JP2003235474A - 飲食品及びその製造方法 - Google Patents

飲食品及びその製造方法

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JP2003235474A JP2002362778A JP2002362778A JP2003235474A JP 2003235474 A JP2003235474 A JP 2003235474A JP 2002362778 A JP2002362778 A JP 2002362778A JP 2002362778 A JP2002362778 A JP 2002362778A JP 2003235474 A JP2003235474 A JP 2003235474A
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Yuki Sato
由紀 佐藤
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研二 平本
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佐江子 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物性、食感、風味等に優れ、チルド耐性、冷
凍耐性等の保存安定性が効果的に改善された飲食品及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】 グルコマンナンとを含む水溶液中に、内
相にアルカリ水溶液を含むW/O型エマルジョンが均一
に分散しており、pH4〜8である食品素材を、飲食品
中に0.2〜50質量%配合する。前記水溶液は、糖類
とグルコマンナンと澱粉とを含むものであることが好ま
しい。また、前記水溶液のpHは4.5〜7.5である
ことが好ましい。また、前記W/O型エマルジョンの油
脂相は、不飽和脂肪酸を50質量%以上含む油脂からな
ることが好ましい。更に、前記W/O型エマルジョン
が、油脂と乳化剤とアルカリ水溶液とを含むものである
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食感や物性等が改
善された飲食品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、飲食品の低カロリー化、食感
や物性の改良等の目的でグルコマンナンを飲食品に添加
することが行なわれている。
【0003】グルコマンナンはコンニャク芋に含まれる
多糖類であり、D−グルコースとD−マンノースがほぼ
1:1.6のモル比で、β−1,4結合により多数結合
した複合多糖類(難消化性多糖類)であって、その分子
量は約100万〜200万である。
【0004】グルコマンナンは、1)水との親和性に優
れ、保水性が極めて高い、2)天然の高分子多糖の中で
は最も粘度が高い、3)その水溶液はアルカリ性にする
と不可逆的な耐熱性のゲル(コンニャク)に変化する等
の特徴を有しており、食品に添加することにより、保水
性やしっとり感等の優れた食品を得ることができる。
【0005】飲食品にグルコマンナンを添加する場合、
通常、コンニャク粉を水に膨潤・溶解させて、コンニャ
ク糊としてから用いられているが、コンニャク糊は粘度
が高いため他の原料と均一に混合することが難しく、そ
の結果、最終製品中にコンニャクゲルの塊が生じたり、
コンニャク糊が完全にゲル化しなかったりして、所望の
食感や物性が得られにくいという問題があった。
【0006】このような問題点を解決するために、例え
ば、特許文献1には、膨潤溶解したコンニャク粉に、塩
基性アミノ酸、塩基性塩類又は両者の混合物を添加混合
して、pH9.0〜10.3のコンニャク糊とし、これ
を使用するコンニャク添加食品の製造法が開示されてい
る。
【0007】また、特許文献2には、グルコマンナンと
グルコマンナン凝固剤との混合物の粒度が、160メッ
シュ通過であることを特徴とする微粉グルコマンナン組
成物が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特公平7−73482号公報
【特許文献2】特開平10−286069号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示された
方法によれば、グルコマンナンの使い勝手の悪さをある
程度改善できるものの、充分満足できる食感や物性に優
れた飲食品を得ることは困難であった。
【0010】したがって、本発明の目的は、物性、食
感、風味等に優れ、チルド耐性、冷凍耐性等の保存安定
性が効果的に改善された飲食品及びその製造方法を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の飲食品は、グルコマンナンを含む水溶液中
に、内相にアルカリ水溶液を含むW/O型エマルジョン
が均一に分散しており、pH4〜8である食品素材が、
0.2〜50質量%配合されていることを特徴とする。
【0012】また、本発明の飲食品の製造方法は、グル
コマンナンを含む水溶液中に、内相にアルカリ水溶液を
含むW/O型エマルジョンが均一に分散しており、pH
4〜8である食品素材を、飲食品原料中に0.2〜50
質量%配合することを特徴とする。
【0013】本発明の飲食品並びに飲食品の製造方法に
おいて用いる前記水溶液は、グルコマンナンの他に、更
に糖類を含有するものであることが好ましく、糖類と澱
粉とを含有することがより好ましい。
【0014】また、前記食品素材のpHは、4.5〜
7.5であることが好ましい。更に、前記W/O型エマ
ルジョンの油脂相が不飽和脂肪酸を50質量%以上含む
油脂からなることが好ましい。
【0015】更にまた、前記W/O型エマルジョンが、
油脂と乳化剤とアルカリ水溶液とを含むものであること
が好ましい。
【0016】更にまた、本発明に好適な飲食品として
は、パン類、洋菓子類、クリーム類、たれ類、冷菓類、
スープ類、ソース類、フライ類、和菓子類、飴類、ジャ
ム類、餡類、畜肉加工品、グレース剤、米飯類、麺類、
飲料類、惣菜類、漬物類、水産加工品、乳製品、大豆加
工品から選ばれた1種が挙げられる。
【0017】本発明によれば、グルコマンナンとを含む
水溶液中に、内相にアルカリ水溶液を含むW/O型エマ
ルジョンが均一に分散しており、pH4〜8である食品
素材を、飲食品中に0.2〜50質量%配合することに
より、物性、食感、風味等に優れ、チルド耐性、冷凍耐
性等の保存安定性が効果的に改善された飲食品を得るこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で用いる食品素材は、グル
コマンナンを含む水溶液に、内相にアルカリ水溶液を含
むW/O型エマルジョンが均一に分散した、pH4〜8
の混合物である。
【0019】この食品素材は、グルコマンナンを含む水
溶液に、油脂でカプセル化されたアルカリ剤を分散させ
ることにより、グルコマンナンのゲル化を遅延させてい
るので、低粘度で、容易に他の原料と均一に混合するこ
とができる。そして、他の飲食品原料と混合して加工調
理する際に、カプセル化されたアルカリ水溶液が浸出し
てグルコマンナンがゲル化するので、飲食品の食感や物
性等を効果的に改善でき、飲食品に所望の物性を付与す
ることができる。また、チルド耐性、冷凍耐性等の保存
安定性を効果的に改善することができる。
【0020】以下、上記食品素材について更に詳しく説
明する。グルコマンナンとしては、特に制限はなく、コ
ンニャク芋を乾燥、粉末化して得られる通常のコンニャ
ク粉、コンニャク粉を精製したコンニャク精粉等を用い
ることができる。本発明においては、風味や色の点か
ら、除蛋白したコンニャク粉が特に好ましく用いられ
る。このような除蛋白したコンニャク粉としては、例え
ば「レオレックスRS」(商品名、清水化学(株)製)
等が挙げられる。
【0021】上記食品素材に用いるグルコマンナンを含
