JP2006042739A - ペースト状食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カスタードクリーム、フラワーペースト、ホワイトソースなどのペースト状食品のおいしさにとって欠かせない特徴として、口溶けが良く滑らかであることが挙げられるが、小麦粉、澱粉、あるいは加工澱粉などの澱粉質を使用しているために、澱粉由来の糊状感、ざらつき、もたつきが出やすく、滑らかさや口溶け感が必ずしも良いとは言い難い。さらに、大量生産、冷凍あるいは冷蔵保存による生産効率の向上が図られているが、冷凍解凍後や冷蔵保存後の離水や食感の悪化などにより、冷凍保存や長期冷蔵保存が難しいという問題点があった。
【解決方法】 ペースト状食品中に米澱粉に代表される小粒子澱粉を原料とする、エーテル化またはエステル化置換度が0.03〜0.2、かつ、膨潤度が2.0〜4.0である架橋エーテル化または、架橋エステル化を施した加工澱粉を2〜10質量%含有させる。
【選択図】なし
【解決方法】 ペースト状食品中に米澱粉に代表される小粒子澱粉を原料とする、エーテル化またはエステル化置換度が0.03〜0.2、かつ、膨潤度が2.0〜4.0である架橋エーテル化または、架橋エステル化を施した加工澱粉を2〜10質量%含有させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、カスタードクリーム、フラワーペースト、フィリング、ホワイトソース、半固体状ドレッシングおよびデザ―ト用ソースなどのペースト状食品に関する。また、その澱粉質原料として、小粒子澱粉で特定範囲の架橋エーテル化または、架橋エステル化加工澱粉を使用した、いわゆるぼそつきやもたつきがなく、滑らかで、口溶けの良い優れた食感を有する耐熱性および冷凍・冷蔵保存時の食感持続性の高いペースト状食品に関する。
カスタードクリーム、フラワーペースト、ホワイトソースなどのペースト状食品は、原料として、水、小麦粉、澱粉、糖類、乳原料、卵原料、油脂、乳化剤、その他を用い、これらを混合、乳化させた後、混練しながら加熱することにより製造されている。
これらのペースト状食品のおいしさにとって欠かせない特徴として、口溶けが良く滑らかであることが挙げられるが、小麦粉、澱粉、あるいは加工澱粉などの澱粉質を使用しているために、澱粉由来の糊状感、ざらつき、もたつきが出やすく、滑らかさや口溶け感が必ずしも良いとは言い難い。
さらに、保存技術の発達により、種々の食品において、大量生産、冷凍あるいは冷蔵保存による生産効率の向上が図られているが、カスタードクリーム等のペースト状食品の場合、冷凍解凍後や冷蔵保存後の離水や食感の悪化などにより、冷凍保存や長期冷蔵保存が難しいという問題点があった。
これらの問題点を解決するため、特開平9−154492号では、澱粉質原料を5〜10重量%含有するフラワーペーストにおいて、緑豆澱粉及び/又はエンドウ豆澱粉を澱粉質原料中10〜40重量%含有し、それら以外の澱粉質原料が未処理の澱粉質:加工澱粉=70〜0:30〜100の重量比率であるフラワーペーストが開示され、特開平10−84874号では、膨潤度が5〜25で、且つアセチル基及び/又はヒドロキシプロピル基の平均置換度が0.02〜0.2である膨潤調節澱粉と高温域では低粘性で冷却すると急激に増粘する特性を有する低温易増粘性澱粉=50:50〜90:10の重量割合とする澱粉質原料を使用するフラワーペーストの製造法などが開示されている。
また特開平11−18681号では、カスタードクリーム、フラワーペースト、フィリング、ホワイトソース、半固体ドレッシング及びデザート食品から選択されたペースト状食品の原料として、(A)ワキシースターチ、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉及びそれらにエーテル化処理やエステル化処理をした加工澱粉から選択される膨潤抑制処理されないものから選ばれた少なくとも一種と、(B)架橋澱粉及び湿熱処理澱粉から選ばれた少なくとも一種とを併用するペースト食品が開示され、(A)を0.2〜10重量%、(B)を0.2〜10重量%含有させることによって、口溶けが良く、滑らかな食感を有し、冷凍保存したときの品質劣化も少ないペースト状食品類が得られる旨開示されている。
