JP2007151480A - 油中水型乳化食品の食感改良法 - Google Patents

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Abstract

【発明の課題】乳化安定性に優れ、かつ、得られた乳化物の口溶けが向上し、油っぽさが軽減され良好な食感となるバタークリーム、ファットスプレッド、マーガリン、生チョコレートなどの油中水型乳化食品を提供する。
【解決手段】油中水型乳化食品にガティガムおよび/またはヒドロキシプロピルセルロースあるいは更にカルシウム反応性の多糖類、熱変性した微粒子の乳清タンパク質、微結晶セルロースの1種または2種以上を含有させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、油中水型乳化食品の食感改良法および油中水型乳化食品用の食感改良剤に関する。本発明の油中水型乳化食品の食感改良方法は、バタークリーム、ファットスプレッド、マーガリン、生チョコレートなどに好適に利用される。
従来、バタークリーム、ファットスプレッド、マーガリン、生チョコレートなどの油中水型乳化食品の製造時には、乳化を安定にするために、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルといった乳化剤が必須的に使用されている。一般にこのような乳化剤を使用した場合、乳化剤特有の異味異臭が感じられたり、乳化物の口溶けが悪く、水相部の呈味成分を感じにくくなったりする傾向があり、乳化剤を無添加或いは添加量を減じて乳化物を調製する製法が検討されている。
例えば、カラギナン、ファーセレラン、寒天、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、サイリウムシードガム、グルコマンナン、アルギン酸、ペクチン、ジェランガム、グァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、アルギン酸塩、ペクチンを含有する食物繊維などの、セルロースを除く多糖類を含有し、かつ乳化剤を含有しない油中水型乳化組成物(例えば、特許文献1参照)や、油脂含有物に乳化保持剤としてジェランガムを添加する乳化油脂食品が、オーバーラン性がよく、油脂の分離が少なく乳化性に優れた油脂(例えば、特許文献2参照)、乳化剤を用いずに、水で膨潤した化工デンプンを油脂中に分散させた食品練り込み用油脂組成物(例えば、特許文献3参照)、化工澱粉、糖質分解酵素及び食用油脂から成る製パン用油脂組成物(例えば、特許文献4参照)、70〜99重量%を含む油脂組成物であって、95℃以上で実質的に活性がないデンプン分解酵素を含むパン用油脂組成物(例えば、特許文献5参照)、更には油脂結晶の制御に着眼し、油相部に微細結晶を維持する高融点油脂を5〜100重量%含有する乳化剤無添加の油中水型エマルジョン(例えば、特許文献6参照)等が知られている。
しかし、上述の方法では、乳化安定性が充分でなかったり、却って、食感が重たくなったりするなどの問題点がある。そのため、乳化安定性に優れ、なおかつ得られた乳化物の食感が優れている油中水型乳化組成物を得るためには、更に改良の余地があった。
特開2000−245378号公報 特開昭63−169932号公報 特開平08−224057号公報 特開平09−233993号公報 特開平10−248480号公報 特開平10−295271号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたもので、乳化安定性に優れ、乳化剤特有の異味異臭が感じられず、油っぽさ・べたつきが軽減され、口溶けが良好な食感を有し、適度な保形性が付与されたバタークリームなどの油中水型乳化食品を提供することを目的とする。
本発明者は、上述の従来技術では困難であった課題を鋭意検討したところ、バタークリーム、ファットスプレッド、マーガリン、生チョコレートなどの油中水型乳化食品に、ガティガムおよび/またはヒドロキシプロピルセルロースを含有させることによって、油中水型乳化食品の食感を改良することを見いだした。
すなわち、本発明は下記に掲げるものである。
項1.ガティガムおよび/またはヒドロキシプロピルセルロースを含有させることを特徴とする油中水型乳化食品の食感改良法。
項2.さらにカルシウム反応性の多糖類、熱変性した微粒子の乳清タンパク質、微結晶セルロースの1種または2種以上を含有させる項1記載の油中水型乳化食品の食感改良法。
項3.カルシウム反応性の多糖類が脱アシル型ジェランガム、カッパカラギナンまたはLM−ペクチンである項2記載の油中水型乳化食品の食感改良法。
項4.ガティガムおよび/またはヒドロキシプロピルセルロースを含有することを特徴とする油中水型乳化食品用食感改良剤。
項5.さらにカルシウム反応性の多糖類、熱変性した微粒子の乳清タンパク質、微結晶セルロースの1種または2種以上を含有する項4記載の油中水型乳化食品用食感改良剤。
