JP2007238893A - 改質澱粉およびそれを原料とする小麦粉加工製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明により、小麦粉加工製品の製造時の作業性、および製品の形状に影響を与えることなく、その食感を改良し、更にその食感を維持できる改質澱粉を提供し、更にこの改質澱粉を原料とする小麦粉加工製品、およびその小麦粉加工製品の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は5重量%での粘度が10mPa・s〜200mPa・sの範囲で、ファリノグラフでの硬粘度変動値が30以下であることを特徴とする改質澱粉に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、製造時の作業性、および製品の形状に影響を与えることなく、小麦粉加工製品の食感を改良し、その食感を持続させる改質澱粉、およびこの改質澱粉を原料とする小麦粉加工製品、およびその小麦粉加工製品の製造方法に関する。
従来から、小麦粉加工製品の食感を向上したり、品質劣化を抑制する目的で、その製造時に澱粉を添加する方法が知られている。
特許文献1には、加熱溶解度等が規定された加工澱粉をベーカリー食品に利用する方法が記載されている。しかし、上記加工澱粉は、製パン時に吸水が経時的に行われるために、パン生地の物性をコントロールするのが困難であり、またこの加工澱粉は、数種の加工処理を厳しく条件設定しなければならず、製造するのが困難であった。
特許文献2および特許文献3には、α化澱粉をベーカリー製品に添加して食感を改良する方法が記載されている。しかしながら、α化澱粉をベーカリー製品製造時に添加すると生地がべとついたり、ミキシングにより生地がばらけたりして成形しにくく、食感改良効果は認められるものの、製造時の作業上、採用するのが難しいという問題があった。
特許文献4には、部分アルファー化澱粉を小麦粉加工製品中に添加する方法が記載されている。上記部分アルファー化澱粉は粒子の外殻薄膜構造を破壊することなく乾燥させる必要があり、その制御が非常に困難であった。また、食感改良の点でも小麦粉加工製品の食感が硬くなりがちで、ソフトでしっとりとした食感を得るのは難しかった。
以上のような問題を解消し、製造時の作業性、および製品の形状に影響を与えることなく、小麦粉加工製品の食感を改良し、更にその食感を維持できる改質澱粉が求められていた。
特開平5‐15296号公報 特開平10‐56946号公報 特開2005‐52014号公報 特開平7‐41503号公報
本発明は、製造時の作業性、および製品の形状に影響を与えることなく、小麦粉加工製品の食感を改良し、更にその食感を維持できる改質澱粉を提供し、更にこの改質澱粉を原料とする小麦粉加工製品、およびその小麦粉加工製品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、上記改質澱粉の5重量%での粘度およびファリノグラフでの硬粘度変動値を特定範囲内に規定することによって、製造時の作業性、および製品の形状に影響を与えることなく、小麦粉加工製品の食感を改良し、更にその食感を維持できる改質澱粉を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、5重量%での粘度が10mPa・s〜200mPa・sの範囲で、ファリノグラフでの硬粘度変動値が30BU以下であることを特徴とする改質澱粉に関する。
本発明を好適に実施するためには、
上記改質澱粉の5重量%での粘度が20mPa・s〜100mPa・sの範囲であり;
上記改質澱粉の水中体積増加率が300〜1,500%であり;
上記改質澱粉の水中体積増加率が400〜1,300%であり;
上記改質澱粉が、原料澱粉を加熱処理することによって形成され;
上記原料澱粉が、湿熱処理および/または架橋されており;
前記原料澱粉が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、あるいはそれらの混合物を、湿熱処理および/または架橋したものである;
ことが好ましい。
