JP5301102B2 - ゲル化剤膨潤抑制剤、それを用いた吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びゲル化剤膨潤抑制方法 - Google Patents

ゲル化剤膨潤抑制剤、それを用いた吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びゲル化剤膨潤抑制方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5301102B2
JP5301102B2 JP2007065886A JP2007065886A JP5301102B2 JP 5301102 B2 JP5301102 B2 JP 5301102B2 JP 2007065886 A JP2007065886 A JP 2007065886A JP 2007065886 A JP2007065886 A JP 2007065886A JP 5301102 B2 JP5301102 B2 JP 5301102B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gelling agent
jelly
food
mouthpiece
swelling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007065886A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008220312A (ja
JP2008220312A5 (ja
Inventor
太作 金谷
正志 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kracie Foods Ltd
Original Assignee
Kracie Foods Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kracie Foods Ltd filed Critical Kracie Foods Ltd
Priority to JP2007065886A priority Critical patent/JP5301102B2/ja
Priority to KR1020070050743A priority patent/KR20080084521A/ko
Publication of JP2008220312A publication Critical patent/JP2008220312A/ja
Publication of JP2008220312A5 publication Critical patent/JP2008220312A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5301102B2 publication Critical patent/JP5301102B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L29/00Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof
    • A23L29/20Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof containing gelling or thickening agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L27/00Spices; Flavouring agents or condiments; Artificial sweetening agents; Table salts; Dietetic salt substitutes; Preparation or treatment thereof
    • A23L27/30Artificial sweetening agents
    • A23L27/33Artificial sweetening agents containing sugars or derivatives

