JP2004166580A - ゲル状食品用物性改良剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゼリー、プリン、ババロア、ムース、ハードヨーグルト、ドリンクゼリー、ゼリー寄せ、ゲル状調味料、嚥下困難者用食品といったゲル状食品に関し、ゲル形成や弾力性の発現自体に影響を与えるものでなく、ゲルの硬さや弾力のある食感をそのまま維持しながら、ストローで喫食しやすくなったり、スプーン切れがよくなったりといった、ゲルの物性が改良され、離水の問題も解決したゲル状食品を提供する。
【解決手段】ゲル状食品用物性改良剤にこんにゃく粉、水飴及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含む。
【選択図】なし
【解決手段】ゲル状食品用物性改良剤にこんにゃく粉、水飴及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含む。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲル状食品用物性改良剤に関する。詳細には、硬さや弾力のある食感をそのまま維持しつつ、ストローで喫食しやすくなったり、スプーン切れがよくなったりといった物性が改良されたゲル状食品及びゲル状食品用物性改良剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゼリー(ゲル)の食感を改良する方法として、ゲル化剤の種類や添加量を適宜選択することが一般的に行われている。柔らかいゲルを調製する際は、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グルコマンナンといったゲル化力が比較的弱い多糖類を用いる場合が多いが、曳糸性(糸引き)が見られたり、スプーンで食した場合スプーン切れが悪くなったりといった問題が生じる場合がある。
【0003】
また、比較的硬いゲルを調製する際は、ジェランガムやカラギナンなどの多糖類を用いる場合が多いが、食する際、ストローで喫食しにくくなったり、離水が生じたりするという問題点が生じる場合がある。よって、ゲルの硬さに関わらず、ゲルの食感はそのままで、スプーン切れがよく、ストローで喫食し易くするようなゲルの調製方法が求められている。
【0004】
例えば、チューブ状の容器から取り出すときに適度の流動性があり、食材の上に載せたときにゼリー状を呈するようなゼリー状調味料として、調味料と、グルコマンナン及びキサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ジェランガム、その他のグルコマンナン反応性多糖類から選ばれた1種又は2種以上のグルコマンナン反応性多糖類を構成成分とするゲル化剤とを含有し、ゲル強度を10〜80g/cm2とするゼリー状調味料が記載されている(特許文献1)。しかし、このゼリー状調味料を充填したチューブ状の容器から取り出す時に、流動性と同時に曳糸性があるため、キレが悪く、食材の上に載せる際に、載せる量が調節しづらいといった問題点や離水の問題も生じている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−153234号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、ゲルの食感はそのままで、食する際、スプーン切れが良く、また、ストローで喫食し易くなり、また、離水の問題も解決されたゲル状食品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、ゲル状食品にこんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品に使用することにより、ゲルの食感はそのままで食する際、スプーン切れが良くなったり、ストローで喫食し易くなったりし、また離水の問題も解決したゲル状食品となることがわかった。
【0008】
すなわち本発明は、以下の態様を有する;
項1.こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とするゲル状食品用物性改良剤。
項2.こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とするゲル状食品の物性改良方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のゲル状食品用物性改良剤は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の対象となるゲル状食品は、ゼリー、プリン、ババロア、ムース、ハードヨーグルト、嚥下困難者用食品、ドリンクゼリー、ゼリー寄せ、ゲル状調味料といった常温でゲル状態を示す食品であれば特に限定はされない。
【0011】
本発明でいう乾燥こんにゃく加工品は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて複合組成物としたものであり、粒状、糸状、粉末状等の任意形状を有するように加工されたものである。乾燥こんにゃく粉加工品に用いられるこんにゃく粉は、通常用いられているこんにゃく粉や、生こんにゃく芋の乾燥粉砕品等を使用することが出来る。糖質は、例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、トレハルロース、ネオトレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類などを使用することが出来るが、好ましくは水飴である。澱粉は、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ等のトウモロコシ由来のでんぷん;タピオカでんぷん;サツマイモ由来のでんぷん、ジャガイモ由来のでんぷん、サゴヤシ由来のでんぷん等やそれらの加工澱粉を適宜選択して用いることができる。
【0012】
