JP4880081B1 - アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉及びその製造方法 - Google Patents

アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多期作であるキャッサバ芋を原料とする澱粉であり供給量や販売価格が安定なタピオカ澱粉を利用して、その加工澱粉であって、澱粉せんべい、竜田揚げ用まぶし粉、水産練製品、麺製品等の加工食品の澱粉質原料として利用する場合にも馬鈴薯澱粉と同様の食感が得られ、その代替として用いることができ、更に馬鈴薯澱粉よりも食感の経時変化耐性に優れた加工タピオカ澱粉を提供する。
【解決手段】タピオカ澱粉を、アセチル基とアジピン酸基によって微弱にエステル化することにより、アジピン酸基含量が0.01質量%を超えないアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であって、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つ該ピーク粘度からボトム粘度を差し引いたブレークダウンが150〜500BUであることを特徴とするアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得る。
【選択図】なし

Description

本発明はアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉及びその製造方法に関する。
タピオカ澱粉は多期作であるキャッサバ芋を原料とする澱粉であり、供給量や販売価格が安定的であり、加工食品の粉質原料として幅広く利用されている。
例えば、特許文献1には、エステル化および架橋化処理を施したタピオカ澱粉を使用することで、食感にすぐれ、製造後の品質の経時劣化が極めて少ないとともに、機械的生産が容易なくず種和菓子類が得られることが記載されている。
また、特許文献2には、極度に軽度な架橋と、エーテル化の両方を施したタピオカ澱粉を使用することで、加工麺類において茹で上げ直後の麺質を再現することができ、また小麦粉の品質の振れ等による麺質に与える影響をなくすことのできる麺類が得られることが記載されている。
また、特許文献3には、米菓の製造に際し、架橋処理と300〜1000ppmの有効塩素量の次亜塩素酸ソーダ処理とを併用処理することにより得られた加工タピオカ澱粉を使用することで、膨化に優れ、歯にべたつかないカリカリとした食感を有する米菓が得られることが記載されている。
一方、加工食品に澱粉質原料として汎用されているもののうちの一つに馬鈴薯澱粉がある。馬鈴薯澱粉を利用した加工食品の一例として、馬鈴薯澱粉を主原料として魚介類の乾燥品、調味料を混合して焼成又は油ちょうして製造される澱粉せんべいが挙げられる。澱粉せんべいは、愛知県の知多半島の名物となっている海老せんべい等でも知られるように、馬鈴薯澱粉特有の膨化・糊化物性による適度な硬さと一定以上の力を加えるとパリッと割れるような食感を呈するせんべいである。
また、馬鈴薯澱粉を利用した加工食品の他の例として、肉や魚に醤油、みりん、生姜等を用いて下味をつけて、馬鈴薯澱粉をまぶし粉として付着させた後に油ちょうして製造される竜田揚げが挙げられる。一般的なから揚げの外観とは異なる粒状・塊状の白い粉を吹いたような外観を呈し、粉吹き感ともいうような独特な食感を呈する。この粉吹きは馬鈴薯澱粉を利用したときにのみ生じ、コーンスターチや小麦粉を同様にまぶしても粉吹きを生じないことが知られている。
一方、澱粉を用いる加工食品として、かまぼこ、ちくわ、さつま揚げ、はんぺん等の水産練製品が知られている。水産練製品は、原料魚、形態、調味、加熱法等の違いによって各種のものがあるが、基本的には、魚肉すり身を主原料とし、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉等の澱粉、山芋、卵等の副原料、食塩等の調味料及び水を加えて生地を調製し、成形後加熱して固めたものである。一般的に、しなやかな食感で弾力性があるものが好ましいとされている。
水産練製品に配合する澱粉は、つなぎ剤や増量剤として機能するだけでなく、水産練製品独特の歯切れのよい弾力に富む食感を向上させる。即ち、澱粉を含む原料が加熱されると、澱粉が周囲の魚肉すり身等の原料や配合水から水分を吸収し、糊化して弾力に富む粒子となる。この糊化した澱粉粒子による粘弾性が水産練製品に独特の食感を与えている。
更に、澱粉を用いる加工食品として、春雨等の麺製品も知られている。春雨は、基本的には、緑豆の澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉等の澱粉を主原料とし、攪拌しながら熱湯を加えて生地を調製し、これを加熱、麺状に成形したものである。一般的に、弾力、硬さがあり、歯切れが良いほうが好ましいとされている。
特開平6−209712号公報 特開2000−93104号公報 特開2005−27644号公報
しかしながら、基本的に一期作である馬鈴薯は作付け量や天候によって収穫量が変化し易く、これを原料としている馬鈴薯澱粉は供給量や販売価格が不安定であることが課題であった。また、一般に馬鈴薯澱粉及び加工馬鈴薯澱粉は老化性が高く、調理後の食感の経時変化を起こすため、商品価値が低下し易いという問題もあった。
一方、未加工のタピオカ澱粉、あるいは従来の加工処理の施されたタピオカ澱粉では、澱粉せんべいや竜田揚げに代表されるような馬鈴薯澱粉に特有の食感を得ることはできなかった。また、水産練製品においては離水や老化の問題があった。また、麺製品においては食感が悪くなってしまうという問題があった。
したがって本発明の目的は、多期作であるキャッサバ芋を原料とする澱粉であり供給量や販売価格が安定なタピオカ澱粉を利用して、その加工澱粉であって、澱粉せんべい、竜田揚げ用まぶし粉、水産練製品、麺製品等の加工食品の澱粉質原料として利用する場合にも馬鈴薯澱粉と同様の食感が得られ、その代替として用いることができ、更に馬鈴薯澱粉よりも食感の経時変化耐性に優れた加工タピオカ澱粉を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究し、タピオカ澱粉を、アセチル基とアジピン酸基によって微弱にエステル化することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ウルチ種のタピオカ澱粉から製造された、アジピン酸基含量が0.01質量%を超えないアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であって、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つ該ピーク粘度からボトム粘度を差し引いたブレークダウンが150〜500BUであることを特徴とするアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を提供するものである。
本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉においては、加熱溶解度が15〜40%であることが好ましい。
一方、本発明のもう1つは、未加工のウルチ種タピオカ澱粉に水を加えて澱粉スラリーとし、その澱粉スラリーにアルカリ剤を添加してpH7〜10に調整した後に、無水酢酸にアジピン酸を溶解させて調製したアセチル化アジピン酸架橋反応液を、前記澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が無水酢酸として0.5〜6質量%となり、アジピン酸として0.005〜0.05質量%となる量で、前記澱粉スラリーのpHが保たれるように前記アルカリ剤を添加しながら所定時間かけて添加し、前記未加工のウルチ種タピオカ澱粉にアセチル化及びアジピン酸架橋を施すことを特徴とするアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の製造方法を提供するものである。
本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の製造方法においては、アジピン酸基含量が0.01質量%を超えないアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であって、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つ該ピーク粘度からボトム粘度を差し引いたブレークダウンが150〜500BUであるアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得ることが好ましい。