さらに、特開2004−173541号では、アミロース含量が20−35質量%の加工穀物澱粉を1−10質量%含有させること及びこの加工澱粉と米澱粉を併用するにより、滑らかで口当りが良く、糊状感がなくて口溶けに優れ、貯蔵安定性にも優れたペースト状食品が得られる旨開示されている。
しかしながら、特開平9−154492号や特開平10−84874号では、糊状感はかなり改善されるが、滑らかさが不充分である。特開平11−18681号でも糊状感の改善は見られるが、滑らかで口溶けの点で、改善の余地がある。また、特開2004−173541号では、アミロース含量が20−35質量%の加工穀物澱粉を1−10質量%含有させること及びこの加工澱粉と米澱粉を併用するにより、食感の改善を行っているが、この加工澱粉は、この公報記載内容から、エーテル化及びエステル化した架橋の施されない加工澱粉である。この加工澱粉をペースト状食品に使用した場合には、粘りや糊状感が強く、保形性や硬さが出ない問題がある。この加工澱粉を使用する限りにおいては、小麦粉やコースターチなど未加工澱粉の製造直後のさくい粘りや糊状感とは異なり、曵糸性のある粘りや糊状感が強い。従って、米澱粉やその加工品と併用しても、好ましくない曵糸性の糊状感、滑らかさや口溶けなどの改善は限定的で、冷蔵・冷凍貯蔵安定性の改善との両立という点で、ある程度の改善は認められるものの、なお不充分である。
特開平9−154492号公報
特開平10−84874号公報
特開平11−18681号公報
特開2004−173541号公報
発明が解決しようとする課題はいわゆるぼそつきやもたつきがなく、滑らかで、口溶けの良い優れた食感を有する、耐熱性および冷凍・冷蔵保存時の食感持続性の高いペースト状食品を開発することである。
上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ペースト状食品中に米澱粉に代表される小粒子澱粉を原料とする、特定範囲の架橋エーテル化または、架橋エステル化を施した加工澱粉を特定量含有させることにより、上記課題が達成されることを見出し、本発明を完成した。
以上説明してきたように、本発明によれば、原料として、米澱粉に代表される小粒子澱粉の特定範囲の架橋エーテル化または、架橋エステル化を施した加工澱粉を特定量含有させることにより、いわゆるぼそつきやもたつきがなく、滑らかで、口溶けの良い優れた食感を有する、耐熱性および冷凍・冷蔵保存時の食感持続性の高いペースト状食品を提供することができる。
本発明においてペースト状食品とは、カスタードクリーム、フラワーペースト、フィリング、ホワイトソース、半固体状ドレッシングやデザート用ソースなどの外観がペースト状である食品を意味する。
ペースト状食品の原料としては、小麦粉、澱粉などの澱粉質、砂糖、水飴、ブドウ糖、マルトース、異性化糖などの糖類、マーガリン、ショートニングなどの動植物油脂類、牛乳、クリーム、発酵乳、脱脂乳などの乳製品、柑橘類、リンゴ、バナナなどの果汁やその粉砕物などの果物、アーモンドやピーナッツやその粉砕物などのナッツ類、チョコレートやココアなど、全卵や卵黄など、寒天、カラギーナン、キサンタンガム、ペクチンなどの増粘多糖類、酸味料、保存料、乳化剤、フレーバー、着色料など挙げられるが、これらをペースト状食品の種類に応じて選択使用される。