乾燥こんにゃく加工品の加工方法は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて複合物として乾燥加工品とすることができ、水中で膨潤できるようなものに加工できればどのような製法を採ってもよい。好ましい製造方法として、コンニャク芋から常法にてグルコマンナンを抽出して乾燥し、澱粉と混合し、水を添加して膨潤し、少量のアルカリを添加することによる脱アセチル化処理を行った後、成型、加熱ゲル化、中和、糖質溶液浸漬、乾燥することで製造する例を挙げることができる。更には、特許第2866609号或いは特許第3159104号に記載の方法で製造することができる。
【0013】
また、乾燥こんにゃく加工品中のこんにゃく粉、糖質及び澱粉の組成も、特に制限されないが、乾燥こんにゃく加工品中、こんにゃく粉5〜30重量%、水飴30〜90重量%、澱粉5〜30重量%の範囲となるように、任意に調整することができる。
【0014】
なお、乾燥こんにゃく加工品は、粉末状、粒状、糸こんにゃくのような糸状といった任意の形態をとることができるが、好ましくは、粉末状態のものである。粉末の度合いとしては、50メッシュ篩過のものがよく、好ましくは、80メッシュ篩過、更に好ましくは、120メッシュ篩過である。このような製剤は、商業上入手することができ、例えば、アイレス株式会社製の乾燥こんにゃくや、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスマート400等のサンスマートシリーズを挙げることができる。
【0015】
本発明の乾燥こんにゃく粉加工品は、ゲル状食品に添加しても、ゲル形成や弾力性の発現自体に影響を与えるものでなく、ゲル状食品の物性改良に効果を奏するものである。具体的には、弾力性のあるゲルの食感はそのままで、スプーン切れが良くなったり、また、ストローで喫食する場合もストローで喫食しやすく、また、離水の問題を解決したものである。
【0016】
かかる乾燥こんにゃく粉加工品の添加量は、ゲル状食品最終製品に対して、0.05〜10重量%、好ましくは、0.1〜5重量%となるように添加することが好ましい。
【0017】
本発明のゲル状食品用食感改良剤は、前記乾燥こんにゃく加工品を単独でゲル状食品の製造時に添加することもできるが、更に、カラギナン、寒天、ガラクトマンナン、グルコマンナン、キサンタンガム、ジェランガム等のゲル化剤などと一剤化してもよい。
【0018】
本発明のゲル状食品用食感改良剤の添加方法であるが、前述の乾燥こんにゃく加工品や他の添加剤とをそれぞれ別に添加しても良いし、一剤化して添加しても良い、一剤化した製品も上市されており、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のゲルアップYO−11などを挙げることができる。
【0019】
更に、本発明は前述のゲル状食品用食感改良剤を含むゲル状食品に関する。
本発明のゲル状食品には、乾燥こんにゃく加工品を含有するゲル状食品用物性改良剤を添加する以外は、本発明の効果に影響を与えない限りにおいて、通常のゲル状食品と同様の構成をとることができ、通常のゲル状食品と同様の方法で製造することができる。
【0020】
例えば、水、ゲル化・増粘剤、糖質、酸味料、カルシウム塩等のミネラル分、香料、色素、タンパク質、調味料、乳化剤、酸化防止剤、乳酸菌(カルチャー)等より選択された添加材料を、所定の割合で混合させ溶融したものが用いられる。
【0021】
ゲル化・増粘剤としては、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、タマリンド種子多糖類、タラガム、カラヤガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、アラビアガム、マクロホモプシスガム、カラギナン、寒天、ゼラチン、ペクチン、カードラン、グルコマンナン、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、CMC、微結晶セルロース、大豆多糖類、ラムザンガム、ウエランガム、サイリウムシードガム、プルラン、澱粉、加工・化工澱粉等を挙げることができる。
【0022】
糖質としては、例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、トレハルロース、ネオトレハロース、パラチノース、ラクチトール、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール等の糖アルコール類をあげることができる。また、サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料等も添加してもよい。
【0023】
タンパク質としては、通常、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳或いは生クリームなどの乳由来のタンパク質や、全卵、卵黄、卵白等の卵由来のタンパク質が好適に用いられる。
【0024】
本発明のゲル状食品の製造方法であるが、本発明のゲル状食品用食感改良剤を添加する以外は常法により製造することができる。例えば、原料を水、好ましくは蒸留水に加熱攪拌溶解し(75〜95℃で5〜15分程度)、香料、色素等を添加してpH調整、全量補正後、40℃で無菌条件下に容器充填を行う方法か、或いは、全量補正後、90〜95℃で容器充填(ホットパック充填)後、冷却する方法などを挙げることができる。
【0025】
本発明により、ゲルの食感はそのままで、スプーン切れが良く、またストローで喫食し易くなり、離水の問題も解決したゲル状食品を提供できるようになった。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り単位は重量部とし、文中*印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中※印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
【0027】
