JP2002153219A - 酸乳ゲル組成物 - Google Patents
酸乳ゲル組成物Info
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Abstract
で殺菌してもゲルの性状及び乳中の蛋白質成分が安定で
あり、常温での保存性の優れた酸乳ゲル組成物を提供す
る。また、飲み心地に優れた酸乳ドリンクゼリーを提供
する。 【解決手段】酸乳ゲル組成物にジェランガム及び大豆多
糖類、寒天及び大豆多糖類、或いは、ジェランガム、寒
天及び大豆多糖類を含有する。
Description
等の酸乳ゲル組成物に関する。より詳細には、乳中の蛋
白質の安定性、ゲルの保存安定性及び飲み心地に優れる
酸乳ゲル組成物に関する。
とによって、酸乳ゲル化製品を製造する方法が検討され
ている。例えば、特開昭50−123852号公報に
は、高メトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロー
ス及びアルギン酸プロピレングリコールからなる群から
選んだ安定剤で酸乳を安定化する工程、この安定化した
酸乳に低メトキシルペクチン、カラギーナン及びファセ
レランからなる群から選んだゲル化剤を添加する工程、
及びその後この混合物をゲル化するのに充分な温度状態
におく工程からなることを特徴とした方法が挙げられて
いる。
クチンを使用すると、ゲル組成物に粘性が付与され、さ
っぱりとした爽快な飲み心地が期待しにくくなり、カラ
ギーナン及びファセレランを使用すると、乳中の蛋白質
成分と反応し、凝集・沈殿を起こし、ゲル化しないとい
った問題点があった。
ルボキシメチルセルロースを使用した場合は、ゲル組成
物に粘性が付与され、さっぱりとした爽快な飲み心地が
期待できず、低pH領域では添加量を多くしなければな
らず、使用しにくいという問題点があった。また、アル
ギン酸プロピレングリコールを使用した場合は、安定剤
自身の味がゲル組成物の風味に影響を与え、さっぱりと
した爽快な飲み心地が期待できないという問題点があっ
た。
126932号公報には、耐熱性・耐酸性を有するゲル
化剤であるジェランガムを用いた酸乳食品が挙げられて
いる。しかし、ジェランガム単独では、なお、pH4付
近における乳中の蛋白質の安定化効果が充分ではなかっ
た。更に、寒天もドリンクゼリー用のゲル化剤として使
用されることが記載されているが、単独使用では酸乳ゲ
ルの安定化は充分でなかった。更に、特開平11−27
9203号公報には、pH3.8〜4.4の大豆多糖類
を加えたドリンクヨーグルトが記載されている(実施例
5)。しかし、大豆多糖類単独では増粘はするものの、
ゲル化力はほとんど無く、所望のゼリー特有の食感を付
与することは不可能であった。
に鑑みて開発されたものであり、乳中の蛋白質の安定
性、保存安定性及び飲み心地に優れ、しかも低pH域に
おいても調製可能な酸乳ゲル組成物を提供することを目
的とする。
を解決するために鋭意研究を重ねていたところ、ジェラ
ンガム及び大豆多糖類、又は寒天及び大豆多糖類、或い
は、ジェランガム、寒天及び大豆多糖類を含有すること
により、乳中の蛋白質の安定性及び保存安定性に優れ、
しかも低pHでも調製可能な酸乳ゲル組成物となり、ゲ
ル組成物をドリンクゼリーとした際、飲み心地がさっぱ
りとした爽快なものとなることを見出した。
及び大豆多糖類の添加量を規定することにより、更なる
乳中蛋白質の安定化効果を発揮し、特に、特定のpHに
おいて、優れた効果を発揮することを見出した。
ル組成物である: 項1.ジェランガム及び大豆多糖類を含有することを特
徴とする酸乳ゲル組成物。 項2.ジェランガムの含有量が、0.02〜0.2重量
%である項1に記載の酸乳ゲル組成物。 項3.寒天及び大豆多糖類を含有することを特徴とする
