JP2010252668A - ベーカリー生地 - Google Patents
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Abstract
【課題】水分含量の高いパン生地を使用したベーカリー生地であって、分割、丸め、成形時に良好な物性を呈するベーカリー生地、及び、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきのない食感で、老化しにくいパンを提供すること。
【解決手段】澱粉類100質量部に対し水70〜150質量部を含むパン生地層、及び、フラワーペースト層からなるベーカリー生地、さらには、該ベーカリー生地を成形した後、焼成して得られたパン。
【選択図】なし
【解決手段】澱粉類100質量部に対し水70〜150質量部を含むパン生地層、及び、フラワーペースト層からなるベーカリー生地、さらには、該ベーカリー生地を成形した後、焼成して得られたパン。
【選択図】なし
Description
本発明は、パン生地層及びフラワーペースト層からなるベーカリー生地に関し、詳しくは加水量が通常のパン生地に比べて顕著に多い多加水パン生地を使用しながら、成形時の作業性が良好であるベーカリー生地に関する。
パンの食感に対してさまざまな要求があるが、ソフト性としっとり感は最も多い要求である。一般的にソフトでしっとり感のあるパンを得るためには水の添加量(吸水量)を増加すればよい。
しかし、小麦粉100質量部に対し吸水量が70質量部以上となると、得られるパン生地は保型性を失い流動状となり、各種の成形を行うことが困難となる。
そのため、このような吸水量の多いパン生地(多加水パン生地)を用いて得られるパンはチャバタ等の特殊なパンに限定されている。
しかし、小麦粉100質量部に対し吸水量が70質量部以上となると、得られるパン生地は保型性を失い流動状となり、各種の成形を行うことが困難となる。
そのため、このような吸水量の多いパン生地(多加水パン生地)を用いて得られるパンはチャバタ等の特殊なパンに限定されている。
そこで、多加水パン生地でありながら、従来の一般的な成形をおこなうことが可能な物性であるパン生地とするための発明が各種紹介されている。
たとえば、食物繊維や増粘安定剤等を使用する方法(例えば特許文献1〜3参照)、微細小麦粉を使用する方法(例えば特許文献4参照)、あらかじめ糊化した小麦粉をパン生地に添加する方法(例えば特許文献5参照)、流動状を呈する多加水パン生地に固形物を大量に添加することで保型性を出し、成型可能な物性とする方法(例えば特許文献6参照)等が知られている。
たとえば、食物繊維や増粘安定剤等を使用する方法(例えば特許文献1〜3参照)、微細小麦粉を使用する方法(例えば特許文献4参照)、あらかじめ糊化した小麦粉をパン生地に添加する方法(例えば特許文献5参照)、流動状を呈する多加水パン生地に固形物を大量に添加することで保型性を出し、成型可能な物性とする方法(例えば特許文献6参照)等が知られている。
しかし、食物繊維や増粘安定剤等を使用する方法では、得られるパンがねちゃつきやすいという問題があり、また、微細小麦粉を使用する方法では、得られるパン生地が粘つき成形が難しいという問題があり、あらかじめ糊化した小麦粉をパン生地に添加する方法では、パン生地の伸展性が悪く良好な物性が得られにくく、また安定した製造が難しいという問題があった。さらに、多加水パン生地に固形物を大量に添加する方法では、食パンやテーブルロールなどの固形物を含有しない通常のパンが得られず、また、安定したボリュームのパンが得られないという問題があった。また、これらの方法で得られたパンは老化が早いという問題があった。
本発明の目的は、水分含量の高いパン生地を使用したベーカリー生地であって、分割、丸め、成形時に良好な物性を呈するベーカリー生地、及び、ソフトで老化しにくいパンを提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、従来、一般的にパン生地にシート状のフラワーペースト類を折りこむ場合、その物性をパン生地に合致させるという常識に反し、シート状フラワーペースト類の物性よりもはるかに軟らかい多加水パン生地に使用した場合には意外にもべたつきが軽減され伸展性も良好なベーカリー生地となることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、澱粉類100質量部に対し水70〜150質量部を含むパン生地層、及び、フラワーペースト層からなるベーカリー生地を提供するものである。
また、本発明は、上記の本発明のベーカリー生地を成形した後、焼成して得られた、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきがなく、耐老化性に優れたパンを提供するものである。
また、本発明は、上記の本発明のベーカリー生地を成形した後、焼成して得られた、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきがなく、耐老化性に優れたパンを提供するものである。
本発明のベーカリー生地は、加水量が通常のパン生地に比べて顕著に多い多加水パン生地を使用しながら、分割、丸め、成形時に良好な物性を呈し、また、本発明のベーカリー生地を使用して得られたパンは、腰持ちがよく、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきがなく、耐老化性に優れている。
まず、本発明のベーカリー生地の、パン生地層を構成するパン生地について詳細に説明する。
上記パン生地は澱粉類100質量部に対し水を70〜150質量部、好ましくは70〜100質量部、さらに好ましくは70〜90質量部含む。
上記パン生地に使用する水としては、特に限定されず、天然水や水道水などが挙げられる。