また、前記アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の加熱溶解度が15〜40%であることが好ましい。
本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、竜田揚げ用まぶし粉、澱粉せんべい、水産練製品、麺製品等の加工食品の澱粉質原料として、好適に利用できる。
本発明によれば、多期作であるキャッサバ芋を原料とする澱粉であり供給量や販売価格が安定なタピオカ澱粉を利用して、その加工澱粉であって、澱粉せんべい、竜田揚げ用まぶし粉、水産練製品、麺製品等の加工食品の澱粉質原料として利用する場合にも馬鈴薯澱粉と同様の食感が得られ、その代替として用いることができ、更に馬鈴薯澱粉よりも食感の経時変化耐性に優れた加工タピオカ澱粉を提供することができる。
澱粉の糊化特性を測定するアミログラフィー分析の一例を示す図表である。
本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、アジピン酸基含量が0.01質量%を超えないアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であって、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つ該ピーク粘度からボトム粘度を差し引いたブレークダウンが150〜500BUであることを特徴としている。
ピーク粘度が上記範囲未満であると架橋の度合いが高くなり、目的とする食感が得られ難くなる傾向があるので好ましくない。また、ブレークダウンが上記範囲未満であると加熱調理時の粒の糊化や膨化の進行が過剰に抑制されて目的とする食感が得られ難くなる傾向があり、ブレークダウンが上記範囲を超えると加熱調理時の粒の糊化や膨化の進行が過剰に促進されて目的とする食感が得られ難くなる傾向があるので、いずれも好ましくない。
また、タピオカ澱粉をアジピン酸エステル化しないと目的とする食感が得られず、アジピン酸基含量が上記範囲を超えると、加熱調理時の澱粉粒の糊化や膨化の進行が過剰に抑制されて目的とする食感が得られ難くなる傾向があるので、いずれも好ましくない。
なお、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉のアセチル基含量としては、0.1〜1質量%であることが好ましく、0.2〜0.6質量%であることがより好ましい。アセチル基含量が上記範囲未満であると食感の経時的劣化の防止又は抑制が不十分となる傾向があり、アセチル基含量が上記範囲を超えると食感の経時的劣化の防止又は抑制は満足できるものの、加熱調理時の澱粉粒の糊化や膨化の進行が過剰に促進されて目的とする食感が得られ難くなる傾向があるので、いずれも好ましくない。
原資澱粉であるタピオカ澱粉としては、ウルチ種のタピオカ澱粉が用いられる
本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、アセチル化及びアジピン酸エステル化の2種のエステル化が組み合わせて施されて成るものである。アジピン酸によるジエステル化により架橋構造が付与されたものは架橋タピオカ澱粉とも称される。本発明においては、これらのエステル化と組み合わせて、本発明の効果を損なわない範囲で、コハク酸エステル化、オクテニルコハク酸エステル化、脂肪酸エステル化、リン酸エステル化等のエステル化や、エーテル化(ヒドロキシプロピル化)や酸化等といったエステル化以外の加工処理を施すことに制限はなく、湿熱処理、油脂加工、ボールミル処理、微粉砕処理、α化、加熱処理、温水処理、漂白処理、酸処理、アルカリ処理、酵素処理等の物理加工を施すことにも制限はない。
本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、通常知られたエステル化剤を用いる方法で調製することが可能である。例えば、アセチル化剤として無水酢酸、酢酸ビニルモノマー等を用いてアセチル化されたタピオカ澱粉を調製することができる。また、アジピン酸エステル化されたタピオカ澱粉は、アジピン酸、無水アジピン酸、無水酢酸・酢酸・アジピン酸・無水アジピン酸の平衡混合物等を架橋剤として用いて調製することができる。ただし、上記の範囲に属するものを得て、後述の実施例で示されるように竜田揚げや澱粉せんべい等として良好な食感を得るためには、エステル化され過ぎないように調製する必要がある。
本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、その加熱溶解度が15〜40%であることが好ましく、20〜40%であることがより好ましい。加熱溶解度が上記範囲未満であると加熱調理時の澱粉粒の糊化や膨化の進行が過剰に抑制されて目的とする食感が得られ難くなる傾向があり、加熱溶解度が上記範囲を超えると加熱調理時の澱粉粒の糊化や膨化の進行が過剰に促進されて目的とする食感が得られ難くなる傾向があるので、いずれも好ましくない。なお、加熱溶解度は、澱粉粒を糊化させた際に粒から溶出する成分の量であり、一般的には架橋構造の付与によって溶解度が低下し、アセチル基の付与によって上昇する場合もあることが知られている。したがって、澱粉に付加する置換基の種類や付加量によって加熱溶解度を調整することができる。
以下には、アミログラフィー分析、加熱溶解度、アセチル基含量、及びアジピン酸基含量の測定について説明する。
(アミログラフィー分析)
アミログラフィー分析は以下の方法に従って行うことができる。
固形分換算で6質量%の澱粉スラリーを調製し、測定開始温度を35℃で開始、1.5℃/分で95℃まで昇温、その後95℃を30分間維持の条件で澱粉の糊化特性を測定する。得られたアミログラム(温度−澱粉粘度曲線)から、95℃到達時までに記録された最大の粘度を読み取り、これをピーク粘度とする。また、ピーク粘度の発現以降に粘度が低下した際、95℃を30分間維持した時に記録された粘度を読み取り、これをボトム粘度とする。そしてピーク粘度とボトム粘度の差をブレークダウンとする。
図1にはアミログラフィー分析の一例を示す。図中実線のアミログラムが得られた場合、そのブレークダウンは図中Aで示される粘度差の値となる。また、図中点線のアミログラムが得られた場合、そのブレークダウンは図中Bで示される粘度差の値となる。
(加熱溶解度の測定)
加熱溶解度とは、澱粉を加熱糊化させた際に澱粉粒から溶出する糖量度合であり、以下の方法で算出される。
固形分換算の試料0.2gを蒸留水19.8mlに分散して、沸騰水浴中で30分間加熱を行った後、25℃水道水浴中で30分間冷却する。次いで、この液を遠心分離(3000rpm、10分間)して沈澱層と上層に分ける。この上層に含まれる全糖量をフェノール硫酸法で測定し、その容量に対する質量%濃度として加熱溶解度を算出する。
(アセチル基含量の測定)
アセチル基含量は以下の方法で求めることができる。
澱粉試料5.0gを精密に量り、水50ml(水可溶性の場合は100ml)に懸濁し、フェノールフタレイン試液数滴を加え、液が微紅色を呈するまで0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液を滴下後、0.45mol/l水酸化ナトリウム溶液25mlを正確に加え、温度が30℃以上にならないように注意しながら栓をして30分間激しく振り混ぜる。0.2mol/l塩酸で過量の水酸化ナトリウムを滴定する。終点は液の微紅色が消えるときとする。別に空試験を行い補正する。下記式(1)により遊離アセチル基含量を求め、更に乾燥物換算を行う。
アセチル基含量(%)=(e−f)×n×0.043×100/w…(1)
上記式(1)中、eは空試験滴定量(ml)を、fは試料滴定量(ml)を、nは0.2mol/l塩酸の力価を、wは試料乾燥物重量(g)を意味する。
(アジピン酸基含量の測定)
アジピン酸基含量は以下の方法で求めることができる。
澱粉試料約1gを精密に量り、共栓三角フラスコに入れ、水50mlを加え、更に内標準溶液1mlを正確に加え、よく振り混ぜて澱粉試料を分散させた後、4mol/l水酸化ナトリウム溶液50mlを加え、5分間振とうする。内標準溶液には、グルタル酸0.10gを正確に量り、水を加えて溶かし、正確に100mlとしたものを用いる。三角フラスコを室温の水浴に入れ、塩酸20mlを注意しながら加える。冷後、内容物を分液漏斗に移し、三角フラスコを少量の水で洗い、洗液を分液漏斗に入れる。酢酸エチル100mlずつで3回抽出し、酢酸エチル層を合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加えて時々振り混ぜながら10分間放置した後、ろ過する。容器およびろ紙上の残留物を酢酸エチル50mlで2回洗い、洗液をろ紙に合わせ、6.7kPaの減圧下、40℃以下で酢酸エチルを留去し、更に窒素気流で酢酸エチルを完全に除去する。酢酸エチルの留去はできるだけ速やかに行う。次いで、残留物にピリジン2mlおよびN,O−ビストリメチルシリルトリフルオロアセタミド1mlを加えて栓をし、残留物を溶解する。1時間放置後、2mlをガラス製バイアル瓶にとり、直ちに密封し、総アジピン酸測定用検液とする。
