
本発明において、澱粉を加工する場合は、通常加工に使用するエーテル化剤、エステル化剤又は、架橋剤を常法に従い反応することで得られる。エーテル化処理、エステル化処理又は架橋処理は単独で行っても良いし、併用しても良い。また併用処理を行う場合は同時に行っても、別々に行っても良く、反応の順序はいずれでも差し支えない。例えば、ヒドロキシプロピル(エーテル)化剤としてはプロピレンオキシドなど、アセチル(エステル)化剤としては無水酢酸や酢酸ビニルなどが挙げられる。架橋剤としてはオキシ塩化リン、トリメタリン酸ソーダ、エピクロルヒドリンなどが挙げられる。これらの薬剤を適量使用して本発明に於ける好適な条件となる加工澱粉を得る。
本発明に使用する小粒子澱粉は、澱粉平均粒径が10ミクロン以下、好ましくは5ミクロン以下である澱粉である。具体的には、粳米澱粉、糯米澱粉などの米澱粉、アマランサス澱粉、里芋澱粉、小粒子小麦澱粉などが挙げられ、好ましくは粳米澱粉、小粒子小麦澱粉が挙げられる。
本発明における膨潤度とは、澱粉の架橋度合の指標とするもので、その測定法を次に述べる。
試料澱粉又は澱粉混合物を無水換算150mg精秤し、試験管に移す。その中へ後述する試験用液15ml正確に加え、よく振とう分散させ、直ちに沸騰水浴中に入れ、5分間加熱後、急冷し、室温程度にした後、再度振とう均一化して10mlメスシリンダーに試験管内溶液を10ml移し、20℃程度で20時間放置して、その沈降した量を測定したml値である。
試験溶液の調製方法:塩化亜鉛300g、塩化アンモニウム780g、イオン交換水1875gを加温溶解後冷却し、用いる。
本発明においては、小粒子澱粉と澱粉或いは加工澱粉の混合物を、さらにエステル化処理、エーテル化処理、又は架橋処理のうち少なくとも1種の処理を施した加工処理を施すことにより、口溶け等の食感がよいペースト状食品を提供することができる。好ましくは、ヒドロキシプロピル化処理と架橋処理の併用を挙げることができる。該加工処理は、前記のように、通常加工に使用するエーテル化剤、エステル化剤および架橋剤を常法に従い反応することにより行なうことができる。
本発明は、(A)コーン、ワキシーコーン、馬鈴薯、タピオカ、小麦由来の澱粉若しくはそれらの加工澱粉と、(B)小麦小粒子澱粉に代表されるような小粒子澱粉とを(A):(B)=70:30〜30:70の割合で混合した混合物、又はその加工処理物を特定量含有させることにより、経時安定性又は貯蔵安定性に優れ、口溶けに優れたペースト状食品を提供する。本発明においては、(A)成分が澱粉で、(B)成分の小粒子澱粉を混合した混合物を使った場合に、口溶けが優れたものになるが、(A)成分が加工澱粉で、(B)成分が、小粒子澱粉であるものを使用した場合が、経時安定性又は貯蔵安定性が高く、好ましい。更に、(A)成分が澱粉又は加工澱粉で、(B)成分が小粒子澱粉で、その混合物を更に、架橋処理のような加工処理を施したものが、より好ましい。
本発明の澱粉若しくは加工澱粉と小粒子澱粉の混合物、又はその加工物のペースト状食品中への添加量は、使用する澱粉種の種類や組み合わせなどによって一概にいえないが、ペースト中10重量%以上を越えるとペーストの食感が重くなり、風味が悪くなる傾向があり、2重量%未満では、生産後の状態を保持するのが困難で、好ましくない。
本発明のペースト状食品は、経時安定性又は貯蔵安定性に優れ、しかも、ざらつきや糊状感のない口溶けに優れたペースト状食品を提供する。
牛乳 63.0部
上白糖 12.0部
卵黄 10.0部
水飴 9.0部
澱粉質 5.0部
グリシン 1.0部
合計 100部
(保型性)
◎ 非常に良い
○ 良い
△ 少し悪い
× 悪い
◎ 糊状感やざらつき感がなく、非常に滑らかである
○ 糊状感やざらつき感が少なく、滑らかである
△ 糊状感またはざらつき感が少し感じられる。あるいは滑らかさが少し悪い。
× 糊状感またはざらつき感が強く感じられる。あるいは滑らかさが悪い。
あり ざらつきが見られる
なし ざらつきは見られず、つるっとしたクリームである。
実施例1〜7の澱粉質の使用した加工澱粉を表1に示す。
表1の試料番号No.1を用いて、以下の澱粉配合処方(表2)により、カスタードクリームを製造した。その結果を表3に示す。
表1の試料番号No.2を用いて、以下の澱粉配合処方(表4)により、カスタードクリームを製造した。その結果を表5に示す。
表1の試料番号No.3を用いて、以下の澱粉配合処方(表6)により、カスタードクリームを製造した。その結果を表7に示す。
表1の試料番号No.4を用いて、以下の澱粉配合処方(表8)により、カスタードクリームを製造した。その結果を表9に示す。
表1の試料番号No.5を用いて、以下の澱粉配合処方(表10)により、カスタードクリームを製造した。その結果を表11に示す。
表1の試料番号No.6を用いて、以下の澱粉配合処方(表12)により、カスタードクリームを製造した。その結果を表13に示す。
表1の試料番号No.7を用いて、以下の澱粉配合処方(表14)により、カスタードクリームを製造した。その結果を表15に示す。
表1の試料番号No.8を用いて、以下の澱粉配合処方(表16)により、カスタードクリームを製造した。その結果を表17に示す。
表1の試料番号No.9を用いて、以下の澱粉配合処方(表18)により、カスタードクリームを製造した。その結果を表19に示す。
実施例10に使用した加工澱粉を表20に示す。
Claims (6)
- ペースト状食品中に、(A)澱粉若しくは加工澱粉と、(B)小粒子澱粉とを、(A):(B)=70:30〜30:70の重量割合で混合した膨潤度5.5〜10.0の混合物又はその加工処理物を、2〜10重量%含有したことを特徴とするペースト状食品。
- (A)の澱粉が、コーン、ワキシーコーン、馬鈴薯、タピオカ、又は小麦由来の澱粉であり、加工澱粉が、該(A)の澱粉をアセチル化処理、エーテル化処理、及び架橋処理のうち、少なくとも1種の処理をした澱粉であることを特徴とする請求項1に記載のペースト状食品。
- (B)小粒子澱粉が、粒径10μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のペースト状食品。
- 小粒子澱粉が、小麦又は米由来の澱粉であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペースト状食品。
- (A)澱粉若しくは加工澱粉と(B)小粒子澱粉との混合物の加工処理物が、該混合物をアセチル化処理、エーテル化処理、及び架橋処理のうち、少なくとも1種の処理をしたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のペースト状食品。
- ペースト状食品が、カスタードクリーム及びフラワーペーストの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のペースト状食品。
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