本発明に使用する小粒子澱粉の加工澱粉とは、澱粉中のアミロース含量が好ましくは10質量%以上であり、澱粉平均粒径が10ミクロン以下、好ましくは5ミクロン以下である加工澱粉である。具体的には、糯米澱粉、粳米澱粉などの米澱粉、アマランサス澱粉、里芋澱粉、小粒子小麦澱粉などの加工澱粉が挙げられ、好ましくは粳米澱粉、里芋澱粉、小粒子小麦澱粉が挙げられる。加工については架橋ヒドロキシプロピル化または架橋アセチル化が挙げられる。
上記の加工小粒子澱粉は、米澱粉、里芋澱粉、小粒子小麦澱粉、アマランサス澱粉などを原料として、通常加工に使用するエーテル化またはエステル化薬剤と架橋薬剤を常法に従い反応することで得られる。エーテル化またはエステル化と架橋は同時に行っても、別々に行っても良く、反応の順序はいずれでも差し支えない。例えば、ヒドロキシプロピル(エーテル)化の薬剤としてはプロピレンオキサイドなど、アセチル(エステル)化の薬剤としては無水酢酸や酢酸ビニルなどが挙げられる。架橋薬剤としてはオキシ塩化リン、トリメタリン酸ソーダ、エピクロルヒドリンなどが挙げられる。これらの薬剤を適量使用して、本発明に於ける好適なエーテル化またはエステル化置換度0.03〜0.2と架橋の指標とする膨潤度2.0〜4.0を同時に満足するように調整する。また、本澱粉の本質的な特性を変えない程度に、次亜塩素酸ソーダなどにより、軽度な漂白を行っても差し支えない。
本発明に於ける置換度とは、澱粉のグルコース残基当たりに対する置換基の個数である。本発明に於ける膨潤度とは、澱粉の架橋度合の指標とするもので、その測定法を以下に述べる。
試料澱粉を無水換算150mg精秤し、試験管に移す。その中へ後述する試験用液15ml正確に加え、よく振とう分散させ、直ちに沸騰水浴中に入れ5分間加熱後、急冷し室温程度にした後、再度振とう均一化して10mlメスシリンダーに試験管内溶液を10ml移し、20℃程度で18時間静置して、その沈降した量を測定したml値である。
試験用液の調製方法:塩化亜鉛300g,塩化アンモニウム780g,イオン交換水1875gを加温溶解後冷却し、19ボーメ(15℃)に合わす。この液10mlを取り、ブロムフェノールブルー液を2滴加え、0.1N−HClで紫から黄まで滴定して塩酸度を求める。(塩酸度=HClのファクター×滴定に要したml数)塩酸度が3.9±0.1になるようにアンモニア水、塩酸を用いて調整する。調整後、再度塩酸度を確認して、最後にろ過して用いる。
試料澱粉を無水換算150mg精秤し、試験管に移す。その中へ後述する試験用液15ml正確に加え、よく振とう分散させ、直ちに沸騰水浴中に入れ5分間加熱後、急冷し室温程度にした後、再度振とう均一化して10mlメスシリンダーに試験管内溶液を10ml移し、20℃程度で18時間静置して、その沈降した量を測定したml値である。
試験用液の調製方法:塩化亜鉛300g,塩化アンモニウム780g,イオン交換水1875gを加温溶解後冷却し、19ボーメ(15℃)に合わす。この液10mlを取り、ブロムフェノールブルー液を2滴加え、0.1N−HClで紫から黄まで滴定して塩酸度を求める。(塩酸度=HClのファクター×滴定に要したml数)塩酸度が3.9±0.1になるようにアンモニア水、塩酸を用いて調整する。調整後、再度塩酸度を確認して、最後にろ過して用いる。
本発明に使用する小粒子澱粉以外の澱粉、例えばコーンスターチやタピオカ澱粉などからの加工澱粉では、ざらつきやもたつきが感じられ、口溶けが悪く、目的とするペースト状食品の食感になり得ない。
また、アミロース含量10質量%未満の小粒子澱粉、例えばもち種コメ澱粉などを使用した加工澱粉の場合では、保形性が弱い難点はあるが、滑らかさや口溶けについては概ね好ましい。
加工小粒子澱粉の加工度は、エーテル化またはエステル化置換度0.03〜0.2、かつ、膨潤度2.0〜4.0が好ましく、置換度が0.03未満では滑らかなゲルが出来ず、食感の変化が大きく、離水などを起こしやすい。また、0.2より高いと糊状感やべたつきが出て、口溶けの悪い重たい食感になる。一方、膨潤度が2.0未満では澱粉のペースト状食品中での膨潤が不充分で、保形性が弱く、ゲルを形成しなくなる。また、4.0より高いと、耐熱などの諸耐性が乏しく、ねばりやべたつきが出て、口溶けの悪い重たい食感になる。
