JP2024007297A - 冷凍温度域喫食用又は解凍後チルド温度域喫食用水中油型フィリングクリーム - Google Patents

冷凍温度域喫食用又は解凍後チルド温度域喫食用水中油型フィリングクリーム Download PDF

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Abstract

【課題】冷凍温度域でもソフトで滑らかな食感であり、広い温度域に亘り硬さ及び甘味の感じ方を良好とできる、冷凍温度域喫食用又は解凍後チルド温度域喫食用フィリングクリームを提供すること。
【解決手段】油分含量が31~60質量%、且つ、対水糖濃度が100~300質量%である冷凍温度域喫食用又は解凍後チルド温度域喫食用水中油型フィリングクリーム。使用油脂のSFCがマイナス10℃で10%未満であることが好ましい。糖類の含有量が20~50質量%であることも好ましい。糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が65~100質量%であることも好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は冷凍温度域での喫食や解凍後チルド温度域での喫食に適した水中油型フィリングクリームに関する。
食品、とくにソフトな食感の食品は水を多く含むため、水の融点温度の0℃超の温度で喫食するのが普通である。0℃以下の冷凍温度域では凍結してしまい硬すぎて喫食が困難になるからである。
しかし、冷涼な食感を求めて、このような冷凍温度域で喫食する食品も存在する。アイスクリームやアイスケーキ等の冷菓が代表的な食品であるが、近年は冷凍食品が普及していることから、冷凍庫から出してそのまま冷凍状態のまま喫食可能な冷凍食品も多くなってきている。そのような例として、パンやケーキなど澱粉系のベーカリー製品が挙げられる。このベーカリー製品は比較的水分の少ない中間水分系食品であること、さらには一般に気泡を多く含み、且つ、その気泡膜が十分に薄いことから、冷凍温度域でもある程度のソフト性を有するためである。
ここで、ベーカリー製品は、商品の味、香り、食感および外観に変化を与えることを目的として各種フィリングが用いられている。以下、そのようなベーカリー製品に用いられるフィリングを「ベーカリーフィリング」とも称する。このベーカリーフィリングには、ホイップクリームやフラワーペースト、バタークリームやファットスプレッドなどのフィリングクリームが多く用いられる。このフィリングクリームはベーカリー製品本体と異なり水分や油分が極めて多いため、冷凍温度域ではその油脂や水分が凝固して非常に硬い食感になってしまう。そのため、パンやケーキ自体の硬さや口溶けと、フィリングの硬さや口溶けが大きく乖離し、常温域で喫食する際のような2者の良好な食感バランスが失われてしまう。また、常温域と冷凍温度域では風味の感じ方、とくに甘味の感じ方が大きく変わるため、この点でも常温域で喫食する際のような美味しさが感じられなくなってしまう。
また、アイスクリームやアイスケーキ等の冷菓においても、商品の味、香り、食感および外観に変化を与えることを目的として、各種フィリングが用いられる。以下、そのような冷菓に用いられるフィリングを「冷菓用フィリング」とも称する。この冷菓用フィリングは、チョコチップ、コーティングチョコ、アイシング、ドライフルーツなどの硬い食感のものもあるが、ジャム、フルーツソース、フルーツペーストなどのフィリングクリームも多く用いられる。この冷菓用フィリングについても、上記のベーカリー製品に使用されるフィリングクリーム同様の問題があるが、特にアイスクリームなどの冷菓は上記のベーカリー製品と違って口中で瞬間的に溶けてしまうため、ベーカリー用以上に硬さや口溶けの問題は大きい。
このように、冷凍温度域で喫食するフィリングクリームでは、常温域で喫食されるフィリングクリームとは異なる特性が要求される。そこで、冷凍温度域での噛みくちを軽くし、歯どおりのよいフィリングを得るために、フィリングクリームに含まれる気泡の量を多くする方法が多く行われている。しかし、この気泡の量を調整する方法では軽い食感ではあるが脆い食感になってしまうため、クリームのようなソフトで滑らかな食感が得られない問題があった。
このような冷凍状態でもソフトで滑らかなクリーム状の食感のフィリングについては、単糖類や二糖類、あるいは糖アルコールを使用し、配合水の等量から2倍量の糖含量とすることで特定の水分活性としたクリーム(例えば特許文献1、2参照)や、配合水の2倍超の糖アルコールを使用したクリーム(例えば特許文献3参照)、さらには、特定組成の油脂を使用した油性ソースやシュガークリーム(例えば特許文献4~6参照)が提案されている。
しかし、特許文献1~3のクリームは甘味を強く鋭く感じてしまう問題があることに加え、滑らかな食感とならない問題があった。さらには製造時にクリームが増粘し、安定製造ができないという問題もある。そしてフィリングの呈味成分として抹茶原料やカカオ粉末などの粉末原料を使用する場合は自由水が少なく溶解し難いことからだまを生じてしまうため、十分な量を添加することができず、十分な風味のあるフィリングクリームにならないという問題があった。
また、特許文献4~6の油性ソースやシュガークリームは、冷凍温度域から常温域でほぼ一定の硬さの油脂を使用することで、冷凍温度域でも滑らかな食感とすることができるが、水相の配合組成によっては油分分離が起こる問題があることに加え、特許文献4のフィリングはややざらつきのある食感になる問題があり、特許文献5のフィリングは水分をほとんど含まないことからみずみずしい食感のクリームにはならないという問題があり、特許文献6のフィリングは冷凍温度域では甘味がほとんど感じられないため、甘味を主体とするベーカリーフィリングや冷菓フィリングには使用できないという問題もあった。
なお、冷凍喫食用クリームでは、特にベーカリーフィリング用の場合は、上記のようにベーカリー製品自体は本来常温で喫食するものであるため、流通は常温でも問題ないため、喫食までの期間に冷凍解凍が繰り返される可能性もあること、さらには、同じ理由で、冷凍温度域だけでなく、解凍してチルド温度域(1℃から15℃程度)での喫食する場面も想定されることから、使用されるフィリングクリームには冷凍解凍耐性も必要となる。さらにベーカリーフィリング用の場合は、ベーカリー生地で包餡する場合など、ベーカリー生地にフィリングして使用した場合、焼成時に溶融したり焼流れしないなどの耐熱保形性も必要となる。
この点において、特許文献1~6のクリーム、油性ソース、及びシュガークリームは、このような使用方法が想定されていないため、冷凍解凍すると乳化が破壊され、油分分離や水分分離を起こしてしまいやすく、また、焼成時の耐熱保形性も十分ではないという問題もあった。
特開昭53-104767号公報 特開昭60-153756号公報 特開昭62-151140号公報 特開平07-087895号公報 特開2002-020785号公報 特開2014-198033号公報
従って本発明の目的は、冷凍温度域でもソフトで滑らかな食感であり、冷凍温度域からより高温側にかけて広い温度域に亘り硬さ及び甘味の感じ方を良好に維持できる、水中油型フィリング材を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、油分含量が高い範囲で対水糖濃度を一定範囲に調整した水中油型乳化物が上記問題を解決可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下〔1〕~〔9〕を提供するものである。
