JP4957379B2 - 加工澱粉の製造方法、食品及び飼料 - Google Patents

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Description

本発明は、加工澱粉の製造方法、当該方法によって得られる加工澱粉を含む食品及び飼料に関する。
澱粉を改良、改質する方法として、種々の加工方法が知られている。具体的には、エーテル化、エステル化、架橋、α化、酸化、酵素処理、湿熱処理、乳化剤の添加、油脂加工、及びこれらの組合せからなる加工等を挙げる事ができる。このような加工澱粉は食品工業において広く利用されている。
食品用の澱粉加工の多くは澱粉の粒子構造を保持した水性スラリーの状態で実施される。澱粉粒を保持した状態で加工するメリットは、得られた加工澱粉を水洗いで精製できるため経済的なことである。
先に例示した加工方法により、澱粉の粘度や膨潤度等を大きく改質することが可能であるが、加工を実施する際に澱粉の膨潤、糊化によって作業性の低下を招く事がある。特にエーテル化、エステル化反応において、原料澱粉に一定量以上のエーテル基、エステル基を導入しようとすると、澱粉粒が膨潤し、糊化してしまう。従って、エーテル化、エステル化の置換度がより顕著な加工澱粉を、澱粉粒を保持した状態で製造しようとしても、澱粉粒が膨潤しやすくなり、加工後の水洗い、脱水が困難になる場合があった。
加工澱粉の食品への利用例として、架橋澱粉を食品に応用した例が開示されている。例えば特許文献1〜3を挙げる事ができるが、架橋度の高い架橋澱粉を食品に応用した場合、最終製品は粉っぽい食感となり、また風味も劣るという欠点があった。また、架橋度の低い澱粉を食品に応用した場合は、使用量の増加に伴い、粉っぽい食感が強くなり、最終製品の品質の低下を招くため、使用量には限界があった。
一方、澱粉の改良・改質方法として温水処理が知られている。澱粉工業における温水処理は、澱粉をスラリーの状態にして、糊化開始温度より低い温度で加熱する処理である。温水処理により、澱粉の糊化開始温度が高くなること(非特許文献1)、温水処理した澱粉をハルサメに用いることにより、麺に腰が出るなどの効果(非特許文献2)が報告されている。生澱粉に温水処理を施した澱粉製品は既に市販されており、食品等に利用されている。例えば、商品名ホクレンHRがホクレン農業協同組合連合会より市販されている。
しかしながら、原料澱粉の温水処理は温和な反応であるため、澱粉の粘度や膨潤度等を大きく改質することはできず、原料澱粉に準じた微弱な改良、改質効果が得られるのみである。
特許第3723860号 特許第3312225号 米国特許第5855946号 澱粉科学 第28巻 第3号 (1981)p206-214 共立女子大学家政学部紀要 第39号 (1993)p103-108
本発明の第一の目的は、食品に利用した時に食感や味に悪影響を及ぼさない加工澱粉、及びその製造方法を提供することである。
本発明の第二の目的は、置換度の高い加工澱粉の製造方法を提供することである。
本発明の第三の目的は、上記加工澱粉を含む食品、飼料を提供することである。
本発明者らは澱粉の加工方法における前記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、原料澱粉を温水処理することにより、前記問題点が解決されることを見出し、本発明に到達した。本発明は以下に示す加工澱粉の製造方法、この方法により製造される加工澱粉、この加工澱粉を含有する食品、又は飼料を提供するものである。
1.原料澱粉の温水処理工程、及び温水処理した原料澱粉の加工処理工程を含むことを特徴とする加工澱粉の製造方法。
2.温水処理工程が、30℃以上で、かつ原料澱粉の糊化開始温度未満の水に原料澱粉を6時間以上浸漬する工程である上記1に記載の加工澱粉の製造方法。
3.温水処理工程が、澱粉が加水分解されない程度の酸性条件、もしくはアルカリ性条件で実施される、上記1又は2に記載の加工澱粉の製造方法。
4.温水処理工程が、pH3.0〜5.5、又は8.0〜12.0で実施される、上記1〜3いずれか1項に記載の加工澱粉の製造方法。
5.温水処理工程が、原料澱粉に1〜3J/gの吸熱量の上昇を生じさせる処理である、上記1〜4のいずれか1項に記載の加工澱粉の製造方法。
6.加工処理工程が、エーテル化、エステル化、架橋及びこれら2種以上の組合せからなる群から選ばれる、上記1〜5のいずれか1項に記載の加工澱粉の製造方法。
7.上記1〜6のいずれか1項に記載の方法で製造される加工澱粉。
8.上記7に記載の加工澱粉を含有する食品。
9.食品が、パン類、菓子類、シリアル類、バー類、米飯類、又は麺類である上記8に記載の食品。
10.上記7に記載の加工澱粉を含有する飼料。
11.ペットフードである上記10に記載の飼料。
