JP3700015B2 - パン類及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパン類、更に詳しくは新規な食感を有するパン類及びその製造法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、消費者志向は多様化し、既存の概念に捕らわれない新しいタイプの食品、或はこれまでにない食感の食品が求められる傾向にあり、パンに於ても同様に新規な食感が求められている。
【0003】
パンはわが国に於ても欠かせない食品の一つで種類も多い。フランスパンなどのリーンな処方のタフな弾力を有するものから、パネトーネ、ブリオッシュなどのように非常にリッチな処方の弾力がなく、歯切れは良いがパサついた食感のものまで幅広い種類のパンが製造されている。しかし、これら多くの種類があっても、その食感はいずれもパンの域を脱しないものであった。
【0004】
一方、餅は古来より焼いたり、煮たりして親しまれている食品の一つで、その食感は日本人に潜在的に好ましい食感として引き継がれてきたものである。しかし、餅とパンでは、これまでは相容れない食品、即ち、典型的な和食と洋食と言える範疇の食品であったが、餅風の食感、即ち、食感的にモチモチ感のあるパンが得られれば、和食を好む人達にも受け入れられるパンになる。
【0005】
パンに加工澱粉を用いる方法としては、パン類の柔らかさを改善する方法としてα−化澱粉を用いる方法(特開昭59−175845号)、特定の加工澱粉を用いる方法(特開平4−91744号、特開平5−15296号)、小麦粉の一部を加工澱粉とグルテンで置き換えてパンを品質改良する方法(特開平3−87135号)、湿熱処理澱粉を用いて品質改良する方法(特開平6−169680号)、ベーカリー食品用の加工澱粉を含む油脂組成物(特開平5−153897号、特開平8−196198号、特開平8−224057号)などが提案さている。しかし、これらの方法はいずれも、モチモチ感のあるパン類を具現、又は示唆するものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、パン本来の形状、風味を有すると共に、餅風の食感、即ち、モチモチした食感を有するパンの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
斯かる現状に鑑み鋭意検討を重ねた結果、パンを製造する際の主原料として、小麦粉、特定の加工澱粉及びα−化澱粉質の特定比率からなる原料粉を用いることにより、本発明の課題が解決されることを見いだして本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、パン類を製造する際の主原料として、小麦粉62〜92.5重量部、ヒドロキシプロピル澱粉及び/又はアセチル澱粉7〜30部及びα−化澱粉質0.5〜8重量部からなる原料粉を用いることにより達せられ、その際好ましくはヒドロキシプロピル澱粉及び/又はアセチル澱粉がタピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ及び糯米澱粉から選ばれる一種又は二種以上を原料としたものであり、更に好ましくはα−化澱粉質が冷水膨潤度5〜25のものを用いたパン類である。
【0009】
【発明の実施形態】
本発明に於てパン類とは小麦粉を主原料とし、イースト、食塩、水、イーストフードの他、必要な副材料を加えてドウを形成し、これを発酵膨化させた後、焼成、フライ、蒸しなどの加熱処理を行ったもので、具体的にはプルマン、イギリス食パンなどの食パン類、バゲット、パリジャンなどのフランスパン、スイートロール、バンズ、テーブルロールなどの各種ロール類の他、イーストドーナツ、中華まんなどと一般的に称されているものを指称する。
【0010】
尚、ここで副材料とは一般にパンの製造に使用されている副材料、或はパンの種類、望まれる品質などによって使用されている副材料で、具体的には砂糖、グルコース、異性化糖、オリゴ糖、還元澱粉分解物などの糖質、脱脂粉乳、全乳粉末などの乳製品、ショートニング、マーガリン、バター、乳化油脂などの油脂類、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの乳化剤、シナモン、バジリコなどの香辛料、ブランデー、ラム酒などの洋酒類、レーズン、ドライチェリーなどのドライフルーツ、アーモンド、ピーナツなどのナッツ類、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼなどの澱粉分解酵素、香料(例えばバニラエッセンス)、人口甘味料(例えばアスパラテーム)、食物繊維(例えば難消化性デキストリン)、活性グルテン、ココアパウダーなどが例示できる。
