JP6303852B2 - ゲル状栄養組成物 - Google Patents
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Description
ゲル状栄養組成物の固形分がゲル状栄養組成物全体に対して30〜65質量%であり、
前記蛋白質は、分解度21〜40の乳ペプチドを含み、かつ、実質的にペプチドのみ又はペプチドとアミノ酸とからなり、
前記乳化剤は、(A)オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、及び(B)HLBが6.0〜9.5で、(ポリ)グリセリル残基の分子量が150〜400である(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを含み、油脂100質量部に対して前記(A)を6〜300質量部、及び前記(B)を5〜190質量部含有する、
ゲル状栄養組成物。
(2)前記蛋白質として、更にコラーゲンペプチドを含有する、(1)に記載のゲル状栄養組成物。
(3)ゲル状栄養組成物全体に対して、前記蛋白質が2〜10質量%、前記糖質が17〜63質量%、前記油脂が0.1〜3質量%含まれる、(1)又は(2)に記載のゲル状栄養組成物。
(4)更にミネラルを含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載のゲル状栄養組成物。
(5)加熱殺菌処理されたものである、(1)〜(4)のいずれかに記載のゲル状栄養組成物。
(6)前記加熱殺菌処理後の乳化粒子径が4〜14μmである(1)〜(5)のいずれかに記載のゲル状栄養組成物。
(7)pHが3.0〜5.0である、(1)〜(6)のいずれかに記載のゲル状栄養組成物。
(ゲル状栄養組成物)
本発明のゲル状栄養組成物とは、主として経口用途で使用されるゲル状の栄養組成物をいう。ゲル状栄養組成物は、一例として、固形状流動食、半固形状流動食、及び総合栄養食等に適用できる。また、適度なゲル強度を付与して、カップゼリー、テトラパックゼリー、及びゼリー飲料等の洋菓子等にも適用できる。
ゲル状栄養組成物における固形分とは、ゲル状栄養組成物中に溶存している固形分濃度を意味し、質量%で示される。ここでの固形分とは、蛋白質や糖質など各種水溶性物質の濃度を示す指標であり、20℃における屈折率を測定し、ショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算(ICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会)の換算表を使用)した値を用いる。固形分の測定は、一般に市販されている屈折計を用いればよく、例えば、デジタル屈折計(アタゴ手持屈折計、(株)アタゴ製)で測定することができる。一般に、O/Wエマルションでは、水相部と油相部の屈折率が異なる為に、光が油滴界面で反射され、白濁が生じる。水相部の固形分濃度が高くなると、水相部の屈折率が油相部の屈折率と近似するようになるため、光が透過しやすくなり、溶液の透明性が向上する傾向にある。
本発明のゲル状栄養組成物は、嗜好に合わせて自由にpHを設定することができるが、好ましくはpHが3.0〜5.0であり、より好ましくはpHが3.0〜4.6、さらに好ましくはpHが3.5〜4.0である。pHを該範囲にすることによって、果汁ジュースやヨーグルト等に代表される爽やかな飲み口とすることができる。また、pHが酸性であると、殺菌条件を緩和することが可能であり経済上のメリットが得られる傾向にある。ゲル状栄養組成物が酸性の場合、ゲル状栄養組成物中に含まれる蛋白質の凝集等が生じ白濁が生じやすくなるほか、凝集により蛋白質が有する強固な乳化安定性が失われ、耐熱乳化保持性が得られなくなるが、本発明によれば、pHが3.0〜5.0の場合であっても、調合時の乳化性と耐熱乳化保持性が高く、透明感を有するゲル状栄養組成物を提供できる。
調合時の乳化性とは、ゲル状栄養組成物を調合する際の乳化性に関する性能であり、調合後の均一分散性と乳化粒径によって評価することができる。ゲル状栄養組成物は調合時の流動性が低いため、用いる装置能力の限界、或いはゲル化剤高分子鎖の切断の回避から、高くとも25MPa以下の均質化圧力で処理されるのが好ましい。
耐熱乳化保持性とは、加熱殺菌後の乳化安定性を意味する。ゲル状栄養組成物は、無菌状態で製品供給されるよう、乳化分散操作後、容器充填の前後で高温に曝される加熱殺菌の工程を経ても良い。高温下では分子運動の増大によって乳化粒子の合一や成分の凝集が起こりやすくなり、これに抗する性能が必要である。前記の調合時の乳化性が乳化安定性のうちでも「乳化のしやすさ」に近い性能であるのに対し、これとは異なり、耐熱乳化保持性は「乳化の保ちやすさ」に近い性能であるといえる。
透明性とは、ゲル状栄養組成物が透明であって見た目にも爽やかな状態であることを意味する。無色透明、有色透明の両方の場合が含まれる。ゲル状栄養組成物中に濁りが少ない状態と言い換えることもできる。
(蛋白質)