原料澱粉を温水処理した後、種々の加工処理をすることにより得られる加工澱粉は、温水処理を施していない従来の加工澱粉と比較して特異な澱粉特性を示し、これを食品分野に利用する事で、味、食感に優れた食品を得ることができる。特に温水処理した原料澱粉を用いて得られる架橋澱粉は、従来とは異なる澱粉特性を示し、ベーカリー食品等への利用価値が高い。
また温水処理の効果により澱粉粒の膨潤、糊化を抑えることができるので、加工澱粉を製造する際の作業性を向上させることができる。
さらには、エーテル化、エステル化等の置換基導入効率を上げることが可能となる。この結果得られた加工澱粉を食品に利用する事で、より特徴的な食感を得る事ができる。
本発明に使用する原料澱粉はあらゆる天然供給源に由来し得る。本発明において用いられる天然の澱粉は、自然界に見出されるものである。また、交雑育種、転座、逆位、形質変換、又はそれらの変形を含む、あらゆる他の遺伝子工学または染色体工学の方法を含む標準的育種技術により得られた植物に由来する澱粉も本発明に使用する原料澱粉に適している。さらに、人工的突然変異、および既知の標準的な突然変異育種方法により生産することが可能な上述の属の組成物の変異により成長した植物に由来する澱粉も、本発明に使用する原料澱粉に適している。さらに、これらの澱粉を湿式、乾式、ふるい等により選別して原料澱粉に用いることもできる。本発明に使用する原料澱粉として、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
澱粉への代表的な供給源は、穀類、塊茎、根、豆果および果物である。天然源の具体例として、トウモロコシ、エンドウ、ジャガイモ、サツマイモ、バナナ、オオムギ、コムギ、米、サゴ、アマランス、タピオカ、クズウコン、カンナ、モロコシおよびそれらのワキシーまたは高アミロース品種が挙げられる。本明細書において用いられる「ワキシー」という用語は、少なくとも約95質量%のアミロペクチンを含有する澱粉を含むことを意味し、「高アミロース」という用語は、少なくとも約40質量%のアミロースを含有する澱粉を含むことを意味する。
本発明における温水処理とは、原料澱粉を好ましくは30℃以上、且つ糊化開始温度〔DSC(示差走査熱量法)でのピークの立ち上がり開始温度により規定され、その温度は澱粉の種類によって異なる〕に達しない温度、さらに好ましくは糊化開始温度よりも3〜15℃低い温度、最も好ましくは糊化開始温度よりも5〜10℃低い温度の水に浸漬することをいう。例えば、小麦澱粉の場合には、好ましくは35〜47℃、最も好ましくは40〜45℃の水に浸漬することをいう。
澱粉を浸漬した状態では、静置してもよく、あるいは攪拌、振とう等を行ってもよい。浸漬時間は好ましくは6時間以上、さらに好ましくは10時間以上である。浸漬時間の上限は特にないが、好ましくは120時間以下、さらに好ましくは72時間以下である。温水処理を行う際には静菌、防黴の目的で、通常食品に用いられている添加物(例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、エタノール)を使用することができる。
また、温水処理の浸漬液は、酸加水分解およびアルカリ加水分解により澱粉粒が崩壊しない範囲でpHを自由に調整することができ、酸性条件、アルカリ性条件で温水処理を行うことで、処理時間を有意に短縮することができる。好ましいpHは酸性側で2.7〜5.5及びアルカリ側で8.0〜12.0、さらに好ましくは酸性側で3.0〜4.0及びアルカリ側で10.0〜11.0である。
また、本発明における温水処理によりもたらされる物理的特性変化は、例えば、温水処理した原料澱粉が、DSCによる示差走査熱量曲線において、1〜3J/gの吸熱量の上昇をもたらすことによって確認することができる。吸熱量の上昇は、澱粉の結晶構造の強度の向上、すなわち糊化に対する抵抗性の向上を意味し、二次加工適性や食品への添加適性の向上等の利点がある。
本発明の澱粉の加工処理にはエーテル化、エステル化、リン酸架橋、アジピン酸架橋、酸化、α化、酵素処理、湿熱処理、乳化剤の添加、油脂加工、及びこれらの2種以上の組合せからなる群から選ばれる処理が含まれる。本発明で特に推奨される加工処理としては、エーテル化、エーテル化リン酸架橋、リン酸モノエステル化リン酸架橋、リン酸架橋、及びこれらの2種以上の組み合わせを挙げることができる。
これらの加工処理方法は何等限定されず、従来の加工処理方法が利用できる。例えば、エーテル化にはエーテル化剤として酸化プロピレンを用い、澱粉と反応させることによりヒドロキシプロピル澱粉を得ることができる。また、例えばエステル化にはエステル化剤として無水酢酸又は酢酸ビニールモノマーを用い、澱粉と反応させることにより酢酸澱粉を得ることができる。
