JP2008154578A - クリームコロッケ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】中の具材のクリーミー感を損なわず、著しくゲル状の食感になることなく、良好な食感を有し、かつパンク現象の起こりにくいクリームコロッケを提供する。
【解決手段】クリームコロッケに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを1.0〜5.0質量%含有するホワイトソース具材を使用する。更には、乳清タンパク質及び/又は脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを含有する。
【選択図】なし
【解決手段】クリームコロッケに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを1.0〜5.0質量%含有するホワイトソース具材を使用する。更には、乳清タンパク質及び/又は脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを含有する。
【選択図】なし
Description
本発明はクリームコロッケ及びその製造方法に関する。詳細には、中の具材のクリーミー感を損なわず、著しくゲル状の食感になることなく、良好な食感を有し、かつ衣の破裂(パンク)現象の起こりにくいクリームコロッケ及びその製造方法に関する。
ホワイトソースを具材とするクリームコロッケは、衣のサクサクした香ばしい食感、風味と、中身のホワイトソースの滑らかでクリーミーな食感、風味が特徴である。しかし、クリームコロッケは油調する際、衣の破裂(パンク)現象が頻繁に起こることが問題となっている。パンク現象の原因としては、具材中に含まれている水分が加熱により気化して膨張し、その結果衣が破裂すると考えられ、特にクリームコロッケは、具材であるホワイトソースの水分量が多く、パンク現象が起こりやすい。パンク現象を抑える方法として、例えば、油脂、酵素処理卵黄、メチルセルロース及び水を含有する酸性水中油型乳化物を配してなるフライ食品(特許文献1)がある。一方、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、保健機能食品たるカプセル剤及び錠剤に使用できること(特許文献2)、ヒドロキシプロピルセルロースは、従来、医薬品の錠剤・顆粒剤の滑沢剤、コーティング剤などに使用できることが知られている(特許文献2〜3など)。しかし、クリームコロッケへの応用は開示されていない。
本発明は、油調する際に生じる衣の破裂(パンク)現象を防止したクリームコロッケ及びその製造方法に関する。上述のように、クリームコロッケは油調工程を有する食品の中で、特に具材であるホワイトソースの水分量が多く、パンク現象が起こりやすい。パンク現象が生じると、油が飛び散ることがあり、調理者に危険で、更には、コロッケの具材があふれ出し、油が汚れてしまうといった不都合があった。
上記クリームコロッケのパンク現象に関し、メチルセルロースの使用により防止できることが特許文献1に記載されている。しかし、メチルセルロースを使用した場合、パンク現象の防止効果は得られるものの、中の具材がクリーミー感を損ない、著しくゲル状の食感になるなどの食感に関する問題点があり、パンク現象の防止かつ食感も良好なクリームコロッケの提供には、改善の余地があった。
本発明は、かかる上記事情に鑑みなされたものであって、中の具材のクリーミー感を損なわず、著しくゲル状の食感になることなく、良好な食感を有し、かつパンク現象の起こりにくいクリームコロッケに関する。
本発明者らは、クリームコロッケに使用する具材について鋭意研究を重ねたところ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを含有するホワイトソース具材を使用することにより、中の具材がクリーミー感を損ない、著しくゲル状の食感になることなく、パンク現象の起こりにくいクリームコロッケを調製することができることを見出した。更には、乳清タンパク質及び/又は脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを併用することにより、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースの添加量を大きく減少できることを見出した。セルロース類の総添加量が減少できることにより、よりクリームコロッケに適したクリーミーな食感が保持され、更にはパンク現象の防止がより効果的となることを見出した。
すなわち、本発明は以下の態様を有する;
項1.ホワイトソース具材中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを1.0〜5.0質量%含有するクリームコロッケ。
項2.更に、乳清タンパク質を併用することを特徴とする請求項1に記載のクリームコロッケ。
項3.更に、脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを併用することを特徴とする請求項1又は2に記載のクリームコロッケ。
項4.ホワイトソース具材中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを0.1〜2.0質量%含有する、請求項2又は3に記載のクリームコロッケ。