む水溶液は、更に糖類を含有することが好ましい。この
糖類としては、特に制限はなく、砂糖、ブドウ糖、異性
化糖、マルトース、トレハロース、ソルビトール、マル
チトール、ラクチトール、エリスリトール等の糖及び糖
アルコール、各種オリゴ糖、及びそれらの混合物を用い
ることができる。上記オリゴ糖としては、マルトオリゴ
糖(好ましくは重合度3〜7)、ニゲロオリゴ糖、イソ
マルトオリゴ糖、パノースオリゴ糖、ゲンチオオリゴ
糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリ
ゴ糖、乳果オリゴ糖及びそれらのシラップ等が挙げられ
る。上記糖類は、目的に応じて、適宜選択して用いるこ
とができ、例えば、飲食品の冷凍耐性を向上させる場合
にはマルトオリゴ糖や糖アルコールを用いることができ
る。
【0022】また、上記食品素材に用いるグルコマンナ
ンを含む水溶液は、更に澱粉を含むことが好ましい。澱
粉を含有することにより、冷凍・解凍した際のグルコマ
ンナンゲルの離水を防ぐことができる。上記澱粉として
は、例えば、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、コ
ーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロー
スコーンスターチ、米澱粉、蓮根澱粉、甘薯澱粉、サゴ
澱粉等や、それらの化工澱粉が好ましく、中でも架橋澱
粉又は湿熱処理澱粉が特に好ましい。具体的には、ヒド
ロキシプロピル化架橋タピオカ澱粉、アセチル化架橋タ
ピオカ澱粉、湿熱処理コーンスターチ等が挙げられる。
【0023】また、内相にアルカリ水溶液を含むW/O
型エマルジョンを形成する際に用いる油脂としては、食
用油脂であればいずれも使用できるが、中でも不飽和脂
肪酸を50質量%以上含む油脂が好ましく、例えばサフ
ラワー油、菜種油、オリーブ油、茶種子油、椿油等が挙
げられる。このような油脂を用いることにより、食品素
材を他の飲食品原料と混合して加工調理する際に、油脂
相がより崩壊しやすくなり、グルコマンナンを均一にゲ
ル化することができる。
【0024】更に、アルカリ水溶液としては、通常食品
に用いられるアルカリ剤の水溶液であれば特に制限はな
く用いることができる。このようなアルカリ剤として
は、例えば炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、炭酸カルシウ
ム、リン酸2ナトリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸
2カリウム、リン酸3カリウム、ポリリン酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等の塩基性塩
類が挙げられる。
【0025】上記W/O型エマルジョンは、更に乳化剤
を含有することが好ましい。乳化剤を含有することによ
り、アルカリ水溶液を均一に乳化することができ、安定
性の高いエマルジョンを得ることができる。上記乳化剤
としては、HLB5以下のものが好ましく、例えばポリ
グリセリン脂肪酸エステル、ジエチルグリセルモノ脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリ
ン脂肪酸エステル等が挙げられ、中でもポリグリセリン
脂肪酸エステルが好ましく用いられる。
【0026】上記食品素材は、例えば以下のようにして
得ることができる。 (1)グルコマンナンと水とを混合してグルコマンナン
膨潤液(I)を調製する。
【0027】例えば、グルコマンナン1質量部に対して
水20〜200質量部を加えて撹拌し、グルコマンナン
を膨潤させることにより調製することができる。
【0028】(2)油脂にアルカリ水溶液を混合してW
/O型エマルジョン(II)を調製する。
【0029】例えば、油脂100質量部に対して、アル
カリ水溶液10〜400質量部、より好ましくは100
質量部前後を加え、更に乳化剤等の他の原料を適宜加え
て、ホモミキサー、ホモゲナイザー等の手段により均質
化することにより調製することができる。
【0030】上記アルカリ水溶液の濃度は、特に限定さ
れず、最終製品(食品素材)のpHが4〜8になるよう
に、アルカリ水溶液の使用量によって適宜選択できる
が、通常、0.5〜20質量%が好ましい。
【0031】油脂100質量部に対するアルカリ水溶液
の配合割合が10質量部未満であるとW/O型エマルジ
ョン(II)の添加量を多くしなければならず、最終製
品中の油脂含量が高くなり過ぎ、400質量部超である
と安定なエマルジョンを得ることができない。
【0032】なお、乳化剤の添加量は、適宜選択できる
が、通常、油脂100質量部に対して0.05〜1質量
部が好ましく、0.2〜0.4質量部がより好ましい。
上記油脂100質量部に対する乳化剤の添加量が0.0
5質量部未満であると安定なエマルジョンを得ることが
できず、1質量部超であると風味が悪くなる。
【0033】(3)上記グルコマンナン膨潤液(I)と
上記W/O型エマルジョン(II)を混合して、W/O
/W型エマルジョン(III)を調製する。
【0034】例えば、上記グルコマンナン膨潤液(I)
100質量部に対して、上記W/O型エマルジョン(I
I)1〜100質量部を加え、必要に応じて澱粉等の他
の原料を加え、ホモミキサー等の手段により混合するこ
とにより調製することができる。
【0035】上記グルコマンナン膨潤液(I)100質
量部に対する上記W/O型エマルジョン(II)の配合
割合が1質量部未満であるとグルコマンナンを充分にゲ
ル化することが困難になり、100質量部超であるとア
ルカリ剤が過剰となり、飲食品の風味に悪影響を与える
ことがある。
【0036】(4)必要により、糖液と上記W/O/W
型エマルジョン(III)とを混合して、pH4〜8の
混合物(食品素材)を調製する。
【0037】例えば、糖液100質量部に対して、上記
W/O/W型エマルジョン(III)を、好ましくは5
〜900質量部、より好ましくは5〜250質量部加
え、ホモジナイザー等の手段により混合することにより
調製することができる。上記のようにして得られる混合
物(食品素材)は、特にpH調整をしなくてもpH4〜
8になる。
【0038】上記糖液としては、前述したような糖類の
水溶液が用いられ、シラップの場合はそのまま用いるこ
ともできる。糖液の濃度は特に限定されないが、通常、
50〜85質量%が好ましい。糖液の濃度が50質量%
未満であると製品の保存安定性に劣り、85質量%超で
あると糖の種類によっては結晶が析出したり、粘度が高
くなり作業性が悪くなる。なお、上記糖液として、例え
ば砂糖、乳糖等のpHの高い(pH6.0〜7.5)糖
類の水溶液(シラップも含む)を用いた場合、上記グル
コマンナン膨潤液(I)を調製する際に、該糖液を混合
してもよい。
【0039】(5)pH調整の必要な場合は、食品用の
酸味料を用いることができる。酸味料の種類は限定され
ないが、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、
酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウ
ム、L−酒石酸、L−酒石酸、L−酒石酸ナトリウム、
乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、アジピン酸、
リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム等があげられる。
【0040】このようにして調製した食品素材は、液状
ないしは流動性を損なわない程度にゲル化した状態をな
す。この食品素材を飲食品中に0.2〜50質量%配合
することにより、食感や物性等が効果的に改善され、所
望の物性が付与された本発明の飲食品を得ることができ
る。
【0041】本発明における飲食品としては、特に制限
はされないが、例えば食パン、フランスパン、サンドイ
