JP7206189B2 - 澱粉の改質方法 - Google Patents

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    • C08B30/14Cold water dispersible or pregelatinised starch

Description

本発明は、澱粉の改質方法等に関する。
食品製造において、小麦粉又は澱粉類を主成分として含有するフラワーペースト等のフィリング材が、パン及び菓子類等に利用されている。澱粉は、多量の水の存在下で加熱されると、ある一定の温度域で周囲の水を吸収して膨潤し、それによって粘度が上昇する。このような現象を澱粉の「糊化」という。かかる現象ゆえに澱粉は、加工食品の増粘剤又は保型剤として幅広く利用されている。しかしながら、天然の未変性の澱粉は、糊化時又はその後の撹拌によって澱粉粒が崩壊して当初の粘度を保持できなくなる、いわゆる「ブレークダウン」といった現象が生じる。「ブレークダウン」は、撹拌時の剪断力が高いほど、或いは系のpHが低いほど顕著であり、加工食品の製造に際して問題になる場合がある。
例えば、フラワーペースト及びジャム等の食品用ペーストには、ブレークダウンが生じる澱粉は適さず、澱粉粒の崩壊による粘度低下が抑制された澱粉が従来から使用されている。かかる澱粉としては、澱粉分子中のグルコース鎖を化学反応によって架橋し、品質改良を施した、アジピン酸架橋澱粉、又はリン酸架橋澱粉(化工澱粉又は加工澱粉と呼ばれる)が用いられている。
また、澱粉のブレークダウンを抑制するために、増粘多糖類の併用による澱粉の改質も種々試みられており、特許文献1では、キサンタンガムと澱粉を粉末混合した後、水を添加し水分調整を行ない、これを乾式条件下で100℃~200℃で30分から5時間加熱処理して澱粉を改質することが提案されている。また、特許文献2では、生大豆粉を澱粉に対し0.1%~20%の割合で混合し、初期水分が8%以上で加熱熟成することを特徴とする加工澱粉の製造法が開示されている。さらには、減圧ラインと加圧蒸気ラインとの両方を付設し、内圧、外圧共に耐圧性の密閉できる容器内に澱粉を入れ、減圧した後、蒸気導入によって加圧加熱を行い、或いはこの操作を繰り返すことにより、澱粉を所定時間加熱した後冷却する、湿熱処理澱粉の製造法(特許文献3)、及び澱粉と有機酸塩類を0.1~10質量%含有させて加熱処理することにより、澱粉の熱膨潤を抑制する方法(特許文献4)、澱粉に対して5~20質量%の極性溶媒、15~30質量%の水を含有する極性溶媒水溶液を澱粉に分散させ、これを糊化開始温度以上100℃未満で加熱する変性澱粉の製造方法(特許文献5)等が提案されている。
特許文献1の方法は、水分調整が必要で製造工程も煩雑であるという問題がある。また特許文献2の方法では、目的とする澱粉粒の膨潤及び/又は崩壊に対する抑制効果が低い。また、特許文献3の方法は、それを実施するには特殊な装置が必要である。また、特許文献4及び5の方法は、塩、又は極性溶媒等の成分を使用するので、これらが澱粉中に残存することにより、食品に用いたときにその風味等が劣化する可能性がある。
特許文献6には、このような問題を解決する技術として、澱粉と水溶性ヘミセルロースの質量比率が99.5:0.5~80:20(質量比)の粉末混合物を、100~200℃にて湿熱処理することを特徴とする澱粉の改質方法が提案されている。
しかし、なお、前記の問題を解決する新たな方法の提供が求められている。
特開2005-54028号公報 特開昭56-78572号公報 特開平4-130102号公報 特開2005-171112号公報 特開2006-131772号公報 国際公開第2009/110610号
従って、本発明の目的は、澱粉粒の膨潤及び崩壊の少なくとも1つを抑制するように澱粉を改質する方法を提供することである。
また本発明の目的は、澱粉粒の膨潤及び崩壊の少なくとも1つが抑制された澱粉製剤を製造する方法を提供すること、及び当該澱粉製剤を用いた食品の応用例を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、澱粉、及び果実由来食物繊維の混合物を、湿熱処理することを含む、澱粉の改質方法によって、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、次の態様を含む。
(1)改質方法
項1.
澱粉、及び果実由来食物繊維の混合物を、水の存在下で加熱処理することを含む、澱粉の改質方法。
項2.
前記水の存在下の加熱処理が、水分量20質量%未満の前記混合物を、湿熱処理することを含む、項1に記載の澱粉の改質方法。
項3.
前記湿熱処理の温度が95~140℃の範囲内である、項1又は2に記載の改質方法。
項4.
前記湿熱処理が、前記混合物を、密閉容器内に水蒸気を導入した加圧環境下で5~300分間加熱する処理である、項2又は3に記載の改質方法。
項5.
前記水の存在下での加熱処理が、前記混合物として、水分含量が20~50質量%である混合物を用意し、及び当該混合物を100~200℃で加熱する処理である、項1に記載の改質方法。
項6.
前記澱粉が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、コーン澱粉、及び甘蔗澱粉、並びにそれらのもち種澱粉からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、項1~5のいずれか一項に記載の改質方法。
項7.
前記果実由来食物繊維が、水溶性食物繊維、及び不溶性食物繊維を含有する複合型食物繊維である、項1~6のいずれか一項に記載の改質方法。
項8.
前記果実由来食物繊維が、シトラスファイバーである、項1~7のいずれか一項に記載の改質方法。
項9.
前記混合物が、前記澱粉及び前記果実由来食物繊維を、99:1~80:20の範囲内の質量比で含有する、項1~8のいずれか一項に記載の改質方法。
項10.
前記澱粉が、
試料1.2gにイオン交換水を加えて全量25gにしてスラリー調製すること、
当該スラリーの粘度を、ラピッドビスコアナライザーを用いて、
(1)試料の温度を、
0~ 60秒まで、50℃で保持し、
60~282秒まで、0.203℃/秒で昇温し、
282~432秒まで、95℃で保持し、
432~660秒まで、0.200℃/秒で降温し、及び
660~780秒まで、50℃で保持し、且つ
(2)パドルの回転数を、
0~10秒まで960rpm、及び
10秒以降は160rpmとする
条件で、当該60~780秒の間、測定したときに、
この間の当該粘度の最大値が500mPa・s以下である
性質を有する改質澱粉へと改質される、項1~9のいずれか一項に記載の改質方法。
(2)澱粉改質剤
項11.
果実由来食物繊維を有効成分として含有する澱粉改質剤。
項11-1.
前記果実由来食物繊維が、水溶性食物繊維、及び不溶性食物繊維を含有する複合型食物繊維である、項11に記載の澱粉改質剤。
項11-2.
前記果実由来食物繊維が、シトラスファイバーである、項11、又は項11-1に記載の澱粉改質剤。
(3)改質澱粉製剤の製造方法
項12.
項1~10のいずれか一項に記載の澱粉の改質方法により、澱粉を改質することを含む、改質澱粉製剤の製造方法。
(4)改質澱粉製剤
項13.
項12に記載の方法で製造される、改質澱粉製剤。
(5)改質澱粉粒、及びその製造方法
項14.
澱粉粒、及び果実由来食物繊維を含有する、改質澱粉粒。
項15.
アミロペクチン、及び果実由来複合型食物繊維を含有する、改質澱粉粒。
項16.
更に、アミロースを含有する、項15に記載の改質澱粉粒。
項16-1.
前記澱粉粒に、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、及びコーン澱粉、並びにそれらのもち種澱粉からなる群より選択される少なくとも1種の前記澱粉粒が含有される、項14~16のいずれか一項に記載の改質澱粉粒。
項16-2.
アミロースが、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、及びコーン澱粉からなる群より選択される少なくとも1種に由来するものを含有する、項16に記載の改質澱粉粒。
項16-3.
アミロペクチンが、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、及びコーン澱粉、並びにそれらのもち種澱粉からなる群より選択される少なくとも1種に由来するものを含有する、項16-1又は項16-2に記載の改質澱粉粒。
項16-4.
項1~10のいずれか一項に記載の澱粉の改質方法により、澱粉粒を改質して改質澱粉粒を得ることを含む、項14~16及び項16-1~16-3に記載の改質澱粉粒の製造方法。
(6)食品
項17.
項13に記載する改質澱粉製剤、又は項14~16のいずれか一項に記載の改質澱粉粒を一原料として用いて製造された食品。
項17-1.
項16-1~16-4のいずれか一項に記載の改質澱粉粒を一原料として用いて製造された食品。
(7)食品の製造方法
項18.
項13に記載する改質澱粉製剤、又は項14~16のいずれか一項に記載の改質澱粉粒を一原料として用いることを含む、食品の製造方法。
項18-1.