酸乳ゲル組成物。 項4.寒天の含有量が、0.1〜0.5重量%である項
3に記載の酸乳ゲル組成物。 項5.ジェランガム、寒天及び大豆多糖類を含有するこ
とを特徴とする酸乳ゲル組成物。 項6.大豆多糖類の含有量が、0.1〜1.0重量%で
ある項1乃至5に記載の酸乳ゲル組成物。 項7.pHが3.4〜4.4である項1乃至6のいずれ
かに記載の酸乳ゲル組成物。 項8.更にローカストビーンガム、グアーガム、タラガ
ム、タマリンドシードガム及びグルコマンナンから選ば
れる1種以上を含む項1乃至7のいずれかに記載の酸乳
ゲル組成物。 項9.ゲル組成物がドリンクゼリーである項1乃至8の
いずれかに記載の酸乳ゲル組成物。
は、酸性の乳成分含有のゲル組成物をいい、例えば、酸
乳ドリンクゼリー、ババロア、嚥下困難者用食品等が挙
げられるが、特に、柔らかいゲル組成物に向いた製品、
例えば、酸乳ドリンクゼリーに適用するとさっぱりとし
た爽快な飲み心地となるので好ましい。
えば、缶、ビン、紙パック、ペットボトル、ラミネート
パック、チアパック等に充填、密封され、密封状態で流
通、販売されるもので、気軽に摂取する事ができる。ま
た常温で流通販売されるものであっても、チルド流通販
売されるものであっても良い。
第1発明として、ジェランガム及び大豆多糖類を含有す
ることを特徴とする。本発明で用いるジェランガムは、
脱アシル型ジェランガムが好ましい。具体的には、ゲル
アップ K−S(共に三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
製)等を用いることができる。酸乳ゲル組成物に対する
ジェランガムの含有量であるが、0.02〜0.2重量
%、好ましくは0.04〜0.15重量%、より好まし
くは0.06〜0.1重量%である。これよりジェラン
ガムの含有量が多いと、ジェランガムと乳中蛋白質成分
の凝集・沈殿が起こるので好ましくなく、これより少な
いとゲル化しないので好ましくない。
離大豆たん白質を製造する際生成するオカラから抽出、
精製、殺菌して得られる多糖類であり、ガラクトース、
アラビノース、ガラクツロン酸、ラムノース、キシロー
ス、フコース、グルコースなどの糖類から構成させる多
糖類のことをいう。具体的には、SM−700、SM−
930(共に三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)等を
用いることができる。また、ジェランガム及び大豆多糖
類の配合製剤として、ゲルアップ J-3544(三栄源
エフ・エフ・アイ株式会社製)を挙げることができる。
組成物は、寒天及び大豆多糖類を含有することを特徴と
する。本発明で用いる寒天は、通常市販されているもの
をもちいることができ、具体的には、ゲルアップJ−1
630(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)等を用い
ることが出来る。大豆多糖類は前記のものを用いること
が出来る。第2発明の酸乳ゲル組成物に対する寒天の含
有量であるが、0.1〜0.5重量%、好ましくは0.
2〜0.4重量%、より好ましくは0.2〜0.3重量
%である。これより寒天の含有量が多いと、出来上がっ
たゼリーが固すぎて、これより少ないとゲル化しないの
で、いずれもドリンクゼリーとしての所望の食感が得ら
れないので好ましくない。
は、ジェランガム、寒天及び大豆多糖類を含有すること
を特徴とする。いずれの物質も前記のものを用いること
が出来る。ジェランガムと寒天の含有量は、前述範囲を
超えない範囲であれば特に制限はされないが、例えば、
配合を重量比でジェランガム:寒天=6:1〜1:6の
割合に設定することができる。
豆多糖類の含有量は、0.1〜1.0重量%、好ましく
は0.2〜0.6重量%、より好ましくは0.3〜0.