原料澱粉の温水処理は、これらの加工澱粉の製造、又は加工澱粉を含む食品の製造において、様々な効果を発揮する。例えば、小麦澱粉を温水処理した後に加工して得られるリン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、あるいはエーテル化リン酸架橋澱粉をベーカリー食品の製造に用いると、その理由は明らかではないが、従来の対応する加工澱粉の使用に比べてその品質を有意に向上させる事ができる。具体的には、例えば温水処理を実施した小麦澱粉に加工を施し、ベーカリー食品に応用した場合、温水処理を実施していない小麦澱粉に比べて、生地の物性改良による機械適性の向上効果や、グルテンネットワークの形成の有意な改善効果による製品品質の向上効果等により、ベーカリー適性を向上させる。更に、得られる製品にソフト感等の優れた食感を付与する事もできる。一方、原料澱粉に温水処理を施すことで、未処理では不可能であった高含量のエーテル基を澱粉に導入することが可能になるという効果を奏する。
本発明の方法で製造される加工澱粉の用途として好ましいのは製パン用途である。その他製菓、麺、パスタ、スナック、シリアル、シリアルバー、米飯類、水練り製品、ヨーグルト、フラワーペースト、氷菓、ハム・ソーセージ、スープ、調味料等に使用することができる。
以下の実施例は、本発明を更に例証して説明するために提示されるものであって、いかなる点においても限定するものと取られるべきではない。
本実施例にて記載の温水処理とは、澱粉乳液を作成し、必要に応じてpHの調整を行い、30℃以上、糊化開始温度未満の温水に浸漬させ、処理乳液を得る工程を示し、温水処理試料とは、得られた処理乳液を常法にて(例えば、ドライオーブン中、30〜50℃で10〜24時間)乾燥させた試料を示す。
尚、表3、8、11、12、13、16、17、18に示す製パン試験結果については、表1−1に製パン適性及び製品品質の評価基準を、表1−2にパン容積の評価基準を、表1−3に評価項目および評価内容をそれぞれ示す。
表1−1 製パン適性および製品品質の評価基準
表1−2 パン容積の評価基準
表1−3 評価項目および評価内容
実施例1
市販の小麦澱粉について、温水処理を行った後、エーテル化リン酸架橋澱粉を試作し、製パン試験に供した。以下に手順を示す。
小麦澱粉100質量部に対して、水130質量部、デヒドロ酢酸ナトリウム(殺菌剤)0.1質量部を加えて乳液を調製し(pH未調整)、攪拌しながら45℃で72時間温水処理を行った。次に、常法にてリン酸架橋反応、エーテル化反応を連続して行った。すなわち、安定化剤としての芒硝の存在下、乳液のpHを苛性ソーダにて11〜12とした後、小麦澱粉100質量部に対して、架橋剤としてオキシ塩化リン0.1質量部を添加して、反応温度40℃にて1時間のリン酸架橋反応を行い、引き続き常法にてエーテル化反応を行った。すなわち、乳液に小麦澱粉100質量部に対して酸化プロピレン10質量部を添加して、反応温度40℃にて20時間のエーテル化反応を行った。得られた乳液を中和、洗浄、乾燥し、試料No.1のエーテル化リン酸架橋澱粉を得た。また、試料No.1において、温水処理を行わないこと以外は同様の反応を行い、試料No.2のエーテル化リン酸架橋澱粉を得た。
試料No.1と試料No.2を供試材料にして、表2の配合にて常法に従って山型食パンを試作し、製パン適性および品質への影響を調べた。
表2.食パン処方
表3に製パン試験の結果を示す。
















表3.小麦エーテル化リン酸架橋澱粉の製パン試験結果
表3から、製パン適性、製品品質において、温水処理による極めて顕著な改善効果が確認された。具体的な温水処理の効果として、製パン適性では、エーテル化リン酸架橋澱粉の吸水が抑制されることにより、生地の乾きが抑えられ、伸展性が向上し、機械適性の顕著な改善効果が確認された。製品品質では、試料No.2と比較して、パン容積において極めて顕著な増大効果が確認され、強力粉100%使用時に近いパン容積を示した。また、食感において、エーテル化リン酸架橋澱粉特有の歯切れの悪さが改善され、ソフトで口溶けが良く、自然な食感となった。
実施例2
市販の小麦澱粉について、温水処理を行った後、エーテル化澱粉を試作し、製造適性評価を行った。以下に手順を示す。
小麦澱粉を用いて、温水処理を実施例1と同様の方法にて行った後、常法にてエーテル化反応を行った。エーテル化反応は、乳液に芒硝を添加し、苛性ソーダにてpHを11〜12に調整後、小麦澱粉100質量部に対して酸化プロピレン10質量部を添加して、反応温度40℃にて20時間反応を行った。得られた乳液を、硫酸にてpH5.5〜6.0に中和し、洗浄、乾燥させ、試料No.3のエーテル化澱粉を得た。また、試料No.3において、原料澱粉をワキシーコーン澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉のいずれかに変更し、エーテル化反応において、酸化プロピレン量を10〜18質量部に変更した以外は同様に反応を行い、試料No.4〜6のエーテル化澱粉を得た。さらに、試料No.3〜6において、温水処理を行わないこと以外は同様の反応を行い、試料No.7〜10のエーテル化澱粉を得た。