項16-1~16-4のいずれか一項に記載の改質澱粉粒を一原料として用いることを含む、食品の製造方法。
本発明によれば、ブレークダウンによって生じる問題を解決する、新たな方法が提供される。
評価試験1のRVA試験のグラフ(3個のグラフ中の1番目)である。 評価試験1のRVA試験のグラフ(3個のグラフ中の2番目)である。 評価試験1のRVA試験のグラフ(3個のグラフ中の3番目)である。 評価試験2のRVA試験のグラフである。 評価試験3のRVA試験のグラフである。 評価試験4のRVA試験のグラフである。 評価試験6のRVA試験のグラフ(2個のグラフ中の1番目)である。 評価試験6のRVA試験のグラフ(2個のグラフ中の2番目)である。 評価試験7のRVA試験のグラフである。 評価試験8のRVA試験のグラフである。 評価試験9のRVA試験のグラフである。 評価試験10のRVA試験のグラフ(2個のグラフ中の1番目)である。 評価試験10のRVA試験のグラフ(2個のグラフ中の1番目)である。 評価試験11のRVA試験のグラフである。 評価試験12の粘度のずり速度依存性を示すグラフである。 評価試験15の無添加区のクッキーの物性測定における荷重‐距離のグラフ(4個のグラフ中の1番目)である。 評価試験15の例W15-1のクッキーの物性測定における荷重‐距離のグラフ(4個のグラフ中の2番目)である。 評価試験15の例R15-2のクッキーの物性測定における荷重‐距離のグラフ(4個のグラフ中の3番目)である。 評価試験15の例R15-3のクッキーの物性測定における荷重‐距離のグラフ(4個のグラフ中の4番目)である。 評価試験15の無添加区のクッキーの物性測定における荷重(微分)‐距離のグラフ(4個のグラフ中の1番目)である。 評価試験15の例W15-1のクッキーの物性測定における荷重(微分)‐距離のグラフ(4個のグラフ中の2番目)である。 評価試験15の例R15-2のクッキーの物性測定における荷重(微分)‐距離のグラフ(4個のグラフ中の3番目)である。 評価試験15の例R15-3のクッキーの物性測定における荷重(微分)‐距離のグラフ(4個のグラフ中の4番目)である。 評価試験17のフラワーペーストの物性の経時変化を示すグラフである。 評価試験18の発酵前のサンプル溶液の顕微鏡写真である。 評価試験18のヨーグルトの粘度のずり速度依存性を測定結果のグラフである。
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
特に限定されない限り、本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、室温で実施され得る。
本明細書中、室温は、10~40℃の範囲内の温度を意味する。また、本明細書中、加熱とは、室温以下の温度を有する当該混合物の温度を、処理前より高くする処理を意味する。
澱粉
本発明で使用される澱粉は、化学処理による変性が生じていない澱粉(いわゆる生澱粉)である。
当該澱粉としては、一般に流通している澱粉を広く利用することができる。
澱粉は、澱粉粒として、植物の細胞内に蓄積されている。
当該澱粉(又は澱粉粒)は、アミロペクチンを含有する。
当該澱粉(又は澱粉粒)は、更にアミロースを含有することができる。
澱粉粒の構造は、いまだ完全には解明されていないが、うるち種の澱粉の場合はアミロース、及びアミロペクチンが、もち種の澱粉の場合はアミロペクチンが一定の規則的な構造を構成していると考えられている。
一般に流通している澱粉は、細胞壁を破壊して、植物中の澱粉粒を取り出し、集めたものである。本明細書中、用語「澱粉」は、このような澱粉粒を包含することを意図して用いられる。
本発明で使用される澱粉の例は、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、コーン澱粉、甘蔗澱粉、小麦澱粉、緑豆澱粉、葛澱粉及びサゴ澱粉、並びにそれらのもち種澱粉(例:もち馬鈴薯澱粉、もち米澱粉)を包含する。
その好適な例は、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、コーン澱粉、及び甘蔗澱粉、並びにそれらのもち種澱粉を包含する。
本発明においては澱粉として、前記澱粉、及びその他の澱粉からなる群より選択される1種、又は2種以上の組み合わせ(例:混合物)を使用できる。
当該澱粉粒の粒子径(最長径)は、
馬鈴薯澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば15~100μmの範囲内、
タピオカ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば5~35μmの範囲内、
コメ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば2~10μmの範囲内、
コーン澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば6~25μmの範囲内、
小麦澱粉の場合は例えば10~35μmの範囲内、
甘藷澱粉の場合は例えば15~35μmの範囲内、
緑豆澱粉の場合は例えば15~25μmの範囲内、
葛澱粉の場合は例えば3~15μmの範囲内、及び
サゴ澱粉の場合は例えば10~60μmの範囲内
であることができる。
また、当該澱粉粒の粒子径(最長径)の標準偏差は、
馬鈴薯澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば1~60μmの範囲内、
タピオカ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば1~15μmの範囲内、
コメ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば0.1~5μmの範囲内、
コーン澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば1~11μmの範囲内、
小麦澱粉の場合は例えば1~15μmの範囲内、
甘藷澱粉の場合は例えば1~15μmの範囲内、
緑豆澱粉の場合は例えば0.1~5μmの範囲内、
葛澱粉の場合は例えば0.1~5μmの範囲内、及び
サゴ澱粉の場合は例えば1~30μmの範囲内
であることができる。
当該澱粉粒の最長径/最短径の比は、例えば、約1.0~約1.5の範囲内、1.1~1.5の範囲内、又は約1.0であることができる。
当該澱粉は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。
果実由来食物繊維
本発明で使用される果実由来食物繊維は、一般に流通している果実由来食物繊維を広く利用することができる。
本発明で使用される果実由来食物繊維は、また例えば、果実の圧搾後に果汁を除いた残渣、又はその精製物として調製できる。
本発明で使用される果実由来食物繊維は、好適に、水溶性食物繊維、及び水不溶性食物繊維を含有する複合型食物繊維であることができる。
本発明で使用される果実由来食物繊維は、好適に、ペクチン質を含有する食物繊維であることができる。
当該水溶性食物繊維の例は、水溶性ヘミセルロース、及びペクチン、並びにそれらの組合せを包含する。
当該不溶性食物繊維の例は、セルロース、リグニン、不溶性ヘミセルロース、及びプロトペクチン、並びにそれらの組合せを包含する。
前記複合型食物繊維は、好適に、食物繊維を50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、又は80質量%以上含有することができる。
前記複合型食物繊維は、好適に、不溶性食物繊維を、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、又は60質量%以上含有することができる。
前記複合型食物繊維は、好適に、水溶性食物繊維を、例えば、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、又は50質量%以上含有することができる。
前記複合型食物繊維が含有する水不溶性食物繊維及び水溶性食物繊維の質量比は、
好ましくは1:0.2~1:15、
より好ましくは1:0.3~1:10、及び
更に好ましくは1:0.4~1:5
の範囲内であることができる。
本発明に関し、食物繊維含有量、水溶性食物繊維含有量、及び不溶性食物繊維含有量は、プロスキー変法によって、測定される。
当業者が通常理解する通り、複合型食物繊維の、プロスキー変法によって測定された食物繊維含有量は、必ずしも100質量%、又はこれに近い値ではない。
本発明で使用される果実由来食物繊維の例は、シトラス由来食物繊維、リンゴ由来食物繊維、及びトマト由来食物繊維等を包含する。なかでも、シトラス由来食物繊維(シトラスファイバー)が好ましい。
シトラスファイバーは、例えば、シトラスの圧搾後の残渣を粉末化し、及びこれに高衝撃を与えて得られたものであることができる。
シトラスファイバーは、例えば、細胞のミセル構造が壊れポーラスな構造を有しているものであることができる。
このような食物繊維は、公知の方法で製造すること、及び/又は商業的に入手することが可能である。
本発明において、果実由来食物繊維は、澱粉の改質剤として機能でき、従って、改質澱粉の製造に用いることができる。当該果実由来食物繊維は、他の澱粉改質剤を包含する1種以上の食品若しくは食品添加物との組み合わせ(例:添加、又は混合)において用いてもよい。
当該「他の澱粉改質剤」の例としては、
(a)水溶性ヘミセルロース、キサンタンガム、ペクチン、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、寒天、カラギナン、アラビアガム、ガティガム、及びセルロース、並びにそれらの誘導体等の多糖類;及び
(b)その他の食物繊維
が挙げられる。
当該「食品若しくは食品添加物」の例は、
タンパク質、油脂、糖類、塩類(ミネラル)、ビタミン類、調味料、香料、酸味料、色素、保存料、糊料、pH調整剤、及び甘味料を包含する。
(1)改質方法
本発明における「澱粉の改質」は、澱粉粒が水への曝露、加熱及び/若しくは撹拌等の物理的な刺激によって膨潤及び/又は崩壊する性質を低減することを意味する。
本発明の澱粉の改質方法は、澱粉、及び果実由来食物繊維の混合物を、水の存在下で加熱処理することを含む。
当該「水の存在下」とは、前記混合物が、前記加熱処理中に、水に曝露され得る環境内にあることを意味する。当該水の形態は、例えば、気体、又は液体、或いはこれらの組合せであることができる。
当該「加熱処理」とは、前記混合物が、処理前の品温より高い温度に曝露されることを意味する。
水の存在下での熱処理は、好適に、
[1]水分含量が20%未満の前記混合物を湿熱処理すること、又は
[2]前記混合物として、水分含量が20~50質量%である混合物を用意し、及び当該混合物を100~200℃で加熱することにより、実施できる。
