JP2015195770A - ベーカリー製品用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、十分な歯ごたえと歯切れのよい食感を引き出し、見た目にも食欲をそそる「外観のボリューム」や「ふんわりとした食感」と日本人の好みである「もちもちとした食感」を両立させるベーカリー製品を提供する。【解決手段】パン生地にエーテル化澱粉および/またはアセチル化澱粉とα化澱粉とを一定の比率小麦粉に対して配合するベーカリー製品用組成物、当該組成物にさらにグルテンを含むベーカリー製品用組成物、当該組成物を含むベーカリー製品用生地改良剤、当該組成物または当該生地改良剤に小麦粉を含むベーカリー製品用プレミックス、当該プレミックスを用いたベーカリー製品の製造方法ならびに製造されたベーカリー製品。【選択図】なし

Description

本発明は、パン生地にエーテル化澱粉および/またはアセチル化澱粉とα化澱粉とを一定の比率で小麦粉に対して配合するためのベーカリー製品用組成物、当該組成物にさらにグルテンを含むベーカリー製品用組成物、当該組成物を含むベーカリー製品用生地改良剤、当該組成物または当該生地改良剤に小麦粉を含むベーカリー製品用プレミックス、当該プレミックスを用いたベーカリー製品の製造方法ならびに製造されたベーカリー製品に関する。
食品において、もちもちとした食感が日本人の好みであることは広く知られている。ベーカリー製品、特にパン類において、もちもちとした食感を有する製品に対する日本人のニーズは高く、もちもちとした食感を有するパン類の開発が盛んに行われているのが現状である。
一方で、ふんわりとした食感でボリュームのあるパン類等のベーカリー製品は、口どけと歯切れのよい食感を一層引き出し、見た目にも食欲をそそるものであり、日本人のみならず、世界中の消費者に好まれている。
パン類等のベーカリー製品にもちもちとした食感を付与する方法として、従来から、生地に澱粉を配合する方法が用いられている。生地に澱粉を配合することで、パン類等のベーカリー製品にもちもちとした食感を付与する技術として、例えば、小麦粉62〜92.5重量部、ヒドロキシプロピル澱粉及び/又はアセチル澱粉7〜30重量部及びα−化澱粉質0.5〜8重量部からなる原料粉を用いてパン類を製造する方法が提案されている(特開平10−295253)。また、小麦粉に、エーテル化澱粉、および、アルファ化澱粉を配合し、油脂類、糖類、食塩、イーストを加えてイースト発酵食品を製造する技術が提案されている(特開2005−52014)。
上述の通り、生地に配合する澱粉の種類を変えながら、もちもちとした食感を有するパン類等のベーカリー製品を製造する技術の改良が重ねられている。しかしながら、上記の方法で、パン類等のベーカリー製品を製造する場合、以下の問題点がある。
生地に澱粉を配合してベーカリー製品を製造する場合、もちもちとした食感を得るためには、生地を製造する際の加水量を増やしたり、α化澱粉を多配合したりする必要がある。生地を製造する際の加水量を増やすと、流動性の高いバッター状の生地となるため、べたつき等の不具合が発生し、十分な混捏が行えず、グルテンの形成が不十分であり、適度な弾性と伸展性をもった生地を製造することが困難である。また、α化澱粉を多配合した生地は、グルテン骨格が弱く、生地の膨化能力および加熱後の保形成が悪いためボリュームやふんわりとした食感に劣るという欠点がある。
パン類等のベーカリー製品を製造する方法において、生地材料と水分とを混捏し、生地を形成する工程は、必要不可欠な工程である。なぜなら、生地材料と水分を十分混捏することで、小麦粉中のタンパク質を水和させ、生地の骨格となる強いグルテンを形成し、適度な弾性と伸展性をもった生地を形成することができるからである。強いグルテン骨格を形成することにより、イーストによる発酵によって発生したガスを生地中に保持することができ、生地の膨化が促進される。また、加熱後のベーカリー製品のボリュームや形状を維持するための保形性も付与される。
つまり、従来のもちもちとした食感を付与する方法でパン類などのベーカリー製品を製造すると、生地製造時に、十分なグルテン骨格を形成することが困難なため、生地の膨化能力が低く、加熱後の製品の保形性も劣り、「外観のボリューム」や「ふんわりとした食感」が失われる結果となっていた。したがって、従来のもちもちとした食感を付与するベーカリー製品の製造方法は、「外観のボリューム」や「ふんわりとした食感」と、「もちもちとした食感」という消費者に求められる2つの好みを両立させることが困難であるという課題を有していた。
この課題について、膨化の弱いベーカリー製品(例えば、焼菓子など)は、従来のもちもちとした食感を付与する方法で製造したベーカリー製品用生地でも、ある程度のもちもちとした食感を有する好ましい製品を製造することができる。しかし、パン類のように、内相に多数の気泡を有し、十分な膨化が必要なベーカリー製品においては、従来のもちもちとしたベーカリー製品の製造方法で作製した生地では、生地が十分に膨化せず、外観のボリュームやふんわりとした食感に乏しく、「もちもちとした食感」と「外観のボリューム」や「ふんわりとした食感」とを同時には実現しにくいという課題が顕著に表れていた。
特開平10-295253号 特開2005−52014号
