JP7128374B1 - 冷菓 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
アイスミックスと、
柑橘類に由来する食物繊維と、
食品固形物と、
を含む、冷菓。
[2]
前記柑橘類が、ミカン属の柑橘類である、[1]に記載の冷菓。
[3]
前記ミカン属の柑橘類が、レモン又はオレンジである、[2]に記載の冷菓。
[4]
前記柑橘類に由来する食物繊維の量が、前記冷菓の質量を基準として、0.005~3質量%である、[1]~[3]のいずれかに記載の冷菓。
[5]
前記柑橘類に由来する食物繊維が、水不溶性食物繊維を含み、
前記水不溶性食物繊維の量が、前記柑橘類に由来する食物繊維の質量を基準として、50~90質量%である、[1]~[4]のいずれかに記載の冷菓。
[6]
前記柑橘類に由来する食物繊維が、水溶性食物繊維を含み、
前記水溶性食物繊維の量が、前記柑橘類に由来する食物繊維の質量を基準として、5~30質量%である、[1]~[5]のいずれかに記載の冷菓。
[7]
前記食品固形物の比重が、0.7~1.2である、[1]~[6]のいずれかに記載の冷菓。
[8]
前記食品固形物が、氷を含み、
前記氷の量が、前記冷菓の質量を基準として、15~75質量%である、[1]~[7]のいずれかに記載の冷菓。
[9]
前記食品固形物が、氷以外の食品固形物を含み、
前記氷以外の食品固形物の量が、前記冷菓の質量を基準として、1~20質量%である、[1]~[8]のいずれかに記載の冷菓。
[10]
前記食品固形物が、氷を含み、
前記氷の長さが、0.06~14mmである、[1]~[9]のいずれかに記載の冷菓。
[11]
前記食品固形物が、氷以外の食品固形物を含み、
前記氷以外の食品固形物の長さが、0.9~14mmである、[1]~[10]のいずれかに記載の冷菓。
[12]
前記冷菓の表面に凹部が形成されている、[1]~[11]のいずれかに記載の冷菓。
本発明の一実施形態は、アイスミックスと、柑橘類に由来する食物繊維(以下、単に「柑橘繊維」と称する。)と、食品固形物と、を含む、冷菓に関する。
すなわち、柑橘繊維は、不溶性食物繊維で構成される長く大きな粒子を含み、加水加圧されると膨潤し、隙間が生じる。複雑に交差し合った柑橘繊維の隙間に固形物が捕捉されることにより、固液分離が抑制されると想定される。実際、柑橘繊維を含む冷菓では、表面が濡れたようなウェットな外観となっているが、これは、柑橘繊維が、水を含んだ状態で、固形物を捕捉していることに起因すると想定される。このような外観は、アイスミックスの分離抑制のために一般的に使用されるローカストビーンガム等の水溶性多糖類を使用した場合には観察されない。なお、従来の水溶性多糖類は、水溶液中でネットワークを構築し、前記ネットワーク中に脂質等の微粒子を分散させ、安定化させているが、比重の大きな固形物が入ると、ネットワーク内で捕捉しきれずに分離してしまう。
アイスクリーム類には、アイスクリーム、アイスミルク、及びラクトアイスが包含される。本明細書における「アイスクリーム類」、「アイスクリーム」、「アイスミルク」、及び「ラクトアイス」は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(平成30年8月8日厚生労働省令第106号)における定めに従う。
アイスクリームは、乳固形分が15.0%以上であって、乳脂肪分が8.0%以上のものである。
アイスミルクは、乳固形分が10.0%以上であって、乳脂肪分が3.0%以上のもの(アイスクリームを除く。)である。
ラクトアイスは、乳固形分が3.0%以上のもの(アイスクリーム及びアイスミルクを除く。)である。
本実施形態に係る冷菓は、アイスミックスを含む。アイスミックスの種類は特に限定されず、一般的な冷菓で使用されているものを使用できる。アイスミックスの成分は、冷菓の種類に応じて変更されるが、例えば、糖質(糖類及び多糖類を含む。)、果汁、油脂、乳製品、乳化剤、安定剤、香料、着色料、酸味料、pH調整剤、水、卵、塩、及びチョコレートや抹茶等の風味を呈する副原料を挙げることができる。
本実施形態に係る冷菓は、柑橘繊維を含む。柑橘繊維は、ミカン属の柑橘類に由来することが好ましく、レモン又はオレンジに由来することがより好ましい。具体的な柑橘繊維として、例えば、下記実施例で使用する製品であるヘルバセルAQプラスCF-D100、レモンファイバー100FG、及びシトリファイ100FGを挙げることができる。柑橘繊維は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。柑橘繊維を含むことによって、冷菓をフローズンドリンク等とした場合に、固液分離を抑制することができる。