一方で、澱粉試料約5gを精密に量り、共栓三角フラスコに入れ、水100mlを加え、更に上記内標準溶液1mlを正確に加える。1時間振とう後、メンブレンフィルター(孔径0.45μm)でろ過し、ろ液に塩酸1mlを加え、分液漏斗に移す。ただし、α化澱粉および水可溶澱粉の場合は、メンブレンフィルターでろ過せず、懸濁液に塩酸1mlを加え、分液漏斗に移す。以下、総アジピン酸測定用検液と同様に操作し、遊離アジピン酸測定用検液とする。
アジピン酸0.10gを正確に量り、温湯90mlに溶かし、室温まで冷却した後、正確に100mlとする。この液1ml、5ml、10mlおよび20mlを正確に量り、水を加えてそれぞれ正確に50mlとし、4濃度の標準原液とする。4個の共栓三角フラスコに、澱粉試料と同じ植物を基原とする未加工澱粉1.0gずつを量り、水50mlを加え、更に内標準溶液1mlを正確に加える。各フラスコに、濃度の異なる標準原液5mlを正確に加え、よく振り混ぜて澱粉を分散させた後、4mol/l水酸化ナトリウム溶液50mlを加え、5分間振とうする。各フラスコを室温の水浴に入れ、塩酸20mlを注意しながら加える。冷後、内容物を分液漏斗に移す。以下、総アジピン酸測定用検液と同様に操作し、4濃度の標準液とする。
総アジピン酸測定用検液、遊離アジピン酸測定用検液および4種類の標準液をそれぞれ1μlずつ量り、次の操作条件でガスクロマトグラフィーを行う。4種類の標準液のグルタル酸のピーク面積に対するアジピン酸のピーク面積比と標準液に含まれるアジピン酸の量から検量線を作成する。総アジピン酸測定用検液および遊離アジピン酸測定用検液のグルタル酸のピーク面積に対するアジピン酸のピーク面積比を求め、検量線より両検液中のアジピン酸の量(g)を求める。下記式(2)によりアジピン酸基含量を求める。
アジピン酸基含量=(CT/WT−CF/WF)×100 (質量%)…(2)
上記式(2)中、CTは総アジピン酸測定用検液中のアジピン酸の量(g)を、CFは遊離アジピン酸測定用検液中のアジピン酸の量(g)を、WTは総アジピン酸測定用検液中の乾燥物換算した澱粉試料の採取量(g)を、WFは遊離アジピン酸測定用検液中の乾燥物換算した澱粉試料の採取量(g)を意味する。
以下にガスクロマトグラフィーの操作条件を示す。
検出器:水素炎イオン化検出器
検出器温度:250℃
カラム:内径0.25mm、長さ15mのケイ酸ガラス製の細管に、ガスクロマトグラフィー用50%ジフェニル−50%ジメチルポリシロキサンを0.25μmの厚さで被覆したもの。
カラム温度:120℃で5分間保持、その後150℃まで毎分5℃で昇温する。
注入口温度:250℃
注入方式:スプリット(30:1)
キャリヤーガス:ヘリウム又は窒素、流量:アジピン酸の保持時間が約8分に、グルタル酸の保持時間が約5分になるように調整する。
一方、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の製造方法は、未加工のタピオカ澱粉に水を加えて澱粉スラリーとし、その澱粉スラリーにアルカリ剤を添加してpH7〜10に調整した後に、無水酢酸にアジピン酸を溶解させて調製したアセチル化アジピン酸架橋反応液を、前記澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が無水酢酸として0.5〜6質量%となり、アジピン酸として0.005〜0.05質量%となる量で、前記澱粉スラリーのpHが保たれるように前記アルカリ剤を添加しながら所定時間かけて添加し、前記未加工のタピオカ澱粉にアセチル化及びアジピン酸架橋を施すことを特徴としている。これによれば、上記に説明した本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を効率よく調製することができる。
アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
以下には、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の製造方法の一態様を示す。
(アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉)
未加工のタピオカ澱粉に水を加えて40質量%の澱粉スラリーを調製し、澱粉スラリーにアルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等)を添加してpH7〜10に調整する。次いで、無水酢酸にアジピン酸を溶解させて調製したアセチル化アジピン酸架橋反応液を添加する。このとき、アセチル化アジピン酸架橋反応液は、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が無水酢酸として0.5〜6質量%となる量で添加することが好ましく、アジピン酸として0.005〜0.05質量%となる量で添加することが好ましい。そして、アセチル化アジピン酸架橋反応液は、澱粉スラリーのpHが保たれるように適宜アルカリ剤を添加しながら30〜180分間程度かけて徐々に添加することが好ましい。アセチル化アジピン酸架橋反応液の添加終了後に10分間程度pHを維持した後、塩酸等の酸を添加して澱粉スラリーを中和し、水洗浄・脱水・乾燥を行ってアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得る。
以下には、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を利用して製造することができる加工食品の例として竜田揚げ、澱粉せんべい、水産練製品、及び麺製品について説明する。
(竜田揚げ)
一般に、竜田揚げは、肉や魚に醤油、みりん、生姜等を用いて下味をつけて、まぶし粉を付着させた後に油ちょう等の加熱調理を施すことにより得られる。まぶし粉とは、竜田揚げをつくる際に具材を加熱調理する前段階で具材にまぶす粉体のことを指し、打ち粉とも称されるものである。一般に竜田揚げ用まぶし粉には馬鈴薯澱粉が用いられるが、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、その際の馬鈴薯澱粉の全部または一部の替わりに用いることができる。
竜田揚げ用まぶし粉には、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉、又は本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉に加えて更に馬鈴薯澱粉を、その総量にして50〜100質量%含有するものとすることが好ましく、60〜90質量%含有するものとすることがより好ましい。
後述する試験例で示すように、馬鈴薯澱粉に本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を併用して竜田揚げ用まぶし粉に用いる態様によれば、馬鈴薯澱粉をまぶし粉として用いたときに問題となる調理後の経時的な食感の劣化を、防止又は抑制することができる。この場合、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉と馬鈴薯澱粉の質量比が3:97〜50:50であることが好ましく、10:90〜40:60であることがより好ましい。馬鈴薯澱粉としては、未加工の馬鈴薯澱粉に加え、加工馬鈴薯澱粉(エステル化、エーテル化、酸化等)や物理加工馬鈴薯澱粉(湿熱処理、油脂加工、α化等)等を用いることができる。
また、竜田揚げ用まぶし粉には、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉による効果を損なわない範囲で副原料を含有するものとすることもできる。副原料としては、油脂、香辛料、調味料、乳化剤等が挙げられる。なかでも油脂を好ましくは2〜8質量%含有するものとすると、付着量の増加や食感の改良効果を有するので好ましい。油脂としては、例えば、アマニ油、エゴマ油、くるみ油、サフラワー油、ぶどう油、大豆油、ひまわり油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、なたね油、落花生油、オリーブ油、パーム油、やし油、牛脂、豚脂、鶏脂、羊脂、鯨油、魚油、またこれらの分別油、エステル交換油等の加工油脂等が挙げられる。