実施例1:ミルクプリンの調製
下記の処方通り原料の秤量を行い、水と牛乳、クリーム、加糖凍結卵黄を合わせ、乾燥こんにゃく粉加工品とグラニュー糖、脱脂粉乳、ゲル化剤の粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解後、香料を添加し、攪拌混合後、全量補正し、カップ充填して水冷固化し、ミルクプリンを調製した。
【0028】
【0029】
比較例として、乾燥こんにゃく加工品を添加しないもの(比較例1)、乾燥こんにゃく粉加工品に代えてグルコマンナン0.5部を添加したもの(比較例2)以外は実施例と同様の処方、製法にて調製した。実施例に比べて、比較例1はスプーン切れが悪かった。また、比較例2は、ゲルの食感が変わり糊状感の強いものとなった。それに対し、実施例のミルクプリンはスプーン切れも良く、糊状食感も感じられず、好ましい食感であった。
【0030】
実施例2:ドリンクゼリーの調製
下記の処方通り原料の秤量を行い、水と果糖ブドウ糖液糖を合わせ、乾燥こんにゃく粉加工品、グラニュー糖、ゲル化剤、クエン酸三ナトリウム及びスクラロースの粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解後、少量のお湯で溶いた乳酸カルシウム、果汁、クエン酸、L−アスコルビン酸、香料の順に添加し、攪拌混合後、全量補正し、カップ充填後85℃30分間の殺菌をし、水冷固化して、ドリンクゼリーを調製した。
【0031】
比較例として、乾燥こんにゃく加工品を添加せずにドリンクゼリーを調製したが、離水が生じ、ゼリーは硬くて脆い食感を有しているために、ストローで喫食した場合、ストローを挿した部分しか喫食できなかった。
【0032】
一方、実施例の乾燥こんにゃく加工品を添加して調製したドリンクゼリーは、比較例と比べて、離水もなく、硬くて脆い食感は若干弱くなり、丁度ピューレを添加したような食感となる。つまり、不溶性の乾燥こんにゃく加工品がゲルの組織内に存在するために、ゲル組織としては比較例よりは弱い構造となり、組織は不均一な状態となっている。そのため、ストローを挿して喫食した場合は、ストローを挿した部分の回りの組織も吸引力により直ぐに崩れていき、ストローで連続的に喫食できる良好な食感のドリンクゼリーとなった。
【0033】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲル状食品用物性改良剤に関する。詳細には、硬さや弾力のある食感をそのまま維持しつつ、ストローで喫食しやすくなったり、スプーン切れがよくなったりといった物性が改良されたゲル状食品及びゲル状食品用物性改良剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゼリー(ゲル)の食感を改良する方法として、ゲル化剤の種類や添加量を適宜選択することが一般的に行われている。柔らかいゲルを調製する際は、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グルコマンナンといったゲル化力が比較的弱い多糖類を用いる場合が多いが、曳糸性(糸引き)が見られたり、スプーンで食した場合スプーン切れが悪くなったりといった問題が生じる場合がある。
【0003】
また、比較的硬いゲルを調製する際は、ジェランガムやカラギナンなどの多糖類を用いる場合が多いが、食する際、ストローで喫食しにくくなったり、離水が生じたりするという問題点が生じる場合がある。よって、ゲルの硬さに関わらず、ゲルの食感はそのままで、スプーン切れがよく、ストローで喫食し易くするようなゲルの調製方法が求められている。
【0004】
例えば、チューブ状の容器から取り出すときに適度の流動性があり、食材の上に載せたときにゼリー状を呈するようなゼリー状調味料として、調味料と、グルコマンナン及びキサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ジェランガム、その他のグルコマンナン反応性多糖類から選ばれた1種又は2種以上のグルコマンナン反応性多糖類を構成成分とするゲル化剤とを含有し、ゲル強度を10〜80g/cm2とするゼリー状調味料が記載されている(特許文献1)。しかし、このゼリー状調味料を充填したチューブ状の容器から取り出す時に、流動性と同時に曳糸性があるため、キレが悪く、食材の上に載せる際に、載せる量が調節しづらいといった問題点や離水の問題も生じている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−153234号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、ゲルの食感はそのままで、食する際、スプーン切れが良く、また、ストローで喫食し易くなり、また、離水の問題も解決されたゲル状食品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、ゲル状食品にこんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品に使用することにより、ゲルの食感はそのままで食する際、スプーン切れが良くなったり、ストローで喫食し易くなったりし、また離水の問題も解決したゲル状食品となることがわかった。
【0008】
すなわち本発明は、以下の態様を有する;
項1.こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とするゲル状食品用物性改良剤。
項2.こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とするゲル状食品の物性改良方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のゲル状食品用物性改良剤は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の対象となるゲル状食品は、ゼリー、プリン、ババロア、ムース、ハードヨーグルト、嚥下困難者用食品、ドリンクゼリー、ゼリー寄せ、ゲル状調味料といった常温でゲル状態を示す食品であれば特に限定はされない。
