JP7055621B2 - 品質が向上した冷菓 - Google Patents
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Description
また、溶融等による冷菓の形状の変化や、内容成分の濃度の不均一化が起き、この場合、冷菓を再び-18℃以下で冷凍しても元の状態に戻すことはできないので、冷菓の商品としての価値が低下する。
しかし、ウェランガムを冷菓に用いることにより発揮される物性及び機能性の向上や改良についての検討はなされていない。
項1.ウェランガム並びにカラギナン及び/又はキサンタンガムを含有する冷菓。
項2.さらにアンモニウム塩を含有する項1に記載の冷菓。
項3.ウェランガム並びにカラギナン及び/又はキサンタンガムを含有する冷菓用品質向上剤。
項4.さらにアンモニウム塩を含有する項3に記載の冷菓用品質向上剤。
本発明の冷菓は、ウェランガム並びにカラギナン及び/又はキサンタンガムを含有することを特徴とする。
(1)ヒートショック耐性(離水抑制効果、糖分の染み出し抑制効果)の向上
(2)オーバーラン性の向上
(3)保形性、造形性の向上。
なお、本発明の冷菓は、離水が抑制されることから、離水した水分によって、コーンや最中のサクサク、パリッとした食感が喪失することを抑制できる。
本発明でいう品質の向上とは、上記(1)~(3)の一部又は全部の効果を含む概念である。
また、本発明の冷菓におけるウェランガムの含量は、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。当該含量とすることにより、冷菓ミックスの粘度上昇による作業効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の冷菓におけるカラギナンの含量は、好ましくは0.25質量%以下であり、より好ましくは0.15質量%以下である。当該含量とすることにより、冷菓ミックスの粘度上昇による作業効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の冷菓におけるキサンタンガムの含量は、好ましくは0.5質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以下である。当該含量とすることにより、冷菓ミックスの粘度上昇による作業効率の低下を抑制することができる。
本発明の冷菓は、当該問題を解決する観点からは、ウェランガム並びにカラギナン及び/又はキサンタンガムに加え、アンモニウム塩を含有することが好ましい。本発明によれば、冷菓ミックスの粘度が高い場合であっても、アンモニウム塩を含有することにより、冷却効率の減退が抑制され、冷菓中の未凍結部の割合が減少するため、当該部の離水等の抑制を通じて、より品質が向上した冷菓を提供できる。
また、本発明の冷菓におけるアンモニウム塩の含量は、好ましくは0.3質量%以下であり、より好ましくは0.15質量%以下である。当該含量とすることにより、冷菓の造形性の悪化を抑制することができる。
なお、本発明の冷菓における可溶性固形分の含量は、好ましくは1~60質量%であり、より好ましくは10~40質量%である。かかる可溶性固形分の成分としては、通常冷菓に使用される水溶性の固形分であれば特に制限はなく、通常の冷菓と同様の構成をとることができる。
本発明の冷菓用品質向上剤は、ウェランガム並びにカラギナン及び/又はキサンタンガムを含有することを特徴とし、ウェランガム及びカラギナンを含有することが好ましい。本発明の冷菓用品質向上剤を冷菓に含有させることにより奏される効果は上記(i)の記載を援用できる。
本発明の冷菓用品質向上剤は、公知の冷菓の製造工程にて、冷菓に含有させることができる。通常、原料の .量混合の工程において、本発明の冷菓用品質向上剤を他の原料と合わせて .量混合し、冷菓を製造することができる。
次の処方に示す、冷菓(ラクトアイス)を調製した。使用した多糖類等とその添加量を表1に示す。なお、調製された冷菓は、全固形分33.6%、無脂乳固形分8.6%、植物油脂分9.0%及び甘味度14.3であった。
(%)
砂糖 13.5
脱脂粉乳 9
ヤシ油 9
水あめ 3
多糖類等 表1参照
乳化剤 0.25
香料 0.05
水にて全量 100
1)水あめ及び水を撹拌しながら、予め粉体混合した砂糖、脱脂粉乳、多糖類等、乳化剤及び香料を添加して加熱撹拌した。
2)80℃達温後、ヤシ油を添加し、温度を保持したまま10分間撹拌溶解した。
3)ホモジナイザーにて均質化(第一段10MPa、第二段5MPa)した。
4)5℃以下まで冷却後、一晩エージングした。
