JP6601997B2 - ベーカリー製品用組成物 - Google Patents
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Description
一方で、ふんわりとした食感でボリュームのあるパン類等のベーカリー製品は、口どけと歯切れのよい食感を一層引き出し、見た目にも食欲をそそるものであり、日本人のみならず、世界中の消費者に好まれている。
生地に澱粉を配合してベーカリー製品を製造する場合、もちもちとした食感を得るためには、生地を製造する際の加水量を増やしたり、α化澱粉を多配合したりする必要がある。生地を製造する際の加水量を増やすと、流動性の高いバッター状の生地となるため、べたつき等の不具合が発生し、十分な混捏が行えず、グルテンの形成が不十分であり、適度な弾性と伸展性をもった生地を製造することが困難である。また、α化澱粉を多配合した生地は、グルテン骨格が弱く、生地の膨化能力および加熱後の保形成が悪いためボリュームやふんわりとした食感に劣るという欠点がある。
(1)(A)エーテル化澱粉および/またはアセチル化澱粉、ならびに、(B)α化澱粉からなるベーカリー製品用組成物であって、(A)と(B)の質量比において、(B)/(A)が0.1〜0.17である、前記ベーカリー製品用組成物。
(2)小麦粉100質量部に対する配合量として、(A)が12〜64質量部、(B)が1.5〜8.5質量部である、上記(1)に記載のベーカリー製品用組成物。
(3)さらに(C)グルテンを含み、(B)と(C)の質量比において、(B)/(C)が0.75〜1.25である、上記(1)または(2)に記載のベーカリー製品用組成物。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のベーカリー製品用組成物からなる、ベーカリー製品用生地改良剤。
(5)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のベーカリー製品用組成物、または、上記(4)に記載のベーカリー製品用生地改良剤に、さらに小麦粉を含む、ベーカリー製品用プレミックス。
(6)小麦粉と、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のベーカリー製品用組成物、または、上記(4)に記載のベーカリー製品用生地改良剤を含有し、小麦粉100質量部に対して、(A)を12〜64質量部、(B)を1.5〜8.5質量部含有するベーカリー製品用プレミックス。
(7)上記(5)または(6)に記載のベーカリー製品用プレミックスを水分とともに混捏して得られる、生地を加熱してなる、ベーカリー製品の製造方法。
(8)上記(7)に記載の製造方法によって得られる、ベーカリー製品。
また、本発明のα化澱粉として、α化架橋澱粉を用いることもできる。α化架橋澱粉は、例えば、架橋剤を使って常法によって得られる架橋澱粉をα化して得ることができるものが含まれている。α化架橋澱粉を用いることで、混捏時の生地のべたつきをより効率よく抑制することができる。本発明のα化澱粉としては、エーテル化澱粉やアセチル化澱粉をα化したものを用いることもでき、本発明のα化架橋澱粉としては、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉、α化リン酸架橋タピオカ澱粉、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋馬鈴薯澱粉、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋餅種馬鈴薯澱粉等が挙げられる。そして、本発明のα化澱粉は、粉末状、糊状など任意の状態で用いることができる。
α化処理を行っていない加工澱粉(エーテル化澱粉、アセチル化澱粉)とα化澱粉との配合比率と、パン生地およびパンとの関係を調べるために、表1に記載の実施例1〜4と比較例1および比較例2の組成物を用いて、表2に記載の試験例1〜6の配合でパンを製造し、(1)生地調製時の作業性、(2)パンのボリューム(比容積)、(3)製造1日後および3日後の弾性(TA復元力%)、(4)製造1日後および3日後のもちもちとした食感(もちもち感)、(5)製造1日後および3日後のふんわりとした食感(ふんわり感)を評価した。
また、(1)生地調製時の作業性、(4)もちもち感、(5)ふんわり感、を評価する際の比較対照として、表2に記載の試験例2のパンの配合のグルテンおよび実施例1の組成物を小麦粉に代えた配合でパンを製造し、製造1日後のパンを通常の配合のパンとした。
