JP7218097B2 - 焼き菓子用ミックス粉、焼き菓子及び焼き菓子の製造方法 - Google Patents

焼き菓子用ミックス粉、焼き菓子及び焼き菓子の製造方法 Download PDF

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本発明は焼き菓子用ミックス粉、焼き菓子及び焼き菓子の製造方法に関するものである。
焼き菓子は、風味豊かで、シットリとして、口溶けがよく、粉っぽさなの感じられないものが望まれていた。近年、消費者の嗜好性は多様化し、焼き菓子外表部のパリッとした食感が好まれる傾向にある。オーブントースター等で再加熱することにより、焼き菓子の外表部をパリッとした食感を得ることができるが、焼き菓子の内層部が乾燥するためにしっとりとした食感が損なわれてパサつきやボソつきのある食感になるという問題があった。
焼き菓子の外表面の食感を改良するために、次のような技術が提案されている。特許文献1では、剥皮処理された小麦粒および/またはその破砕小麦を含有する、サクサクとした食感の菓子が得られる菓子用小麦組成物が開示されている。特許文献2では、特定の小麦品種由来の小麦粉の少なくとも1種を50質量%以上含有する、さっくりとした食感で、口溶けが良い焼き菓子類が作業性良く得られる焼き菓子類用小麦粉が開示されている。特許文献3では、エンド型プロテアーゼを小麦粉100gあたり50~3300U含有するように生地混合物に混ぜてから、加熱調理までの間の最高到達温度を40℃以下に維持することを特徴とする、さっくりと軟らかい食感で口溶けのよい菓子の製造方法が開示されている。何れも口当たりの軽い食感ではあるものの、パリッとした乾的な外表部の食感を有する菓子を提供するには至っていない。なお、本明細書において「パリッとした食感」とは、焼き菓子の表面が、「フランスパン等のハード系パン類をオーブントースターで再加熱した際のパリパリとしたクラスト」で薄く覆われているかのように張りがあり、やや硬さを感じさせながらも軽やかにサックリと噛み切れる食感のことをいう。
特開2005-13033 特開2013-70626 特開2013-176365
パリッとした食感の外表部としっとりとした内層部を有する焼き菓子を提供することを課題とする。さらに、保存後再加熱してもパリッとした食感の外表部としっとりとした内層部を維持することが出来る焼き菓子を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、小麦粉100質量部に対して変性もち種馬鈴薯澱粉を0.15~22.5質量部含有する焼き菓子用ミックス粉を使用することにより、パリッとした食感の外表部としっとりとした内層部を有する焼き菓子を提供することができること、さらに焼き菓子を冷蔵又は冷凍保存した後にオーブントースター等で再加熱してもパリッとした食感の外表部としっとりとした内層部を維持することが出来ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]小麦粉100質量部に対して、酸処理澱粉、焙焼澱粉、酵素処理澱、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉及び架橋澱粉から選択される変性もち種馬鈴薯澱粉を0.15~22.5質量部含有することを特徴とする、焼き菓子用ミックス粉。
[2]前記[1]に記載の穀粉組成物を含む焼き菓子用生地。
[3]前記[2]に記載の菓子類用生地を焼成してなる菓子類。
[4]前記[1]に記載の焼き菓子用ミックス粉を使用することを特徴とする、焼き菓子の製造方法。
本発明によれば、パリッとした食感の外表部としっとりとした内層部を有する焼き菓子を提供することができる。更には、冷蔵又は冷凍保存した本発明の焼き菓子をオーブントースター等で再加熱しても、外層のパリッとした食感及び内層のしっとりとした食感が維持される。
本発明の焼き菓子用ミックス粉は、小麦粉100質量部に対して変性もち種馬鈴薯澱粉を0.15~22.5質量部含有する。