【0011】
本発明では主原料として、小麦粉62〜92.5重量部、ヒドロキシプロピル澱粉及び/又はアセチル澱粉7〜30重量部及びα−化澱粉質0.5〜8重量部からなる混合物を従来の小麦粉に替えて使用し、これら三者を含めた言葉として原料粉と称する。
【0012】
本発明で使用する小麦粉は、通常パン類の製造に使用されている小麦粉が用いられ、所望によってはその一部をライ麦粉、コーンフラワー、グラハムフラワー、米粉などで置き換えることもできる。その置換量は原料粉の30重量%以下、好ましくは5〜20重量%量を原料粉中の小麦粉と置き換えて使用することができる。
【0013】
ヒドロキシプロピル澱粉及びアセチル澱粉は加工澱粉(化工澱粉とも称される)の一種である。加工澱粉としてはこれらの他に、カルボキシメチル澱粉、リン酸澱粉、コハク酸澱粉、オクテニルコハク酸澱粉など多くのものが知られているが、これらの中でも本発明ではヒドロキシプロピル澱粉及び/又はアセチル澱粉のみが有効である。
【0014】
本発明で使用するヒドロキシプロピル澱粉はプロピレンオキサイドを澱粉に作用させてヒドロキシプロピル化した澱粉であり、アセチル澱粉は無水酢酸又は酢酸ビニールモノマーを澱粉に作用させてアセチル化した澱粉である。これらは常法に従って製造され、それらの置換度(澱粉の無水グルコース残基当たりのヒドロキシプロピル基又はアセチル基のモル数で表す)は0.015以上、好ましくは0.03〜0.2であることが望ましい。置換度が0.015未満ではモチモチした食感が得られ難くなるし、0.2を越えて高くしても効果は変わらず経済的でない。
【0015】
また、ヒドロキシプロピル澱粉及びアセチル澱粉の置換度が上述の範囲にあれば、架橋処理を併せて行ったものも使用できる。その場合の架橋の程度は、ブラベンダーアミログラフで測定した時の最高粘度が1000BU程度になる濃度で、94℃まで昇温し、更に94℃で10分加熱する条件で測定して、その最高粘度が94℃、10分後の粘度と同等ないしはそれより高くなる程度にとどめるのが好ましい。尚、本発明に於いて用いる上記ヒドロキシプロピル澱粉及びアセチル澱粉としては、α−化したものは含まない。
【0016】
ヒドロキシプロピル澱粉及びアセチル澱粉の製造に用いる澱粉の種類としては、市販の澱粉、例えば馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉、糯米澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉などを用いることができ、これらの中でもタピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ及び糯米澱粉から選ばれる一種又は二種以上を用いると、より効果的で好ましい。
【0017】
本発明に於て用いるα−化澱粉質は、澱粉、加工澱粉、穀粉をα−化処理して乾燥し、粉末にしたもので、一般にα−化澱粉(α−化加工澱粉を含む)、α−化穀粉と称されている製品を指称する。これらは常法に従って製造することができる。即ち、澱粉、加工澱粉、穀粉を水の存在下、ドラムドライヤー、エクストルーダー、スプレードライヤーなどを用いて加熱して澱粉質をα−化、乾燥した後、必要に応じて粉砕して粉末にして得られる。
【0018】
α−化澱粉質の原料に用いる澱粉としては、コーンスターチ、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、米澱粉、ハイアミロースコーンスターチ、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチなどの市販の未処理澱粉が挙げられるし、加工澱粉は市販の未処理澱粉を加工処理した澱粉で、具体的には酸処理澱粉、次亜塩素酸ソーダ処理澱粉、架橋澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、架橋エーテル化澱粉、架橋エステル化澱粉など、穀粉としては小麦粉、米粉、コーンフラワーが挙げられる。また、これら澱粉、加工澱粉、穀粉を組み合わせて用いることもできる。