項5.ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを1.0〜5.0質量%含有することを特徴とする衣の破裂が防止されたクリームコロッケの製造方法。
項6.更に、乳清タンパク質を併用することを特徴とする請求項5に記載の衣の破裂が防止されたクリームコロッケの製造方法。
項7.更に、脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを併用することを特徴とする請求項5又は6に記載の衣の破裂が防止されたクリームコロッケの製造方法。
項1.ホワイトソース具材中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを1.0〜5.0質量%含有するクリームコロッケ。
項2.更に、乳清タンパク質を併用することを特徴とする請求項1に記載のクリームコロッケ。
項3.更に、脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを併用することを特徴とする請求項1又は2に記載のクリームコロッケ。
項4.ホワイトソース具材中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを0.1〜2.0質量%含有する、請求項2又は3に記載のクリームコロッケ。
項5.ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを1.0〜5.0質量%含有することを特徴とする衣の破裂が防止されたクリームコロッケの製造方法。
項6.更に、乳清タンパク質を併用することを特徴とする請求項5に記載の衣の破裂が防止されたクリームコロッケの製造方法。
項7.更に、脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを併用することを特徴とする請求項5又は6に記載の衣の破裂が防止されたクリームコロッケの製造方法。
本発明により、中の具材のクリーミー感を損なわず、著しくゲル状の食感になることなく、良好な食感を有し、かつパンク現象の起こりにくいクリームコロッケを調製できるようになった。更には、乳清タンパク質及び/又は脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを併用することにより、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースの添加量を大きく減少できるようになった。セルロース類の総添加量が減少できることによって、クリームコロッケに適したクリーミーな食感が保持され、更にはパンク現象がより効果的に防止されたクリームコロッケを調製できるようになった。
本発明のクリームコロッケは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを含有するホワイトソース具材を使用することを特徴とする。
本発明で使用するヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、「HPMC」と言う)及び/又はヒドロキシプロピルセルロース(以下、「HPC」と言う)は、水溶性セルロースエーテルの一種である。本発明で使用するHPMC及びHPCは商業上入手することが出来、例えば、HPMCとしては信越化学工業株式会社製のメトローズ〔登録商標〕SE−50やメトローズ〔登録商標〕NE−4000、メトローズ〔登録商標〕SFE−4000、HPCとしては、HERCULES社製(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社販売)のAeroWhip〔登録商標〕640などを挙げることができる。
HPMC及び/又はHPCのホワイトソース具材への添加量としては、ホワイトソース具材に対して、1.0〜5.0質量%、好ましくは、1.0〜2.0質量%を挙げることができる。好ましいHPMCの添加量について、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が60mPa・s程度未満のものをホワイトソース具材に対して、1.0〜5.0質量%、好ましくは、1.0〜2.0質量%、また同条件下での粘度が4000mPa・s程度のものであれば、好ましくは1.0〜2.0質量%を挙げることができる(例えば、前者商品としてSE−50、後者商品としてNE−4000を使用することができる)。また、これらの粘度を適時調整するか、或いは適宜組み合わせて、粘度が60〜4000mPa・s程度のHPMCを調製し、使用することができる。また、好ましいHPCの添加量について、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が5000mPa・s以上のものを、ホワイトソース具材に対して、1.0〜5.0質量%、好ましくは1.0〜2.0質量%を挙げることができる。この範囲で添加して使用することにより、中の具材の食感がクリーミー感を損なう著しいゲル状食感となるのを抑制することができる。更には、HPMCとHPCを適宜組み合わせて添加することもできる。