当該混合物は、澱粉、及び果実由来食物繊維を含有し、且つこれらが混合されている組成物であることできる。ここで、これらが「混合されている」状態は、通常理解される通り、澱粉、及び果実由来食物繊維の大部分(好ましくは、全て)が、相互作用(好ましくは接触)し得る程度に十分に近接している状態を意味する。
本発明の澱粉の改質方法において、澱粉、及び果実由来食物繊維は、これら以外の成分と共存していてもよい。
当該組成物は、澱粉、及び果実由来食物繊維以外の成分を含有していてもよい。
このような成分の例は、塩基性物質を包含する。
本発明(なかでも、好適には、前記澱粉にタピオカ澱粉、もち種のコメ澱粉、及びもち種のコーン澱粉(以後、ワキシーコーンスターチとも表記する)並びにこれらの組合せを使用する態様)において前記澱粉、及び果実由来食物繊維との組み合わせにおいて、アルカリ性の化合物を使用できる。
当該塩基性物質としては、水に溶かすとアルカリ性(例えば、8以上のpH)を示す物質が例示できる。
その具体例は、
周期表1族の金属(例:ナトリウム、カリウム)の水酸化物、炭酸塩、又は炭酸水素塩、有機酸塩;及び
周期表2族の金属(例:カルシウム、マグネシウム)の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、又は有機酸塩
を包含する。
当該有機酸の例は、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、酢酸、及びシュウ酸を包含する。
なかでも、周期表第1族の金属の炭酸塩又は炭酸水素塩が好ましく、及び周期表第1族の炭酸塩がより好ましい。
当該塩基性物質を使用する場合、その量は、前記澱粉の100質量部に対して、0.01~0.5質量部の範囲内、好ましくは0.02~0.2質量部の範囲内、及びより好ましくは0.1~0.2質量部であることができる。
このような塩基性物質の使用により、本発明の方法による改質の効果をより増強し得る。
前記塩基性物質の使用時期は任意であり、例えば、澱粉、及び果実由来食物繊維を混合した後に、塩基性物質を添加及び混合してもよく、或いは澱粉、及び塩基性物質を混合した後に、果実由来食物繊維を混合してもよい。
[1]態様1(湿熱処理)
当業者が容易に理解できる通り、本発明の前記改質方法の一側面は、澱粉を、果実由来食物繊維との共存下で、湿熱処理することを含む方法であることができる。
澱粉、及び果実由来食物繊維の混合物は、両者を混合することにより用意できる。
当該混合は、両者の少なくとも一部が接触できるように実施すればよい。
本発明の一態様においては、粉末の澱粉と、粉末の果実由来食物繊維とが、混合される。
本発明の別の一態様において、粉末の澱粉と、果実由来食物繊維の水溶液又は懸濁液とが、混合される。
当該混合は、撹拌等の公知の方法で実施すればよい。
前記混合物における、前記澱粉及び前記果実由来食物繊維の質量比は、好ましくは99:1~80:20の範囲内、より好ましくは98:2~80:20の範囲内、更に好ましくは98:2~88:12の範囲内、より更に好ましくは97:3~90:10の範囲内、及び特に好ましくは約95:5である。
果実由来食物繊維の割合が少なすぎる場合、澱粉粒の膨潤及び/又は崩壊を抑制する効果が小さくなる傾向があり、また、レトルト殺菌を包含する加熱殺菌の後の澱粉含有溶液のゲル化を十分に抑制できない傾向がある。
一方、果実由来食物繊維の割合が多すぎる場合、粘度を上昇させる主成分である澱粉の含有量が少なくなりすぎる。
本発明の方法で改質された澱粉は、改質処理前の当該混合物と同様の質量比で、澱粉、及び果実由来食物繊維を含有し得る。
湿熱処理とは、通常理解される通り、高い相対湿度条件下での加熱処理を包含することができる。具体的には、当該相対湿度は、好ましくは、80%以上より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、及び特に好ましくは100%であることができる。
本発明の好適な一態様において、湿熱処理は、好ましくは水蒸気の存在下、より好ましくは飽和水蒸気下で実施される。
本発明の別の好適な一態様において、湿熱処理は、好ましくは、前記混合物を、その水分含量が所定の範囲になるように(具体的には、水分含量が、例えば、20~50質量%になるように)調湿した後、100~200℃で加熱する。当該加熱は、湿熱処理、又は乾熱処理であることができる。
湿熱処理の温度の下限の好適な例は、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃、及び120℃を包含する。
当該温度をこのような数値以上に設定することにより、澱粉粒の膨潤及び/又は崩壊を抑制する効果を高くすることができる。
また、当該温度をこのような数値以上に設定することにより、レトルト殺菌を含む加熱殺菌後の澱粉含有溶液のゲル化を抑制する効果を高くすることができる。
湿熱処理の温度の上限の好適な例は、200℃、150℃、140℃、135℃、130℃、125℃、120℃、115℃、及び110℃を包含する。
当該温度をこのような数値以下に設定することにより、改質処理に起因する澱粉の望まざる着色を防止又は抑制できる。
湿熱処理の温度は、好ましくは95~140℃の範囲内、より好ましくは100℃~130℃の範囲内、及び更に好ましくは105℃~130℃の範囲内であることができる。
湿熱処理の時間の下限の好適な例は、0.5分間、1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、8分間、10分間、12分間、15分間、及び20分間を包含する。
当該時間をこのような数値以上に設定することにより、澱粉粒の膨潤及び/又は崩壊を抑制する効果が高くすることができる。
また、当該時間をこのような数値以上に設定することにより、レトルト殺菌を含む加熱殺菌後の澱粉含有溶液のゲル化を抑制する効果を高くすることができる。
湿熱処理の時間の上限の好適な例は、180分間、150分間、120分間、90分間、60分間、40分間、30分間、20分間、15分間、10分間、5分間、2分間、及び1分間を包含する。
当該時間をこのような数値以下に設定することにより、改質処理に起因する澱粉の望まざる着色を防止又は抑制できる。
湿熱処理の時間は、好ましくは1~300分間の範囲内、より好ましくは5~300分間の範囲内、更に好ましくは10~180分間、より更に好ましくは10~120分間の範囲内であることができる。
好適に、湿熱処理の温度をより高く設定する場合、時間をより短く設定することが可能であり、並びに湿熱処理の温度をより低く設定する場合、時間をより長く設定することが可能であり
湿熱処理の温度と時間の好適な組合せの例は、
(1)95~120℃の範囲内の温度、且つ10~120分間の範囲内の時間、及び
(2)120~140℃の範囲内の温度、且つ3~60分間の範囲内の時間
を包含する。
当該湿熱処理は、例えば、
(1)市販のオートクレーブ等の加圧加熱容器を使用して行うこと、
(2)流動層造粒乾燥機、及び/又はハイブリッドキルン等の装置に、水蒸気、過熱水蒸気、及び/又は水スプレーなどを組み合わせて加熱処理をすること、及び
(3)恒温恒湿槽を用いて所望の温度及び湿度条件で加熱処理すること等の方法によって実施できる。
前記「オートクレーブ」とは、当業者が通常理解する通り、圧力釜又は加圧蒸気釜と呼ばれる装置の一形態であり、密閉容器中で排気バルブを制御しながら水を加熱することにより、内圧を保ちながら水蒸気温度を100℃以上にすることができる装置である。
当該オートクレーブは、加圧熱殺菌及び/又は水熱合成に用いられており、加圧熱殺菌用のものでは上限4気圧、130℃程度までの処理が可能であり、一方、水熱合成用のものでは、数百気圧、300℃程度までの処理が可能である。
オートクレーブ容器内の相対湿度は100%となることができる。
前記「ハイブリッドキルン」とは、インダクション加熱(IH)による外熱加熱と過熱水蒸気による内熱加熱方式を併用したロータリー型の装置であり、キルン内に試料を投入した後、加熱しながら飽和又は過熱水蒸気を吹き込むことにより湿熱処理を行なうことができる。
飽和水蒸気を用いる場合は100℃程度、過熱水蒸気を用いる場合は105℃~400℃程度の加熱処理を行うことができる。
当該ハイブリッドキルンは開放系なので、加熱時間中、常に水蒸気を供給する必要がある。キルン内圧力は大気圧(1気圧)である。
当該水蒸気量は、供給する水蒸気の温度、水蒸気流の線速度及び加熱時間によって決定される。実際には、供給した水蒸気量は水蒸気発生装置が消費した水の量から計算することができる。
前記恒温恒湿槽とは、常圧開放系の処理槽中をヒーターで加熱しつつ、水を別のヒーターで加熱し、水蒸気を吹き込むことにより槽内に相対湿度80~100%の雰囲気をつくり、この状態から排気ファンによって槽内から水蒸気を適宜排出することによって湿度及び温度を一定にコントロールすることができる熱処理装置である。
当該恒温恒湿槽の場合、温度及び相対湿度は、湿球温度計及び/又は乾球温度計により自動的に計算され設定された温度及び湿度に制御することができる。
恒温恒湿槽の槽内は開放系なので、加熱時間中、常に水蒸気を供給する必要がある。槽内圧力は大気圧(1気圧)である。
当該水蒸気量は、設定した槽内の相対湿度、槽内の温度及び処理時間によって決定される。実際には、供給した水蒸気量は、ハイブリッドキルンと同様に恒温恒湿槽に供給された水の量から計算することができる。
また、特開平4-130102に記載のように、減圧ラインと加圧蒸気ラインとの両方を付設し、内圧、外圧共に耐圧性の密閉できる容器内に澱粉を入れ、減圧とした後、蒸気導入による加圧加熱を行い、或いはこの操作を繰り返すことにより、澱粉を所
定時間加熱した後冷却することによって湿熱処理澱粉の効率的製造することもできる。
本発明の好適な一態様における前記湿熱処理は、例えば、前記混合物を、密閉容器内に水蒸気を導入した加圧環境下で5~300分間加熱する処理であることができる。
本発明の方法により、改質された澱粉は、好適に、元の澱粉に比べて、澱粉粒の膨潤及び/又は崩壊が抑制されている。
本発明の方法によれば、好ましくは、前記澱粉が、
試料1.2gにイオン交換水を加えて全量25gにしてスラリー調製すること、
当該スラリーの粘度を、ラピッドビスコアナライザーを用いて、
試料の温度を、
0~ 60秒まで、50℃で保持し、
60~282秒まで、0.203℃/秒で昇温し、
282~432秒まで、95℃で保持し、
432~660秒まで、0.200℃/秒で降温し、及び
660~780秒まで、50℃で保持し、且つ
パドルの回転数を、
0~10秒まで960rpm、及び
10秒以降は160rpmとする
条件で、当該60~780秒の間、測定したときに、
この間の当該粘度の最大値が、
原料澱粉(未改質)の当該粘度の最大値より低い性質を有する改質澱粉;
好ましくは、単独改質した原料澱粉の当該粘度の最大値より低い性質を有する改質澱粉;
具体的には、例えば、