本発明の他の態様には、上記改質澱粉を原料とすることを特徴とする小麦粉加工製品がある。更に、本発明を好適に実施するためには、上記小麦粉加工製品がパン類であることが好ましい。
本発明の別の態様には、上記改質澱粉を原料とすることを特徴とする小麦粉加工製品の製造方法がある。本発明を好適に実施するためには、上記小麦粉加工製品がパン類であることが好ましい。
本発明は、製造時の作業性、および製品の形状に影響を与えることなく、小麦粉加工製品の食感を改良し、更にその食感を維持できる改質澱粉である。更にこの改質澱粉を原料とする小麦粉加工製品、およびその小麦粉加工製品の製造方法を提供するものである。
以下、本発明の改質澱粉、およびこの改質澱粉を原料とする小麦粉加工製品、およびその小麦粉加工製品の製造方法について詳細に説明する。
本発明の改質澱粉は、5重量%での粘度が10mPa・s〜200mPa・sの範囲であることを要件とするが、上記粘度は、好ましくは20mPa・s〜100mPa・sの範囲、より好ましくは20〜80mPa・sの範囲である。上記粘度が、10mPa・sより小さいと、小麦粉加工製品の原料とした時に十分な食感の改良効果が得られない。また、200mPa・sより大きいと、小麦粉加工製品の原料とした時に生地がべとついて製造時の作業性が悪くなる。上記の粘度範囲内の改質澱粉を使用することで、生地物性のべとつきによる製造時の作業性の悪化を生じず、十分な食感改良効果を得ることができる。
上記粘度の測定は、以下のようにして行う。即ち、500mL容のビーカー中に固形分が5重量%となるように水中に澱粉を分散する。直径5cmの4枚撹拌羽根を回転モーターにより500rpmとなるように回転させ、澱粉分散液を30分間、30℃で撹拌する。このようにしてできた澱粉分散液の粘度を、回転粘度計を用いて測定する。
また、本発明の改質澱粉は、ファリノグラフでの硬粘度変動値が30BU以下であることを要件とするが、上記硬粘度変動値は、好ましくは20BU以下、より好ましくは10BU以下である。上記硬粘度変動値が30BUより高くなると、ミキシング耐性がなく、製造時に生地状態が一定せず、作業性が悪くなる。
ここで、ファリノグラフとは、パン生地のミキシング中にミキサーの翼に加わる抵抗を測定する装置であり(「小麦粉」日本麦類研究会発行)、パン生地のミキシング耐性を表す指標とすることができる。即ち、ファリノグラフにより得られる硬粘度の値が変化しないほど、ミキシング耐性が高く、製造時の作業性が良いということとなる。本明細書中で用いられる「ファリノグラフでの硬粘度変動値」とは、ミキシング開始から6分後の硬粘度値と20分後の硬粘度値との差の絶対値をいう。ファリノグラフでの硬粘度値の測定は以下に示すように行う。即ち、小麦粉300gに水を加え、ミキサー回転速度63rpmでミキシングを行い、硬粘度値を測定する。この際、カーブの中心線のピークが500BUとなるように水量を調整する。澱粉の添加による硬粘度の変化を観察する際には、上述の小麦粉300gの代わりに、小麦粉285gと澱粉15gの混合物とする。この際にもカーブの中心線のピークが500BUとなるように水量を調節する。
更に、本発明の改質澱粉は、水中体積増加率が300〜1,500%であることが望ましいが、好ましくは400〜1,300%、より好ましくは500〜1,200%である。上記水中体積増加率が、300%より小さいと、生地中で十分な水を保持することができず、満足な食感改良効果が得られなくなり、1,500%より大きいと、小麦粉加工製品の原料とした時に生地のミキシング耐性がなく、べとついて作業性が悪くなる。上記の範囲内の改質澱粉を使用することで、生地物性のべとつきによる製造時の作業性の悪化を生じず、生地に十分な水を保持させることができ、食感改良効果を得ることができる。
水中体積増加率は次のように算出する。まず、改質澱粉25gを200mL容メスシリンダーに入れ、50回以上タッピングし、容積を測定する。その容積を1g当たりの数値に換算して乾式体積(mL/g)を求める。更に、改質澱粉2gを75mLの蒸留水中で5分間分散させた後、100mLにメスアップして、20時間後の澱粉の容積を測定する。上記容積を1gの数値に換算して湿式体積(mL/g)を求める。最後に水中体積増加率を以下の式:
Figure 2007238893
により求める。