これらの加工小粒子澱粉の中でも、保形性、老化耐性、口溶けや滑らかさなどの観点から、特に架橋ヒドロキシプロピル化澱粉が特に好ましい。
ペースト状食品の製造には、普通、小麦粉やコーンスターチ、米澱粉などの澱粉類を多く使用してきたが、これら未加工の澱粉類はゲル化して糊状感の少ない食感が得られるが、滑らかさや口溶け感が不充分であり、老化耐性に乏しく、保存が出来ないという問題があった。この改善策として、架橋エーテル化コースターチに代表される加工澱粉が使用される。これにより、粘性、老化耐性や保存性などの改善が成されたが、近年の厳しい食感要求によって、加工澱粉に起因する糊状感や膨潤澱粉粒によるざらつき感などが問題になっている。
ペースト状食品の製造には、普通、小麦粉やコーンスターチ、米澱粉などの澱粉類を多く使用してきたが、これら未加工の澱粉類はゲル化して糊状感の少ない食感が得られるが、滑らかさや口溶け感が不充分であり、老化耐性に乏しく、保存が出来ないという問題があった。この改善策として、架橋エーテル化コースターチに代表される加工澱粉が使用される。これにより、粘性、老化耐性や保存性などの改善が成されたが、近年の厳しい食感要求によって、加工澱粉に起因する糊状感や膨潤澱粉粒によるざらつき感などが問題になっている。
本発明はこれら問題点の改善を可能にするペースト状食品を提供するもので、その骨子は加工小粒子澱粉、好ましくはアミロース含量10質量%以上の加工小粒子澱粉を澱粉質材料として使用するものである。
本発明の加工小粒子澱粉のペースト状食品への使用割合は、その食品の種類や製造法によって異なるが、その食品中の2〜10質量%が好ましく、2質量%未満では、生産後の状態を保持するのが困難で、10質量%より多くなると、食感が重くなり好ましくない。
本発明の加工小粒子澱粉は、ペースト状食品に、2〜10質量%使用することの他、制限はなく、一般的に行われるペースト状食品の製造法により製造できる。例えばフラワーペーストの場合では、本発明の加工小粒子澱粉、小麦粉、コーンスターチなど澱粉質、糖類、蛋白などを水に加え、撹拌混合しながら、油脂類を添加、充分乳化した後、バッチ釜あるいはオンレーターなどを用いて100℃前後で加熱して、澱粉質を糊化させた後、冷却することで製造できる。
上記フラワーペーストの例示において示した通り、通常使用される澱粉質原料と本発明の加工小粒子澱粉と通常使用される澱粉質原料を併用しても良いし、勿論、本発明の加工小粒子澱粉を澱粉質原料として、単独使用しても良い。また、本発明澱粉の特性が発揮される限りにおいては、他の加工澱粉と併用しても差し支えない。
このようにして得られるペースト状食品は、いわゆるぼそつきやもたつきがなく、滑らかで、口溶けの良い優れた食感を有する、耐熱性および冷凍・冷蔵保存時の食感持続性の高いものとなる。
以下に参考例、実施例によって、さらに詳しく説明する。尚、参考例、実施例に於ける部および%は質量部および質量%を表す。
水1300部に硫酸ナトリウム300部および苛性ソーダ10部を溶解した溶液を表1に示す試料番号毎に用意し、米澱粉1000部、エーテル化剤としてプロピレンオキサイド、架橋剤としてトリメタリン酸ソーダを表1の通り添加して、撹拌下40℃で20時間反応した後、塩酸で中和、水洗、脱水、乾燥して架橋ヒドロキシプロピル化米澱粉を得た。置換度、膨潤度およびその原料のアミロース含量などを表1に示す。
水1200部に硫酸ナトリウム50部および苛性ソーダ4部を溶解した溶液を表1に示す試料番号毎に用意し、米澱粉1000部を添加、懸濁液とし、撹拌下、架橋剤としてトリメタリン酸ソーダを表1の通り添加して、6時間反応した後、3%苛性ソーダ水溶液によりpH8.0〜9.0を維持しながら、エステル化剤として無水酢酸を表1の通り添加して、3時間反応した。その後、塩酸で中和、水洗、脱水、乾燥して架橋アセチル化米澱粉を得た。置換度、膨潤度およびその原料のアミロース含量などを表1に示す。
