JP7271125B2 - バウムクーヘン生地及びバウムクーヘン - Google Patents
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(1)100質量部の穀物粉及び/又は澱粉に対して3~35質量部の水中油型乳化物を含有するバウムクーヘン生地であって、前記水中油型乳化物に占める乳化剤の含有量が5~25質量%である、前記バウムクーヘン生地。
(2)前記水中油型乳化物に含まれる乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステルである、(1)のバウムクーヘン生地。
(3)前記穀物粉が、4質量%以上の食物繊維を含有する穀物粉を含む、(1)又は(2)のバウムクーヘン生地。
(4)比重が0.63以下である、(1)から(3)の何れか1つのバウムクーヘン生地。
(5)(1)から(4)の何れか1つのバウムクーヘン生地の焼成された薄層が、多層に積層した状態にある、バウムクーヘン。
なお、本発明において、A~Bは、A以上B以下を意味する。例えば、A~B質量%は、A質量%以上B質量%以下を意味する。
本発明のバウムクーヘン生地は、5~25質量%の乳化剤を含有する水中油型乳化物を含有する。水中油型乳化物に含まれる乳化剤は、食品に使用できる乳化剤であれば特に限定されない。乳化剤としては、例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、酵素処理レシチンなどが挙げられる。乳化剤は、1種あるいは2種以上が含まれてもよい。水中油型乳化物は、乳化剤を、好ましくは7~22質量%含有し、より好ましくは9~19質量%含有し、さらに好ましくは11~16質量%含有する。
本発明のバウムクーヘン生地は、100質量部の穀物粉及び/又は澱粉に対して3~35質量部の上記水中油型乳化物を含有する。穀物粉は、穀物を挽いて粉状にしたものである。例えば、小麦粉(薄力粉、中力粉、強力粉)、小麦全粒粉、小麦ふすま粉、デュラム粉、大麦粉、米粉、ライ麦粉、ライ麦全粒粉、大豆粉、とうもろこし粉、ハトムギ粉、各種ナッツ類粉末などが挙られる。穀物粉は、1種又は2種以上が用いられてもよい。また、澱粉としては、例えば、馬鈴薯、甘藷、片栗、サゴ、タピオカ、コーン、米、小麦、豆などから得られる澱粉、あるいは、それらの加工澱粉(架橋澱粉、酸化澱粉、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉など)など、が挙げられる。澱粉は、1種又は2種以上が用いられてもよい。本発明のバウムクーヘン生地は、100質量部の穀物粉及び/又は澱粉に対して上記水中油型乳化物を、好ましくは4~31質量%含有し、より好ましくは5~29質量%含有する。100質量部の穀物粉及び/又は澱粉に対する水中油型乳化物の配合量が上記範囲内にあると、状態が安定し、良好な作業性を有するバウムクーヘン生地が得られる。
なお、本発明における穀物粉の食物繊維含有量は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の合計含有量であり、その測定は、例えば、プロスキー法(厚生労働省監修 食品衛生検査指針 2005)に準じて行うことができる。
本発明のバウムクーヘンは、上記バウムクーヘン生地を焼成ことにより得られる。焼成は、好ましくはオーブン加熱である。バウムクーヘン生地は、好ましくは薄い焼成生地が積み上げられて層状を形成するように焼成される。すなわち、焼成した層の上に、さらに生地を塗布して再び焼成するという工程が繰り返される。層は、年輪状であってもよいし、平面状であってもよい。しかし、年輪状が好ましい。その場合、流動性の高い生地を加温して保持し、芯棒に付着させては焼成し、さらにその上から同一の生地を付着させて焼成する、という作業が繰り返される。本発明のバウムクーヘン生地は、長時間にわたって加温下での生地の状態が安定(一定)しているため、生地の付着が一定している。そのため、見栄えのよいバウムクーヘンが製造できる。特に、食物繊維含有量が高い穀物粉を使用した場合や、生地比重を低くした場合であっても、見栄えのよいバウムクーヘンが製造できる。
バウムクーヘン生地の調製に使用する水中油型乳化物及び起泡性ショートニングを以下のように調製した。
(水中油型乳化物-1の調製)
18質量%の菜種油、7質量%のグリセリンモノステアリン酸エステル、9質量%のプロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びレシチンの混合物、6.6質量%のエタノールとプロピレングリコール混合物、30.6質量%の砂糖と水飴の混合物(うち固形分24.2質量%)、2質量%の乳清蛋白、0.1質量%のガム質、及び26.7質量%の水、を準備した。油溶性の原料を油脂に溶解した油相と、水溶性の原料を水に溶解した水相を調製した。水相と油相をゆるやかに混合し、ホモミキサーを用いて攪拌乳化した。さらに攪拌しながら冷却することにより水中油型乳化物を調製した。グリセリンモノステアリン酸エステルのラメラ構造体の形成を偏光顕微鏡で確認した。
(水中油型乳化物-2の調製)
18質量%の菜種油、7質量%のグリセリンモノステアリン酸エステル、8質量%のポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物、46質量%の還元水飴(うち固形分35質量%)、及び21質量%の水、を準備した。油溶性の原料を油脂に溶解した油相と、水溶性の原料を水に溶解した水相を調製した。水相と油相をゆるやかに混合し、ホモミキサーを用いて攪拌乳化した。さらに攪拌しながら冷却することにより水中油型乳化物を調製した。グリセリンモノステアリン酸エステルのラメラ構造体の形成を偏光顕微鏡で確認した。
(起泡性ショートニングの調製)
