JP4576353B2 - 低粘度カスタードクリーム及びその製造方法 - Google Patents

低粘度カスタードクリーム及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、品質の改良された低粘度カスタードクリーム及びパウチ入り凍結カスタードクリーム、並びに、これらカスタードクリームの製造法に関し、詳しくは、滑らかで、口どけの良い、物性的には、より細かい泡を多数有し、比重が小さい低粘度カスタードクリームや、このカスタードクリームをパウチに真空包装した低粘度カスタードクリームや、このパウチ入りカスタードクリームを加熱殺菌したパウチ入り殺菌カスタードクリームや、このパウチ入り殺菌カスタードクリームを冷凍した凍結カスタードクリームや、これらカスタードクリーム類の製造方法に関する。
カスタードクリームは、別名クレームパティシエールとも呼ばれ、ミルク(牛乳)、砂糖、卵で調理されるクリームやソースなどとして知られており、従来よりカスタードクリームは日本人の嗜好にマッチしたフィリング材としてシュークリームなど多くのケーキ類に用いられている。しかし、カスタードクリームは卵の他、コーンスターチ、小麦粉などを用いるため、食感が重く澱粉質に由来する糊の食感が感じられ、口当たり、口どけに問題があった。また、製造方法として、より生産性を高め、衛生的に製造するため、混合した原料を掻取式熱交換機等を用いて連続的に加熱、生産する方法が行われているが、掻取の際にクリームに強いシェアがかかるため、これによっても澱粉が糊状になり、口どけの悪い重い食感になるという欠点があった。
カスタードクリーム等の物性を改良し、風味・口どけのよいカスタードクリーム等のフラワーペーストを得るために、澱粉類、糖類及び油脂を含み、気泡量が0.2〜1%(V/V)であるフラワーペースト原液、該原液を密封容器に充填したフラワーペースト原液、該フラワーペースト原液を静置状態で加熱して得られるフラワーペースト(例えば、特許文献1参照)や、カスタードクリーム配合組成物又はカスタードクリーム、起泡性クリーム、及び乳化剤を混合するする起泡性又は起泡済みカスタードクリームの製造法であって、この起泡物の比重が0.6〜0.9 になるものまで起泡する方法(例えば、特許文献2参照)や、フラワーペースト組成原料を混合・予備乳化した後、完全脱気してから澱粉の糊化・殺菌工程前に不活性ガスの1種類又は2種類以上のガス或いは空気又はその混合を最終製品の状態で含気率3.0%〜13.0%になるように注入し、更に1回以上の乳化工程を経て加熱殺菌し冷却し充填して得られるカスタードクリーム様の含気性フラワーペースト(例えば、特許文献3参照)が知られている。
また、手作りのカスタードクリームでは日持ちは5℃以下に冷蔵しても最大限1〜2日間程度であったことから、凍結保存が要望されていた。そのための改善策として、乳製品,砂糖及び化工澱粉を所定比に配合して加熱混合殺菌した後、冷凍加糖卵黄を添加し、80〜90℃の温度域に加熱して混合・殺菌する耐凍結性カスタードクリームの製造方法(例えば、特許文献4参照)や、澱粉エステル及び澱粉エーテルからなる群から選ばれた1種又は2種以上の化工澱粉及びグリシンを含有する冷凍カスタードクリーム(例えば、特許文献5参照)が知られている。
一方、カスタードクリームを製造するため、従来の手間のかかる撹拌を機械化した、焦げにくく、作業効率のよい煮炊き撹拌機(例えば、特許文献6〜8参照)が知られている。
特開平9−275906号公報 特開平10−295306号公報 特開2004−329048号公報 特開平6−78679号公報 特開2003−144074号公報 特開平7−115908号公報 特開平8−205780号公報 特開平9−56335号公報