ッチ用、ロールパン、菓子パン、デニッシュペストリ
ー、中華まん、ドーナツ、ナン、ピザ生地、クロワッサ
ン等のパン類;例えばスポンジケーキ、パウンドケー
キ、シュー皮、ホットケーキ、クッキー、ワッフル、マ
カロン、クレープ、スフレ、パイ、ウェハース、パネト
ーネ、ババロア、プディング、ムース、マシュマロ、ボ
ンボンショコラ、ガナッシュ、コンポート、マロングラ
ッセ、ガム類等とそれらを使ってデコレーションした菓
子等の洋菓子類;クリーム類;たれ類;例えばアイスク
リーム、ソフトクリーム、アイスミルク、ラクトアイ
ス、アイスキャンディー、シャーベット等、及びこれら
を食す際に可食の器となる、モナカの皮、シュー皮、ク
ッキー生地、ケーキ生地等を含めた冷菓類;スープ類;
例えばカレーソース、マヨネーズ、ケチャップ、ベシャ
メルソース等のソース類;フライ類;例えば大福、ぎゅ
うひ、ゆべし、だんご、かるかん、ちまき、蒸しカステ
ラ、酒まんじゅう、人形焼、きんつば、どらやき、カス
テラ、タルト、練りきり、錦玉、もなか、甘納豆、かり
んとう、落雁、おこし、せんべい類等の和菓子類;例え
ばキャンディー、キャラメル、ソフトキャラメル等の飴
類;ジャム類;餡類;例えばハム、ソーセージ、ハンバ
ーグ、ミートボール、及びそれらの原料として加工の際
に使用されるピックル液等を含めた畜肉加工品;グレー
ス剤;例えば白米、ピラフ、おにぎり、すし飯、おこ
わ、味付けご飯、ドリア等の米飯類;餅類等の米飯加工
品;例えばうどん、そば、中華麺、パスタ等の麺類;例
えば果実飲料、炭酸飲料、清涼飲料、乳飲料、乳酸菌飲
料、コーヒー類、茶類、スピリット等の飲料類;例えば
餃子やシュウマイなど中華の点心類の皮や具、佃煮、卵
焼き、煮物等の惣菜類;例えば浅漬け、醤油漬け、ピク
ルス、甘酢漬け、べったら漬け、福神漬け等及びこれら
を作成するための漬物の素等の漬物類;例えばかまぼ
こ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、魚肉ソーセージ等
のすり身加工品やみりん干しや燻製、塩漬け、剥身、ネ
ギトロ等の加工を行ったもの等の水産加工品;例えばヨ
ーグルトやチーズ等の乳製品;例えば厚揚げ、がんもど
き、豆腐ハンバーグ等の大豆加工品;更には、これらの
飲食品を病人食、ベビーフード、嚥下食品等としたも
の、また、加工途中にレトルト処理、冷凍、冷蔵処理を
行ったもの、及び最終商品形態としてレトルト食品、冷
凍・冷蔵食品、缶詰用等に加工したものなどが挙げられ
る。
【0042】以下、各種の飲食品への上記食品素材の使
用の目的、方法、効果等について説明する。
【0043】(1)パン類 本発明におけるパン類とは、一般にパンといわれるもの
すべてを含み、オーブンで焼成するパンだけでなく、蒸
し器で蒸す中華まん、油で揚げるドーナツ類、及びナン
やピザ生地類を含み、製法については限定しない。従来
の食パンや菓子パン等のパン類は、焼き立てのときは風
味が良く、軟らかでソフトな食感としっとり感を有して
いるが、保存中に徐々にパン中の澱粉や蛋白質が老化し
て経時的に食感や風味が低下してしまうという問題があ
った。また、サンドイッチ用のパンの場合、通常焼き立
てでは生地が柔らかく、スライスし難いため、冷蔵等で
硬化させてからスライスするが、その場合、生地が老化
してぼろぼろになり、更に食感や風味が低下してしまう
という問題があった。
【0044】一方、焼き立てのパンをすぐに店頭で販売
できるように冷凍生地が開発されたが、冷凍生地は冷凍
障害を避けるために加水量を低く抑える必要があるた
め、生地物性が硬くなり、機械耐性が悪くなり、作業性
が低下するという問題があった。また、冷凍中の老化が
早いため、商品の寿命が短く、焼成後のボリュームが低
下したり、歯切れが悪くなる等の問題があった。
【0045】本発明においては、上記食品素材を、全配
合物に対して0.2〜50質量%、好ましくは1〜30
質量%配合することにより、作業性を良好にできると共
に、その食感や物性等が改善されたパン類を得ることが
できる。
【0046】すなわち、パン類の製造時に本発明の食品
素材を使用すると、焼成後の香味成分の保持、発現に優
れたパンが得られると共に、澱粉やグルテンの耐老化性
が向上するため、保水性が向上し、しっとり感があり、
ぼそつかない、口溶けの良い、ボリューム、保型性のあ
る、シェルフライフの改善されたパンを得ることができ
る。また、柔らかくても弾力があるため、スライス時
に、切り屑が出難く、食事時にもかすが出難く、食べや
すい。
【0047】更に、餡パン、ジャムパン、中華まんやメ
ロンパンなどパンの生地で他の素材を包んだり他の素材
に包まれたパンの場合に、発酵や焼成作業に支障なく、
焼き及び蒸し上がりの状態が優れる。また、焼き及び蒸
し上がり後も生地又は素材からの水分移行が少ないた
め、経時変化が起こりにくく、形状や食感、風味が保た
れる。
【0048】また、冷凍パン生地の調製時に本発明の食
品素材を使用すると、生地の機械適性や冷凍耐性が向上
するため、スクラッチ並みの高加水化(54〜65%)
が可能となり、生地の製法・条件の範囲が広くなる。更
に、イーストの使用量もスクラッチなみに低減すること
ができ、食感や風味を向上できる。
【0049】(2)洋菓子類 本発明における洋菓子とは、スポンジケーキやパウンド
ケーキ、シュー皮、ホットケーキ、クッキー、ワッフ
ル、マカロン、クレープ、スフレ、パイ、ウェハース、
パネトーネなどの焼菓子類、ババロア、プディング、ム
ース、マシュマロなどのデザート類、ボンボンショコ
ラ、ガナッシュなどのチョコレート菓子類、コンポー
ト、マロングラッセなどの砂糖漬類、ガム類等とそれら
を使ってデコレーションした菓子を含み、これらに限定
されるものではない。
【0050】デコレーションケーキやショートケーキ等
に広く用いられるスポンジケーキやパウンドケーキ、シ
ュー皮、ホットケーキ、クッキー、ワッフル、パネトー
ネなどの焼菓子類は、しっとり感と共に、口どけの良い
ソフトな食感を有し、比容積が大きく型崩れのしないも
のが好まれる。また、冷蔵や冷凍によっても硬くなら
ず、口どけの良さやしっとり感を保持できるものが求め
られている。また、シュー皮やクッキー、マカロン、ウ
ェハースなど焼菓子の中でも水分の少ないものは、保存
期間が長く、経時的に風味や物性の変化が起こりやすい
ため、作りたての風味や食感が保たれることが望まれ
る。
【0051】本発明においては、上記食品素材を、全配
合物に対して0.2〜50質量%、好ましくは1〜30
質量%配合することにより、風味や物性等が改善された
スポンジケーキ等の焼菓子を得ることができる。
【0052】すなわち、スポンジケーキ等の焼菓子の製
造時に本発明の食品素材を使用すると、卵やチョコレー
ト等の風味を強化できると共に、乳化剤や澱粉の老化臭
等の好ましくない味や臭いをマスキングできる。また、
ボリュームがアップすると共に、澱粉の老化が抑制され
るため口どけが向上し、焼成後も水分保持量が高く、し
っとりした食感が持続する。更に、冷蔵、冷凍後も保湿
性に優れ、しっとり感を保持できる。
【0053】また、ババロア、プディング、ムース、マ
シュマロなどのデザート類に適用する場合には、上記食
品素材を全配合量に対して0.2〜50重量%、好まし
くは1〜30重量%使用することにより、みずみずし
く、風味良く、冷蔵、冷凍後も離水を起さず、なめらか
な食感を有するデザート類を得ることができる。
【0054】更に、ボンボンショコラ、ガナッシュなど
のチョコレート菓子類に適用した場合には、生チョコレ
ートの風味や物性を保ち、コンポート、マロングラッセ
などの砂糖漬類ではつやがあり、果実本来の食感と風味
を有するものとなる。
【0055】(3)クリーム類 本発明におけるクリーム類とは、例えばホイップクリー
ム、生クリーム、バタークリーム、カスタードクリー
ム、フラワーペースト等の製菓用、製パン用のクリーム
類等を意味する。
【0056】例えば、ホイップクリームは植物油脂を主
体にし、これにバターや調製乳脂等を配合したものが主