竜田揚げ用まぶし粉を用いた竜田揚げの調理は、通常知られた調理法に準じて行えばよく、例えば、肉、魚等の具材に醤油、みりん、食塩、砂糖、油脂、にんにくや生姜等の香辛料等を配合してなる調味液を用いて下味をつけて、上記竜田揚げ用まぶし粉を付着させた後に油ちょう等の加熱処理を施す等により、後述する実施例で示すような、良好な粉吹きが得られ、調理後の経時的な食感の劣化が防止又は抑制されている竜田揚げを得ることができる。
また、別の態様においては、小麦粉、澱粉、油脂、大豆蛋白、卵蛋白、乳化剤、香辛料、増粘多糖類等を配合してなるバッターを用いて、これを調味液で下味をつけた具材に更に付着させてから、上記竜田揚げ用まぶし粉を付着させてもよい。この態様によれば、まぶし粉の付きを良くし、外観の面でもより整った竜田揚げを得ることができる。
(澱粉せんべい)
澱粉せんべいは澱粉質原料を主原料とするせんべいであり、適度な硬さで一定以上の力を加えるとパリッと割れるような独特の食感を楽しむことのできるせんべいである。その澱粉質原料として少なくとも本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を配合し、これに副原料及び水を加えて混練して生地を調製し、成形後、焼成又は油ちょうして、澱粉せんべいを得ることができる。
副原料としてはアミノ酸、核酸、蛋白分解物、食塩、砂糖、ステビア等の調味料、エビ、イカ、ウニ、カラスミ等の魚介類、野菜類、乳製品、肉製品、豆加工品等の風味材料、唐辛子、ワサビ等の香辛料、油脂等が挙げられる。
澱粉せんべいは、上記澱粉せんべいの生地として、澱粉質原料を乾燥物換算で70〜98質量%、副原料を乾燥物換算で2〜30質量%含有せしめた生地を用いて調製することが好ましい。
澱粉質原料としては、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉のほか、馬鈴薯澱粉、その他の澱粉、穀粉、小麦粉、米粉等の他の澱粉質原料を配合してもよく、その場合、馬鈴薯澱粉を配合することが好ましい。後述する試験例で示すように、馬鈴薯澱粉に本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を併用する態様によれば、馬鈴薯澱粉を単独で用いたときに問題となる調理後の経時的な食感の劣化を、防止又は抑制することができる。この場合、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉と馬鈴薯澱粉の質量比が10:90〜100:0であることが好ましい。馬鈴薯澱粉としては、未加工の馬鈴薯澱粉に加え、加工馬鈴薯澱粉(エステル化、エーテル化、酸化等)や物理加工馬鈴薯澱粉(湿熱処理、油脂加工、α化等)等を用いることができる。
本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の配合量としては、上記澱粉せんべいの生地中に、乾燥物換算で70〜98質量%含有せしめて調製することが好ましい。
また、更に馬鈴薯澱粉を配合する場合には、上記澱粉せんべいの生地中に、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を乾燥物換算で35〜49質量%、馬鈴薯澱粉を乾燥物換算で35〜49質量%含有せしめて調製することが好ましく、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を乾燥物換算で63〜88.2質量%、馬鈴薯澱粉を乾燥物換算で7〜9.8質量%含有せしめて調製することがより好ましい。
(水産練製品)
水産練製品は、原料配合中に少なくとも本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を配合して水産練製品の生地を調製し、適宜形状に成形して、加熱処理することにより得ることができる。アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の配合量は、水産練製品の種類によって適宜設定し得るが、典型的には、澱粉の乾燥物換算で加熱処理前の水産練製品の生地中1〜15質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉のほか、馬鈴薯澱粉、その他の澱粉、穀粉、小麦粉、米粉等、又はそれらのエステル化、エーテル化(ヒドロキシプロピル化)、酸化、湿熱処理、油脂加工、ボールミル処理、微粉砕処理、α化、加熱処理、温水処理、漂白処理、酸処理、アルカリ処理、酵素処理等の加工物等の他の澱粉質原料を配合してもよい。
水産練製品の種類に特に制限はなく、かまぼこ、ちくわ、さつま揚げ、はんぺん、魚肉ソーセージ、だて巻き、なると巻き、つみれ等を例示することができる。その原料の配合組成、添加方法、生地の成形方法、加熱方法等は、水産練製品の種類に応じて、従来から知られている方法に準じて行えばよく、特に制限されるものではない。一例を挙げると次の通りである。
原料魚としてスケソウダラ、グチ、サメ、ヒラメ、ホッケ、イカ等の肉身や、それを加工した冷凍すり身を、ミートチョッパーでチョッピングした後、フードカッターで粗ずりを行う。これに食塩を2〜3%程度を氷又は氷水とともに添加して、フードカッターでカッティングした後、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉と残りの氷水とを添加して、更にカッティングして、水産練り製品の生地を調製する。水産練製品の種類によっては、必要に応じて、油脂、グルタミン酸ソーダ、砂糖、みりん、卵白、山芋、増粘剤等の副原料と、野菜の細切り等の種物とを添加し、攪拌機によって練成する。なお、はんぺんを製造する場合には、生地中に気泡を抱き込むように攪拌を行う。
このように調製した生地を、例えば押出成形機、ドラム成形機、球天器等を用いて適宜形状に成形し、必要に応じて坐り、二段加熱を行い、製品の種類に応じた加熱処理を行う。加熱処理は、例えば、かまぼこの場合は、蒸煮あるいは焼成が好ましく採用され、はんぺんの場合は湯中浸漬が好ましく採用され、さつま揚げの場合は油ちょうが採用される。また、魚肉ソーセージの場合は、ケーシングに充填した後、湯中浸漬等の手段で加熱処理する。
上記のようにして得られた水産練製品は、更に冷凍してもよい。冷凍することによって、保存、流通性をより高めることができる。
(麺製品)
本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、麺製品の澱粉質原料として好ましく用いられる。麺製品に含有せしめる方法に特に制限はなく、従来用いられる澱粉の、その全部又は一部の代替として配合すればよい。これにより、その麺製品に、麺の伸びや食感の経過時的な劣化を防ぐ効果を付与することができる。例えば、後述する実施例で示す春雨の場合、コーンスターチとともに澱粉質原料として用いられる馬鈴薯澱粉を、本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉で、好ましくは5〜50質量%の割合、より好ましくは15〜40質量%の割合で代替する。これにより馬鈴薯澱粉による春雨の食感を損なわずに、麺の伸びや食感の経時的な劣化を抑制して、その両者を共に良好に改善することができる。
本発明のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、上記に例示した加工食品以外にも広く食品用の澱粉質原料として利用することができる。
菓子としては、いも餅(別名:いも団子)、ワラビ餅、ブラマンジェ、クッキー、でんぷんかき(粉を水で溶き、熱湯を注いで糊化させ、砂糖等で味付けをして食する菓子)、卵ボーロ、葛切り等が例示される。
麺類としては、中華麺、冷麺、うどん、そば等の通常の麺、ラザニア、スパゲッティ、マカロニ等のパスタ類、ワンタンの皮、餃子の皮類等とそれらの即席タイプの通常の麺、パスタ類、皮類が例示される。
また、中華丼のタレ、八宝菜、酢豚、麻婆豆腐、麻婆茄子、回鍋肉等の中華調味料、餡かけの餡(餡かけそば、かた焼きそばの餡)、肉や野菜、麺用の打ち粉、丼物(親子丼、中華丼、カツ丼、玉子丼等)の具のとろみ付けとしても本発明の澱粉を使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の詳細を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示す各種澱粉を用いて竜田揚げも若しくは澱粉せんべいを調製し、それらについて評価を行った。
各澱粉は以下のようにして調製し又は入手した。
(澱粉No.1)