本発明の課題は、品質の改良されたカスタードクリーム、すなわち、光沢に優れ、滑らかで口どけのよい、ふんわりとし、かつ流動性に優れた低粘度カスタードクリームの製造方法や、このようにして製造された低粘度カスタードクリームを真空パウチした後、加熱殺菌して、必要に応じて冷凍する各種カスタードクリーム類の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、従来のカスタードクリームを更に滑らかで口どけのよい、ソフトな食感を有し、かつ流動性に優れたカスタードクリームを求め、たまたま、常法により得られた従前のカスタードクリームを、食肉業者が筋肉の粉砕に使用する装置であるミクロカッターを用いて、温度上昇を抑えながら切断と乳化を同時に行ったところ、光沢に優れ、滑らかで口どけのよい、ソフトな食感を有し、かつ流動性に優れたカスタードクリームが得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)澱粉類、糖類、乳、卵黄及び油脂類を含むカスタードクリーム配合原料を、常法により混合、加熱してクリーム状とした後、冷却して得られるカスタードクリーム製品を、ミクロカッターを用いて、温度上昇を抑えながら切断と乳化を同時に行い、粘度8〜15Pa・sの低粘度カスタードクリームを得ることを特徴とする低粘度カスタードクリームの製造方法や、()粘度が、10〜12Pa・sであることを特徴とする(1)記載の低粘度カスタードクリームの製造方法や、()比重が、1.05〜1.07であることを特徴とする(1)又は(2)記載の低粘度カスタードクリームの製造方法や、(4)上記(1)〜(3)いずれか記載の低粘度カスタードクリームを、パウチに真空包装することを特徴とするパウチ入り低粘度カスタードクリームの製造方法に関する。
また本発明は、()上記()記載のパウチ入り低粘度カスタードクリームを加熱殺菌して、冷却することを特徴とするパウチ入り殺菌低粘度カスタードクリームの製造方法や、()上記()記載のパウチ入り殺菌低粘度カスタードクリームを冷凍することを特徴とするパウチ入り凍結カスタードクリームの製造方法に関する。
さらに本発明は、()上記(1)〜(3)記載の製造方法により得られる低粘度カスタードクリームや、()上記()記載の製造方法により得られるパウチ入り低粘度カスタードクリームや、()上記()記載の製造方法により得られるパウチ入り殺菌低粘度カスタードクリームや、(10)上記()記載の製造方法により得られるパウチ入り凍結カスタードクリームに関する。
本発明のカスタードクリームは、従来のカスタードクリームに比して、滑らかで口どけがよく、ふんわりした食感を呈し、光沢にも優れ、また、粘度が低く流動性に優れ、包装体(パウチ)に気密に充填して真空包装後に加熱殺菌することができ、チルド流通が可能であり、あるいは、冷凍することも可能で長期保存することができ、加熱殺菌後や解凍後もカスタードクリームとして優れた品質を示すことから、極めて実用的な業務用カスタードクリームとして使用することができる。
本発明の低粘度カスタードクリームの製造方法としては、澱粉類、糖類、乳、卵黄、油脂等を含むカスタードクリーム配合原料を、常法により混合、加熱してクリーム状とした後、冷却して得られる通常のカスタードクリーム製品を、温度上昇を抑えながら切断と乳化を同時に行う方法であれば特に限定されるものではなく、上記「低粘度カスタードクリーム」とは、従前のカスタードクリーム製品に比して、有意に粘度が低いことをいい、例えば、東機産業社製の「TVC−5型」粘度計を用い、本発明のカスタードクリーム製品を常温常圧下で測定し、その粘度が8〜20Pa・s(パスカル・秒、以下、この単位を表す)、好ましくは8〜15Pa・s、より好ましくは10〜12Pa・sである場合をいう。8Pa・s以上では、液状とならず、ソフトなクリーム状を呈し、20Pa・s以下では、ふんわりとした、口どけの良いカスタードクリーム製品を得ることができる。因みに、従前のカスタードクリームの粘度は、45〜50Pa・sである。
上記通常のカスタードクリーム製品を得るために用いられる澱粉類としては、従来のカスタードクリーム製品の製造に使用されている糊化能を有する澱粉類であれば特に制限されず、小麦粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘薯澱粉、デキストリン、米粉の他、各種澱粉から得られる架橋澱粉、エステル化澱粉,エーテル化澱粉、α化澱粉、湿熱処理澱粉などの化工澱粉を挙げることができるが、これらの中でも小麦粉、例えば薄力粉又は強力粉、コーンスターチ、を好適に例示することができ、特に強力粉を用いることが好ましい。強力粉を用いると、薄力粉に比べて舌触りがより滑らかなカスタードクリームを得ることができる。また、これら澱粉類の配合量は、1.5〜10重量%、好ましくは、2.0〜7.0重量%である。該澱粉類の配合量が1.5重量%以上では、液状とならず十分なクリーム状となり、また、10重量%以内では、柔らかくて口どけの良いカスタードクリーム製品を得ることができる。なお、強力粉を用いる場合は、3重量%前後が特に好ましい。