A.ボールにショートニング以外の材料を加え、ミキサーの低速で3分間、中速で3〜5分間混捏した。
B.Aにショートニングを加え、さらにミキサーの低速で2分間、中速で4分間混捏して混捏生地を調製した。生地の捏ね上げ温度は、26℃とした。
C.Bで調製した生地を27℃、相対湿度75%で20分間、フロアタイムをとった。
D.Cの生地を一玉55gに分割し、丸めを行い20分間ベンチタイムをとった後成形した。
E.Dの生地を38℃、相対湿度85%で60分間ホイロをとった。
F.ホイロ後の生地を、200℃で10分間焼成してパンを製造した。
生地調製時の作業性を以下の基準で評価した。
5: 生地のべたつきがなく、通常の配合のパン生地と遜色ない混捏のしやすさだった。4:通常の配合のパン生地と比較すると若干生地のべたつきが感じられたが、生地の混捏には問題がなかった。
3:生地のべたつきがやや感じられたが、十分混捏することができた。
2:生地のべたつきが強く、生地の混捏がやや困難だった。
1:生地のべたつきが激しく、生地の混捏が困難だった。
比容積(cm3/g)は、製造したパンの体積を重量で割ることにより算出した。パンの体積の測定は、3D Laser Volume Measurement selnac-Win VM2100(株式会社ASTEX社製)を用いて行った。
弾性の測定は、テクスチャーアナライザー「TA.XTPlus」(Stable Micro Systems社製)を用いて行った。製造したパンを厚さ1.5cmにスライスし、直径10mmの円筒型プランジャーを使用し、圧縮試験を行った(測定条件2回押し、圧縮条件50%)。
2回目に押した際の加重がかかり続けた時間を1回目押した際の加重がかかり続けた時間で割ることで弾性(TA復元力%)の測定を行った。弾性(TA復元力%)の値が100%に近いほど、パンの復元力が高く、弾性があるといえる。
焼成1日後と3日後のパンのもちもち感を、以下の基準で評価した。
5:通常の配合のパンと比較して、適度なもちもち感が付与されており、非常に好ましい食感であった。
4:通常の配合のパンと比較して、もちもち感が付与されており、好ましい食感であった。
3:通常の配合のパンと比較して、ややもちもち感が付与されており、好ましい食感であった。
2:通常の配合のパンと比較して、もちもち感がほとんど付与されていなかった。
1:通常の配合のパンと比較して、もちもち感が全く付与されておらず、硬い食感であった。
焼成1日後と3日後のパンのふんわり感を、以下の基準で評価した。
5:通常の配合のパンと同等または、それ以上にふんわりとしていて、非常に好ましい食感であった。
4:通常の配合のパンと比較して、遜色なくふんわりとしていて、好ましい食感であった。
3:通常の配合のパンと比較してすると、ややふんわり感は低下するが、問題のない程度であった。
2:通常の配合のパンと比較してすると、ふんわり感が劣るが、従来のもちもちとした食感を付与する技術を用いて製造したパンと比較すると、ふんわりとしていて、良好な食感であった。
1:従来のもちもちとした食感を付与する技術を用いて製造したパンと同様にふんわり感がなかった。
<試験例2〜5>
実施例1〜4の組成物を使用した試験例2〜5の4種類のパン生地は、調製時に、べたつきが無く、混捏工程にも向いており、取扱いやすいものであった。
<試験例1、6>
比較例2の組成物を使用した試験例6のパン生地は、生地のべたつきが激しく、調製時に、混捏しにくく、扱いづらく作業性の悪いものであった。また、比較例1の組成物を使用した試験例1のパン生地は、生地のべたつきはそれほど問題にはならなかったが、生地が固く扱いにくいものであった。
<試験例2〜5>
パンのボリュームを表す指標である比容積、弾性を表す指標である復元力を見ると、試験例2〜5で製造した4種類のパン、特に試験例2〜4の3種類のパンは、試験例1および6で製造したパンに比べて、比容積が約7%〜約30%増加し、復元力も約5%〜約30%増加し、製造後3日を経過してもほぼ維持されていた。
食感を比較すると、試験例2〜5で製造した4種類のパン、特に試験例2〜4の3種類のパンは、試験例1および6で製造したパンに比べて、もちもちとした良好な食感、口どけの良いふんわりとした食感を備えていた。また、通常の配合パンと比較しても、良好なもちもちとした食感が付与されており、ふんわり感も遜色ないものであった。そして、それらの食感は、製造後3日を経過してもほぼ維持されていた。