〔1〕 油分含量が31~60質量%、且つ、対水糖濃度が100~300質量%である冷凍温度域喫食用又は解凍後チルド温度域喫食用水中油型フィリングクリーム。
〔2〕 使用油脂のSFCがマイナス10℃で10%未満である〔1〕記載の水中油型フィリングクリーム。
〔3〕 糖類の含有量が20~50質量%である〔1〕又は〔2〕記載の水中油型フィリングクリーム。
〔4〕 糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が65~100質量%である〔1〕~〔3〕の何れかに記載の水中油型フィリングクリーム。
〔5〕 クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分を含有する〔1〕~〔4〕の何れかに記載の水中油型フィリングクリーム。
〔6〕 水溶性食物繊維を含有する〔1〕~〔5〕の何れかに記載の水中油型フィリングクリーム。
〔7〕 冷菓フィリング用である〔1〕~〔7〕の何れかに記載の水中油型フィリングクリーム。
〔8〕 ベーカリーフィリング用である〔1〕~〔7〕の何れかに記載の水中油型フィリングクリーム。
〔9〕 油分含量が31~60質量%、且つ、対水糖濃度が100~300質量%であり、冷菓フィリング用又はベーカリーフィリング用である、水中油型フィリングクリーム。
本発明の水中油型フィリングクリームは、冷凍状態のまま食べてもソフトで滑らかな食感である。また、冷凍温度域からより高温側にかけて広い温度域に亘り、硬さ及び甘味の感じ方が良好な状態を維持できる。
以下、本発明の水中油型フィリングクリームについてその好ましい実施形態を説明する。本発明の水中油型フィリングクリームは、油分含量が31~60質量%、且つ、対水糖濃度が100~300質量%であり、冷凍温度域喫食用、解凍後チルド温度域喫食用に適したものである。
本発明の水中油型フィリングクリームは、広い温度帯で硬さの変化や甘味の感じ方の変化が少ないクリームとすることが可能である点で、油脂の含有量(以下、「油分含量」ともいう。)は、31~60質量%、好ましくは35~55質量%、さらに好ましくは40~50質量%である。該油脂の含有量が31質量%未満であると、滑らかな食感が得られないことに加え、温度によって甘味の感じ方が変わってしまい、とくに糖アルコールを使用した場合に甘味の感じ方が鋭くなりすぎてしまう。一方、60質量%を超えると、乳化安定性が悪化し、べとつきやすく、油分が分離しやすくなることに加え、水中油型フィリングクリームの口溶けがワキシーになる等の問題が発生する。
なお、本発明の水中油型フィリングクリームに、油脂を含有する副原料を使用した場合は、上記油脂の含有量には、それらの副原料に含まれる油脂分も含めるものとする。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。これらの油脂は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組合せて用いることもできる。これらの中でも、冷凍温度域で、よりソフトな食感が得られる点で、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油などの常温(25℃)で液状である油脂や、さらに分別により結晶成分を減じたサラダ油を使用することが好ましい。特にサラダ油でなくとも冷凍温度域まで油脂結晶が出にくく、得られるフィリングクリームが温度による硬さの変化が出にくいことから、大豆油が好ましい。
本発明の水中油型フィリングクリームは、配合油脂のSFC(固体脂含量)が、冷凍温度域でよりソフトな食感とする点や水中油型フィリングクリームの外観の透明性の向上の点等のために、マイナス10℃で10%未満であることが好ましく、さらに好ましくは0~8%、最も好ましくは0~5%である。
また、長期間の冷凍や、より低い温度でも良好な食感を求める場合は、マイナス20℃で30%未満であることが好ましく、さらに好ましくは0~25%、最も好ましくは0~15%である。
上記SFCは、次のようにして測定する。即ち、配合油脂を60℃に30分保持し、油脂を完全に融解し、そしてこれを上記測定温度に60分保持後、SFCを測定する。
本発明の水中油型フィリングクリームは、対水糖濃度が100~300質量%、好ましくは150~300質量%、より好ましくは200~300質量%、最も好ましくは200~250質量%であることを特徴の一つとする。上記対水糖濃度が100質量%未満であると、冷凍温度域でソフトな食感が得られないことに加え、チルド温度域から常温域で流動状になってしまうためベーカリー製品へのフィリング作業時に作業性が極めて悪くなってしまう。また300質量%超であると、甘味が強くなりすぎることに加え、糖類の結晶が析出して白濁してしまう問題もある。
なお、ここでいう対水糖濃度とは、水中油型フィリングクリームに含まれる水の質量(配合する水及び配合材料に由来する水分の合計量)に対する糖類(配合するすべての糖類)の質量の割合を示すものである。
本発明の水中油型フィリングクリームの糖類の含有量は、固形分として、好ましくは20~50質量%、より好ましくは25~49質量%、更に好ましくは30~45質量%である。糖類の含有量が20質量%以上であることで、冷凍温度域でソフトな食感が得られることに加え、甘味が感じられる。また、50質量%以下であると、チルド温度から常温域で軟らかくなりすぎてフィリング時の作業性が悪くなってしまうことを防止しやすく、甘味が強く感じやすい等の問題を防止しやすい。
上記糖類としては、単糖、二糖、オリゴ糖及びこれらの糖アルコールが挙げられ、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、液糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元水飴(例えば、高糖化還元水飴、還元麦芽糖水飴等)、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元乳糖(ラクチトール)、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、パラチニット、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、オリゴ糖アルコール、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組合せて用いることもできる。
本発明では、冷凍から常温の広い温度帯において甘味の感じ方に変化の少ない水中油型フィリングクリームとすることができる点で、糖組成における糖アルコール含量が50~100質量%であることが好ましく、75~100質量%であることがさらに好ましく、90~100質量%であることが特に好ましい。
なお、糖アルコールとは、単糖、単糖が2~10分子結合したオリゴ糖、デキストリン、水飴、デンプン等を、発酵や水素添加により還元して得られるものである。具体的には、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、パラチニット、還元乳糖(ラクチトール)、直鎖オリゴ糖アルコール、分岐オリゴ糖アルコール、還元水飴(例えば、高糖化還元水飴、還元麦芽糖水飴等)を挙げることができる。単糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール等が挙げられ、二糖アルコールとしては、マルチトール、ラクチトール等が挙げられる。多くの場合、還元水飴にも、単糖アルコール及び/又は二糖アルコールが含有されている。本発明においては、これらの糖アルコールを単独で用いることができ、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本明細書において、「糖組成」の語は、糖類組成の意図である。