好ましくは600mPa・s以下、
より好ましくは550mPa・s以下、
更に好ましくは、500mPa・s以下、及び
より更に好ましくは450mPa・s以下
である性質を有する改質澱粉
へと改質される。
この間の当該粘度の最大値は、好ましくは、10mPa・s、より好ましくは30mPa・s以上、及び更に好ましくは50mPa・s以上である。
本発明において好ましくは、この間の当該粘度の最大値は、780秒の時点(すなわち、前記測定の終了時)での粘度であることができる。
[2]態様2(水分量を調整した混合物の加熱処理)
当業者が容易に理解できる通り、本発明の前記改質方法の一側面は、前記混合物として、水分含量が20~50質量%である混合物を用意し、及び当該混合物を100~200℃で加熱することを含む方法であることができる。
当該方法は、適宜、前記態様1における条件等の説明を参照して理解される。冗長な記載を避けるため、以下、前記態様1における条件等の説明を参照して理解される事項については記載を省略する。
当該方法では、前記混合物として、水分含量が20~50質量%である混合物を用意する。当該混合物の用意は、澱粉及び果実由来食物繊維の混合物を調湿することによって実施できる。
調湿の方法としては、最終的に組成物の水分含量を20~50質量%にできる方法ならば、特に限定されないが、澱粉及び果実由来食物繊維の混合物に、前記の水分含量になるように、秤量された水を、混合しながら滴下する方法、又はスプレー等で噴霧する方法を採用すればよい。
本発明における改質澱粉の製造方法は、大きく分けて、澱粉、果実由来食物繊維、及び水を均一に混合する混合工程と、加熱工程に分けられる。
当該加熱は、湿熱処理、又は乾熱処理であることができる。
当該湿熱処理は、前記で説明した処理であることができる。
当該乾熱処理は、加熱工程中に外部から水分を加えずに加熱する処理であることができ、これを実現できる方法であれば、具体的な方法は、特に限定されない。
その例は、対流伝熱乾燥装置、又は伝導伝熱乾燥装置等を使用する方法を含む。
特に、混合、及び加熱を同時に行うことができ、滞留時間を長くすることが可能な、周囲を加熱可能なジャケットを備えた混合機形の加熱装置等を用いると、より効率がよい。
加熱処理の際の温度の設定は、好ましくは100~200℃の範囲内、及びより好ましくは120~150℃の範囲内である。このような温度であることにより、長時間の加熱を必要とせず、且つ澱粉の望まざる変質(例:分解、転移、再会合、着色)が抑制される。
加熱処理の時間は、処理温度に応じて適宜選択することができる。加熱温度がより高い場合は、より短時間にでき、一方、加熱温度がより低い場合はより長時間にできる。
具体的には、例えば、好ましくは10分~5時間、及びより好ましくは1~3時間であることができる。
このような条件を採用することにより、果実由来食物繊維の改質効果が十分になり、且つ澱粉の望まざる変質を抑制できる。
このようにして得られた澱粉は、その後、必要に応じて、解砕、調湿、篩分等の工程を通すことも可能である。
前記のようにして改質された澱粉は、所望により、解砕、調湿、及び篩分等からなる群より選択される1種以上の後処理を施されてもよい。
(2)澱粉改質剤
本発明はまた、果実由来食物繊維を有効成分として含有する澱粉改質剤を提供する。
当該澱粉改質剤、及びその使用方法は、前記の果実由来食物繊維についての説明、及び技術常識等により理解される。
当該澱粉改質剤は、果実由来食物繊維以外の他の澱粉改質剤を包含する、様々なその他の食品材料又は食品添加物を含有してもよい。
当該「他の澱粉改質剤」の例は、
(1)水溶性ヘミセルロース、キサンタンガム、ペクチン、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、寒天、カラギナン、アラビアガム、ガティガム、セルロース及びその誘導体等の多糖類;並びに
(2)その他の食物繊維
を包含する。
当該「食品若しくは食品添加物」の例は、
(1)各種タンパク質、油脂、糖類、塩類(ミネラル)、ビタミン類等の、食品材料;並びに
(2)香料、酸味料、色素、保存料、糊料、pH調整剤、調味料、及び甘味料等の食品添加物
を包含する。
(3)改質澱粉製剤の製造方法
本発明の改質澱粉製剤の製造方法は、本発明の改質方法により、澱粉を改質することを含む。
当該製造方法は、前記の改質方法についての説明、及び技術常識等により理解される。
(4)改質澱粉製剤
本発明の改質澱粉製剤の一側面は、本発明の改質澱粉製剤の製造方法により製造された改質澱粉製剤である。
本発明の改質澱粉製剤の一側面は、本発明の改質方法により改質された澱粉を含有する、改質澱粉製剤である。
本発明の改質製剤は、本発明の効果を妨げない範囲において、必要に応じて他の添加物を含有していてもよい。その例は、調味料、香料、酸味料、色素、保存料、糊料、pH調整剤、及び甘味料を包含する。また、用途に応じて複数の改質澱粉若しくは改質澱粉製剤同士を混合してもよい。
本発明の改質澱粉製剤は、例えば、食品の品質改良剤または食感改良剤として各種の食品の製造に使用することができる。
すなわち、本発明の改質澱粉製剤の一側面は、本発明の改質方法により改質された澱粉を含有する組成物であることができる。
(5)改質澱粉粒、及びその製造方法
本発明の改質澱粉粒は、澱粉粒、及び果実由来食物繊維を含有する。
当該改質澱粉粒は、好ましくは、本発明の改質方法によって改質された改質澱粉の澱粉粒である。
当該澱粉粒についての澱粉、及び当該果実由来食物繊維の、種類、性質、及び量(量比)等の例(及び好ましい例)は、前記で説明した例と同じであることができる。
当該改質澱粉粒は、その澱粉粒の外部、及び/又は内部に果実由来食物繊維を含有する。
当該改質澱粉粒の粒子径(最長径)は、
馬鈴薯澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば15~100μmの範囲内、
タピオカ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば5~35μmの範囲内、
コメ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば2~10μmの範囲内、
コーン澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば6~25μmの範囲内、
小麦澱粉の場合は例えば10~35μmの範囲内、
甘藷澱粉の場合は例えば15~35μmの範囲内、
緑豆澱粉の場合は例えば15~25μmの範囲内、
葛澱粉の場合は例えば3~15μmの範囲内、及び
サゴ澱粉の場合は例えば10~60μmの範囲内
であることができる。
また、当該澱粉粒の粒子径(最長径)の標準偏差は、
馬鈴薯澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば1~60μmの範囲内、
タピオカ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば1~15μmの範囲内、
コメ澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば0.1~5μmの範囲内、
コーン澱粉及びそのもち種澱粉の場合は例えば1~11μmの範囲内、
小麦澱粉の場合は例えば1~15μmの範囲内、
甘藷澱粉の場合は例えば1~15μmの範囲内、
緑豆澱粉の場合は例えば0.1~5μmの範囲内、
葛澱粉の場合は例えば0.1~5μmの範囲内、及び
サゴ澱粉の場合は例えば1~30μmの範囲内
であることができる。
(6)食品
本発明の食品の一側面は、本発明の改質澱粉製剤、又は本発明の改質澱粉粒を一原料として用いて製造された食品であることができる。
本発明の食品の一側面は、本発明の改質澱粉製剤、又は本発明の改質澱粉粒を含有する食品であることができる。
本発明の食品の一側面は、本発明の改質方法により改質された澱粉を含有する組成物であることができる。
当該食品は、
通常、澱粉が使用される食品、又は澱粉を含有する食品であることができ、
なかでも、好適に、澱粉が水中(又は自由水の存在下)で撹拌される工程、澱粉が水中(又は自由水の存在下)で糊化される工程、及び澱粉が水中で加熱される工程を含む製造方法で製造される食品であることができ、及び
その具体例は、
バッター;
ソース、たれ類、甘酢あん、;
スープ;
ドレッシング(例:マヨネーズタイプドレッシング);
ヨーグルト(例:無脂肪ヨーグルト、低脂肪ヨーグルト)、チーズ、及びサワークリーム等のデイリープロダクト;
うどん、そば、スパゲティ、マカロニ、及び中華麺等の麺類(当該麺類は、例えば、生麺、半生麺、冷凍麺、乾燥麺、フライ麺、又はノンフライ麺等であることができる);
パン類(例:食パン、全粒粉パン);
ケーキ、及びクッキー等の焼き菓子類;
アイスクリーム、アイスミルク、及びラクトアイス等の冷菓類;
フラワーペースト(小麦粉含有ペースト)、及びカスタード風クリーム;
団子、練りあん、及びようかん等の和菓子類;
お好み焼き、たこ焼き、チヂミ、及びブリトー;
餃子、春巻き、及び中華饅;
ハム、及びソーセージ等の魚畜加工肉製品;
煮しめ、甘露煮、湯煮、うま煮、及び煮豆等の煮物類;
いため物、串焼、網焼、ホイル焼、及びかば焼等の焼物類;
から揚げ、天ぷら、及びフライ等の揚げ物類;
しゅうまい、及び茶わん蒸し等の蒸し物類;
胡麻あえ等の和えもの類;並びに
サラダ等
を包含する。
本発明の改質澱粉製剤、又は本発明の改質澱粉粒の、これらの食品についての使用量は、これらの食品の種類、及びその使用目的に応じて、適宜、異なり得る。
その好適な使用量は、適宜、その食品についての通常の澱粉の使用量を基準にして、これを増減させて製造試験をすることにより、決定すればよい。
当該改質澱粉の当該好適な使用量を以下に例示する。
(1)ソース、たれ類、スープ、ドレッシング、又はヨーグルト等の、液状又は半固形状食品への、粘度付与、又はとろみ付けの目的で使用する場合: 0.5~10質量%
(2)ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、フラワーペースト、和菓子類、魚畜加工肉製品、及び蒸し物類等の、ゲル状又は固形状食品への、保形性付与、又は食感改良の目的で使用する場合: 0.5~20質量%
(3)低脂肪又は無脂肪のデイリープロダクトへの、保形性付与、又は食感改良の目的で使用する場合: 2~50質量%
(4)小麦粉含有食品(例:バッター、麺類、焼き菓子類、麺類、及び揚げ物類)において、小麦粉代替物として用いて、食感改良する目的(当該食感改良は、小麦粉の使用量を低減した食品、又は小麦粉を不使用にした食品に対して、小麦粉を通常通り使用した食品場合と同様の食感を付与することを含む)で使用する場合:小麦粉の2~100質量%を代替
当該食品には、本発明の改質方法により改質された澱粉(又は本発明の改質澱粉粒)の量が、通常の澱粉の使用量と同じ、又は近似する量、及び同様の方法で用いられ得る。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