上記のとおり、ベーカリー製品、特にパン類において、口どけと歯切れのよい食感を引き出し、見た目にも食欲をそそる「外観のボリューム」や「ふんわりとした食感」と日本人の好みである「もちもちとした食感」を両立させることが求められていた。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、パン生地にエーテル化澱粉および/またはアセチル化澱粉とα化澱粉とを一定の比率で小麦粉に対して配合することによって、焼き上がり後に、十分な膨らみを有していながら、もちもちとした食感を有するパン類を製造することができることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)(A)エーテル化澱粉および/またはアセチル化澱粉、ならびに、(B)α化澱粉からなるベーカリー製品用組成物であって、(A)と(B)の質量比において、(B)/(A)が0.1〜0.17である、前記ベーカリー製品用組成物。
(2)小麦粉100質量部に対する配合量として、(A)が12〜64質量部、(B)が1.5〜8.5質量部である、上記(1)に記載のベーカリー製品用組成物。
(3)さらに(C)グルテンを含み、(B)と(C)の質量比において、(B)/(C)が0.75〜1.25である、上記(1)または(2)に記載のベーカリー製品用組成物。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のベーカリー製品用組成物からなる、ベーカリー製品用生地改良剤。
(5)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のベーカリー製品用組成物、または、上記(4)に記載のベーカリー製品用生地改良剤に、さらに小麦粉を含む、ベーカリー製品用プレミックス。
(6)小麦粉と、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のベーカリー製品用組成物、または、上記(4)に記載のベーカリー製品用生地改良剤を含有し、小麦粉100質量部に対して、(A)を12〜64質量部、(B)を1.5〜8.5質量部含有するベーカリー製品用プレミックス。
(7)上記(5)または(6)に記載のベーカリー製品用プレミックスを水分とともに混捏して得られる、生地を加熱してなる、ベーカリー製品の製造方法。
(8)上記(7)に記載の製造方法によって得られる、ベーカリー製品。
本発明によれば、生地形成のために十分な混捏が必要な、パン、イーストドーナツ、ピザ、中華まんじゅうといったドウ状の生地をイーストで発酵させるベーカリー製品に対し、十分なボリュームとふんわりとした食感を維持し、かつ、もちもちとした食感を付与することができる。また、本発明は、その他のベーカリー製品に使用しても、十分なボリュームともちもちとした好ましい食感を付与することができる。さらに、本発明は、混捏に対する作業安定性を有するベーカリー製品用の生地を提供することもできる。
α化澱粉は、水分とともに加熱することにより糊化した澱粉を、乾燥することによって製造される。α化澱粉を水に分散して撹拌すると、水分を吸収して膨張することによって粘度が増加する。α化澱粉を用いてパン類にもちもちとした食感を付与する方法は、生地中に配合したα化澱粉の粘性を利用してパン類にもちもちとした食感を付与している。しかし、α化澱粉は、強く撹拌すると、澱粉粒が崩壊し、粘度が急激に低下して、水を遊離することが知られている。したがって、α化澱粉を用いてパン類にもちもちとした食感を付与する方法では、澱粉粒の崩壊による生地のべたつきが生じるために、生地の混捏が十分に行えず、生地のグルテン骨格が弱く、生地の膨化能力および加熱後の保形性が悪いためボリュームに欠けること、混捏工程が不安定になるため安定した製造を行えないことなど、さまざまな現実的な問題点を抱えていた。
エーテル化澱粉、アセチル化澱粉は、それぞれ澱粉分子間のいくつかの水酸基が官能基でエーテル化、アセチル化されている加工澱粉である。エーテル化澱粉、アセチル化澱粉は、未加工の澱粉よりも水分吸収能力が高く、老化が遅いといった利点があることが知られている。
本発明者は、α化澱粉を含む生地のべたつきを、α化処理を行っていないエーテル化澱粉、アセチル化澱粉などの加工澱粉を用いることで抑制し、生地を十分に混捏することで、焼き上がり後に、十分な膨らみを有していながら、もちもちとした食感を有するパン類を製造することができるという仮説を立てた。
この仮説に基づき、パン生地およびパンを作製した結果、パン生地にエーテル化澱粉および/またはアセチル化澱粉とα化澱粉とを一定の比率で小麦粉に対して配合することによって、口どけのよいふんわりとした食感を引き出し、見た目にも食欲をそそるボリュームのある外観を維持しつつ、もちもちとした食感があるパンの製造に成功した。また、パン生地は適度な強度を有するため、十分混捏することが可能で、安定した製造に向いていることも分かった。
本発明者は、α化澱粉とα化処理を行っていない加工澱粉(エーテル化澱粉、アセチル化澱粉)の特性に着目し、両成分を単に混合することを試みただけではなく、両成分の特性をベーカリー製品の外観、食感に十分に発揮させるためには、一定の範囲の比率で混合することが必要であることも明らかにした。さらには、α化澱粉、α化処理を行っていない加工澱粉のみならず、グルテンを含む三者の間においても混合する比率が一定の範囲に収まることが分かった。それに加えて、本発明者は、α化澱粉として、α化架橋澱粉を用いると一段と高い効果を発揮することも見出し、さらに、餅種馬鈴薯由来のα化澱粉を用いるとより高い効果を発揮することも見出した。
本発明のα化澱粉は、馬鈴薯、餅種(以下、糯種またはワキシーともいう)の馬鈴薯、甘藷、タピオカ、トウモロコシ、餅種のトウモロコシ、アミロース含有量の高いトウモロコシ、サゴ、小麦、ワキシー小麦、米、もち米、豆などを原料とした天然澱粉または前記原料を漂白処理した澱粉を常法によってα化したものを単独または複数混合して使用することができる。餅種の馬鈴薯由来のα化澱粉を使用して製造される本発明のベーカリー製品は、柔らかさ、もちもちとした食感のみならず、外観の点においても良好な結果を示しており、本発明のα化澱粉として、餅種の馬鈴薯由来のα化澱粉を含有させることが好ましい。そして、餅種の馬鈴薯由来のα化澱粉の含有量は、α化澱粉の30質量%以上にすることが好ましい。