未加工のタピオカ澱粉に水を加えて40質量%の澱粉スラリーを調製し、アルカリ剤(水酸化ナトリウム水溶液)を添加してpH8.5に調整した。次いで、無水酢酸にアジピン酸を溶解させて調製したアセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が無水酢酸として1〜2質量%、アジピン酸として0.03質量%となる量で添加した。このときアセチル化アジピン酸架橋反応液は、澱粉スラリーのpHが保たれるように適宜アルカリ剤を添加しながら50〜100分間かけて徐々に添加した。アセチル化アジピン酸架橋反応液の添加終了後に10分間程度pHを維持した後に、塩酸で澱粉スラリーを中和し、水洗浄・脱水・乾燥を行ってアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.2)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量がアジピン酸として0.02質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.3)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量がアジピン酸として0.01質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.4)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が無水酢酸として3〜4質量%、アジピン酸として0.01質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.5)
未加工の馬鈴薯澱粉である士幌町農業協同組合製の「マル特 士幌」を使用した。
(澱粉No.6)
未加工のタピオカ澱粉であるAsia Modified Starch Co., Ltd.製の「TAPIOCA STARCH」を使用した。
(澱粉No.7)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が無水酢酸として4〜5質量%、アジピン酸として0.1質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.8)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量がアジピン酸として0.08質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.9)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量がアジピン酸として0.004質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.10)
アセチル化タピオカ澱粉である日本食品化工株式会社製の「日食MT−01HL」を使用した。
(澱粉No.11)
アセチル化タピオカ澱粉である日本食品化工株式会社製の「日食MT−01LL」を使用した。
(澱粉No.12)
ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉である Asia Modified Starch Co., Ltd. 製の「CLEARTEXT SA−1L」を使用した。
(澱粉No.13)
ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉である Asia Modified Starch Co., Ltd.製の「CLEARTEXT SD-2」を使用した。
(澱粉No.14)
未加工のワキシーコーンスターチである日本食品化工株式会社製の「日食ワキシースターチY」を使用した。
(澱粉No.15)
リン酸架橋ワキシーコーンスターチである日本食品化工株式会社製の「日食ネオビスC−10」を使用した。
(澱粉No.16)
ウルチ米澱粉である上越スターチ株式会社製の「ファインスノウ」を使用した。
(澱粉No.17)
モチ米澱粉である上越スターチ株式会社製の「モチールB」を使用した。
(澱粉No.18)
リン酸架橋ウルチ米澱粉である Asia Modified Starch Co., Ltd. 製の「Neovis R-400」を使用した。
(澱粉No.19)
リン酸架橋モチ米澱粉である Asia Modified Starch Co., Ltd. 製の「Neovis G-800」を使用した。
(澱粉No.20)
アセチル化モチ米澱粉である Asia Modified Starch Co., Ltd. 製の「MG-09」を使用した。
表1には、各澱粉について、アミログラフィー分析でのピーク粘度及びブレークダウン、加熱溶解度、アセチル基含量、アジピン酸基含量の測定結果を示す。なお、参考例に用いた馬鈴薯澱粉は、加熱溶解度の測定において遠心分離によって液を沈澱層と上層に分けることができなかったため、測定不能とした。
一般に澱粉粒に架橋構造を付与することで加熱による膨潤が抑制され、ピーク粘度が下がることが知られている。また、架橋構造により澱粉粒の崩壊が生じにくくなるため、ブレークダウンが生じにくくなる。すなわち、架橋構造を付与するとピーク粘度及びブレークダウンが抑制される。これに対して、上記澱粉No.1〜4(実施例1〜4)に調製した程度に、微弱に架橋構造を付与したタピオカ澱粉では、表1に示すように、ピーク粘度が上昇しつつブレークダウンが抑制されたものを得ることができた。これはその架橋によって、加熱による膨潤の抑制を伴わずに、澱粉粒の崩壊を抑制できるためであると考えられた。
なお、架橋構造の程度との関係を測るため、アジピン酸基含量にして測定しようとしても、それらの下限値は、用いた通常の測定方法では検出限界以下であった。これは上記効果が、極わずかな架橋構造の付与による効果であるためと考えられた。
[試験例1](竜田揚げ その1)
皮と脂をトリミングした鶏もも肉を20gに取り分け、表2の配合になるように調製した調味液とともにタンブリング容器に加えた。これを4℃に調整して、12rpmで30分間回転した後、6rpmで15分間回転→15分間静置のサイクルを5回繰り返し、その後4℃で一晩保存した。
以上の処理を施した鶏もも肉に、表3の配合になるように調製したバッターを鶏もも肉の質量に対しておよそ20質量%の割合でその表面に均一に付着させた。次いで、表1に示した各種澱粉をまぶし粉とし、バッターを均一に付着させた鶏もも肉に、鶏もも肉の質量に対しておよそ20質量%の割合でその表面に均一にまぶして付着させた。その後、予め175℃に調整した食用油を用いて50秒間油ちょうし、油ちょうしたものを3分間放冷した後に、更に175℃で2分間油ちょうすることで、竜田揚げを得た。
得られた竜田揚げについて、油ちょうした直後の竜田揚げと油ちょう直後から5時間経過した竜田揚げについて、外観及び食感の官能評価を行った。
具体的には、外観についての評価基準は、竜田揚げの特徴である粒状・塊状の白い粉を吹いたような外観を呈することに定め、5点満点(1〜5)での評価を行った。評点基準は、馬鈴薯澱粉のみをまぶし粉として使用した参考例の油ちょう直後の外観を5点とし、参考例の油ちょう直後と同等程度に全体に白い粉吹きを呈した場合を5点、参考例の油ちょう直後よりも少ないが白い粉吹きを呈した場合を4点、僅かに白い粉吹きを呈した場合を3点、白い粉吹きを殆ど呈さなかった場合を2点、白い粉吹きが全く認められずに竜田揚げ全体が茶色を呈した場合を1点とした。
また、食感についての評価基準は、竜田揚げの特徴であるホロホロとした粒状・塊状のある食感を呈することに定め、5点満点(0〜5)での評価を行った。評点基準は、馬鈴薯澱粉のみをまぶし粉として使用した参考例の油ちょう直後の食感を5点とし、参考例の油ちょう直後と同等程度のホロホロとした粒状・塊状のある食感を呈した場合を5点、参考例の油ちょう直後よりもやや弱いがホロホロとした粒状・塊状のある食感を呈した場合を4点、参考例の油ちょう直後よりも弱いがホロホロとした粒状・塊状のある食感を呈した場合を3点、ホロホロとした粒状・塊状のある食感を殆ど呈さなかった場合を2点、硬くパリパリとしたクリスピーな食感ではあるが参考例の油ちょう直後とは異質な場合を1点、べた付いたモチ様の食感で参考例の油ちょう直後とは全く異質な場合を0点とした。
なお、上記の官能評価は8名のパネラーにより実施され、パネラーの評点の平均点を各竜田揚げの点数として採用した。
その結果を表4に示す。