特に記載のない限り、「部」は「質量部」を、また「%」は「質量%」を意味する。
以下、副原料として果実由来の植物繊維を用いて改質処理をしている例の番号には、「W」を付し、それ以外の例の番号には「R」を付している。「R」を付した番号を有する例は、比較例である。
[1]試験試料の調製
後記の実験例において、後記のものを原材料として用いた。
実施例中、食物繊維含有率、及び水溶性食物繊維は、プロスキー変法によって決定された数値である。
水溶性食物繊維の比率(%)は、副原料である各ファイバー製品の製品質量を基準とする比率(「水溶性食物繊維含有量」/「シトラスファイバー製品の総質量」×100(%))である。
主原料(澱粉)
馬鈴薯澱粉
ワキシーコーンスターチA
ワキシーコーンスターチB
タピオカ澱粉
(ワキシーコーンスターチA、及びBは、別製品である。)
副原料
シトラスファイバーA:果実由来食物繊維(複合型食物繊維)
[食物繊維含有率71%(水溶性食物繊維率35%)]
シトラスファイバーB:果実由来食物繊維(複合型食物繊維)
[食物繊維含有率56%(水溶性食物繊維率30%)]
シトラスファイバーC:果実由来食物繊維(複合型食物繊維)
[食物繊維含有率85%(水溶性食物繊維率19%)]
(シトラスファイバーA、B、及びCは、別製品である。)
オレンジファイバー:果実由来食物繊維(複合型食物繊維)
[食物繊維含有率50%(水溶性食物繊維率22%)]
大豆多糖類:大豆由来ヘミセルロース(水溶性)
イヌリン:合成多糖類(水溶性)
セルロースナノファイバー:セルロース(難溶性)
コーンファイバー:コーン由来食物繊維(難溶性)
グアーガム分解物:多糖類分解物(水溶性)
サイリウムシードガム:サイリウム種子由来多糖類(水溶性)
乾燥おから:大豆由来食物繊維(難溶性)
サトウキビファイバー:サトウキビ由来食物繊維(難溶性)
ライスファイバー:イネ由来食物繊維(難溶性)
後記の実験例では、後記の各表に示す副原料と澱粉の混合比率[質量比。合計=100]で、粉体の澱粉原料、及び粉体の副原料を混合し、及び得られた混合物を湿熱処理した。
各実施例における湿熱処理は、以下の装置を使用して、以下の条件で実施した。
改質条件は、後記の各表に記載の条件を採用した。
装置:オートクレーブ SX-500(株式会社トミー精工製)
処理後の試料をステンレス製のバットに取り出し、室温で一晩乾燥させた。
乳鉢で粉砕し、均一な粉末にした。
[2]評価試験
(1)各澱粉配合製剤の膨潤及び/又は崩壊抑制効果
各試料について、New Port Scientific社製Rapid Visco Analyzer(RVA)を用いて、膨潤及び/又は崩壊抑制効果を調べた。
RVAはプログラムされた温度と攪拌(回転数)で被験試料を加熱及び冷却しながら連続してその粘度を測定することができる装置である。
前記で調製した試料を当該RVAにかけ、次の条件で経時的に粘度を測定した。
<RVA測定条件>
(a)試料1.2gにイオン交換水を加えて全量25gにしてスラリーを調製し、及び
(b)当該スラリーの粘度を、ラピッドビスコアナライザーを用いて、
試料の温度を、
0~ 60秒まで、50℃で保持し、
60~282秒まで、0.203℃/秒で昇温し、
282~432秒まで、95℃で保持し、
432~660秒まで、0.200℃/秒で降温し、及び
660~780秒まで、50℃で保持し、且つ
パドルの回転数を、
0~10秒まで960rpm、及び
10秒以降は160rpmとする
条件で、当該60~780秒の間、粘度を測定した。
(2)RVA試験の前後のスラリーの顕微鏡観察
前記RVA試験前及び/又は後のスラリーをイオン交換水で10倍希釈し、1%ヨウ素、10%ヨウ化カリウム溶液で着色し、倍率10倍の対物レンズを装着した光学顕微鏡にデジタルカメラを接続してPCに画像を取り込み、1365μm×1024μmの視野内の澱粉粒の状態を観察した。
[評価]
++:視野に40個以上の澱粉粒が観察される。
+:視野に20個以上40個未満の澱粉粒が観察される。
±:視野に10個以上20個未満の澱粉粒が観察される。
-:視野に観察される澱粉粒が10個未満である。
流動性試験(RVA試験)
前記RVA試験により得られた糊液を直径約50mm、高さ約60mmのプラスチックカップに移し、室温で1日静置した。1日後の糊液の流動性を、糊液を入れた容器を1辺1cmの角材に容器の側面をのせて傾け、糊液の流動性を観察することで、評価した。
[評価]
+:あり(カップの壁に沿って流動した。)
±:ややあり(流動したが、ややゲル化しており、流動速度が顕著に遅かった。)
-:なし(ゲル化しており、流動しなかった。)
評価試験1:副原料の検討(主原料(澱粉)として馬鈴薯澱粉を使用)
主原料(澱粉)として馬鈴薯澱粉を用い、及び表1に記載の種々の副原料を用いて(又は副原料を用いずに)調製した各試料を試験した。澱粉と副原料との混合物の水分含量は、いずれも約15%であった。水分含量は、粉体混合物を105℃で10分間加熱したときの乾燥減量を測定することにより決定した。
結果を図1、及び表1に示した。
例R1-1(未改質澱粉、生澱粉)以外の全ての例においてRVAでの加熱・撹拌時にピークの消失、及び粘度の低下がみられ、いずれの副原料も澱粉粒の膨潤及び崩壊を抑制しているといえた。
本発明の方法で改質された改質澱粉である例W1-1から例W1-4においてRVAでの加熱・撹拌時にピークの消失、及び粘度の低下がみられた。このことにより、澱粉粒の膨潤及び崩壊に対し大豆多糖類と同様の効果を示すことが確認された。
例R1-1(未改質澱粉、生澱粉)以外の全ての例においてRVAでの加熱・撹拌時にピークの消失、及び粘度の低下がみられた。これにより、いずれの素材も澱粉粒の膨潤及び崩壊を抑制していることが確認された。しかし、例W1-1から例W1-4の改質澱粉の最大粘度(=最終粘度)は、500 mPa・s以下であり、すなわち、他の食物繊維素材(イヌリン、セルロースナノファイバー、コーンファイバー、グアーガム分解物、サイリウムシードガム、乾燥おから、サトウキビファイバー、ライスファイバー)を混合して湿熱加熱することによって製造した例R1-4から例R1-11の改質澱粉に比べて膨潤及び崩壊耐性が高かった。
Figure 0007206189000001
評価試験2:処理温度の検討(主原料(澱粉)として馬鈴薯澱粉を使用)
主原料(澱粉)として馬鈴薯澱粉を用い、及び副原料としてシトラスファイバーCを用いて表2に記載の各処理温度で調製した各試料を試験した。処理時間は10分とした。
結果を図2、及び表2に示した。
処理温度90℃では顕微鏡観察で澱粉粒がかなり崩壊している様子が観察され、また1日後には糊液がゲル化したことから、改質効果が不十分であることが確認された。
処理温度120℃、及び130℃では、それぞれ10分の処理時間では十分な改質効果が認められた。
Figure 0007206189000002
評価試験3:処理時間の検討(主原料(澱粉)として馬鈴薯澱粉を使用)
主原料(澱粉)として馬鈴薯澱粉を用い、及び副原料としてシトラスファイバーCを用いて表3に記載の各処理時間で調製した各試料を試験した。処理温度は120℃とした。
結果を図3、及び表3に示した。
処理時間1分間では、澱粉粒の膨潤及び崩壊抑制効果が不十分であった。
処理時間10~180分間では、いずれも十分な澱粉粒の膨潤・抑制効果が認められた。
処理時間180分間では、澱粉粒の膨潤及び崩壊抑制効果は高かったが、試料の粉末に着色が観察された。
Figure 0007206189000003
評価試験4:副原料の量の検討(主原料(澱粉)として馬鈴薯澱粉を使用)
主原料(澱粉)として馬鈴薯澱粉を用い、及び副原料として表4に記載の各混合比率のシトラスファイバーCを用いて調製した各試料を試験した。処理温度は120℃、処理時間は10分とした。
結果を図4、及び表4に示した。
添加量1%では、1日後の糊液がゆるくゲル化していた。
添加量2%~10%では、副原料の量が多いほど、強い澱粉粒の膨潤・抑制効果が認められた。
添加量10%ではシトラスファイバーの風味が感じられた。
Figure 0007206189000004
評価試験5:レトルト加熱耐性(主原料(澱粉)として馬鈴薯澱粉を使用)
主原料(澱粉)として馬鈴薯澱粉を用い、及び表5.aに記載の副原料を用いて(又は副原料を用いずに)調製した各試料のレトルト加熱耐性を試験した。
具体的には、各試料を5重量%になるように水に分散し、これを湯浴中で90℃到達後10分間攪拌加熱を行い、糊液を調製した後、ナイロンラミネート袋に充填し、121℃10分のレトルト殺菌に供した。
直径38mm、高さ100mmのガラス瓶にレトルト処理前後の糊液を移し、20℃に調温後、溶液の性状を観察するとともに、B型粘度計(株式会社東京計器製 BL型)を用いて、12rpm、60秒の条件で粘度測定を行なった。ローターはNo.4を使用したが2000mPa・s未満の糊液についてはNo.3を使用した。
得られた糊液をプラスチック製の2.5ml容のスポイトで1.5ml吸い上げた。スポイトの出口が、液面から約50mmになる位置で、下向きになるようにし、前記の吸い上げた糊液をスポイトの出口から下向きに滴下させたときの、糊液の空中での形状を目視で客観的観察をし、次表に記載した規準で、糊液の粘性(曳糸性)を、++、+、±、及び-(弱から強)の4段階で評価した。
Figure 0007206189000005
これらの結果を表5.bに示した。なお、表中の糊液の粘度の倍率は、レトルト後の粘度をレトルト前の粘度の値で除した値である。
未改質の馬鈴薯澱粉は加熱耐性が低く、レトルト処理以前に、90℃10分の加熱溶解により澱粉粒が膨潤、崩壊して高粘度になった。顕微鏡観察でもすでに澱粉粒が崩壊していた。
レトルト処理後は、糊液中の澱粉粒の崩壊が更に進み、レトルト処理前に比べて著しく粘度が低下した。また、レトルト処理後の糊の曳糸性が非常に強かった。
例R5-2(単独改質)、例R5-3(副原料がイヌリン)、例R5-4(副原料がセルロースナノファイバー)、及び例R5-5(副原料がコーンファイバー)では、いずれも、90℃で10分程度の弱い加熱(レトルト前)では例R5-1(未改質)に比べて粘度が低く、膨潤及び崩壊が抑制されていたが、レトルト処理のような高温の加熱では、膨潤、崩壊が抑制されず、糊液は非常に高粘度で曳糸性が強くなり、及び顕微鏡観察でも澱粉粒が確認されなくなった。
例W5-1(シトラスファイバーA)、例W5-2(シトラスファイバーB)、及び例W5-3(シトラスファイバーC)では、レトルト前の粘度が低く顕微鏡でも粒が観察され、弱い加熱で膨潤、及び崩壊が抑制され、及び更にレトルト処理後の粘度も急上昇せず、顕微鏡観察でも崩壊していない粒が確認され、糊は曳糸性が弱かったことから、レトルト殺菌のような強い加熱でも膨潤、及び崩壊抑制効果が十分に発揮されたことが確認された。