試料No.3〜10のエーテル化澱粉反応条件を表4に示す。
表4.エーテル化澱粉反応条件
*:原料澱粉100質量部に対する添加量
試料No.3〜10について、糊化の有無によりエーテル化澱粉の製造適性評価を行った。糊化の判断基準として、各試料を常法にて乾燥後、澱粉質が本来の白色から、糊化により透明に変質した箇所の有無を指標とし、糊化が生じた場合、製造上不具合を生じるため、製造適性不可と評価した。表5に結果を示す。
表5.エーテル化澱粉製造適性評価結果
DS:澱粉のグルコース残基1個あたりの置換基の数を表す。
表5から、エーテル化反応において、温水処理による製造適性向上効果が確認された。
実施例3
市販の小麦澱粉、ワキシーコーン澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉を用いて、温水処理を行った後、エーテル化澱粉を試作し、DSC分析および製パン試験に供した。以下に手順を示す。
各種原料澱粉を用いて、実施例2において、酸化プロピレンを8〜15質量部に変更した以外は同様の方法にて温水処理およびエーテル化反応を行い、試料No.11〜14のエーテル化澱粉を得た。また、試料No.11〜14において、温水処理を行わないこと以外は同様の反応を行い、試料No.15〜18のエーテル化澱粉を得た。試料No.11〜18について、実施例2と同様に糊化の有無を確認し、全ての試料で糊化が生じていないことを確認した。
また、試料No.11〜14について、エーテル化反応前の温水処理乳液の一部を常法にて乾燥して得られた温水処理試料、および試料No.15〜18の原料として使用した温水処理を行っていない各種原料澱粉を供試材料にして、DSC分析を行った。DSCの測定は株式会社リガク製超高感度示差走査熱量計8240を用いて行った。澱粉(無水物)100質量部に対して水300質量部を加え、約10mgの測定試料を調製し、2℃/分の昇温速度で測定し、得られたチャートからピークの立ち上がりと復帰点を結んだときの積分値より吸熱量を求めた。
試料No.11〜18のエーテル化反応条件および吸熱量の測定結果を表6に示す。










表6.エーテル化反応条件および吸熱量測定結果
*:原料澱粉100質量部に対する添加量
**:エーテル化反応前の各種澱粉の吸熱量
表6から、温水処理により、エーテル化反応前の各種澱粉において、1〜3J/gの吸熱量の上昇が確認された。
試料No.11、試料No.15を供試材料にして、表7の配合にて常法に従って山型食パンを試作し、製パン適性および品質への影響を調べた。その結果を表8に示す。
表7.食パン処方












表8.小麦エーテル化澱粉を含む配合による製パン試験結果
表8から、製パン適性、製品品質において、温水処理による顕著な改善効果が確認された。
具体的な温水処理の効果として、製パン適性では、エーテル化澱粉の過度の吸水が改善されることで、生地の乾きが抑制され、生地の伸展性が向上し、有意な機械適性の改善効果が確認された。製品品質では、パン容積において、試料No.15と比較して顕著な増大効果が確認され、強力粉100%使用時に近いパン容積を示した。また、食感において、エーテル化澱粉特有のべたつきを抑え、ソフトで口溶けが良く、自然な食感となった。
他の原料澱粉にて試作した試料No.12〜14、試料No.16〜18についても、同様の傾向が認められた。
また、これらの製パン試験結果と表6の結果から、1〜3J/gの吸熱量の上昇で示される温水処理による物理的特性変化と、製パン適性の向上とに相関を確認した。
実施例4
市販の小麦澱粉について、酸性条件にて温水処理試料を試作し、DSC分析に供し、温水処理に関してpHの影響を検証した。以下に手順を示す。
小麦澱粉を用いて、pHを2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0に調整し、処理時間を24時間に変更した以外は実施例1と同様の方法にて温水処理を行った。
得られた温水処理試料および、対照例として温水処理を行っていない小麦澱粉を供試材料にして、実施例3と同様の方法にてDSC分析を行い、吸熱量を測定した。表9に測定結果を示す。
表9.吸熱量に及ぼす温水処理におけるpHの影響
表9の結果から、pH2.5〜5.5処理試料で1J/g以上の吸熱量の上昇が確認された。なお、pH2.5処理試料では、澱粉の加水分解による粘度低下が確認された。
実施例5