なお、本発明の水中油型フィリングクリームでは、糖組成における、単糖類及び二糖類の含量の総和が好ましくは65~100質量%、より好ましくは80~95質量%である。単糖類及び二糖類とは、単糖、二糖及びこれらの糖アルコールを指す。
また、本発明の水中油型フィリングクリームでは、糖組成における、3糖以上の糖類の含量は、0~35質量%であることが好ましく、5~20質量%であることがより好ましい。3糖以上の糖類としては、単糖が3分子以上結合したオリゴ糖やデキストリン等が挙げられる。
上記の糖組成範囲とすることにより、冷凍から常温の広い温度帯において硬さ変化が少なく、また、ベーカリー生地にフィリングして使用した場合に焼成時の耐熱保形性に優れる水中油型フィリングクリームとすることができる。また糖組成における、単糖類及び二糖類の含量の総和が95質量%以下であったり、3糖以上の糖類の含量が5質量%以上であることは、冷凍喫食時に甘味質及び甘味の強さが共に適度な風味を得る点で好ましい。
すなわち、本発明の水中油型フィリングクリームでは、冷凍から常温の広い温度帯において硬さ変化と甘味の感じ方に変化の少ない点で、また、ベーカリー生地にフィリングして使用した場合に焼成時の耐熱保形性に優れる点で、糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が好ましくは65~100質量%、より好ましくは80~95質量%である。
また、その際、糖組成における、3糖アルコール以上の糖アルコールの含量が0~35質量%であることが好ましく、5~20質量%であることがより好ましい。
なお、本発明の水中油型フィリングクリームでは、上記糖組成とするために、還元水飴を使用することが好ましく、とくに、冷菓フィリング用において、冷凍環境下において白濁しにくいフィリングクリームとするためには、糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が70~95質量%、好ましくは80~95質量%である還元水飴(以下、還元水飴Aという)を使用することが好ましい。
また、上記還元水飴Aは、冷凍温度域において白濁しないための糖組成が最も優れていることから、還元水飴A中の4糖アルコール以上の糖アルコールの含量が0~10質量%であることが好ましく、1~10質量%であることがより好ましく、1~9質量%であることがさらに好ましい。
本発明の水中油型乳化物に含有される還元水飴Aの量は、求める食感によっても異なるが、水中油型乳化物基準で、25~65質量%であることが好ましく、40~60質量%であることがより好ましい。
本発明の水中油型フィリングクリームは、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分を含有するものであることが好ましい。
以下に、本発明の水中油型フィリングクリームに用いられる、上記のクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分について述べる。
クリームとは、生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したものをいう。バターとは、生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したものをいう。バターオイルとは、クリーム又はバターからほとんどすべての乳脂肪以外の成分を除去したものをいう。
本発明で用いられる、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分、及びバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、出発原料をクリームとするか、バターとするかの違いはあるが、双方とも、通常のクリームからバターを製造する際に生じるいわゆるバターミルクとは組成が大きく異なり、リン脂質を多量に含有しているという特徴がある。バターミルクは、その製法の違いによって組成が大きく異なるが、乳固形分中のリン脂質の含有量が、通常、0.5~1.5質量%程度であるのに対して、本発明で用いられるクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、1.5質量%超となる多量のリン脂質を含有しているという特徴を有している。
本発明で用いられるクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分における、乳固形分中のリン脂質の含有量は、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。
本発明の水中油型フィリングクリームに用いられる、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。
先ず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30~40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70~95質量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
上記のバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。
先ず、バターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
本発明に用いられるクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分における乳固形分中のリン脂質は、例えば以下のような定量方法で測定することができる。但し、抽出方法等については、以下の方法に限定されるものではない。
先ず、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分から、脂質をFolch法を用いて抽出する。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。
求められたリン量から以下の計算式を用いて、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の乳固形分100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分-クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の水分(g))×25.4×(0.1/1000)
また、本発明では、上記のクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の添加効果をさらに向上させることができる観点から、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、pHが好ましくは3~6、より好ましくは4~6、さらに好ましくは4.7~5.8となるように、酸処理を行ったものを用いてもよい。