また、例R5-6(大豆多糖類)と比べて、シトラスファイバー添加品の方がレトルト前後の糊液の粘度変化がより小さく、レトルト処理時の膨潤、及び崩壊抑制効果はシトラスファイバーの方が大豆多糖類よりも高いことが示された。
Figure 0007206189000006
評価試験6:副原料の検討(澱粉原料としてワキシーコーンスターチを使用)
評価試験1と同様にして、但し澱粉原料としてワキシーコーンスターチAを用いた試験を実施した。試験条件は表6に記載の条件を採用した。澱粉と副原料の混合物の湿熱処理前の水分含量は、いずれも約12%であった。水分量は、粉体混合物を105℃で10分間加熱したときの乾燥減量を測定することにより求めた。
但し、例W6-4及び例W6-5では、澱粉と副原料の混合粉末100gをフードプロセッサー(DLC-8P2J、Cuisinart)で撹拌しながら、例W6-4ではイオン交換水40g、例W6-5ではイオン交換水80gを少しずつ加えたのち(水分量は例W6-4で28.6%、例W6-5で44.4%)、150℃に余熱しておいたオーブン(ヘルシーシェフMRO-JS7、日立製作所)で120分間加熱した。その後、オーブンから取り出し、ステンレス製のバットに広げて、室温にて一晩放置して、乾燥させた。乳鉢で粉砕し、均一な粉末にした。
結果を図5.a、図5.b、及び表6に示した。
澱粉原料としてワキシーコーンスターチを用いた場合も、シトラスファイバーによる澱粉粒の膨潤及び崩壊抑制効果がみられた。また、大豆多糖類を用いた場合よりもシトラスファイバーを用いた場合の方が、最大粘度、最終粘度ともに低く、シトラスファイバーの膨潤抑制効果が確認された。
Figure 0007206189000007
評価試験7:処理温度の検討(主原料(澱粉)としてワキシーコーンスターチを使用)
評価試験2と同様にして、但し主原料(澱粉)としてワキシーコーンスターチAを用いた試験を実施した。試験条件は表7に記載の条件を採用した。
結果を図6、及び表7に示した。
いずれの処理温度(105℃~130℃)においても、澱粉粒の膨潤及び崩壊抑制効果がみられた。
Figure 0007206189000008
評価試験8:処理時間の検討(主原料(澱粉)としてワキシーコーンスターチを使用)
評価試験3と同様にして、但し主原料(澱粉)としてワキシーコーンスターチAを用いた試験を実施した。試験条件は表8に記載の条件を採用した。
結果を図7、及び表8に示した。
いずれの処理時間(5~180分)でも、澱粉粒の膨潤及び崩壊抑制効果がみられた。
処理時間180分間では、澱粉粒の膨潤及び崩壊抑制効果は高かったが、試料の粉末に着色が観察された。
Figure 0007206189000009
評価試験9:副原料の量の検討(澱粉としてワキシーコーンスターチを使用)
評価試験4と同様にして、但し主原料(澱粉)としてワキシーコーンスターチAを用いた試験を実施した。試験条件は表9に記載の条件を採用した。
結果を図8、及び表9に示した。
いずれの添加量(1~10%)でも、同様に十分な澱粉粒の膨潤及び崩壊抑制効果がみられた。
Figure 0007206189000010
評価試験10:副原料の検討(主原料(澱粉)としてワキシーコーンスターチの別製品を使用)
評価試験6と同様にして、但し主原料(澱粉)としてワキシーコーンスターチの別製品(ワキシーコーンスターチB)を用いた試験を実施した。試験条件は表10に記載の条件を採用した。澱粉と副原料の混合物の湿熱処理前の水分含量は、いずれも約10%であった。水分量は、粉体混合物を105℃で10分間加熱したときの乾燥減量を測定することにより求めた。
結果を図9.a、図9.b、及び表10に示した。
別製品のワキシーコーンスターチでも、同様に十分な澱粉粒の膨潤及び崩壊抑制効果がみられた。また、例W10-1は例R10-4に比べて最大粘度、最終粘度ともに低く、同一改質条件においてシトラスファイバーを副原料として使用した方が大豆多糖類に比べて澱粉粒の膨潤及び崩壊に対して高い効果を示すことが確認された。
Figure 0007206189000011
評価試験11:処理時間の検討(主原料(澱粉)としてタピオカ澱粉を使用)
評価試験3と同様にして、但し主原料(澱粉)としてタピオカ澱粉を用いた試験を実施した。
試験条件は表11に記載の条件を採用した。澱粉と副原料の混合物の湿熱処理前の水分含量は、いずれも約12%であった。水分量は、粉体混合物を105℃で10分間加熱したときの乾燥減量を測定することにより求めた。
但し、例W11-4では、澱粉と副原料の混合粉末100gをフードプロセッサー(DLC-8P2
J、Cuisinart)で撹拌しながら、イオン交換水40gを少しずつ加えたのち(水分量は28.6%)、150℃に余熱しておいたオーブン(ヘルシーシェフMRO-JS7、日立製作所)で120分間加熱した。その後、オーブンから取り出し、ステンレス製のバットに広げて、室温にて一晩放置して、乾燥させた。乳鉢で粉砕し、均一な粉末にした。
但し、例W11-4では、澱粉と副原料の混合粉末100gをフードプロセッサー(DLC-8P2J、Cuisinart)で撹拌しながら、イオン交換水40gを少しずつ加えたのち、150℃に余熱しておいたオーブン(ヘルシーシェフMRO-JS7、日立製作所)で120分間加熱した。その後、オーブンから取り出し、ステンレス製のバットに広げて、室温にて一晩放置して、乾燥させた。乳鉢で粉砕し、均一な粉末にした。
結果を図10、及び表11に示した。
タピオカ澱粉の場合でも、いずれの処理時間(10~180分間)でも、同様に十分な澱粉粒の膨潤及び崩壊抑制効果がみられた。また、例W11-1は、例R11-3に比べて最大粘度、最終粘度ともに低く、同一改質条件においてシトラスファイバーを副原料として使用した方が大豆多糖類に比べて澱粉粒の膨潤及び崩壊に対して高い効果を示すことが確認された。
Figure 0007206189000012
評価試験12:フルーツソースベースの製造、及び評価
次の製法で、表12、及び表13の処方に従い、フルーツソースベースを製造し、その食感を評価した。
<製法>
1.常温のイオン交換水に砂糖と澱粉試料(改質或いは未改質)、クエン酸三ナトリウムを入れて分散させたのち、湯浴中で加熱し、80℃で10分間撹拌した。
2.クエン酸水溶液を加え、全量補正後、100gずつパウチに充填した。
3.85℃の湯浴中で30分間殺菌した。
Figure 0007206189000013
Figure 0007206189000014
未改質ワキシーコーンスターチを添加した例R12-3のフルーツソースベースは、保形性が低く、べたついた食感を示した。また、これらのフルーツソースベースを顕微鏡観察すると、澱粉粒の残存が確認できなかった。すなわち、保形性が低く、べたついた食感、の原因は、未改質のワキシーコーンスターチの加熱耐性が低く、加熱工程及び湯浴殺菌中に澱粉粒の膨潤、崩壊が進み、澱粉粒中の成分が溶出したことであると示唆された。
一方、シトラスファイバーを副原料として改質した改質澱粉を添加した例W12-1及び例W12-2のフルーツソースベースは、大豆多糖類添加を副原料とした改質澱粉を添加した例R12-5と共に、保形性が高く、べたつきが少ない食感を示した。これらの食感は、加熱工程及び湯浴殺菌中の澱粉粒の膨潤、崩壊の抑制により澱粉粒中の成分の溶出が抑えられたことが原因であると考えられる。例W12-1、例W12-2と例R12-5を比較すると、例W12-1、及び例W12-2のほうがより保形性が高く、べたつきも少ない食感を示した。また、これらのフルーツソースベースを顕微鏡観察すると、特に例W12-1、及び例W12-2において顕著に澱粉粒の残存が多くみられ、シトラスファイバーを副原料改質した澱粉は大豆多糖類に比べて、より高い効果があることが示された。
単独改質澱粉を添加した例R12-4のフルーツソースベースの食感は、例R12-3に比べて保形性の低下は改善されたが、例W12-1及び例W12-2と比較するとややべたつきがあった。顕微鏡による観察においても、澱粉粒の残存が認められたが、例W12-1、例W12-2と比較すると膨潤や崩壊した澱粉粒が数多く観察された。
フルイドレオメーター ARES‐LS1(TAインスツルメント社製)を用いて、各フルーツソースベース試料の粘度のずり速度依存性を測定した。
測定は、直径50mmのコーンプレートを用い、試料をアプライしてギャップを0.05mmに設定して実施した。測定温度は20℃、及びずり速度は0.1~100s-1に設定した。
特に低ずり速度における粘度にサンプル間差がみられ、粘度の高さは例W12-2>例R12-5>例R12-4>例R12-3の順であり、保形性のよい食感とよく対応していた。
結果を図11に示した。
評価試験13:ホワイトソースの製造、及び評価
次の製法で、表14、及び表15の処方に従い、ホワイトソースを製造した。
<製法>
1.常温のイオン交換水に焙焼小麦粉及び澱粉試料(改質澱粉又は未改質澱粉)を入れて分散させたのち、湯浴中で加熱し、80℃で10分間撹拌した。
2.残りの原料を加え、撹拌しながら溶解した。
3.全量補正後、100gずつアルミパウチに充填し密封した。
4.レトルト殺菌処理した(121℃10分)
Figure 0007206189000015
Figure 0007206189000016
TM」は三栄源エフ・エフ・アイの商標を表す。
未改質馬鈴薯澱粉を添加した例R13-3のホワイトソースは、保形性が低く、曳糸性が高い食感を示した。また、これらのホワイトソースを顕微鏡観察すると、澱粉粒の残存が確認できなかった。未改質の馬鈴薯澱粉は加熱耐性が低く、加熱工程及びレトルト殺菌中に澱粉粒の膨潤、崩壊が進み、澱粉粒中の成分が溶出したため、著しく保形性が低下し、曳糸性が高くなったと考えられる。
一方、シトラスファイバーを副原料として改質した改質澱粉を添加した例W13-1及び例W13-2のホワイトソースは、大豆多糖類添加を副原料とした改質澱粉を添加した例R13-5と共に、適度な保形性を保ち、冷めてもゲル化しなかった。また、例W13-1、及び例W13-2と、例R13-5とを比較すると、例W13-1、及び例W13-2のほうが、より、ゲル的でなく口どけの良い食感を示した。また、これらのホワイトソースを顕微鏡観察すると、例W13-1及び例W13-2の方が、例R13-5より小さな澱粉粒の残存が多くみられ、シトラスファイバーを副原料改質した澱粉は大豆多糖類に比べて、より高い効果があることが示された。
単独改質澱粉を添加した例R13-4のホワイトソースの食感は、例W13-1及び例W13-2に比べてゲルっぽい食感になった。顕微鏡においても、大きく膨潤した澱粉粒が観察され、小さな澱粉粒は、例W13-1及び例W13-2に比べて少なかった。
加熱工程及びレトルト殺菌中の澱粉粒の膨潤、崩壊が例R13-3よりも抑制され、粘度低下が起こらなかった。加熱工程及びレトルト殺菌中において澱粉粒の膨潤、崩壊が例R13-3よりも抑制され、粘度低下が起こらなかったが、澱粉粒の膨潤や崩壊はある程度進んでおり、澱粉粒中のアミロースが溶出し、その後の温度低下によりゲル化(老化)したと考えられる。