本発明で使用する乳清タンパク質は、常法により製造されたものを用いることができる。乳清(ホエー)タンパク質は、乳(脱脂乳)を20℃でpH4.6にした際の可溶性画分(乳清)中、またはチーズ製造の際の副産物中に存在するタンパク質画分である。本発明で用いる乳の由来としては、牛、ヤギ、羊、馬等の何れの哺乳動物のものであってもよいが、特に、牛乳由来の乳清を原料としたものが好ましく、更には乾物換算で蛋白質含有量が80%以上のものがより好ましい。本発明で用いることができる乳清タンパク質として、例えば、乳清タンパク質濃縮物(WPC)、乳清タンパク質単離物(WPI)等が挙げられる。中でも、ゲル化力の高い、具体的には、乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で10N/cm2以上、より好ましくは12N/cm2以上のものをいう。具体的には、簡便には商業的に入手することができ、かかるものとして、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のミルプロ[登録商標]NO.142等を挙げることができる。
本発明で使用する乳清タンパク質の添加量としては、ホワイトソース具材に対して、0.1〜1.0質量%、好ましくは、0.2〜0.7質量%を挙げることができる。
本発明で使用する脱アシル型ジェランガムは、Sphingomonas elodeaが産出する発酵多糖類であり、1−3結合したグルコース、1−4結合したグルクロン酸、1−4結合したグルコース及び1−4結合したラムノースの4分子の糖を構成単位とする直鎖状の高分子多糖類であり、1構成単位当たりカルボキシル基1残基を有するものである。本発明で使用する脱アシル型ジェランガムは商業上入手することが出来、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のゲルアップ[登録商標]K−S(F)やCPKelco社製のケルコゲル[登録商標]などを挙げることができる。
本発明で使用する脱アシル型ジェランガムの添加量としては、ホワイトソース具材に対して、0.01〜0.15質量%、好ましくは、0.05〜0.1質量%を挙げることができる。
本発明で使用するカルシウムとしては、水溶性カルシウム塩を用いることができ、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、乳清カルシウム等が挙げられる。中でも乳酸カルシウムを使用するのが好ましい。
本発明で使用するカルシウムの添加方法としては、ホワイトソース具材へ添加する脱アシル型ジェランガムに予め混合することを例示できる。その場合のカルシウムの添加量としては、脱アシル型ジェランガム1質量%に対して、カルシウムとして0.001質量%以上、好ましくは、0.01質量%以上を使用すると良い。一方、カルシウムの添加量が多すぎるとクリームコロッケの具材であるホワイトソースのクリーミー感が損なわれ、ゲル状となり、著しく食感が悪くなるため、カルシウムの添加量としては、脱アシル型ジェランガム1質量%に対して、カルシウムとして0.05質量%以下、好ましくは、0.02質量%以下が好ましい。
本発明で使用するカルシウムの添加方法としては、ホワイトソース具材へ添加する脱アシル型ジェランガムに予め混合せずとも、直接もしくはカルシウムを溶媒にて溶解後、ホワイトソース具材に添加することを例示できる。その際の添加量としては、脱アシル型ジェランガム1質量%に対して、カルシウムとして0.01質量%以上使用するのが好ましい。一方、カルシウムの添加量が多すぎるとクリームコロッケの具材であるホワイトソースのクリーミー感が損なわれ、ゲル状となり、著しく食感が悪くなるため、カルシウムの添加量としては、脱アシル型ジェランガム1質量%に対して、カルシウムとして0.05質量%以下、好ましくは、0.02質量%以下が好ましい。
乳清タンパク質を併用する場合のHPMCのホワイトソース具材への添加量としては、ホワイトソース具材に対して、0.1〜2.0質量%、好ましくは、0.2〜1.5質量%を挙げることができる。より詳細には、好ましいHPMCの添加量について、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が60mPa・s程度未満のものを1.0〜2.0質量%、好ましくは、1.0〜1.3質量%、また同条件下での粘度が4000mPa・s程度のものであれば、好ましくは0.2〜1.0質量%を挙げることができる(例えば、前者商品としてSE−50、後者商品としてNE−4000を使用することができる)。例えば、乳清タンパク質とHPMCの配合割合として、好ましくは、ホワイトソース具材に対して乳清タンパク質が0.2質量%の時、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が60mPa・s程度未満のHPMCの添加量を1.3質量%、また、ホワイトソース具材に対して乳清タンパク質が0.7質量%の時、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が60mPa・s程度未満のHPMCの添加量として1.0質量%を挙げることができる。この範囲で添加して使用することにより、中の具材のクリーミー感を損なわず、著しくゲル状の食感になることなく、良好な食感を有し、かつパンク現象の起こりにくいクリームコロッケを調製することができる。更には、HPMCとHPCを適宜組み合わせて添加することもできる。