流になっているが、更に良好な風味が求められるように
なり、風味の良い生クリームを配合したものが好まれる
傾向にある。しかし、生クリームの配合量が多いと、表
面が乾燥しやすく、黄変する等の保存性が悪くなり、口
どけも悪くなってしまうという問題があった。
【0057】また、ホイップクリームには30〜50質
量%程度の油分が含まれているが、健康指向の高まりか
ら、更に低油分のものが求められている。しかし、油分
を低減すると、クリーミーな食感やホイップ後の形状を
維持するための適度な硬さを得ることができない。この
ため、乳化剤を多量に添加することが行われているが、
乳化剤の風味を有するようになり好ましくない。
【0058】バタークリームはマーガリン、ショートニ
ング等の固形脂に糖質、練乳等をミキシングしてクリー
ム状にしたW/O型(油中水型)のクリームであり、製
菓、製パン用のフィリング、トッピング材として使用さ
れている。バタークリームは脂肪分が多いため、油感が
強いのが欠点である。しかし、低脂肪にすると、乳化が
不安定になり、保存中に水相が分離したり、組織破壊が
起こりやすく、また、保存性も悪くなるといった問題が
あった。
【0059】カスタードクリームやフラワーペースト等
のO/W型(水中油型)のクリームは、小麦粉、コーン
スターチ、糖類、牛乳、脱脂粉乳、バター、卵黄等の原
料を、加熱しながら混合して作られ、製菓、製パン用の
フィリング材として、シュークリーム、エクレア、ワッ
フル等へ広く使用されている。
【0060】カスタードクリームやフラワーペースト
は、小麦粉や澱粉等を使用するため、糊様の食感が口の
中に残るという欠点がある。
【0061】また、牛乳や卵を使用するため、保存性が
悪く、凍結保存して必要に応じて解凍して使用される場
合があるが、凍結すると澱粉が老化し、卵の蛋白質が凍
結変性するため、離水が生じたり、ボソボソした滑らか
さに欠ける食感になってしまうといった問題があった。
【0062】そこで、上記食品素材を、クリーム類の全
体に対して0.2〜50質量%、好ましくは3〜30質
量%配合することにより、風味、食感や物性等の改善さ
れたクリーム類を得ることができる。
【0063】すなわち、クリーム類の製造時に本発明の
食品素材を使用すると、卵やミルク等の風味やフレーバ
ーを強化できる。また、クリーム類のオーバーラン安定
範囲を拡大できると共に、チャーニングによる物性の変
化を抑制できる。更に、上記食品素材は蛋白質の凝集防
止効果を有するため、クリーム類のpH耐性を向上で
き、泡の安定性を向上できる。その結果、クリーム類の
口どけを損うことなく保形性を向上でき、保形性と口ど
けの両立が可能となる。
【0064】例えば、ホイップクリームの場合は、保形
性を向上できるので、低油分のホイップクリームを調製
することが可能となる。また、耐熱効果が向上するた
め、低融点油脂の使用が可能となる。更に、グルコマン
ナンの保水効果により、保水性が向上するため、瑞々し
い組織の持続が可能となり、生クリームの配合割合を増
やしても、表面の乾燥や黄変を防止でき、風味に優れた
保存性のよいホイップクリームを得ることができる。更
にまた、冷凍によるひび割れを防ぐことができ、凍結解
凍後も保形性、造花性に優れた凍結耐性に優れたホイッ
プクリームを得ることができる。
【0065】また、バタークリームの場合は、保形性と
保水性が向上するため、低油分化が可能となり、油感が
低減し、食感の改善された低カロリーのバタークリーム
を得ることができる。
【0066】また、カスタードクリームやフラワーペー
ストの場合も、保形性や保水性が向上するため、澱粉類
の配合量を低減することが可能となり、糊様の食感を改
善できる。また、耐老化性の加工澱粉等を使用すること
により、凍結保存しても離水が発生しない、耐凍結性に
優れたカスタードクリームやフラワーペーストを得るこ
とができる。
【0067】また、原料の油脂やクリームに添加した場
合も同様の効果を得ることが出来る。
【0068】(4)タレ類 本発明におけるタレ類とは、例えばだんご、焼鳥、蒲
焼、照り焼き、煮物、焼肉、しゃぶしゃぶ、お好み焼
き、タコ焼き等に用いられるタレ等を意味する。
【0069】このようなタレ類には特有の食感と物性が
要求され、更に、冷凍保存しても品質に変化の無いもの
が要求される。すなわち、必要に応じて透明性が高く、
適度な粘性を有し、冷凍保存後も安定した粘度と滑らか
な食感を有し、離水を起こさない等の性質が要求され
る。
【0070】そこで、上記食品素材を、タレ類の全体に
対して0.2〜50質量%、好ましくは1〜20質量
%、より好ましくは3〜15質量%配合することによ
り、透明感が有り、適度な粘性を有し、冷凍保存した後
も離水せず、粘度安定性に優れ、なめらかな食感を有す
るタレ類を得ることができる。
【0071】(5)冷菓類 本発明において、冷菓類とは、例えばアイスクリーム、
ソフトクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、アイス
キャンディー、シャーベット等を意味する。また、これ
らを食す際に可食の器となる、モナカの皮、シュー皮、
クッキー生地、ケーキ生地等も含む。
【0072】例えばアイスクリームやソフトクリーム等
には、オーバーランの調整、保形性の付与、及びボディ
ー感、コク、粘り等の付与を目的として、各種の安定剤
が使用されているが、安定剤により風味やフレーバーの
リリース性、口どけ等が悪くなる。また、それらを食し
やすくするための可食の容器である、モナカの皮、シュ
ー皮、クッキー生地、ケーキ生地等に関しても、冷凍保
存により、劣化が起こり、食感や風味が悪くなる。
【0073】そこで、上記食品素材を、冷菓類の全体に
対して0.2〜50質量%、好ましくは3〜20質量
%、より好ましくは5〜15質量%配合することによ
り、良好な風味を有し、とけにくく、保形性に優れた冷
菓類を得ることができる。また、可食容器に関しても、
冷凍保存による劣化を防ぐことが可能になり、食感や風
味が保たれる。
【0074】(6)スープ類 スープ類としては、例えばポタージュ、コンソメ、その
他各種のスープ類が挙げられる。
【0075】上記食品素材を、スープ類の全体に対して
0.2〜50質量%、好ましくは3〜15質量%配合す
ることにより、テクスチャーの優れた風味の良いスープ
類を得ることができる。また、冷凍しても、沈降、凝固
等の少ない品質安定性に優れたスープ類を得ることがで
きる。
【0076】(7)ソース類 本発明において、ソース類とは、料理に使用される液体
の調味料を意味し、使用目的、製法、粘度等の相違によ
り多くの種類があるが、例えばカレーソース、中華ソー
ス、ソース・エスパニョール、ソース・ドゥミ・グラ
ス、ソース・ベシャメル、ソース・ヴルーテ、ソース・
トマート、ソース・オランデーズ、ソース・ベアルネー
ズ、ソース・ヴィネクレット、ソース・マヨネーズ、ソ
ース・ショー・フロワ、ソース・アングレーズ、ソース
・サバイヨン、ソース・カラメル、ソース・オー・フリ
ュイ、又はこれらを基本にしたソース等が挙げられる。
【0077】上記食品素材を、ソース類の全体に対して
0.2〜50質量%、好ましくは2〜15質量%配合す
ることにより、冷凍耐性を有し、粘度安定性に優れ、良
好な風味を有するソース類を得ることができる。
【0078】(8)フライ類 一般にフライ食品は、冷蔵又は冷凍状態で保存、流通さ
れる場合が多く、衣の澱粉が老化して衣のソフトな食感
が失われたり、フライの油や具の水分の移行がおこり全
体の食感が損なわれることが多い。
【0079】本発明においては、上記食品素材を、バッ
ター液に対して0.2〜50質量%、好ましくは0.5
〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%配合する
ことにより、ソフトな食感を有し、冷蔵、冷凍耐性に優
れた衣を有するフライ食品を得ることができる。
【0080】また、パン粉の製造時に、上記食品素材を
全配合量に対して0.1〜50重量%、好ましくは0.