5重量%の範囲である。これより大豆多糖類の含有量が
多いと、大豆多糖類自体の味がゲル組成物の風味に影響
を与えるため好ましくなく、これより少ないと所望の乳
中蛋白質の安定化効果を奏さないからである。
としては、牛乳、脱脂粉乳、生クリーム、ヨーグルト
(発酵乳)、全脂粉乳、全脂練乳、脱脂練乳、粉末発酵
乳、豆乳等が挙げられる。酸乳ゲル組成物に対する乳成
分の添加量は、使用する乳成分や適応食品に応じて適宜
調製することができるが、酸乳ドリンクゼリーに対する
脱脂粉乳の添加量は、0.5〜6.0重量%、好ましく
は1.0〜4.0重量%、より好ましくは1.5〜2.
5重量%であり、同じく牛乳の添加量は、6.25〜7
5.0重量%、好ましくは12.5〜50.0重量%、
より好ましくは15.0〜30.0重量%を例示するこ
とができる。
ば、クエン酸、乳酸、グルコノデルタラクトン(グルコ
ン酸)、アジピン酸、酒石酸、リンゴ酸等を挙げること
ができる。中でも好ましくは、クエン酸、乳酸とするこ
とによりさっぱりとした爽快な酸味を付与することが出
来る。
添加することにより、pHを3.4〜4.4の範囲に調
整することが好ましい。pHがこれよりも高いと、好ま
しい酸味が得られず、さっぱりとした爽快な飲み心地と
なる酸乳ゲル組成物とならず、これよりpHが低いと、
ゲル化しにくくなったり、また、出来上がったゲルが酸
により影響を受けて壊れやすくなったり、離水が多くな
ったりするからである。
する酸乳ゲル組成物の場合は、pH3.8〜4.2に設
定するのが好ましく、また、寒天及び大豆多糖類を含有
する酸乳ゲル組成物の場合は、3.5〜4.2の範囲に
設定することが好ましい。ジェランガム、寒天及び大豆
多糖類を含有する酸乳ゲル組成物の場合は、pH3.7
〜4.2である。
加えて、更にローカストビーンガム、グアーガム、タラ
ガム、タマリンドシードガム及びグルコマンナンから選
ばれる1種以上を併用することが好ましい。これらを併
用することにより、ゲル組成物の離水を防止し、酸乳中
の蛋白質成分の安定性が更に高まるからである。
えて、更に甘味料を配合することができる。甘味料とし
ては、特に限定されず従来甘味料として公知のものがい
ずれも使用できる。
元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソ
マルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオ
リゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオ
リゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハ
ロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトー
ル、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラク
チトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガ
ー)、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スク
ラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物
(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウ
ム、ステビア抽出物、ステビア末等の甘味成分が挙げら
れる。
ず、甘味度が3〜30度となるように配合するのが好ま
しく、好ましくは5〜20度、より好ましくは8〜15
度となるように配合するのがよい。
の効果に影響を与えない限りにおいて、その他のゲル化
剤等も併用することが出来る。その他のゲル化剤とし
て、一般的に用いられているものが使用でき、例えば、
ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ネイテ
ィブジェランガム、マクロホモプシスガムなどが挙げら
れる。また、コーンスターチ、タピオカ澱粉等の澱粉、
カルボキシメチルセルロースなどを添加してもよい。こ
れらゲル化剤や澱粉等を、飲み心地に影響を与えない程
度の粘度を付与する量の添加を行うことで、乳中の蛋白
質安定化効果に補助的に作用する。