本明細書において、蛋白質という用語は、高分子の蛋白質だけでなく、低分子のペプチド及びそれらの構成要素であるアミノ酸をも含むものとして使用する。本発明のゲル状栄養組成物において、蛋白質は、実質的にペプチドのみ又はペプチドとアミノ酸とからなる。ペプチドとしては、例えば、ゼラチン、乳、大豆、鶏卵、鶏肉、魚肉、豚肉、牛肉、小麦、とうもろこし等を、アルカリ若しくは酸又は酵素等を用いて分解した物が挙げられる。アミノ酸としては、例えば、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−システイン、L−フェニルアラニン、L−チロシン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−バリン、L−ヒスチジン等が挙げられる。実質的にペプチドのみ又はペプチドとアミノ酸とからなるとは、本発明の効果を失わせない範囲で、ペプチド及びアミノ酸以外の蛋白質、すなわち高分子の蛋白質を含むことを許容することを意味する。ペプチド及びアミノ酸以外の蛋白質は、ゲル状栄養組成物全体に対して、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。ペプチド及びアミノ酸以外の蛋白質がこの程度の量であることを、蛋白質は実質的にペプチドのみ又はペプチドとアミノ酸とからなるという。
糖質は、本発明の効果に影響を与えない限り特に限定されず、一般に食用として利用されている糖類を使用できる。例えば、単糖類、二糖類、水あめ、糖アルコール、オリゴ糖、デキストリン等が挙げられる。単糖類としては、例えば、グルコース、果糖、異性化液糖、ガラクトース、マンノース、リボース、アラビノース、キシロース、ラムノース、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。二糖類としては、例えば、シュークロース、マルトース、ラクトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、パラチノース、トレハロース等が挙げられる。水飴としては、例えば、酸糖化水飴、還元水飴等が挙げられる。糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノース、還元水飴、還元デキストリン等が挙げられる。デキストリンとしては、例えば、マルトデキストリン等が挙げられる。本発明では、実施例で示されているように糖質の種類に限定されず本発明の効果が期待できる。
油脂は、本発明の効果に影響を与えない限り特に限定されず、一般に食用として利用されている植物性油脂又は動物性油脂等を用いることができる。植物性油脂としては、例えば、MCT、ナタネ油、大豆油、コーン油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、ヒマワリ油、オリーブ油、米油、シソ油等が挙げられる。動物性油脂としては、牛脂、豚脂、乳脂、魚油等が挙げられる。これら油脂の中では、栄養学的価値の点に加え、透明性が高いO/W乳化液を調製し易いことから、MCTが好ましく用いられる。本発明は、特定の乳化剤を油脂に対して特定の比率で用いることを特徴とするため、油脂の種類に限定されず本発明の効果が期待できる。
本発明のゲル状栄養組成物は、乳化剤として、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム及びHLBが6.0〜9.5で(ポリ)グリセリル残基の分子量が150〜400である(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを組合せて用いられる。
本明細書においては、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムを(A)、成分(A)、又は乳化剤(A)と記載することがある。オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムとは、澱粉を無水オクテニルコハク酸でエステル化して得られる加工澱粉のナトリウム塩をいう。原料澱粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーン澱粉(コーンスターチ)、ワキシーコーンスターチ、及びそれらの加水分解物等が挙げられる。通常、澱粉の懸濁液をアルカリ性下、無水オクテニルコハク酸物で処理して得ることができる。無水物の開環反応で生成する2−(4−オクテニル)コハク酸の片端のカルボキシル基が澱粉のグルコース残基の水酸基(2、3、6位)とエステル結合し、もう片端のカルボキシル基がナトリウム塩である構造を有している。本発明に用いるオクテニルコハク酸澱粉ナトリウムの純度は、オクテニルコハク酸基が乾燥物換算で3質量%以下、残存オクテニルコハク酸が0.8質量%以下であることが好ましい。
(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリン脂肪酸エステルと、ジグリセリン以上のポリグリセリンの脂肪酸エステルとを合わせたものを意味する。本発明に用いる特定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルは、HLBが6.0〜9.5で(ポリ)グリセリル残基の分子量が150〜400である(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルである。本明細書においては、当該特定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを、特定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、(B)、成分(B)、又は乳化剤(B)と記載することがある。