表4に示すように、タピオカ澱粉をまぶし粉に用いた比較例1−1の試験区では竜田揚げとしての外観も食感も成さなかったのに対して、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つブレークダウンが150〜500BUのアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉をまぶし粉に用いた実施例1−1〜1−4の試験区では、外観も食感も評価が比較的良好であった。また、馬鈴薯澱粉をまぶし粉に用いた参考例では、調理後の経時的な食感の劣化が顕著であったが、実施例1−1〜1−4の試験区では、調理後の経時的な食感の劣化が防止されていた。
一方、実施例1−1〜1−4の試験区と同じアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を用いた場合でも、それぞれの加工の程度によって上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないものを用いた比較例1−2〜1−4の試験区では、竜田揚げとしての良好な外観や食感が得られなかった。また、アジピン酸架橋を施さずに上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないアセチル化タピオカ澱粉を用いた比較例1−5の試験区や、別種の加工によって上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないタピオカ澱粉を用いた比較例1−7、1−8の試験区や、コーンスターチ、ウルチ米澱粉、モチ米等他の種類の澱粉やその加工澱粉を用いた比較例1−9〜1−15の試験区でも、竜田揚げとしての良好な外観や食感を呈するものを得ることはできなかった。
[試験例2](竜田揚げ その2)
表1に示した各種澱粉を、馬鈴薯澱粉に対して、質量比40:60(各種澱粉:馬鈴薯澱粉)の割合で混合してまぶし粉として用いた以外は、試験例1と同様にして竜田揚げを得てその官能評価を行った。
その結果を表5に示す。
表5に示すように、タピオカ澱粉を質量比40:60の割合で馬鈴薯澱粉と混合してまぶし粉に用いた比較例2−1の試験区では外観や食感が竜田揚げとして良好なものが得られなかったのに対して、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つブレークダウンが150〜500BUのアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を質量比40:60の割合で馬鈴薯澱粉と混合してまぶし粉に用いた実施例2−1〜2−4の試験区では、外観も食感も評価が比較的良好であった。また、馬鈴薯澱粉をまぶし粉に用いた参考例では、調理後の経時的な食感の劣化が顕著であったが、実施例2−1〜2−4の試験区では、調理後の経時的な食感の劣化が防止されていた。
一方、実施例2−1〜2−4の試験区と同じアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を用いた場合でも、それぞれの加工の程度によって上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないものを用いた比較例2−2〜2−4の試験区では、竜田揚げとしての良好な外観や食感が得られなかった。
[試験例3](竜田揚げ その3)
表1に示した各種澱粉を、馬鈴薯澱粉に対して、質量比10:90(各種澱粉:馬鈴薯澱粉)の割合で混合してまぶし粉として用いた以外は、試験例1と同様にして竜田揚げを得てその官能評価を行った。
その結果を表6に示す。
表6に示すように、馬鈴薯澱粉をまぶし粉に用いた参考例や、タピオカ澱粉を質量比10:90の割合で馬鈴薯澱粉と混合してまぶし粉に用いた比較例3−1の試験区では、調理後の経時的な食感の劣化が顕著であったのに対して、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つブレークダウンが150〜500BUのアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を質量比10:90の割合で馬鈴薯澱粉と混合してまぶし粉に用いた実施例3−1〜3−4の試験区では、外観や調理直後の食感が良好である上、食感の経時的な劣化も抑制された。
一方、実施例3−1〜3−4の試験区と同じアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を用いた場合でも、それぞれの加工の程度によって上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないものを用いた比較例3−2〜3−4の試験区では、竜田揚げとしての食感の経時的な劣化を抑制する効果に乏しかった。
以上の試験例1〜3の結果から、上記実施例の試験区に用いられたアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉によって竜田揚げにもたらされる作用効果について考察すると以下のとおりである。
すなわち竜田揚げの特徴的な外観や食感は、油ちょう時の馬鈴薯澱粉の粒の糊化や膨化の進行度合いに起因していると推測される。馬鈴薯澱粉以外の澱粉で竜田揚げの特徴的な外観や食感が得られ難い理由は、粒径や粒強度が馬鈴薯澱粉とは異なることで、油ちょう時の粒の糊化や膨化の進行度合いが竜田揚げに適した領域外であるためと考えられる。上記実施例の試験区に用いられたアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉では、馬鈴薯澱粉とは粒径や粒強度が異なるタピオカ澱粉を用いつつも、微弱なエステル化の加工を施すことで、油ちょう時の粒の糊化や膨化の進行度合いが竜田揚げに適した領域内に調節されたものと考えられる。更に、微弱なエステル化の加工を施されたタピオカ澱粉は、馬鈴薯澱粉と比較して糊化や膨化した後の物性変化が起こり難いことから、食感の経時的劣化が防止又は抑制されたものと考えられる。
[試験例4](澱粉せんべい その1)
澱粉として上記表1に示した各種澱粉を使用し、下記表7に示した配合でせんべい生地を調製した。
手焼型煎餅焼機(三鳥産業株式会社製)に、調整した生地5mlを流し込み、約230℃で1分間焼成した。焼成後、100℃で30分間オーブンにて乾燥焼きし、室温で10分間冷却し、澱粉せんべいを得た。
得られた澱粉せんべいについて、食感の官能評価を行った。
具体的には、食感についての評価基準を、澱粉せんべいの特徴である硬さとサクサクとした食感を呈することに定め、5点満点(1〜5)での評価を行った。硬さに関しての評価基準は、調製直後の馬鈴薯澱粉のみを澱粉として使用した参考例の硬くパリっと割れる食感を5点、参考例よりも若干硬さが無くパリっと割れる食感を4点、硬さは弱く、パリパリとした食感を3点、軟らかくザクザクとした食感を2点、噛んだ瞬間から崩れるように軟らかく、軽い食感を1点とした。サクサクとした食感に関しての評価基準は、調製直後の馬鈴薯澱粉のみを澱粉として使用した参考例の割れの良い食感を5点、やや割れの良い食感を4点、サクみの弱い食感を3点、やや湿気を帯びたサクみの弱い食感を2点、湿気を帯びたサクみの無い食感を1点とした。
評価は、調製直後と、開封したビニール袋に入れ室温で1週間保管した後の2度行い、経時変化を確認した。
なお、上記の官能評価は8名のパネラーにより実施され、パネラーの評点の平均点を各澱粉せんべいの点数として採用した。
その結果を表8に示す。
表8に示すように、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つブレークダウンが150〜500BUのアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を用いた実施例4−1〜4−4の試験区の澱粉せんべいは、馬鈴薯澱粉を用いた参考例に近い、硬くパリッと割れる食感であった。また、1週間保存後、馬鈴薯澱粉を用いた参考例では経時的劣化が大きく、湿気を帯びたサクみの無い食感であったが、実施例4−1〜4−4の試験区の澱粉せんべいでは、参考例と比較すると、その劣化が抑制されていた。
一方、未加工のタピオカ澱粉を用いた比較例4−1の試験区や、実施例4−1〜4−4の試験区と同じアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であって、その加工の程度によって上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないものを用いた比較例4−2〜4−4の試験区では、調製直後に硬さが弱く、ザクザクとした食感であり、馬鈴薯澱粉を用いた参考例とは全く異なる食感であった。また、アジピン酸架橋を施さずに上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないアセチル化タピオカ澱粉を用いた比較例4−6の試験区の澱粉せんべいや、コーンスターチやその加工澱粉を用いた比較例4−9、4−10の試験区の澱粉せんべいでも、馬鈴薯澱粉を用いた参考例に近い食感のものを得ることはできなかった。