なお、本発明においては、上記水の含有量は、上記天然水や水道水に加え、下記のその他の原料中の水分も含有するものである。
上記パン生地に使用する水としては、特に限定されず、天然水や水道水などが挙げられる。
なお、本発明においては、上記水の含有量は、上記天然水や水道水に加え、下記のその他の原料中の水分も含有するものである。
上記パン生地に使用する澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシューナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、モチ米澱粉などの澱粉や、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、微細化、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられるが、本発明では、澱粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは100質量%使用する。
上記パン生地には、上記澱粉類に加え、食物繊維を含有することが保水性を高め、より水分含有量の高いパン生地とすることが可能な点で好ましい。
上記パン生地には、上記澱粉類に加え、食物繊維を含有することが保水性を高め、より水分含有量の高いパン生地とすることが可能な点で好ましい。
上記食物繊維としては、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、ヘミセルロース、リグニン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリデキストロース、寒天、グルコマンナン、タラガム、カラヤガム、トラガントガム、ジェランガムなどの水溶性食物繊維又は不溶性食物繊維、アップルファイバー、シトラスファイバー、オレンジファイバー、キャロットファイバー、トマトファイバー、バンブーファイバー、シュガービートファイバー、コーンファイバー、小麦ファイバー、大麦ファイバー、ライ麦ファイバー、大豆ファイバー、コンニャクファイバー、米ぬか、キチン、キトサン等の水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を共に含有する複合型食物繊維を挙げることができる。これらの食物繊維は、単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いてもよい。
中でも保水性が高いことに加え、水分含量の高い場合であっても、べとつきが少ないパン生地とすることができる点で、複合型食物繊維を使用することが好ましく、より好ましくは、アップルファイバー、シトラスファイバー、オレンジファイバー、シュガービートファイバー、コーンファイバー、小麦ファイバー、大豆ファイバー、コンニャクファイバーのうちの一種又は2種以上を使用することが好ましく、さらに好ましくは、シトラスファイバー、オレンジファイバー、小麦ファイバー、コンニャクファイバーのうちの一種又は2種以上を使用することが好ましい。
上記パン生地における上記食物繊維の含有量は、上記パン生地における澱粉類100質量部に対し、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
上記パン生地における上記食物繊維の含有量は、上記パン生地における澱粉類100質量部に対し、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
上記パン生地は、必要に応じ、一般の製パン材料として使用することのできるその他の原料を使用することができる。該その他の原料としては、例えば、油脂、乳化剤、イースト、糖類、全卵・卵黄・卵白・加塩全卵・加塩卵黄・加塩卵白・加糖全卵・加糖卵黄・加糖卵白・乾燥全卵・乾燥卵黄・凍結全卵・凍結卵黄・凍結卵白、凍結加糖全卵・凍結加糖卵黄・凍結加糖卵白・酵素処理全卵・酵素処理卵黄等の卵類、ゼラチン・ファーセルラン等の増粘安定剤、ステビア・アスパルテーム・スクラロース・アセスルファムカリウム等の甘味料、β−カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・醗酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリームなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イーストフード、生地改良剤、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、酵素、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などを挙げることができる。
なお、上記油脂としては、例えば、ショートニング・マーガリン・バターなどの可塑性油脂組成物や、サラダ油・流動ショートニング・溶かしバターなどの流動状油脂組成物、また、粉末油脂などが挙げられる。また、油脂組成物が乳化物である場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれでも構わない。
上記油脂は練込用油脂の形態で用いても、又、ロールイン油脂の形態で用いてもよく、また、両者を併用して用いてもよい。
ただし、本発明においては、上記パン生地はロールイン油脂を使用した場合、上記パン生地が水分を多く含有することから、パン生地層に均質にロールイン油脂を折りこむことが困難であるため、本発明で使用するパン生地はロールイン油脂を使用しないものであることが好ましい。
上記パン生地における上記油脂の含有量は、上記パン生地における澱粉類100質量部に対し、油脂純分として、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは5〜20質量部である。