Description

本発明は、ゼリー状食品製造時において、ゲル化剤を水性媒体に分散して調合液を調製する際、ゲル化剤の膨潤による調合液の粘度上昇を抑制し、かつ熱履歴によるゲル化剤の分解を抑制して、安定したゲル強度を付与するためのゲル化剤膨潤抑制剤、それを用いた吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びゲル化剤膨潤抑制方法に関する。
従来、カラギナン、ローカストビーンガム、コンニャク精粉、キサンタンガム、ペクチン、マンナン等のゲル化剤を用いたドリンクゼリーやゼリー状飲食品やゼリー状経口医薬組成物が知られている(例えば、特許文献1、2及び3参照。)。これらは、いずれも粘弾性や伸びのある物性を持つドリンク様のゼリー状食品で、ゲル化剤を数種組合せ、その各ゲル化剤が有するゲル化した時の食感や、ゲル化温度等の独特のゲル化特性を利用して、特徴的な食感及びゲル化温度等を付与したものであるが、製造工程におけるゲル化剤を水性媒体に分散や攪拌する時に、ゲル化剤分散液の粘度の上昇が急激に起こり、製造が困難になることがある。そのため、ゲル化剤の攪拌分散時に約70℃〜95℃まで加温し、完全にゲル化剤を溶解させた後、ゲル化しない40℃以上で保温した状態で調合する方法がとられていた。しかしながら、調合液が加温された状態で長時間放置され、溶解したゲル化剤が熱履歴を一定時間以上受けると、熱によるゲル化剤の分解が起こり、製造中或いは製品において安定した強度のゼリー状食品を提供できないという問題点があった。
また、天草抽出物又は寒天の溶解液をゲル化したゲル状物を、糖アルコールを添加した調味液に浸したデザート食品が知られている(例えば、特許文献4参照。)。上記デザート食品は、ゲル状物中に糖アルコールが含有されているものではなく、ゲル状物を浸す調味液中に糖アルコールを添加するものであり、調味液中に糖アルコールを含有することにより、ゲル状物の保形性を向上させるというものである。従って、糖アルコールの吸熱作用特性を利用してゲル化剤膨潤抑制効果を得ようとするものではなく、更には、このデザート食品においても、ゲル状物を調製する際には、天草抽出物又は寒天を溶解するまで加温しているため、熱によりゲル化剤の分解が起こり、安定したゲル強度が得られないという点で問題があった。
また、糖アルコール、天然多糖類を混練して得られる天然多糖類・多価アルコール組成物が知られている(例えば、特許文献5参照。)。上記組成物は、ゼリー、餡、ジャム等のゲル状、半流動状の食品基材として使用されるもので、やはり基材の良好な保形性を得ることを目的とするものであり、糖アルコールにおける吸熱作用特性を利用したものではない。
一方、粉末状態で、エリスリトールを主成分とする固形飲料が知られている(例えば、特許文献6参照。)。該固形飲料を水道水等に溶解すると、機械的冷却手段を必要とすることなく低温の飲料となるもので、これはエリスリトールの溶解熱が比較的大きいことに起因する。しかしながら、この発明は、このエリスリトールの溶解熱作用特性でゲル化剤の膨潤抑制効果を得ようとするものではない。
ところで、本出願人は、ゲル化温度が27〜35℃のカラギナン、ローカストビーンガム及びコンニャク精粉からなる吸い口付き密封容器入りゼリー状食品について既に出願している(例えば、特許文献7参照。)。この方法は、殺菌時のみ加熱して熱履歴を最小限に抑制し、ゲル強度を保存中保持するものである。
しかしながら、この方法では、製造工程中に、原料の種類や配合によって分散時に増粘して他の成分が混合しにくくなる、送液できない等の問題があった。特に、ゲル化剤を分散する水性媒体は、非加熱状態下で、好ましくは20℃以下にすることがゲルの膨潤・増粘を防ぐ点で重要であるが、夏季の生産では水性媒体の保冷設備が必要であり、又保冷していても配合や攪拌条件等によっては増粘が生じその原因が不明であった。
特許第2567566号公報 特許第3522643号公報 特開平9−194346号公報 特開平2−145160号公報 特開昭62−186754号公報 特公平6−93830号公報 特開2006−14733号公報
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ゲル化剤を水性媒体へ分散して調合液を調製する際に、ゲル化剤の膨潤による調合液の粘度上昇を抑制し、かつ熱履歴によるゲル化剤の分解を抑制して安定したゲル強度を付与するためのゲル化剤膨潤抑制剤、それを用いた吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びゲル化剤膨潤抑制方法を提供するにある。
本発明は、融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料を含有することを特徴とするゲル化剤膨潤抑制剤によって上記目的を達成する。
好ましくは、上記ゲル化剤膨潤抑制剤に用いる融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料が、エリスリトールである。
また、上記ゲル化剤膨潤抑制剤及びゲル化剤を吸い口付き容器に収容されたゼリー状食品に含有することが更に好ましい。より好ましくは、ゲル化剤が、ゲル化温度が27〜35℃のカラギナン、ローカストビーンガム及びコンニャク精粉である。
また、本発明は、ゲル化剤と共に融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料を水性媒体に分散することを特徴とするゲル化剤膨潤抑制方法によって上記目的を達成する。
好ましくは、上記方法に用いる融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料が、エリスリトールである。
また、本発明は、下記工程を備えてなることを特徴とする吸い口付き密封容器入りゼリー状食品のゲル化剤膨潤抑制法によって上記目的を達成する。
(1)ゲル化剤及び融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料を、非加熱の水性媒体中に分散し、調合液を得る工程。
(2)上記調合液を、加熱し1次殺菌してゼリー溶液を調製する工程。
(3)上記ゼリー溶液を、吸い口付き容器に充填し密封する工程。
(4)上記充填密封したゼリー溶液を、2次殺菌する工程。
(5)上記2次殺菌したゼリー溶液を、冷却し、ゲル化させてゼリー状食品を得る工程。
すなわち、本発明者らは、水性媒体にゲル化剤を分散して調合液を調製する際に生じる調合液の増粘の原因を追求した結果、ゲル化剤を分散する前の水性媒体の水温が高いとゲル化剤の膨潤が生じて増粘し、更に増粘による攪拌時の摩擦熱の増加によって調合液の液
温がゆっくりと上昇することによりゲル化剤の膨潤、増粘が更に進むことを見出した。
そこで、非加熱状態下による水性媒体中にゲル化剤を分散させるだけでなく、融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料を共に分散させると、調合液の液温を上昇させないので、ゲル化剤の膨潤や急激な粘度上昇が抑制されて、副原料を均一に分散可能で、その調合液を次工程へ容易に送液でき、更には増粘を防止するための調合液の保冷が不要で、外気温度に関係なく安定して製造可能であると共に、攪拌時の摩擦熱や過酷な熱履歴によるゲル化剤の分解によってゲル強度が低下するのを防止できることを見出し、本発明に達成した。