乳清タンパク質を併用する場合のHPCのホワイトソース具材への添加量としては、ホワイトソース具材に対して、0.1〜2.0質量%、好ましくは、0.5〜2.0質量%を挙げることができる。より詳細には、好ましいHPCの添加量として、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が5000mPa・s以上のものを好ましくは1.5〜2.0質量%を挙げることができる。
例えば、乳清タンパク質とHPCの配合割合として、好ましくは、ホワイトソース具材に対して乳清タンパク質が0.2質量%の時、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が5000mPa・s以上のHPCの添加量を1.5質量%、また、ホワイトソース具材に対して乳清タンパク質が0.7質量%の時、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が5000mPa・s以上のHPCの添加量として1.0質量%を挙げることができる。この範囲で添加して使用することにより、中の具材のクリーミー感を損なわず、著しくゲル状の食感になることなく、良好な食感を有し、かつパンク現象の起こりにくいクリームコロッケを調製することができる。
例えば、乳清タンパク質とHPCの配合割合として、好ましくは、ホワイトソース具材に対して乳清タンパク質が0.2質量%の時、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が5000mPa・s以上のHPCの添加量を1.5質量%、また、ホワイトソース具材に対して乳清タンパク質が0.7質量%の時、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が5000mPa・s以上のHPCの添加量として1.0質量%を挙げることができる。この範囲で添加して使用することにより、中の具材のクリーミー感を損なわず、著しくゲル状の食感になることなく、良好な食感を有し、かつパンク現象の起こりにくいクリームコロッケを調製することができる。
乳清タンパク質、脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを併用する場合のHPMCのホワイトソース具材への添加量としては、ホワイトソース具材に対して、0.1〜1.0質量%、好ましくは、0.2〜0.7質量%を挙げることができる。より詳細には、好ましいHPMCの添加量について、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が60mPa・s程度未満のものを0.5〜1.0質量%、好ましくは、0.5〜0.7質量%、また同じ条件での粘度が60〜4000mPa・s程度のものを、好ましくは0.2〜0.5質量%を挙げることができる。例えば、乳清タンパク質、脱アシル型ジェランガム及びカルシウムとHPMCの配合割合として、好ましくは、ホワイトソース具材に対して乳清タンパク質を0.6質量%、脱アシル型ジェランガムを0.08質量%、乳酸カルシウムを0.015質量%の時、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が60mPa・s程度未満のHPMCの添加量として0.5質量%を挙げることができる。この範囲で添加して使用することにより、中の具材のクリーミー感を損なわず、著しくゲル状の食感になることなく、良好な食感を有し、かつパンク現象の起こりにくいクリームコロッケを調製することができる。
乳清タンパク質、脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを併用する場合のHPCのホワイトソース具材への添加量としては、ホワイトソース具材に対して、0.5〜1.0質量%、好ましくは、0.5〜0.7質量%を挙げることができる。好ましいHPCの添加量として、BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が5000mPa・s以上のものを、好ましくは0.5〜0.7質量%を挙げることができる。この範囲で添加して使用することにより、中の具材のクリーミー感を損なわず、著しくゲル状の食感になることなく、良好な食感を有し、かつパンク現象の起こりにくいクリームコロッケを調製することができる。
更に、本発明では、上記の各成分に加えて、通常ホワイトソース具材に使用される原料、例えば、乳原料、油脂、澱粉、乳化剤、糖類、増粘多糖類・ゲル化剤などを使用することができる。
例えば、乳原料として、生乳、牛乳、特別牛乳、脱脂乳、加工乳、乳飲料、生クリーム、コンパウンドクリーム、濃縮調整乳、バター、脱脂粉乳、全脂粉乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、脱脂乳濃縮乳、発酵乳等などを挙げることができる。
油脂は、食用に使用できるものであれば特に制限されず、植物油脂、動物油脂あるいはこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル交換油脂の中から一種或いは二種以上を併用して用いることができる。植物油脂の例としては、コーン油、綿実油、ヤシ油、パーム油、大豆油、ゴマ油、こめ油、サフラワー油、落花生油、菜種油、ひまわり油、カカオ脂、オリーブ油及びパーム核油、植物性ステロール、植物性スタノール、ステロールエステル、中鎖脂肪酸、動物油脂として、乳脂、豚脂、牛脂、魚油、獣脂等を挙げることができる。