上記酸処理を行うには、酸を添加する方法であっても、また、乳酸醗酵等の醗酵処理を行う方法であってもよいが、好ましくは酸を添加する。該酸としては、無機酸であっても有機酸であってもよいが、有機酸であることが好ましい。該有機酸としては、酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、フィチン酸、ソルビン酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等が挙げられ、果汁、濃縮果汁、発酵乳、ヨーグルト等の有機酸を含有する飲食品も用いることができるが、本発明においてはより酸味が少なく、風味に影響しない点でフィチン酸及び/又はグルコン酸を使用することが好ましい。
上記酸の添加によるpHの調整は、上記酸を上記乳原料自体に添加することにより行ってもよいし、水中油型フィリングクリームの製造時に上記酸を添加することにより行ってもよい。
また、本発明で用いる上記のクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、本発明の水中油型フィリングクリームを製造する際に、水相や予備乳化液への分散性を高めることが可能である点で、均質化処理を行なったものであることが好ましい。特に上記酸処理、カルシウム塩添加を行なう場合は、その効果を高めるために酸処理やカルシウム塩添加を行った後に均質化処理を行なうことがより好ましい。均質化処理は1回でもよく、2回以上行ってもよい。また、粘性が高い等の場合は、加水により粘度を調整してから均質化処理を行なってもよい。
上記均質化処理に用いられる均質化機としては、例えば、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、バルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル、ディスパーミル等が挙げられる。均質化圧力は特に制限はないが、好ましくは0~100MPaである。2段式ホモジナイザーを用いて均質化処理をする場合は、例えば、1段目3~100MPa、2段目0~5MPaの均質化圧力にて行ってもよい。
さらに本発明で用いる上記のクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、UHT加熱処理を行ってもよい。UHT加熱処理の条件としては特に制限はないが、処理温度は好ましくは120~150℃であり、処理時間は好ましくは1~6秒である。
このようにして得られる、本発明で用いられるクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、液状、ペースト状、粉末状、固形状等の状態のものとすることができ、本発明の水中油型フィリングクリームでは、何れの状態のものでも使用できるが、液状又はペースト状のものを使用することが、本発明の効果が安定して得られる点で好ましい。クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分中の固形分は、2~60質量%であることが好ましく、5~50質量%であることがより好ましく、10~40質量%であることがさらに好ましい。なお、溶剤を用いて濃縮したものは、溶剤による、風味の変質、タンパク質の変性に伴う機能低下の問題から用いないことが好ましい。
本発明の水中油型フィリングクリームにおける、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の含有量は、得られた水中油型フィリングクリームの官能試験結果から決定しても良いが、固形分として0.01~2質量%であることが好ましく、0.01~1質量%であることがより好ましく、0.02~0.6質量%であることがさらに好ましい。該水相成分を固形分基準で上記の範囲で含有することで、冷凍解凍時の本発明の水中油型のフィリングクリームの乳化が安定し、また、甘味の感じ方や、呈味成分を含む場合の風味発現性を向上させることができる。
本発明の水中油型フィリングクリームは、澱粉類を含有することが好ましい。
本発明の水中油型フィリングクリームは、澱粉類を含有することで、クリームに冷凍温度域から常温域までの広い温度帯で一定の安定した硬さを付与することができ、冷凍温度域において滑らかな状態を維持しつつ、冷凍解凍耐性が向上し油分分離や水分分離を抑制することが可能となる。
澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉等の小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉等のその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ―ナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉等の堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等の澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼ等の酵素で処理したものや、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理等の中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等を挙げることができ、この中から1種又は2種以上を含有することができる。
なお本発明の水中油型フィリングクリームでは、滑らかな食感のフィリングクリームとすることができる点で、澱粉粒の大きさがより小さいことが好ましく、この観点から米澱粉を使用することが好ましい。
本発明の水中油型フィリングクリームにおける澱粉類の含量は、水中油型乳化物基準で、0.5~10質量%であることが好ましく、1~7質量%であることがより好ましく、3.0~5.0質量%であることがさらに好ましい。
本発明の水中油型フィリングクリームは、水溶性食物繊維を含有することが好ましい。
本発明の水中油型フィリングクリームは、水溶性食物繊維を含有することで、クリームに冷凍温度域から常温域までの広い温度帯で一定の安定した硬さを付与することができ、また、ベーカリーフィリング用として使用する場合において、ベーカリー生地にフィリングして使用した場合に、焼成時の耐熱保形性を付与することができる。また、冷凍温度域において滑らかな状態を維持しつつ、冷凍解凍耐性が向上し油分分離や水分分離を抑制することも可能となる。さらには、糖アルコールを使用した場合の鋭い甘味の質をやわらげ、食感を滑らかなものとすることができる。
食物繊維とは、栄養学的に「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義され、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類される。本発明に用いることのできる水溶性食物繊維としては、例えば、ポリデキストロース、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、グルコマンナン、寒天(アガロース)、キサンタンガム、ローカストビーンガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、イヌリン、イソマルトデキストリン、難消化性デキストリン等が挙げられるが、本発明の水中油型フィリングクリームでは、水溶性食物繊維の中でも、とりわけ寒天を選択して使用することが、上記効果、とくに焼き残り耐性が安定して高く得られる点で好ましい。