市販の小麦澱粉について、アルカリ性条件にて温水処理試料を試作し、DSC分析に供し、温水処理に関してpHの影響を検証した。以下に手順を示す。
小麦澱粉を用いて、pHを6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、11.0、12.0に調整し、処理時間を6時間に変更した以外は実施例1と同様の方法にて温水処理を行った。
得られた温水処理試料および、対照例として温水処理を行っていない小麦澱粉を供試材料にして、実施例3と同様の方法にてDSC分析を行い、吸熱量を測定した。表10に測定結果を示す。
表10.吸熱量に及ぼす温水処理におけるpHの影響

表10の結果から、pH8.0〜12.0処理試料で1J/g以上の吸熱量の上昇が確認された。なお、表9と比較して未処理区及びpH6.0の処理区で吸熱量が増加しているが、これは原料ロットの結晶構造の損傷度の違いによるものである。
実施例6
市販の小麦澱粉について、温水処理を行った後、エーテル化リン酸架橋澱粉を試作し、製パン試験に供して、温水処理に関して処理時間の影響を調べた。以下に手順を示す。
pHを3.5に調整し、温水処理時間を6、10、24時間に変更した以外は実施例1と同様に小麦澱粉を用いて、温水処理およびリン酸架橋反応、エーテル化反応を行ない、No.20(温水処理6時間)、No.21(温水処理10時間)、No.22(温水処理24時間)のエーテル化リン酸架橋澱粉を得た。また、温水処理を行わないこと以外は同様の反応を行い、試料No.23のエーテル化リン酸架橋澱粉を得た。
試料No.20〜23について、表2の配合にて常法に従って山型食パンを試作し、製パン適性および品質への影響を調べた。表11に製パン試験の結果を示す。










表11.製パンに及ぼす原料澱粉の温水処理時間の影響
表11から、試料No.20〜22では、温水処理による改善効果が確認された。以上の結果から、温水処理の処理時間は6時間以上が適当であることが確認された。
実施例7
市販の小麦澱粉を用いて、温水処理を行った後、エーテル化リン酸架橋澱粉を試作し、製パン試験に供して、温水処理温度の影響を調べた。以下に手順を示す。
処理温度を25℃、30℃、40℃、47℃、50℃、55℃に、処理時間を24時間に変更した以外は実施例6と同様に温水処理およびリン酸架橋反応、エーテル化反応を行ない、試料No.24(処理温度25℃)、試料No.25(処理温度30℃)、試料No.26(処理温度40℃)、試料No.27(処理温度47℃)、試料No.28(処理温度50℃)のエーテル化リン酸架橋澱粉を得た。なお、小麦澱粉の糊化開始温度は、DSCのピークの立ち上がりから50℃であり、55℃処理区では、温水処理中に糊化が生じた。また、試料No.28において、エーテル化反応時に糊化などの明確な不具合は確認されなかったが、洗浄時に試料No.24〜27と比較して、洗浄効率の悪化が確認された。このことから、糊化開始温度での温水処理は不適当であることが示された。また、温水処理を行わないこと以外は同様の反応を行い、試料No.29のエーテル化リン酸架橋澱粉を得た。
試料No.24〜27および試料No.29について、表2の配合にて常法に従って山型食パンを試作し、製パン適性および品質への影響を調べた。表12に製パン試験の結果を示す。














表12.温水処理温度の影響
表12から、試料No.25〜27では、温水処理による改善効果が確認された。
以上の結果から、温水処理の処理温度条件としては、30℃以上、糊化開始温度未満が適当であることがわかる。
実施例8
市販の小麦澱粉について、温水処理を行った後、エーテル化リン酸架橋澱粉を試作し、製パン試験に供して、酸性条件での温水処理の反応効率を検証した。以下に手順を示す。
小麦澱粉を用いて、実施例1と同様の方法にて乳液を調製し、pH3.5/24時間処理、pH未調整/24時間処理、pH未調整/72時間処理の処理区を用意し、温水処理(攪拌しながら45℃反応)を行った。温水処理終了後、引き続き実施例1と同様の方法にてリン酸架橋反応を行い、得られた乳液を中和、洗浄、乾燥し、試料No.30(pH3.5/24時間処理)、試料No.31(pH未調整/24時間処理)、試料No.32(pH未調整/72時間処理)のエーテル化リン酸架橋澱粉を得た。
試料No.30〜No.32を供試材料にして、表2の配合にて常法に従って山型食パンを試作し、製パン適性および品質への影響を調べた。表13に製パン試験の結果を示す。
表13酸性での温水処理時間の影響
表13から、温水処理時にpHを酸性にすることで、より短時間で温水処理の効果を得られることが示された。
実施例9
市販の小麦澱粉、コーンスターチについて、温水処理を行った後、エーテル化リン酸架橋澱粉、エステル化リン酸架橋澱粉を試作し、DSC分析に供した。以下に手順を示す。