本実施形態に係る冷菓は、食品固形物を含む。本明細書において「食品固形物」とは、食用に適した固形物を意味する。食品固形物としては、例えば、氷、チョコレート類、果肉類、種実類、焼菓子(例えばクランチ)、及びカットゼリーを挙げることができる。食品固形物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
氷の長さ分布として、例えば、氷の総数の80%以上が0.06~14mmの長さを有していることが好ましく、氷の総数の90%以上が0.06~14mmの長さを有していることがより好ましい。
また、氷の総数の80%以上が0.06~1.0mmの長さを有していることが好ましく、氷の総数の90%以上が0.06~1.0mmの長さを有していることがより好ましい。
第2の食品固形物の長さ分布として、例えば、第2の食品固形物の総数の80%以上が0.3~20mmの長さを有していることが好ましく、第2の食品固形物の総数の90%以上が0.3~20mmの長さを有していることがより好ましい。
また、第2の食品固形物の総数の80%以上が0.9~14mmの長さを有していることが好ましく、第2の食品固形物の総数の90%以上が0.9~14mmの長さを有していることがより好ましい。
食品固形物が氷である場合、その量は、冷菓の質量を基準として、好ましくは1~30質量%であり、より好ましくは1~20質量%であり、更に好ましくは1~10質量%である。
食品固形物が第2の食品固形物である場合、その量は、冷菓の質量を基準として、好ましくは1~20質量%であり、より好ましくは2~10質量%であり、更に好ましくは3~6質量%である。
実施例及び比較例で使用した材料は以下のとおりである。
1.アイスミックス
(1)スイカアイスミックス
スイカアイスミックスの成分組成は表1に示すとおりである。
(2)ラ・フランスアイスミックス
ラ・フランスアイスミックスの成分組成は表1に示すとおりである。
(1)レモン由来食物繊維
(DSP五協フード&ケミカル株式会社/ヘルバフード社、ヘルバセルAQプラスCF-D100)
(組成:水不溶性食物繊維 約73質量%、水溶性食物繊維 約17質量%)
(2)レモン由来食物繊維
(鳥越製粉株式会社/ファイバスター社、レモンファイバー100FG)
(組成:水不溶性食物繊維 約33質量%、水溶性食物繊維 約37質量%)
(3)オレンジ由来食物繊維
(鳥越製粉株式会社/ファイバスター社、シトリファイ100FG)
(組成:水不溶性食物繊維 約33質量%、水溶性食物繊維 約37質量%)
(1)微結晶性セルロース
(旭化成株式会社、セオラスRC-N81)
(組成:セルロース 80質量%、カラヤガム 10質量%)
(2)ペクチン
(旭東化学産業株式会社、ペクチンIM)
(組成:ペクチン 100質量%)
脱アシル化ジェランガム
(DSP五協フード&ケミカル株式会社、ケルコゲルKB)
(1)氷片
(比重:約0.9)
(2)チョコレート
(不二製油株式会社、クーベルチュールビターフレーク)
(比重:約1.3)
(3)チョコレート
(フルタ製菓株式会社、ブラッククランチB-LO)
(比重:約0.8)
表2~6に示す材料を所定の割合で混合し、冷却して、各種の冷菓を製造した。なお、表中に記載のファイバリクサは、アイスミックスに元々含まれている成分であるが、表中ではファイバリクサとアイスミックスとを分けて記載している。
評価に際しては、カップ(上部内径85mm、底部内径56mm、高さ110mm)にアイスミックスのみ、又は、氷及びアイスミックスを、合計200g入れ、オーバーラン30%に調整して-4℃から-8℃でフリージングし、その後必要に応じてチョコレート等の固形物(10g)を添加混合した。
[1.固液分離抑制(評価対象:氷片);放置条件]
製造した冷菓を5℃又は22℃で放置して、氷片の分離を目視にて観察した。放置すると大きく3層に分離する。上層には主に泡や脂肪、中間層には主に氷、下層には主に糖液が含まれる。評価においては、中間層と下層の界面を分離抑制の観察指標とし、カップ側面を見て、100分後に比較例と比べた際の界面の差を計測した。以下の評価基準にしたがい、各種の冷菓を評価した。評価結果は表2~6に示す。