項6.カルシウム反応性の多糖類が脱アシル型ジェランガム、カッパカラギナンまたはLM−ペクチンである項5記載の油中水型乳化食品用食感改良剤。
本発明により、乳化安定性に優れ、かつ、得られた乳化物の口溶けが向上し、油っぽさが軽減され良好な食感となるバタークリームなどの油中水型乳化食品を提供できるようになった。
本発明は、ガティガムおよび/またはヒドロキシプロピルセルロースを含有させることを特徴とする油中水型乳化食品の食感改良法および油中水型乳化食品用の食感改良剤に関する。さらにカルシウム反応性の多糖類、熱変性した微粒子の乳清タンパク質、微結晶セルロースの1種または2種以上を含有させた油中水型乳化食品の食感改良法および油中水型乳化食品用の食感改良剤に関する。
本発明で使用するガティガムは、シクンシ科ガティノキ(Anogeissus Latifolia WALL.)の幹の分泌液を乾燥して得られる、多糖類を主成分とするものであり、増粘安定剤(食品添加物)として公知のガム質である。ガティガムは、商業的に入手可能であり、通常、常温〜加温条件下で、30質量%程度まで水に溶解することができる。
ガティガムの添加量は、最終的に油中水型乳化食品に対して0.01〜3質量%、好ましくは0.05〜1.0質量%、更に好ましくは0.1〜0.5質量%添加されていれば良い。1.0質量%以上であると食感が重たくなる傾向にあり好ましくなく、また0.05質量%以下であると十分な効果を得ることが出来ない。
本発明で使用するヒドロキシプロピルセルロース(以下、「HPC」ともいう)は、天然に広く存在するセルロース(パルプ)を原料とし、これを水酸化ナトリウムで処理した後、プロピレンオキサイド等のエーテル化剤と反応して得られる非イオン性の水溶性セルロースエーテルである。ヒドロキシプロピルセルロースの粘度は、室温(25度)時の2%粘度が1mPa・s〜10万mPa・s程度のものであるが、本発明では粘度が、20℃における2%溶液の粘度が100mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以下(BL型粘度計にて、60rpm、60秒間測定)程度のものを使用するのが好ましい。また、本発明で使用するヒドロキシプロピルセルロースは商業上入手することができ、例えば、ハーキュリーズ社製のクルーセル(KLUCEL)Nutra D、クルーセル Nutra W、Aero Whip 630、などを使用することができる。なお、前記の好ましい粘度を示す製品としては、クルーセルNutra Dなどを挙げることができる。
ヒドロキシプロピルセルロースの添加量は、最終的に油中水型乳化食品に対して0.01〜3質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%添加されていれば良い。3質量%以上であっても更なる効果を望むことが出来ず、0.01質量%以下であるとその効果を十分に得ることが出来ない。
また本発明の油中水型乳化食品の食感改良法には、さらにカルシウム反応性の多糖類、熱変性した微粒子の乳清タンパク質、微結晶セルロースの1種または2種以上を含有させることができる。
カルシウム反応性の多糖類としては、カルシウムと反応性を有する多糖類で有れば特に限定はされないが、特に、脱アシル型ジェランガム、カッパカラギナン及びLM−ペクチンから選ばれる1種以上が好ましく、更に好ましくは、LM−ペクチンを使用するのが好ましい。
本発明で使用する脱アシル型ジェランガムは、Sphingomonas elodeaが産出する発酵多糖類であり、1−3結合したグルコース、1−4結合したグルクロン酸、1−4結合したグルコース及び1−4結合したラムノースの4分子を構成単位とする直鎖状の高分子多糖類である。1構成単位辺りカルボキシル基1残基を有する。脱アシル型ジェランガムの商業的に入手可能な製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のゲルアップ[商標]K−S、ケルコ社製のケルコゲル及びケルコゲルLTなどを挙げることができる。
本発明で使用するカラギナンについて、一般的にカラギナンとして市販されているものは、イオタタイプ、カッパタイプ、ラムダタイプがあり、カルシウム反応性を示すのはカッパタイプのカラギナンであるので、本発明ではカッパカラギナンを使用する。カッパカラギナンの商業的に入手可能な製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のカラギニンCSK−1、カラギニンCSK−2などを挙げることができる。
本発明で使用するLM−ペクチン(ローメトキシルペクチン)は、エステル化度が50%以下、好ましくは、35%以下5%以上のものを使用するのが好ましい。一般に、エステル化度が低くなればなるほど、カチオンとの反応性が高くなるため好ましい。なお、LM−ペクチンは商業的に入手でき、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のビストップ[商標]D−402、ビストップ[商標]D−1382等が挙げられる。