上記油脂は練込用油脂の形態で用いても、又、ロールイン油脂の形態で用いてもよく、また、両者を併用して用いてもよい。
ただし、本発明においては、上記パン生地はロールイン油脂を使用した場合、上記パン生地が水分を多く含有することから、パン生地層に均質にロールイン油脂を折りこむことが困難であるため、本発明で使用するパン生地はロールイン油脂を使用しないものであることが好ましい。
上記パン生地における上記油脂の含有量は、上記パン生地における澱粉類100質量部に対し、油脂純分として、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは5〜20質量部である。
また、上記の乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・レシチン・リゾレシチンなどが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明においては、これらの乳化剤の中でも、グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルの中の1種または2種以上を使用することが好ましく、特に食感改良効果が高い点で、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、及び/又は、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルを使用することが好ましい。
上記パン生地における上記乳化剤の含有量は、上記パン生地における澱粉類100質量部に対し、好ましくは0.01〜2質量部、更に好ましくは0.05〜1質量部、最も好ましくは0.1〜0.5質量部である。
上記パン生地における上記乳化剤の含有量は、上記パン生地における澱粉類100質量部に対し、好ましくは0.01〜2質量部、更に好ましくは0.05〜1質量部、最も好ましくは0.1〜0.5質量部である。
上記の糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつなどが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記パン生地における上記糖類の含有量は、上記パン生地における澱粉類100質量部に対し、固形分として、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは5〜20質量部である。
上記パン生地における上記糖類の含有量は、上記パン生地における澱粉類100質量部に対し、固形分として、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは5〜20質量部である。
上記その他の原料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、好ましくは、上記澱粉類100質量部に対して合計で100質量部以下、より好ましくは50質量部以下となる範囲で使用する。
次に、上記パン生地の製造方法について述べる。
上記パン生地は、一般的な吸水量のパン生地(小麦粉100質量部に対し吸水量が70質量部未満であるパン生地)の製造方法によってもよいが、食物繊維や増粘安定剤等を使用する方法、微細小麦粉を使用する方法、あらかじめ糊化した小麦粉をパン生地に添加する方法(湯種法)等の一般的な多加水パン生地の製造方法によって得ることが好ましい。
なお、食物繊維や増粘安定剤等を使用する方法を採る場合、特に食物繊維として複合型食物繊維を使用する場合は、膨潤に時間がかかるため、粉末状として添加するのではなく、あらかじめ水を吸水させて膨潤させた状態でミキシング途中にパン生地に添加することが好ましい。
上記パン生地は、一般的な吸水量のパン生地(小麦粉100質量部に対し吸水量が70質量部未満であるパン生地)の製造方法によってもよいが、食物繊維や増粘安定剤等を使用する方法、微細小麦粉を使用する方法、あらかじめ糊化した小麦粉をパン生地に添加する方法(湯種法)等の一般的な多加水パン生地の製造方法によって得ることが好ましい。
なお、食物繊維や増粘安定剤等を使用する方法を採る場合、特に食物繊維として複合型食物繊維を使用する場合は、膨潤に時間がかかるため、粉末状として添加するのではなく、あらかじめ水を吸水させて膨潤させた状態でミキシング途中にパン生地に添加することが好ましい。
また、生地物性を大きく変えることなく多加水パン生地を得るためには、水を2回以上に分けて添加、練り込む方法を採ることもできる。
この、水を2回以上に分けて添加、練り込む方法とは、同一出願人が特願2008−254211号公報として出願済みの多加水パン生地の製造方法であり、生地混捏時に、まず、水の一部を添加して均質な生地となるまで練り込み、好ましくは十分にグルテンが生成されるまで混捏して、その後、残余の水を1回〜数回に分けて添加、練り込みを行い、再び均質な生地とするものである。
この、水を2回以上に分けて添加、練り込む方法とは、同一出願人が特願2008−254211号公報として出願済みの多加水パン生地の製造方法であり、生地混捏時に、まず、水の一部を添加して均質な生地となるまで練り込み、好ましくは十分にグルテンが生成されるまで混捏して、その後、残余の水を1回〜数回に分けて添加、練り込みを行い、再び均質な生地とするものである。
この水の添加、練り込みが複数回であることによって、1回目に添加した水は穀粉類と十分に水和し、2回目以降に添加した水は、練り込む過程において、その水和した生地中に均質に分散することであたかも生地中に水が乳化するような形で取り込まれるため、良好な物性を保ったまま大量の水の添加(吸水)を行なうことができるものである。