の効果を損なわないことを限度として、各種着色料、着
香料及び風味調整剤などを含むことができ、これによっ
て対象とする組成物に所望の色、香り並びに味を均一に
付与することができる。また、必要に応じて、乳化剤、
酸化防止剤、保存料、ビタミン類、乳酸カルシウム、グ
ルコン酸カルシウム等のカルシウム類、鉄、マグネシウ
ム、リン、カリウム等のミネラル類などを添加してもよ
い。
が、ジェランガム、寒天、大豆多糖類、乳成分、酸味料
及びその他の原料を水、好ましくは蒸留水に加熱攪拌溶
解し、冷却することによって調製することができる。な
お、ジェランガムを水に溶解する際、90℃以上で加熱
溶解することが好ましいが、クエン酸三ナトリウム等の
イオン封鎖剤を溶解時に使用すれば、60℃程度以上の
加熱でジェランガムを溶解することが可能である。
あり、耐熱性、耐酸性に優れ、酸乳ゲル組成物を高温で
殺菌してもゲルの性状が安定であり、常温での保存性の
優れた酸乳ゲル組成物とすることが出来る。更に、ゲル
組成物を酸乳ドリンクゼリーとした場合、さっぱりとし
た爽快な飲み心地の優れた酸乳ドリンクゼリーとするこ
とが出来る。
具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定される
ものではない。尚、本発明において特に記載しない限
り、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を意味す
るものとし、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ
株式会社製を示す。
ゼリー 下記のゼリー部処方に示す組成のうち、香料以外を水に
加え、80℃10分間加熱溶解後、香料を加え、クエン
酸にてpHを3.8に調整し、チアパックに充填し、8
5℃30分間加熱殺菌し、チアパック入りヨーグルト風
味酸乳ドリンクゼリーを得た。
は、実施例1と同様にして酸乳ドリンクゼリーを調製し
た。実施例の酸乳ドリンクゼリーは、凝集・沈殿も見ら
れず、飲用しても飲み心地のよいさっぱりとした爽快な
喉越しの良好な酸乳ドリンクゼリーとなった。一方、比
較例の酸乳ドリンクゼリーは、乳中の蛋白質成分の凝集
・沈殿が見られ、飲用してみても、ざらざらとしており
喉越しがよい飲料とは言えなかった。
ー 下記のゼリー部処方に示す組成のうち、水に脱脂粉乳を
攪拌溶解し、75℃まで加熱する。また、水に、液糖、
砂糖、寒天、大豆多糖類及びローカストビーンガムを加
え、90℃10分間攪拌溶解し、75℃とした後、前記
水と脱脂粉乳溶液を加え、更に、少量のお湯でといたク
エン酸及びレモン5倍濃縮果汁を添加し、全量補正す
る。14700KPaにてホモジナイズし、93℃達温
後、香料を加え、ペットボトルに充填し、85℃30分
間加熱殺菌し、ペットボトル入りレモン風味の酸乳ドリ
ンクゼリーを得た。
ー 下記のゼリー部処方に示す組成のうち、色素と香料以外
を水に加え、90℃10分間加熱溶解後、色素と香料を
加え、クエン酸にてpHを3.9に調整し、ペットボト
ルに充填し、85℃30分間加熱殺菌し、ペットボトル
入りピーチ風味の酸乳ドリンクゼリーを得た。
Claims (9)
- 【請求項1】ジェランガム及び大豆多糖類を含有するこ
とを特徴とする酸乳ゲル組成物。 - 【請求項2】ジェランガムの含有量が、0.02〜0.
2重量%である請求項1に記載の酸乳ゲル組成物。 - 【請求項3】寒天及び大豆多糖類を含有することを特徴
とする酸乳ゲル組成物。 - 【請求項4】寒天の含有量が、0.1〜0.5重量%で
ある請求項3に記載の酸乳ゲル組成物。 - 【請求項5】ジェランガム、寒天及び大豆多糖類を含有
することを特徴とする酸乳ゲル組成物。 - 【請求項6】大豆多糖類の含有量が、0.1〜1.0重
量%である請求項1乃至5に記載の酸乳ゲル組成物。 - 【請求項7】pHが3.4〜4.4である請求項1乃至
6のいずれかに記載の酸乳ゲル組成物。 - 【請求項8】更にローカストビーンガム、グアーガム、
タラガム、タマリンドシードガム及びグルコマンナンか
ら選ばれる1種以上を含む請求項1乃至7のいずれかに
記載の酸乳ゲル組成物。 - 【請求項9】ゲル組成物がドリンクゼリーである請求項
1乃至8のいずれかに記載の酸乳ゲル組成物。
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