試験例5で製造したパンも試験例2〜4で製造したパンに比べて、ふんわり感は若干低下するものの、遜色ない良好なもちもちとした食感を備え、試験例1および6で製造したパンにはない、もちもち感とふんわり感とをあわせ持つ食感を備えていた。
<試験例1、6>
試験例1で製造したパンは、試験例2〜5で製造したパンと比べてボリュームと弾性は大きな差はなかったが、硬くてもちもち感やふんわり感がなかった。また、試験例6で製造したパンは、試験例2〜5で製造したパンと比べて、もちもち感は同程度であったが、ボリュームと弾性に欠けていてふんわり感もなかった。
ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉に対してα化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉の割合を低く((B)/(A)=0.08)した試験例1のパン生地は、水分を吸収し過ぎるために硬くなっていたと考えられる。そのため、試験例1で製造したパン生地は硬くて扱いにくく、焼き上がり後のパン、もちもち感が得られなかったと考えられる。
また、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉に対してヒドロキシプロピルリン酸架橋α化タピオカ澱粉の割合を高く((B)/(A)=0.2)した試験例6のパン生地は、水分の吸収が悪いため、べたついた状態で十分に混捏することが困難であった。そのため、試験例6で製造したパンは、グルテン骨格が弱く、ボリュームと弾性が失われたと考えられる。
次に、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉を1とした時に、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉を0.13の割合に固定し(表1に記載の実施例2の組成物)、当該固定比率の組成物の小麦粉原料に対する配合量とパン生地およびパンとの関係を調べるために、表3に記載の試験例3と試験例7〜14に記載の配合でパンを製造し、(1)生地調製時の作業性、(2)パンのボリューム(比容積)、(3)製造1日後および3日後の弾性(TA復元力%)、(4)製造1日後および3日後のもちもち感、(5)製造1日後および3日後のふんわり感を評価した。
パン生地およびパンの製造方法、生地調製時の作業性の評価方法、ボリューム(比容積)の測定方法、弾性(TA復元力%)の測定方法、もちもち感の評価方法、ふんわり感の評価方法は、試験1と同様の方法を用いた。
試験例3および試験例7〜13で製造した8種類のパン生地、特に試験例3および試験例7〜12の7種類のパン生地は、調製時に、べたつきが無く、混捏工程にも向いており、取扱いやすいものであった。
一方、試験例14のパン生地は、試験例3および試験例7〜13のパン生地に比べて、調製時にべたつきが見られた。
試験例3および試験例7〜13で製造した8種類のパンは、比容積が大きくボリュームのあるパンであった。特に試験例3および試験例8〜12の6種類のパンは比容積が6.0cm3/gを超えており非常にボリュームのあるパンであった。また、試験例3および試験例7〜13で製造した8種類のパンは弾性(復元力)も80%を超えており、特に、試験例3および試験例8〜12で製造した6種類のパンの弾性(復元力)は製造後3日を経過しても85%以上と高い値を維持していた。一方、試験例14で製造したパンは、試験例3および試験例7〜13で製造したパンと比較して、比容積、弾性(復元力)ともやや劣るものであった。
食感を比較すると、試験例3および試験例8〜13で製造した7種類のパンは、試験例7および試験例14で製造したパンに比べて、もちもちとした良好な食感、口どけの良いふんわりとした食感を備えていた。また、通常の配合のパンと比較しても、良好なもちもちとした食感が付与されており、ふんわり感も遜色ないものであった。そして、それらの食感は、製造後3日を経過してもほぼ維持されていた。
試験例7で製造したパンは、試験例3および試験例8〜13で製造したパンに比べてもちもちとした食感がやや劣りながらも、通常の配合のパンに近い食感であった。試験例14で製造したパンは、もちもちとした食感は付与されているものの、試験例3および試験例7〜13で製造したパンに比べてふんわり感が損なわれていた。
試験例14のパン生地は、実施例2の組成物の配合量が多く、結果的に生地材料中のα化澱粉の含有量が多くなったため、生地が水分を十分吸収しきれずに、べたつきが生じ、パンのボリュームやふんわり感が十分得られなかったと考えられる。逆に、試験例7のパン生地は、実施例2の組成物の配合量が少ないため、十分な効果が得られなかったと考えられる。
アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、α化澱粉の種類とパン生地およびパンとの関係を調べるために、表4に記載の試験例15〜28に記載の配合でパンを製造し、(1)生地調製時の作業性、(2)パンのボリューム(比容積)、(3)製造1日後および3日後の弾性(TA復元力%)、(4)製造1日後および3日後のもちもち感、(5)製造1日後および3日後のふんわり感を評価した。
パン生地およびパンの製造方法、生地調製時の作業性の評価方法、ボリューム(比容積)の測定方法、弾性(TA復元力%)の測定方法、もちもち感の評価方法、ふんわり感の評価方法は、試験1と同様の方法を用いた。
(1)試験例28の結果から、α化澱粉を単独で配合すると、生地は調製時のべたつきが激しく、作業性に劣り、焼き上がり後のパンのボリュームや、弾性(復元力)および、もちもち感やふんわり感も得られず、むしろ硬い食感となることが分かった。(2)試験例20、25と試験例26との比較から、α化処理を行っていない加工澱粉(アセチル化澱粉またはエーテル化澱粉)とα化澱粉とを組み合わせて配合することでパンのもちもち感とふんわり感が引き出されることが分かった。(3)試験例19、22と、試験例15〜18、20、21、23との比較から、α化澱粉として、α化架橋澱粉を用いることが生地の調製時の作業性を向上させることが分かった。(4)試験例18、20、23の結果から、α化澱粉として糯種馬鈴薯澱粉由来のものをパンに用いたときに、生地の調製時の作業性がよく、焼き上がり後のパンのもちもち感とふんわり感が最も良く引き出されることが分かった。
これらの結果から、α化処理を行っていない加工澱粉(アセチル化澱粉またはエーテル化澱粉)とα化澱粉とを組み合わせて用いること、α化処理を行っていない加工澱粉に組み合わせるα化澱粉として、α化架橋澱粉を用いること、および、糯種の馬鈴薯由来のα化澱粉を用いるのが好ましいことが分かった。
グルテンが生地の骨格になること、α化澱粉を多配合した生地のグルテン骨格が弱いこと、ならびにα化澱粉がパン生地の粘性を増加させることを合わせて考えると、製造後のパンに十分なボリュームやふんわりとした食感と、もちもちとした食感とを付与するためには、グルテンとα化澱粉の配合量のバランスが重要であると考えられる。
パン生地およびパンの製造方法、生地調製時の作業性の評価方法、ボリューム(比容積)の測定方法、弾性(TA復元力%)の測定方法、もちもち感の評価方法、ふんわり感の評価方法は、試験1と同様の方法を用いた。
試験例20および試験例30〜34の6種類のパン生地は、調製時に、べたつきが無く、混捏工程にも向いており、取扱いやすいものであった。また、試験例29のパン生地も、調製時に、ややべたつきが感じられたが問題なく混捏することができた。
試験例20および試験例29〜34で製造した7種類のパンは、比容積が大きくボリュームのあるパンであった。特に試験例20および30〜34で製造した6種類のパンは比容積が6.0cm3/gを超えており非常にボリュームがあり良好な膨らみが得られた。また、試験例20および試験例29〜34で製造した7種類のパンは、製造後1日の弾性(復元力)も80%を超えており、特に、試験例20および試験例30〜33で製造した5種類のパンの弾性(復元力)は製造後3日を経過しても高い値を維持していた。
もちもち感の評価については、試験例20および試験例29〜34で製造した7種類のパン、特に、試験例20および試験例29〜33で製造した6種類のパンは、良好なもちもち感が付与されていた。また、試験例20および試験例30〜33で製造した5種類のパンは、製造後3日を経過しても、もちもちとした良好な食感がほぼ維持されていた。
また、ふんわり感の評価については、試験例20および試験例29〜34で製造した7種類のパン、特に、試験例20および試験例30〜34で製造した5種類のパンは、ふんわりとした良好な食感であった。また、試験例20および試験例31〜33で製造した4種類のパンは、製造後3日を経過してもふんわりとした良好な食感が維持されていた。
従って、試験例20および試験例30〜33で製造した5種類のパンは、もちもち感とふんわり感の両方を備えており、それらの食感が、製造3日後でもほぼ維持されている、非常に好ましいパンであった。