本発明において、小麦粉は、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉等の公知の小麦粉であれば何れも使用することができ、それらの混合物を使用することもできる。好ましくは薄力粉又は薄力粉を主成分とした小麦粉混合物である。
本発明において、変性もち種馬鈴薯澱粉は、澱粉構成がアミロペクチンほぼ100%であるもち種馬鈴薯から製造された澱粉を酸処理、焙焼、酵素処理、酸化処理、エーテル化処理、エステル化処理及び架橋化処理から選択される1又は1以上の処理により変性させた変性澱粉である。変性もち種馬鈴薯澱粉は、酸処理澱粉、焙焼澱粉、酵素処理澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉及び架橋澱粉から選択される。
「酸処理澱粉」とは澱粉を塩酸や硫酸等の酸で処理した澱粉をいう。
「焙焼澱粉」とは澱粉を加熱焙焼した澱粉をいう。
「酵素処理澱粉」は澱粉をα-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ7,イソアミラーゼ、プルラナーゼ等の酵素で処理した澱粉をいう。
「酸化澱粉」とは澱粉を次亜塩素酸塩などの酸化剤で酸化処理してカルボキシ基を導入した澱粉をいう。本発明において用いる酸化澱粉には、酸化処理した澱粉をさらにエーテル化処理やエステル化処理を行った酸化澱粉も含まれ、このような酸化澱粉の例としてはアセチル化酸化澱粉が挙げられる。なお、酸化澱粉と同様に澱粉を次亜塩素酸ナトリウム等で処理したものとして「漂白澱粉」が知られているが、漂白澱粉は澱粉に対して化学的修飾を行うことなく他の色素成分を酸化等することによって澱粉の色調を調整したものであり、本発明における変性澱粉には該当しない。
「エステル化澱粉」とは、澱粉に対してエステル結合で官能基を付加した澱粉をいう。エステル化澱粉は、澱粉に無水酢酸、オクテニルコハク酸、リン酸塩等を作用させることにより修飾を行うことで得ることができ、エステル化澱粉の例としては、アセチル化澱粉、オクテニルコハク酸化澱粉、リン酸モノエステル化澱粉等が挙げられる。
「エーテル化澱粉」とは、澱粉に対してエーテル結合で官能基を付加した澱粉をいう。エーテル化澱粉の例としては、カルボキシメチル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉およびカルボキシエチル化澱粉等が挙げられる。
「架橋澱粉」とは、リン酸基やアジピン酸基などの官能基を澱粉分子中のヒドロキシル基に導入して澱粉分子内または澱粉分子間で架橋させた澱粉をいう。架橋澱粉の例としてはリン酸架橋澱粉、アジピン酸架橋澱粉等が挙げられる。本発明において用いる架橋澱粉には、架橋反応と同時にエステル化反応やエーテル化反応を行った架橋澱粉も含まれ、このような架橋澱粉の例として、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉等が挙げられる。
さらに変性澱粉をα化して変性α化澱粉とすることもできる。なお、α化澱粉は、β澱粉を水分とともに加熱等すると澱粉粒子が膨潤し、更に加熱等すると澱粉粒子が崩壊し、最終的に透明で粘性のある糊液になったものを乾燥粉末化させたものであり、澱粉の状態が変化しているだけであるため、単にα化されたもち種馬鈴薯澱粉は、本発明でいう変性もち種馬鈴薯澱粉には含まれないものとする。
このような変性もち種馬鈴薯澱粉として、ヒドロキシプロピルリン酸架橋α化もち種馬鈴薯澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋もち種馬鈴薯澱粉、アジピン酸架橋α化もち種馬鈴薯澱粉、アジピン酸架橋もち種馬鈴薯澱粉、酸処理もち種馬鈴薯澱粉、酸化もち種馬鈴薯澱粉、焙焼もち種馬鈴薯澱粉、等が挙げられ、好ましくはヒドロキシプロピルリン酸架橋α化もち種馬鈴薯澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋もち種馬鈴薯澱粉、又は酸処理もち種馬鈴薯澱粉である。