また、本発明のα化澱粉として、α化架橋澱粉を用いることもできる。α化架橋澱粉は、例えば、架橋剤を使って常法によって得られる架橋澱粉をα化して得ることができるものが含まれている。α化架橋澱粉を用いることで、混捏時の生地のべたつきをより効率よく抑制することができる。本発明のα化澱粉としては、エーテル化澱粉やアセチル化澱粉をα化したものを用いることもでき、本発明のα化架橋澱粉としては、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉、α化リン酸架橋タピオカ澱粉、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋馬鈴薯澱粉、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋餅種馬鈴薯澱粉等が挙げられる。そして、本発明のα化澱粉は、粉末状、糊状など任意の状態で用いることができる。
本発明のエーテル化澱粉は、馬鈴薯、餅種の馬鈴薯、甘藷、タピオカ、トウモロコシ、餅種のトウモロコシ、アミロース含有量の高いトウモロコシ、サゴ、小麦、ワキシー小麦、米、もち米、豆などを原料とした天然澱粉または前記原料を漂白処理した澱粉に対してエーテル化剤を用いて常法によりエーテル基を導入したものを単独または複数混合して使用することができる。本発明のエーテル化澱粉としては、例えば、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉等が挙げられ、タピオカ澱粉由来のエーテル化澱粉を用いるのが特に好ましい。そして、本発明のエーテル化澱粉は、粉末状、糊状など任意の状態で用いることができる。
本発明のアセチル化澱粉は、馬鈴薯、餅種の馬鈴薯、甘藷、タピオカ、トウモロコシ、餅種のトウモロコシ、アミロース含有量の高いトウモロコシ、サゴ、小麦、ワキシー小麦、米、もち米、豆などを原料とした天然澱粉または前記原料を漂白処理した澱粉に対してアセチル化剤を用いて常法によりアセチル基を導入したものを単独または複数混合して使用することができる。本発明のアセチル化澱粉としては、例えば、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉等が挙げられ、タピオカ澱粉由来のアセチル化澱粉を用いるのが特に好ましい。本発明のアセチル化澱粉は粉末状、糊状など任意の状態で用いることができる。
本発明の組成物は、エーテル化澱粉および/またはアセチル化澱粉を1としたときに、α化澱粉の比率(質量比)が0.1〜0.17の範囲、より好ましくは0.1〜0.15になるように両者を配合するものである。本発明の組成物を小麦粉に対して配合する場合、小麦粉に対するα化澱粉の配合割合は、小麦粉100質量部に対してα化澱粉が、1.5〜8.5質量部、好ましくは1.7〜7.0質量部、より好ましくは2.5〜6.0質量部である。本発明の組成物を小麦粉に対して配合する場合、小麦粉に対するエーテル化澱粉および/またはアセチル化澱粉の配合割合は、小麦粉100質量部に対して、エーテル化澱粉および/またはアセチル化澱粉が12〜64質量部、好ましくは15〜55質量部、より好ましくは21〜46質量部である。
本発明のグルテンは、小麦等の穀物の胚乳内の貯蔵タンパク質のグリアジンとグルテニンからなり、水分を介してグリアジンとグルテニンとを結合させて形成されるタンパク質である。本発明のグルテンは、例えば、小麦グルテンを用いることができるが、これに限られず、グルテンであればいずれの由来のものでも使用できる。グルテンは、網目状の構造をもち、粘弾性を有していて生地中に発生する気泡の保持作用に優れていることから、食感の強化や経時変化の抑制を目的として使用することができる。また、本発明のグルテンは、1つの種類または複数の種類を混合して使用することができ、粉末状、顆粒状、ペースト状など任意の状態で用いることができる。
本発明のグルテンは、グルテンを1としたときに、α化澱粉の比率が0.75〜1.25の範囲、より好ましくは0.8〜1.2になるように両者を配合する。この比率で配合することで、α化澱粉とα化処理をしていない加工澱粉(エーテル化澱粉、アセチル化澱粉)とを一定の比率で併用する効果がより発揮される。本発明のグルテンの小麦粉100質量部に対する配合量は、好ましくは1.5〜8.5質量部である。
本発明の組成物は、上記構成の澱粉または上記構成の澱粉およびグルテンを含む混合物や集合物を意味し、ベーカリー製品の製造における任意の工程に用いることができるものである。また、本発明の組成物は、食用油脂、塩、調味料類、砂糖、水あめ、粉末水あめ、イーストフード、ベーキングパウダー等の食用成分を混合したものであってもよく、粉末状、顆粒状など様々な形状のものを単独または複数組み合わせて使用することもでき、所定量を包装して製品とすることもできる。
本発明のベーカリー製品には、パン、イーストドーナツ、ピザ、中華まんじゅう、バターロール、クロワッサン、マフィン、ピザなどのパン類、クッキー、サブレ、クラッカー、ビスケット、ウエハース、スポンジケーキ、パイ、バターケーキ、ホットケーキなどの焼き菓子類などが含まれているが、これに限定されず、小麦粉を主成分として調製した生地を加熱することで製造できる全般の製品が含まれている。ベーカリー製品の中でも、生地を十分混捏する必要があるパン類において、本発明の組成物を使用した効果が最も発揮される。