これらカルシウム反応性の多糖類の添加量は、最終的に油中水型乳化食品に対して、0.05〜1.5質量%、好ましくは、0.1〜0.5質量%添加されていれば良い。これよりも少ないと充分な効果を得ることができず、これより多く添加しても、更なる効果が望めないためである。
本発明で使用する熱変性した微粒子の乳清タンパク質とは、高せん断力条件下で乳清タンパク質濃縮素材を熱して、変性した極微粒子を形成させることによって、製造された多機能性乳成分を言う。変性した極微粒子とは、乳化脂肪球とごく近い0.1〜2ミクロン程度の球形である。熱変性した微粒子の乳清タンパク質の製造法としては、チーズ製造時に副産物として得られる甘性乳清を低温殺菌し、脂肪を除去して、限外濾過にて、タンパク質を濃縮しつつ、乳糖やミネラル分を低減させ、その後、更に濃縮し、せん断力を与えながら加熱して変性した微粒子状のタンパク質になるまで加工することにより製造することが出来る。具体的には、特許第2740457号に記載の方法によっても製造することが出来る。
なお、本発明の熱変性した微粒子の乳清タンパク質は、前述のように極微粒子の状態に調整されており、例えば、ゲル状食品の製造工程中加熱しても、熱変性を生じにくい性質を有する。よって、ゲル状食品のタンパク質含量を高くするために添加量を増やしても熱変性による凝集・沈殿等を起こすことが少なく、また、なめらかで軟らかい食感を付与することが出来る。なお、本発明の熱変性した微粒子の乳清タンパク質は、商業上入手することができ、例えば、シンプレス100(CPケルコ社製)等を挙げることができる。
熱変性した微粒子の乳清タンパク質の添加量は、最終的に油中水型乳化食品に対して、0.1〜10質量%、好ましくは、0.3〜1.0質量%添加されていれば良い。これよりも少ないと充分な効果を得ることができず、これより多く添加しても、更なる効果が望めないためである。
本発明で使用する微結晶セルロースは、微結晶セルロースと分散剤や崩壊剤を特定の割合で含有する複合体とした微結晶セルロース製剤を好適に使用することが出来る。微結晶セルロース製剤の製法としては、例えば、パルプを磨砕して得られた微細セルロースを分散剤や崩壊剤と均一に混合して均質なスラリーとしてこれを乾燥することにより得られる方法を挙げることができるが、具体的には、特公昭40−14174号公報、特公昭62−43661号公報、特開平06−335365号公報などに記載のものが使用できる。分散剤や崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロース塩(ナトリウム、カルシウム)、ガラクトマンナン(グァーガム、酵素分解グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等)、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、アラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸及びその塩、カードラン、ガティガム、カラギナン、カラヤガム、寒天、キサンタンガム、サイリウムシードガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、ゼラチン、トラガントガム、ファーセレラン、プルラン、ペクチンなどを使用することが出来る。中でも、好ましいのは、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギナン、カラヤガム、キサンタンガム、ジェランガム、難消化性デキストリン、ペクチンである。また、微結晶セルロースの結晶粒子の大きさとしては、平均粒径20μm以下、好ましくは10μm以下2μm以上である。本発明で使用する微結晶セルロース製剤は商業上入手可能であり、例えば、旭化成工業株式会社製のセオラス製品や、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のビストップ[商標]D−1904、ビストップ[商標]D−1963などを挙げることができる。
微結晶セルロースの添加量は、最終的に油中水型乳化食品に対して、微結晶セルロースとして0.05〜2.0質量%、好ましくは、0.1〜0.5質量%である。これよりも少ないと充分な効果を得ることができず、これより多く添加しても、更なる効果が望めないためである。
本発明の油中水型乳化食品の食感改良法は、バター、マーガリン、低カロリースプレッドを含むファットスプレッド、クリームチーズ、乳化油脂、ショートニングなどの食品に使用することができる。