本発明によれば、ゲル化剤を水性媒体に分散して調合液を調製する際に、該調合液の液温をゲル化剤が膨潤する温度未満とすることができるので、ゲル化剤が水分を吸収することにより膨潤することがなく、調合液の粘度が上昇するのを抑制することができる。従って、ゲル化剤と共に添加される副原料が調合液中に均一に分散されて、均一品質のゼリー状食品等のゲル化剤含有物を得ることができる。また、調合液が送液中に詰まったり、送液装置に負担がかかったり、送液に時間がかかる等の問題を生じることなく、次工程への送液が容易に行われる。更には、調合液を保冷する必要が無いので、外気温度に関係なく安定して製造可能である。
また、本発明によれば、ゲル化剤の膨潤を抑制することができるため、従来のように、ゲル化剤が膨潤しないように、一旦ゲル化剤を一気に高温で完全溶解後、ゲル化しない温度(40℃を超える)に保温しながら、他の原料と調合するという工程を要しないので、高温放置によるゲル化剤の分解を抑制でき、安定したゲル強度を付与することができる。従って、製造直後のみならず、長期保存後であっても、繋がった塊状であって伸びと弾力のある特有の食感を維持することができ、吸い口付き密封容器入りゼリー状食品に最適である。
上記のような吸い口付き密封容器入りゼリー状食品の形態とすることにより、吸い口付きの容器から弱い吸い出し力で連続的に吸い出されて味わうことができるため、年齢等に拘らず、容易に喫食し得るものである。更には、ゼリー状食品を、噛むこともできるので、咀嚼による「食べる」満足感を付与できるものである。
また、本発明では、糖類等の副原料の配合を適宜選択可能であるので、カロリーゼロ等に設計できる。
次に本発明を詳しく説明する。
本発明のゲル化剤膨潤抑制剤は、融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料を含有する。
なお、ゲル化剤の膨潤とは、ゲル化剤が水性媒体を吸収して膨らむ現象を指す。すなわち、その要因として、(1)ゲル化剤と水の親和力、(2)ゲル化剤内部の可動性イオン濃度の方が高いために発生する浸透圧、の2つが挙げられ、ゲル化剤が吸水して、外観上ゲル化剤が膨らむ状態となることである。
本発明のゲル化剤膨潤抑制とは、通常ゲル化剤が吸水することによる膨潤が抑制された状態を指し、詳しくは、ゲル化剤分散前の水性媒体の水温未満に調合液温度(調製直後)が保持され、かつゲル化剤膨潤抑制剤なしにゲル化剤を水性媒体に攪拌分散した調合液(調製直後)の粘度よりも低く保たれている状態をいう。
上記融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料とは、融解熱が−5.0cal/g以下で、かつ水性媒体中で吸熱作用を有する成分のことで、例えば、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、グルコース等の糖質甘味料が挙げられる。
融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料を用いることで、水性媒体に溶解する時
に大きな吸熱効果が得られ、また水性媒体を取り込むことにより、ゲル化剤の吸水をも抑制し、ゲル化剤を水性媒体に分散する時の液温の上昇を抑制することができ、その結果、ゲル化剤の膨潤を抑制することができるのである。より好ましくは、融解熱が−10cal/g以下の糖質甘味料であるエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、グルコースであり、特にエリスリトールは、融解熱が−42.9cal/gで液温の上昇を抑制する効果に優れ、腰のあるゼリー状食品を長期間保持する点で望ましい。
本発明のゲル化剤膨潤抑制剤には、上記融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料以外に、副原料として、融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料以外の糖質甘味料(果糖,タガトース,アラビノース等の単糖類や、乳糖,砂糖,麦芽糖,トレハロース等の二糖類、マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、水あめ、粉末水あめ、糖アルコール等)や、非糖質甘味料(スクラロース、アセスルファム等の高甘味度甘味料)等を含有してもよい。
上記融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料は、ゲル化剤膨潤抑制剤全体重量中好ましくは50重量%以上、更に好ましくは90重量%以上であることが、本発明の効果を得る点で望ましい。
本発明のゲル化剤膨潤抑制剤は、例えば、次のようにして調製することができる。すなわち、融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料と必要に応じて副原料を準備し、粉体混合することにより、ゲル化剤膨潤抑制剤を得ることができる。
本発明のゲル化剤膨潤抑制剤は、水性媒体に対して、融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料の固形分換算で好ましくは1重量%以上、更に好ましくは3重量%以上30重量%以下添加することが、調合液の液温の上昇を抑制して、ゲル化剤の膨潤を抑制する点で望ましい。
上記水性媒体は、ゲル化剤が分散するだけで膨潤しないように、非加熱状態とすることが、膨潤及び粘度上昇を抑制し、熱履歴を最小限にしてゲル化剤の分解を抑制する点で好適である。具体的な水温は、好ましくは30℃以下、更に好ましくは25℃以下であることが望ましい。
上記水性媒体としては、水道水、アルカリイオン水、天然水、蒸留水、イオン交換水、牛乳、豆乳、果汁、シロップ、ハチミツ等が挙げられる。
本発明のゲル化剤膨潤抑制剤の添加方法は、ゲル化剤、必要に応じて副原料と共に水性媒体に添加することが、本発明の効果を得る点で好適である。もしくは、予めゲル化剤膨潤抑制剤とゲル化剤、必要に応じて副原料を混合してから、水性媒体に添加するという方法であってもよく、水性媒体中でゲル化剤膨潤抑制剤の吸熱反応が生じている間にゲル化剤が分散されるようにすればよい。
本発明のゲル化剤膨潤抑制剤は、融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料の吸熱作用によって、調合液の液温をゲル化剤が膨潤する温度未満に設定し得るので、従来生じていた調合液の粘度上昇、つまり、ゲル化剤を水性媒体に分散する時にゲル化剤が水分を吸収して膨潤することによって生じる調合液の粘度上昇を、確実に抑制することができる。
従って、本発明のゲル化剤膨潤抑制剤は、例えば、ゲル化剤が含有される食品等に用いることができる。
上記食品に用いられるゲル化剤は、一般的に食品加工に使用される、増粘安定剤と称さ