本発明の組成物は、任意の形式により、ベーカリー製品に最終的に配合されることで、生地のべたつきを抑制し、生地に適度な強度を与え、焼き上がり後に、十分な膨らみを有していながら、もちもちとした食感を有する製品に改良することができる効果があるため、ベーカリー製品用生地改良剤として用いることがきる。本発明のベーカリー製品用生地改良剤は、必要に応じて、糖類、調味料、香辛料、賦形剤等の食品用途に許容される担体や保存添加物を含むものであってよい。本発明のベーカリー製品用生地改良剤は、本発明の組成物の効果が失われないかぎり、他の生地改良剤や品質改良剤などと併用することもできる。本発明のベーカリー製品用生地改良剤は、粉末状、顆粒状など様々な形状のものを単独または複数組み合わせて使用することもでき、所定量を包装して製品とすることもできる。
本発明のベーカリー製品用プレミックスは、本発明の組成物または本発明のベーカリー製品用生地改良剤と、ベーカリー製品の材料となる小麦粉とを均一に混合したもの、または、さらに、米粉、もち米粉、食用油脂、塩、調味料類、砂糖、水あめ、粉末水あめ、イーストフード、ベーキングパウダー、乳化剤、タンパク質、卵等の任意の副原料を加えて均一に混合したもの、あるいは、本発明の組成物または本発明のベーカリー製品用生地改良剤と、ベーカリー製品の材料となる小麦粉や任意の副材料の一部とを均一に混合したものである。当該プレミックスに、必要に応じて残りの小麦粉や副材料と、イーストと、水、牛乳、卵液等の液体原料等を加えて混捏するだけでベーカリー製品用生地を簡単に製造することができ、製造した生地を必要に応じて発酵させ、成型し、加熱するだけでベーカリー製品も手軽に得ることができるものである。また、本発明のベーカリー製品用プレミックスは、粉末状、顆粒状など様々な形状のものを単独または複数組み合わせて使用することができ、所定量を包装して製品とすることもできる。
本発明のベーカリー製品は、本発明の組成物、生地改良剤、または、プレミックスに、必要に応じて小麦粉と、イーストと、ベーカリー製品を製造するのに食品として使用可能な副成分とを加え、水や卵類等の液体とともに混捏して生地を製造し、当該生地を必要に応じて発酵させ、成型し、常法にしたがって、加熱(焼成、油調、蒸煮、マイクロ波加熱など)することによって得ることができる。加熱条件は、ベーカリー製品の種類に応じて適宜調節しながら行うことができる。ベーカリー製品がパンの場合は、170℃〜250℃のオーブンで10〜40分間の焼成を行うことが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[試験1]
α化処理を行っていない加工澱粉(エーテル化澱粉、アセチル化澱粉)とα化澱粉との配合比率と、パン生地およびパンとの関係を調べるために、表1に記載の実施例1〜4と比較例1および比較例2の組成物を用いて、表2に記載の試験例1〜6の配合でパンを製造し、(1)生地調製時の作業性、(2)パンのボリューム(比容積)、(3)製造1日後および3日後の弾性(TA復元力%)、(4)製造1日後および3日後のもちもちとした食感(もちもち感)、(5)製造1日後および3日後のふんわりとした食感(ふんわり感)を評価した。
また、(1)生地調製時の作業性、(4)もちもち感、(5)ふんわり感、を評価する際の比較対照として、表2に記載の試験例2のパンの配合のグルテンおよび実施例1の組成物を小麦粉に代えた配合でパンを製造し、製造1日後のパンを通常の配合のパンとした。
試験例2〜5は、それぞれ、実施例1〜4に記載の組成物を用いて4種類のパン生地およびパンを、試験例1および6は、それぞれ、比較例1および2に記載の組成物を用いて2種類のパン生地およびパンを製造した。実施例1〜4、比較例1および比較例2の組成物は、それぞれ、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(α化処理を行っていない加工澱粉:A成分)とα化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(α化澱粉:B成分)との配合比率を(B)/(A)=0.08〜0.2の間で調整して製造した。
パン生地およびパンの具体的な製造工程は、以下のとおりである。
A.ボールにショートニング以外の材料を加え、ミキサーの低速で3分間、中速で3〜5分間混捏した。
B.Aにショートニングを加え、さらにミキサーの低速で2分間、中速で4分間混捏して混捏生地を調製した。生地の捏ね上げ温度は、26℃とした。
C.Bで調製した生地を27℃、相対湿度75%で20分間、フロアタイムをとった。
D.Cの生地を一玉55gに分割し、丸めを行い20分間ベンチタイムをとった後成形した。
E.Dの生地を38℃、相対湿度85%で60分間ホイロをとった。
F.ホイロ後の生地を、200℃で10分間焼成してパンを製造した。
[作業性の評価方法]
生地調製時の作業性を以下の基準で評価した。
5: 生地のべたつきがなく、通常の配合のパン生地と遜色ない混捏のしやすさだった。4:通常の配合のパン生地と比較すると若干生地のべたつきが感じられたが、生地の混捏には問題がなかった。
3:生地のべたつきがやや感じられたが、十分混捏することができた。
2:生地のべたつきが強く、生地の混捏がやや困難だった。
1:生地のべたつきが激しく、生地の混捏が困難だった。
[ボリューム(比容積)の測定方法]
比容積(cm/g)は、製造したパンの体積を重量で割ることにより算出した。パンの体積の測定は、3D Laser Volume Measurement selnac-Win VM2100(株式会社ASTEX社製)を用いて行った。
[弾性(TA復元力%)の測定方法]