澱粉としても特に制限はなく、小麦粉等の小麦由来の澱粉、ワキシーコーンスターチやコーンスターチ等のトウモロコシ由来の澱粉、タピオカ澱粉、サツマイモ由来の澱粉、ジャガイモ由来の澱粉、サゴヤシ由来の澱粉等やそれらの加工澱粉や澱粉加水分解物、還元澱粉分解物などを適宜選択して用いることができる。
乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸塩、ユッカ抽出物、サポニン、レシチン、ポリソルベート等を挙げることができる。
糖類としては、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)等を挙げることができる。また、甘味料として、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アリテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料等を使用することもできる。
増粘多糖類・ゲル化剤としては、例えば、キサンタンガム、グァーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、カラギナン、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カードラン、アラビアガム、カラヤガム、ガティガム、サイリウムシードガム、ネイティブ型ジェランガム、タラガム、プルラン、ラムザンガム、マクロホモプシスガム、大豆多糖類(水溶性ヘミセルロース)、HPMCやHPC以外の水溶性セルロースエーテル(メチルセルロースなど)やゼラチンなどを挙げることができる。
更には、必要に応じて、膨張剤、調味料、香料、色素、蛋白質、酸化防止剤、日持ち向上剤、保存料その他の添加剤を添加しても構わない。
本発明のクリームコロッケは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及び/又はヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を含有するホワイトソース具材を使用する以外は、常法により調製することができる。例えば、ホワイトソース具材の調製方法として、水に乳原料、小麦粉等の澱粉、調味料などの粉体混合物を加え攪拌溶解した後、攪拌しながら油脂及びHPMC及び/又はHPC、必要に応じて乳清タンパク質及び/又は脱アシル型ジェランガム及びカルシウム塩を加えて、攪拌しながら加温し、70〜90℃程度まで加温した後、全量補正したものを冷却して具材を調製する方法を挙げることができる。この具材を適量に分けて成型し、小麦粉、バッター、パン粉の順に適量塗布して、必要に応じて冷凍保存した後、油調して、クリームコロッケを調製する方法を例示することができるが、コロッケを調製できる方法であれば、特に限定されない。
更に、本発明では、クリームコロッケと同様に水分量が多く、パンク現象の起りやすい具材を包含し、油調等して調製する食品であれば効果を奏する。例えば、メンチカツ・エビカツコーンクリームコロッケ・卵サラダコロッケ・つみれコロッケ・魚肉コロッケ・ビーフコロッケ等の具材、小龍包や肉まん・春巻き・餃子・シュウマイ等を揚物とした際の具材、ミートボール等を揚物とした際の具材、カレーパン・シチューパン等を揚物とした際の具材、アイスクリームコロッケ・天ぷら等の具材を例示することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、処方中、特に記載がない限り単位は「質量部」を示す。
実験例1:クリームコロッケの調製
(1)ホワイトソース具材の調製
下記表1に掲げる処方のうち、イオン交換水及び牛乳の混合液に、小麦粉、脱脂粉乳、調味料、食塩及び胡椒の粉体混合物を加え撹拌溶解したものに、撹拌しながら、マーガリン、サラダ油、たん白加工食品及びHPMC(HPC、比較例はMC(メチルセルロース))の混合物を添加し、撹拌しながら80℃まで加熱する。80℃達温で加熱を止め、イオン交換水にて全量を補正した後5℃まで冷却して、ホワイトソース具材を調製した。
(1)ホワイトソース具材の調製
下記表1に掲げる処方のうち、イオン交換水及び牛乳の混合液に、小麦粉、脱脂粉乳、調味料、食塩及び胡椒の粉体混合物を加え撹拌溶解したものに、撹拌しながら、マーガリン、サラダ油、たん白加工食品及びHPMC(HPC、比較例はMC(メチルセルロース))の混合物を添加し、撹拌しながら80℃まで加熱する。80℃達温で加熱を止め、イオン交換水にて全量を補正した後5℃まで冷却して、ホワイトソース具材を調製した。
HPMC;メトローズ〔登録商標〕SE-50;信越化学工業株式会社製(BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液粘度が60mPa・s程度未満のもの (実測値39.1mPa・s))
注2)HPC;AeroWhip〔登録商標〕640; HERCULES社製 (BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20度)時の2%水溶液粘度が5000mPa・s以上)
注3)MC;メトローズ〔商標〕MCE-15;信越化学工業株式会社製(BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液粘度が15mPa・s程度のもの)
注4)MC;メトローズ〔商標〕MCE-4000;信越化学工業株式会社製BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液粘度が4000mPa・s程度のもの)