なお、対比した実施例と比較例との組み合わせは以下のとおりである。実施例1及び9~11については、比較対照が2つ存在するが、いずれの比較例と比較しても、表に記載した結果であったことを示す。
比較例1:実施例1、25、29
比較例2:実施例1
比較例3:実施例6、9、12、15、18
比較例4:実施例7、10、13、16、19
比較例5:実施例8、11、14、17、20
比較例6:実施例3、26、30、9
比較例7:実施例4、27、31、10
比較例8:実施例5、28、32、11
比較例9:実施例21、23
比較例10:実施例22、24
比較例11:実施例2
比較例13:実施例33
(評価基準)
A:顕著な分離抑制効果あり(比較例よりも5mm以上の界面の差がある)
B:分離抑制効果あり(比較例よりも2mm以上の界面の差がある)
C:分離抑制効果なし(比較例と同等)
製造した冷菓に50℃の牛乳又は湯を70g添加し、混合して、氷片の分離を目視にて観察した。放置すると大きく3層に分離する。上層には主に泡や脂肪、中間層には主に氷、下層には主に糖液が含まれる。評価においては、中間層と下層の界面を分離抑制の観察指標とし、カップ側面を見て、30分後に比較例と比べた際の界面の差を計測した。対比した実施例と比較例との組み合わせは上記のとおりである。以下の評価基準にしたがい、各種の冷菓を評価した。評価結果は表2~6に示す。
(評価基準)
A:顕著な分離抑制効果あり(比較例よりも5mm以上の界面の差がある)
B:分離抑制効果あり(比較例よりも2mm以上の界面の差がある)
C:分離抑制効果なし(比較例と同等)
製造した冷菓を22℃で放置して、チョコレートの分離を目視にて観察した。以下の評価基準にしたがい、各種の冷菓を評価した。評価結果は表2~6に示す。
(評価基準:固形物イ)
A:固形物イが均一に分散している。
B:固形物イの一部が製品部の上部又は下部に集まっている。
C:固形物イのほとんどが上部又は下部に集まっている。
(評価基準:固形物ロ)
A:カップの側面を見て、固形物ロが製品部に均一に分散している。
B:カップの側面を見て、固形物ロの一部が底に沈んでいるものの、その多くが製品部に均一に分散している。
C:カップの側面を見て、固形物ロの大部分が底に沈んでいる。
また、特許文献1で使用された脱アシル化ジェランガムを使用した比較例12~15でも、固液分離を抑制することはできなかった。
Claims (9)
- アイスミックスと、
柑橘類に由来する食物繊維と、
食品固形物と、
を含む、冷菓であって、
前記食品固形物が、氷を含み、
前記氷の長さが、0.06~14mmであり、
前記氷の量が、前記冷菓の質量を基準として、15~75質量%である、冷菓。 - 前記食品固形物が、氷以外の食品固形物を更に含み、
前記氷以外の食品固形物の長さが、0.9~14mmであり、
前記氷以外の食品固形物の量が、前記冷菓の質量を基準として、1~20質量%である、
請求項1に記載の冷菓。 - 前記柑橘類が、ミカン属の柑橘類である、
請求項1又は2に記載の冷菓。 - 前記ミカン属の柑橘類が、レモン又はオレンジである、
請求項3に記載の冷菓。 - 前記柑橘類に由来する食物繊維の量が、前記冷菓の質量を基準として、0.005~3質量%である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の冷菓。 - 前記柑橘類に由来する食物繊維が、水不溶性食物繊維を含み、
前記水不溶性食物繊維の量が、前記柑橘類に由来する食物繊維の質量を基準として、50~90質量%である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の冷菓。 - 前記柑橘類に由来する食物繊維が、水溶性食物繊維を含み、
前記水溶性食物繊維の量が、前記柑橘類に由来する食物繊維の質量を基準として、5~30質量%である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の冷菓。 - 前記食品固形物の比重が、0.7~1.2である、
請求項1~7のいずれか一項に記載の冷菓。 - 前記冷菓の表面に、液体を収容するための凹部が形成されている、
請求項1~8のいずれか一項に記載の冷菓。
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