上記通常のカスタードクリーム製品を得るために用いられる糖類としては、従来のカスタードクリーム製品の製造に使用されている甘味を付与しうる糖類であれば特に制限されず、蔗糖(グラニュー糖)、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、異性化糖の他、マルチトール、ソルビトール等の糖アルコールを例示することができるが、甘味質の点でグラニュー糖を用いることが好ましい。グラニュー糖を用いると、通常の蔗糖に比べてすっきりした風味をもつカスタードクリーム製品を得ることができる。また、これら糖類の配合量は、8〜30重量%、好ましくは10〜25%重量である。糖類の配合量が、8重量%以上では、甘味や風味に欠けることがなく、また、30重量%を以内では、甘すぎたりせず、かつ滑らかなテクスチャーのカスタードクリーム製品を得ることができる。
上記通常のカスタードクリーム製品を得るために用いられる乳としては、従来のカスタードクリーム製品の製造に使用されている乳であれば特に制限されず、生乳、加工乳、粉乳等を挙げることができるが、風味の点で生乳を用いることが好ましい。生乳を用いる場合は、腐敗しやすいので、速やかに作業を進めることが衛生上重要である。また、生乳を煮出し牛乳として使用することもできる。また、これら乳の配合量は、40〜60重量%、好ましくは45〜55%重量である。乳の配合量が、40重量%以上では、風味に欠けることがなく、また、60重量%を以内では、滑らかなテクスチャーのカスタードクリーム製品を得ることができる。
上記通常のカスタードクリーム製品を得るために用いられる卵黄としては、従来のカスタードクリーム製品の製造に使用されている卵黄であれば特に制限されず、殺菌液卵黄、乾燥卵黄等を例示することができるが、殺菌液卵黄を用いることが、均一分散性や風味の点や衛生上から好ましい。例えば、上記殺菌液卵黄を用いる場合は、5〜15重量%、特に8〜12重量%用いることが風味付与や色調の点で好ましい。
上記通常のカスタードクリーム製品を得るために用いられる油脂としては、従来のカスタードクリーム製品の製造に使用されている油脂であれば特に制限されず、植物性油脂、動物性油脂、又はその硬化油、分別油等を例示することができるが、無塩バターを用いることが好ましい。また、これら油脂を用いる場合は、3〜10重量%、特に4〜8重量%が風味付与や色調の点で好ましい。
本発明の低粘度カスタードクリームの製造方法は、従前のカスタードクリーム製品を、温度上昇を抑えながら切断と乳化を同時に行うことを大きな特徴とするが、温度上昇を抑えながら切断と乳化を同時に行う処理は、食肉業者が筋肉の粉砕に使用する装置であるミクロカッターを用いることにより行うことができ、かかるミクロカッターとしては、東京食品機械社製「Stephan」を具体的に挙げることができる。従前のカスタードクリーム製品をミクロカッター処理することにより、従前のカスタードクリーム製品に比べて、単位体積当たりの気泡の数が多く、かつ気泡の大きさが小さい、低比重で低粘度のカスタードクリームが得られる。例えば、比重1.10の従前のカスタードクリーム製品をミクロカッター処理することにより、比重1.05〜1.07の低粘度カスタードクリームを得ることができる。
本発明の低粘度カスタードクリームとしては、上記本発明の低粘度カスタードクリームの製造方法により得られ、澱粉類、糖類、乳、卵黄及び油脂類を含み、比重1.05〜1.07の流動性に優れたカスタードクリームであれば特に制限されないが、例えば、以下の方法により得ることができる。牛乳と少量のバニラビーンズ(包丁で縦に切れ目を入れ、中から種を取り出し、さやと種、両方を使用する)を混合し、80℃まで加熱し、ざる等でこして、バニラビーンズの鞘を取り除いて冷却し、煮出し牛乳とする。別に、ニーダーを用いて、卵黄及びグラニュー糖を加温することなく5分以上撹拌する。ここへ、ふるいにかけながら強力粉を投入し混ざる程度に撹拌し、煮出し牛乳の一部を加えて取り出しておく(混合液)。