2〜30重量%配合することにより、さくみのある、け
ん立ちの良いパン粉が得られ、フライ後の食感や風味の
良いものとなる。更にコロッケやメンチカツなどの場
合、具に対して0.2〜50重量%、好ましくは1〜1
5質量%配合することにより、しっとりとみずみずしい
食感と風味の良いものとなる。
【0081】また、これらのフライは、加熱前に冷蔵、
冷凍保存しても、プリフライ及びディープフライしてか
ら冷蔵、冷凍しても劣化しにくく、フライ、再フライ、
電子レンジ加熱を行っても揚げ立ての食感、風味が保た
れる。
【0082】(9)和菓子類、 本発明において、和菓子類とは、例えば大福、ぎゅう
ひ、ゆべし、だんご、おはぎ等の餅もの類、ういろう、
かるかん、ちまき、蒸しカステラ、酒まんじゅう等の蒸
しもの類、人形焼、きんつば、どらやき、カステラ、タ
ルト等の焼きもの類、練りきり等の練り物類、錦玉等の
流しもの類、もなか等のおかもの類、甘納豆等の砂糖
漬、かりんとう等の揚げもの類、落雁等の打ちもの類、
おこし等の押しもの類、せんべい類等、通常和菓子とい
われるものすべてを含む。
【0083】これらのうち、餅もの、練りもの等水分の
多いものは、外界との水分差があるため、物性変化が大
きく、風味の劣化も早い。また、蒸しもの、焼きもの等
スポンジ状の生地のものは、でん粉や蛋白質の劣化がお
こり、しっとり感や風味が損なわれる。おかもの、打ち
もの、押しもの、せんべい等水分の少ないものは、水分
活性から見た保存期間は長いが、保存中に物性や風味の
劣化が起こりやすい。
【0084】本発明では、上記食品素材を全配合量に対
して0.2〜50質量%、好ましくは1〜20質量%配
合することにより、物性や食感、風味を向上させ、保存
による物性や風味の劣化を防ぐことが可能となる。
【0085】(10)飴類 キャンディー、キャラメル、ソフトキャラメル等の飴類
は、気温の高い夏場になると、軟化したり表面がベタつ
く現象がみられることが多い。また、乳やフルーツを使
用したものは、保存中に風味の劣化がおこりやすい。
【0086】そこで、上記食品素材を、飴類に対して
0.2〜50質量%、好ましくは1〜20質量%、より
好ましくは3〜15質量%配合することにより、ベタつ
きのない品質安定性に優れた飴類を得ることができる。
【0087】(11)ジャム類 ジャム類は、フルーツの味と風味が生かされたみずみず
しいものが求められる。また、ベーカリー食品のフィリ
ング材、トッピング材として用いる場合、焼成の際に熱
により流動化したり、沸騰する場合があり、品質の劣化
につながる。
【0088】そこで、上記食品素材を、ジャム類に対し
て0.2〜50質量%、好ましくは1〜20質量%、よ
り好ましくは3〜15質量%配合することにより、ジャ
ムのフルーツ本来の味や風味が生かされたみずみずしい
ジャムが得られ、更に焼成によっても流動化したり、沸
騰したりすることのない、耐熱性を有するジャム類を得
ることができる。
【0089】(12)餡類 餡類は、保存中に表面が乾いたり、糖類の結晶が析出し
て生じるシャリ現象が見られることがある。そこで、上
記食品素材を、餡類に対して0.2〜50質量%、好ま
しくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%
配合することにより、保湿性に優れ、シャリ現象を起こ
さない、物性変化の少ない餡を得ることができる。
【0090】(13)畜肉加工品 本発明において畜肉加工品とは、ハム、ソーセージ、ハ
ンバーグ、ミートボールなど畜肉の加工品を含み、それ
らの原料として加工の際に使用されるピックル液への添
加も含む。
【0091】ハム、ソーセージ等の畜肉製品において
は、品質の改善、歩留の向上等を目的として卵白等を含
むピックル液が注入されるが、卵白は熱により凝固する
ため、製品の品質に悪影響を及ぼすことがある。
【0092】本発明では、上記食品素材を、畜肉加工品
及びピックル液中に0.2〜50質量%、好ましくは1
〜20質量%配合することにより、歩留まりがよく、ド
リップの少ない品質の優れた畜肉加工品及びピックル液
を得ることができる。
【0093】(14)グレーズ剤 冷凍食品の表面を氷の皮膜で覆って品質の変化を防ぎ、
衝撃耐性やヒートショック耐性を付与するために使用さ
れているグレーズ剤は、皮膜の厚さが増すほど効果が大
きくなるので粘度の高い多糖類を含む溶液が用いられ
る。しかし、溶液の粘度が高いと、糸引き現象が見ら
れ、作業性が低下するため、高粘度でありながら糸引き
現象のないグレーズ剤が求められている。
【0094】そこで、上記食品素材を、グレーズ剤中に
0.2〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%配
合することにより、糸引き現象の低減した効果の高いグ
レーズ剤を得ることができる。
【0095】(15)米飯類 本発明において米飯類とは、白米、及びピラフ、おにぎ
り、すし飯、おこわ、味付けご飯、ドリア等の米飯加工
品、餅類等、米を使用した製品を含む。
【0096】一般に、米飯類は、米中のでん粉や蛋白質
の老化により、食感が固くぼそぼそになったり、つやや
粘りがなくなり、経時変化が起こりやすい。また、冷
凍、冷蔵流通やレトルト加熱等過酷な処理を行っても物
性や食感が変わらず、長期保存ができることが望まれて
いる。
【0097】本発明においては、上記食品素材を、米飯
類に対して、0.2〜50質量%、好ましくは0.5〜2
0重量%、より好ましくは1〜15重量%配合すること
により、でん粉や蛋白質の老化を防ぎ、出来上がりの物
性や食感を保ち、経時変化の少ないものが得られる。
【0098】(16)麺類 本発明において麺類とは、うどん、そば、中華麺、パス
タ等の麺類全般を指し、加工方法や、流通状態、保存方
法は限定されない。
【0099】これらの麺類に本発明の食品素材を使用す
ることにより、製麺性の向上、加水の増量、茹で時間の
短縮、食感の向上、経時変化が起こりにくい等が図れ、
更に茹で、フライ、包装蒸煮麺等に見られる長期保存処
理や冷凍、冷蔵等各製造条件及び保存条件においても食
感や風味が保たれるものが得られる。
【0100】(17)飲料類 本発明において飲料とは、果実飲料、炭酸飲料、清涼飲
料、乳飲料、乳酸菌飲料、コーヒー類、茶類、スピリッ
ト等の飲料全般を含む。
【0101】これらに本発明の食品素材を使用すること
により、色や風味、味の向上及び保持効果が得られる。
乳酸菌飲料では、粘度の安定性が得られる。
【0102】(18)惣菜類 本発明において、惣菜類としては、例えば餃子やシュウ
マイなど中華の点心類の皮や具、佃煮、卵焼き、煮物等
を含み、種類は限定されない。
【0103】例えば餃子やシュウマイなどの皮に本発明
の食品素材を使用することにより、生地の伸展性を増
し、加水量を増やすことが可能となる。また、そのまま
あるいは加熱後、冷凍、冷蔵保存を行っても、皮が硬く
なったり、食感、風味を損なったりという経時変化が少
ないものが得られる。また、具に使用することにより、
具の食感や風味を向上させ、保存後もパサツキを防ぎ、
食感や風味を維持する効果が得られる。更に、佃煮や煮
物などでは、煮崩れを防ぎ、つやのある外観の優れたも
のが得られる。いずれも保存による経時変化を防ぐこと
ができる。