上記寒天としては特に制限されず、従来から食品用に使用されているものであればよく、例えば、主に紅藻類のテングサ、オゴノリ等から抽出して得られた寒天が挙げられる。この寒天には、糸寒天、棒寒天、フレーク寒天、粉末寒天等が含まれる。また、なんらかの方法で物性を改変した寒天も使用することができる。なお、物性を改変した寒天としては、ゲル強度を高めたもの、ゲル強度を弱めたもの、粘弾性を高めたもの、粘弾性を低減したもの、高融点化したもの、低融点化したもの等が挙げられる。本発明ではこれらのうちの1種または2種以上をとくに限定することなく使用することができる。
なかでも、食感の滑らかさを得る観点から低強度寒天であることが好ましい。本発明に好ましく用いられる低強度寒天とは通常の寒天を構成する多糖類を低分子化することにより作られたものである。通常の寒天が1.5質量%溶液で400~900g/cm程度のゲル強度を示すのに対し、本発明において好ましく用いられる低強度寒天は、おおよそ30~200g/cmという低いゲル強度を示す。なお、このゲル強度は、日寒水式測定法により測定されたものであり、寒天の1.5%溶液を調製し20℃で15時間放置し、凝固させたゲルについて、その表面1cm当たり20秒間耐えうる最大重量〔g〕をもってゲル強度とする測定法により、測定されたものである。
このような低強度寒天の具体例としては、伊那食品工業株式会社製のウルトラ寒天イーナ、ウルトラ寒天UX-30、ウルトラ寒天AX-30、ウルトラ寒天UX-100、ウルトラ寒天AX-100、ウルトラ寒天UX-200、ウルトラ寒天AX-200、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、低強度寒天のうちでも特に日寒水式測定法により測定されたゲル強度が、50~200g/cmとなるような低強度寒天を使用することが好ましく、50~150g/cmとなるような低強度寒天を使用することがより好ましい。
この好ましいゲル強度を有する低強度寒天の一例としては、例えば上記具体例のうちでは、伊那食品工業株式会社製のウルトラ寒天UX-100、ウルトラ寒天AX-100、ウルトラ寒天UX-200、ウルトラ寒天AX-200が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の水中油型フィリングクリーム中の水溶性食物繊維の含有量は、求める水中油型フィリングクリームの食感や物性によって適宜調製されるが、0.01~1.0質量%含有されることが好ましく、0.03~0.5質量%であることがより好ましい。また、低強度寒天を用いる場合、水中油型フィリングクリーム中の含有量は、0.05~1.0質量%であることが好ましく、0.1~0.5質量%であることがより好ましい。
また、本発明の水中油型フィリングクリームの水の含有量は、好ましくは10~30質量%、さらに好ましくは10~20質量%である。ここでいう水の含有量とは、配合する水の他、配合材料に由来する水分を含めたものである。
本発明の水中油型フィリングクリームには、通常水中油型フィリングクリームの原料として使用し得るその他の食品素材や食品添加物を使用することが可能であり、例えば、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリン酒石酸脂肪酸エステル・グリセリンクエン酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・レシチン・リゾレシチン等の乳化剤、全卵・卵黄・卵白・乾燥全卵・乾燥卵黄・乾燥卵白・酵素処理卵黄・酵素処理全卵などの卵類、酢酸・乳酸・グルコン酸等の酸味料、牛乳・練乳・脱脂粉乳・カゼイン・ホエーパウダー・バター・クリーム・ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・発酵乳・バターゼラム等の乳や乳製品、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β-カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白等の植物蛋白、ホエー蛋白濃縮物・乳脂肪球皮膜蛋白質・トータルミルクプロテイン等の乳蛋白や動物蛋白、炭酸カルシウム・卵殻カルシウム・二酸化チタンなどの白色化剤、着香料、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、酵素、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、香辛料抽出物、カカオマス、ココアパウダー、野菜類、肉類、魚介類等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の水中油型フィリングクリームは乳化型が水中油型であることに特徴を有するものである。ここで乳化型が油中水型であると使用する油脂の物性が直接的にフィリングクリームの物性に影響するため、広い温度帯で一定の物性にならない。
なお、本発明の水中油型フィリングクリームにおける水中油型とは水相が連続性である乳化型のことであり、水中油型のもの以外に、水中油中水型も含むものである。
本発明の水中油型フィリングクリームは、液状、流動状、ペースト状、ゲル状、固形状等の状態のものとすることができ、本発明では、何れの状態のものでも使用できるが、本発明の効果がより高く得られる点から流動状、ペースト状、ゲル状のいずれかの形態のものを用いることが好ましい。
本発明の水中油型フィリングクリームの製造方法について述べる。
本発明の水中油型フィリングクリームは、例えば、対水糖濃度が100~300質量%となるように糖類及び水を含む水相に、油分含量が31~60質量%となるように油相を添加して予備乳化組成物を作成し、均質化処理した後、加熱することによって製造することができる。
具体的には、まず、水を60℃に加熱して、糖類、必要に応じて澱粉類を加え、好ましくはさらにクリーム又はバターからバターオイルを得る際に生じる水相成分、その他水溶性原料を加えて攪拌・混合し、分散・溶解させ、水相を調製する。なお、水中油型フィリングクリームの配合中に、液糖を含むものであって、水が上記の原料を分散・溶解できる程度に含有されていない場合においては、液糖を60℃に加熱して、この中に上記の原料と水を分散・溶解させたものを水相としてもよい。
次に、油脂を60℃に加熱して融解した後、必要に応じて油溶性原料を加えて攪拌・混合し、油相を調製する。
得られた油相と水相を混合して攪拌し、予備乳化物を得る。この際、水相と油相の比率(水相:油相、質量基準)を40:60~69:31とすることが、得られる水中油型フィリングクリームの経時的な油水分離を避ける観点から好ましい。なお、澱粉類は、作業性の点から、油相に添加し分散させてもよい。
得られた予備乳化組成物は、バルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により、好ましくは圧力0~80MPaの範囲で均質化した後、加熱する。加熱は、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT、HTST、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理、あるいは直火等を用いた加熱調理により行なうことができる。加熱温度や加熱時間は、選択する加熱方式等により異なるが、加熱温度は60~160℃が好ましく、加熱時間は0.01~30分が好ましい。