れる食品添加物のことで、例えば、カラギナン、ローカストビーンガム、コンニャク精粉、キサンタンガム、寒天、グアガム、ペクチン及びアルギン酸等が挙げられ、単独もしくは複数組合せて用いられる。
特に、カラギナン(ゲル化温度が27〜35℃)、ローカストビーンガム及びコンニャク精粉を組合せたものは、食品の形態として、吸い口付き密封容器入りゼリー状食品容器とした際、吸い口から吸い出しやすく、特有の伸び及び弾力の食感が得られる点で望ましい。また、上記3成分に更にキサンタンガムを併用すると、糖度の高いゼリー状食品においても、特有の伸び及び弾力の食感が得られる点で望ましい。
上記食品は、上記ゲル化剤膨潤抑制剤を、融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料の固形分換算で、ゼリー状食品全体重量中好ましくは1重量%以上、更に好ましくは3重量%以上30重量%以下含有することが、ゲル化剤の膨潤抑制とゼリー状食品の物性を好ましい範囲とできる点で好ましい。
上記食品には、副原料を含有してもよい。上記副原料として通常の食品において使用される、融解熱が−5.0cal/g以下の糖質甘味料以外の糖質甘味料(果糖,タガトース,アラビノース等の単糖類や、乳糖,砂糖,麦芽糖,トレハロース等の二糖類、マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、水あめ、粉末水あめ、糖アルコール等)や、非糖質甘味料(スクラロース、アセスルファム等の高甘味度甘味料)、全粉乳,脱脂粉乳,脱塩ホエー,クリーム,チーズ,ヨーグルト等の乳製品や、植物性或いは動物性の蛋白質や、乳化剤や、安定剤や、香料や、着色料や、酸味料や、油脂や、各種果実の果肉や、果汁や、乾燥果実や、種実類や、各種風味原料(酒類、豆乳、コーヒー、茶類、ココア、ハーブ類、コーラ等)や、各種栄養成分(ビタミン類、ミネラル類、食物繊維等)や、アミノ酸を添加してもよい。特に、カリウムイオンのようなミネラル類は、ゲル化剤による粘度上昇を抑制する点で好適に用いられる。
上記食品としては、各種ゼリー状食品、ジャム等が挙げられる。その形態は、各種容器(ポーションカップ、吸い口付き密封容器等)、瓶、缶等に収容されていてもよい。この中でも、弱い吸い出し力で連続的に吸い出すために、繋がった塊状であって特有の伸びと弾力のある食感を維持する必要のある吸い口付き密封容器入りゼリー状食品には、安定したゲル強度を付与し得る本発明の効果が有効に発揮でき好適である。
上記ゼリー状食品を充填、密封する吸い口付き密封容器については特に制限はないが、例えばブロー成形されたポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン(NY)、ガラス瓶、缶等の材質に口で吸い出せる吸い口が形成されているか、吸い口を装着可能なものであればよい。すなわち、本発明の吸い口付き密封容器とは、流通、販売時には吸い口が設けられておらず、喫食時に、ストロー等の吸い口を設ける容器も包含するものである。具体的には、スパウト付き容器、ストロー付き容器等が挙げられ、これらの中から適宜選択して用いればよい。この中でも、特に、特開2002−179102号公報や特開平11−75726号公報に記載の可撓性容器に吸い口(スパウト)が設けられたスパウト付容器は、押圧と吸い込む力を併用できるので特徴のある粘弾性の高い物性を楽しむことができる点で好適に用いられる。
次に、上記吸い口付き密封容器入りゼリー状食品は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、ゲル化剤膨潤抑制剤、ゲル化剤、副原料及び非加熱状態下の水(25℃)をホモミキサー等で分散して、調合液を調製する。
次に、上記調合液を、チューブラヒーターやプレートヒーターで急速に90℃〜97℃に昇温して1次殺菌してゼリー溶液とした後に、吸い口付き容器に充填、密封する。
その後、吸い口付き容器に充填、密封されたゼリー溶液に対し、熱水シャワー等による
2次殺菌(品温が85〜92℃で10分間保持されるような殺菌)を行い、冷却してゲル化を行うことにより、吸い口付き密封容器入りゼリー状食品を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
<実施例1〜8、比較例1〜2>
表1に記載の各ゲル化剤膨潤抑制剤(エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、グルコース)もしくはショ糖、ゲル化剤、副原料及び水性媒体を、ホモミキサーで3000rpmで5分間分散して調製した調合液の粘度と分散直後の液温を測定した(室温25℃)。上記の水性媒体の温度は、ゲル化剤分散前が20℃、30℃、40℃の3種類について検討した。なお、粘度は、B型粘度計にて測定した。その測定結果を表1に示す。
Figure 0005301102
表1から明らかなように、ゲル化剤を分散する水性媒体の水温が低くなるにほど調合液の粘度を低くできることが分かる。また、比較例に対し、実施例において、調合液の粘度上昇を抑制し、また分散後の液温が分散前の水温より低下した。詳述すると、分散前の水性媒体温度20℃以下では、ゲル化剤自体が膨潤しにくい温度帯であるため、粘度による顕著な差は得られないが、確実に比較例よりは粘度が低くなった。また、30℃及び40℃では明らかに比較例と実施例との粘度に差が見られた。特に、水温40℃では、比較例は、分散後の水温は低下はするが、粘度が極端に上昇し調合液は半ゲル状態であったため、実際の製造時では、攪拌分散装置や送液装置への負荷や、更に副原料を投入した際に均質化に時間を要することが判明した。なお、室温が25℃であったため、比較例の分散後の液温に影響していると推測される。
<実施例9>
≪ゼリー状食品の調製≫
まず、表2に示す組成を、ホモミキサーにて7000rpm5分間分散することにより調合液を得た。得られた調合液を90〜94℃に昇温して殺菌(1次殺菌)後、スパウト付き容器に充填、密封した。その後、スパウト付き容器に充填密封されたゼリー溶液に対し、熱水シャワーによる2次殺菌(品温が85〜92℃で10分間保持される条件)を行い、40℃以下に冷却してゲル化させることでゼリー状食品を調製した。
<比較例3>
組成は実施例9と同様だが、全成分を70℃の水に分散させ、70℃30分間かけて攪拌溶解した後に、90〜94℃に昇温して1次殺菌を行った。後は実施例9と同様にゼリー状食品を調製した。
<比較例4>
組成は実施例9と同様だが、ゲル化剤膨潤抑制剤を予め水に溶解して吸熱反応が終了した後、その他のゲル化剤等の各成分を分散させ、後は実施例9と同様にゼリー状食品を調製した。
実施例及び比較例で得られたスパウト付き容器入りゼリー状食品について、製造工程中の成分を分散して調合液を調製した直後の粘度と温度を測定した。また、製造工程中の調合液の送液状態を目視にて評価した。更に、製造直後及び40℃1ヶ月保存したものを各々品温5℃に調整し、専門パネラー20名にて喫食し、食感についての評価を行った。
その結果を表2に合わせて示す。
Figure 0005301102
実施例のゼリー状食品は、調合液の液温と粘度の上昇が抑制されたため、製造工程中に、送液装置への負担が生じたり、送液時間がかかったり等の問題が生じず、良好であった