【0104】(19)漬物類 本発明において、漬物類としては、浅漬け、醤油漬け、
ピクルス、甘酢漬け、べったら漬け、福神漬け等漬物一
般及びこれらを作成するための漬物の素を含む。これら
の漬物に、上記食品素材を使用することにより、食感や
食味の改良や保存時の食感、風味の保持効果が得られ
る。
【0105】(20)水産加工品 本発明において、水産加工品としては、例えばかまぼ
こ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、魚肉ソーセージ等
のすり身加工品やみりん干しや燻製、塩漬け、剥身やネ
ギトロ等の加工を行った水産加工品に本発明の食品素材
を使用すると、たとえば、すり身製品の場合、保型性が
良くなり、加熱による歩留りも良くなり、食感も保持さ
れる。また、加工時に使用する調味液に使用することに
より、つやが出たり、風味が良くなり、保存後も味や風
味が保たれる。
【0106】(21)乳製品 本発明においては、ヨーグルトやチーズ等の乳原料を加
工した食品等に上記食品素材を使用することにより、物
性や食感、風味の改良及び保存時の食感や風味の保持が
可能となる。
【0107】(22)大豆加工品 本発明においては、例えば厚揚げ、がんもどき、豆腐ハ
ンバーグ等の大豆を加工した食品等に上記食品素材を使
用することにより、保型性が良くなり、加熱による歩留
りも良くなり、食感が保持される。
【0108】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、以下の例において、特に断りのない限り、
オリゴ糖シラップとして、商品名「フジオリゴ#36
0」(日本食品化工(株)製)を用いた。
【0109】製造例1 グルコマンナンを常法により水で膨潤させて、グルコマ
ンナン膨潤液(濃度3質量%)を調製した。
【0110】サフラワー油100gに、5質量%ポリリ
ン酸ナトリウム水溶液120g、乳化剤0.8gを加
え、ホモミキサーにより混合均質化して、W/O型エマ
ルジョンを調製した。
【0111】上記グルコマンナン膨潤液400gに上記
W/O型エマルジョン20gを加え、ホモミキサーによ
り混合均質化して、W/O/W型エマルジョンを得た。
そしてオリゴ糖シラップ700gに、上記W/O/W型
エマルジョン300gを加え、ホモミキサーで均一に混
合して食品素材1を得た。
【0112】製造例2 製造例1と同様にして、グルコマンナン膨潤液(濃度3
質量%)と、W/O型エマルジョンを調製した。
【0113】上記グルコマンナン膨潤液400gに上記
W/O型エマルジョン20gを加え、更にアセチル化架
橋ワキシースターチ5gを添加し、ホモミキサーにより
混合均質化して、W/O/W型エマルジョンを得た。そ
してオリゴ糖シラップ700gに、上記W/O/W型エ
マルジョン300gを加え、ホモミキサーで均一に混合
して食品素材2を得た。
【0114】製造例3 製造例1と同様にして、グルコマンナン膨潤液(濃度3
質量%)と、W/O型エマルジョンを調製した。
【0115】上記グルコマンナン膨潤液400gに上記
W/O型エマルジョン20gを加え、ホモミキサーによ
り混合均質化して、W/O/W型エマルジョンを得た。
このW/O/W型エマルジョンを乳酸を用いてpH調整
を行ない、食品素材3とした。
【0116】実施例1(食パン) 表1に示す配合割合で各原料を用い、20コートの縦型
ミキサーを用いて表2に示す工程(中種法)でパン生地
を調製、焼成して各パンを作った。そして、各パン生地
の物性等について10点評価法で評価を行い、その平均
点(端数は四捨五入)を求めた(表中、×:1〜3点、
△:4〜5点、○:6〜7点、◎:8〜10点を表し、
点数が高いほどより好ましいことを表す。以下の例にお
いても同じ。)。その結果を併せて表1に示す。
【0117】また、表中、A〜Dのサンプルはそれぞれ
以下の態様を示す(後述する実施例2,3においても同
じ)。
【0118】A:上記製造例1で調製した食品素材1を
添加した場合、B:上記食品素材1の原料を乳化処理せ
ずにそれぞれ別に添加した場合、C:コンニャク糊(3
質量%、pH9.5)を添加した場合、D:無添加(基
本配合)。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】表1から、食品素材1を添加したパン生地
Aは、パン生地B〜Dに比べて生地物性に優れ、作業
性、ホイロ特性にも優れていることが分かる。また、得
られたパンのボリュームも増加していることが分かる。
【0122】そして、得られた各パンを用いて、表3に
示す各項目について20名のパネラーにより官能評価を
行った。また、冷凍耐性は−20℃で1ヶ月間、チルド
耐性は4℃で2週間、冷凍経時変化は−20℃で3ヶ月
間保存した後、ソフトさ、味、口どけ及びしっとり感に
ついて総合的に評価した。官能評価は10点評価法で行
い、その平均点を求めた。その結果を表3に示す。
【0123】
【表3】
【0124】表3から、食品素材1を添加したパンA
は、パンB〜Dに比べて食感、風味等に優れ、冷凍耐
性、チルド耐性、冷凍経時変化等の保存性も非常に向上
していることが分かる。
【0125】実施例2(スポンジケーキ) 表4に示す配合割合で各原料を用いて、オールインミッ
クス法により、生地を調製し、常法にしたがって各スポ
ンジケーキを作った。そして、各ケーキ生地の物性等に
ついて10点評価法で評価を行い、その平均点を求め
た。その結果を併せて表4に示す。
【0126】
【表4】
【0127】表4から、食品素材1を添加したケーキ生
地Aは、ケーキ生地B〜Dに比べてホイップ性能に優
れ、得られるケーキボリュームが増加し、ケーキ内相も
均一になっていることが分かる。
【0128】そして、得られた各スポンジケーキを用い
て、表5に示す各項目について20名のパネラーにより
官能評価を行った。なお、チルド耐性は4℃で2週間保
存した後、食感及びしっとり感について総合的に評価
し、冷凍耐性は−20℃で1ヶ月間保存した後、しっと
り感及びシュリンク性について総合的に評価した。
【0129】
【表5】
【0130】表5から、食品素材1を添加したスポンジ
ケーキAは、スポンジケーキB〜Dに比べて食感、風味
等に優れ、チルド耐性、冷凍耐性等の保存性も非常に向
上していることが分かる。
【0131】実施例3(ホイップクリーム) 表6に示す配合割合で各原料を用いて、以下の方法によ
り、ホイップクリームを作った。すなわち、5℃に調整
したO/Wクリーム液に、グラニュー糖を入れ、食品素
材又はコンニャク糊を所定量入れ、低速で1分間撹拌し
た後、高速で2〜5分間撹拌し、最終クリーム比重を
0.45〜0.5に調整した。そして、低速で撹拌しな
がらフレーバーを添加してホイップクリームを作った。
【0132】
【表6】
【0133】そして、各ホイップクリームを用いて、表
7に示す各項目について10点評価法で評価を行い、そ
の平均点を求めた。その結果を表7に示す。なお、チル
ド耐性、冷凍耐性、冷凍経時変化等の保存温度及び保存
期間は実施例1の場合と同じであるが、チルド耐性及び
冷凍耐性は、保形性、離水性、口どけ、食感及び風味に
ついて総合的に評価し、冷凍経時変化は、食感及び保形
性について評価した。
【0134】
【表7】
【0135】表7から、食品素材を添加したホイップク