本発明の改質澱粉の原料澱粉および加工方法としては、上記の条件を満たすものであれば、どのようなものでも採用することができる。
原料澱粉としては、例えばコメ澱粉、モチゴメ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、モロコシ澱粉、コムギ澱粉、オオムギ澱粉、サトイモ澱粉、リョクトウ澱粉、馬鈴薯澱粉、ユリ澱粉、カタクリ澱粉、チューリップ澱粉、カンナ澱粉、エンドウ澱粉、シワエンドウ澱粉、クリ澱粉、クズ澱粉、ヤマノイモ澱粉、カンショ澱粉、ソラマメ澱粉、インゲンマメ澱粉、サゴ澱粉、タピオカ澱粉、ワラビ澱粉、ハス澱粉、ヒシ澱粉等の天然澱粉、およびそれらをエステル化、エーテル化、架橋等の化学修飾、湿熱処理、老化処理した澱粉等が挙げられる。
加工方法としては、例えば加熱処理、ボールミル処理、電子線、X線、γ線、中性子などの放射線、紫外線、赤外線、高周波、磁力線の照射、超音波誘導や溶剤、凍結、高圧力処理、酵素処理などの方法が挙げられる。これらの中では加熱処理が、処理方法が容易であるため好適である。
加熱処理には、従来知られている方法が使用でき、ロータリーキルンや流動熱交換器などで加熱する方法、過熱水蒸気で加熱する方法などが挙げられる。加熱処理の温度は、使用する原料澱粉の種類にもよるが、50〜160℃、より好ましくは60〜150℃が望ましい。この温度範囲で加熱処理を行うことにより、目的とする粘度、ファリノグラフでの硬粘度変動値、水中体積増加率を得られるためである。
更に、原料澱粉を水や他の溶媒に懸濁、溶解した後、加熱処理する方法を採用することもできる。この際の加熱処理には、例えばジェットクッカーやジャケット付反応器を使用することができる。また、後述するように乾燥時に加熱処理を同時に行うこともできる。
原料澱粉を懸濁、溶解して加熱処理する際には、その懸濁液、あるいは溶液を乾燥する必要がある。乾燥にはドラムドライヤー、スプレードライヤー、熱風乾燥機、真空乾燥機、気流乾燥機、凍結乾燥機、流動層乾燥機などの手段を使用することができる。生産性、コスト面の点から、ドラムドライヤーあるいはスプレードライヤーを用いるのが好ましい。
更に、本発明の改質澱粉の原料澱粉は、湿熱処理および/または架橋されていることが好ましい。湿熱処理および/または架橋されていることにより、加熱処理の調整が容易になって目的の物性が得られやすい。
また、本発明の改質澱粉の原料澱粉は、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、あるいはそれらの混合物を湿熱処理および/または架橋したものであることが好ましい。タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉を原料澱粉とすることにより、小麦粉加工製品の食感改良効果、および食感の持続効果が十分に得られやすくなるためである。
本発明の改質澱粉は、小麦粉加工製品の原料として使用することができる。小麦粉加工製品の原料として使用することで、製造時の作業性、および製品の形状に影響を与えず、食感の改良、および食感の持続を達成することができる。特に、後述するパン類において、本改質澱粉の食感改良効果が顕著である。
小麦粉加工製品は、小麦粉に水を加えて生地を作製し、その生地を焼成したり、蒸したり、揚げたり、乾燥させたりしてできるものを指し、パン類(例えば、食パン、あんパン、クリームパン、クロワッサン、デニッシュ、フランスパン、蒸しパン、ホットケーキ、ドーナツ、パンケーキ、クレープ、ワッフルなど)、菓子類(例えば饅頭、餅、煎餅、団子、求肥、最中、どら焼き、きんつば、今川焼きなどの和菓子、ビスケット、クッキー、クラッカー、ウエハース、スポンジケーキ類(ロールケーキ、カステラなど)、バターケーキ類(パウンドケーキ、マドレーヌ、ガトーショコラ、フィナンシェなど)、シュークリーム、バウムクーヘン、マフィン、スフレ、パイ、タルトなどの洋菓子、月餅などの中華菓子など)、麺帯製品類(例えば、饂飩、中華麺、蕎麦などの麺類、スパゲッティ、リングイネ、ブカティーニ、フェットチーネ、ペンネ、マカロニなどのパスタ類、ワンタン、ギョウザ、シューマイなど)を含む。