【0011】
本発明でいう乾燥こんにゃく加工品は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて複合組成物としたものであり、粒状、糸状、粉末状等の任意形状を有するように加工されたものである。乾燥こんにゃく粉加工品に用いられるこんにゃく粉は、通常用いられているこんにゃく粉や、生こんにゃく芋の乾燥粉砕品等を使用することが出来る。糖質は、例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、トレハルロース、ネオトレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類などを使用することが出来るが、好ましくは水飴である。澱粉は、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ等のトウモロコシ由来のでんぷん;タピオカでんぷん;サツマイモ由来のでんぷん、ジャガイモ由来のでんぷん、サゴヤシ由来のでんぷん等やそれらの加工澱粉を適宜選択して用いることができる。
【0012】
乾燥こんにゃく加工品の加工方法は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて複合物として乾燥加工品とすることができ、水中で膨潤できるようなものに加工できればどのような製法を採ってもよい。好ましい製造方法として、コンニャク芋から常法にてグルコマンナンを抽出して乾燥し、澱粉と混合し、水を添加して膨潤し、少量のアルカリを添加することによる脱アセチル化処理を行った後、成型、加熱ゲル化、中和、糖質溶液浸漬、乾燥することで製造する例を挙げることができる。更には、特許第2866609号或いは特許第3159104号に記載の方法で製造することができる。
【0013】
また、乾燥こんにゃく加工品中のこんにゃく粉、糖質及び澱粉の組成も、特に制限されないが、乾燥こんにゃく加工品中、こんにゃく粉5〜30重量%、水飴30〜90重量%、澱粉5〜30重量%の範囲となるように、任意に調整することができる。
【0014】
なお、乾燥こんにゃく加工品は、粉末状、粒状、糸こんにゃくのような糸状といった任意の形態をとることができるが、好ましくは、粉末状態のものである。粉末の度合いとしては、50メッシュ篩過のものがよく、好ましくは、80メッシュ篩過、更に好ましくは、120メッシュ篩過である。このような製剤は、商業上入手することができ、例えば、アイレス株式会社製の乾燥こんにゃくや、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスマート400等のサンスマートシリーズを挙げることができる。
【0015】
本発明の乾燥こんにゃく粉加工品は、ゲル状食品に添加しても、ゲル形成や弾力性の発現自体に影響を与えるものでなく、ゲル状食品の物性改良に効果を奏するものである。具体的には、弾力性のあるゲルの食感はそのままで、スプーン切れが良くなったり、また、ストローで喫食する場合もストローで喫食しやすく、また、離水の問題を解決したものである。
【0016】
かかる乾燥こんにゃく粉加工品の添加量は、ゲル状食品最終製品に対して、0.05〜10重量%、好ましくは、0.1〜5重量%となるように添加することが好ましい。
【0017】
本発明のゲル状食品用食感改良剤は、前記乾燥こんにゃく加工品を単独でゲル状食品の製造時に添加することもできるが、更に、カラギナン、寒天、ガラクトマンナン、グルコマンナン、キサンタンガム、ジェランガム等のゲル化剤などと一剤化してもよい。
【0018】
本発明のゲル状食品用食感改良剤の添加方法であるが、前述の乾燥こんにゃく加工品や他の添加剤とをそれぞれ別に添加しても良いし、一剤化して添加しても良い、一剤化した製品も上市されており、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のゲルアップYO−11などを挙げることができる。
【0019】
更に、本発明は前述のゲル状食品用食感改良剤を含むゲル状食品に関する。
本発明のゲル状食品には、乾燥こんにゃく加工品を含有するゲル状食品用物性改良剤を添加する以外は、本発明の効果に影響を与えない限りにおいて、通常のゲル状食品と同様の構成をとることができ、通常のゲル状食品と同様の方法で製造することができる。
【0020】
例えば、水、ゲル化・増粘剤、糖質、酸味料、カルシウム塩等のミネラル分、香料、色素、タンパク質、調味料、乳化剤、酸化防止剤、乳酸菌(カルチャー)等より選択された添加材料を、所定の割合で混合させ溶融したものが用いられる。
【0021】
ゲル化・増粘剤としては、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、タマリンド種子多糖類、タラガム、カラヤガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、アラビアガム、マクロホモプシスガム、カラギナン、寒天、ゼラチン、ペクチン、カードラン、グルコマンナン、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、CMC、微結晶セルロース、大豆多糖類、ラムザンガム、ウエランガム、サイリウムシードガム、プルラン、澱粉、加工・化工澱粉等を挙げることができる。
【0022】
糖質としては、例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、トレハルロース、ネオトレハロース、パラチノース、ラクチトール、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール等の糖アルコール類をあげることができる。また、サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料等も添加してもよい。
【0023】