食感については、弱い吸い出し力でもスパウトから吸い出しやすく、特有の伸び及び弾力ある食感が、製造直後及び1ヶ月保存後の両方で得られ、吸い出して飲み込める食感でありながら、噛むこともできるので、咀嚼による「食べる」満足感を付与しうるものであった。また、ゼリーは繋がった塊状の状態で口中に吸い出された。
これに対し、比較例3のゼリー状食品は、調合液の粘度が低いため、製造工程での送液状態は良好であった。しかしながら、食感については、高温保持によってゲル強度が弱まり、ゼリーの伸び及び弾性がやや弱く、吸い出して飲み込むだけのものであり、咀嚼による「食べる」満足感を得られるものではなかった。更に、1ヶ月保存品は特有の伸び及び弾力は全く感じられず、製造直後のゲル強度を保つことはできなかった。
比較例4のゼリー状食品は、ゲル化剤膨潤抑制剤を予め水性媒体に分散して、液温を下げていたので、調合液の液温はそれほど上昇しなかったが、ゲル化剤膨潤抑制剤が完全に溶解してからゲル化剤等を添加したために、粘度の上昇を確実に抑制することはできなかった。そのため、ゼリー状食品の製造工程中の送液状態も不良であった。食感については、特有の伸び及び弾力が、製造直後及び1ヶ月保存後の両方で得られた。