この水の添加、練り込みは、水を添加する際に添加する水が多いためにただ複数回に分けるのではなく、また、パン生地の粘弾性の調整のために複数回に分けるのでもなく、1回目において完全に練り込み、均質な生地とすることが必要である。
なお、この、水を2回以上に分けて添加、練り込む方法については、上記一般的な多加水パン生地の製造方法と組み合わせることももちろん可能である。
この水の添加、練り込みは、水を添加する際に添加する水が多いためにただ複数回に分けるのではなく、また、パン生地の粘弾性の調整のために複数回に分けるのでもなく、1回目において完全に練り込み、均質な生地とすることが必要である。
なお、この、水を2回以上に分けて添加、練り込む方法については、上記一般的な多加水パン生地の製造方法と組み合わせることももちろん可能である。
次に、本発明のベーカリー生地の、フラワーペースト層を構成するフラワーペースト類について説明する。
本発明でいうフラワーペースト類とは、澱粉類の糊化によるボディーを有するものであり、例えば、フラワーペースト、カスタード等が挙げられる。
上記フラワーペースト類に使用する澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシューナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉などの澱粉や、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。
本発明でいうフラワーペースト類とは、澱粉類の糊化によるボディーを有するものであり、例えば、フラワーペースト、カスタード等が挙げられる。
上記フラワーペースト類に使用する澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシューナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉などの澱粉や、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。
上記澱粉類の含有量は、上記フラワーペースト類中、好ましくは2〜10質量%、より好ましくは2.5〜8質量%である。該澱粉類の含有量が2質量%未満では、液状となって十分にペースト化されず、また、10質量%超では、硬くなりすぎ、伸展性が悪いものとなるおそれがある。
上記フラワーペースト類は油脂を好ましくは8〜45質量%、より好ましくは15〜45質量%含有するものであることが好ましい。
油脂の含有量が8質量%未満であると、良好な伸展性が得られない。また、45質量%を超えると、べとつきやすく、油分が分離しやすくなる等の問題が生じることがある。
上記フラワーペースト類に使用する油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。これらの油脂は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組合せて用いることもできる。
上記フラワーペースト類は油脂を好ましくは8〜45質量%、より好ましくは15〜45質量%含有するものであることが好ましい。
油脂の含有量が8質量%未満であると、良好な伸展性が得られない。また、45質量%を超えると、べとつきやすく、油分が分離しやすくなる等の問題が生じることがある。
上記フラワーペースト類に使用する油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。これらの油脂は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組合せて用いることもできる。
なお、上記フラワーペースト類に、油脂を含有する原料を使用した場合は、上記油脂の含有量には、それらの原料に含まれる油脂分も含めるものとする。
上記フラワーペースト類は糖類を好ましくは8〜30質量%、より好ましくは10〜27質量%、さらに好ましくは10〜25質量%含有するものであることが好ましい。
糖類の含有量が8質量%未満では、良好な伸展性が得られにくいことに加え、得られたパンが老化しやすいものとなる。また、30質量%超では、良好な伸展性が得られにくいことに加え、べたつきやすい等の問題が生じる。
上記フラワーペースト類は糖類を好ましくは8〜30質量%、より好ましくは10〜27質量%、さらに好ましくは10〜25質量%含有するものであることが好ましい。
糖類の含有量が8質量%未満では、良好な伸展性が得られにくいことに加え、得られたパンが老化しやすいものとなる。また、30質量%超では、良好な伸展性が得られにくいことに加え、べたつきやすい等の問題が生じる。
上記フラワーペースト類に使用する糖類としては、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、液糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組合せて用いることもできる。
上記フラワーペースト類は、増粘安定剤を含有するものであることが好ましい。増粘安定剤を含有させることにより、フラワーペースト類の製造時やパン生地との複合作業時等における乳化破壊を防止することによる物性改良効果や、保水性を向上させることによる離水防止効果や食感向上効果を得ることが可能となる。
上記フラワーペースト類は、増粘安定剤を含有するものであることが好ましい。増粘安定剤を含有させることにより、フラワーペースト類の製造時やパン生地との複合作業時等における乳化破壊を防止することによる物性改良効果や、保水性を向上させることによる離水防止効果や食感向上効果を得ることが可能となる。