リームAは、ホイップクリームB〜Dに比べて、ホイッ
プ性能等の物性に優れ、食感、風味等に優れ、チルド耐
性、冷凍耐性、冷凍経時変化等の保存性も非常に向上し
ていることが分かる。
【0136】また、O/Wクリーム液として、植物性油
脂70質量%+生クリーム30質量%のものを用いた以
外は、上記と同様にしてホイップクリームを作り、同様
にして評価を行った。その結果を表8に示す。
【0137】
【表8】
【0138】表8から、生クリームを30%配合したホ
イップクリームにおいても同様に、食品素材を添加する
ことにより、経時的な品質の劣化がなく食感や風味が優
れたホイップクリームが得られることが分かる。
【0139】実施例4(ラクトアイス) 表9に示す配合割合で各原料を用いて、以下の方法によ
り、ラクトアイスを作った。すなわち、70℃に加温溶
融した植物油脂とバターと水の混合物に、別途水と混合
しておいた他の原材料を加えて70℃で10分間撹拌
し、次いでホモゲナイザーを用いて、150kg/cm
2の圧力で均質化処理を行った。これを5℃まで冷却
し、冷蔵庫中で15時間エージングした後、フリーザー
にてオーバーランが50%になるように、100rpm
の回転速度でフリージングを行った。これを紙容器に入
れ、−25℃で20時間硬化させてラクトアイスを作っ
た。
【0140】
【表9】
【0141】得られた各ラクトアイスを用いて、表10
に示す各項目について10点評価法で評価を行い、その
平均点を求めた。その結果を表10に示す。なお、保形
性は20℃に放置した場合の形の保持性を観察し、風味
はフレーバーのリリース性について評価した。
【0142】
【表10】
【0143】表10から、食品素材1を添加したラクト
アイスAは、ラクトアイスB〜Dに比べて、物性、食
感、風味等において優れていることが分かる。また、保
形性も良好で、常温(20℃)において安定性が高く、
溶解しにくいことが分かる。
【0144】実施例5(みたらし団子のタレ) 表11に示す配合割合で各原料を用いて、以下の方法に
より、みたらし団子のタレを作った。すなわち、昆布だ
し汁に、醤油、砂糖、加工澱粉を加え、撹拌しながら強
火で沸騰直前まで加熱した後、弱火にして更に5分間撹
拌を続け、各シラップ、みりんを加え、更に、食品素材
1又はコンニャク糊を所定量入れ、更に煮詰めてみたら
し団子のタレを作った。なお、加工澱粉として、商品名
「ネオビスC−6」(日本食品化工(株)製)、オリゴ
糖シラップとして、商品名「フジオリゴ#450」(日
本食品化工(株)製)、マルトースシラップとして、商
品名「MC−55」(日本食品化工(株)製)を用い
た。
【0145】
【表11】
【0146】得られた各みたらし団子のタレを用いて、
表12に示す各項目について10点評価法で評価を行
い、その平均点を求めた。その結果を表12に示す。
【0147】
【表12】
【0148】表12から、食品素材1を添加したタレA
は、タレB〜Dに比べて物性や風味等が優れていること
が分かる。また、冷凍耐性(−20℃で1ヶ月間)や解
凍後の粘度安定性等の保存性も非常に向上していること
が分かる。
【0149】実施例6(メロンパン) 表13に示す配合割合で各原料を用いて、表14に示す
工程(中種法)でメロンパンを作成した。ただし、食品
素材としては製造例2で調製した食品素材2を使用した
(以下の実施例7,8においても同じ)。そして、各パ
ン生地の物性等について10点評価法で評価を行い、その
平均点を求めた。その結果を表13に示す。
【0150】
【表13】
【0151】
【表14】
【0152】表13から、食品素材2を添加したパン生
地Aは、パン生地B〜Dに比べて生地物性に優れ、作業
性、ホイロ特性にも優れていることが分かる。また、得
られたパンのボリュームも増加し、更には3日後の皮と
生地の水分移行も少なく経時変化が起り難いことが分か
る。
【0153】そして、得られた各パンを用いて、表15
に示す各項目について20名のパネラーにより官能評価
を行った。ソフトさ、味、口どけ及びしっとり感につい
て総合的に評価した。官能評価は10点評価法で行い、
その平均点を求めた。その結果を表15に示す。
【0154】
【表15】
【0155】表15から、食品素材2を添加したパンA
は、パンB〜Dに比べて食感、風味等に優れ、水分移行
による経時変化が少なく保存性も非常に向上しているこ
とが分かる。
【0156】実施例7 (人形焼) 表16に示す配合割合で各原料を用いて、以下の方法に
より、人形焼を作った。すなわち、全卵、砂糖を混合
し、シラップ及び食品素材2又はコンニャク糊を所定量
加えて均一に混ぜ、3分に1量の水に溶かした重曹を加
え、薄力粉を入れ、さっくりと混ぜ合わせ、残りの水を
加え30分休ませたものを焼き型に分注し、餡を入れ人形
焼を作った。一方、餡は、生餡に水と食品素材2又はコ
ンニャク糊を所定量を入れ、砂糖及びシラップを加え練
り上げたものを使用した。なお、皮にマルトースシラッ
プとして、商品名「MC−55」(日本食品化工(株)
製)、餡にオリゴ糖シラップとして、商品名「フジオリ
ゴ#450」(日本食品化工(株)製)を用いた。
【0157】
【表16】
【0158】得られた各人形焼を用いて、表17に示す
各項目について10点評価法で評価を行い、その平均点
を求めた。その結果を表17に示す。
【0159】
【表17】
【0160】表17から、食品素材2を添加した人形焼
Aは、人形焼B〜Dに比べて物性や風味等が優れている
ことが分かる。また、外観が優れているのは、焼成時に
生地表面がなめらかで、焼成器からのはがれが良く、焼
き色が均一についたためである。更に、経時変化も少な
く皮と餡のしっとり感が非常に向上していることが分か
る。
【0161】実施例8(餃子) 表18に示す配合割合で各原料を用いて、以下の方法に
より、餃子を作った。すなわち、小麦粉に食塩、水及び
食品素材又はコンニャク糊を加え、立型ミキサーで捏
ね、シート状に薄く延ばし、打抜き餃子の皮とした。一
方、カットした具の原料と食品素材及びコンニャク糊を
ミキサーに入れ、混合し均一にしたものを先の皮で包み
焼成し、餃子を作った。なお、皮に加工澱粉として、商
品名「MT-01HH」(日本食品化工(株)製)、具に加工
澱粉として、商品名「マプス#306」(日本食品化工
(株)製)、オリゴ糖シラップとして、商品名「フジオ
リゴ#450」(日本食品化工(株)製)を用いた。そ
して、各餃子の皮の物性等について10点評価法で評価
を行い、その平均点を求めた。その結果を併せて表18
に示す。
【0162】
【表18】
【0163】表18から、食品素材2を添加した餃子の
皮Aは、餃子の皮B〜Dに比べて生地の伸展性やつやが
良く、保湿性が良いことが分かる。
【0164】そして、得られた各餃子を用いて、表19
に示す各項目について20名のパネラーにより官能評価
を行った。なお、チルド耐性は焼成前に4℃で3日間保
存した後焼成し、食感及びしっとり感について総合的に
評価し、冷凍耐性は同じく焼成前に−20℃で1ヶ月間
保存した後焼成したものと、焼成後に−20℃で1ヶ月
間保存した後、電子レンジにより解凍したものを食感及
びしっとり感について総合的に評価した。
【0165】
【表19】
【0166】表19から、食品素材2を添加した餃子A
は、餃子B〜Dに比べて食感やしっとり感、ジューシー