別に、煮炊き撹拌機に、煮出し牛乳を入れて、全体的に少しふつふつする程度まで加熱する。この煮炊き撹拌機へ、上記の混合液を投入し、強めの火で加熱する。85〜90℃になったら火を止めて10分間程度撹拌する。さらに、油脂例えば無塩バターを投入し、溶けてから10分間程度撹拌する。以上の工程により、クリーム状となったカスタードクリームを取り出し、バットに移す。室温まで下がったら、一晩冷蔵庫にて冷却する。冷却された比重1.10のカスタードクリームを、温度上昇を抑えながら、例えば、ミクロカッター(東京食品機械社製「Stephan」)のホッパーへ投入し(投入時品温0〜5℃)、切断と乳化を同時に行い、上記本発明の低粘度カスタードクリームを得る。
本発明のパウチ入り低粘度カスタードクリームとしては、上記本発明の比重1.05〜1.07の低粘度カスタードクリームをパウチに真空包装することにより、澱粉類、糖類、乳、卵黄及び油脂類を含み、比重1.07〜1.09の真空パウチ入り低粘度カスタードクリームを得ることができ、パウチに真空包装するには、流動性のある低粘度カスタードクリームをパウチ内に気密に充填した後、パウチ内を600〜760mmHgの減圧下にして密封包装すればよく、またパウチの材質は酸素不透過性又は酸素難透過性の樹脂製包装材料であれば特に制限されず、ポリエチレンテレフタレート、PET/ナイロン/CPP、ナイロン/無延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリプロピレン(PP)/CPP、ナイロン/ポリエチレン(PE)、PET/PE、シリカ蒸着PET/ナイロン/CPP、アルミナ蒸着PET/ナイロン/CPP、ナイロン/ポリ塩化ビニリデン/CPP等の酸素不透過性又は酸素難透過性の樹脂製包装材料を挙げることができる。
本発明のパウチ入り殺菌低粘度カスタードクリームは、上述のようにして得られた比重1.07〜1.09の真空パウチ入り低粘度カスタードクリームをパウチごと加熱殺菌して、冷却することにより製造される、澱粉類、糖類、乳、卵黄及び油脂類を含み、比重1.08〜1.10のパウチ入り殺菌低粘度カスタードクリームとして得ることができる。上記加熱殺菌の方法は特に制限されないが、75〜95℃、好ましくは80〜90℃のボイルタンクに20〜60分間、好ましくは30〜50分間浸漬し、品温70℃以上、好ましくは74℃以上で殺菌する方法を好適に例示することができる。
本発明のパウチ入り凍結カスタードクリームは、上述のようにして得られた比重1.08〜1.10のパウチ入り殺菌低粘度カスタードクリームを、パウチごと冷凍することにより製造される、澱粉類、糖類、乳、卵黄及び油脂類を含む凍結カスタードクリームとして得ることができる。上記冷凍方法は特に制限されないが、−18℃以下、好ましくは−20〜−30℃での瞬間冷凍方法を好適に例示することができる。本発明のパウチ入り凍結カスタードクリームは、解凍した場合、従来のカスタードクリームに比して、滑らかで口どけがよく、ふんわりした食感を呈し、光沢にも優れ、また、粘度が低く流動性に優れている。
本発明の低粘度カスタードクリーム類は、従来、洋生菓子のベースクリームとして、あるいはパンのフィリング材として用いることができ、上記洋生菓子としては、例えば、シュークリーム、エクレア、ミルフィーユ、フルーツタルト、クリームブリュレ、ミルクレープ、トライフル等を挙げることができ、また、パン類としては、クリームパン、デニッシュパン等を挙げることができる。そして、用いるケーキやパンの種類によって、原材料等を適宜選択し、配合割合・添加量を変更することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、実施例において、%は重量%を表す。
[煮出し牛乳の調製]
牛乳 99.8%
バニラビーンズ 0.2%
*バニラビーンズ・・・包丁で縦に切れ目を入れ、中から種を取り出す。さやと種、両方使用する。
牛乳とバニラビーンズとを80℃になるまで加熱する。次にざるでこして、バニラビーンズのさやを取り除き、冷却する。
[カスタードクリームの材料と配合割合]
(1)殺菌液卵黄(キューピー社製) 10.0%
グラニュー糖 16.3%
強力粉・ナイト(曽我製粉社製) 3.0%
煮出し牛乳 14.0%
(2)煮出し牛乳 50.0%
(3)無塩バター(森永乳業) 6.4%