上記フラワーペースト類に使用する増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができるが、離水防止効果が特に高いことから、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム及びゼラチンからなる群から選ばれる1種又は2種以上を使用することが好ましい。
上記増粘安定剤の含有量は、上記フラワーペースト類中、好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜5質量%である。
上記増粘安定剤の含有量は、上記フラワーペースト類中、好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜5質量%である。
上記フラワーペースト類には、必要に応じ、一般のフラワーペースト材料として使用することのできるその他の原料を使用することができる。該その他の原料としては、例えば、水、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン有機酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル、・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・レシチン・リゾレシチン等の乳化剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸・乳酸・グルコン酸等の酸味料、牛乳・練乳・脱脂粉乳・カゼイン・ホエーパウダー・バター・クリーム・ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・発酵乳・乳脂肪球皮膜等の乳や乳製品、ステビア・アスパルテーム・アセスルファムカリウム等の甘味料、β−カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料、トコフェロール・茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白等の植物蛋白、ホエー蛋白濃縮物・トータルミルクプロテイン等の乳蛋白や動物蛋白、全卵・卵黄・卵白・酵素処理卵黄等の卵類、着香料、調味料、pH調整剤、食品保存料、ソルビン酸・ソルビン酸カリウム等の日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、香辛料抽出物、カカオマス、ココアパウダー、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
なお、これらの成分のうち、水並びに牛乳及び卵等の水分を含有する成分は、上記フラワーペースト類中の水分含有量が30〜85質量%となるように使用することが好ましい。
なお、これらの成分のうち、水並びに牛乳及び卵等の水分を含有する成分は、上記フラワーペースト類中の水分含有量が30〜85質量%となるように使用することが好ましい。
次に、上記フラワーペースト類の好ましい製造方法について述べる。
上記フラワーペースト類は、澱粉類及び水、牛乳、卵等の水性原料を含有するフラワーペースト原料を、均質化処理した後、加熱し、冷却することによって得ることができる。
具体的には、先ず、澱粉類及び水、牛乳、卵等の水性原料を含有するフラワーペースト原料を、加温溶解し、必要に応じ油脂を乳化混合して予備乳化組成物を作成する。その際、水相と油相との比率(前者:後者、質量基準)は、90:10〜55:45とすることが好ましい。なお、増粘安定剤を添加する場合は、作業性の点から、油相に添加するのが好ましい。
上記フラワーペースト類は、澱粉類及び水、牛乳、卵等の水性原料を含有するフラワーペースト原料を、均質化処理した後、加熱し、冷却することによって得ることができる。
具体的には、先ず、澱粉類及び水、牛乳、卵等の水性原料を含有するフラワーペースト原料を、加温溶解し、必要に応じ油脂を乳化混合して予備乳化組成物を作成する。その際、水相と油相との比率(前者:後者、質量基準)は、90:10〜55:45とすることが好ましい。なお、増粘安定剤を添加する場合は、作業性の点から、油相に添加するのが好ましい。
次いで、得られた上記予備乳化組成物を、バルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により、好ましくは圧力0〜80MPaの範囲で均質化した後、加熱する。加熱は、インジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT、HTST、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理、あるいは直火等を用いた加熱調理により行なうことができる。加熱温度は60〜130℃が好ましく、加熱時間は0.5〜30分が好ましい。また、加熱後には必要により再度均質化してもよい。
次いで、均質化した後、加熱した上記予備乳化組成物を冷却する。冷却は急速冷却、徐冷却等のいずれでもよく、冷却の前、又は後にエージングを行ってもよい。更に、得られたフラワーペースト類は、必要により、冷蔵状態もしくは冷凍状態で保存してもよい。
更に、上記フラワーペースト類は、その形状を、シート状にすることが好ましい。その場合、その好ましいサイズは、縦50〜1000mm、横50〜1000mm、厚さ1〜50mmである。
本発明のベーカリー生地は、上記パン生地を使用したパン生地層と上記フラワーペースト類を使用したフラワーペースト層からなり、水分含量が高いパン生地を使用していながら,分割、丸め、成形時にべとつかず良好な物性を呈するという特徴を有する。
すなわち、上記水分含量の高いパン生地は、それ単独では上述のとおり、べたついたり伸展性が悪いなど、良好な物性が得られにくく、また安定した製造が難しいものであるが、ここで、フラワーペースト類を折りこむことで、べたつきが改善され、良好な伸展性のベーカリー生地となるものである。