88質量%の菜種油、10質量%のプロピレングリコールステアリン酸エステル、2質量%の、グリセリンモノ飽和脂肪酸エステル、ソルビタン飽和脂肪酸エステル及びレシチンの混合物、を準備した。乳化剤を油脂に溶解し、急冷混捏することにより、起泡性ショートニングを調製した。
表1の配合にしたがって比較例1、2及び実施例1、2のバウムクーヘン生地を調製した。すなわち、縦型ミキサーを使用して、水中油型乳化物(及び/又は起泡性ショートニング)、と糖類とをよく混ぜ合わせた。その後、全卵を混合した。その後、粉類を混合し、ミキシングにより、比重を0.72に調整した。予め湯煎により溶かしたマーガリンと牛乳を加え、生地を調整した(最終比重0.72)。なお、比較例1は、最初に糖類とマーガリンとを混合するシュガーバッター法により生地を調製した(最終比重0.72)。
バウムクーヘン焼成器(SCHLEE社製)、及び、比較例1、2及び実施例1、2のバウムクーヘン生地を使用して、14層を有するバウムクーヘンを製造した。
以下の基準にしたがって、バウムクーヘン生地調製時の作業性、バウムクーヘン焼成時の生地の状態、及び、焼成されたバウムクーヘンの状態を評価した。結果を表1に示した。
なお、上記バウムクーヘンの製造と評価は、30年以上のパン菓子製造の経験を有する職人が、以下の評価基準を参考にして経験に基づき行った。
バウムクーヘン生地調製のし易さ
◎:調製が容易である
○:調製が比較的容易である
△:調製にはやや経験を必要とする
×:調製できない、又は、相当の経験を必要とする
焼成時のバウムクーヘン生地の状態
◎:生地の状態を維持するのが容易である
○:生地の状態を維持するのが比較的容易である
△:生地の状態を維持するのにはやや経験を要する
×:生地が調製できない、又は、生地の状態を維持するのに相当の経験を要する
焼成されたバウムクーヘンの状態
◎:生地目が揃い、きれいな層が形成されて非常に良好
○:生地目が揃い、許容範囲の均一な層が形成されて良好
△:生地目がやや不揃いで、層にやや不均一な部分が見られる
×:製造できない、又は、生地目が不均一で層が不均一であり不良
表2の配合にしたがって比較例3、4及び実施例3、4のバウムクーヘン生地を調製した。すなわち、縦型ミキサーを使用して、水中油型乳化物(及び/又は起泡性ショートニング)、全卵、糖類、洋酒、食塩及びベーキングバウダーをよく混ぜ合わせた。その後、粉類と香料を混合し、ミキシングにより、比重を0.50に調整した。予め湯煎により溶かしたマーガリン及びサラダ油を加え、生地を調整した(最終比重0.50)。なお、比較例1は、最初に糖類とマーガリンとを混合するシュガーバッター法により生地を調製した(最終比重0.70)。
バウムクーヘン焼成器(SCHLEE社製)、及び、比較例3、4及び実施例3、4のバウムクーヘン生地を使用して、14層を有するバウムクーヘンを製造した。
<バウムクーヘンの製造1及び評価1>と同様の基準にしたがって、バウムクーヘン生地調製時の作業性、バウムクーヘン焼成時の生地の状態、及び、焼成されたバウムクーヘンの状態を評価した。結果を表2に示した。
なお、上記バウムクーヘンの製造と評価は、30年以上のパン菓子製造の経験を有する職人が、<バウムクーヘンの製造1及び評価1>と同様の評価基準を参考にして経験に基づき行った。
Claims (5)
- 100質量部の穀物粉及び/又は澱粉に対して3~35質量部の水中油型乳化物を含有するバウムクーヘン生地であって、
前記水中油型乳化物は12~40質量%の水を含み、
前記水中油型乳化物に占める乳化剤の含有量が7~19質量%であり、
前記乳化剤はグリセリン脂肪酸エステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステルとグリセリンモノ飽和脂肪酸エステルと、を少なくとも含み、前記グリセリンモノ飽和脂肪酸エステルを構成する飽和脂肪酸の炭素数は14~18であり、かつ、
前記水中油型乳化物に占める、前記グリセリンモノ飽和脂肪酸エステルの含有量は5~11質量%であり、前記グリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤の含有量は3質量%以下である、前記バウムクーヘン生地。 - 100質量部の穀物粉及び/又は澱粉に対して140~300質量部の全卵を含む、請求項1に記載のバウムクーヘン生地。
- 前記穀物粉が、4質量%以上の食物繊維を含有する穀物粉を含む、請求項1又は2に記載のバウムクーヘン生地。
- 比重が0.63以下である、請求項1から3の何れか1項に記載のバウムクーヘン生地。
- 請求項1から4の何れか1項に記載のバウムクーヘン生地の焼成された薄層が、多層に積層した状態にある、バウムクーヘン。
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JP2018193310A JP7271125B2 (ja) | 2018-10-12 | 2018-10-12 | バウムクーヘン生地及びバウムクーヘン |
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JP2004016187A (ja) | 2002-06-20 | 2004-01-22 | Miyoshi Oil & Fat Co Ltd | 食品用起泡剤組成物及びその製造方法 |
WO2016042778A1 (ja) | 2014-09-18 | 2016-03-24 | 株式会社カネカ | 新規な練り込み用起泡性水中油型乳化物 |
JP2016073278A (ja) | 2014-10-03 | 2016-05-12 | ミヨシ油脂株式会社 | 起泡性水中油型乳化物、焼成品、及び焼成品の製造方法 |
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