Claims (1)

  1. ゼリー状食品において、ゲル化剤を非加熱の水性媒体へ分散して調合液を調製する際に、ゲル化剤と共に、溶解熱が−5.0cal/g以下の下記糖質甘味料(A)を粉体で水性媒体に分散することを特徴とするゲル化剤膨潤抑制方法
    (A)エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール及びパラチニットから選ばれる少なくとも1種
JP2007065886A 2007-03-14 2007-03-14 ゲル化剤膨潤抑制剤、それを用いた吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びゲル化剤膨潤抑制方法 Active JP5301102B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007065886A JP5301102B2 (ja) 2007-03-14 2007-03-14 ゲル化剤膨潤抑制剤、それを用いた吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びゲル化剤膨潤抑制方法
KR1020070050743A KR20080084521A (ko) 2007-03-14 2007-05-25 겔화제 팽윤 억제제, 이를 사용한 흡입구가 부착된 밀봉용기에 수용된 젤리상 식품 및 겔화제 팽윤 억제 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007065886A JP5301102B2 (ja) 2007-03-14 2007-03-14 ゲル化剤膨潤抑制剤、それを用いた吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びゲル化剤膨潤抑制方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008220312A JP2008220312A (ja) 2008-09-25
JP2008220312A5 JP2008220312A5 (ja) 2010-04-30
JP5301102B2 true JP5301102B2 (ja) 2013-09-25