水1300部に硫酸ナトリウム300部および苛性ソーダ10部を溶解した溶液を表1に示す試料番号毎に用意し、コーンスターチ、またはタピオカ澱粉を1000部、エーテル化剤としてプロピレンオキサイド、架橋剤としてトリメタリン酸ソーダを表1の通り添加して、撹拌下40℃で20時間反応した後、塩酸で中和、水洗、脱水、乾燥して架橋ヒドロキシプロピル化澱粉を得た。置換度および膨潤度などを表1に示す。
表1の各試料澱粉を用い、下記の表2処方1配合により、フラワーペーストを製造した。即ち、試料澱粉、上白糖、水飴、脱脂粉乳、キサンタンガム、モノグリセライド、クエン酸、ソルビン酸を水に溶解または分散しながら、60℃まで加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業製)9000rpmにて撹拌下、予め加温溶解したマーガリンを添加し、10分間乳化した。この乳化液を鍋に移し、ガス直火にてヘラで撹拌しながら5分間加熱した。この後、約70℃まで冷却後、内容物を容器に詰め、蓋をして、室温まで放冷して、試料番号毎の加工澱粉を用いたフラワーペースト試料をそれぞれ製造した。得られたフラワーペースト試料の評価を下記に示す基準により判定した。また、その結果を表3に示す。
食感評価
<滑らかさ>◎:糊状感やざらつき感がなく、非常に滑らかである。
○:糊状感やざらつき感が少なく、滑らかである。
△:糊状感またはざらつき感が少し感じられる。あるいは滑らかさが少し悪い。
×:糊状感またはぼそつき、ざらつき感が強く、滑らかさがない。
<口溶け> ◎:非常に良い。
○:良い。
△:少し悪い。
×:悪い。
<滑らかさ>◎:糊状感やざらつき感がなく、非常に滑らかである。
○:糊状感やざらつき感が少なく、滑らかである。
△:糊状感またはざらつき感が少し感じられる。あるいは滑らかさが少し悪い。
×:糊状感またはぼそつき、ざらつき感が強く、滑らかさがない。
<口溶け> ◎:非常に良い。
○:良い。
△:少し悪い。
×:悪い。
<保形性> ◎:非常に良い。
○:良い。
△:少し悪い。
×:悪い。
○:良い。
△:少し悪い。
×:悪い。
<耐熱性>
口金を付けた絞り袋にフラワーペースト試料を入れ、約10gを花模様状にアルミ箔皿上に絞り出し、180℃ガスオーブンに移し15分間加熱した後、目視により判定した。
◎:変形がなく、非常に良い。
○:変形があまりなく、良い。
△:角などが少し丸くなり、少し悪い。
×:角などが殆どなく、全体が平たくなり悪い。
口金を付けた絞り袋にフラワーペースト試料を入れ、約10gを花模様状にアルミ箔皿上に絞り出し、180℃ガスオーブンに移し15分間加熱した後、目視により判定した。
◎:変形がなく、非常に良い。
○:変形があまりなく、良い。
△:角などが少し丸くなり、少し悪い。
×:角などが殆どなく、全体が平たくなり悪い。
<安定性>
フラワーペースト試料を約5℃の冷蔵庫内に保存し、食感の変化、離水の有無により判定した。
◎:2週間以上食感の変化がなく、離水を生じない。
○:1週間以上食感の変化がなく、2週間まで離水を生じない。
△:1週間程度食感の変化が殆どなく、1〜2週間で離水を生じる。
×:1週間以内に食感の変化が顕著で、離水を生じる。
フラワーペースト試料を約5℃の冷蔵庫内に保存し、食感の変化、離水の有無により判定した。
◎:2週間以上食感の変化がなく、離水を生じない。
○:1週間以上食感の変化がなく、2週間まで離水を生じない。
△:1週間程度食感の変化が殆どなく、1〜2週間で離水を生じる。
×:1週間以内に食感の変化が顕著で、離水を生じる。
表1の試料番号4,7,17を用い、下記の表2処方2,3の配合および対照処方4により、フラワーペーストを上記実施例1と同様に製造した。フラワーペースト試料の評価を上記に示す基準により判定した。また、その結果を表4に示す。