弾性の測定は、テクスチャーアナライザー「TA.XTPlus」(Stable Micro Systems社製)を用いて行った。製造したパンを厚さ1.5cmにスライスし、直径10mmの円筒型プランジャーを使用し、圧縮試験を行った(測定条件2回押し、圧縮条件50%)。
2回目に押した際の加重がかかり続けた時間を1回目押した際の加重がかかり続けた時間で割ることで弾性(TA復元力%)の測定を行った。弾性(TA復元力%)の値が100%に近いほど、パンの復元力が高く、弾性があるといえる。
[もちもち感の評価方法]
焼成1日後と3日後のパンのもちもち感を、以下の基準で評価した。
5:通常の配合のパンと比較して、適度なもちもち感が付与されており、非常に好ましい食感であった。
4:通常の配合のパンと比較して、もちもち感が付与されており、好ましい食感であった。
3:通常の配合のパンと比較して、ややもちもち感が付与されており、好ましい食感であった。
2:通常の配合のパンと比較して、もちもち感がほとんど付与されていなかった。
1:通常の配合のパンと比較して、もちもち感が全く付与されておらず、硬い食感であった。
[ふんわり感の評価方法]
焼成1日後と3日後のパンのふんわり感を、以下の基準で評価した。
5:通常の配合のパンと同等または、それ以上にふんわりとしていて、非常に好ましい食感であった。
4:通常の配合のパンと比較して、遜色なくふんわりとしていて、好ましい食感であった。
3:通常の配合のパンと比較してすると、ややふんわり感は低下するが、問題のない程度であった。
2:通常の配合のパンと比較してすると、ふんわり感が劣るが、従来のもちもちとした食感を付与する技術を用いて製造したパンと比較すると、ふんわりとしていて、良好な食感であった。
1:従来のもちもちとした食感を付与する技術を用いて製造したパンと同様にふんわり感がなかった。
[パン生地調製時の作業性の評価結果]
<試験例2〜5>
実施例1〜4の組成物を使用した試験例2〜5の4種類のパン生地は、調製時に、べたつきが無く、混捏工程にも向いており、取扱いやすいものであった。
<試験例1、6>
比較例2の組成物を使用した試験例6のパン生地は、生地のべたつきが激しく、調製時に、混捏しにくく、扱いづらく作業性の悪いものであった。また、比較例1の組成物を使用した試験例1のパン生地は、生地のべたつきはそれほど問題にはならなかったが、生地が固く扱いにくいものであった。
[パンのボリューム、弾性、もちもち感、ふんわり感の評価結果]
<試験例2〜5>
パンのボリュームを表す指標である比容積、弾性を表す指標である復元力を見ると、試験例2〜5で製造した4種類のパン、特に試験例2〜4の3種類のパンは、試験例1および6で製造したパンに比べて、比容積が約7%〜約30%増加し、復元力も約5%〜約30%増加し、製造後3日を経過してもほぼ維持されていた。
食感を比較すると、試験例2〜5で製造した4種類のパン、特に試験例2〜4の3種類のパンは、試験例1および6で製造したパンに比べて、もちもちとした良好な食感、口どけの良いふんわりとした食感を備えていた。また、通常の配合パンと比較しても、良好なもちもちとした食感が付与されており、ふんわり感も遜色ないものであった。そして、それらの食感は、製造後3日を経過してもほぼ維持されていた。
試験例5で製造したパンも試験例2〜4で製造したパンに比べて、ふんわり感は若干低下するものの、遜色ない良好なもちもちとした食感を備え、試験例1および6で製造したパンにはない、もちもち感とふんわり感とをあわせ持つ食感を備えていた。
<試験例1、6>
試験例1で製造したパンは、試験例2〜5で製造したパンと比べてボリュームと弾性は大きな差はなかったが、硬くてもちもち感やふんわり感がなかった。また、試験例6で製造したパンは、試験例2〜5で製造したパンと比べて、もちもち感は同程度であったが、ボリュームと弾性に欠けていてふんわり感もなかった。
[試験1の総合考察]
ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉に対してα化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉の割合を低く((B)/(A)=0.08)した試験例1のパン生地は、水分を吸収し過ぎるために硬くなっていたと考えられる。そのため、試験例1で製造したパン生地は硬くて扱いにくく、焼き上がり後のパン、もちもち感が得られなかったと考えられる。
また、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉に対してヒドロキシプロピルリン酸架橋α化タピオカ澱粉の割合を高く((B)/(A)=0.2)した試験例6のパン生地は、水分の吸収が悪いため、べたついた状態で十分に混捏することが困難であった。そのため、試験例6で製造したパンは、グルテン骨格が弱く、ボリュームと弾性が失われたと考えられる。
試験1の結果から、α化処理を行っていない加工澱粉(ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉)を1とした時に、α化澱粉(α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉)を0.1〜0.17の割合で配合すると、生地のべたつきを抑え、焼き上がり後のパンのボリューム、弾性、もちもち感、ふんわり感が引き出されることが分かった。
[試験2]
次に、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉を1とした時に、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉を0.13の割合に固定し(表1に記載の実施例2の組成物)、当該固定比率の組成物の小麦粉原料に対する配合量とパン生地およびパンとの関係を調べるために、表3に記載の試験例3と試験例7〜14に記載の配合でパンを製造し、(1)生地調製時の作業性、(2)パンのボリューム(比容積)、(3)製造1日後および3日後の弾性(TA復元力%)、(4)製造1日後および3日後のもちもち感、(5)製造1日後および3日後のふんわり感を評価した。