処理時間を24時間に変更した以外は実施例6と同様の方法にて小麦澱粉、コーンスターチを温水処理した後、実施例1と同様の方法にてリン酸架橋反応を行った。リン酸架橋反応終了後、引き続き常法にて、小麦澱粉、コーンスターチについてエーテル化反応、または小麦澱粉についてエステル化反応を行った。
エーテル化反応は実施例1と同様の方法にて行い、試料No.33〜34のエーテル化リン酸架橋澱粉を得た。また、温水処理を行わないこと以外は同様の反応を行い、試料No.35〜36のエーテル化リン酸架橋澱粉を得た。
エステル化反応は、小麦澱粉由来の乳液に、小麦澱粉100質量部に対して無水酢酸10質量部を1時間かけて滴下した。この間、温度を30℃に、pHを8.0〜8.5に維持した。滴下終了後、さらに同条件下で1時間攪拌した。得られた乳液を中和、洗浄、乾燥し、試料No.37のエステル化リン酸架橋澱粉を得た。また、温水処理を行わないこと以外は同様の反応を行い、試料No.38のエステル化リン酸架橋澱粉を得た。試料No.33〜38の反応条件を表14に示す。
表14.反応条件
試料No.33〜38を供試材料にして、実施例3と同様の方法にてDSC分析を行い吸熱量、ピーク温度を測定した。図1〜3にDSCのチャートを、表15にそのときの吸熱量とピーク温度を示す。




















表15.温水処理によるDSCの変化
*:無処理との差
図1〜3から、温水処理によるDSCチャートの顕著な変化が確認できた。表15から、温水処理を実施することで、吸熱量が顕著に大きくなり、ピーク温度が顕著に高くなることが示された。
図1〜3、表15から、エーテル化、エステル化反応等の2次加工を行っても、温水処理による物理的特性の変化が確認できることが示された。
実施例10
市販のタピオカ澱粉について、温水処理を行った後、エーテル化リン酸架橋澱粉を試作し、製パン試験に供した。以下に反応手順を示す。
温水処理の条件をpH3.5、24時間処理に変更した以外は実施例1と同様の方法にてタピオカ澱粉の温水処理、リン酸架橋反応、エーテル化反応を行い、試料No.39のエーテル化リン酸架橋澱粉を得た。また、温水処理を行わないこと以外は同様の反応を行い、試料No.40のエーテル化リン酸架橋澱粉を得た。
試料No.39と試料No.40を供試材料にして、表2の配合にて常法に従って山型食パンを試作し、製パン適性および品質への影響を調べた。表16に製パン試験の結果を示す。








表16.タピオカエーテル化リン酸架橋澱粉を含む配合による製パン試験結果
表16から、製パン適性、製品品質について、温水処理による顕著な改善効果が確認された。具体的な温水処理の効果として、製パン適性では、エーテル化リン酸架橋澱粉の吸水が抑制されることにより、生地の乾きが抑えられ、伸展性が向上し、機械適性について改善効果が確認された。製品品質では、試料No.40と比較して、パン容積において増大効果が確認された。また、食感において、エーテル化リン酸架橋澱粉特有の歯切れの悪さが改善され、ソフトで口溶けが良く、自然な食感となった。
実施例11
市販の小麦澱粉について、温水処理を行った後、リン酸架橋澱粉を試作し、製パン試験に供した。以下に手順を示す。
小麦澱粉を実施例10と同様の方法にて温水処理した後、常法にてリン酸架橋反応を行った。リン酸架橋反応は、乳液に芒硝を添加し、小麦澱粉100質量部に対して、架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウム 7質量部を添加後、苛性ソーダにてpH11〜12に調整し、45℃にて17時間反応を行った。pHについては、反応開始2時間後に苛性ソーダにて再度pH11〜12に調整した。得られた乳液を中和、洗浄、乾燥し、試料No.41のリン酸架橋澱粉を得た。また、温水処理を行わないこと以外は同様の反応を行い、試料No.42のリン酸架橋澱粉を得た。
試料No.41と試料No.42を供試材料にして、表2の配合にて常法に従って山型食パンを試作し、製パン適性および品質への影響を調べた。表17に製パン試験の結果を示す。













表17.小麦リン酸架橋澱粉を含む配合による製パン試験結果
表17から、製パン適性、製品品質について、温水処理による改善効果が確認された。具体的な温水処理の効果として、製パン適性では、温水処理の効果により、生地のしなやかさが向上し、機械適性の改善効果が確認された。また、製品品質では、食感において、架橋澱粉特有の粉っぽさを抑え、ソフトな食感となった。
実施例12
市販の小麦澱粉について、温水処理を行った後、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉を試作し、製パン試験に供した。以下に手順を示す。