注2)HPC;AeroWhip〔登録商標〕640; HERCULES社製 (BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20度)時の2%水溶液粘度が5000mPa・s以上)
注3)MC;メトローズ〔商標〕MCE-15;信越化学工業株式会社製(BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液粘度が15mPa・s程度のもの)
注4)MC;メトローズ〔商標〕MCE-4000;信越化学工業株式会社製BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液粘度が4000mPa・s程度のもの)
(2)成型及び油調
予め、バッターミックスに10℃のイオン交換水を加え充分に混合して、表2に示す処方にてバッターを調製した。5℃のホワイトソース具材を良くかき混ぜ30gずつ秤量し、それを小麦粉(薄力粉)、前述のバッター、パン粉の順に適量塗布して、俵型に成形した。−40℃で1時間急速凍結した後、その後冷凍庫へ移し一晩保存した。翌日、冷凍状態のクリームコロッケを170℃の油で6分間揚げて、クリームコロッケを調製した。フライ時の様子、フライ直後の状態及びそれを割った状態を観察した。結果を表3に示す。
予め、バッターミックスに10℃のイオン交換水を加え充分に混合して、表2に示す処方にてバッターを調製した。5℃のホワイトソース具材を良くかき混ぜ30gずつ秤量し、それを小麦粉(薄力粉)、前述のバッター、パン粉の順に適量塗布して、俵型に成形した。−40℃で1時間急速凍結した後、その後冷凍庫へ移し一晩保存した。翌日、冷凍状態のクリームコロッケを170℃の油で6分間揚げて、クリームコロッケを調製した。フライ時の様子、フライ直後の状態及びそれを割った状態を観察した。結果を表3に示す。
表3より、具材にHPMCを使用した実施例1、HPCを使用した実施例2は、パンクもなく、また、具材にもクリーミー感を損なう著しいゲル化は見られず、良好なクリームコロッケとなった。また、具材にHPMCとHPCを併用した実施例3は、実施例1及び実施例2と同様に衣のパンクもなく、更には、ホワイトソースの粘りを抑え、良好なクリーミー感が付与されたクリームコロッケとなった。それに対して、MC使用の比較例1〜2は、パンクはないものの、フライ後の具材は著しくゲル化しており、クリーミー感が全く感じられないものとなった。
実験例2:クリームコロッケの調製
(1)ホワイトソース具材の調製
下記表4に掲げる処方のうち、イオン交換水及び牛乳の混合液に、小麦粉、加工でん粉、脱脂粉乳、調味料、食塩及び胡椒の粉体混合物を加え撹拌溶解したものに、撹拌しながら、マーガリン、サラダ油、たん白加工品、HPMC又はHPC、及び乳清タンパク質の混合物を添加し、撹拌しながら80℃まで加熱する。80℃達温で加熱を止め、イオン交換水にて全量を補正した後5℃まで冷却して、ホワイトソース具材を調製した。
(1)ホワイトソース具材の調製
下記表4に掲げる処方のうち、イオン交換水及び牛乳の混合液に、小麦粉、加工でん粉、脱脂粉乳、調味料、食塩及び胡椒の粉体混合物を加え撹拌溶解したものに、撹拌しながら、マーガリン、サラダ油、たん白加工品、HPMC又はHPC、及び乳清タンパク質の混合物を添加し、撹拌しながら80℃まで加熱する。80℃達温で加熱を止め、イオン交換水にて全量を補正した後5℃まで冷却して、ホワイトソース具材を調製した。
注1)HPMC;メトローズ〔登録商標〕SE-50;信越化学工業株式会社製(BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液粘度が60mPa・s程度未満のもの (実測値39.1mPa・s))
注2)HPC;AeroWhip〔登録商標〕640; HERCULES社製 (BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が5000mPa・s以上)
注3)乳清タンパク質;ミルプロ〔登録商標〕NO.142;三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
注2)HPC;AeroWhip〔登録商標〕640; HERCULES社製 (BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が5000mPa・s以上)
注3)乳清タンパク質;ミルプロ〔登録商標〕NO.142;三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
(2)成型及び油調
予め、バッターミックスに10℃のイオン交換水を加え充分に混合して、表5に示す処方にてバッターを調製した。5℃のホワイトソース具材を良くかき混ぜ30gずつ秤量し、それを小麦粉(薄力粉)、前述のバッター、パン粉の順に適量塗布して、俵型に成形した。−40℃で1時間急速凍結した後、その後冷凍庫へ移し一晩保存した。翌日、冷凍状態のクリームコロッケを170℃の油で6分間揚げて、クリームコロッケを調製した。フライ時の様子、フライ直後の状態及びそれを割った状態を観察した。結果を表6に示す。