変性もち種馬鈴薯澱粉は、天然由来のもち種馬鈴薯澱粉を工業的に変性させた物を使用しても良いし、市販されている物を使用しても良い。市販されている変性もち種馬鈴薯澱粉としては、エリアンVC120、エリアンVE540、エリアンGEL100(何れも松谷化学工業社製)などを例として挙げることが出来る。
もち種馬鈴薯澱粉の含有量は、菓子用ミックス粉に含まれる小麦粉100質量部に対して0.15~22.5質量部、好ましくは0.5~22.5質量部、さらに好ましくは0.5~15質量部、最も好ましくは0.5~7.5質量部である。もち種馬鈴薯澱粉の含有量が、菓子用ミックス粉に含まれる小麦粉100質量部に対して0.15~22.5質量部である場合、パリッとした食感の外表部としっとりとした内層部を有する焼き菓子を提供することができ本発明の効果がより十分に得られる傾向にある。0.15質量部未満になると、しっとりとした食感が損なわれる傾向にある。22.5質量部を超えると、外表部のパリッとした食感が損なわれる傾向にある。
本発明において焼き菓子とは薄力小麦粉を代表とする穀粉などの澱粉含有物、油脂、砂糖、鶏卵など含む生地を混合しオーブンにて焼成した食品であり、例としてクッキー、サブレ、ビスケット、クラッカー等のクッキー類、パウンドケーキ、バターケーキ、カップケーキ、マドレーヌ、フィナンシェ、マフィン、バウムクーヘン等のバターケーキ類、スポンジケーキ、シフォンケーキ、カステラ、ブッセ等のスポンジケーキ類、ベークドケーキ、チーズケーキ、チョコレートケーキ、タルト、ワッフル、ホットケーキ、パンケーキなど等が挙げられるがこれらに限定されない。またはそれらにチョコレートやクリーム、ジャム、あんこ等のフィリングをコーティング、サンド、注入又は包あんした加工品であってもよい。
本発明の焼き菓子用ミックス粉は、所定量の小麦粉と変性もち種馬鈴薯澱粉以外に目的とする菓子の種類の種類及び求める食感に応じて、グルコース、フルクトース、マルトース、トレハロース、アラビノース、キシロース、ガラクトース、砂糖、乳糖、麦芽糖、黒糖等の含蜜糖、水あめ、還元糖などの糖類;小麦蛋白、豆蛋白、乳蛋白等の蛋白類;バター、マーガリン、粉末油脂などの油脂類;脱脂粉乳等の乳加工粉末類;乳化剤;食塩等の無機塩類;保存料;ビタミン類;カルシウム等の栄養強化剤;調味料;香辛料;色素;香料;増粘剤;イースト;膨張剤などの副原料を適宜配合することが出来る。
本発明の焼き菓子類用生地は、前記焼き菓子用ミックス粉を含む。また本発明の焼き菓子は本発明の焼き菓子類用生地を焼成して成る。
本発明の焼き菓子類は、所定量の小麦粉と変性もち種馬鈴薯澱粉を含む、前記焼き菓子用ミックス粉を使用する以外は常法に従って製造することが出来る。例えばシュガーバッター法や共立て法やオールイン法やフラワーバッター法や別立て法が挙げられる。
シュガーバッター法は、砂糖と油脂をよくすり混ぜ、分離しないように数回に分けて卵を加えながら都度混合した後、小麦粉と、必要に応じてベーキングパウダーを加えて生地を作り、型などを適宜使用して焼成する。
共立て法は、全卵と砂糖をじゅうぶんに泡立てた後、小麦粉と、必要に応じてベーキングパウダーを加えて生地を作り、型などを適宜使用して焼成する。口溶けをよくするため、小麦粉を加えた後に、液状の油脂類を加える場合もある。
オールイン法は、卵と砂糖と起泡性乳化油脂と、必要に応じて液状の油脂類を加えてじゅうぶんに泡立てた後、小麦粉を加えて生地を作り、型などを適宜使用して焼成する。
フラワーバッター法は、油脂をクリーム状になるまで練り、小麦粉と、必要に応じてベーキングパウダーを加えて撹拌したところに、予め混ぜておいた卵と砂糖を分離しないように数回に分けて加えながら都度混合して生地を作り、型などを適宜使用して焼成する。
別立て法は、卵黄と砂糖をよくすり混ぜたところに、卵白と砂糖で予め作っておいたメレンゲを数回に分けて加えながら都度混合後、小麦粉と、必要に応じてベーキングパウダーを加えて生地を作り、型などを適宜使用して焼成する。
以下本発明を具体的に説明する為に実施例を示すが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