なお、これらの比較例4−1〜4−4、比較例4−6、比較例4−9、4−10の試験区では、1週間保存後、参考例と比較すると劣化が抑制されているようであったが、これは、調製直後から軟らかい食感であったため、参考例と比較すると湿気を帯びた食感の劣化が感じられ難かったためであった。
[試験例5](澱粉せんべい その2)
表1に示した各種澱粉を、馬鈴薯澱粉に対して、質量比10:90(各種澱粉:馬鈴薯澱粉)の割合で混合して澱粉質原料として用いた以外は、試験例4と同様にして澱粉せんべいを得てその官能評価を行った。
その結果を表9に示す。
表9に示すように、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つブレークダウンが150〜500BUのアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を質量比10:90の割合で馬鈴薯澱粉と混合して用いた実施例5−1〜5−4の試験区の澱粉せんべいは、馬鈴薯澱粉を用いた参考例に近い、硬くパリッと割れる食感であった。また、1週間保存後、馬鈴薯澱粉を用いた参考例では経時的劣化が大きく、湿気を帯びたサクみの無い食感であったが、実施例5−1〜5−4の試験区の澱粉せんべいでは、参考例と比較すると、その劣化が抑制されていた。
一方、未加工のタピオカ澱粉を用いた比較例5−1の試験区や、実施例5−1〜5−4の試験区と同じアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であって、その加工の程度によって上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないものを用いた比較例5−2〜5−4の試験区では、調製直後に硬さが弱く、ザクザクとした食感であり、馬鈴薯澱粉を用いた参考例とは全く異なる食感であった。
[試験例6](澱粉せんべい その3)
表1に示した各種澱粉を、馬鈴薯澱粉に対して、質量比20:80(各種澱粉:馬鈴薯澱粉)の割合で混合して澱粉質原料として用いた以外は、試験例4と同様にして澱粉せんべいを得てその官能評価を行った。
その結果を表10に示す。
表10に示すように、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つブレークダウンが150〜500BUのアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を質量比20:80の割合で馬鈴薯澱粉と混合して用いた実施例6−1〜6−4の試験区の澱粉せんべいは、馬鈴薯澱粉を用いた参考例に近い、硬くパリッと割れる食感であった。また、1週間保存後、馬鈴薯澱粉を用いた参考例では経時的劣化が大きく、湿気を帯びたサクみの無い食感であったが、実施例6−1〜6−4の試験区の澱粉せんべいでは、参考例と比較すると、その劣化が抑制されていた。
一方、未加工のタピオカ澱粉を用いた比較例6−1の試験区や、実施例6−1〜6−4の試験区と同じアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であって、その加工の程度によって上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないものを用いた比較例6−2〜6−4の試験区では、調製直後に硬さが弱く、ザクザクとした食感であり、馬鈴薯澱粉を用いた参考例とは全く異なる食感であった。
以上の試験例4〜6の結果から、上記実施例の試験区に用いられたアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉によって澱粉せんべいにもたらされる作用効果について考察すると以下のとおりである。
すなわち上記実施例の試験区に用いられたアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、馬鈴薯澱粉とは粒径や粒強度が異なるタピオカ澱粉を原料としつつも、微弱なエステル化の加工が施されることで、加熱時の粒の糊化や膨化の進行度合いが澱粉せんべいの食感を出す上で最適な物性に調節されたと考えられる。更に、上記実施例の試験区に用いられたアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、馬鈴薯澱粉と比較して糊化や膨化した後の保存中の物性変化が起こり難く、食感の経時的劣化が抑制されたものと考えられる。
[試験例7](かまぼこ)
水産練製品に配合する澱粉として上記表1に示した各種澱粉を使用し、かまぼこを製造した。具体的には、冷凍スケソウダラのすり身を解凍し、直径4.8cmのプレートを取り付けたミートチョッパーでチョッピングした。さらにフードカッターで粗ずりを行った。そこに、表11の配合により、食塩と半量の氷を添加しカッティングした後、澱粉と残り半量の氷水を添加し、カッティングした。得られた生地を直径45mm厚さの筒状の塩化ビニリデン製フィルムに充填し、92℃の蒸し器で中心温度が85℃となるまで加熱し、ケーシングかまぼこを得た。
得られたかまぼこについて、一週間冷蔵保存又は冷凍保存した後、離水試験及び食感の官能評価を行った。
離水試験は、かまぼこを厚さ5mmにスライスし、重さ1kgの荷重を30分間かけ、染み出した水分量を測定して、かまぼこ質量当たりの圧出水分(%)を算出することにより行った。その評価基準は、圧出水分7以上8%未満を5点、8以上9%未満を4点、9以上10%未満を3点、10以上11%未満を2点、11%以上を1点とした。
また、食感の官能評価は、一般的に使用されることが多い馬鈴薯澱粉を使用した時の硬さや弾力と比較することにより行った。具体的には、その評点基準は、澱粉として馬鈴薯澱粉を用いたかまぼこを参考例として、参考例の一週間冷蔵もしくは冷凍後と同等程度の硬さを呈した場合を3点、参考例よりもやや硬い食感を呈した場合を4点、参考例よりもかなり硬い食感をした場合を5点、参考例よりもやや柔らかな食感を呈した場合を2点、参考例よりもかなり柔らかい食感を呈した場合を1点とした。また、澱粉として馬鈴薯澱粉を用いたかまぼこを参考例として、参考例の一週間冷蔵もしくは冷凍後と同等程度の弾力を呈した場合を3点、参考例よりもややしなやかな弾力を呈した場合を4点、参考例よりもかなりしなやかな弾力を呈した場合を5点、参考例よりもやや脆い食感を呈した場合を2点、参考例よりもかなり脆い食感を呈した場合を1点とした。なお、食感の官能評価は8名のパネラーにより実施し、パネラーの評点の平均点を採用した。
その結果を表12に示す。
表12に示すように、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つブレークダウンが150〜500BUのアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を用いた実施例7−1〜7−4の試験区のかまぼこでは、馬鈴薯澱粉を用いた参考例や未加工のタピオカ澱粉を用いた比較例7−1の試験区に比べて圧出水分が抑制され、離水が顕著に改善された。また、実施例7−1〜7−4の試験区のかまぼこでは、馬鈴薯澱粉を用いた参考例に比べて、比較的硬い歯切れ感を呈しつつもしなやかで弾力のある独特の食感が得られた。
一方、実施例7−1〜7−4の試験区と同じアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であって、その加工の程度によって上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないものを用いた比較例7−2〜7−4の試験区では、一部では離水の程度が改善したものの、食感面で、しなやかで弾力のある独特の食感は得られなかった。また、アジピン酸架橋を施さずに上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないアセチル化タピオカ澱粉を用いた比較例7−5の試験区でも、同様に、一部では離水の程度が改善したものの、食感面で、しなやかで弾力のある独特の食感は得られなかった。
他方、別種の加工によって上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に入らないタピオカ澱粉を用いた比較例7−7、7−8の試験区や、コーンスターチ、ウルチ米澱粉、モチ米等他の種類の澱粉やその加工澱粉を用いた比較例7−9〜7−15の試験区では、かまぼことしての歯ごたえや弾力に欠けるものであった。