評価試験14:甘酢あんの製造、及び評価
次の製法で表16、表17の処方に従い、甘酢あんを製造した。
<製法>
1.水に澱粉試料及びワキシーコーンスターチを入れ、85℃で10分間撹拌しながら加熱した。
2.残りの原料を加え、5分間撹拌溶解した。
3.水を加えて全量を補正した後、パウチに100gずつ充填した。
4.85℃の湯浴中で30分間殺菌したのち、8℃の水槽で冷却した。
5.5℃の冷蔵庫で一晩冷却したのち、20℃に調温して評価した。
Figure 0007206189000017
Figure 0007206189000018
例R14-2の未改質馬鈴薯澱粉を添加した甘酢あんは、ボディー感がやや低く、曳糸性があり口どけが悪かった。例R14-3の大豆多糖類を副原料とした改質澱粉、或いは例W14-1のシトラスファイバーを副原料とした改質澱粉を添加した甘酢あんは、曳糸性が低く、口どけが良かった。また、例R14-3、例W14-1ともに適度なボディー感があったが、特に例W14-1にボディー感があった。
甘酢あんを20℃に調温し、B型回転粘度計(ローターNo.3、東京計器社製)を用いて、回転数12rpmにおける粘度を測定したところ、例W14-1(1925mPa・s)>例R14-3(1750mPa・s)>例R14-2(1480mPa・s)であり、例W14-1の粘度が最も高く、官能評価で感じられたボディー感と一致していた。
評価試験15:クッキーの製造、及び評価
次の製法で表18、表19の処方に従い、クッキーを製造した。
<製法>
1.ショートニングとマーガリンを、万能型混合撹拌器を用いて216rpmでクリーム状になるまで撹拌した。
2.グラニュー糖を加え、更に3分間撹拌した。
3.予め混合した全卵とカロチンベースを数回に分けて加え、混合した。
4.予めふるっておいた薄力粉、澱粉、脱脂粉乳、食塩、膨張剤を添加し、ゴムベラで混合した。
5.冷蔵後で30分間生地を寝かせた。
6.厚さ5mmにのばし、直径32mmの型で型抜きした。
7.180℃に予熱したオーブンで12分間焼成した。
8.室温まで十分冷ましたのち、乾燥剤を入れた密閉容器に保存し、1日後に評価を行った。
Figure 0007206189000019
Figure 0007206189000020
澱粉試料を添加しない無添加区のクッキーは、サクサク感の少ない重い食感であった。また、未改質馬鈴薯澱粉を添加した例R15-2は、ザクザクとした食感で硬く、大豆多糖類を副原料として用いた改質澱粉を添加した例R15-3は、やや軽い食感でやや口どけが良かった。一方、シトラスファイバーを副原料として用いた改質澱粉を添加した例W15-1は、サクサクと軽い食感で口どけが良かった。
テクスチャーアナライザー TA XT-plus(Stable Micro Systems社製)を用いて、クッキーの物性測定を行った。穴あきの試料台上にクッキー試料をのせて測定した。直径6mmの円柱型ステンレスプランジャーを、一定速度10mm/秒で、試料台から10mmの高さから20mm垂直に降下させ、クッキーを貫通させた。このときの荷重-距離を示すグラフ、及び荷重の微分波形の変化を示すグラフから、クッキーの物性を評価した。測定は3回以上繰り返し、そのうち代表的な1回のデータを図12及び図13に示した。
クッキーの物性測定及び解析は、日本調理科学会誌 Vol. 48,No. 2,95~102(2015)を参考に実施した。
図12.aから12.dに示される、荷重-距離のグラフより、プランジャーによりクッキーの表面に亀裂が入る破断点(グラフにおけるピーク)の荷重値は、無添加区、例R15-2、及び例R15-3と比較して、例W15-1で小さく、噛んだ時に硬くなく、軽い食感であることと一致した。
また、図13.aから13.dに示される、荷重の微分値‐距離のグラフより、破断点前後の荷重微分値のマイナス方向の振幅が、無添加区、例R14-2、及び例R14-3と比較して、例W14-1で小さく、また増減の変化が細かかった。この結果は、例W14-1は小さな塊に砕け、サクサクした食感であることと一致した。
評価試験16:フラワーペーストの製造、及び評価(1)
次の製法で表20、表21の処方に従い、フラワーペーストを製造した。
<製法>
1.水あめ、ヤシ油、加糖卵黄に水を加え、撹拌しながらフレーバー以外の残りの原料を添加し、60℃に達するまで温めた。
2.高速乳化分散機にて回転数8000rpmで10分間撹拌した。
3.鍋に移し、木へらで攪拌しながら中火で加熱し、沸騰し始めてから5分間加熱した。
4.フレーバーを添加し、湯を加えて全量を補正し、カップに充填して密閉して8℃の水槽で冷却した。5℃の冷蔵庫で保存し、1日後に評価を行った。
Figure 0007206189000021
Figure 0007206189000022
調製中の様子に違いがみられた。
未改質のワキシーコーンスターチを添加した例R16-2、及び副原料を添加せず改質した改質澱粉を添加した例R16-3では、沸騰直後の粘度は非常に高かったが、加熱中に一気に粘度が低下した。
一方、副原料をそれぞれ、シトラスファイバー、大豆多糖類とした改質澱粉を添加した例W16-1、及び例R16-4では、沸騰後の加熱中も粘度が下がらず保たれていた。さらに、できあがったフラワーペーストの食感にも違いがみられた。
例R16-2では、保形性が高いがゲル様の食感で弾力が強く、非常に口どけが悪かった。
例R16-3では、保形性が高くなく、べたつく食感で口どけが悪かった。
一方、例R16-4では、保形性が高く弾力があるが、口どけが良かった。
さらに、例W16-1では、例R16-4と比較して、保形性が更に高いが、同様に口どけが良かった。
評価試験17:フラワーペーストの製造、及び評価(2)
次の製法で表22、及び表23の処方に従い、前記評価試験例16のものとは処方が異なるフラワーペーストを製造した。
<製法>
1.水あめ、ヤシ油、加糖卵黄に水を加え、撹拌しながらフレーバー以外の残りの原料を添加し、60℃に達するまで温めた。
2.高速乳化分散機にて回転数8000rpmで10分間撹拌した。
3.鍋に移し、木へらで攪拌しながら中火で加熱した。
4.フレーバーを添加し、全量が加熱前重量の87.5%の重量になるまで煮詰めて、前記フラワーペーストを得た。得られたフラワーペーストをカップに充填及び密閉して8℃の水槽で冷却したのち、5℃の冷蔵庫で保存した。一方、物性測定用には、前記得られたフラワーペーストを、直径40mm及び高さ15mmのステンレスシャーレに充填し、当該シャーレを密閉容器に入れ、及び5℃の冷蔵庫で保存した。
Figure 0007206189000023
Figure 0007206189000024
シトラスファイバーを副原料として添加した例W17-1、及び未改質の馬鈴薯澱粉を添加した例R17-2ともに、製造1日後では、保形性があり、且つ口どけの良い食感であった。
しかしながら、製造から14日後、及び28日後の評価では、例W17-1は保存日数の増加による変化が小さかったのに対して、例R17-2は、よりかたく、且つ口どけの悪い、すなわち粗い食感に変化し、且つ離水が生じていた。
テクスチャーアナライザー TA XT-plus(Stable Micro Systems社製)を用いて、フラワーペーストの物性測定を行った。この際、試料台上にフラワーペーストを充填したシャーレを載置し、直径20mmの円柱型樹脂製プランジャーを、一定速度10mm/秒で降下させた。クリアランスは5mmとした。圧縮時の荷重-距離を示すグラフから、最大荷重値を読み取った。
製造直後から1日間、14日間、及び28日間の冷蔵保存後のサンプルを、20℃に調温して物性測定に供した。
28日間冷蔵保存したフラワーペーストサンプルについては、さらに、離水の測定も行った。サンプルをカップ(前記<製法>の4におけるカップ)から取り出し、ろ紙上に2分間載置した後、サンプルを取り除いた。ろ紙に吸収された水分の重さを測定し、サンプル1カップの重量で除して「離水率」を算出した。
当該テクスチャーアナライザーによる物性測定の結果を図14に示した。
製造後1日では、シトラスファイバーを副原料として添加した例W17-1、未改質の馬鈴薯澱粉を添加した例R17-2とも、最大荷重は同等程度であった。
しかし、保存期間の増大に伴い、例W17-1では変化が小さかったのに対し、例R17-2では最大荷重値が明らかに増加しており、前述の食感的なかたさの増加と一致していた。
さらに、28日保存後の離水率は、例W17-1では1.7%であったのに対し、例R17-2では11.0%と高い値であった。
これらの試験から理解される通り、シトラスファイバーを副原料として添加した改質澱粉は、フラワーペーストに保形性と口どけの良さを付与するのみならず、冷蔵保存によるかたさの増加(老化)、及び離水を抑制していた。
評価試験18:ヨーグルトの製造、及び評価
次の製法で、表24、及び表25の処方に従い、ヨーグルトを製造した。
<製法>
1.牛乳に砂糖、澱粉試料、及びワキシーコーンスターチの粉体混合物を入れ、70℃まで加熱後、10分間撹拌した。
2.水を加えて全量補正後、高圧ホモジナイザーにて均質化した(150kgf/cm)。
3.90℃にて10分間加熱し殺菌後、約40℃まで冷却した。均質化処理の前及び後でサンプル溶液の一部をサンプリングし、粘度測定、顕微鏡観察に供した。
4.スターターとして市販のヨーグルトを全量の3%添加した。
5.40℃の恒温器に入れ、pHが4.6になるまで発酵させた。
6.撹拌してカードを破砕して均一な状態にし、容器に小分けした。
7.室温に静置して粗熱をとったのち、5℃の冷蔵庫で冷却し、1日後に評価を行った。
Figure 0007206189000025
Figure 0007206189000026
サンプル溶液を70℃に保持し、B型回転粘度計(ローターNo.1、東京計器社)を用いて回転数12rpmにおける粘度を測定した。
均質化前後のサンプル溶液の粘度はそれぞれ、
無添加区では、5mPa・s以下(均質化前)、及び5mPa・s以下(均質化後)と共に低く、一方、
未改質馬鈴薯澱粉を添加した例R18-2では、均質化前は600mPa・sと高く、及び均質化後は43mPa・sに低下した。
一方、シトラスファイバーを副原料とした改質馬鈴薯澱粉を添加した例W18-1では、均質化前18mPa・s、及び均質化後80mPa・sであった。
サンプル溶液1mLに1%ヨウ素・10%ヨウ化カリウム溶液を添加して着色し、倍率10倍の対物レンズを装着した光学顕微鏡にデジタルカメラを接続してPC画像を取り込み、1365μm×1024μmの視野内の澱粉粒を観察した。
図15(無添加の試験区の均質化前の写真中のバーは、200μmを表す。全写真の倍率は同じである。)に示す通り、例R18-2では、均質化前にすでに澱粉粒が非常に大きく膨らんでいるかもしくは崩壊しており、均質化後にはほとんどの粒が細かく崩壊していた。このことは、サンプル溶液の均質化前の粘度が非常に高く、均質化後には低下したことと、対応していた。