小麦澱粉を実施例10と同様の方法にて温水処理した後、リン酸モノエステル化リン酸架橋反応を行った。リン酸モノエステル化リン酸架橋反応は、乳液に芒硝を添加し、小麦澱粉100質量部に対してトリメタリン酸ナトリウム 6.8質量部、トリポリリン酸ナトリウム0.2質量部を添加後、苛性ソーダにてpH11〜12に調整し、45℃にて17時間反応を行った。pHについては、反応開始2時間後に苛性ソーダにて再度pH11〜12に調整した。得られた乳液を中和、洗浄、乾燥し、試料No.43のリン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉を得た。また、温水処理を行わないこと以外は同様の反応を行い、試料No.44のリン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉を得た。
試料No.43と試料No.44を供試材料にして、表2の配合にて常法に従って山型食パンを試作し、製パン適性および品質への影響を調べた。表18に製パン試験の結果を示す。
表18.小麦リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉の製パン試験結果
表18から、製パン適性、製品品質について、温水処理による改善効果が確認された。具体的な温水処理の効果として、製パン適性では、温水処理の効果により、生地のしなやかさが向上し、機械適性の改善効果が確認された。また、製品品質では、食感において、架橋澱粉特有の粉っぽさを抑え、ソフトな食感となった。
実施例13
市販のタピオカ澱粉について、温水処理を行った後、エーテル化澱粉を試作し、製パン試験に供した。以下に手順を示す。タピオカ澱粉を試料No.5と同様の方法にて温水処理およびエーテル化反応に供し、試料No.45のエーテル化澱粉を得た。得られたエーテル化澱粉の置換度(DS)は0.18であった。また、試料No.5において、温水処理を行わず、酸化プロピレンを7質量部に変更(酸化プロピレンを10質量部使用すると、表5に記載するように糊化してしまう)した以外は同様の反応を行い、試料No.46のエーテル化澱粉を得た。得られたエーテル化澱粉のDSは0.09であった。
試料No.45および試料No.46について、表19の配合にて常法に従って山型レーズンパンを試作した。また、澱粉を添加しない以外は同様の方法で、対照例を試作した。
表19.レーズンパン処方
試作したレーズンパンについて、焼き上げ後1日、4日経過したサンプルについて、トースト、レンジアップ処理をそれぞれ行い、食感について品質保持効果の評価を行った。なお、トーストは1000W・1分で、レンジアップは食パン4枚(約200g)を500W・30秒でそれぞれ実施した。表20−1に品質保持効果の評価結果を、表20−2に評価基準を、表20−3に評価項目および評価内容をそれぞれ示す。





表20−1 品質保持効果の評価結果
表20−2 評価基準
表20−3 評価項目および評価内容
試作1日後のサンプルでは、差は確認できなかった。試作4日後のサンプルでは、表20の通り、試料No.45の方が、試料No.46よりも高い品質保持効果を有することが示された。このことから、澱粉の加工反応の前処理として温水処理を行うことによる置換基の導入効率の向上効果により、加工澱粉の加工特性が顕著に改善された製品を製造することが可能となることが示された。
実施例14
実施例13にて試作した試料No.45および試料No.46について、以下の方法にて澱粉せんべいを試作した。
各試料200質量部に水100質量部を加えてよく混合して生地を調製し、この生地を中部協立工業株式会社製の煎餅手焼き機にて185℃で1分30秒焼成した。
試作した澱粉せんべいについて物性評価を行った。図4に澱粉せんべいの膨化度の比較写真を、表21−1に物性評価結果を、表21−2に評価基準を、表21−3に評価項目および評価内容をそれぞれ示す。
表21−1 澱粉せんべいの物性評価結果
表21−2 評価基準
表21−3 評価項目および評価内容
表21から、試料No.45の方が、試料No.46よりも、膨化性が高く、製品の食感・口どけ感においてもソフトであることがわかった。このことから、澱粉の加工反応の前処理として温水処理を行うことによる置換基の導入効率の向上効果により、加工澱粉の加工特性が顕著に改善された製品を製造することが可能となることが示された。
実施例15
試料No.4を供試材料にして、表22の配合にてオールインミックス法にて大豆バーを試作した。
表22.大豆バー処方
実施例16
実施例13にて試作した試料No.45および試料No.46について、以下の方法にて粳米を用いて糯米様赤飯を試作した。