このようにして得られた水中油型フィリングクリームは、必要により、再度均質化してもよい。また、必要により、加熱後に急速冷却、徐冷却等の冷却操作を施してもよく、エージングを行ってもよい。さらに、得られた水中油型フィリングクリームは、必要により、冷蔵状態もしくは冷凍状態で保存してもよい。
このようにして得られた本発明の水中油型フィリングクリームは、冷凍温度域又は冷凍後チルド温度域で喫食する飲食品に広く使用することができるが、ベーカリーフィリング用又は冷菓フィリング用として使用することが好ましい。
なお、本発明において「常温域」とは16~25℃を指し、「チルド温度域」とは1~15℃、「冷凍温度域」とは-50~0℃を指すものとする。
ここで上記ベーカリーフィリング用として使用する場合のベーカリー製品としては、特に限定されるものではないが、例えば、食パン、バラエティブレッド、菓子パン、フランスパン、イギリスパン、ライ麦パン、デニッシュ・ペストリー、イングリッシュマフィン、グリッシーニ、コーヒーケーキ、ブリオッシュ、シュトーレン、パネトーネ、クロワッサン、イーストパイ、ピタ、ナン、マフィン、蒸しパン、イーストドーナツ、ワッフル、パイ等のパン類や、スナックカステラ、バターケーキ、スポンジケーキ、シフォンケーキ、サンドケーキ等のケーキ類が挙げられる。
フィリング方法としては、ベーカリー生地段階でフィリングする方法とベーカリー製品にフィリングする方法があるがどちらでも利用可能であるが、ベーカリー生地段階でフィリングする方法に使用する場合は、上述のように、澱粉類及び/又は水溶性食物繊維を含有する水中油型フィリングクリームを使用することが好ましい。
ベーカリー生地段階でフィリングする方法としてはベーカリー生地に包餡、サンド、トッピング、スプレッド、分散、練込、折込などの方法が挙げられるが包餡が好ましい。
ベーカリー製品にフィリングする方法としては注入、サンド、トッピング、スプレッドなどの方法が挙げられる。
また冷菓フィリング用として使用する場合の冷菓としては、主として、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓(アイスキャンディ等)、セミフレッドケーキ、冷凍ケーキ、冷凍パン、冷凍パイ、冷凍クッキー、アイス最中、アイスコーン等の冷凍温度域で喫食する菓子類が挙げられる。
冷菓にフィリングする方法としては、包餡、充填、注入、サンド、トッピング、分散、練込、折込などの方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限されるものではない。
<水中油型フィリングクリームの製造>
〔実施例1〕
60℃に加温した大豆液状油(マイナス10℃におけるSFCは2%、マイナス20℃におけるSFCは15%)45質量%に、ホエイ蛋白質(ラクプロダン80:アーラフーズ株式会社製)0.4質量%、及び米澱粉(松谷ききょう:松谷化学工業株式会社製)3.9質量%を添加し分散させて油相とした。還元水飴(エスイー600:物産フードサイエンス社製)(固形分70質量%、糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が80~95質量%)50.7質量%を60℃まで加熱し、水相とした。上記油相と水相を65℃に調温した状態で30分混合し、加熱殺菌し予備乳化物を得た。この予備乳化物をコロイドミルを用いて3500rpmの条件下で均質化し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填した。これを22℃まで冷却し、ペースト状である、本発明の水中油型フィリングクリームAを得た。得られた水中油型フィリングクリームAの詳細は表1に示した。
〔実施例2〕
60℃に加温した大豆液状油(マイナス10℃におけるSFCは2%、マイナス20℃におけるSFCは15%)45質量%に、ホエイ蛋白質(ラクプロダン80:アーラフーズ株式会社製)0.4質量%、ゼラチン0.2質量%、及び米澱粉(松谷ききょう:松谷化学工業株式会社製)3.9質量%を添加し分散させて油相とした。還元水飴(エスイー600:物産フードサイエンス社製)(固形分70質量%、糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が80~95質量%、4糖アルコール以上の糖アルコールの含量が2~10質量%)49.5質量%を60℃まで加熱し、ここに、クリームからバターミルクを得る際に生じる水相成分(株式会社ADEKA製、リン脂質含有量3.7質量%、タンパク質含有量10.5質量%、乳固形分38質量%、及び乳固形分中のリン脂質の含有量9.7質量%)1質量%を添加混合し水相とした。上記油相と水相を65℃に調温した状態で30分混合し、加熱殺菌し予備乳化物を得た。この予備乳化物をコロイドミルを用いて3500rpmの条件下で均質化し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填した。これを22℃まで冷却し、ペースト状である、本発明の水中油型フィリングクリームBを得た。得られた水中油型フィリングクリームBの詳細は表1に示した。
〔実施例3〕
実施例2で使用した大豆液状油に代えてパームスーパーオレイン(マイナス10℃におけるSFCは15%以上、マイナス20℃におけるSFCは30%以上)を使用した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームCを得た。得られた水中油型フィリングクリームCの詳細は表1に示した。
〔実施例4〕
実施例2の水相において、還元水飴(エスイー600)49.5質量%を45質量%に変更し、水を4.5質量%添加した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームDを得た。得られた水中油型フィリングクリームDの詳細は表1に示した。
〔実施例5〕
実施例2の水相において、還元水飴(エスイー600)49.5質量%を40質量%に変更し、水を9.5質量%添加した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームEを得た。得られた水中油型フィリングクリームEの詳細は表1に示した。
〔比較例1〕
実施例2の水相において、還元水飴(エスイー600)49.5質量%を35質量%に変更し、水を14.5質量%添加した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である比較例の水中油型フィリングクリームFを得た。得られた水中油型フィリングクリームFの詳細は表1に示した。
〔実施例6〕
実施例2の水相において、還元水飴(エスイー600)49.5質量%をソルビトール液糖(ソルビットT70(三菱商事フードテック株式会社製)(固形分70質量%、糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が100質量%)49.5質量%に変更した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームGを得た。得られた水中油型フィリングクリームGの詳細は表1に示した。
〔実施例7〕
実施例2の水相において、還元水飴(エスイー600)49.5質量%を還元水飴(SOシロップ:三菱商事フードテック株式会社製)(固形分70質量%、糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が50質量%)49.5質量%に変更した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームHを得た。得られた水中油型フィリングクリームHの詳細は表1に示した。