特定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルは、前述のようにHLBが6.0〜9.5であり、好ましくは6.2〜8.7である。HLBが低すぎると目的となるO/W乳化物を形成できなくなり、高すぎると界面張力低下能が弱くなり、乳化物の調合に高いせん断力が必要となり、プロペラ攪拌だけでは十分に乳化ができない傾向にある。
また、特定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルは、(ポリ)グリセリル残基の分子量が150〜400であり、好ましくは165〜265である。分子量が低すぎると十分な乳化能が失われ乳化を不安定化し、高すぎると耐熱乳化保持性が得られ難くなる傾向にある。
本発明で使用する特定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルにおいて、(ポリ)グリセリル残基の分子量は、HLBとは異なる親水性の指標であると考えられる。当該特定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル分子の片端にある疎水性の脂肪酸残基が油滴界面に吸着して乳化分散させるが、もう一端にあるポリグリセリル残基が、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムと良好に相互作用することによって、油滴界面に吸着した(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルの界面にさらにオクテニルコハク酸澱粉ナトリウムが付着するものと考えられる。オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムは嵩高い高分子鎖ドメインを形成するため、油滴に物理的反発力を付与する。その為、分子運動の激しくなる加熱殺菌工程においても、1μm以上の粗大な乳化粒子径を維持しながら、油滴の分散安定化を可能にすると推測される。尚、(ポリ)グリセリル残基の分子量が高過ぎる場合は、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムの油滴への吸着が嵩高い(ポリ)グリセリル残基による反発によって阻害されると推測される。
ゲル化剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、栄養組成物で一般に使用されているものを用いることができる。例えば、寒天やカラギーナン等の海藻類由来の多糖類、ジェランガム、キサンタンガム、カードラン等の微生物由来の多糖類、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ペクチン、グルコマンナン等の植物由来の多糖類等が挙げられる。中でも、ゲル化の点から、寒天、カラギーナンが好ましく用いられ、食感改質の点からキサンタンガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ペクチンが好ましく用いられる。本発明では、実施例で示されているようにゲル化剤の種類に限定されず本発明の効果が期待できる。
ゲル状栄養組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、栄養成分を充足させるため、物性補助のため、風味向上のために、更に他の成分を加えても良い。例えば、ミネラル類、ビタミン類、食物繊維、甘味料、果汁、香料、色素、酸味料等が挙げられる。
ビタミン類としては、特に限定されず一般に用いられるものを使用できるが、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、パントテン酸、葉酸、ナイアシン、ビオチンなどが挙げられる。これらのミネラル類、ビタミン類は、あらかじめ必要な割合で配合してあるミネラルミックス、ビタミンミックスとして販売しているものを用いても良い。また、ミネラル含有酵母を使用しても良い。本発明においては、特定の乳化剤を油脂に対して特定の比率で用いることを特徴とするため、乳化系を破壊する方向に作用するミネラルを高濃度で含有しても、乳化安定性及び透明性を有するゲル状組成物を提供できる。