パン生地およびパンの製造方法、生地調製時の作業性の評価方法、ボリューム(比容積)の測定方法、弾性(TA復元力%)の測定方法、もちもち感の評価方法、ふんわり感の評価方法は、試験1と同様の方法を用いた。
試験例3および試験例7〜14の9種類のパン生地およびパンを製造した。試験例3および試験例7〜14は、パン原料に加える表1に記載の実施例2の組成物の量を変えたものである。具体的には、小麦粉100質量部に対して、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉が9.7〜70.8質量部、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉が1.3〜9.2質量部になるように調整した。
[パン生地調製時の作業性の評価結果]
試験例3および試験例7〜13で製造した8種類のパン生地、特に試験例3および試験例7〜12の7種類のパン生地は、調製時に、べたつきが無く、混捏工程にも向いており、取扱いやすいものであった。
一方、試験例14のパン生地は、試験例3および試験例7〜13のパン生地に比べて、調製時にべたつきが見られた。
[パンのボリューム、弾性、もちもち感、ふんわり感の評価結果]
試験例3および試験例7〜13で製造した8種類のパンは、比容積が大きくボリュームのあるパンであった。特に試験例3および試験例8〜12の6種類のパンは比容積が6.0cm/gを超えており非常にボリュームのあるパンであった。また、試験例3および試験例7〜13で製造した8種類のパンは弾性(復元力)も80%を超えており、特に、試験例3および試験例8〜12で製造した6種類のパンの弾性(復元力)は製造後3日を経過しても85%以上と高い値を維持していた。一方、試験例14で製造したパンは、試験例3および試験例7〜13で製造したパンと比較して、比容積、弾性(復元力)ともやや劣るものであった。
食感を比較すると、試験例3および試験例8〜13で製造した7種類のパンは、試験例7および試験例14で製造したパンに比べて、もちもちとした良好な食感、口どけの良いふんわりとした食感を備えていた。また、通常の配合のパンと比較しても、良好なもちもちとした食感が付与されており、ふんわり感も遜色ないものであった。そして、それらの食感は、製造後3日を経過してもほぼ維持されていた。
試験例7で製造したパンは、試験例3および試験例8〜13で製造したパンに比べてもちもちとした食感がやや劣りながらも、通常の配合のパンに近い食感であった。試験例14で製造したパンは、もちもちとした食感は付与されているものの、試験例3および試験例7〜13で製造したパンに比べてふんわり感が損なわれていた。
[試験2の総合考察]
試験例14のパン生地は、実施例2の組成物の配合量が多く、結果的に生地材料中のα化澱粉の含有量が多くなったため、生地が水分を十分吸収しきれずに、べたつきが生じ、パンのボリュームやふんわり感が十分得られなかったと考えられる。逆に、試験例7のパン生地は、実施例2の組成物の配合量が少ないため、十分な効果が得られなかったと考えられる。
試験2の結果から、小麦粉100質量部に対して、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉が12〜64質量部、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉が1.5〜8.5質量部になるように本発明の組成物の配合量を調整したパン生地は、べたつきが無く、混捏工程にも向いており、取扱いやすいものであること、当該生地で製造したパンはボリュームがあり、もちもちとした食感とふんわりとした食感をあわせ持っていることが分かった。
[試験3]
アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、α化澱粉の種類とパン生地およびパンとの関係を調べるために、表4に記載の試験例15〜28に記載の配合でパンを製造し、(1)生地調製時の作業性、(2)パンのボリューム(比容積)、(3)製造1日後および3日後の弾性(TA復元力%)、(4)製造1日後および3日後のもちもち感、(5)製造1日後および3日後のふんわり感を評価した。
パン生地およびパンの製造方法、生地調製時の作業性の評価方法、ボリューム(比容積)の測定方法、弾性(TA復元力%)の測定方法、もちもち感の評価方法、ふんわり感の評価方法は、試験1と同様の方法を用いた。
試験例15〜28の14種類のパン生地およびパンを製造した。試験例15〜19は、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(A成分)に対して、α化澱粉(B成分)として、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉、α化リン酸架橋タピオカ澱粉、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋馬鈴薯澱粉、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋糯種馬鈴薯澱粉、α化タピオカ澱粉をそれぞれ1種類用いて調製し、試験例20〜23は、前記α化澱粉(B成分)を2種類組み合わせて調製したものである。