Family

ID=39839645

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007065886A Active JP5301102B2 (ja) 2007-03-14 2007-03-14 ゲル化剤膨潤抑制剤、それを用いた吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びゲル化剤膨潤抑制方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5301102B2 (ja)
KR (1) KR20080084521A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102225823B1 (ko) * 2020-06-10 2021-03-09 박상호 애완동물용 모래 냄새 제거제를 이용한 애완동물 화장실용 모래 및 그 제조방법

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61199748A (ja) * 1985-02-28 1986-09-04 Takeda Chem Ind Ltd 流動性加熱食品用増粘剤ならびに流動性加熱食品の製造法
JPH0693830B2 (ja) * 1987-04-14 1994-11-24 三菱化成株式会社 固形飲料
JP2588750B2 (ja) * 1988-04-27 1997-03-12 雪印食品株式会社 易水分散性多糖類組成物およびその製造方法
JPH02156863A (ja) * 1988-12-12 1990-06-15 Nitta Gelatin Inc 易溶性ゼリーの素およびその製法
FR2715538B1 (fr) * 1994-02-01 1996-04-26 Roquette Freres Composition de chewing-gum présentant une qualité organoleptique améliorée et procédé permettant de préparer un tel chewing-gum.
JP3518201B2 (ja) * 1996-10-24 2004-04-12 三菱化学株式会社 ゼリー
JPH1118698A (ja) * 1997-05-08 1999-01-26 Mitsubishi Chem Corp ままこ防止剤
AU2003209475A1 (en) * 2002-03-07 2003-09-16 Vectura Limited Fast melt multiparticulate formulations for oral delivery
US20040180110A1 (en) * 2003-03-14 2004-09-16 Atul Mistry Chewing gum and confectionery compositions containing an endothermic agent
JP4460491B2 (ja) * 2004-06-04 2010-05-12 クラシエフーズ株式会社 吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びその製法
JP4815122B2 (ja) * 2004-11-09 2011-11-16 ユーハ味覚糖株式会社 突起を有する糖衣食品
JP2006166928A (ja) * 2006-03-13 2006-06-29 Ina Food Ind Co Ltd 増粘用添加液

Also Published As

Publication number Publication date
KR20080084521A (ko) 2008-09-19
JP2008220312A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2962772C (en) Whippable food products, whipped food products and methods of making the same
JP3607240B2 (ja) ドリンクゼリー
KR20170136436A (ko) 겔화 조성물 및 이것을 포함하는 식품
JP2022132531A (ja) ゲル状食品およびその製造方法
JP3839746B2 (ja) ココナッツミルク含有飲食品及びその製造方法
JP6413381B2 (ja) ゲル状栄養組成物
JP5208142B2 (ja) 低カロリーデザート食品
JP2009067886A (ja) 高ゲル強度ジェランガムの新規用途
JP2002153219A (ja) 酸乳ゲル組成物
JP5301102B2 (ja) ゲル化剤膨潤抑制剤、それを用いた吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びゲル化剤膨潤抑制方法
JP4460491B2 (ja) 吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びその製法
JP2005176749A (ja) ドリンクゼリー用ゲル化剤及びドリンクゼリー
CA2776236C (en) A multiphase jellified beverage composition
JP2007074945A (ja) 吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びその製法
JP6018995B2 (ja) 気泡含有ゲル状物および積層食品の製造方法
JP6385756B2 (ja) 凍結用酸性乳性飲料
JP2010029121A (ja) 炭酸ガス含有ドリンクゼリーの製造方法
JP5847039B2 (ja) ゲル状食品の製造方法
JP2018102265A (ja) 咀嚼・嚥下困難者用食品組成物
JP7432221B2 (ja) 酸性乳飲料の製造方法
JP2004166580A (ja) ゲル状食品用物性改良剤
JP5128567B2 (ja) ゼリー入り飲食品の製造方法
JP6895554B2 (ja) メチルセルロース及びこれを含む食品
JP7182349B2 (ja) 容器詰ゼリー飲料
JP3791815B2 (ja) 凍結デザート食品及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100311

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110425

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110624

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111013

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20111028

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20111118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130522

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5301102

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150