小豆を洗浄し、小豆の2倍量の水を加えて煮沸し、煮沸終了後、煮汁を棄て、小豆の7倍量の水を加えて20分程度煮た後、茹でた小豆と煮汁に分けた。粳米100質量部を洗浄し、60分間水に浸漬し、水切りした試料を3点用意した。これらの試料をセイロで15分間蒸して不完全蒸し米とした。煮汁100質量部にこれら不完全蒸し米を20分間程度浸漬して煮汁を完全に吸収させた。煮汁を吸収させたこれら不完全蒸し米に、試料No.45および試料No.46をそれぞれ粉末で15質量部と茹で小豆(小豆の量で20質量部)を添加し、分散混合してからセイロに戻して40分間蒸して赤飯を調製した。対照例では澱粉を添加しない以外同様にして赤飯を試作した。
得られたサンプルについて官能検査を行った。表23−1に官能検査の結果を、表23−2に評価基準を、表23−3に評価項目および評価内容をそれぞれ示す。
表23−1 粳米を用いた糯米様赤飯の官能検査結果
表23−2 評価基準
表23−3 評価項目および評価内容
表23から、試料No.45の方が、試料No.46よりも顕著な品質改良効果が得られることが示された。このことから、澱粉の加工反応の前処理として温水処理を行うことによる置換基の導入効率の向上効果により、加工澱粉の加工特性が顕著に改善された製品を製造することが可能となることが示された。
実施例17
実施例13にて試作した試料No.45ついて、糯米を使用して、以下の方法にて赤飯を試作した。糯米100質量部を洗浄し、30分間水に浸漬し、水切りした試料を2点用意した。これらの試料をセイロで15分間蒸して不完全蒸し米とした。実施例16と同様の方法にて作成した小豆の煮汁100質量部にこれら不完全蒸し米を20分間程度浸漬して煮汁を完全に吸収させた。煮汁を吸収させたこれら不完全蒸し米に、試料No.45を粉末で5質量部と茹で小豆(小豆の量で20質量部)を添加し、分散混合してからセイロに戻して20分間蒸して赤飯を調製した。対照例では澱粉を添加しない以外同様にして赤飯を試作した。
得られたサンプルの食感(硬さ)について官能検査を行った。表24−1に官能検査の結果を、表24−2に評価基準をそれぞれ示す。
表24−1 糯米を用いた赤飯の官能検査結果
表24−2 評価基準
表24から、試料No.45を添加することで、蒸し時間の短縮効果が得られることが示された。
実施例18
実施例13にて試作した試料No.45および試料No.46について、表25の処方にて常法に従って麺を試作した。
表25.麺処方
実施例19
実施例11にて試作した試料No.41を180質量部と、小麦粉20質量部を混ぜ合わせ、湯100質量部でよく溶き、マトン10質量部、バナナ40質量部を加えさらによく混ぜ合わせた。その生地に炭酸4質量部、ベーキングパウダー4質量部を加えて、鯛焼き等を作る事のできる焼成食品製造機でペット用のワッフルを成形した。
実施例9(小麦エーテル化リン酸架橋澱粉)において、試料No.33(温水処理あり)(下側)及びNo.35(温水処理なし)(上側)を用いてDSC分析を行ったときのチャートである。横軸:温度/℃、縦軸:熱流/ミリワット。 実施例9(コーンスターチエーテル化リン酸架橋澱粉)において試料No.34(温水処理あり)(下側)及びNo.36(温水処理なし)(上側)を用いてDSC分析を行ったときのチャートである。横軸:温度/℃、縦軸:熱流/ミリワット。 実施例9(小麦エステル化リン酸架橋澱粉)において試料No.37(温水処理あり)(下側)及びNo.38(温水処理なし)(上側)を用いてDSC分析を行ったときのチャートである。横軸:温度/℃、縦軸:熱流/ミリワット。 実施例14において試料No.45(温水処理あり)(外側)および試料No.46(温水処理なし)(内側)を用いて試作した澱粉せんべいの膨化性を比較した写真である。

Claims (7)

  1. 原料澱粉の温水処理工程、及び温水処理した原料澱粉の加工処理工程を含むことを特徴とする加工澱粉の製造方法であって、温水処理工程が、30℃以上で、かつ原料澱粉の糊化開始温度未満の温度で、pH3.0〜5.5の水に原料澱粉を6時間以上浸漬する処理工程であり、加工処理工程が、エーテル化、エステル化、架橋及びこれら2種以上の組合せからなる群から選ばれる処理工程である、加工澱粉の製造方法。
  2. 温水処理工程が、原料澱粉に1〜3J/gの吸熱量の上昇を生じさせる処理である、請求項1に記載の加工澱粉の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法で製造される加工澱粉。
  4. 請求項に記載の加工澱粉を含有する食品。
  5. 食品が、パン類、菓子類、シリアル類、バー類、米飯類、又は麺類である請求項に記載の食品。
  6. 請求項に記載の加工澱粉を含有する飼料。
  7. ペットフードである請求項に記載の飼料。
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