以上の試験例7の結果から、上記実施例の試験区に用いられたアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、馬鈴薯澱粉とは粒径や粒強度が異なるタピオカ澱粉を原料としつつも、微弱なエステル化の加工が施されることで、加熱時の粒の糊化や膨化の進行度合いが、水産練製品に独特の食感を付与するうえで最適な物性に調節されたと考えられた。また、上記実施例の試験区に用いられたアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉は、糊化や膨化した後の保存中の物性変化が起こり難く、離水を抑制する効果にも優れているものと考えられた。
[試験例8](春雨)
上記表1に示した澱粉No.2又は澱粉No.7を使用し、更に、コーンスターチ及び馬鈴薯澱粉を所定の配合で混合して、これを澱粉質原料として、春雨を製造した。
具体的には、コーンスターチ50質量部に対して、馬鈴薯澱粉と、上記表1に示した澱粉No.2又は澱粉No.7のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉とを、下記表13及び表14に示す各配合で混合して澱粉質原料とした(全体で100質量部)。その澱粉質原料600gをボウルに入れ、ミキサー(「関東ミキサー」、関東混合機工業株式会社)を用いてビーターにて中速30秒、高速30秒で攪拌しながら90〜95℃の熱湯330gを添加し、混合してドウを作製した。得られたドウを製麺機(株式会社大竹麺機)にて圧延し、1.9mm厚のシート状にして、バットに入れた常温の水にくぐらせた。水にくぐらせたシートを、蒸し器にて96〜98℃の条件下で5分間蒸した後、5℃の冷蔵庫にて5時間冷却した。冷却したシートを製麺機(株式会社大竹麺機)にて切り歯#20で切断した後、50℃の乾燥機にて乾燥し、春雨を得た。
得られた春雨を沸騰水にて4分間茹で、温めたラーメンスープ(「粉末中華だし」、ヒガシマル醤油株式会社)に入れ、食感(弾力、硬さがあり、歯切れが良いほうが好ましい)と、麺の伸び難さ(麺が伸び難く、食感の経時的な劣化が起こらないことが好ましい)についての官能評価を実施した。評価は、8名のパネラーにて100点満点で相対評価してもらい、その平均点が80点以上のときを◎、60点以上80点未満のときを○、40点以上60点未満のときを△、40点未満のときを×とした。
官能評価の結果、表13に示すように、コーンスターチに配合する馬鈴薯澱粉とアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の配合割合による影響が明らかとなった。
即ち、コーンスターチ50質量部に対して馬鈴薯澱粉50質量部のみを配合した比較例8−1の試験区の春雨では、上記ラーメンスープに入れ、直後に食したときの食感は良好なものの、麺が伸び易く、食感の経時的な劣化が生じた。また、コーンスターチ50質量部に対してアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉50質量部のみを配合した比較例8−3の試験区の春雨では、歯切れが悪く食感に劣っていた。なお、茹でた際に中心まで火が通りにくくなる傾向もみられた。
一方、コーンスターチに配合する澱粉として、馬鈴薯澱粉と澱粉No.2のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉とを併用した場合、それらの配合割合に応じて、馬鈴薯澱粉を多く配合すると食感が改善する傾向となり、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を多く配合すると麺の伸びや食感の経時的な劣化が抑制される傾向となった。したがって、適当な配合割合を選択することによって、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉が馬鈴薯澱粉に置換して春雨の食感を補うと共に、麺の伸びや食感の経時的な劣化を抑制し、特性の改善された春雨が得られた。特に、コーンスターチ50質量部に対して馬鈴薯澱粉25質量部及びアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉25質量部を配合した実施例8−2の試験区での結果が非常に良好であった。
また、表14に示すように、アセチル化及びアジピン酸架橋の度合いによる影響が明らかとなった。
即ち、表1に示すように、澱粉No.2の澱粉は、アジピン酸基含量が0.01質量%を超えないアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であって、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つブレークダウンが150〜500BUであるアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であり、澱粉No.7の澱粉は、澱粉No.2よりアセチル化及びアジピン酸架橋の度合いが大きく、上記アミログラフィー分析における澱粉の糊化特性の範囲に属しないアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉である。その澱粉No.7では、馬鈴薯澱粉に置換して春雨の食感を補うと共に、麺の伸びや食感の経時的な劣化を抑制する効果は、限定的であり、両者を共に良好に改善することはできなかった。
以上から、馬鈴薯澱粉を含有してなる春雨において、上記特定の糊化特性を有するアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉で馬鈴薯澱粉の一部を適宜置換することによって、馬鈴薯澱粉による春雨の食感を損なわずに、麺の伸びや食感の経時的な劣化を抑制して、その両者を共に良好に改善できることが明らかとなった。

Claims (6)

  1. ウルチ種のタピオカ澱粉から製造された、アジピン酸基含量が0.01質量%を超えないアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であって、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つ該ピーク粘度からボトム粘度を差し引いたブレークダウンが150〜500BUであることを特徴とするアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉。
  2. 加熱溶解度が15〜40%である請求項1記載のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉。
  3. 未加工のウルチ種タピオカ澱粉に水を加えて澱粉スラリーとし、その澱粉スラリーにアルカリ剤を添加してpH7〜10に調整した後に、無水酢酸にアジピン酸を溶解させて調製したアセチル化アジピン酸架橋反応液を、前記澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が無水酢酸として0.5〜6質量%となり、アジピン酸として0.005〜0.05質量%となる量で、前記澱粉スラリーのpHが保たれるように前記アルカリ剤を添加しながら所定時間かけて添加し、前記未加工のウルチ種タピオカ澱粉にアセチル化及びアジピン酸架橋を施すことを特徴とするアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の製造方法。
  4. アジピン酸基含量が0.01質量%を超えないアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であって、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つ該ピーク粘度からボトム粘度を差し引いたブレークダウンが150〜500BUであるアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得る、請求項3記載のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の製造方法。
  5. 前記アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の加熱溶解度が15〜40%である請求項4記載のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉の製造方法。
  6. 請求項1又は2記載のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を含有する麺製品。
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