製造例1 フィナンシェの製造
原料の配合量は表1に従った。
(1)卵白、砂糖、食塩及びアーモンドプードルをミキサー(ホバート社製N-50)に投入し1速で混合した。
(2)小麦粉とベーキングパウダーを混合し、ミックス粉とした。
(2)上記(1)に、(2)のミックス粉を投入し、ビーターを使用して滑らかになるまで1速で2分間撹拌した。
(3)更に溶かしバターを投入し、滑らかで均質になるまで撹拌して生地を得た。
(4)得られた生地38gをフィナンシェ型に入れ、190℃で20分間オーブン(七洋社製BACKEN)で焼成してフィナンシェを製造した。
Figure 0007218097000001
評価例1 官能評価
焼成したベーカリー製品を室温で1時間静置して粗熱を取った後、熟練パネラー10名により下記評価基準表に従って評価した(製造直後)。
オーブントースターで再加熱して評価する場合、焼成したベーカリー製品の粗熱を取ってから冷凍処理し、2週間冷凍保存し、室温解凍した後、200℃に予熱したオーブントースターに投入し、200℃で2分間再加熱し、同様に評価した(再加熱後)。
なお、変性もち種馬鈴薯澱粉を使用せずに製造したベーカリー製品(参考例)の焼成後のもの(冷凍保存、再加熱のいずれも行わないもの)を3点とした。
評価基準表
Figure 0007218097000002
試験例1 フィナンシェの食感に与えるもち種馬鈴薯澱粉の影響
工程(2)のミックス粉においてさらに小麦粉100質量部に対して表3記載のもち種馬鈴薯澱粉4質量部を添加した以外は製造例1に従ってフィナンシェを製造し、食感を評価した。結果を表3に記載した。
Figure 0007218097000003
もち種馬鈴薯澱粉A:ヒドロキシプロピルリン酸架橋α化もち種馬鈴薯澱粉(松谷化学工業社製エリアンVC120)
もち種馬鈴薯澱粉B:ヒドロキシプロピルリン酸架橋もち種馬鈴薯澱粉(松谷化学工業社製エリアンVE540)
もち種馬鈴薯澱粉C:酸処理もち種馬鈴薯澱粉(松谷化学社製エリアンGEL100)
もち種馬鈴薯澱粉D:漂白もち種馬鈴薯澱粉(松谷化学社製スタビローズAB1000)
もち種馬鈴薯澱粉E:α化もち種馬鈴薯澱粉(松谷化学社製マツノリンWP)
製造直後のフィナンシェでは、変性もち種馬鈴薯澱粉を使用した実施例1~3は何れも外層のパリッとした食感及び内層のしっとりとした食感共に優れていた。未変性もち種馬鈴薯澱粉を使用した比較例1及び2では、外層のパリッとした食感は良好であったが、内層にややパサつきがあり、不適であった。
冷凍保存後オーブントースターで再加熱したフィナンシェでは、比較例1、2及び参考例1は外層のパリッとした食感は良好であったが、再加熱による水分飛散により内層のパサつきが生じた。それに対して、実施例1~3では、再焼成しても内層のみずみずしさが維持されており、外層のパリッとした食感がわずかに際立つ傾向にあり、内層と外層とのコントラストがあり優れた食感であった。
試験例2 フィナンシェの食感に与えるもち種馬鈴薯澱粉以外の資材の影響
工程(2)のミックス粉においてさらに小麦粉100質量部に対して表4記載の資材4質量部を添加した以外は製造例1に従ってフィナンシェを製造し、評価した。結果を表2に記載した。なお、変性α化澱粉(資材A~C)は変性もち種馬鈴薯澱粉以外の澱粉の例であり、米粉(資材D)は外層のパリッとした食感を、乳化剤(資材E)は内層のしっとりとした食感を得るために使用される一般的な資材である。
Figure 0007218097000004
資材A:ヒドロキシプロピルリン酸架橋α化馬鈴薯澱粉(松谷化学社製パインソフトB)資材B:ヒドロキシプロピルリン酸架橋α化タピオカ澱粉(松谷化学社製プリジェルVA70T)
資材C:ヒドロキシプロピルリン酸架橋α化ワキシーコンスターチ(松谷化学社製マツノリン880)
資材D:米粉(日本製粉社製プリード)
資材E:乳化剤(理研ビタミン社製エマルジーMM100)