〔実施例8〕
実施例2の水相において、還元水飴(エスイー600)49.5質量%を還元水飴(SOシロップ:三菱商事フードテック株式会社製)(固形分70質量%、糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が50質量%)39.5質量%に変更し、上白糖6質量部及び水4質量%を添加した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームIを得た。得られた水中油型フィリングクリームIの詳細は表1に示した。
〔実施例9〕
実施例2の水相において、還元水飴(エスイー600)49.5質量%を砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(ニューフラクトR25-40:昭和産業製)(固形分75質量%、糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が0質量%)46.2質量%に変更し、さらに水3.3質量%を添加した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームJを得た。得られた水中油型フィリングクリームJの詳細は表1に示した。
〔実施例10〕
実施例2の水相において、還元水飴(エスイー600)49.5質量%を高マルトース液糖(マルトップ75:加糖化学社製)(固形分75質量%、糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が0質量%)46.2質量%に変更し、さらに水3.3質量%を添加した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームKを得た。得られた水中油型フィリングクリームKの詳細は表1に示した。
〔実施例11〕
実施例2の水相において、還元水飴(エスイー600)49.5質量%を25質量%に変更し、上白糖13.8質量部及び水10.7質量%を添加した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームLを得た。得られた水中油型フィリングクリームLの詳細は表1に示した。
〔実施例12〕
実施例2で使用した大豆液状油45質量%を55質量%に変更し、さらに水相において還元水飴(エスイー600)49.5質量%を39.5質量%に変更した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームMを得た。得られた水中油型フィリングクリームMの詳細は表1に示した。
〔実施例13〕
実施例2で使用した大豆液状油45質量%を35質量%に変更し、さらに水相において還元水飴(エスイー600)49.5質量%を59.5質量%に変更した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームNを得た。得られた水中油型フィリングクリームNの詳細は表1に示した。
〔比較例2〕
実施例2で使用した大豆液状油45質量%を26質量%に変更し、さらに水相において水19質量%を添加した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である比較例の水中油型フィリングクリームOを得た。得られた水中油型フィリングクリームOの詳細は表1に示した。
〔比較例3〕
実施例2で使用した大豆液状油45質量%を26質量%に変更し、さらに水相において還元水飴(エスイー600)49.5質量%を68.5質量%に変更した以外は実施例2の配合・製法で、ペースト状である比較例の水中油型フィリングクリームPを得た。得られた水中油型フィリングクリームPの詳細は表1に示した。
〔実施例14〕
60℃に加温した大豆液状油(マイナス10℃におけるSFCは2%、マイナス20℃におけるSFCは15%)45質量%に、ホエイ蛋白質(ラクプロダン80:アーラフーズ株式会社製)0.4質量%、脱脂粉乳1質量%、及び、乾燥卵白0.05質量%を添加し分散させて油相とした。還元水飴(SOシロップ:三菱商事フードテック株式会社製)(固形分70%、糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が50質量%)13.5質量%、及び、ソルビトール液糖(ソルビットT70(三菱商事フードテック株式会社製)(固形分70質量%、糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が100質量%)32.5質量%、ゼラチン0.2質量%、寒天(ウルトラカンテン UX-100:伊那食品工業株式会社製)(ゲル強度50~150g/cm)0.15質量%及び米澱粉(ファインスノウ:上越スターチ株式会社製)3.9質量%を60℃まで加熱し、ここに、クリームからバターオイルを得る際に生じる水相成分(株式会社ADEKA製、リン脂質含有量3.7質量%、タンパク質含有量10.5質量%、乳固形分38質量%、及び乳固形分中のリン脂質の含有量9.7質量%)1質量%、炭酸カルシウム2質量%、及び水0.3質量%を添加混合し水相とした。上記油相と水相を65℃に調温した状態で30分混合し、加熱殺菌し予備乳化物を得た。この予備乳化物をコロイドミルを用いて3500rpmの条件下で均質化し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填した。これを22℃まで冷却し、ペースト状である、本発明の水中油型フィリングクリームQを得た。得られた水中油型フィリングクリームQの詳細は表1に示した。
〔実施例15〕
実施例14における寒天0.15質量%を無添加とし、水の配合量を0.3質量%から0.45質量%に変更した以外は実施例14の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームRを得た。得られた水中油型フィリングクリームRの詳細は表1に示した。
〔実施例16〕
実施例14における寒天0.15質量%を0.3質量部とし、水の配合量を0.3質量%から0.15質量%に変更した以外は実施例14の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームSを得た。得られた水中油型フィリングクリームSの詳細は表1に示した。
〔実施例17〕
実施例14における寒天を、寒天(伊那寒天 UP-37(伊那食品工業株式会社製、ゲル強度670~730g/cm))に変更した以外は実施例14の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームTを得た。得られた水中油型フィリングクリームTの詳細は表1に示した。
〔実施例18〕
実施例14における寒天を、キサンタンガムに変更した以外は実施例14の配合・製法で、ペースト状である本発明の水中油型フィリングクリームUを得た。得られた水中油型フィリングクリームUの詳細は表1に示した。
<水中油型フィリングクリームの評価1>
上記実施例1~13及び比較例1~3で得られた水中油型フィリングクリームA~Pを絞り袋に入れ、星口金でポリカップに絞り、-20℃の冷凍庫で3週間冷凍保存し、冷凍庫から出した際の外観及び物性、並びに、冷凍状態のまま喫食した場合の食感及び風味について、以下の評価方法及び評価基準に従って評価を行ない、その結果を表2に記した。
また、冷凍庫から出してから、5℃の冷蔵庫で12時間調温して冷蔵状態で喫食した際の食感及び風味について、以下の評価基準に従って評価を行ない、その結果を表2に記した。
・外観評価基準