本発明のベーカリー生地は、上記パン生地を使用したパン生地層と上記フラワーペースト類を使用したフラワーペースト層からなり、水分含量が高いパン生地を使用していながら,分割、丸め、成形時にべとつかず良好な物性を呈するという特徴を有する。
すなわち、上記水分含量の高いパン生地は、それ単独では上述のとおり、べたついたり伸展性が悪いなど、良好な物性が得られにくく、また安定した製造が難しいものであるが、ここで、フラワーペースト類を折りこむことで、べたつきが改善され、良好な伸展性のベーカリー生地となるものである。
上記パン生地層とフラワーペースト層の比率、すなわち、上記パン生地と上記フラワーペースト類の使用比率は、パン生地100質量部に対し、フラワーペースト類の比率が好ましくは10〜100質量部、より好ましくは20〜70質量部である。フラワーペースト類が10質量部未満であると、分割、丸め、成形時にベーカリー生地がべとつくことに加え、得られるパンが本発明の効果を有さないものになってしまうおそれがあり、100質量部を超えると、ベーカリー生地の伸展性が悪化することに加え、得られるパンが本発明の効果を有さないものになってしまうおそれがあることに加え、体積が小さくなってしまう問題がある。
なお、ベーカリー生地の層数は、上記フラワーペースト層の層数が、好ましくは3層〜96層、より好ましくは6層〜48層、さらに好ましくは6層〜27層である。上記フラワーペースト層の層数が3層未満であると、得られるパンの形状も不均一になりやすい。また、96層を超えると、生地製造時にフラワーペースト層が練りこまれ、良好な層が得られないため、得られるパンの浮きが悪くなりやすい。
次に、本発明のベーカリー生地の製造方法について述べる。
本発明のベーカリー生地は、上記パン生地、及び、上記フラワーペースト類を用いて、好ましくは層の質量比や層数が上記条件となるように積層することによって得ることができる。
なお、積層方法は特に制限されず、リバースシーター他、公知の機械や麺棒等により生地を延展し、これを折り畳む方法や、延展した生地を切断して積み重ねる方法、あるいは自動のラミネーターで積層する方法等、各種公知の方法を採ることが可能である。
本発明のベーカリー生地は、上記パン生地、及び、上記フラワーペースト類を用いて、好ましくは層の質量比や層数が上記条件となるように積層することによって得ることができる。
なお、積層方法は特に制限されず、リバースシーター他、公知の機械や麺棒等により生地を延展し、これを折り畳む方法や、延展した生地を切断して積み重ねる方法、あるいは自動のラミネーターで積層する方法等、各種公知の方法を採ることが可能である。
また、フラワーペースト類のベーカリー生地への供給方法としては、その物性によって、積置、塗布、散布のうちの1種又は2種の方法を適宜選択することができる。
なお、積層した後、成形前にレストタイムをとることにより、よりべたつきが少なく、伸展性が良好なベーカリー生地とすることができる。これは、レストタイムをとることにより、パン生地中の水分がフラワーペースト類中に一部が移行することによるものと考えられる。
上記レストタイムとしては、好ましくは−5〜15℃、より好ましくは0〜10℃で、好ましくは30分〜24時間、より好ましくは1時間〜12時間である。
なお、積層した後、成形前にレストタイムをとることにより、よりべたつきが少なく、伸展性が良好なベーカリー生地とすることができる。これは、レストタイムをとることにより、パン生地中の水分がフラワーペースト類中に一部が移行することによるものと考えられる。
上記レストタイムとしては、好ましくは−5〜15℃、より好ましくは0〜10℃で、好ましくは30分〜24時間、より好ましくは1時間〜12時間である。
本発明のパンは、上記の本発明のベーカリー生地を、常法により、成形、ホイロ等の処理をした後、加熱したものである。
上記成形は、どのような形状に成形してもよく、型詰めを行っても構わない。
これらの成形は、手作業で行っても、連続ラインを用いて全自動で行っても構わない。
上記加熱とは、焼成、フライ、蒸し、蒸し焼きが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を行うことができる。
なお、焼成する場合の加熱条件は、ベーカリー食品の種類によって異なるが、例えばオーブンを使用する場合、好ましくは150〜240℃で4〜40分、さらに好ましくは180〜230℃で8〜30分である。
上記成形は、どのような形状に成形してもよく、型詰めを行っても構わない。
これらの成形は、手作業で行っても、連続ラインを用いて全自動で行っても構わない。
上記加熱とは、焼成、フライ、蒸し、蒸し焼きが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を行うことができる。
なお、焼成する場合の加熱条件は、ベーカリー食品の種類によって異なるが、例えばオーブンを使用する場合、好ましくは150〜240℃で4〜40分、さらに好ましくは180〜230℃で8〜30分である。
また、フライする場合の加熱条件は、好ましくは180〜260℃で1〜10分、さらに好ましくは200〜250℃で2〜5分である。
本発明のパンは、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきがなく、耐老化性に優れており、また、水分含量の高いパン生地を使用していながら腰持ちが良好である。
本発明のパンは、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきがなく、耐老化性に優れており、また、水分含量の高いパン生地を使用していながら腰持ちが良好である。