試験例24は、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉(A成分)に対して、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(B成分)を用いて調製し、試験例25は、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉(A成分)に対して、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉およびα化ヒドロキシプロピルリン酸架橋糯種馬鈴薯澱粉(B成分)を用いて調製した。試験例26は、未加工のタピオカ澱粉に対して、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉およびα化ヒドロキシプロピルリン酸架橋糯種馬鈴薯澱粉(B成分)を用いて調製した。試験例27は、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉(A成分)のみで調製し、試験例28は、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(B成分)のみで調製した。
[試験3の総合考察]
(1)試験例28の結果から、α化澱粉を単独で配合すると、生地は調製時のべたつきが激しく、作業性に劣り、焼き上がり後のパンのボリュームや、弾性(復元力)および、もちもち感やふんわり感も得られず、むしろ硬い食感となることが分かった。(2)試験例20、25と試験例26との比較から、α化処理を行っていない加工澱粉(アセチル化澱粉またはエーテル化澱粉)とα化澱粉とを組み合わせて配合することでパンのもちもち感とふんわり感が引き出されることが分かった。(3)試験例19、22と、試験例15〜18、20、21、23との比較から、α化澱粉として、α化架橋澱粉を用いることが生地の調製時の作業性を向上させることが分かった。(4)試験例18、20、23の結果から、α化澱粉として糯種馬鈴薯澱粉由来のものをパンに用いたときに、生地の調製時の作業性がよく、焼き上がり後のパンのもちもち感とふんわり感が最も良く引き出されることが分かった。
これらの結果から、α化処理を行っていない加工澱粉(アセチル化澱粉またはエーテル化澱粉)とα化澱粉とを組み合わせて用いること、α化処理を行っていない加工澱粉に組み合わせるα化澱粉として、α化架橋澱粉を用いること、および、糯種の馬鈴薯由来のα化澱粉を用いるのが好ましいことが分かった。
[試験4]
グルテンが生地の骨格になること、α化澱粉を多配合した生地のグルテン骨格が弱いこと、ならびにα化澱粉がパン生地の粘性を増加させることを合わせて考えると、製造後のパンに十分なボリュームやふんわりとした食感と、もちもちとした食感とを付与するためには、グルテンとα化澱粉の配合量のバランスが重要であると考えられる。
そこで、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(A成分)を1とした時に、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉およびα化ヒドロキシプロピルリン酸架橋糯種馬鈴薯澱粉(B成分)を0.12の割合で固定し、小麦粉に対する澱粉原料の配合量も固定した状態で(表4の試験例20)、グルテン(C成分)の配合量とパン生地およびパンとの関係を調べた。具体的には、表5に記載の試験例20と試験例29〜34に記載の配合でパンを製造し、(1)生地調製時の作業性、(2)パンのボリューム(比容積)、(3)製造1日後および3日後の弾性(TA復元力%)、(4)製造1日後および3日後のもちもち感、(5)製造1日後および3日後のふんわり感を評価した。
パン生地およびパンの製造方法、生地調製時の作業性の評価方法、ボリューム(比容積)の測定方法、弾性(TA復元力%)の測定方法、もちもち感の評価方法、ふんわり感の評価方法は、試験1と同様の方法を用いた。
試験例20と試験例29〜34の7種類のパン生地およびパンを製造した。試験例20と試験例29〜34は、パン原料に加えるグルテンの量を変えたものである。具体的には、α化澱粉(B成分)とグルテン(C成分)の配合比率を(B)/(C)=0.73〜1.33の間で調整し、小麦粉100質量部に対して、グルテンが3.0〜5.5質量部になるように調整した。
[パン生地調製時の作業性の評価結果]
試験例20および試験例30〜34の6種類のパン生地は、調製時に、べたつきが無く、混捏工程にも向いており、取扱いやすいものであった。また、試験例29のパン生地も、調製時に、ややべたつきが感じられたが問題なく混捏することができた。
[パンのボリューム、弾性、もちもち感、ふんわり感の評価結果]
試験例20および試験例29〜34で製造した7種類のパンは、比容積が大きくボリュームのあるパンであった。特に試験例20および30〜34で製造した6種類のパンは比容積が6.0cm/gを超えており非常にボリュームがあり良好な膨らみが得られた。また、試験例20および試験例29〜34で製造した7種類のパンは、製造後1日の弾性(復元力)も80%を超えており、特に、試験例20および試験例30〜33で製造した5種類のパンの弾性(復元力)は製造後3日を経過しても高い値を維持していた。
もちもち感の評価については、試験例20および試験例29〜34で製造した7種類のパン、特に、試験例20および試験例29〜33で製造した6種類のパンは、良好なもちもち感が付与されていた。また、試験例20および試験例30〜33で製造した5種類のパンは、製造後3日を経過しても、もちもちとした良好な食感がほぼ維持されていた。