本発明のゲル状栄養組成物は、一例として、調合工程、均質化工程、充填工程、殺菌工程の4工程により製造することができる。調合工程では、例えば、ゲル化剤と水を混合し、混合液をゲル化剤の溶解温度以上まで加熱し、粘調なゾル状となるまで攪拌した後に、ゲル化温度以上を保持しながら前記の各種原料を投入し、十分に溶解させることができる。この際、特定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルは加熱した油脂に完全に溶解させた後に混合することが好ましい。ゲル状栄養組成物の製造において、調合時の乳化性はその後の工程で均一に油脂を分散させ、均一な状態で次の均質化工程に送り込む為に重要である。さらに、均質化工程としては、ホモジナイザーなどの均質化装置を用いることが好ましい。この際、ホモジナイザーの均質化圧力は、通常25MPa以下、好ましくは15MPa以下とすることができる。充填工程では、例えば、プレートヒーター又はチューブラーヒーターなどによる熱交換器により90℃以上に加熱されたゾル状の栄養組成物を、スパウト付パウチなどに必要量充填し、密栓することができる。殺菌工程では、例えば、パウチに充填されたゲル状栄養組成物を90℃以上の温水、又は蒸気中に静置し、殺菌処理を行うことができる。静置時間としては、商業上の無菌性が確保できる時間とすることが望ましく、10分間以上が好ましく、20分間以上がより好ましい。この際、加熱による分子運動の増大によって乳化粒子の合一や凝集が起こりやすくなるため、これに抗する高い耐熱乳化保持性が求められる。その後、溶液が凍結しない程度の温度で冷却を行い、ゲル化させることができる。
ゲル状栄養組成物のpHは、通常のガラス電極を25℃におけるゲル状栄養組成物にさしこんで測定した。
<透明感の評価方法>
5名の評価パネラーの官能評価平均値によって、ゲル状栄養組成物の透明感を目視で評価した。評価の基準は次の通りである。
○: 良好な透明感がある
△: 透明感はあるがやや白濁している
×: 白濁して透明感はない
ゲル状栄養組成物を加熱溶解によりゾル状に変化させた後に、適量の純水で希釈したサンプルを(株)堀場製作所製レーザー回折式粒度分布計LA−950に供して測定した。
<固形分の測定方法>
ゲル状栄養組成物をヘラ等を用いて均質に破砕し、20℃に調温後に(株)アタゴ製デジタル屈折計DBX−55に供して測定した。
<調合時の乳化性、及び耐熱乳化保持性の評価方法>
調合時の乳化性の評価としては、ゲル状栄養組成物の製造過程において、調合工程を終えた調合液を65℃にて静置後、乳化状態を目視にて判定した。
耐熱乳化保持性の評価としては、ゲル状栄養組成物の製造過程における殺菌工程として90℃で静置後、乳化状態を目視にて判定を行った。
評価の基準は調合時の乳化性、及び耐熱乳化保持性とも、次の通りである。
◎:30分経過後、油脂が均一に分散している
○:30分未満20分以上油脂が均一に分散している
△:20分未満10分以上油脂が均一に分散している
×:10分未満で油脂の分散が均一でなくなる
<栄養成分の配合>
表1に示す原材料の配合で、本発明のゲル状栄養組成物の調合を行った。調合条件は、表2に示す。具体的な調合の操作としては、ゲル状栄養組成物全体に対する配合量として、重量平均分子量5200のコラーゲンペプチド2.4質量%、分解度27のカゼインペプチド2.5質量%、L−トリプトファン0.1質量%、L−ロイシン0.2質量%、L−メチオニン0.1質量%、L−ヒスチジン0.1質量%、L−バリン0.1質量%、L−フェニルアラニン0.3質量%、澱粉分解物(デキストリン)28.6質量%、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム0.3質量%、モノステアリン酸ジグリセリン0.15質量%、MCT1.9質量%、精製イワシ油0.1質量%、難消化性デキストリン1.1質量%、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.1質量%、クエン酸3カリウム0.1質量%、塩化カルシウム0.2質量%、硫酸マグネシウム0.3質量%、クエン酸(結晶)1.1質量%、リンゴ5倍濃縮透明果汁0.6質量%、微量ミネラルミックス0.07質量%、ビタミンミックス0.2質量%、アップル香料0.1質量%、ベニバナ色素0.02質量%、スクラロース0.06質量%を水も含めて総質量1600gとなるように65℃の温水に溶解させ、やはり、ゲル状栄養組成物全体に対する配合量として、κ−カラギーナン0.3質量%、ローカストビーンガム0.2質量%を水も含めて総質量400gとなるよう混合し、85℃10分間加熱して溶解させたものと混ぜ合わせ、総質量2000gとなるよう調合した。次いで、これを65℃で維持したまま均質化圧15MPaで1回処理した。65℃で維持したまま100gずつアルミパウチに密封充填し、90℃15分間でボイル殺菌した。
本発明のゲル状栄養組成物として、実施例1における乳化剤の種類を変更した以外は実施例1と同じにして行った。結果を乳化剤の配合とともに表4に示す。
(実施例7〜11)
上記実施例5における乳化剤の配合量を変更した以外は実施例5と同じにして行った。結果を乳化剤の配合とともに表4に示す。
(実施例12〜15)
上記実施例1における乳化剤の配合量を変更した以外は実施例1と同じにして行った。結果を乳化剤の配合とともに表4に示す。
本発明でないゲル状栄養組成物として、実施例1における乳化剤の種類及び配合量を変更した以外は実施例1と同じにして行った。結果を乳化剤の配合とともに表5に示す。
(比較例7〜10)
前記実施例5における乳化剤の配合量を変更した以外は実施例5と同じにして行った。結果を乳化剤の配合とともに表5に示す。