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
<シート状フラワーペーストの製造>
パーム油24.5質量%及びナタネ極度硬化油0.5質量%に、キサンタンガム0.01質量%及びペクチン0.3質量%を添加し、油相とした。水30質量%、デンプン4質量%、小麦粉3質量%、ゼラチン2質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖27質量%、脱脂粉乳3質量%、乾燥全卵5質量%及び香料0.69質量%を混合し、水相とした。
この油相と水相とを混合、乳化、均質化した後、加熱殺菌し、次いで、22℃まで冷却した後、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状に成形し、カスタード風味のシート状フラワーペーストを得た。
パーム油24.5質量%及びナタネ極度硬化油0.5質量%に、キサンタンガム0.01質量%及びペクチン0.3質量%を添加し、油相とした。水30質量%、デンプン4質量%、小麦粉3質量%、ゼラチン2質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖27質量%、脱脂粉乳3質量%、乾燥全卵5質量%及び香料0.69質量%を混合し、水相とした。
この油相と水相とを混合、乳化、均質化した後、加熱殺菌し、次いで、22℃まで冷却した後、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状に成形し、カスタード風味のシート状フラワーペーストを得た。
〔実施例1〕
強力粉100質量部、生イースト(水分含量70%)5質量部、食塩1.9質量部、上白糖15質量部、全卵(正味)(水分含量75%)10質量部、牛乳(水分含量89%)24質量部、水24質量部を添加し、低速で3分、中速で3分ミキシングした。ここで、練込油脂(マーガリン:油分含量80質量%)8質量部、及び、複合型食物繊維(シトラスファイバー「シトリファイ100G」:鳥越製粉製)2質量部を水18質量部で膨潤させておいた混合物20質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で4分ミキシングし、澱粉類100質量部に対し水を76質量部含むパン生地を得た。
ここで、フロアタイム30分(25℃)とった後、2℃で12時間静置した。次いで、リバースシーターを用いて、厚さ10mmまで圧延し、このパン生地上に、上記シート状フラワーペースト60質量部を積置して、更に3つ折りを2回行い、パン生地層の層数が10層、フラワーペースト層の層数が9層である本発明のベーカリー生地を得た。
このベーカリー生地を2℃で2時間レストタイムをとった後、15mmまで圧延し、これを18mm×220mmの大きさに打ち抜き後、5回ねじったあとノット成形を行ない、38℃、相対湿度80%、50分のホイロをとった後、190℃の固定窯で13分焼成し、本発明のパンである、スイートロールを得た。
得られたベーカリー生地はべとつきもなく伸展性が良好な安定した物性の生地であり、得られたスイートロールは、ソフトでしっとりしており、大変良好な食感であった。また、浮き、形状の安定性とも良好であった。
得られたスイートロールを袋に入れ20℃で3日間保管したが、ソフトでしっとりした食感を保持していた。
強力粉100質量部、生イースト(水分含量70%)5質量部、食塩1.9質量部、上白糖15質量部、全卵(正味)(水分含量75%)10質量部、牛乳(水分含量89%)24質量部、水24質量部を添加し、低速で3分、中速で3分ミキシングした。ここで、練込油脂(マーガリン:油分含量80質量%)8質量部、及び、複合型食物繊維(シトラスファイバー「シトリファイ100G」:鳥越製粉製)2質量部を水18質量部で膨潤させておいた混合物20質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で4分ミキシングし、澱粉類100質量部に対し水を76質量部含むパン生地を得た。
ここで、フロアタイム30分(25℃)とった後、2℃で12時間静置した。次いで、リバースシーターを用いて、厚さ10mmまで圧延し、このパン生地上に、上記シート状フラワーペースト60質量部を積置して、更に3つ折りを2回行い、パン生地層の層数が10層、フラワーペースト層の層数が9層である本発明のベーカリー生地を得た。
このベーカリー生地を2℃で2時間レストタイムをとった後、15mmまで圧延し、これを18mm×220mmの大きさに打ち抜き後、5回ねじったあとノット成形を行ない、38℃、相対湿度80%、50分のホイロをとった後、190℃の固定窯で13分焼成し、本発明のパンである、スイートロールを得た。
得られたベーカリー生地はべとつきもなく伸展性が良好な安定した物性の生地であり、得られたスイートロールは、ソフトでしっとりしており、大変良好な食感であった。また、浮き、形状の安定性とも良好であった。
得られたスイートロールを袋に入れ20℃で3日間保管したが、ソフトでしっとりした食感を保持していた。
〔実施例2〕
練込油脂(マーガリン:油分含量80質量%、水分含量19質量%)8質量部に代えて、下記の配合・製法で得られた製パン改良油脂組成物A8質量部を使用した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして実施例2のベーカリー生地、及び、パンを得た。
得られたベーカリー生地はべとつきもなく伸展性が良好な安定した物性の生地であり、得られたスイートロールは、ソフトでしっとりしており、大変良好な食感であった。なお、浮き、形状の安定性は実施例1で得られたパンに比べさらに良好であった。
得られたスイートロールを袋に入れ20℃で3日間保管したが、ソフトでしっとりした食感を保持していた。