本発明の食感改良法を用いた油中水型乳化食品は、前記成分を含む他は常法により調製することができる。例えば、ガティガムおよび/またはヒドロキシプロピルセルロース、またはさらにカルシウム反応性の多糖類、熱変性した微粒子の乳清タンパク質、微結晶セルロースの1種または2種以上や他の水溶性配合原料を含む水溶性成分を溶解した水相部を、油溶性成分を含んだ油相部に加え、乳化・均質化した後、加熱殺菌処理し、ボテーター又はコンビネーターのような従来公知の混捏機を用いて急冷混捏することによって得ることができる。
均質化方法も常法により行うことができる。水相部と油相部の両者を予備乳化混合し、予備乳化液を先ず調製した後、この予備乳化液を更に均質化を行ってもよく、更に均質化は、二段階均質化など、均質化を数回繰り返しても良い。均質化は、市販のホモミキサーやホモゲナイザー等の強いせん断力を有する乳化機にて行うことができる。
加熱殺菌は、一般的には原材料を混合、均質化の後プレート式熱交換器やチェーブラ式熱交換器により加熱殺菌する方法を挙げることができるが、乳化物が高粘度になる場合は、原材料を混合、均質化の後、容器に充填して密封した後レトルト殺菌を行う方法などのいずれの方法によってもよい。
本発明の食感改良剤を用いた油中水型乳化食品の好ましい配合量(重量%)は、油相部50〜99%、水相部1〜50%である。調製する食品に応じて適宜調整すればよい。油相部を減らして水相部を増やすと、乳化組成物とすることはできるが、シロップを加えてバタークリームを作成すると、乳化型が油中水型から水中油型へと反転してしまい、安定した乳化状態とはならない可能性がある。この油中水型乳化食品は、バタークリーム、ファットスプレッド、マーガリン、サワークリーム等の乳化食品である。
本発明においては、水溶性成分及び油溶性成分として、前述の他、食塩、糖類、塩類、各種エキス類、香辛料等を用いてもよく、また、上記以外の成分として、通常の油中水型乳化組成物に使用される香料、着色料及び酸化防止剤等を用いることができる。
糖類としては、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)等をあげることができ、粉糖でも液糖でも良い。更に、従来公知若しくは将来知られ得る甘味成分も糖類の代わりに用いることができ、具体的には、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末、等の甘味成分を用いてもよい。更に、塩類としては、ヘキサメタリン酸塩、重曹等が例示できる。
なお、本発明の風味に悪影響を与えない限度において、乳化剤を使用することも可能である。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸塩(ナトリウム塩、カルシウム塩)、ユッカ抽出物、サポニン、ポリソルベート等を挙げることができる。
また、油相部を形成する油脂として、上述の他、植物性油脂としては、ショートニング、なたね油、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、こめ油、大豆油、ヒマワリ油、パーム油、パーム軟質油、パーム核油、ヤシ油等を挙げることができる。動物性油脂としては、ラ−ド、牛脂、乳脂、魚油等を挙げることができる。
なお、本発明の食感改良法を用いた油中水型乳化食品には、前述の多糖類の他に、本発明の効果に悪影響を与えない限り、他の多糖類が含まれていても良い。例えば、キサンタンガム、グァーガム、タラガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、イオタカラギナン、ラムダカラギナン、HM−ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カードラン、カラヤガム、アラビアガム、トラガントガム、サイリウムシードガム、ネイティブ型ジェランガム、プルラン、ラムザンガム、水溶性セルロースエーテル(メチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロースなど)等を挙げることができる。
本発明の油中水型乳化食品用食感改良剤は、ガティガムおよび/またはヒドロキシプロピルセルロースを含有していればよく、さらにカルシウム反応性の多糖類、熱変性した微粒子の乳清タンパク質、微結晶セルロースの1種または2種以上を含有させることもできる。
本発明の油中水型乳化食品用食感改良剤は、水、アルコール(例えば、エタノール)、その他の溶媒に溶解若しくは分散した溶液状態(乳剤状、液剤状、シロップ状など)、若しくは公知の方法により調製・成形した固体状態(散剤状、粉状、顆粒状、錠剤状、丸剤状など)の製剤とすることができる。
これらの製剤は、上記油中水型乳化食品用食感改良剤に加えて、その製品形態に応じて、食品に許容される担体や添加剤が配合されていてもよい。例えば、固体状態の製剤を調製する場合の賦形剤としては、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ゼラチン、澱粉、デキストリン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、合成ならびに天然のケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、乾燥酵母が例示される。また、溶液状態の製剤を調製する場合の賦形剤としては、水、グリセリン、プロピレングリコール、シロップ、エタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール等が例示される。