予め、バッターミックスに10℃のイオン交換水を加え充分に混合して、表5に示す処方にてバッターを調製した。5℃のホワイトソース具材を良くかき混ぜ30gずつ秤量し、それを小麦粉(薄力粉)、前述のバッター、パン粉の順に適量塗布して、俵型に成形した。−40℃で1時間急速凍結した後、その後冷凍庫へ移し一晩保存した。翌日、冷凍状態のクリームコロッケを170℃の油で6分間揚げて、クリームコロッケを調製した。フライ時の様子、フライ直後の状態及びそれを割った状態を観察した。結果を表6に示す。
表6より、具材にHPMC及び乳清タンパク質を使用した実施例4は、パンクもなく、また、具材においても、クリーミー感を損なう著しいゲル化は見られず、良好なクリームコロッケとなった。また、HPMCのみ使用の実施例6と比較して、乳清タンパク質と併用することでHPMCの添加量を大きく削減でき、パンク現象防止効果を保持しながら食感もより良好なものとなった。更に、実施例4と同量のHPMCのみを使用した実施例8と比較して、乳清タンパク質を併用することでパンク現象防止効果を保持した良好な食感のクリームコロッケとなった。
また、具材にHPC及び乳清タンパク質を使用した実施例5は、パンクもなく、また、具材にもクリーミー感を損なう著しいゲル化は見られず、良好なクリームコロッケとなった。更に、HPCのみ使用の実施例7と比較して、乳清タンパク質と併用することでHPCの添加量を大きく削減でき、パンク現象防止効果を保持しながら、食感もより良好なものとなった。更に、実施例5と同量のHPCのみを使用した実施例9と比較して、乳清タンパク質を併用することでパンク現象防止効果を保持した良好な食感のクリームコロッケとなった。
また、具材にHPC及び乳清タンパク質を使用した実施例5は、パンクもなく、また、具材にもクリーミー感を損なう著しいゲル化は見られず、良好なクリームコロッケとなった。更に、HPCのみ使用の実施例7と比較して、乳清タンパク質と併用することでHPCの添加量を大きく削減でき、パンク現象防止効果を保持しながら、食感もより良好なものとなった。更に、実施例5と同量のHPCのみを使用した実施例9と比較して、乳清タンパク質を併用することでパンク現象防止効果を保持した良好な食感のクリームコロッケとなった。
実験例3:クリームコロッケの調製
(1)ホワイトソース具材の調製
下記表7に掲げる処方のうち、イオン交換水及び牛乳の混合液に、小麦粉、加工でん粉、脱脂粉乳、調味料、食塩及び胡椒の粉体混合物を加え撹拌溶解したものに、撹拌しながら、マーガリン、サラダ油、たん白加工品、HPMC又はHPC、乳清タンパク質、及び脱アシル型ジェランガム及び乳酸カルシウムの混合物を添加し、撹拌しながら80℃まで加熱する。80℃達温で加熱を止め、イオン交換水にて全量を補正した後5℃まで冷却して、ホワイトソース具材を調製した。
(1)ホワイトソース具材の調製
下記表7に掲げる処方のうち、イオン交換水及び牛乳の混合液に、小麦粉、加工でん粉、脱脂粉乳、調味料、食塩及び胡椒の粉体混合物を加え撹拌溶解したものに、撹拌しながら、マーガリン、サラダ油、たん白加工品、HPMC又はHPC、乳清タンパク質、及び脱アシル型ジェランガム及び乳酸カルシウムの混合物を添加し、撹拌しながら80℃まで加熱する。80℃達温で加熱を止め、イオン交換水にて全量を補正した後5℃まで冷却して、ホワイトソース具材を調製した。
HPMC;メトローズ〔登録商標〕SE-50;信越化学工業株式会社製(BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20度)時の2%水溶液の粘度が60mPa・s程度未満のもの (実測値39.1mPa・s))
注2)HPC;AeroWhip〔登録商標〕640; HERCULES製 (BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が5000mPa・s以上)
注3)乳清タンパク質;ミルプロ〔登録商標〕NO.142;三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
注4)脱アシル型ジェランガム;ケルコゲル〔登録商標〕;CPKelco社製
注5)乳酸カルシウム;乳酸カルシウム・5水和物
注2)HPC;AeroWhip〔登録商標〕640; HERCULES製 (BL形回転粘度計を用い、回転数を60rpmにて測定した時の、室温(20℃)時の2質量%水溶液の粘度が5000mPa・s以上)
注3)乳清タンパク質;ミルプロ〔登録商標〕NO.142;三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
注4)脱アシル型ジェランガム;ケルコゲル〔登録商標〕;CPKelco社製
注5)乳酸カルシウム;乳酸カルシウム・5水和物
(2)成型及び油調
予め、バッターミックスに10℃のイオン交換水を加え充分に混合して、表8に示す処方にてバッターを調製した。5℃のホワイトソース具材を良くかき混ぜ30gずつ秤量し、それを小麦粉(薄力粉)、前述のバッター、パン粉の順に適量塗布して、俵型に成形した。−40℃で1時間急速凍結した後、その後冷凍庫へ移し一晩保存した。翌日、冷凍状態のクリームコロッケを170℃の油で6分間揚げて、クリームコロッケを調製した。フライ時の様子、フライ直後の状態及びそれを割った状態を観察した。結果を表9に示す。