練込油脂(マーガリン:油分含量80質量%、水分含量19質量%)8質量部に代えて、下記の配合・製法で得られた製パン改良油脂組成物A8質量部を使用した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして実施例2のベーカリー生地、及び、パンを得た。
得られたベーカリー生地はべとつきもなく伸展性が良好な安定した物性の生地であり、得られたスイートロールは、ソフトでしっとりしており、大変良好な食感であった。なお、浮き、形状の安定性は実施例1で得られたパンに比べさらに良好であった。
得られたスイートロールを袋に入れ20℃で3日間保管したが、ソフトでしっとりした食感を保持していた。
<製パン改良油脂組成物Aの製造>
パームスーパーオレインのランダムエステル交換油脂95質量部及びパームステアリン5質量部を均一に混合した混合油脂72.47質量部に、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル3質量部、60%トコフェロール0.01質量部、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.5質量部、香料0.02質量部を添加、混合、溶解した油相を60℃に保温した。一方、水19質量部からなる水相を添加し、次いで糊化処理済みのヒドロキシプロピルエーテル化リン酸架橋デンプン(原料澱粉はタピオカ)5質量部を分散させた後、90℃1分蒸気を用いて殺菌処理したのち、コンビネーターを用いて急冷可塑化を行い、油脂組成物1を得た。
パームスーパーオレインのランダムエステル交換油脂95質量部及びパームステアリン5質量部を均一に混合した混合油脂72.47質量部に、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル3質量部、60%トコフェロール0.01質量部、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.5質量部、香料0.02質量部を添加、混合、溶解した油相を60℃に保温した。一方、水19質量部からなる水相を添加し、次いで糊化処理済みのヒドロキシプロピルエーテル化リン酸架橋デンプン(原料澱粉はタピオカ)5質量部を分散させた後、90℃1分蒸気を用いて殺菌処理したのち、コンビネーターを用いて急冷可塑化を行い、油脂組成物1を得た。
〔比較例1〕
実施例1で使用したパン生地にシート状フラワーペーストの複合を行わなかった以外は実施例1と同様にして比較例1のベーカリー生地、及び、パンを得た。
得られたベーカリー生地はべとつきがあり、やや扱いにくい生地であり、得られたパンはややねちゃついた食感であった。また、浮き、形状の安定性ともやや不良であった。
得られたパンを袋に入れ20℃で3日間保管すると、ややぱさついた食感になってしまっていた。
実施例1で使用したパン生地にシート状フラワーペーストの複合を行わなかった以外は実施例1と同様にして比較例1のベーカリー生地、及び、パンを得た。
得られたベーカリー生地はべとつきがあり、やや扱いにくい生地であり、得られたパンはややねちゃついた食感であった。また、浮き、形状の安定性ともやや不良であった。
得られたパンを袋に入れ20℃で3日間保管すると、ややぱさついた食感になってしまっていた。
Claims (3)
- 澱粉類100質量部に対し水70〜150質量部を含むパン生地層、及び、フラワーペースト層からなるベーカリー生地。
- ロールイン油脂層を含有しないことを特徴とする請求項1記載のベーカリー生地。
- 請求項1又は2記載のベーカリー生地を加熱してなるパン。
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JP2009105037A JP2010252668A (ja) | 2009-04-23 | 2009-04-23 | ベーカリー生地 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2016077202A (ja) * | 2014-10-15 | 2016-05-16 | 昭和産業株式会社 | 多加水パン類の製造方法及び多加水パン類 |
JP2020124157A (ja) * | 2019-02-05 | 2020-08-20 | 株式会社Adeka | フラワーペースト |
JP2020146067A (ja) * | 2015-04-22 | 2020-09-17 | ミヨシ油脂株式会社 | 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品 |
US11767372B2 (en) * | 2015-06-25 | 2023-09-26 | Corn Products Development, Inc. | Physically modified sago starch |
-
2009
- 2009-04-23 JP JP2009105037A patent/JP2010252668A/ja active Pending
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JP7174737B2 (ja) | 2015-04-22 | 2022-11-17 | ミヨシ油脂株式会社 | 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品 |
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JP7308043B2 (ja) | 2019-02-05 | 2023-07-13 | 株式会社Adeka | フラワーペースト |
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