また、ふんわり感の評価については、試験例20および試験例29〜34で製造した7種類のパン、特に、試験例20および試験例30〜34で製造した5種類のパンは、ふんわりとした良好な食感であった。また、試験例20および試験例31〜33で製造した4種類のパンは、製造後3日を経過してもふんわりとした良好な食感が維持されていた。
従って、試験例20および試験例30〜33で製造した5種類のパンは、もちもち感とふんわり感の両方を備えており、それらの食感が、製造3日後でもほぼ維持されている、非常に好ましいパンであった。
[試験4の総合考察]
試験例30〜33は、パン生地中のグルテン骨格が適度な強度を有していたため、焼き上がり後のパンは、十分な膨らみとふんわり感が得られ、それらが持続したものと考えられる。これに対して、α化澱粉に対するグルテンの配合量が少ないと、パン生地中のグルテン骨格の強度が低下したため、焼き上がり後のパンの膨らみやふんわり感が持続しにくい傾向が認められ、また、α化澱粉に対するグルテンの配合量が多いと、パン生地中のグルテン骨格が強くなったため、焼き上がり後のパンが固くなる傾向が認められたものと考えられる。
表5の試験例20、30〜33の5種類のパンの評価結果から、α化澱粉(B成分)/グルテン(C成分)の配合比率が0.75〜1.25の範囲、より好ましくは0.8〜1.2になるように両者を配合することで、α化澱粉とα化処理していない加工澱粉(エーテル化澱粉、アセチル化澱粉)とを一定の比率で含有する組成物の効果がより効率よく発揮されることが分かった。
小麦粉に対する配合量という点でみると、表5の結果から、小麦粉100質量部に対してグルテンを1.5〜8.5質量部配合すると、α化澱粉とα化処理していない加工澱粉(エーテル化澱粉、アセチル化澱粉)とを一定の比率で含有する組成物の効果がより効率よく発揮されることが分かった。
[製造例1]
実施例2の組成物55質量部、強力粉30質量部、上白糖10質量部、グルテン6質量部、ショートニング5質量部、乳化剤0.2質量部、イーストフード0.1質量部を均一に混合してプレミックスAを製造した。ボールにプレミックスA50質量部、強力粉50質量部、食塩1.5質量部、イースト3質量部、全卵5質量部、水56質量部を加え、ミキサーの低速で3分間、中速で5分間混捏した。さらにショートニング5質量部を加え、ミキサーの低速で2分間、中速で4分間混捏して、混捏生地を製造した。前記混捏生地を用いて、試験1のパンの製造工程C〜Fにてパンを製造した。製造したパンは、外観のボリュームがあり、ふんわりとした食感ともちもちとした食感の両方を併せ持ち非常に好ましいパンであった。
[製造例2]
実施例2の組成物30質量部、強力粉50質量部、上白糖9質量部、ショートニング7質量部、グルテン3質量部、食塩1.5質量部、乳化剤0.2質量部、イーストフード0.1質量部を均一に混合してプレミックスBを製造した。ボールにプレミックスB100質量部、イースト3質量部、全卵5質量部、水56質量部を加え、ミキサーの低速で2分間、高速で8分間混捏して混捏生地を製造した。前記混捏生地を、27℃、相対湿度75%で20分間フロアタイムをとった後、40gずつ分割してリング状に成形した。成形後の生地を36℃、相対湿度60%で40分間ホイロをとった後、185℃の油で2分間(片面1分間ずつ)油調してイーストドーナツを製造した。製造したイーストドーナツは、外観のボリュームがあり、ふんわりとした食感ともちもちとした食感の両方を併せ持ち非常に好ましいイーストドーナツであった。
本発明の組成物を用いれば、十分なボリュームを維持し、かつ、もちもちとした食感が両立した従来にないベーカリー製品を製造することができる。また、本発明の組成物を用いることで、混捏に対する作業安定性を有するベーカリー製品用の生地を提供することもできる。さらに、本発明の組成物を主成分にしたプレミックスを用いれば、十分なボリュームを維持し、かつ、もちもちとした食感が両立したベーカリー製品およびベーカリー生地を手軽に製造することができる。

Claims (8)

  1. (A)エーテル化澱粉および/またはアセチル化澱粉、ならびに、(B)α化澱粉からなるベーカリー製品用組成物であって、(A)と(B)の質量比において、(B)/(A)が0.1〜0.17である、前記ベーカリー製品用組成物。
  2. 小麦粉100質量部に対する配合量として、(A)が12〜64質量部、(B)が1.5〜8.5質量部である、請求項1に記載のベーカリー製品用組成物。
  3. さらに(C)グルテンを含み、(B)と(C)の質量比において、(B)/(C)が0.75〜1.25である、請求項1または2に記載のベーカリー製品用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のベーカリー製品用組成物からなる、ベーカリー製品用生地改良剤。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のベーカリー製品用組成物、または、請求項4に記載のベーカリー製品用生地改良剤に、さらに小麦粉を含む、ベーカリー製品用プレミックス。
  6. 小麦粉と、請求項1〜3のいずれか1項に記載のベーカリー製品用組成物、または、請求項4に記載のベーカリー製品用生地改良剤を含有し、小麦粉100質量部に対して、(A)を12〜64質量部、(B)を1.5〜8.5質量部含有するベーカリー製品用プレミックス。
  7. 請求項5または6に記載のベーカリー製品用プレミックスを水分とともに混捏して得られる、生地を加熱してなる、ベーカリー製品の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法によって得られる、ベーカリー製品。
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