表6及び7に示すように、実施例5における糖質の配合を変更した以外は、実施例5と同じにしてゲル状栄養組成物を調合した。すなわち、原材料の種類及び配合量は、糖質以外は実施例16〜19及び比較例11〜12を通して共通であり、糖質については、固形分の実測値及び評価結果とともに表7に示す。調合されたゲル状栄養組成物について、pH、透明感、乳化粒子径、調合時の乳化性、耐熱乳化保持性の評価結果を表7に示す。
表8及び9に示すように、上記実施例5における蛋白質中の乳ペプチドの種類を変更した以外は、実施例5と同じにしてゲル状栄養組成物を調合した。原材料の種類及び配合量は、乳ペプチド以外は実施例20〜21、比較例14〜18を通して共通であり、乳ペプチドの種類については表9に示す。調合されたゲル状栄養組成物について、pH、透明感、乳化粒子径、調合時の乳化性、耐熱乳化保持性の評価結果を表9に示す。
表10及び11に示すように、上記実施例5におけるゲル化剤の配合量を変更した以外は実施例5と同じにしてゲル状栄養組成物を調合した。原材料の種類及び配合量は、ゲル化剤以外は実施例22〜24を通して共通であり、ゲル化剤の配合については表11に示す。調合されたゲル状栄養組成物について、pH、透明感、乳化粒子径、調合時の乳化性、耐熱乳化保持性の評価結果を表11に示す。
表12及び13に示すように、上記実施例5における糖質、及び油脂の種類を変更した以外は実施例5と同じにしてゲル状栄養組成物を調合した。原材料の種類及び配合量は、糖質、及び油脂以外は実施例25〜30を通して共通であり、糖質の種類については表13に示す。調合されたゲル状栄養組成物について、pH、透明感、乳化粒子径、調合時の乳化性、耐熱乳化保持性の評価結果を表13に示す。
表4に示すように、実施例1〜15では調合時の乳化性及び耐熱乳化保持性はともに良好であり、殺菌後のゲル状栄養組成物の透明感も良好であり、見た目に優れたゼリーが得られた。尚、乳化系を破壊する方向に作用するミネラルを含有する実施例1〜15でも良好な効果を奏したことから、実施例1〜15からミネラルを除いた場合は、更に良好な効果を奏すると期待できる。食物繊維は、乳化性や透明感に影響を与え難いので、実施例1〜15から食物繊維を除いた場合は実施例1〜15と同等の効果を奏すると考えられる。
一般に、HLBの異なる乳化剤の併用による最適化等によって油脂の分散安定化を増強できることが知られている。しかしながら、このような従来技術では、比較例5において明らかな通り、乳化粒子経が小さくなることによって、調合時の乳化性及び耐熱乳化保持性は得られるが、粒子経ゆえの散乱から透明感に劣ることとなってしまう。
もちろんのこと、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムを用いず、特定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルのみを用いた場合には、比較例6の結果から明らかな通り、調合時の乳化性は得られるものの、耐熱乳化保持性が得られない。
乳ペプチドの分解度については、20より大きい実施例5、20、及び21では、前述のように、調合時の乳化性、耐熱保持性、及び加熱後の透明感が全て良好であった。一方、乳ペプチドの分解度が20以下となる比較例14〜16では、分解度が小さくなるにつれて、透明性、調合時の乳化性、及び耐熱乳化保持性が失われることがわかった。このことより、蛋白質として、分解度が20より大きい乳ペプチドを用いることが好ましいことが判明した。
Claims (7)
- 蛋白質、糖質、油脂、乳化剤、ゲル化剤、及び水を含有するゲル状栄養組成物であって、
ゲル状栄養組成物の固形分がゲル状栄養組成物全体に対して30〜65質量%であり、
前記蛋白質は、分解度21〜40の乳ペプチドを含み、かつ、実質的にペプチドのみ又はペプチドとアミノ酸とからなり、
前記乳化剤は、(A)オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、及び(B)HLBが6.0〜9.5で(ポリ)グリセリル残基の分子量が150〜400である(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを含み、油脂100質量部に対して前記(A)を6〜300質量部及び前記(B)を5〜190質量部含有する、
ゲル状栄養組成物。 - 前記蛋白質として、更にコラーゲンペプチドを含有する、請求項1に記載のゲル状栄養組成物。
- ゲル状栄養組成物全体に対して、前記蛋白質が2〜10質量%、前記糖質が17〜63質量%、前記油脂が0.1〜3質量%含まれる、請求項1又は2に記載のゲル状栄養組成物。
- 更にミネラルを含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のゲル状栄養組成物。
- 加熱殺菌処理されたものである、請求項1〜4のいずれかに記載のゲル状栄養組成物。
- 前記加熱殺菌処理後の乳化粒子径が4〜14μmである、請求項5に記載のゲル状栄養組成物。
- pHが3.0〜5.0である、請求項1〜6のいずれかに記載のゲル状栄養組成物。
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