計 99.7%
[カスタードクリームの調製]
上記材料(1)の殺菌液卵黄とグラニュー糖とをニーダー(加温なし)にて5分間以上撹拌し、これに強力粉をふるいにかけながら投入し、全体が混ざる程度に約5分間撹拌する。次に、煮出し牛乳を混合し、取り出す。
上記材料(2)を煮炊き撹拌機にて加熱し、全体的に少しふつふつする程度まで(95℃を目安)加熱する。これに、取り出してある上記(1)の混合物を投入し、強めの火で加熱する(このときの撹拌は最速とし、ガス3本程度)。85℃〜90℃になったら火を止めて10分間撹拌する。
上記材料(3)を、投入し無塩バターが溶けてから10分間程度撹拌を行う。
煮炊き撹拌機から、クリームを取り出してバットに移し、一晩冷却する。0℃〜5℃に冷却されたクリームをミクロカッター(東京食品機械社製)に投入し、1500回転(rpm)で20秒間の処理を行う。ミクロカッターによる切断と乳化後、6℃に冷却した。得られた低粘度カスタードクリームの比重は、1.06であった。また、カスタードクリームの粘度については、東機産業社製の「TVC−5型粘度計」を用いて、モーターの回転でローターを回転させ、液体中に回転させたままのローターを沈めてローターに係る粘性トルクの大きさを粘度に換算して測定した。その結果、カスタードクリームの粘度は11Pa・sであり、通常のカスタードクリームより低粘度であることがわかった。
[パウチ入り低粘度カスタードクリームの調製]
実施例1で得られたミクロカッター処理された低粘度カスタードクリームを180g/pkずつ、600mmHgの減圧下、パウチ包装した(真空包装)。真空パウチ後のパウチ入り低粘度カスタードクリームの比重は、1.08であった。
[パウチ入り殺菌低粘度カスタードクリームの調製]
実施例2で得られたパウチ入り低粘度カスタードクリームを、ボイルタンク80℃、40分間浸漬し、カスタードクリームの中心が74℃以上で、加熱殺菌処理した。室温まで冷却し、−18℃以下の温度に保持した冷凍庫内で凍結させて、パウチ入り殺菌低粘度カスタードクリームを製造した。このようにして得られた本発明のカスタードクリーム(図1右)は、立体顕微鏡((株)島津製作所社製「VCT−VBIT)で見たところ、従前のカスタードクリーム製品(図1左)に比べて、単位体積当たりの気泡の数が多く、かつ気泡の大きさが小さいものであった。また、この比重1.09で低粘度のカスタードクリームの食感は、市販のカスタードクリームに比べて、より滑らかで、口どけがよく、光沢も優れているものであった。
従前のカスタードクリーム製品(左)と本発明のミクロカッター処理の低粘度カスタードクリーム(右)の顕微鏡写真(40倍)である。

Claims (10)

  1. 澱粉類、糖類、乳、卵黄及び油脂類を含むカスタードクリーム配合原料を、常法により混合、加熱してクリーム状とした後、冷却して得られるカスタードクリーム製品を、ミクロカッターを用いて、温度上昇を抑えながら切断と乳化を同時に行い、粘度8〜15Pa・sの低粘度カスタードクリームを得ることを特徴とする低粘度カスタードクリームの製造方法。
  2. 粘度が、10〜12Pa・sであることを特徴とする請求項記載の低粘度カスタードクリームの製造方法。
  3. 比重が、1.05〜1.07であることを特徴とする請求項1又は2記載の低粘度カスタードクリームの製造方法。
  4. 請求項1〜いずれか記載の低粘度カスタードクリームを、パウチに真空包装することを特徴とするパウチ入り低粘度カスタードクリームの製造方法。
  5. 請求項記載のパウチ入り低粘度カスタードクリームを加熱殺菌して、冷却することを特徴とするパウチ入り殺菌低粘度カスタードクリームの製造方法。
  6. 請求項記載のパウチ入り殺菌低粘度カスタードクリームを冷凍することを特徴とするパウチ入り凍結カスタードクリームの製造方法。
  7. 請求項1〜記載の製造方法により得られる低粘度カスタードクリーム。
  8. 請求項記載の製造方法により得られるパウチ入り低粘度カスタードクリーム。
  9. 請求項記載の製造方法により得られるパウチ入り殺菌低粘度カスタードクリーム。
  10. 請求項記載の製造方法により得られるパウチ入り凍結カスタードクリーム。
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