本発明の改質澱粉を原料とする小麦粉加工製品は、本改質澱粉を小麦粉、食塩、砂糖、イースト、水など他の原料素材と混合し、混練することで生地を作製して、その生地を成形、調理するものである。なお、一般に小麦粉加工製品の製造に際して用いられている糖類、乳製品、油脂類、乳化剤、香料、香辛料、調味料、人工甘味料、着色料、酒類、ナッツ類、保存料などを適宜配合してもよい。本発明の改質澱粉の小麦粉加工製品中への配合割合は、生地作製時の割合で、20重量%以下、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.01〜10%、最も好ましくは0.01〜5%である。食感改良効果を得るには20%以下の配合割合で十分であり、生地中のグルテンを希釈しすぎずに、良質な生地を得ることができるためである。上記のように、本発明の改質澱粉は、小麦粉加工製品に添加剤的に少量使用するだけで、良質な生地を得ることができ、小麦粉加工製品製造時の作業性、および製品の形状に影響を与えることなく、小麦粉加工製品の食感を改良し、更にその食感を維持することができるものである。
更に、本発明の改質澱粉は水中体積増加率が適度に大きく、水を保持する能力が高いため、生地作製時の加水量を増加させることができる。適切な加水量は、上述のファリノグラフでの硬粘度測定時、カーブの中心線のピークが500BUとなる加水量を目安として決定することができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
(改質澱粉の作製)
(実施例1)
原料澱粉として、アセチル化タピオカ澱粉(置換度DS0.01)を使用し、固形分濃度が10%となるように水に懸濁し、液温が70℃となるように間接加熱滞留管で加熱処理した後、連続的にスプレードライヤー(熱風温度180℃、アトマイザー回転数20,000rpm)にて乾燥を行い、サンプルAを作製した。
(実施例2)
原料澱粉として、湿熱処理馬鈴薯澱粉を使用し、固形分濃度が10%となるように水に懸濁し、液温が120℃となるように間接加熱滞留管で加熱処理した後、連続的にスプレードライヤー(熱風温度180℃、アトマイザー回転数20,000rpm)にて乾燥を行い、サンプルBを作製した。ここで使用した湿熱処理馬鈴薯澱粉は、下記の通り作製した。すなわち馬鈴薯澱粉をステンレスバット(50cm×25cm)中に層厚5cmで充填して、耐圧容器内で5分減圧(600mmHg)後、加圧蒸気(130℃)にて20分処理した。
(実施例3)
原料澱粉として、りん酸架橋タピオカ澱粉(10%濃度でのRVA(ラピッド・ビスコ・アナライザー)粘度値が95℃、0分時に260RVU)を使用し、固形分濃度が30%となるように水に懸濁し、ダブルドラムドライヤー(表面温度:160℃、ドラム径:1.2m、回転数:1.0rpm)上で加熱処理と同時に乾燥を行い、サンプルCを作製した。
(実施例4)
原料澱粉として、りん酸架橋馬鈴薯澱粉(10%濃度でのRVA(ラピッド・ビスコ・アナライザー)粘度値が95℃、0分時に260RVU)を使用し、固形分濃度が30%となるように水に懸濁し、ダブルドラムドライヤー(表面温度:160℃、ドラム径:1.2m、回転数:1.0rpm)上で加熱処理と同時に乾燥を行い、サンプルDを作製した。
(比較例1)
原料澱粉として、小麦澱粉を使用し、固形分濃度が30重量%となるように水に懸濁し、連続混捏反応熱交換機オンレーター(サクラ製作所製)によって液温が125℃となるように加熱処理した後、ダブルドラムドライヤー(表面温度:160℃、ドラム径:1.2m、回転数:1.0rpm)に供給して乾燥を行い、サンプルEを得た。
(比較例2)
原料澱粉として、アセチル化タピオカ澱粉(置換度DS0.01)を使用し、固形分濃度が30重量%となるように水に懸濁し、連続混捏反応熱交換機オンレーター(サクラ製作所製)によって液温が135℃となるように加熱処理した後、ダブルドラムドライヤー(表面温度:160℃、ドラム径:1.2m、回転数:1.0rpm)に供給して乾燥を行い、サンプルFを得た。
サンプルA〜Fについて、5重量%での粘度、ファリノグラフでの硬粘度変動値、および水中体積増加率を測定した結果を表1に示す。なお、ファリノグラフでの硬粘度値測定には、比較のため、小麦粉として強力粉(ミリオン、日清製粉製)を使用し、小麦粉単独での硬粘度測定時の硬粘度変動値も記載した。