表1の試料番号3,5,6,9,17,19を用い、下記の基本処方(表5)およびその澱粉質配合処方(表6)により、カスタードクリームを製造した。即ち、試料澱粉、牛乳、卵黄、上白糖、水飴、ソルビン酸を水に溶解または分散しながら、60℃まで加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業製)5000rpmにて5分間均質化した。この液を沸騰水浴中で、撹拌しながら90℃以上20分間加熱し、バニラエッセンスを最後に少量加えた。この後、約70℃まで冷却後、内容物を容器に詰め、蓋をして、室温まで放冷して、試料番号のカスタードクリーム試料をそれぞれ製造した。得られたカスタードクリーム試料の評価を上記フラワーペースト評価時の基準(滑らかさ)(口溶け)(保形性)により判定した。また、冷凍解凍後のカスタードクリーム試料に就いても同様に評価した。その結果を表6に示す。尚、安定性の評価は製造放冷後と冷凍解凍後との食感比較により判定した。その判定基準を下記に示す。
<安定性>
カスタードクリーム試料を約−18℃の冷凍庫内に冷凍保存し、7日間保存後室温で解凍し、食感の劣化により判定した。
◎:食感の劣化が全くない。
○:食感の変化は僅かに感じられるが、食感は良い。
△:食感の劣化がすこしある。
×:ざらつきが顕著で、滑らかさがなく、食感の劣化が顕著である。
カスタードクリーム試料を約−18℃の冷凍庫内に冷凍保存し、7日間保存後室温で解凍し、食感の劣化により判定した。
◎:食感の劣化が全くない。
○:食感の変化は僅かに感じられるが、食感は良い。
△:食感の劣化がすこしある。
×:ざらつきが顕著で、滑らかさがなく、食感の劣化が顕著である。
表1の試料番号6,9,17,19,25を用い、下記の基本処方(表7)により、ホワイトソースを製造した。即ち、鍋にバターを入れ、弱火で溶かし、試料澱粉または/および小麦粉を好適量入れ混ぜながら加熱し、ダマが出来ないように混ぜながら、温めた牛乳を少しずつ加え、水に溶いた食塩や調味料を加え、撹拌下弱火で10分間加熱後、室温まで冷却して、30℃粘度で約10000mPasのホワイトソース試料をそれぞれ製造した。これを容器に移し入れ蓋をした後、約−18℃の冷凍庫に7日間冷凍保存し、解凍して食感と状態を評価した。
この評価結果を次に示す。試料番号6,9,17,19の澱粉を使用したホワイトソースは、滑らかで、口溶けの良い良好な食感を有していた。また、これらの試料番号の澱粉と小麦粉を等量使用したホワイトソースでも、単独使用のものとおおむね同様に、滑らかで口溶けの良い良好な食感を有していた。これに対し、試料番号25を使用したホワイトソースは、僅かながら糊状感やざらつきがあり、滑らかさが充分でなかった。対照とした澱粉質として小麦粉のみを使用したものは、離水が認められ、ホワイトソースの組織が不均一な状態で、食感もざらつき、口溶けや滑らかさが劣っていた。
Claims (5)
- カスタードクリーム、フラワーペースト、フィリング、ホワイトソース、半固体状ドレッシングおよびデザート用ソースなどのペースト状食品において、小粒子澱粉を原料とする、特定範囲の架橋エーテル化または、架橋エステル化加工澱粉を含有することを特徴とするペースト状食品。
- 前記加工澱粉が米澱粉を原料とする、エーテル化またはエステル化置換度が0.03〜0.2、かつ、膨潤度が2.0〜4.0である請求項1記載のペースト状食品。
- 前記加工澱粉の原料が粳米であることを特徴とする請求項1記載のペースト状食品。
- 前記加工澱粉が架橋ヒドロキシプロピル化澱粉である請求項1記載のペースト状食品。
- 前記加工澱粉を2〜10質量%含有する請求項1記載のペースト状食品。
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