【0019】
α−化澱粉質としてはこれら多くのものを用いることができるが、これらの中でも冷水膨潤度が5〜25にあるα−化澱粉質を用いることにより、焼成後の腰折れを抑えて優れた形状のパン類が得られてより好ましい。冷水膨潤度5〜25のα−化澱粉質は、未処理澱粉の糊化し難い澱粉、例えばコーンスターチ、小麦澱粉、ハイアミロースコーンスターチ、米澱粉や穀粉を原料にすることにより得られる。また、糊化し易い澱粉、例えばタピオカ澱粉や馬鈴薯澱粉であっても、架橋処理してその膨潤度を調節した加工澱粉を原料にすることにより、好ましい冷水膨潤度のα−化澱粉質が得られる。また、冷水膨潤度がこの範囲にあれば、架橋処理とアセチル化、ヒドロキシプロピル化処理などのエステル化、エーテル化処理を組み合わせたものでも良いし、二種以上のα−化澱粉質を組み合わせて所定の冷水膨潤度になるものでも、好ましい結果が得られる。
【0020】
尚、本発明で述べる冷水膨潤度は次の方法によって測定される。即ち、乾燥物換算で試料約1gを25℃の水100mlに分散し、30分間25℃の恒温槽中で緩やかに撹拌した後、遠心分離(3000rpm、10分間)し、ゲル層と上澄層に分ける。次いでゲル層の重量を測定してこれをAとする。次に重量測定したゲル層を乾固(105℃、恒量)して重量を測定し、これをBとし、A/Bで冷水膨潤度を表す。
【0021】
本発明は、一般的に主原料として小麦粉が使用されているパンの製造に於て、前述の小麦粉62〜92.5重量部、ヒドロキシプロピル澱粉及び/又はアセチル澱粉7〜30重量部、α−化澱粉質0.5〜8重量部からなる原料粉を小麦粉に替えて用いることにより達せられる。原料粉のこれら三者の内一つでも上述の範囲を逸脱すると、パン本来の形状、風味を有すると共にモチモチした食感を有するパン類は得られなくなる。例えば小麦粉の割合が62部より少なくなると、パン類として風味、形状、内相が劣り、92.5部を越えて多くなるとモチモチ感を有さなくなるし、ヒドロキシプロピル澱粉及び/又はアセチル澱粉、或はα−化澱粉質が上限を逸脱すると形状、内相が劣り、下限を逸脱するとモチモチ感が劣るなどとして現れる。
【0022】
本発明は上述の原料粉を小麦粉に替えて使用することに特徴があり、その他の製造条件は特に限定されるところはなく、従来の方法を踏襲することができる。即ち、パン類の製造法として一般的に行われている中種法、直捏法などのいずれの方法でも製造でき、それらの製造法に於て前述の原料粉に食塩、イースト、イーストフード、砂糖、油脂類などの必要とする原料粉以外の材料を配合し、水を加えて混捏し、常法に従って発酵、分割、丸め、ねかし、成型、型詰、ホイロなどの工程を経て焼成、蒸す、フライするなどの加熱処理して得られる。また、本発明の原料粉は、予め混合したプレミックスの形態で使用することもできるし、パン類の製造時にそれぞれを添加混合しても良い。
【0023】
また、冷凍耐性のあるイースト、酸化剤(例えば、アスコルビン酸)、澱粉分解酵素(例えば、グルコアミラーゼ)などを用いる冷凍生地の技術を適用すれば、冷凍生地に適用することもできるし、生理機能の付与や栄養素強化が望まれる場合、それぞれの機能を有する成分、例えば各種食物繊維、各種オリゴ糖、多価不飽和脂肪酸、ペプチド類、配糖体類、ビタミン類、ポリフェノール類、ミネラルなどを所望により添加することができる。
【0024】
かくして得られた本発明のパン類は、パン本来の形状、風味を有すると共に、餅風の食感、即ち、従来にないモチモチした食感を有し、謂わば和風パンとも言えるものである。
【0025】
【実施例】
次に参考例、実施例を挙げ、更に本発明を詳しく説明する。尚、参考例、実施例に於て部は重量部、%は重量%を示す。
【0026】
【参考例1】
水130部に硫酸ソーダ25部を溶解し、この液にタピオカ澱粉100部を分散したスラリーを5点調製し、これらに撹拌下3%苛性ソーダ水溶液30部及びプロピレンオキサイド0.6部、1.2部、2.3部、6部、12部をそれぞれに加え、41℃で22時間反応した後、塩酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して試料No.1〜5のヒドロキシプロピル澱粉を得た。それぞれの置換度は0.011(試料No.1)、0.022(試料No.2)、0.041(試料No.3)、0.104(試料No.4)、0.188(試料No.5)であった。