タンパク質としては、通常、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳或いは生クリームなどの乳由来のタンパク質や、全卵、卵黄、卵白等の卵由来のタンパク質が好適に用いられる。
【0024】
本発明のゲル状食品の製造方法であるが、本発明のゲル状食品用食感改良剤を添加する以外は常法により製造することができる。例えば、原料を水、好ましくは蒸留水に加熱攪拌溶解し(75〜95℃で5〜15分程度)、香料、色素等を添加してpH調整、全量補正後、40℃で無菌条件下に容器充填を行う方法か、或いは、全量補正後、90〜95℃で容器充填(ホットパック充填)後、冷却する方法などを挙げることができる。
【0025】
本発明により、ゲルの食感はそのままで、スプーン切れが良く、またストローで喫食し易くなり、離水の問題も解決したゲル状食品を提供できるようになった。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り単位は重量部とし、文中*印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中※印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
【0027】
実施例1:ミルクプリンの調製
下記の処方通り原料の秤量を行い、水と牛乳、クリーム、加糖凍結卵黄を合わせ、乾燥こんにゃく粉加工品とグラニュー糖、脱脂粉乳、ゲル化剤の粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解後、香料を添加し、攪拌混合後、全量補正し、カップ充填して水冷固化し、ミルクプリンを調製した。
【0028】
【0029】
比較例として、乾燥こんにゃく加工品を添加しないもの(比較例1)、乾燥こんにゃく粉加工品に代えてグルコマンナン0.5部を添加したもの(比較例2)以外は実施例と同様の処方、製法にて調製した。実施例に比べて、比較例1はスプーン切れが悪かった。また、比較例2は、ゲルの食感が変わり糊状感の強いものとなった。それに対し、実施例のミルクプリンはスプーン切れも良く、糊状食感も感じられず、好ましい食感であった。
【0030】
実施例2:ドリンクゼリーの調製
下記の処方通り原料の秤量を行い、水と果糖ブドウ糖液糖を合わせ、乾燥こんにゃく粉加工品、グラニュー糖、ゲル化剤、クエン酸三ナトリウム及びスクラロースの粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解後、少量のお湯で溶いた乳酸カルシウム、果汁、クエン酸、L−アスコルビン酸、香料の順に添加し、攪拌混合後、全量補正し、カップ充填後85℃30分間の殺菌をし、水冷固化して、ドリンクゼリーを調製した。
【0031】
比較例として、乾燥こんにゃく加工品を添加せずにドリンクゼリーを調製したが、離水が生じ、ゼリーは硬くて脆い食感を有しているために、ストローで喫食した場合、ストローを挿した部分しか喫食できなかった。
【0032】
一方、実施例の乾燥こんにゃく加工品を添加して調製したドリンクゼリーは、比較例と比べて、離水もなく、硬くて脆い食感は若干弱くなり、丁度ピューレを添加したような食感となる。つまり、不溶性の乾燥こんにゃく加工品がゲルの組織内に存在するために、ゲル組織としては比較例よりは弱い構造となり、組織は不均一な状態となっている。そのため、ストローを挿して喫食した場合は、ストローを挿した部分の回りの組織も吸引力により直ぐに崩れていき、ストローで連続的に喫食できる良好な食感のドリンクゼリーとなった。
【0033】
Claims (2)
- こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とするゲル状食品用物性改良剤。
- こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とするゲル状食品の物性改良方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002335759A JP2004166580A (ja) | 2002-11-19 | 2002-11-19 | ゲル状食品用物性改良剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002335759A JP2004166580A (ja) | 2002-11-19 | 2002-11-19 | ゲル状食品用物性改良剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004166580A true JP2004166580A (ja) | 2004-06-17 |
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ID=32699801
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007159574A (ja) * | 2005-11-18 | 2007-06-28 | Sanei Gen Ffi Inc | ラムザンガムの新規用途 |
JP2008125429A (ja) * | 2006-11-21 | 2008-06-05 | Asahi Food & Healthcare Ltd | インスタント食品 |
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-
2002
- 2002-11-19 JP JP2002335759A patent/JP2004166580A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2023074164A (ja) * | 2021-11-17 | 2023-05-29 | キユーピー株式会社 | 粘弾性を有する対象物の物性を測定する物性測定方法および物性測定装置 |
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