試験例30〜33は、パン生地中のグルテン骨格が適度な強度を有していたため、焼き上がり後のパンは、十分な膨らみとふんわり感が得られ、それらが持続したものと考えられる。これに対して、α化澱粉に対するグルテンの配合量が少ないと、パン生地中のグルテン骨格の強度が低下したため、焼き上がり後のパンの膨らみやふんわり感が持続しにくい傾向が認められ、また、α化澱粉に対するグルテンの配合量が多いと、パン生地中のグルテン骨格が強くなったため、焼き上がり後のパンが固くなる傾向が認められたものと考えられる。
小麦粉に対する配合量という点でみると、表5の結果から、小麦粉100質量部に対してグルテンを1.5〜8.5質量部配合すると、α化澱粉とα化処理していない加工澱粉(エーテル化澱粉、アセチル化澱粉)とを一定の比率で含有する組成物の効果がより効率よく発揮されることが分かった。
実施例2の組成物55質量部、強力粉30質量部、上白糖10質量部、グルテン6質量部、ショートニング5質量部、乳化剤0.2質量部、イーストフード0.1質量部を均一に混合してプレミックスAを製造した。ボールにプレミックスA50質量部、強力粉50質量部、食塩1.5質量部、イースト3質量部、全卵5質量部、水56質量部を加え、ミキサーの低速で3分間、中速で5分間混捏した。さらにショートニング5質量部を加え、ミキサーの低速で2分間、中速で4分間混捏して、混捏生地を製造した。前記混捏生地を用いて、試験1のパンの製造工程C〜Fにてパンを製造した。製造したパンは、外観のボリュームがあり、ふんわりとした食感ともちもちとした食感の両方を併せ持ち非常に好ましいパンであった。
実施例2の組成物30質量部、強力粉50質量部、上白糖9質量部、ショートニング7質量部、グルテン3質量部、食塩1.5質量部、乳化剤0.2質量部、イーストフード0.1質量部を均一に混合してプレミックスBを製造した。ボールにプレミックスB100質量部、イースト3質量部、全卵5質量部、水56質量部を加え、ミキサーの低速で2分間、高速で8分間混捏して混捏生地を製造した。前記混捏生地を、27℃、相対湿度75%で20分間フロアタイムをとった後、40gずつ分割してリング状に成形した。成形後の生地を36℃、相対湿度60%で40分間ホイロをとった後、185℃の油で2分間(片面1分間ずつ)油調してイーストドーナツを製造した。製造したイーストドーナツは、外観のボリュームがあり、ふんわりとした食感ともちもちとした食感の両方を併せ持ち非常に好ましいイーストドーナツであった。
Claims (5)
- (A)エーテル化澱粉および/またはアセチル化澱粉、
(B)α化澱粉、ならびに
(C)グルテンを含むパン類用組成物であって、
(A)が、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(非糯種)およびアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉(非糯種)からなる群から選択され、
(B)が、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(非糯種)、α化リン酸架橋タピオカ澱粉(非糯種)、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋馬鈴薯澱粉(非糯種)、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋糯種馬鈴薯澱粉、およびα化タピオカ澱粉(非糯種)からなる群から選択され、
(A)と(B)の質量比において、(B)/(A)が0.1〜0.17であり、(B)と(C)の質量比において、(B)/(C)が0.75〜1.25である、パン類用組成物。 - 請求項1に記載のパン類用組成物からなる、パン類用生地改良剤。
- 請求項1に記載のパン類用組成物、または、請求項2に記載のパン類用生地改良剤に、さらに小麦粉を含み、
(A)と(B)の質量比において、(B)/(A)が0.1〜0.17であり、(B)と(C)の質量比において、(B)/(C)が0.75〜1.25である、パン類用プレミックス。 - 小麦粉と、
請求項1に記載のパン類用組成物、または、請求項2に記載のパン類用生地改良剤と
を含有し、小麦粉100質量部に対して、(A)を12〜64質量部、(B)を1.5〜8.5質量部含有し、(C)を1.5〜8.5質量部含有し、
(A)と(B)の質量比において、(B)/(A)が0.1〜0.17であり、(B)と(C)の質量比において、(B)/(C)が0.75〜1.25である、パン類用プレミックス。 - 請求項3または4に記載のパン類用プレミックスを水分とともに混捏して得られる、生地を加熱してなる、パン類の製造方法。
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