予め、バッターミックスに10℃のイオン交換水を加え充分に混合して、表8に示す処方にてバッターを調製した。5℃のホワイトソース具材を良くかき混ぜ30gずつ秤量し、それを小麦粉(薄力粉)、前述のバッター、パン粉の順に適量塗布して、俵型に成形した。−40℃で1時間急速凍結した後、その後冷凍庫へ移し一晩保存した。翌日、冷凍状態のクリームコロッケを170℃の油で6分間揚げて、クリームコロッケを調製した。フライ時の様子、フライ直後の状態及びそれを割った状態を観察した。結果を表9に示す。
表9より、具材にHPMC、乳清タンパク質、脱アシル型ジェランガム及び乳酸カルシウムを使用した実施例10は、パンクもなく、また、具材であるホワイトソースにもほとんどゲル化は見られず、少し流動性のある良好なクリーミー食感のクリームコロッケとなった。また、HPMCのみ使用の実施例12に比べ、乳清タンパク質、脱アシル型ジェランガム及び乳酸カルシウムを併用することで、HPMCの添加量を4分の1に削減でき、パンク現象防止効果を保持しながら、食感もより良好なものとなった。一方、実施例10と同量のHPMCのみを使用した比較例3は、食感はクリーミー感を有し良好であったが、小さなパンクがいくつか生じ、パンク防止効果は不十分であった。
具材にHPC、乳清タンパク質、脱アシル型ジェランガム及び乳酸カルシウムを使用した実施例11は、パンクもなく、また、具材もほとんどゲル化は見られず、やや流動性のあるクリーミーな食感の、良好なクリームコロッケとなった。HPCのみ使用の実施例13に比べ、乳清タンパク質及び脱アシル型ジェランガム及び乳酸カルシウムを併用することで、HPCの添加量を4分の1に削減でき、パンク現象防止効果を保持しながら、食感もより良好なものとなった。一方、実施例11と同量のHPCのみを使用した比較例4は、食感はクリーミー感を有し良好であったが、小さなパンクがいくつか生じ、パンク防止効果は不十分であった。
具材にHPC、乳清タンパク質、脱アシル型ジェランガム及び乳酸カルシウムを使用した実施例11は、パンクもなく、また、具材もほとんどゲル化は見られず、やや流動性のあるクリーミーな食感の、良好なクリームコロッケとなった。HPCのみ使用の実施例13に比べ、乳清タンパク質及び脱アシル型ジェランガム及び乳酸カルシウムを併用することで、HPCの添加量を4分の1に削減でき、パンク現象防止効果を保持しながら、食感もより良好なものとなった。一方、実施例11と同量のHPCのみを使用した比較例4は、食感はクリーミー感を有し良好であったが、小さなパンクがいくつか生じ、パンク防止効果は不十分であった。
本発明により、中の具材のクリーミー感を損なわず、著しくゲル状の食感になることなく、良好な食感を有し、かつパンク現象の起こりにくいクリームコロッケを提供できる。
Claims (7)
- ホワイトソース具材中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを1.0〜5.0質量%含有するクリームコロッケ。
- 更に、乳清タンパク質を併用することを特徴とする請求項1に記載のクリームコロッケ。
- 更に、脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを併用することを特徴とする請求項1又は2に記載のクリームコロッケ。
- ホワイトソース具材中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを0.1〜2.0質量%含有する、請求項2又は3に記載のクリームコロッケ。
- ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを1.0〜5.0質量%含有することを特徴とする衣の破裂が防止されたクリームコロッケの製造方法。
- 更に、乳清タンパク質を併用することを特徴とする請求項5に記載の衣の破裂が防止されたクリームコロッケの製造方法。
- 更に、脱アシル型ジェランガム及びカルシウムを併用することを特徴とする請求項5又は6に記載の衣の破裂が防止されたクリームコロッケの製造方法。
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JP2007254203A JP2008154578A (ja) | 2006-11-28 | 2007-09-28 | クリームコロッケ及びその製造方法 |
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JP2011000119A (ja) * | 2009-05-19 | 2011-01-06 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | 包餡食品用中種の製造方法とそれを含む食品 |
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JP2016106543A (ja) * | 2014-12-03 | 2016-06-20 | サンマルコ食品株式会社 | 揚げ物の製造方法 |
KR20190046627A (ko) | 2017-10-25 | 2019-05-07 | 유하미카쿠토 가부시키가이샤 | 고로케 풍의 스낵 과자 |
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-
2007
- 2007-09-28 JP JP2007254203A patent/JP2008154578A/ja active Pending
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