Figure 2007238893
(食パンの作製)
(実施例1〜4および比較例1〜2)
サンプルA〜Fを澱粉質として使用し、以下の表2に示した食パン生地配合を用いて、中種法で角型食パンを作製した。更に、比較のため、本捏の澱粉質5重量部を小麦粉に置き換えた配合、即ち、澱粉質なしの食パン生地配合で食パンを焼成した。尚、澱粉質を使用した配合では、適切な加水量をファリノグラフで決定し、以下の表3に示す。上記材料を混捏して中種を得、4時間発酵後、本捏を行い、フロアタイムを取り、分割、成型後、38℃、湿度85%で約40分間最終発酵を行い、上火220℃・下火230℃で40分間焼成し、食パンを得た。
Figure 2007238893
製パン時の生地物性として、生地の状態について評価した。その結果を表3に示す。また、得られた食パンについて7名のパネラーによる官能評価(喫食時のソフト感、歯切れ、口どけ)を行った。その結果を同表に示す。試験方法は以下の通りとした。
(試験方法)
(1)生地の状態
製パン時の生地の状態を、以下の評価基準に従って3段階で評価した。
評価基準
○:問題なし
×:べとつきが認められる
××:非常にべとつく
(2)官能評価
焼成から1日後および3日後の食パンについて、7名のパネラーによる官能評価(喫食時のソフト感、歯切れ、口どけ)を、以下の評価基準に従って5段階で評価した。
評価基準
5:澱粉質なしのものより非常に良い
4:澱粉質なしのものより良い
3:澱粉質なし
2:澱粉質なしのものより悪い
1:澱粉質なしのものより非常に悪い
(試験結果)
Figure 2007238893
サンプルA、B、C、Dを原料とした場合には、生地の状態および焼成後の食パンの形状は、澱粉質なしの場合と全く変わりなく、かつ官能評価ではソフト感があり、歯切れ、口どけの良い食感となった。この効果は、焼成3日後でも維持されていた。また、サンプルE、Fを原料とした場合は、焼成後の食パンの形状は、澱粉質なしの場合と大差なかったものの、生地のべとつきがあり、製パン時の作業性に問題があった。更に食感改良効果もサンプルA、B、C、Dに比べると劣るものであった。
本発明の改質澱粉は、製造時の作業性、および製品の形状に影響を与えることなく、食感を改良し、更にその食感を維持させることができ、とりわけ小麦粉加工製品、特にパン類の原料として使用することができる。

Claims (11)

  1. 5重量%での粘度が10mPa・s〜200mPa・sの範囲で、ファリノグラフでの硬粘度変動値が30BU以下であることを特徴とする改質澱粉。
  2. 5重量%での粘度が20mPa・s〜100mPa・sの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の改質澱粉。
  3. 水中体積増加率が300〜1,500%であることを特徴とする請求項1または2に記載の改質澱粉。
  4. 水中体積増加率が400〜1,300%であることを特徴とする請求項3に記載の改質澱粉。
  5. 原料澱粉を加熱処理することによって形成されることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の改質澱粉。
  6. 前記原料澱粉が、湿熱処理および/または架橋されていることを特徴とする請求項5に記載の改質澱粉。
  7. 前記原料澱粉が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、あるいはそれらの混合物を、湿熱処理および/または架橋したものであることを特徴とする請求項5に記載の改質澱粉。
  8. 請求項1〜4いずれか1項に記載の改質澱粉を原料とすることを特徴とする小麦粉加工製品。
  9. パン類であることを特徴とする請求項8に記載の小麦粉加工製品。
  10. 請求項1〜4いずれか1項に記載の改質澱粉を原料とすることを特徴とする小麦粉加工製品の製造方法。
  11. パン類であることを特徴とする請求項10に記載の小麦粉加工製品の製造方法。
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