◎:透明で透き通るような優れた外観である。
○:やや濁りがあるものの透明感のある、良好な外観である。
△:透明度が低く、不良である。
×:表面につやのある白色である。
××:つやのない白色である。
・食感及び風味の評価方法(冷凍状態で喫食した際の食感及び風味)
水中油型フィリングクリームA~Pの食感及び風味について、21人のパネラーにより、下記評価基準に従い5段階で評価し、一番多かった回答をそのサンプルの評価とした。
・食感評価基準
◎+:ソフトで滑らかな食感であり、口溶けも良好である。
◎:わずかに硬いが、滑らかな口当たりであり、口溶けも良好である。
○:硬い食感ではあるが、口溶けは良好である。
△:硬い食感であり、口溶けも悪い。
×:ねちゃついた食感である。
・風味評価基準
◎+:甘味質及び甘味の強さが共に良好である。
◎:甘味質は良好であるが甘味がやや弱い。
○:甘味の強さは良好であるが、甘味が鋭く感じられる。
△:甘味がやや強すぎ、また甘味を鋭く感じる。
×:甘味が弱く感じられる。
・食感及び風味の評価方法(冷蔵状態で喫食した際の食感及び風味)
水中油型フィリングクリームA~Pの食感及び風味について、21人のパネラーにより、下記評価基準に従い5段階又は6段階で評価し、一番多かった回答をそのサンプルの評価とした。
・食感評価基準
◎:べたつきも無く、適度な硬さであり、滑らかな食感であり、口溶けも良好である。
○+:やや軟らかいものの、滑らかな口当たりであり、口溶けも良好である。
○:やや硬いものの、口溶けは良好である。
△:やや硬く、口溶けも不良である。
×:硬く、不良である。
××:流動状であり、極めて不良である。
・風味評価基準
◎+:甘味質及び甘味の強さが共に良好である。
◎:甘味質は良好であるが甘味がやや弱い。
○:甘味の強さは良好であるが、甘味が鋭く感じられる。
△:甘味がやや強すぎ、また甘味を鋭く感じる。
×:甘味が弱く感じられる。
表2に示すとおり、各実施例の水中油型フィリングクリームは、冷凍状態において、外観、食感及び風味の評価項目のいずれにおいても優れていた。また、冷蔵状態における食感(硬さに係る食感)及び風味(甘味質/甘味)は冷凍状態における硬さに係る食感及び風味に近いものであった。これらの各実施例と比較すると、比較例1の水中油型フィリングクリームは冷凍状態において食感及び風味の点で劣っており、また比較例2及び比較例3の水中油型フィリングクリームは冷凍状態において風味の点で劣っていた。また、比較例1~3は冷蔵状態において流動状となり、食感が極めて不良であった。
<水中油型フィリングクリームの評価2(ベーカリーフィリング試験)>
上記実施例14~18で得られた水中油型フィリングクリームQ~Uを使用し、下記配合・製法により、水中油型フィリングクリームを包餡したベーカリー生地、及びベーカリー製品(ブッセ)を得た。
(ブッセ用生地の配合)
ブッセ用生地の原料として、薄力粉100質量部、グラニュー糖120質量部、全卵(正味)160質量部、ケーキ用起泡剤(株式会社ADEKA製「ジェノワーズ」)6質量部、製菓用液状油(株式会社ADEKA製「グラシュー」)10質量部、ベーキングパウダー1質量部を用いた。
(ブッセ用生地の製法)
全卵、グラニュー糖、ケーキ用起泡剤をミキサーボールに入れ、縦型ミキサーを用いて中速で比重が0.35程度になるまで攪拌した後、薄力粉、ベーキングパウダーを加え、低速でよく混ぜ合わせた。この後、製菓用液状油を加え、比重が0.45程度になるまで攪拌し生地を調製した。
(ブッセの製法)
上記のようにして得られたブッセ用生地を、ロール紙を敷いた天板に流して、上火200℃、下火170℃で10分間焼成した。
焼成した生地をφ9.5cmのセルクルで抜き、わん型の焼き型に敷き入れ、ここに水中油型フィリングクリームを絞り、未焼成のブッセ用生地でフタをした。これを、95℃、6分30秒の条件で蒸し、ブッセを得た。
得られたブッセについて、室温で30分放冷後、-20℃の冷凍庫で3週間冷凍保存し、冷凍庫から出して5分以内に冷凍状態のまま喫食した場合の食感及び風味について、以下の評価基準に従って評価を行ない、その結果を表3に記した。
また、冷凍庫から出してから、5℃の冷蔵庫で12時間調温して冷蔵状態で喫食した際の食感及び風味について、以下の評価基準に従って評価を行ない、その結果を表3に記した。なお、その際に同時に各ブッセを中央部で割断し、水中油型フィリングクリームの状態を目視により観察し、冷凍解凍耐性及び耐熱保形性について、以下の評価基準に従って評価を行ない、その結果を表3に記した。
・食感及び風味評価方法(冷凍状態のまま、あるいは冷蔵状態で喫食した際の食感及び風味)
水中油型フィリングクリーム部分の食感及び風味について、21人のパネラーにより、下記評価基準に従い5段階で評価し、一番多かった回答をそのサンプルの評価とした。
・食感評価基準
◎+:ソフトで滑らかな食感であり、口溶けも良好である。
◎:わずかに硬いが、滑らかな口当たりであり、口溶けも良好である。
○:硬い食感ではあるが、口溶けは良好である。
△:硬い食感であり、口溶けも悪い。
×:ねちゃついた食感である。
・風味評価基準
◎+:甘味質及び甘味の強さが共に良好である。
◎:甘味質は良好であるが甘味がやや弱い。
○:甘味の強さは良好であるが、甘味が鋭く感じられる。
△:甘味がやや強すぎ、また甘味を鋭く感じる。
×:甘味が弱く感じられる。
・冷凍解凍耐性評価基準
◎:油分分離はまったく見られない。
○:油分分離はほとんど見られない。
△:やや油分分離がみられた。
×:激しい油分分離が見られた。
・耐熱保形性評価基準
◎:良好な保型性を有している。
○:やや広がっているが、良好な保型性を有している。
○-:ややダレ気味であるが、生地への浸みこみは見られない。
△:ダレ気味であり、生地への浸みこみが多く、不良である。
×:生地への浸みこみが極めて多く、極めて不良である。
表3に示すとおり、実施例14~18の水中油型フィリングクリームはいずれの評価項目においても優れていた。したがって、本発明の水中油型フィリングクリームは冷凍状態のまま食べてもソフトで滑らかな食感であるだけでなく、広い温度帯において硬さの変化や甘みの感じ方の変化が少なく、良好な状態を維持できることが分かる。


Claims (9)

  1. 油分含量が31~60質量%、且つ、対水糖濃度が100~300質量%である冷凍温度域喫食用又は解凍後チルド温度域喫食用水中油型フィリングクリーム。
  2. 使用油脂のSFCがマイナス10℃で10%未満である請求項1記載の水中油型フィリングクリーム。
  3. 糖類の含有量が20~50質量%である請求項1又は2記載の水中油型フィリングクリーム。
  4. 糖組成における、単糖アルコール及び二糖アルコールの含量の総和が65~100質量%である請求項1又は2記載の水中油型フィリングクリーム。
  5. クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分を含有する請求項1又は2記載の水中油型フィリングクリーム。
  6. 水溶性食物繊維を含有する請求項1又は2記載の水中油型フィリングクリーム。
  7. 冷菓フィリング用である請求項1又は2記載の水中油型フィリングクリーム。
  8. ベーカリーフィリング用である請求項6記載の水中油型フィリングクリーム。
  9. 油分含量が31~60質量%、且つ、対水糖濃度が100~300質量%であり、冷菓フィリング用又はベーカリーフィリング用である、水中油型フィリングクリーム。
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