5)バッチ式フリーザーにてフリージングを行った。
6)カップに充填して-40℃で急速凍結した。
粘度測定条件:BL型粘度計、ローター適宜、5℃、60rpm、1分間測定
結果を表2に示す。
<離水抑制評価>
調製された冷菓を、室温においてろ紙の上に45分間静置した。その後、冷菓を取り除いたろ紙の質量を測定し、次の式に基づいて離水率を算出した。離水率が低いほど、冷菓の離水が少ないことを意味する。結果を表2に示す。
離水率=ろ紙の吸水量/冷菓の質量×100
(※ろ紙の吸水量=45分後のろ紙の質量-試験前のろ紙の質量)
実験例1で調製された冷菓(実施例1及び2、比較例1~4)につき、保形性及び造形性の評価を以下の方法により行った。
<保形性評価>
冷菓をカップから取り出し網の上に乗せ、溶け出し時間(最初に垂れ落ちた時間)を記録した。溶け出し時間が遅いほど、冷菓の保形性が高いことを意味する。結果を表3に示す。
<造形性評価>
フリージング直後の冷菓を絞り出し袋に充填し、ろ紙の上に円錐状に絞り出し、絞り出し5分後の冷菓の外観形状を目視で確認した。絞り出し5分後の実施例1の外観形状(エッジのシャープさ及び表面のなめらかさ)の評価を+とし、実施例1と比較して絞り出し5分後の外観形状の変化が大きくなる順に、-<--<---と評価した。結果を表3に示す。
実験例1で調製した冷菓ミックス(実施例1~5、比較例2)につき、フリージングにおける最高オーバーラン値(%)を測定した。結果を表4に示す。
実験例1で調製された冷菓ミックス(実施例1及び4)につき、フリージング開始から13分後の冷菓ミックスの温度を測定した。
結果を表5に示す。
Claims (4)
- ウェランガム並びにカラギナン又はキサンタンガムを含有する冷菓であって、以下1)~4)を満たす冷菓;
1)前記冷菓におけるウェランガムの含量が、0.01質量%以上0.5質量%以下である、
2)前記冷菓におけるカラギナンの含量が0.003質量%以上0.15質量%以下、又は前記冷菓におけるキサンタンガムの含量が0.01質量%以上0.3質量%以下である、
3)前記冷菓におけるウェランガムとカラギナン又はキサンタンガムの含有比率が3:1~1:3である、
4)前記冷菓が、アイスクリーム類である。 - さらにアンモニウム塩を含有する請求項1に記載の冷菓。
- ウェランガム並びにカラギナン又はキサンタンガムを含有し、以下1)~3)を満たすように冷菓に添加される冷菓用品質向上剤であって、前記冷菓が、アイスクリーム類である、冷菓用品質向上剤;
1)前記冷菓におけるウェランガムの含量が、0.01質量%以上0.5質量%以下である、
2)前記冷菓におけるカラギナンの含量が0.003質量%以上0.15質量%以下、又は前記冷菓におけるキサンタンガムの含量が0.01質量%以上0.3質量%以下である、
3)前記冷菓におけるウェランガムとカラギナン又はキサンタンガムの含有比率が3:1~1:3である。 - さらに、アンモニウム塩を含有する請求項3に記載の冷菓用品質向上剤。
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JP2009159908A (ja) | 2008-01-09 | 2009-07-23 | Asahi Kasei Chemicals Corp | セロオリゴ糖を含有する冷菓 |
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-
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- 2017-11-28 JP JP2017227894A patent/JP7055621B2/ja active Active
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Title |
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CP Kelco, Xanthan Book 8th edition, 2008, p.1-32 |
前田和寛 他,食品開発の可能性を広げる新規多糖類『ウェランガム』, FFI ジャーナル, 2016年5月発行, vol.221, no.2, p.179 |
Also Published As
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---|---|
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