【0027】
【参考例2】
参考例1に於て、タピオカ澱粉を馬鈴薯澱粉に替え、プロピレンオキサイドの添加量を7部にした他は同様にして試料No.6のヒドロキシプロピル澱粉を得た。その置換度は0.125であった。
【0028】
【参考例3】
水120部に糯米澱粉100部を加えてスラリーとし、撹拌下3%苛性ソーダ水溶液を加えてpH8.0〜9.5に維持しながら常温で無水酢酸7部を加えて3時間反応した後、塩酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して試料No.7のアセチル澱粉を得た。その置換度は0.067であった。
【0029】
【参考例4】
水120部に硫酸ソーダ10部、ワキシーコーンスターチ100部を加えてスラリーとし、これに3%苛性ソーダ水溶液を添加してpH11.2〜11.4に維持しながら、トリメタリン酸ソーダ0.01部を加えて41℃で8時間反応した後、塩酸でpH9.0に中和すると共に25℃に冷却し、3%苛性ソーダ水溶液でpH8.0〜9.5に維持しながら、無水酢酸8部を加えて3時間反応した後、塩酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して試料No.8のリン酸架橋アセチル澱粉を得た。そのアセチル化度は置換度0.075であり、6%濃度で測定したブラベンダーアミログラフに於ける最高粘度は1020BU、94℃、10分後の粘度は910BUであった。
【0030】
【参考例5】
水130部に硫酸ソーダ25部を溶解し、これにタピオカ澱粉100部を加えてスラリーとし、3%苛性ソーダ水溶液でpH11.2〜11.4に維持しながらモノクロル酢酸ソーダ7部を加え、42℃で24時間反応した後、塩酸で中和し、水洗、乾燥して置換度0.053のカルボキシメチル澱粉(試料No.9)を得た。
【0031】
【参考例6】
水120部に硫酸ソーダ10部、タピオカ澱粉100部を加えたスラリーを2点調製し、これらに3%苛性ソーダ水溶液を添加してpH11.2〜11.4に維持しながら、トリメタリン酸ソーダを1.2部(試料No.10)、0.65部(試料No.11)を加えて45℃で5時間反応した。次いで塩酸で中和し、水洗した後、澱粉濃度38%のスラリーとし、ダブルドラムドライヤーを用いてα−化すると共に乾燥し、粉砕して試料No.9、10のα−化澱粉を得た。両者の冷水膨潤度は4.1(試料No.10)、6.2(試料No.11)であった。
【0032】
【参考例7】
水120部に硫酸ソーダ20部、馬鈴薯澱粉100部を加えたスラリーを2点調製し、これらに4%苛性ソーダ水溶液25部、プロピレンオキサイド6部と、トリメタリン酸ソーダ0.2部、0.11部をそれぞれに加え、43℃で21時間反応後、塩酸で中和し、水洗した。次いで参考例6に従ってα−化澱粉を得た。それらの冷水膨潤度は20.5(試料No.12)、31.0(試料No.13)であった。
【0033】
【実施例1】
小麦粉、試料No.1〜9のヒドロキシプロピル澱粉及びアセチル澱粉を含む加工澱粉、試料No.11のα−化澱粉質を用いて下記配合割合の中種法で山型食パンを製造した。
【0034】
【0035】
<製造条件>
中種捏上温度:24℃ 中種発酵温度 :4時間
本捏捏上温度:28℃ フロアータイム:25分
分割 :250g×2 ベンチタイム :20分
ホイロ :60分 焼成温度 :175℃
焼成時間 :22分(ガスコンベクション)
得られた山型食パンを以下の評価基準に従って評価し、その結果を表1に示す。
【0036】
<体積>
菜種置換法によってパンの体積を測定し、そのパンの重量で体積を除した比容積で表す。
【0037】
<パンとして見た風味、形状、内相>
◎:良好 〇:やや良好 △:やや不良 ×:不良
【0038】
<食感>
◎:餅風のモチモチした食感が顕著
〇:餅風のモチモチした食感がやや顕著
△:多少モチモチした食感があるも、従来パンの食感と大差なし
×:従来パンの食感と変わらない
【0039】
【表1】
【0040】
【実施例2】