さなどの物性や風味等が優れていることが分かる。ま
た、チルド耐性、冷凍耐性(−20℃で1ヶ月間)や電
子レンジ耐性も優れ、保存性も非常に向上していること
が分かる。
【0167】実施例9(うどん) 表20に示す配合割合で各原料を用いて、以下の方法に
より、うどんを作った。すなわち、小麦粉に食塩、水及
び食品素材1、又は食品素材3、又はコンニャク糊を加
え、立型ミキサーで捏ね、製麺機で麺線を作成し、茹で
てうどんとした。そして、各麺線の物性等について10
点評価法で評価を行い、その平均点を求めた。その結果
を併せて表20に示す。
【0168】また、表中、E〜G、A2、D2、E2、
F2のサンプルはそれぞれ以下の態様を示す。
【0169】A:食品素材1を添加した場合、B:上記
食品素材1の原料を乳化処理せずにそれぞれ別に添加し
た場合、C:コンニャク糊(3質量%、pH9.5)を
添加した場合、D:無添加(基本配合)、E:食品素材
3を添加した場合、F:食品素材3を添加し、加工澱粉
を使用した場合、G:配合に加工澱粉を使用した場合、
各記号の後の2:配合の加水を増やした場合とした。な
お、加工澱粉としては、商品名「MT-01HH」(日本食品
化工(株)製)を用いた。
【0170】
【表20】
【0171】表20から、食品素材1を添加したうどん
Aと、食品素材3を添加したうどんEと、食品素材1を
添加し澱粉を使用したうどんFと、それらの加水を増や
したうどんA2、E2、F2は、うどんB、C、D、G
に比べて生地の伸展性やつやが良く、保湿性が良いこと
が分かる。また、うどんD2は、生地が製麺機のロール
に付き易く、麺線が出来なかった。
【0172】そして、得られた各うどんを用いて、表2
1に示す各項目について20名のパネラーにより官能評
価を行った。なお、煮込み耐性は茹で上げ、冷蔵で冷や
した麺をめんつゆに入れ20分間煮込んだもの、チルド
耐性は4℃で3日間保存した後再度茹でたもの、冷凍耐
性は−20℃で1ヶ月間保存した再度茹でたものの食感
及び茹で伸び等について総合的に評価した。
【0173】
【表21】
【0174】表21から、食品素材1又は食品素材3を
添加したうどんA、A2、E、E2、F、F2は、うど
んB、C、D、Gに比べて食感や表面の状態などの物性
や風味等が優れていることが分かる。また、煮込み耐
性、チルド耐性、冷凍耐性(−20℃で1ヶ月間)も優
れ、保存性も非常に向上していることが分かる。
【0175】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、グ
ルコマンナンを含む水溶液中に、内相にアルカリ水溶液
を含むW/O型エマルジョンが均一に分散したpH4〜
8の食品素材を、各種飲食品に所定量配合することによ
り、物性、食感、風味等に優れ、チルド耐性、冷凍耐性
等の保存安定性が効果的に改善された飲食品を提供でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 由紀 静岡県富士市富士見台2−1−5 (72)発明者 影嶋 富美 静岡県富士市水戸島1丁目5−1−203 (72)発明者 小野 照美 神奈川県小田原市南鴨宮3−7−12−407 (72)発明者 平本 研二 静岡県富士市今泉2954番地 (72)発明者 鈴木 敦子 静岡県富士市比奈2021−1 (72)発明者 鈴木 佐江子 静岡県沼津市富士見町12−20 Fターム(参考) 4B016 LC02 LG07 LK09 LQ10 4B041 LC01 LC03 LD01 LH08 LK28 LP22

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルコマンナンを含む水溶液中に、内相
    にアルカリ水溶液を含むW/O型エマルジョンが均一に
    分散しており、pH4〜8である食品素材が、0.2〜
    50質量%配合されていることを特徴とする飲食品。
  2. 【請求項2】 前記水溶液が、グルコマンナンの他に、
    更に糖類を含有する請求項1記載の飲食品。
  3. 【請求項3】 前記水溶液が、グルコマンナンの他に、
    更に糖類と澱粉とを含有する、請求項2に記載の飲食
    品。
  4. 【請求項4】 前記食品素材のpHが4.5〜7.5で
    ある、請求項1〜3のいずれか1つに記載の飲食品。
  5. 【請求項5】 前記W/O型エマルジョンの油脂相が不
    飽和脂肪酸を50質量%以上含む油脂からなる、請求項
    1〜4のいずれか1つに記載の飲食品。
  6. 【請求項6】 前記W/O型エマルジョンが、油脂と乳
    化剤とアルカリ水溶液とを含むものである、請求項1〜
    3のいずれか一つに記載の飲食品。
  7. 【請求項7】 前記飲食品が、パン類、洋菓子類、クリ
    ーム類、たれ類、冷菓類、スープ類、ソース類、フライ
    類、和菓子類、飴類、ジャム類、餡類、畜肉加工品、グ
    レース剤、米飯類、麺類、飲料類、惣菜類、漬物類、水
    産加工品、乳製品、大豆加工品から選ばれた1種であ
    る、請求項1〜6のいずれか一つに記載の飲食品。
  8. 【請求項8】 グルコマンナンを含む水溶液中に、内相
    にアルカリ水溶液を含むW/O型エマルジョンが均一に
    分散しており、pH4〜8である食品素材を、飲食品原
    料中に0.2〜50質量%配合することを特徴とする飲
    食品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記水溶液が、グルコマンナンの他に、
    更に糖類を含有する請求項1記載の飲食品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記水溶液が、グルコマンナンの他
    に、更に糖類と澱粉とを含有する、請求項9に記載の飲
    食品の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記食品素材のpHが4.5〜7.5
    である、請求項8〜10のいずれか1つに記載の飲食品
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記W/O型エマルジョンの油脂相が
    不飽和脂肪酸を50質量%以上含む油脂からなる、請求
    項8〜11のいずれか1つに記載の飲食品の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記W/O型エマルジョンが、油脂と
    乳化剤とアルカリ水溶液とを含むものである、請求項8
    〜12のいずれか一つに記載の飲食品の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記飲食品が、パン類、洋菓子類、ク
    リーム類、たれ類、冷菓類、スープ類、ソース類、フラ
    イ類、和菓子類、飴類、ジャム類、餡類、畜肉加工品、
    グレース剤、米飯類、麺類、飲料類、惣菜類、漬物類、
    水産加工品、乳製品、大豆加工品から選ばれた1種であ
    る、請求項8〜13のいずれか一つに記載の飲食品の製
    造方法。
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