本発明によって得られる油中水型乳化食品には、所望によりクエン酸、リン酸、リンゴ酸又はその塩類などの安定化剤;スクラロース、アセスルファムカリウムなどの高甘味度甘味料やショ糖、果糖などの甘味剤;アルコール類、グリセリンなどの防腐剤;粘滑剤、希釈剤、緩衝剤、着香剤及び着色剤のような通常の添加剤と混合されていてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、特に記載のない限り「%」とは、「質量%」を意味するものとする。また、文中の「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製であることを意味する。文中の「※」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
実施例 バタークリームの調製
下記表1に掲げる処方のうち、砂糖と安定剤を20℃の水に添加、5分間撹拌溶解したものをショートニングに加え、撹拌機(キッチンエイドミキサーKSM5(株式会社エフ・エム・アイ社製)使用、撹拌速度目盛2)にて5分間混合し、バタークリームを得た。なお、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)は、KLUCEL NUTRA D(ハーキュリーズ社製)、ガティガムはガムガティSD*、LM−ペクチンはビストップ※D−1382*、熱変性した微粒子タンパク質はシンプレス100(CPケルコ社製)、微結晶セルロースはビストップ※D−1963*を用いた。
得られたバタークリームの口溶け、油っぽさ、保形性の良さについて評価した。口溶け、油っぽさ、保形性の良さについては以下の基準で評価した。
×:劣る
△:普通
○:優れる
◎:非常に優れる
Figure 2007151480
Figure 2007151480
上記より、HPCおよび/またはガティガムを添加したものは乳化状態、口溶けがよくLM−ペクチン、熱変性した微粒子の乳清タンパク質、微結晶セルロースを加えることにより、油っぽさの低減や保形性の調整に効果があることが判った。
実施例 生チョコレートの調製
下記表3に掲げる処方のうち、生クリームにソルビトールとHPC(ヒドロキシプロピルセルロース、KLUCEL NUTRA D;ハーキュリーズ社製)又はガムガティSD*(ガティガム)の混合物を加え、80℃にて10分間撹拌溶解する。32℃まで冷却し、ブランデーを加え、これを溶液部とした。次に50℃の湯せんにて、クーベルチュールミルクチョコレート(不二製油株式会社製)とカカオバター(森永製菓株式会社製)を溶解し、32℃にてテンパリング剤を適量添加した。これに溶液部を加え生チョコレートを得た。
得られた生チョコレートの柔らかさ、滑らかさ、口溶けの良さ及び作業性について評価した。柔らかさ、滑らかさ、口溶けの良さについては以下の基準で評価した。
×:劣る
△:普通
○:優れる
◎:非常に優れる
Figure 2007151480
Figure 2007151480
以上のように、生チョコレートにHPCまたはガティガムを添加することによって、食感の改善及び、チョコレートの硬化による作業性の低下を改善できることが判った。
本発明により、乳化安定性に優れ、かつ、得られた乳化物の口溶けが向上し、油っぽさが軽減され良好な食感となるバタークリーム、ファットスプレッド、マーガリン、生チョコレートなどの油中水型乳化食品を提供できる。

Claims (6)

  1. ガティガムおよび/またはヒドロキシプロピルセルロースを含有させることを特徴とする油中水型乳化食品の食感改良法。
  2. さらにカルシウム反応性の多糖類、熱変性した微粒子の乳清タンパク質、微結晶セルロースの1種または2種以上を含有させる請求項1記載の油中水型乳化食品の食感改良法。
  3. カルシウム反応性の多糖類が脱アシル型ジェランガム、カッパカラギナンまたはLM−ペクチンである請求項2記載の油中水型乳化食品の食感改良法。
  4. ガティガムおよび/またはヒドロキシプロピルセルロースを含有することを特徴とする油中水型乳化食品用食感改良剤。
  5. さらにカルシウム反応性の多糖類、熱変性した微粒子の乳清タンパク質、微結晶セルロースの1種または2種以上を含有する請求項4記載の油中水型乳化食品用食感改良剤。
  6. カルシウム反応性の多糖類が脱アシル型ジェランガム、カッパカラギナンまたはLM−ペクチンである請求項5記載の油中水型乳化食品用食感改良剤。
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