一方、例W18-1では、均質化前には多くの澱粉粒が残存しており、均質化後には崩壊する粒も多かったものの残存する粒もみられた。このことは、均質化前のサンプル溶液の粘度が、例R18-2より低く、且つ均質化後にはやや増粘して適度な粘度が付与されていたことと、対応していた。
フルイドレオメーター ARES‐LS1(TAインスツルメント社)を用いて、各ヨーグルト試料の粘度のずり速度依存性を測定した。
測定は、直径25mmのパラレルプレートを用い、試料をアプライしてギャップを1mmに設定して実施した。測定温度は5℃、及びずり速度は0.1~100s-1に設定した。
結果を図16に示した。特に低ずり速度における粘度にサンプル間差がみられ、粘度の高さは、例W18-1>例R18-2>無添加区の順であった。官能評価における保形性の良さも、例W18-1>例R18-2>無添加区であり、すなわち低ずり速度における粘度とよく対応していた。
評価試験19:無脂肪ヨーグルトの製造、及び評価
次の製法で、表26、及び表27の処方に従い、無脂肪ヨーグルトを製造した。
<製法>
1.無脂肪牛乳に砂糖、澱粉試料、及びワキシーコーンスターチの粉体混合物を入れ、70℃まで加熱後、10分間撹拌した。
2.水を加えて全量補正後、高圧ホモジナイザーにて均質化した(150kgf/cm)。
3.スターターとして市販のヨーグルトを全量の3%添加した。
4.40℃の恒温器に入れ、pHが4.6になるまで発酵させた。
5.撹拌してカードを破砕して均一な状態にし、容器に小分けした。
6.室温に静置して粗熱をとったのち、5℃の冷蔵庫で冷却し、1日後に評価を行った。
Figure 0007206189000027
Figure 0007206189000028
無脂肪牛乳を用いた場合でも、シトラスファイバーを副原料とした改質馬鈴薯澱粉を添加することにより、保形性がよくボディー感のあるヨーグルトを調製することができた。
評価試験20:ラクトアイスの製造、及び評価
次の製法で、表28、及び表29の処方に従い、ラクトアイスを製造した。
<製法>
1. 水あめ、水を撹拌しながら、粉末原料を投入した。
2. 加温して80℃でヤシ油を投入し、更に10分間撹拌した。
3. 水で全量を補正し、高圧ホモジナイザーで均質化した(200kgf/cm)。
4. 5℃まで冷却したのち、一晩エージングし、フレーバーを添加してフリージングした(オーバーラン:70%)。
Figure 0007206189000029
Figure 0007206189000030
B型回転粘度計(ローターNo.2、東京計器社)を用いて、回転数30rpmにおける5℃のアイスクリームミックスの粘度を測定したところ、次の結果:
例W20(測定値:95mPa・s)>無添加区(58mPa・s)
であった。
フリージング後のラクトアイスについて、シトラスファイバーを副原料とした改質澱粉を添加した例W20は、無添加区と比較して、脱脂粉乳の含有量が低いにも関わらず、ボディー感があり、且つ口どけが良かった。
評価試験21:アイスクリームの製造、及び評価
次の製法で、表30、及び表31の処方に従い、アイスクリームを製造した。
<製法>
1.生クリーム、卵黄、水を撹拌しながら、粉末原料を投入した。
2.加温して75℃で10分間撹拌した。
3.水で全量を補正し、高圧ホモジナイザーで均質化した(150kgf/cm)。
4.5℃まで冷却したのち、一晩エージングし、フレーバーを添加してフリージングした(オーバーラン:30%)。
Figure 0007206189000031
Figure 0007206189000032
B型回転粘度計(東京計器社)を用いて、回転数30rpmにおける5℃の各アイスクリームミックスの粘度を測定したところ、次の結果:
例W21-2(測定値:199mPa・s)>例W21-1(測定値:110mPa・s)>無添加区(測定値:69mPa・s)
であった。
フリージング後のアイスクリームについて官能評価及び保形性の外観評価を実施した。その結果、無添加区と比較して、シトラスファイバーを副原料とした改質澱粉を添加した例W21-2は、非常に優れた又は非常に高いコク(乳脂肪感)があり、且つ高い保形性を示し、及び例W21-1は、優れた又は高いコク(乳脂肪感)があり、及びやや保形性が高かった。また、例W21-1及び例W21-2は、高いコク(乳脂肪感)がある一方で、キレがよく(すなわち、不快に感じられやすい後味の消失性が高く)、且つ口どけがよかった(すなわち、口内で迅速に溶融した。)。
評価試験22:食パンの製造、及び評価
次の製法で表32、表33の処方に従い、食パンを製造した。
<製法>
1.強力粉、グラニュー糖、脱脂粉乳、塩、澱粉を混合した。
2.1とバター、冷水(5℃)をパンケースに投入した。
3.ドライイーストをイースト容器に投入した。
4.ホームベーカリー(National製、SD-BT103)を用い、捏ね、発酵、及び焼成した(全工程で約4時間)。
5.焼成後すぐに食パンを取り出し、室温で30分間冷ました。
6.ビニール袋に入れて密封し、20℃で保存した。
7.一晩静置後、5cm×10cm×厚さ2cmとなるようにパンをカットし、評価を行った。
Figure 0007206189000033
Figure 0007206189000034
テクスチャーアナライザー TA XT-plus(Stable Micro Systems社)を用いて、食パンの物性測定を行った。試料台上にカットした食パン試料をのせて測定した。直径20mmの円柱型ステンレスプランジャーを、一定速度10mm/秒で、試料台から30mmの高さから25mm垂直に降下させ、食パンを圧縮した。このときの荷重-距離を示すグラフから、食パンを25%圧縮したときの荷重を読み取り、プランジャーの表面積で除して圧縮応力を求めた。食パンの物性測定は、焼成後1日後、及び4日後に行った。
焼成1日後及び4日後のパンの圧縮応力はそれぞれ、無添加区では19gf/cm及び47/cmであり、シトラスファイバーを副原料とした改質澱粉を添加した例W21では27/cm及び37/cmであった。従って、改質澱粉添加区の方が保存中のかたさの変化が小さく、このことは別途実施した食感評価において、改質澱粉添加区の方がかたさの変化が小さかったことと一致していた。
処方例1:マヨネーズタイプドレッシング
1.攪拌しながら水に澱粉試料(W14-1)、砂糖、L-グルタミン酸ナトリウム、調味料を加え90
℃で10分間加熱した。
2.室温まで冷却後、水分調整を行ない、加糖卵黄を加え攪拌混合した。
3.醸造酢、リンゴ酢、レモン果汁を加え攪拌混合した。
4.サラダ油を攪拌しながら少しずつ添加した。
5.クリアランスを200μmに設定したコロイドミルでマヨネーズの乳化を行なった。
6.容器に充填した。
Figure 0007206189000035
処方例2:ケーキ
1.原料をホイッパーにてホイップ後、スポンジケーキ型に流し込み焼成した。
2.焼成後、スポンジケーキが熱いうちにこれを前記型から出し、及び網の上で放冷した。
Figure 0007206189000036
処方例3:お好み焼き
1.表36に示した原料を全て混合して、お好み焼き用の生地を得た。
2.次いで熱したホットプレートに当該生地を広げ、その上に天カス、ネギ、及び紅生姜を適量投入し、前記ホットプレートとの接地面で生地が固まってきた時点で裏返し、その後表面(前記ホットプレートとの新たな接地面)に焦げ目がつくまで焼いた。
Figure 0007206189000037
処方例4:チルドタイプの茹でうどん
1.中力粉、及び澱粉試料に水を添加し、万能混合攪拌機にて10分間混合捏練した。
2.食塩を添加し、更に5分間混合捏練して、麺塊を得た。
3.麺塊を製麺機にて荒延ばしすることにより、ソボロ状の麺塊を含む帯状の生地を得、当該帯状の生地の4枚を製麺機にて複合することによりシート状の麺帯を得、当該麺帯を3mmの厚さに圧延し、当該圧延した麺帯を3mm幅にカットして、生のうどんを調製した。
4.得られた生のうどんを茹で(98~100℃で12分間)、水洗し、及び10℃に冷却した後、酸浸漬(条件:グルコノデルタラクトンの0.5%水溶液(pH2.9)中に、30秒間)、包装、殺菌(条件:コンベアスティーマーにて90℃、30分間)、及び10℃まで冷却して、チルドタイプの茹でうどん(製品pH=4.8)を得た。
Figure 0007206189000038
処方例5:バッター
1.サツマイモを1cmの厚さに切った。
2.氷水に次表に記載の原材料を添加することにより、バッター液を調製した。
3.前記サツマイモ片を、前記バッター液に浸浸することによりバッター液でコーティングした後、175℃で3分間油調した。
Figure 0007206189000039

Claims (4)

  1. 澱粉と、水溶性食物繊維及び不溶性食物繊維を含有するシトラス由来複合型食物繊維とを98:2~80:20の範囲内の質量比で含有する混合物を、水の存在下、下記(1)または(2)の湿熱処理することを含む、改質澱粉の製造方法:
    (1)水分量20質量%未満の前記混合物を、95~140℃で5~300分間湿熱処理する、
    (2)水分量20~50質量%の混合物を、100~200℃で5~300分間湿熱処理する;
    但し、澱粉とオレンジパルプの混合物をエクストルード処理する方法を除く。
  2. 前記(1)の湿熱処理が、水分量20質量%未満の前記混合物を、密閉容器内に水蒸気を導入した加圧環境下で5~300分間加熱する処理である、請求項1に記載の改質澱粉の製造方法。
  3. 前記澱粉が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、コーン澱粉、及び甘蔗澱粉、並びにそれらのもち種澱粉からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1又は2に記載の改質澱粉の製造方法。
  4. 下記の性質を有する改質澱粉を製造する方法である、請求項1~3のいずれか一項に記載の改質澱粉の製造方法:
    改質澱粉の試料1.2gにイオン交換水を加えて全量25gにして調製したスラリーの粘度を、ラピッドビスコアナライザーを用いて、
    (1)試料の温度を、
    0~ 60秒まで、50℃で保持し、
    60~282秒まで、0.203℃/秒で昇温し、
    282~432秒まで、95℃で保持し、
    432~660秒まで、0.200℃/秒で降温し、及び
    660~780秒まで、50℃で保持し、且つ
    (2)パドルの回転数を、
    0~10秒まで960rpm、及び
    10秒以降は160rpmとする
    条件で、当該60~780秒の間、測定したときに、
    この間の前記スラリーの粘度の最大値が500mPa・s以下である。
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