実施例1に於て、試料No.4のヒドロキシプロピル澱粉を用い、α−化澱粉質として試料No.10〜13を用いた他は、実施例1と同様にして山型食パンを製造し、同様に評価してその結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【実施例3】
実施例1に於て、試料No.4のヒドロキシプロピル澱粉、α−化澱粉質として試料No.11を用い、これらを表3に示す割合(部で表す)で用い、本捏の水の添加量をα−化澱粉質の使用量が6〜10部の場合は40部、0〜1部の場合は24部とした他は同様に山型食パンを製造し、同様に評価した結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【実施例4】
アセチル澱粉として試料No.8、α−化澱粉質としてα−化小麦澱粉「マツノリンW」(松谷化学工業社、冷水膨潤度16.1)を用いて下記配合割合、製造条件の直捏法でイギリスパンを製造した。
【0045】
<配合割合>
強力小麦粉 80部
アセチル澱粉(試料No.8) 18部
α−化澱粉質「マツノリンW」 2部
イースト 2.2部
イーストフード 0.1部
砂糖 3部
食塩 2部
ショートニング 3部
水 65部
【0046】
<製造条件>
捏上温度:27℃ 発酵時間 :90分、パンチ後20分
分割 :260g ベンチタイム:20分
ホイロ :60分 焼成温度 :200℃
焼成時間:40分(電気オーブン)
得られたイギリスパンは、形状、風味、内相とも通常品と変わらず、食感はモチモチした、餅風の食感を有していた。
【0047】
【実施例5】
ヒドロキシプロピル澱粉として試料No.3、α−化澱粉質としてコーンフラワーをα−化したα−化コーンフラワー(冷水膨潤度15.7)を用い、下記配合割合でバターロールを製造した。
【0048】
<配合割合>
中種
強力小麦粉 70部
イースト 3.5部
イーストフード 0.1部
水 40部
本捏
強力小麦粉 8部
ヒドロキシプロピル澱粉(試料No.3) 19部
α−化澱粉質(α−化コーンフラワー) 3部
砂糖 12部
食塩 1.7部
脱脂粉乳 3部
マーガリン 15部
全卵 15部
水 12部
【0049】
<製造条件>
中種捏上温度:25℃ 中種発酵温度 :2時間30分
本捏捏上温度:28℃ フロアータイム:30分
分割 :45g ベンチタイム :15分
ホイロ :55分 焼成温度 :200℃
焼成時間 :12分(電気オーブン)
得られたバターロールは形状、風味、内相とも通常品と変わらず、食感はモチモチした、餅風の食感を有していた。
【0050】
【実施例6】
下記配合割合で調製した中華まんの皮で具材を包み中華まんを製造した。
<配合割合>
薄力小麦粉 60部
強力小麦粉 15部
アセチル澱粉(試料No.7) 21部
α−化澱粉質(試料No.12) 4部
イースト 3.2部
ベーキングパウダー 1部
砂糖 12部
「H−PDX」* 3部
食塩 1部
ショートニング 5部
水 57部
*松谷化学工業社製、還元澱粉分解物
【0051】
<製造条件>
ミキシング :低速4分、高速30秒、油脂投入後低速3分、高速30秒
生地捏上温度 :27℃ フロアータイム:10分
生地分割、包あん:生地60g、具材35g
ホイロ :30分 蒸し:15分(蒸し器使用)
得られた中華まんは形状、風味、内相とも通常品と変わらず、食感はモチモチした、餅風の食感を有していた。
Claims (4)
- パン類を製造する際の主原料として、小麦粉62〜92.5重量部、ヒドロキシプロピル澱粉及び/又はアセチル澱粉7〜30重量部及びα−化澱粉質0.5〜8重量部からなる原料粉を用いたことを特徴とするパン類。
- ヒドロキシプロピル澱粉及びアセチル澱粉がタピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ及び糯米澱粉から選ばれる一種又は二種以上を原料としたものである請求項1に記載のパン類。
- α−化澱粉質が冷水膨潤度5〜25のα−化澱粉及び/又はα−化穀粉である請求項1に記載のパン類。
- パン類の製造に際し、その主原料として、小麦粉62〜92.5重量部、ヒドロキシプロピル澱粉及び/又はアセチル澱粉7〜30重量部及びα−化澱粉質0.5〜8重量部からなる原料粉を従来の小麦粉に代えて用いたことを特徴とするパン類の製造法。
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