製造直後のフィナンシェでは、変性もち種馬鈴薯澱粉以外の澱粉を使用した比較例3~5は内層のしっとりとした食感がわずかに改善されたものの、外層のパリッとした食感が得られず不適であった。米粉を使用した比較例6は外層のパリッとした食感がやや良好になるものの、内層にややパサつきがでるため不適であった。乳化剤を使用した比較例7では、内層のしっとりとした食感はやや改善されるものの、外層が柔らかく不適であった。
冷凍保存後オーブントースターによる再加熱をしたフィナンシェでは、何れも外層のパリッとした食感が良好になるものの、内層の水分飛散によりパサつきが生じ不適であった。
試験例3 フィナンシェにおける変性もち種馬鈴薯澱粉使用量の検討
工程(2)のミックス粉においてさらに小麦粉100質量部に対して表5記載のヒドロキシプロピルリン酸架橋α化もち種馬鈴薯澱粉を添加した以外は実施例1に従ってフィナンシェを製造して評価した(オーブントースター再加熱なし)。
Figure 0007218097000005
もち種馬鈴薯澱粉A:ヒドロキシプロピルリン酸架橋α化もち種馬鈴薯澱粉(松谷化学社製エリアンVC120)
変性もち種馬鈴薯澱粉を0.15~22.5質量部使用した実施例4~7では、外層のパリッとした食感及び内層のしっとりとした食感が十分にあり、非常に良好であった。0.1質量部使用した比較例8では効果が得られず、25質量部使用した比較例9では外層のパリッとした食感が得られなかった。
製造例2 マドレーヌの製造
原料の配合量は表6に従った。
(1)溶き全卵と砂糖をミキサー(ホバート社製N-50)に投入し1速で混合した。
(2)小麦粉とベーキングパウダーを混合し、ミックス粉とした。
(3)(1)にはちみつ、(2)のミックス粉を投入し、ホイッパーを使用して滑らかになるまで1速で2分間撹拌した。
(4)更に溶かしバターを5回に分けて投入し滑らかで均質になるまで撹拌した後、冷蔵庫で1時間保持して生地を得た。
(5)得られた生地25gをマドレーヌ型に入れ、上火180℃下火160℃で15分間オーブン(七洋社製BACKEN)焼成してマドレーヌを製造した。
Figure 0007218097000006
試験例4 マドレーヌにおける変性もち種馬鈴薯澱粉使用量の検討
工程(2)のミックス粉においてさらに小麦粉100質量部に対して表7記載の変性もち種馬鈴薯澱粉を添加した以外は製造例2に従ってマドレーヌを製造し、評価例1に従って評価した。なお、小麦粉と変性もち種馬鈴薯澱粉以外の資材の使用量は、小麦粉と変性もち種馬鈴薯澱粉の合計質量部に比例して増加させた(例えば、小麦粉100質量部と変性もち種馬鈴薯澱粉を10質量部使用した際の溶き全卵の使用量は110質量部である)。
Figure 0007218097000007
もち種馬鈴薯澱粉A:ヒドロキシプロピルリン酸架橋α化もち種馬鈴薯澱粉(松谷化学社製エリアンVC120)
製造直後のマドレーヌにおいて、変性もち種馬鈴薯澱粉を0.15~22.5質量部添加した実施例8~11では、外部のパリッとした食感と内部のしっとりとした食感ともに優れるものであった。比較例10では変性もち種馬鈴薯澱粉の使用量が少ないために効果が得られなかった。比較例11では、内部のしっとりとした食感は良好であったが外部のパリッとした食感が得られなかった。
また冷凍保存後オーブントースター再加熱した場合、実施例8~11では外層のパリッとした食感があり内層のしっとりとした食感が維持されており、優れた食感であった。比較例10及び11では、水分飛散による内層のパサつきが生じた。

Claims (4)

  1. 小麦粉100質量部に対してヒドロキシプロピルリン酸架橋もち種馬鈴薯澱粉又は酸処理もち種馬鈴薯澱粉を0.15~22.5質量部含有することを特徴とする、バターケーキ類用ミックス粉。
  2. 請求項1に記載のバターケーキ類用ミックス粉を含むバターケーキ類用生地。
  3. 請求項2に記載のバターケーキ類用生地を焼成してなるバターケーキ類
  4. 請求項1に記載のバターケーキ類用ミックス粉を使用することを特徴とする、バターケーキ類の製造方法。
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